偽の領収書をAppZenで止める方法|疑われた社員への確認

「生成AIで作った領収書は、目で見てもまったく見分けがつかない」「AIが不正の疑いを付けたら、その社員を呼んで問いただしてよいのか」——経理と人事の担当者から、続けて聞こえてくる二つの声です。前の声は見抜けない不安、後の声は見抜いた後の不安で、どちらも新しい種類の悩みです。米国の会計専門誌が2026年6月に伝えた経費監査の AppZen の集計では、同社の基盤で偽物の疑いが付いた領収書のうち、AIで作られたものの割合が、2025年3月の0%から2026年5月半ばには70.8%まで増えました。問われているのは偽物を見抜けるかだけでなく、AIが疑いを付けた後に、誰がどう社員に確かめるかです。この記事では、AppZen を例に、経費の点検をAIに任せる範囲と、疑いが出た社員への確認の進め方を、場面ごとに整理します。
カメ先生偽の領収書はAIで見抜けばいい、と思われがちなんだ。でも本当に難しいのは、AIが疑いを付けたあと、社員にどう確かめるかなんだよ
カメ子AIが怪しいと言ったからといって、その人が不正をしたとは限らない、ということですか
カメ先生そう。AIの疑いは確率の話で、誤って疑われる人も出る。だから点検はAIに任せても、不正かどうかの判断と、社員への確認と処分は、人と規程で決める必要があるんだ
カメ子見つけるのはAIでも、問いただす前に人が確かめる段があるんですね
- AppZen は、経費精算と買掛金の監査をAIで行う米国の製品。2026年3月の Workday 連携の発表で、AIで作った・加工した領収書を新しい不正として監視すると明記した
- 提供元の集計の70.8%は、疑いが付いた偽の領収書の中の内訳で、不正の率ではない。数字の読み違いから過剰な監視に走らない
- 画像と明細の突合・疑いの印付け・過去の傾向の照合はAI、不正かどうかの判断・社員への確認・処分は人。AIの疑いだけで社員を不正と決めない
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AppZen は、経費と買掛金をAIで監査する製品
AppZen は、企業の経費精算と買掛金の処理を、AIで点検する製品です。2026年10月時点の公式サイトでは、経費の監査、法人カードの監査、付加価値税の還付、請求書の処理の自動化、買掛金の問い合わせのメールを捌く機能、法人カードの支出を扱う機能(オートノマス・カード)、業務の手順書からエージェントを作る AI Agent Studio が並んでいます。
この記事で扱うのは、経費の監査です。公式の説明では、領収書を読み取り、経費の報告・カードの明細・請求書と照らして重複を見つけ、社内の規程や法令に反する支出を拾い、不正の疑いのある支出に印を付けます。経費ごとに危険度を付け、危険度の低い経費は自動で承認し、高い経費は理由を付けて担当者に回す仕組みです。
特徴は、すでに使っている経費精算の仕組みを置き換えずに、その上に監査を足す形をとることです。公式サイトでは、SAP Concur、Workday、Expensify、オラクルの業務の仕組みなどとの連携が挙げられています。経費の申請と承認の流れは今のまま、点検だけをAIに任せる、という考え方です。
公式の経費監査のページの質問の欄には、検出できるものとして、AIで作った偽の領収書や、承認の上限を避けるための経費の分割が挙がっています。偽の領収書の検出は、この製品の経費監査の機能の一部として位置づけられています。
サンノゼの会社と、国内でまだ知られていない理由
AppZen は、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く会社です。共同創業者で最高経営責任者のアナント・ケール氏と、最高技術責任者のクナール・ヴェルマ氏が経営を率いています。公式サイトでは「10年以上の経験」をうたい、2026年3月の報道発表では1,500社を超える企業に使われているとしています(提供元の発表)。
