特許調査をPatlyticsに任せる範囲|弁理士が決める線

特許調査をPatlyticsに任せる範囲|弁理士が決める線

「競合の製品が自社の特許に触れていないか、全部を人で読む時間がない」「AIが作った対比表をそのまま弁理士に渡して、費用を下げられないか」——知財部や開発の企画で、ここ1年ほど続けて聞かれる声です。どちらも、時間と費用の制約から出てくる切実な声です。事実として、米国の Patlytics は1億3,000万件を超える特許と3億件を超える文献を検索の対象にするとうたい、提供元の発表では米国の大手法律事務所の上位100のうち4割が使っているとされます。特許の調査にAIが入ること自体は、もう前提になりつつあります。問題はAIが調べられるかではなく、AIの答えのどこまでを一次判定として扱い、どこから人が判断するかです。この記事では、特許に特化した生成AI Patlytics を例に、AIに任せる範囲と、弁理士と知財部が決める線を整理します。


カメ先生カメ先生

特許の調査にAIを使えば、侵害かどうかまでAIが答えてくれる、と思われがちなんだ。でも本当にAIが得意なのは、候補を洗い出して対比表の下書きを作るところまでなんだよ


カメ子カメ子

候補を見つけることと、侵害だと判断することは別の仕事、ということですか


カメ先生カメ先生

そう。侵害かどうか、出願の文言をどうするか、警告状を出すか。そこには法律の解釈と会社の戦略が入る。だから一次判定と判断の境目を、使い始める前に決めておく必要があるんだ


カメ子カメ子

AIの対比表は、判断の材料であって答えではないんですね


この記事のポイント
  • Patlytics は、侵害の発見とクレームチャートの自動作成、無効資料の調査、出願書類の下書き、保有特許の選別を行う特許専門の生成AI。2026年4月にシリーズBで4,000万ドルを調達した米国の会社が作っている
  • AIの一次判定は、クレームの読み違い・公報の言語と対象の国・対比の取りこぼしの3つの型で外れる。外れ方を知ったうえで、どこまでを一次判定にするかを決める
  • 候補の洗い出し・対比表の下書き・文献の要約はAI、侵害かどうかの判断・出願の文言の確定・警告や訴訟の判断は弁理士・弁護士・知財部が持つ

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目次

Patlytics は、特許の仕事に特化した生成AIの基盤

Patlytics は、特許にかかわる調査と書類づくりを生成AIで支える基盤です。2026年10月時点の公式サイトでは、侵害の検出とクレームチャートの自動作成、無効資料の調査、出願書類の下書き、拒絶理由通知の分析、発明の届出の整理、保有特許の選別、特許の保管と分類といった機能が並んでいます。

クレームチャートとは、特許の請求項(クレーム)を要素ごとに分け、相手の製品や先行する文献のどこがその要素に当たるかを左右に並べた表のことです。侵害を主張する側も、無効を主張する側も、まずこの表を作ります。Patlytics は、この表の下書きを自動で作ることを中心に据えています。

これらの機能を横断する入口として、Agent と呼ばれる対話の窓口があり、公式の説明では200以上のスキル(手順と歯止めを組み込んだ定型の作業)を呼び出せます。スキルには、訴訟、権利化の手続、保有特許の管理などの分野があり、利用者が自分で作ることもできるとされています。

つまりこの製品は、特許の検索の道具というより、調査から書類の下書きまでの手を動かす部分をまとめて引き受ける道具です。そのぶん、出てきた表や下書きをどう扱うかの決まりが、使う側に強く求められます。

ニューヨークの会社と、国内でまだ知られていない理由

Patlytics は、共同創業者で最高経営責任者のポール・リー氏と、最高技術責任者のアーサー・ジェン氏が立ち上げた会社です。2026年4月8日にニューヨークから配信された報道発表で、シグナルファイアが主導するシリーズBで4,000万ドルを調達したと発表しました。提供元の発表では、累計の調達額は約6,500万ドルです。

公式サイトの顧客の欄には、米国の大手法律事務所と並んで、旭化成、日産、キヤノンといった日本の企業の名前があります。旭化成については、調査の期間を数か月から数時間に縮めたという例が提供元のサイトに載っています。日本の大手の知財部がすでに試している、という意味では、国内と無縁の製品ではありません。

