発注先はLevelpathに決めさせない|相見積りと評価の線

発注先はLevelpathに決めさせない|相見積りと評価の線

「相見積りの比較表づくりに毎回まる一日かかる。AIに任せれば、いちばん良い発注先を選んでくれるはずだ」「AIが推した会社に決めたあと、なぜその会社なのかを監査で聞かれたら、誰が答えるのか」——購買や調達の部門で、AIエージェントの話が出るたびに並んで聞こえる二つの声です。前の声は期待、後の声は不安ですが、どちらも同じ思い込みの上に立っています。それは、AIが発注先を選ぶという前提です。評価の軸と重みを人が決めないかぎり、AIは安さと書類のそろい方で選んでしまいます。この記事では、米国の調達基盤 Levelpath を例に、相見積りと評価のどの工程をAIに任せ、評価の軸と最終の発注先を誰が決め、エージェントを誰が組み、記録をどう監査するかを整理します。


カメ先生カメ先生

見積の比較をAIに任せれば、一番いい発注先を選んでくれる、と思われがちなんだ。でも本当は、何をもって一番とするかを決めていないと、AIは点数をつけやすいところで差をつけてしまうんだよ


カメ子カメ子

点数をつけやすいところ、というのは価格とか、提出された書類がそろっているかどうか、ということですか


カメ先生カメ先生

そう。品質や対応の速さ、長く付き合えるかといった軸は、重みを人が決めて初めて点数になる。だからAIに任せる工程と、人が決める工程を先に分けておく必要があるんだ


カメ子カメ子

比べる作業は速くなっても、何で比べるかを決めるのは人のまま、ということですね


この記事のポイント
  • Levelpath は、間接材の調達で見積依頼の作成・回答の比較・取引先の評価とリスク確認を、AIエージェントに進めさせる米国の基盤。2026年9月に自律型の新しい基盤「レンジャー」を打ち出した
  • 公式の説明でも、ソーシングのエージェントは採点と推薦までで、発注先の決定はソーシング担当者に渡す設計。導入で先に決めるのは、評価の軸と重みを見積を開く前に誰が決めるか
  • 見積依頼の下書き・回答の整理・評価の下書きと根拠の提示はAI、評価の軸と重み・発注先の決定・取引先への通知と交渉は人。購買部門がエージェントを組むときの審査と、記録の監査の持ち主も決めておく

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目次

Levelpath は、間接材の調達をAIエージェントに進めさせる基盤

Levelpath は、企業の調達・購買の仕事をまとめて扱う米国の基盤です。対象は、製品の原材料のような直接材ではなく、ソフトウェア、業務委託、設備、販促物、出張といった間接材と呼ばれる買い物が中心です。2026年10月時点の公式サイトでは、申請の受付と振り分け、ソーシング(見積依頼から発注先の選定まで)、取引先の管理、契約の管理、リスクの管理、請求書の処理までが一つの基盤に並んでいます。

特徴は、それぞれの工程にAIエージェントを置き、仕事を進めさせる作りにしていることです。公式のソーシングの説明では、エージェントが見積依頼の質問票を節や設問の種類、条件による分岐まで付けて作り、送る前に人が手直しできるとされています。返ってきた回答は価格・条件・能力ごとに横並びの表に整理され、評価表の基準に沿ってAIが全社を採点し、採点の理由をコメントで書くとされています。

取引先の管理では、取引先が口座や税の番号を自分で登録し、重複した登録をAIが見つける仕組みがあります。リスクの管理では、財務・業務・法令順守・サイバーの各面について、基準に沿って取引先を採点し、データが更新されるたびに採点し直すと説明されています。

つまりこの製品が変えるのは、購買担当者が表計算ソフトで比較表を作り、回答を読み比べてきた工程です。そのぶん、誰が採点の基準を決め、誰が最後に発注先を決めたのかという問いが、これまで以上に表に出てきます。この記事が扱うのはその問いです。