公式の報道発表の一覧では、2025年9月にリバーウッド・キャピタルが主導する1億8,000万ドルの成長資金の調達を発表しています。顧客の例には、米国の大手企業や大学に加え、武田薬品の名前も挙がっています。2025年8月には、アジア太平洋での展開に向けた提携も発表しました。
それでも国内でまだあまり知られていない理由は、確かめた範囲では三つあります。一つは、主な顧客が欧米の大企業で、経費の件数が非常に多い会社を前提にした製品であることです。二つめは、連携の相手が SAP Concur や Workday といった海外の大企業向けの仕組みで、国内で広く使われている経費精算の製品との連携は公式サイトに見当たらないことです。
三つめは、公式サイトでは42の言語と97の国に対応するとしているものの、日本語の画面、国内の窓口、日本の帳簿の保存の決まりへの対応が、2026年10月時点の公式の資料では確かめられなかったことです。国内の拠点で使うなら、日本語の領収書の読み取りと、国内の保存の要件を満たせるかを、最初に確かめる必要があります。
偽の領収書の検出が加わった経緯と、機能の提供状態
AppZen は、この1年ほどの間に、AIエージェントの機能を段階的に広げてきました。偽の領収書の検出を考えるうえで関係する発表を、公式の報道発表の一覧で確かめた範囲でまとめます。
| 日付 | 発表の中身(公式の報道発表で確かめた範囲) | この記事との関係 |
|---|---|---|
| 2025年12月15日 | AI Agent Studio。業務の手順書から、コードを書かずにエージェントを作る | 点検の手順を自社で足す入口 |
| 2026年3月17日 | Workday の経費精算との連携の完了。AIで作った・加工した領収書を新しい不正として監視 | 偽の領収書の検出を明記した発表 |
| 2026年4月21日 | 買掛金の問い合わせメールをエージェントが捌く受付の機能 | 買掛金の側。この記事では扱わない |
| 2026年9月30日 | オートノマス・カード。出張と経費以外の法人カードの支出をエージェントが扱う | カードの側。この記事では扱わない |
| 2026年10月1日 | ZenLM の上位版。財務に特化した言語モデル | 点検に使うモデルの更新 |
偽の領収書の検出がいつから提供されているかを示す専用の発表は、公式の一覧には見当たりませんでした。2026年3月の発表と経費監査の公式ページで、検出の対象として明記されていることまでが確かめられた範囲です。どの方法で偽物を見分けているかは、公式の資料には書かれていません。
見分け方が公開されていないことは、悪用を防ぐ意味では当然とも言えます。ただ、使う側からすると、AIがなぜ疑いを付けたのかを、経理の担当者がどこまで読み取れるかが運用の要になります。この点は、後の場面で詳しく見ます。
数字の読み方:7割は不正の内訳であって、不正の率ではない
冒頭の70.8%という数字は、強い印象を与えます。しかし読み方には注意が要ります。米国の会計専門誌の記事によれば、この数字は AppZen の基盤で偽物の疑いが付いた領収書の中で、AIで作られたものが占める割合です。集計は174社の745人が出した1,471件の偽の領収書にもとづいています。
つまり、提出された領収書の7割が偽物という意味ではありません。偽物の領収書の作り方が、ひな形を使う方法から生成AIを使う方法へ移った、という内訳の変化を示す数字です。同社の共同創業者で最高技術責任者のヴェルマ氏も、2026年7月の業界誌の取材で、偽の領収書は社員が出す領収書全体のごく小さな割合にとどまると述べています。
同じ記事では、AIで作られた偽の領収書の金額は平均で約100ドル、中央値で約32ドルとされています。少額の経費が多いということは、承認の上限より下で、目立たずに出される偽物が多いことを示しています。大きな金額だけを人が見る運用では、この形の偽物は通り抜けてしまいます。