それでも国内でまだあまり知られていない理由は、確かめた範囲では三つあります。一つは、機能の説明が米国の特許の実務を前提にしていることです。無効の論点は米国特許法の条文に沿って示され、スキルの例にも米国の出願の確認が並びます。二つめは、利用者が大手の法律事務所と大企業の知財部に集中しており、一般向けの宣伝をしていないことです。

三つめは、日本語のサイトはあるものの、日本の特許庁の公報をどこまで扱えるか、日本語のクレームをどれだけ正確に読めるかが、2026年10月時点の公式の資料では確かめられなかったことです。国内の拠点や代理店の記載も見当たりませんでした。国内の出願や公報を中心に使うなら、この点を最初に確かめる必要があります。

機能と、それぞれの提供の状態

導入を検討するときは、いま使える機能と、計画として示されている機能を分けて見ます。公式サイトと報道発表で確かめた範囲を、まとめます。

機能中身(公式で確かめた範囲)提供の状態
侵害の検出相手の製品と自社の特許を照らし、クレームチャートを自動で作る提供中
無効資料の調査先行する特許や文献を探し、対比の表と無効の論点を下書きする提供中
出願書類の下書き国と技術分野ごとの型に沿って明細書の下書きを作る提供中
保有特許の選別価値が高い特許と低い特許を見分け、維持や放棄の検討に使う提供中
Agent200以上のスキルを対話で呼び出す共通の窓口公式に提供の段階の表記なし
法律事務所と企業の共同作業の場・自律的な下書きのエージェント調達の発表で示された今後の計画提供前(計画)

表の最後の行は、2026年4月の発表で資金の使い道として示されたもので、2026年10月時点で提供が確かめられた機能ではありません。電子証拠の開示の分野で使われる別の製品との連携も、公式サイトでは順番待ちの受付の段階です。稟議の効果の見積もりには、提供中の機能だけを数えてください。

また、提供元が示す時間の短縮の数字、たとえば作業の時間が最大で9割減るといった表現は、提供元の発表であり、自社の案件で同じ結果が出る保証ではありません。自社の技術分野と、日本語の公報を含む案件で試してから判断することを勧めます。

侵害調査と出願書類をAIに回したくなる理由

特許の調査にAIを使いたい理由は、はっきりしています。侵害の調査では、相手の製品の資料と自社の特許のクレームを一つずつ照らし、要素ごとに当たる箇所を探します。保有する特許が数百件あり、競合の製品が毎年いくつも出る会社では、すべてを人で読むことはできません。

無効資料の調査も同じです。他社から警告状が届いたとき、相手の特許を無効にできる先行の文献がないかを、限られた期間で探さなければなりません。外部の調査会社や事務所に頼むと、費用も時間もかかります。提供元の報道発表には、クレームチャート1件に弁護士の時間で3万ドル以上かかっていた、という表現もあります。

出願書類の側では、発明者から集めたメモや図をもとに、明細書の下書きを起こす作業に時間がかかります。発明の数に対して書き手が足りず、出願が遅れることもあります。候補を広く洗い出し、表と下書きを速く作る仕事は、AIの得意な領域とよく重なります。

ただ、ここで速く作れるのは下書きです。下書きが速くなるほど、読む人が足りなくなり、確かめないまま次の工程に進む危険が増えます。だから使い始める前に、AIの出力が外れるときの型を知り、どの工程で人が止めるかを決める必要があります。次の三つの節で、外れる型を見ていきます。

外れる型1:クレームの読み違い

特許の判断は、クレームの言葉の意味をどう解釈するかで大きく変わります。同じ「固定する」という言葉でも、明細書の中で特定の方法に限って説明されていれば、狭く読まれることがあります。クレームの言葉は、辞書の意味ではなく、明細書の記載や出願の経過も踏まえて読まれます。

AIの一次判定は、この解釈の前提を取り違えることがあります。たとえば、クレームの言葉を一般的な意味で広く読み、相手の製品のある部品を「当たる」と判定する。逆に、言葉の違いにとらわれて、実質的に同じ構成を「当たらない」と判定する。どちらの誤りも、表の見た目は整っているので、読む人が気づきにくいのが厄介な点です。