どんな会社が作り、なぜ国内でまだ知られていないのか

Levelpath を作ったのは、スタン・ガーバー氏とアレックス・ヤクボビッチ氏(最高経営責任者)です。米国の技術系メディアの2025年6月30日の記事によると、二人が前に作った調達ソフトの会社は2019年に Workday に買収されており、Levelpath は調達ソフトを作り直す二度目の挑戦にあたります。2025年6月には、投資会社のバッテリー・ベンチャーズが主導する5,500万ドル超のシリーズBの調達を発表しています。

公式サイトに顧客として並ぶのは、アメリカン航空、ウエスタンユニオン、リーバイスなど、米国の大企業が中心です。日本企業の米国法人のロゴも見えますが、日本での提供、日本語の画面、国内の窓口の有無は、2026年10月時点の公式サイトでは確かめられませんでした。

国内でまだあまり知られていない理由は、確かめた範囲では三つあります。一つは、顧客と事例が米国の大企業に集中していることです。二つめは、調達の仕組みは会計の仕組みや社内の規程と深く結び付くため、海外の製品が国内の会社にそのまま入りにくいことです。三つめは、日本語での紹介記事がほとんどなく、比較の候補に挙がる機会自体が少ないことです。

国内で検討するなら、日本語の見積書や取引先の回答をどこまで正しく読み、採点できるかを、試行の段階で確かめることが前提になります。日本の取引慣行に合わせた評価の項目が作れるかも、提供元に直接確かめる項目です。

2026年に出た機能と、それぞれの提供の状態

ここ1年ほどで、Levelpath はAIエージェントを前面に出す方向へ大きく動きました。導入を検討するときは、発表の日付と、2026年10月時点での名称と状態を分けて見る必要があります。確かめた範囲で整理します。

機能中身(公式・報道で確かめた範囲)2026年10月時点の状態
Agent Orchestration Studio購買部門がプログラムを書かずにAIエージェントと複数のエージェントの流れを組める場2026年3月3日に発表。同じページは現在、レンジャー・スタジオの名で載っている
レンジャーソーシング・契約と更新・取引先の登録・リスクの確認・請求書の5つの流れを、エージェントが端から端まで進める自律型の基盤2026年9月30日に発表(公式ブログ)
レンジャー・スタジオ文章で説明してエージェントを作り、承認の輪や分岐のある流れを組む。各段階にエージェントを入れるか手作業に残すかを選べる公式サイトに掲載。評価の仕組みを内蔵とされる
自律の度合いの設定AIが補助する段階、大部分を自動にして重要な判断を人が承認する段階、例外まで自動にする段階の三つから、流れごとに上限を選ぶ公式ブログで説明

表のとおり、3月に発表された部品づくりの場は、10月時点では新しい基盤の一部として別の名前で載っています。稟議や社内の説明資料では、発表時の名称ではなく、契約の時点の名称と機能で書く必要があります。

また、公式サイトには「見積依頼を10倍回せる」といった数字が並びますが、これは提供元の発表による数字で、条件や比べた基準は示されていません。効果の見積もりは、自社の過去の見積依頼の件数と所要日数を使って、試行の結果から作るのが安全です。

「AIがいちばん良い発注先を選ぶ」が誤解である理由

AIに相見積りを任せれば最適な発注先が出てくる、という期待には、一つの前提が隠れています。それは、何が最適かがすでに決まっている、という前提です。実際の調達では、最適の中身は案件ごとに違います。安さを最優先する消耗品もあれば、障害のときの対応の速さが価格より重い業務委託もあります。

公式ブログの説明を読むと、Levelpath の設計もこの点をはっきり分けています。ソーシングのエージェントは、依頼者の要望から予算と時期を確かめ、質問票・価格表・重み付きの評価表・取引先への招待を作り、届いた入札を採点して発注先を推薦します。そのうえで、最終の判断はソーシング担当者に渡すと書かれています。提供元自身が、選ぶのは人だと線を引いているわけです。

ただし、ここに落とし穴があります。重み付きの評価表をエージェントが作れるということは、人が重みを決めないままでも、それらしい評価表ができあがってしまうということです。重みの根拠を誰も説明できない評価表で採点し、推薦された会社を人が承認すれば、形の上では人が選んだことになりますが、中身はAIの初期設定で選んだのと変わりません。