この数字から引き出すべき結論は、「社員を疑ってかかれ」ではありません。少額の経費も点検の対象にする必要があること、そして見た目で本物かどうかを判断する従来の点検が、もう通用しにくくなったことです。過剰な監視ではなく、点検の仕組みの見直しが本題です。
場面1:偽の領収書が提出される
ここからは、偽の領収書が提出されてから処分と再発防止に至るまでを、五つの場面に分けて見ます。最初の場面は提出です。生成AIで作られた領収書は、店名、日付、品目、税額、レシートの紙の質感まで、本物らしく作られます。
提出の段階では、受け付ける経費精算の仕組みがまず領収書の画像を受け取ります。AppZen のような監査の製品は、この後に入って点検します。提出の段階で人が一件ずつ見て偽物に気づくことは、もはや期待できないと考えたほうがよいでしょう。
この場面で会社が決めておくべきことは、点検の対象の範囲です。自動で承認している少額の経費を点検から外していれば、少額の偽物はそのまま通ります。AIの監査を入れるなら、金額の大小にかかわらず、すべての経費を一度はAIの点検に通す設計にするのが前提です。公式サイトでも、すべての取引を点検することがうたわれています。
もう一つは、領収書の原本の扱いです。紙の領収書をスマートフォンで撮って出す運用では、画像しか残りません。どの経費で原本や追加の証拠(カードの明細・予約の確認メール)を求めるかを、規程で決めておくと、後の確認の場面で役に立ちます。
場面2:AIが疑いを付ける――任せる範囲
二つめの場面は、AIによる点検です。公式の説明では、領収書の内容を読み取り、カードの明細や請求書と照らし、重複や規程違反、不正の疑いを見つけ、経費ごとに危険度を付けます。危険度の高い経費には、理由を付けて印が付きます。
この場面でAIに任せてよいのは、画像と明細の突合、疑いの印付け、過去の傾向との照合です。同じ店の同じ日付の領収書が別の社員から出ていないか、カードの明細にない支出ではないか、その社員の過去の申請と比べて不自然な点はないか。こうした突き合わせは、人が手で行うには量が多すぎ、AIの得意な仕事です。
一方で、AIが付けるのはあくまで疑いです。危険度の高さは、不正をしたことの証明ではありません。たとえば、店が出したレシートの書式が珍しい、撮影した画像が加工されたように見える、といった理由で、本物の領収書に疑いが付くこともあり得ます。
だから、AIの印には必ず根拠を付けさせ、経理の担当者がその根拠を読める状態にしておくことが大切です。理由の説明がない疑いは、社員への確認に使わない。導入の前に、印が付いたときにどんな理由が示されるのかを、試行の段階で実際に見て確かめてください。
AIに自動で差し戻させるか、人に回すか
公式の経費監査のページでは、AIエージェントが経費を差し戻す、社員に書類の追加を求める、承認者に回す、例外を付けて承認する、といった動きができるとされています。質問の欄には、判断が要る例外にだけ人が入る、という説明もあります。
ここで会社として決めなければならないのは、偽物の疑いが付いた経費について、AIに自動で差し戻させるのか、必ず人に回すのかです。規程違反の経費、たとえば上限を超えた宿泊費の差し戻しなら、AIに任せても大きな問題は起きにくいでしょう。理由が明確で、社員も受け止めやすいからです。
偽物の疑いは違います。AIが「この領収書はAIで作られた疑いがある」と社員に直接返せば、それは社員を不正の疑いで名指しすることになります。誤りだった場合、社員との信頼は大きく損なわれます。偽物の疑いが付いた経費は、AIから社員に直接返さず、必ず経理の担当者が先に見る設定にすることを勧めます。
書類の追加を求める動きも、文面に注意が要ります。「領収書の真正性に疑いがあるため」と書くのか、「確認のためカードの明細を添付してください」と書くのかで、受け取る社員の印象はまったく違います。疑いの段階では、不正を示す言葉を社員向けの文面に入れないことを決めておきます。
場面3:経理が確かめる――疑いの根拠を読む