Patlytics の機能一覧にはクレーム解釈の項目もありますが、クレームをどう読むかは、最終的に裁判所や特許庁が決める法律の判断です。AIの解釈は、論点の候補として扱うのが妥当です。対比表を読むときは、要素ごとに「AIがこの言葉をどう読んだか」を確かめ、明細書の記載と出願の経過に照らして人が読み直す工程を置きます。

特に、出願の途中で補正や意見書によって範囲を狭めたクレームは、その経過を踏まえないと誤って広く読まれます。出願の経過の書類をAIが読んでいるかどうかを、対比表ごとに確かめる決まりにしておくと、この型の誤りを減らせます。

外れる型2:公報の言語と、対象の国

二つめの型は、言語と国の違いから来ます。特許は国ごとに出願され、国ごとに権利になります。同じ発明でも、日本と米国と欧州で、クレームの文言も、認められた範囲も違うことがあります。侵害かどうかは、その国の権利と、その国の法律で判断します。

Patlytics の機能の説明は、無効の論点を米国特許法の条文に沿って示すなど、米国の実務を前提にした部分が目立ちます。日本の特許に対して、日本の特許法の考え方で論点が整理されるかは、2026年10月時点の公式の資料では確かめられませんでした。米国の考え方で作った表を、日本の権利の判断にそのまま使わないことが要点です。

言語の問題もあります。日本語の公報を翻訳して読んでいる場合、訳の段階で言葉の意味がずれることがあります。クレームの一語の訳が変われば、対比の結果も変わります。日本の公報を対象にするなら、日本語の原文で要素の切り分けが正しいかを、日本語の読める担当者が確かめる工程が欠かせません。

導入の前には、自社がよく扱う国の公報、特に日本の公報で、検索の漏れがないか、要素の切り分けが原文に沿っているかを試します。対象の国と言語ごとに、AIの一次判定をどこまで使ってよいかを分けて決めるのが現実的です。

外れる型3:対比の取りこぼし

三つめの型は、比べる相手の取りこぼしです。AIが探せるのは、検索の対象に入っている資料だけです。公式サイトでは特許と非特許文献を合わせた大きな件数がうたわれていますが、相手の製品の内部の構成、公開されていない仕様、展示会でだけ配られた資料などは、そもそも対象に入りません。

侵害の調査では、相手の製品が本当にどう作られているかが決め手になります。公開の資料だけで「当たらない」と出ても、実物を分解すれば当たる、ということはあり得ます。無効の調査でも、古い学会の予稿や他国語の文献が漏れていれば、AIが「有力な文献なし」と出しても、実際にはあるかもしれません。

さらに、文言どおりには当たらなくても、実質的に同じだとして侵害とされる場合があります(日本でも均等と呼ばれる考え方が判例で認められています)。要素の文言の一致を中心に組んだ表は、こうした判断を十分に映さないことがあります。

そのため、AIの答えが「該当なし」「有力な文献なし」のときほど注意します。「見つからない」は「存在しない」と同じではありません。否定の答えを判断に使う場面、たとえば製品の発売を決めるための調査では、AIの検索に加えて、人が対象の範囲を広げて探す工程を必ず残します。

一次判定と判断の境目をどこに引くか

三つの外れる型を踏まえて、AIの一次判定として扱ってよい範囲と、人が判断する範囲を分けます。線を引く基準は、間違えたときの影響の大きさと、判断に法律の解釈や会社の戦略が入るかどうかです。

工程AIの一次判定として扱ってよいこと弁理士・弁護士・知財部が決めること
侵害の候補を探す候補の製品と特許の洗い出し、当たりそうな順の並べ替えどの候補を深く調べるかの選定
対比表を作る要素の切り分けと、当たる箇所の下書きクレームの解釈、要素ごとの当否の判断
無効の文献を探す先行文献の候補の列挙と要約どの文献で無効を主張するかの判断
出願書類を書く明細書と請求項の下書き請求項の文言の確定、出願するかの判断
保有特許を選ぶ価値の高低の候補の提示維持・放棄・売却の決定