問題は、AIが選ぶかどうかではありません。何で選ぶかを人が決め、その決定が記録に残っているかどうかです。次の節から、ソーシングの工程を分けて、どこでこのずれが起きるのかを見ます。

ソーシングの5つの工程を、分けて見る

相見積りから発注先の選定までを、ここでは五つの工程に分けます。見積依頼の作成、回答の比較、評価、リスクの確認、選定です。Levelpath の機能も、ほぼこの順に並んでいます。工程を分けるのは、工程ごとにAIに任せてよい範囲が違うからです。

見積依頼の作成では、何を、いつまでに、どの条件で買うかを文章にし、質問票と価格表を作り、声をかける取引先を選びます。回答の比較では、形式のばらばらな回答を同じ物差しの表に並べます。評価では、評価の基準に沿って各社に点数をつけます。リスクの確認では、取引先の財務や情報の安全の状態を確かめます。選定では、点数とリスクを合わせて発注先を決め、取引先に結果を伝えます。

このうち、AIが最も力を発揮するのは回答の比較です。価格の単位や条件の書き方が会社ごとに違う回答を、同じ形の表に並べ直す作業は、人がやると時間がかかり、写し間違いも起きます。並べ直しの考え方そのものは「購買管理システムを入れても発注は速くならない」で扱っているので、ここでは評価と選定の線に絞ります。

逆に、評価の基準づくりと選定は、AIの速さがそのまま危うさになる工程です。速く点数が出るほど、その点数の前提を確かめないまま決まりやすくなります。以下では、ずれが起きる原因を三つに分けて見ます。

原因1:評価の軸と重みが空欄のまま、AIが採点を始める

一つめの原因は、評価の軸と重みを決める工程が、誰の仕事にもなっていないことです。これまでの調達では、担当者が比較表を作りながら、頭の中で「今回は価格を重く見る」「今回は保守の体制を重く見る」と重みを決めていました。その判断は表に書かれないことも多く、それでも担当者に聞けば理由が返ってきました。

エージェントが評価表を作る仕組みに替えると、この頭の中の判断が消えます。評価表は、依頼の文章や過去のひな形から、もっともらしい項目と重みで組み上がります。担当者がそれを見て違和感を持たなければ、そのまま採点に使われます。重みが誰の判断で決まったのかが、どこにも残らない状態です。

この状態で困るのは、選ばれなかった取引先から理由を聞かれたときや、内部監査で選定の根拠を問われたときです。点数の表はあっても、なぜ価格が四割で品質が二割なのかを説明できる人がいません。AIに理由を聞けば答えは返ってきますが、それは後から作った説明であって、決めた人の判断ではありません。

原因2:書類のそろい方と安さが、点数に乗りやすい

二つめの原因は、AIの採点が、数字や書類にはっきり表れる差に寄りやすいことです。価格は数字なので比べやすく、質問票にすべて答えているか、求めた資料が添付されているかも、判定しやすい項目です。一方で、担当者の対応の丁寧さ、障害が起きたときの粘り強さ、自社の業界への理解の深さは、回答の文章からは読み取りにくい項目です。

その結果、書類を整えるのがうまい会社と、価格を下げられる会社が、点数で上に来やすくなります。大きな会社ほど質問票への回答の型を持っており、小さくても実力のある会社が書類の段階で不利になることもあります。これはAIの欠陥というより、文章で比べるという方法の性質です。

公式の説明では、AIは採点ごとに理由のコメントを書くとされています。このコメントを読めば、どの記述を根拠に点数をつけたかが分かります。コメントの根拠が回答の文章のどこにあるかを人が確かめることが、この偏りに気づく一番の手がかりになります。読み取りにくい項目は、面談や過去の取引の実績など、回答の外の材料で人が補う必要があります。