三つめの場面は、経理の担当者による確認です。AIの印と理由を受け取った担当者は、社員に何かを聞く前に、手元の情報で確かめられることを確かめます。ここを飛ばして社員に聞くと、誤った疑いで社員を傷つけるおそれがあります。
確かめる情報は、カードの明細との一致、出張の予定や予約の記録との整合、同じ出張に同行した社員の申請との比較などです。領収書の画像だけで判断せず、領収書の外にある記録と突き合わせることが要点です。生成AIの偽物は画像としては精巧でも、外の記録とは食い違いやすいからです。
ここでもAIは手伝えます。関連する記録を集めて並べる作業は、AIに任せられます。ただし、集めた記録を見て、不正の疑いが強いかどうかを決めるのは経理の担当者です。この判断の結果と理由は、後で説明できるように記録に残します。
確認の結果、疑いが晴れることも少なくありません。そのときは、印を外した理由を記録し、AIの点検の結果として何が誤りの原因だったかを残します。誤った疑いの記録は、AIの設定を見直す材料になるので、捨てずに集めておきます。
場面4:社員に聞く前に確かめること
四つめの場面は、社員への確認です。経理の確認でも疑いが残った場合に、初めて社員に話を聞きます。この段階は、会社と社員の関係にとって最も繊細な場面です。聞く前に、次の項目を確かめておきます。
- AIの印の理由を、経理の担当者が自分の言葉で説明できるか
- 領収書の外の記録(カードの明細・予約・出張の予定)と突き合わせたか
- 同じ理由で、ほかの社員の本物の領収書にも印が付いていないか
- 本人に聞く人と、同席する人が決まっているか(直属の上司に任せきりにしない)
- 聞く内容が「事実の確認」になっていて、「不正の追及」になっていないか
- 本人が説明や追加の証拠を出す機会と期限を用意したか
- 聞いた内容と本人の説明を、どこに、誰が見られる形で記録するか決めたか
- 就業規則と経費の規程のどの条項に照らして判断するかを確かめたか
三つめの項目は見落とされがちです。特定の店や特定の書式のレシートに、AIが偏って印を付けていることがあります。同じ理由の印がほかにも出ていないかを確かめると、AIの癖による誤りを、社員に聞く前に見つけられます。
誰が、どの場で、何を聞くか
社員に話を聞くときは、誰が聞くかを先に決めます。直属の上司が一人で聞くと、日ごろの関係が判断に影響したり、本人が話しにくくなったりします。経理の担当者と人事の担当者が同席する形にするなど、聞く人を固定し、一人で判断しない形にしておきます。
聞く場は、ほかの社員に知られない場所と方法を選びます。疑いの段階で周囲に知られれば、結果として不正がなかった場合でも、本人の評判は傷つきます。メールで聞くなら、宛先と写しの範囲を最小にします。
聞く内容は、事実の確認から始めます。「この日のこの支出について、カードの明細と金額が違うので、事情を教えてください」のように、確かめたい事実を具体的に示します。最初から「AIが偽物と判定した」と伝えるのは避けます。避けたい聞き方を、まとめておきます。
- 「AIが偽物と判定した」とだけ伝えて、本人に説明を求める
- AIの危険度の点数を、不正の証拠として本人に示す
- 直属の上司が一人で呼び出し、その場で認めるよう迫る
- 疑いの段階で、部署の会議やチャットで話題にする
- 本人の説明を聞く前に、精算を止める以外の不利益な扱いをする
いずれも、AIの疑いを結論として扱ってしまう聞き方です。AIの疑いだけで社員を不正と決めない。この一文を、経理と人事の両方の手順書に書いておいてください。
誤って疑われた社員を守る
AIの点検を入れると、誤って疑われる社員が必ず出ます。どれだけ精度が高くても、件数が多ければ誤りの件数も増えます。導入の前に、誤って疑われた社員をどう扱うかを決めておくことが、制度への信頼を保つ条件です。
まず、疑いが晴れた場合の記録の扱いです。疑いが付いた事実が、人事の評価や昇進の判断に影響しないよう、疑いが晴れた記録は経理の中にとどめ、人事の評価の資料には回さないことを決めます。本人には、確認が終わり問題がなかったことを、はっきり伝えます。