表の左の列は、どれも「候補」と「下書き」です。AIの出力は、人が判断する前の材料として扱い、判断の結果として社内に回さない。この一文を社内の決まりに書いておくだけで、運用の迷いはかなり減ります。

また、一次判定を誰が受け取るかも決めます。知財部の担当者が受け取って選別し、深く調べる案件だけを弁理士に回すのか、最初から事務所と一緒に読むのかで、費用も責任の持ち方も変わります。一次判定の受け手と、判断の担い手を、案件の種類ごとに名前で決めておくのが安全です。

侵害の「疑い」を社内でどう扱うか

AIが「当たる可能性が高い」と出したとき、その結果が社内でどう扱われるかは、思っている以上に重要です。開発や営業の部門に「競合が当社の特許を侵害している」という形で伝われば、根拠の確かめが済まないまま、相手への連絡や公の発言につながるおそれがあります。

警告状を出す、取引先に注意を促す、といった行動は、相手との関係を大きく変えます。根拠が弱ければ、逆に自社が責任を問われることもあり得ます。AIの一次判定の結果は、知財部の中で止め、判断が済むまで社外にも社内の他部門にも「侵害」として回さない決まりにしておきます。

逆の向きもあります。自社の新製品が他社の特許に当たるかをAIで調べ、「当たらない」と出たことを根拠に発売を急ぐ使い方です。前の節で見たとおり、否定の答えには取りこぼしの危険があります。避けたい使い方を、まとめておきます。

  • AIの対比表で「当たる」と出た結果を、そのまま相手に送る警告状の根拠にする
  • AIが「該当なし」と出したことだけを根拠に、新製品の発売を決める
  • AIの一次判定を、開発や営業の部門に「侵害している」と伝える
  • 米国の考え方で作った対比表を、日本の権利の判断にそのまま使う
  • AIの下書きの請求項を、弁理士の確認なしに出願する

いずれも、候補を判断として扱ってしまう使い方です。AIの出力を社内で共有するときは、「AIの一次判定・未確認」と分かる表記を必ず付けてください。

出願書類の下書き:文言を確定するのは誰か

出願書類の下書きは、AIの効果が見えやすい工程です。公式の説明では、国と技術分野ごとの型に沿って下書きを作り、拒絶理由通知の分析や、発明の届出の整理も支えるとされています。発明者のメモから最初の形を起こす手間は、確かに減らせます。

ただ、出願書類の中でも請求項の文言は、権利の範囲そのものを決めます。一語の選び方で、競合が回避できるかどうかが変わります。請求項の文言の確定は、出願の戦略を決めることと同じです。広く取りすぎれば先行技術にぶつかり、狭すぎれば簡単に回避されます。この釣り合いを決めるのは、事業の見通しを知る人です。

明細書の本文にも注意が要ります。AIの下書きには、発明者が言っていない効果や、実施していない例が、もっともらしく書き込まれることがあります。明細書に書いた内容は後から足せないため、事実でない記載が残ると、権利の有効性に響くおそれがあります。下書きの一文ごとに、発明者の資料に根拠があるかを確かめる工程を置きます。

運用としては、AIの下書きを使う場合でも、請求項は弁理士か知財部の担当者が書き直す前提にし、明細書は発明者が事実の確認をしてから仕上げる、という順番を決めておくとよいでしょう。拒絶理由通知への対応の方針も、AIの分析は材料にとどめ、応答の方針は人が決めます。

弁理士の業務と、AIの道具の関係

日本では、弁理士の業務が法律で定められています。日本弁理士会の説明では、弁理士法第4条第1項で、他人の求めに応じて特許庁での手続の代理や、その手続に係る事項の鑑定などを行うことを業とするとされ、弁理士・弁理士法人以外の者がこれらの業務を扱うことは弁理士法で禁止されているとされています。

企業の知財部が自社の特許のためにAIの道具を使うこと自体は、多くの会社ですでに行われています。一方で、AIの出力を他社の求めに応じて有償で提供する、といった形になると、この業務の線との関係を考える必要が出てきます。自社の使い方がどこに当たるか迷うときは、弁理士や弁護士に確かめてください。この記事は、その判断を代わりに行うものではありません。