原因3:推薦が出ると、人の選定が追認になる

三つめの原因は、推薦という形そのものにあります。点数の一覧と推薦の会社が示されると、人はそれを出発点に考えます。推薦を覆すには理由が要り、従うには理由が要らないからです。忙しい時期ほど、推薦をそのまま承認する流れができます。

公式ブログには、承認のエージェントについて興味深い設計が書かれています。承認のエージェントは、条件を満たす申請を承認することはできても、却下することはできない作りになっているとされ、「エージェントは代わりにはいと言えるが、いいえとは言えない」と説明されています。却下は必ず人の判断を通る、という線の引き方です。

ソーシングの選定にも、同じ考え方が使えます。推薦の会社に決めるときも、推薦を覆すときも、選定の理由を人が自分の言葉で一行書く決まりにしておけば、追認かどうかが記録で分かります。推薦と同じ会社を選んだ場合でも、理由が「推薦どおり」だけなら、それは選定ではなく承認の押印にすぎません。

対策1:AIに任せる工程と、人が決める工程を表にする

三つの原因に共通する手当ては、工程ごとにAIに任せる範囲を先に書き出すことです。Levelpath では自律の度合いを流れごとに選べますが、どの段階を選ぶかを決めるのは導入する会社です。次の表は、ソーシングの五つの工程について、AIに任せる作業と人が決めることを分けた一つの例です。

工程AIに任せる人が決める
見積依頼の作成質問票と価格表の下書き、過去のひな形からの項目の提案、声をかける候補の洗い出し買う物の要件、声をかける取引先の確定、送る前の文面の確認
回答の比較価格・条件・能力の横並びの表、回答の抜けの指摘、回答全体への質問への答え比較の前提(単位・期間・含まれる範囲)がそろっているかの確認
評価評価表の基準に沿った採点の下書き、採点ごとの根拠のコメント評価の軸と重み、根拠のコメントが回答の記述と合っているかの確認
リスクの確認財務・業務・法令順守・サイバーの各面の採点と変化の通知受け入れられるリスクの水準、例外として受け入れる判断
選定点数とリスクをまとめた推薦の下書き発注先の決定と理由、取引先への通知、価格や条件の交渉

表の右の列は、どれも自律の度合いを上げても人に残す部分です。特に取引先への結果の通知と交渉は、自社の名前で相手と向き合う行為なので、文面の下書きはAIに任せても、送るかどうかと交渉の線は人が持ちます。

リスクの確認では、AIの採点を受けて、どの水準なら受け入れるかを決める人が要ります。委託先の審査を誰がどこまで持つかは「Zaniaに委託先審査を任せる前の項目一覧」で扱っているので、そちらも合わせて読んでください。

対策2:評価の軸と重みは、見積を開く前に決めて残す

原因1への手当ては単純で、評価の軸と重みを、回答を開く前に人が決めて記録することです。回答を見てから重みを決めると、意識しなくても、気に入った会社が上に来る重みを選びがちです。提案依頼書の重み付けを先に決める考え方は「AIの発注は要件が書けずに止まる」でも触れていますが、エージェントが評価表を作る仕組みでは、これがさらに大事になります。

STEP1
エージェントの評価表の下書きを受け取る

依頼の内容から、エージェントに評価の項目と重みの下書きを作らせます。この時点では、まだ回答を開いていないことを確かめます。

STEP2
依頼部門と購買部門で、軸と重みを決める

下書きの項目を削ったり足したりし、重みを決めます。価格以外の軸(保守の体制・実績・対応の速さなど)を何割にするかを、依頼部門の責任者と購買の担当者で合意します。

STEP3
決めた人と日付と理由を残す

確定した評価表に、決めた人の名前、日付、重みの理由を一行ずつ残します。エージェントが作った下書きとの違いも残すと、後から人の判断の跡が追えます。

STEP4
回答を開き、採点を始めさせる

評価表を確定してから、回答の比較と採点をエージェントに進めさせます。途中で重みを変える場合は、変えた理由と人の名前を同じ場所に残します。

この手順の要は、重みを決めた記録が、回答を開いた時刻より前にあることです。記録の時刻が逆なら、重みが結果に合わせて動いた疑いを持たれても反論できません。

対策3:購買部門がエージェントを組むときの権限と審査

レンジャー・スタジオのように、文章で説明するだけでエージェントや流れを組める仕組みは、購買部門が情報システムの部門に頼らず自分たちで改善できるという利点があります。公式の説明では、各段階にエージェントを入れるか手作業に残すかを選べ、エージェントは会社の方針・権限・承認の上限に従うとされています。