次に、社員のデータが何に使われるかの説明です。経費の申請の内容がAIで点検され、過去の申請と比べられることは、社員にとって知っておくべき情報です。点検を始める前に、何を、どの目的で、どの範囲で点検するのかを、社内の規程や通知で示しておくと、後で「知らないうちに監視されていた」という反発を避けられます。
最後に、異議を申し立てる道です。本人が確認の進め方や結論に納得できない場合に、経理と人事とは別の窓口に相談できる仕組みがあると、制度の公正さが保たれます。誤りを訂正できる仕組みがあることが、AIの点検を社員に受け入れてもらう前提になります。
場面5:処分と返金――決めるのは人と規程
五つめの場面は、処分です。確認の結果、偽の領収書による不正があったと判断した場合、返金を求めるのか、懲戒の処分をするのか、どの程度の処分にするのかを決めます。この判断は、AIの役割の外にあります。
日本では、懲戒の処分は就業規則に根拠があることが前提で、労働契約法では、客観的に合理的な理由を欠き、社会の通念に照らして相当と認められない懲戒は、権利の濫用として無効になるとされています。処分の重さは、金額、回数、本人の説明、過去の例との釣り合いで決まり、AIの危険度の点数で決めるものではありません。
処分を決める前には、法務や社会保険労務士、弁護士に相談することを勧めます。特に、AIの点検の結果を処分の根拠に含める場合は、その結果をどう説明するかを含めて確かめておきます。AIが付けた疑いの理由を、人が確かめた事実で裏付けた形にしておくことが大切です。
返金の扱いも規程で決めておきます。本人が誤りを認めて返金した場合と、否認した場合とで、手続を分けておくと、担当者が迷いません。処分の結果は、必要な範囲の人だけが見られる形で記録します。
再発を防ぐ:点検の線と規程を見直す
一件の不正の対応が終わったら、同じ形の不正を防ぐ手当てを考えます。まず、承認の上限と点検の範囲です。少額の偽物が多いという集計を踏まえれば、自動承認の上限を下げるか、上限より下の経費もAIの点検に必ず通す設計にするかを見直します。
次に、証拠の求め方です。カードで払える経費はカード払いを原則にし、現金の立て替えには追加の証拠を求める、といった規程の見直しが考えられます。領収書の画像だけに頼らない仕組みにすることが、生成AIの偽物への最も確かな備えです。
社員への伝え方も大切です。AIで作った偽の領収書を出すことが、会社の財産を不正に得る行為であり、懲戒の対象になり得ることを、規程と研修で明確にします。同時に、すべての経費がAIで点検されていることを伝えるのは、それ自体が抑止になります。
外から来る詐欺、たとえばAIで作られた請求のメールへの備えは、「AIで作られた詐欺メールは見分けられない」で扱っています。この記事で扱った社内の経費の不正とは、相手も対策も違うので、分けて考えてください。届いた請求書の処理の仕組みも、別の記事で扱っています。
社員のデータが何に使われるか、費用の増え方、止め方
導入の判断では、情報システムと法務の部門と一緒に、データの扱い、費用、止め方を確かめます。まずデータの扱いです。公式の信頼できるAIのページでは、モデルが顧客の生のデータから学ぶことはなく、個人を特定する情報を外して集計した形で調整に使うとされています。
提供元は ISO 27001 や SOC の認証の表示を示し、2026年3月の発表では欧州向けにデータの保存場所を選べることにも触れています。一方で、日本の拠点のデータがどの地域に保存されるかは、2026年10月時点で確かめた公式のページには書かれていませんでした。社員の経費のデータは個人の情報を含むため、海外の事業者に渡すときの扱いを、法務と確かめてから使ってください。
費用の増え方は、金額ではなく増える要因で見ます。この種の製品は、一般に点検する経費の件数や社員の数、使う機能の範囲で費用が変わります。経費の監査だけで始めて、カードや買掛金に広げると構造が変わる可能性があるので、広げる前に提供元に確かめます。