実務の面では、事務所と一緒に使うときの役割分担も決めておきます。知財部がAIで一次判定を作って事務所に渡すのか、事務所がAIを使って作った下書きを知財部が受け取るのかで、誰が出力の誤りに責任を持つかが変わります。事務所との契約や依頼の書面で、AIを使う工程と、その確認の責任を書いておくと、後の食い違いを防げます。

事務所の側がAIを使うかどうかも、依頼する会社として知っておきたい点です。秘密の資料を預ける以上、事務所がどの道具を使い、その道具がデータをどう扱うかを確かめることは、依頼する側の管理の一部です。

未公開の発明を入れる前に決めること

出願前の発明や、発明の届出の内容を外部のAIに入れるときは、知財の確認が別に必要になります。営業秘密としての管理や、特許の新規性との関係といった、入れてよいかの確認項目は「AIに社内資料を入れる前の知財の確認項目」で扱っているので、ここでは製品の側で確かめた事実だけを見ます。

Patlytics の公式のセキュリティの説明では、入力したデータをモデルの学習や調整に使わないこと、保存時と通信時に暗号化すること、組織ごとにデータを分けて管理すること、利用者の履歴を90日保存し削除できることが示されています。提供元は SOC 2(タイプ2)、ISO 27001、AIの管理の国際規格 ISO 42001 の取得と、EUの一般データ保護規則への対応も示しています。

一方で、データがどの地域に保存されるか、どのAIの提供元のモデルを使っているかは、2026年10月時点で確かめた公式のページには書かれていませんでした。出願前の発明を入れる前に、この二点を提供元に書面で確かめてください。

社内の決まりとしては、発明の届出の機能を使う範囲を、知財部の担当者と発明者に限るのか、開発の部門に広げるのかを決めます。届出の段階の発明は、まだ出願するかも決まっていない情報です。広く配る前に、入れてよい情報の段階を知財部が決めておくことが先です。

記録と、鑑定書の扱い

AIで作った対比表や下書きは、作った後の扱いも決めておきます。一つは記録です。どの日に、どの資料を対象に、どのスキルで作った表か、誰が確かめて、どう判断したかを残します。後から同じ案件を見直すとき、判断の根拠をたどれるようにするためです。

もう一つは、鑑定書との違いです。弁理士が作る鑑定書は、専門家が責任を持って示す意見です。AIが作った対比表は、どれだけ整っていても鑑定書ではありません。社内の会議資料や取引先への説明で、AIの表を鑑定の結果のように見せない決まりにしておきます。

訴訟になった場合、途中で作った検討の資料がどう扱われるかは、国と状況によって異なります。米国のように証拠の開示の手続が広い国では、社内で作った資料の扱いが問題になることがあります。係争の見込みがある案件でAIの表を作るときは、作る前に弁護士と相談するのが安全です。

保存の期間も決めます。製品の履歴は90日で削除できるとされていますが、社内の判断の記録として残すべきものは、製品の外の管理された場所に保存します。逆に、不要になった案件の資料は、製品の中からも消す手順を決めておきます。

誰の資格で使うか、費用の増え方、止め方

導入の判断では、情報システムの部門と一緒に、使う人の範囲、費用の増え方、止め方を確かめます。まず使う人の範囲です。特許の調査の結果は、扱いを誤ると社外との関係に響く情報です。最初は知財部と、決めた事務所の担当者に限り、開発の部門には結果だけを知財部から渡す形から始めるのが無難です。

ログインの方式や、誰が何を見たかの記録の機能は、2026年10月時点で確かめた公式のページには詳しい記載がありませんでした。退職や異動のときに利用者を止められるか、操作の記録を後から取り出せるかは、契約の前に確かめる点です。

費用の増え方は、金額ではなく増える要因で見ます。この種の道具は、一般に使う人の数、扱う案件や特許の数、使う機能の範囲で費用が変わります。侵害の調査だけで始めて出願の下書きまで広げると、費用の構造が変わる可能性があります。広げる前に、増え方を提供元に確かめておきます。

止め方も先に決めます。やめるときに、作った対比表や下書きを取り出せるか、製品の中のデータを確実に消せるかを、契約の前に確かめます。判断の根拠になった資料は、製品の中だけに置かないことが原則です。製品をやめても、過去の判断を説明できる状態を保ちます。