ただし、組める人が増えるほど、誰がどの線を引いたのかが見えにくくなります。たとえば、ある担当者が「この金額以下の見積依頼は推薦どおりに発注まで進める」流れを組めば、それは社内の購買規程の承認の上限を、事実上書き換えたことになります。エージェントを組む行為は、購買規程を運用する行為そのものだと考える必要があります。

  • 担当者が組んだエージェントを、誰の確認も通さずに本番の見積依頼で動かす
  • エージェントの自動の上限金額を、社内の購買規程の承認の上限と照らさずに決める
  • 取引先への結果の通知まで自動にした流れを、取引先の側への影響を確かめないまま公開する
  • 組んだ担当者が異動したあとも、持ち主のいないエージェントが動き続ける

手当ては、エージェントを作る人と、本番で動かすことを承認する人を分けることです。作るのは購買の担当者でよくても、本番で動かす前に、購買の責任者と内部統制の担当者が中身を確かめる決まりにします。公式サイトでは評価の仕組みが内蔵されているとされていますが、その評価が自社の規程に合っているかを判断するのは人です。

対策4:記録の残り方と、監査で見るところ

公式ブログによると、レンジャーではエージェントのすべての操作が、エージェントの名義で、追記だけができる記録に残るとされています。そして、監査する人が、自動の承認と人の承認を見分けられると説明されています。この作りは、内部監査や外部の監査にとって大きな意味があります。

監査で見るべきところは、三つに絞れます。一つめは、評価の軸と重みを決めた人と日付が、回答を開く前の時刻で残っているか。二つめは、選定の判断が人の名義で、理由とともに残っているか。三つめは、推薦と異なる会社を選んだ件、推薦どおりに選んだ件のそれぞれについて、理由の書き方に差がないかです。

もう一つ大事なのは、記録が提供元の基盤の中にあるという点です。契約を終えたときに、選定の記録を自社の側に持ち出せるか、どの形式で、どれだけの期間分かは、契約の前に確かめておく項目です。調達の記録は、会社の規程や税務の関係で一定の期間残す必要がある場合が多く、基盤を替えたら消えた、では済みません。

誰の資格で動くか、何が外に出るか、費用の増え方

誰の資格で動くかについては、公式サイトで役割ごとの権限と、社内の認証基盤とつなぐ一括の認証(SSO)が示されています。エージェントは組んだ人の権限で動くのか、専用の権限で動くのかは、公式の資料では読み取れませんでした。エージェントが取引先に連絡したり、記録を書き換えたりできる範囲は、導入の前に提供元に確かめ、権限の表として残しておきます。

何が外に出るかについては、見積依頼の内容、取引先の回答、価格、契約の条件、取引先の口座や税の番号が、提供元の基盤に置かれることになります。公式のセキュリティのページでは、保存時の暗号化が示されていますが、データの保存場所、使っているAIの提供元、取引先の回答をAIの学習に使うかどうかは、2026年10月時点の公式ページでは確かめられませんでした。取引先から預かった見積の情報は、自社だけの情報ではない点にも注意が要ります。

費用については、公式サイトに料金の記載はありません。3月の発表時の説明では、エージェントの数に応じて追加の料金を取らないとされていましたが、契約の形は会社ごとに違う可能性があります。扱う支出の額や利用者の数、つなぐ仕組みの数で費用がどう増えるかを、見積の段階で確かめてください。支払いそのものをAIに任せる権限の話は「AIに支払いを任せても責任は会社に残る」に送ります。