止め方も先に決めます。やめるときに、点検の結果と判断の記録を取り出せるか、製品の中の社員のデータを確実に消せるかを、契約の前に確かめます。処分の根拠になった記録は、製品の中だけに置かないことが原則です。
AIに任せる範囲と、人が決めること
ここまでの五つの場面を、AIに任せてよい範囲と、人が決めることに分けて整理します。線の引き方は、誤ったときに社員と会社の関係がどれだけ損なわれるかで決めています。
| 場面 | AIに任せてよいこと | 人が決めること・確かめること |
|---|---|---|
| 提出 | すべての経費の読み取りと受け付け | 点検の範囲、原本や追加の証拠を求める経費の決定 |
| 疑いを付ける | 画像と明細の突合、疑いの印付け、過去の傾向の照合 | 偽物の疑いを自動で差し戻させるかの設定 |
| 経理の確認 | 関連する記録の収集と並べ替え | 疑いが強いかどうかの判断と、その理由の記録 |
| 社員への確認 | 確認の日程や記録の整理の補助 | 聞く人・聞く場・聞く内容の決定、本人の説明の受け止め |
| 処分と再発防止 | 同じ形の疑いの傾向の集計 | 不正かどうかの判断、処分の重さ、規程の見直し |
表の右の列は、どれも責任者の名前で決めておくべき項目です。特に「不正かどうかの判断」は、AIの精度がどれだけ上がっても人に残ります。判断の結果に責任を持ち、社員に説明できるのは人だけだからです。
半年に一度の見直し
AIの点検は、入れた時点では整っていても、偽物の作り方が変われば効き目も変わります。冒頭の集計が示すとおり、偽物の作り方は1年ほどで大きく入れ替わりました。半年に一度は、決まった手順で見直すことを勧めます。
この半年に付いた偽物の疑いのうち、確認で晴れたものの件数と理由を集め、特定の店や書式への偏りがないかを見ます。
監査や内部通報で後から見つかった不正のうち、AIの点検で印が付かなかったものを集め、点検の範囲や設定に穴がないかを確かめます。
AIに自動で差し戻させている範囲が適切か、偽物の疑いが人を通らずに社員に返っていないかを確かめます。
確認の進め方に不満や異議がなかったか、記録の扱いが決まりどおりだったかを、人事と一緒に確かめます。
見直しの結果を経費の規程と社員への通知に反映し、変えた点と理由を残します。
見直しで大切なのは、見逃しだけでなく誤った疑いも同じ重さで数えることです。誤った疑いが減らないまま点検を厳しくすると、社員の信頼を失い、制度そのものが使われなくなります。
まとめ
生成AIで本物そっくりの領収書が作れるようになり、経費の不正の形が変わりました。AppZen は、すべての経費を読み取り、明細と照らし、AIで作った・加工した領収書を含む不正の疑いに理由を付けて印を付ける経費監査の製品ですが、その社員が不正をしたかどうかまでは決めてくれません。入れるなら、金額にかかわらずすべての経費をAIの点検に通し、偽物の疑いはAIから社員に直接返さず経理が先に見る。経理は領収書の外の記録と突き合わせ、社員に聞く前の確認項目を済ませ、聞く人と場を決めて事実の確認から始める。画像と明細の突合・疑いの印付け・過去の傾向の照合はAIに任せ、不正かどうかの判断・社員への確認・処分は人と規程で決める。AIの疑いだけで社員を不正と決めないでください。
- 製品の機能と提供の状態は、AppZen の公式サイト(トップ・経費監査・信頼できるAI・会社の紹介・報道発表の一覧)と、2026年3月17日の報道発表を2026年10月25日に確かめた範囲に基づきます
- 偽の領収書の集計の数字は、2026年6月23日の米国の会計専門誌の記事が伝えた AppZen の基盤の集計で、提供元のデータです。不正の発生率を示す数字ではありません
- 偽物を見分ける方法の中身、日本語の画面と国内の窓口、日本の帳簿の保存の決まりへの対応、データの保存地域、料金の体系は公式の資料で確かめられなかったため、契約の前に提供元に直接確かめてください
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