試行の進め方

いきなり全社で使うのではなく、範囲を絞った試行で、AIの一次判定がどこまで使えるかを確かめます。特に日本の公報での精度は、自社の案件で確かめるしかありません。

STEP1
結論が分かっている過去の案件を選ぶ

弁理士がすでに判断した侵害の調査や無効の調査を数件選びます。日本の特許と米国の特許の両方を含めると、言語と国の違いが見えます。

STEP2
AIの一次判定と、過去の判断を突き合わせる

AIが作った対比表と、過去の判断を要素ごとに比べ、どこで外れたかを、クレームの読み違い・言語・取りこぼしの型に分けて記録します。

STEP3
否定の答えを重点的に確かめる

AIが「該当なし」「有力な文献なし」と出した案件について、人が知っている文献や構成が漏れていないかを確かめます。

STEP4
使ってよい工程と国を決める

結果をもとに、どの工程のどの国の案件で一次判定を使い、どこは従来どおり人が調べるかを、知財部の責任者が決めます。

STEP5
決まりを書面にして、半年後に見直す

一次判定の受け手、判断の担い手、社内に回すときの表記を書面にし、半年後に外れた案件を集めて見直します。

試行の目的は、AIの精度の点数を出すことではありません。自社の案件で、どの型の誤りがどれくらい出るかを知り、人が止める場所を決めることです。その記録が、後で使う範囲を広げるときの根拠になります。

よくある質問

AIの対比表があれば、事務所への依頼は不要になりますか

不要にはなりません。AIの対比表は一次判定の材料で、クレームの解釈や侵害の当否の判断は弁理士や弁護士の仕事です。変わるのは依頼の中身で、候補の洗い出しを社内で済ませ、判断が要る案件に絞って依頼する、という形にできる可能性があります。

日本の特許だけを扱う会社でも使えますか

2026年10月時点の公式の資料では、日本の公報への対応の範囲と、日本の特許法に沿った論点の整理ができるかは確かめられませんでした。日本の過去の案件で試行し、検索の漏れと要素の切り分けを確かめてから判断してください。

出願前の発明を入れても大丈夫ですか

提供元は、入力したデータを学習に使わないこと、組織ごとに分けて管理することを示しています。ただし保存の地域と使うAIの提供元は公式で確かめられませんでした。入れてよいかの社内の確認と、提供元への書面での確認を済ませてから使ってください。

誰が導入を決めるべきですか

道具の選定は情報システムの部門と一緒に行いますが、一次判定をどこまで使うか、誰が判断するかを決めるのは知財部の責任者です。事務所と一緒に使う場合は、AIを使う工程と確認の責任を、依頼の書面に書いておきます。

まとめ

特許の調査にAIを使うと、候補の洗い出しと対比表の下書きは速くなります。Patlytics は、侵害の検出とクレームチャートの自動作成、無効資料の調査、出願書類の下書きまでを一つの基盤で行う特許専門の生成AIですが、侵害かどうか、請求項の文言をどうするか、警告や訴訟に進むかまでは決めてくれません。入れるなら、クレームの読み違い・公報の言語と対象の国・対比の取りこぼしという外れる型を知ったうえで、AIの出力を一次判定として扱う範囲を工程と国ごとに決め、否定の答えほど人が確かめる。候補の洗い出し・対比表の下書き・文献の要約はAIに任せ、侵害の判断・出願の文言の確定・警告や訴訟の判断は弁理士・弁護士・知財部が持つ。AIの対比表は、鑑定書として扱わないでください。

  • 製品の機能と提供の状態は、Patlytics の公式サイト(トップ・日本語のページ・セキュリティ・Agent・シリーズBのお知らせ)と、2026年4月8日の Business Wire の報道発表を2026年10月25日に確かめた範囲に基づきます
  • 日本の公報への対応、データの保存地域、使うAIの提供元、ログインと操作の記録の機能、料金の体系は公式の資料で確かめられなかったため、契約の前に提供元に直接確かめてください
  • 弁理士の業務の範囲は日本弁理士会の説明に基づきます。個別の使い方が法律上どう扱われるかは、弁理士や弁護士に確かめてください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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