止め方と、止めても残すもの

エージェントに進めさせる仕組みでは、止め方を先に決めておくことが欠かせません。公式の説明では、エージェントは流れの段階ごとに入れたり外したりでき、自律の度合いも流れごとに上限を選べます。止めるときは、自律の度合いを下げる、特定の段階を手作業に戻す、流れ全体を止める、の三つの段階が考えられます。

どの段階で止めるかの条件は、事故が起きる前に決めておきます。次の項目は、止める判断と、止めたあとに確かめることの一つの例です。

  • 推薦と人の選定の食い違いが続いたときは、評価表の重みを見直すまで採点を止める
  • 取引先から採点や通知についての苦情が出たときは、通知の自動化を止めて人が送る
  • 評価の軸と重みの記録が抜けた見積依頼が見つかったときは、その流れを手作業に戻す
  • 止めたあとも、それまでの選定の記録と根拠のコメントを自社の側に保存する
  • 止める判断をする人(購買の責任者)と、再開を承認する人を、名前で決めておく

申請の受付と承認の流れを別の製品で回している会社は、どこまでを Levelpath に任せるかの線も合わせて決めます。申請を受けて承認するまでの線は「ZipでAIの購買申請をさばく方法」で扱っています。

よくある質問

いまの購買管理の仕組みに、AIの機能を足すのでは足りませんか

足りる会社も多いはずです。見積の比較表づくりが主な負担なら、いまの仕組みの上で回答を並べ直すだけでも効果があります。Levelpath のような基盤が意味を持つのは、見積依頼の件数が多く、リスクの確認や契約の更新まで一つの流れで扱いたい会社です。いずれの場合も、評価の軸と重みを人が決める線は変わりません。

AIの採点を、そのまま選定の根拠にしてよいですか

採点は根拠の材料にはなりますが、根拠そのものにはしません。採点の理由のコメントが回答のどの記述に基づくかを人が確かめ、選定の理由は人が自分の言葉で書きます。点数の差が小さいときほど、回答の外の材料(過去の取引の実績や面談)で判断を補います。

日本語の見積書や国内の取引先でも使えますか

2026年10月時点の公式サイトでは、日本語への対応と国内での提供は確かめられませんでした。検討するなら、日本語の見積書と回答を数件使った試行で、比較の表と採点の理由が正しく作られるかを確かめるところから始めます。

誰が導入を決めるべきですか

費用の承認は経営や財務の側でも、運用の線は購買の責任者が持つのが自然です。そのうえで、エージェントを本番で動かす承認には内部統制の担当者を、取引先のデータの扱いには情報システムの部門を加えます。依頼部門の責任者には、評価の軸と重みを決める役として加わってもらいます。

まとめ

Levelpath は、見積依頼の作成から回答の比較、取引先の評価とリスクの確認までを、AIエージェントに進めさせる調達の基盤です。公式の説明でも、ソーシングのエージェントは採点と推薦までで、発注先の決定は担当者に渡す設計になっています。それでも、評価の軸と重みを人が決めないまま採点を始めれば、AIは安さと書類のそろい方で差をつけ、人の選定は推薦の追認になります。入れるなら、回答を開く前に評価の軸と重みを依頼部門と購買部門で決めて記録し、選定の理由は人が自分の言葉で残す。見積依頼の下書き・回答の整理・採点の下書きと根拠の提示はAIに任せ、評価の軸と重み・発注先の決定・取引先への通知と交渉は人が持つ。エージェントを組む人と本番で動かすことを承認する人を分け、止める条件と記録の持ち出し方も先に決めておいてください。

  • 製品の機能と提供の状態は、Levelpath の公式サイト(トップ・ソーシング・取引先の管理・リスクの管理・レンジャー・スタジオ・セキュリティの各ページ)と、2026年9月30日の公式ブログ、2025年6月30日の米国の技術系メディアの記事を、2026年10月25日に確かめた範囲に基づきます
  • データの保存場所、使うAIの提供元と学習への利用、取得している認証の名称、料金の体系、日本語への対応と国内での提供は公式の資料で確かめられなかったため、契約の前に提供元に直接確かめてください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

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