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面接の前に、候補者の応募書類と前の選考段階の評価から、面接官が確かめるべき点と質問の案をまとめた準備メモを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

二次面接・最終面接の前に、候補者の応募書類と、書類選考・一次面接の評価を読み、面接官が確かめるべき点と質問の案をまとめた準備メモを作ります。面接官は、資料を全部読む代わりにメモを読んで面接に入ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
連携・自動化
Make/Power Automate/Zapier
対象業界
IT・SaaS/人材/広告/製造
対象部門
人事/採用
対象業務
書類作成/要約
主な課題
人手が足りない/属人化している/引き継ぎができていない
AIで行う処理
要約
主な効果
品質標準化/工数削減/教育コスト削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
40h/月
AI導入後
16h/月
想定削減
60%
年間削減
288h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 採用担当が面接の日程を決め、面接官に Outlook の予定を送る
  2. 予定の本文に、採用管理システムの候補者のページのリンクを貼る
  3. 面接官が面接の前に、職務経歴書と履歴書を開いて読む
  4. 書類選考と一次面接の評価シートを開き、6項目の評価とコメントを読む
  5. 確かめたい点と質問を、手元のメモに書く
  6. 面接を行い、評価シートを入力する
導入後(After)
  1. 自動採用管理システムで二次面接・最終面接の日程が確定すると、採用担当に Teams で準備メモの作成を知らせる
  2. 人採用担当が、応募書類と前の段階の評価を採用管理システムから PDF で書き出し、候補者のフォルダに入れる
  3. 人採用担当が面接準備用のエージェントを開き、候補者のフォルダのファイルと面接の段階を指定する
  4. 自動エージェントが、6つの評価項目ごとに「確かめられたこと」「まだ確かめていないこと」「評価者の間の食い違い」を整理する
  5. 自動「まだ」と「食い違い」の項目について、質問の案を出す
  6. 自動応募書類と評価のコメントの中に、適性・能力に関係のない事項が含まれていれば、メモからは外して採用担当への注意として別に出す
  7. 人採用担当が準備メモを読み、根拠の箇所と、外された事項を確かめる
  8. 自動準備メモの Word を、面接の前日に Outlook の予定に添付して面接官へ送る
  9. 人面接官が準備メモを読んで面接に入る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 採用担当が面接の日程を決め、面接官に Outlook の予定を送る
  2. 予定の本文に、採用管理システムの候補者のページのリンクを貼る
  3. 面接官が面接の前に、職務経歴書と履歴書を開いて読む
  4. 書類選考と一次面接の評価シートを開き、6項目の評価とコメントを読む
  5. 確かめたい点と質問を、手元のメモに書く
  6. 面接を行い、評価シートを入力する

(a)読む時間が無い。 職務経歴書は3〜5ページ、前の段階のコメントは2人分です。面接の直前の10分で読むには多すぎます。 読まずに面接に入ると、最初の15分を経歴の確認に使うことになります。

(b)前の面接と同じことを聞き直す。 一次面接で詳しく聞いた転職の理由を、二次面接でもまた聞きます。候補者からは「前の面接でも話しましたが」と言われ、選考の印象を下げます。 辞退の理由に挙がることもあります。

(c)前の段階の懸念が引き継がれない。 一次面接の面接官が「チームでの役割があいまい。次の面接で確認を」と書いていても、二次面接の面接官がコメントを読んでいなければ、確認されないまま最終面接に進みます。 最終面接で同じ懸念が出て、判断が先送りになります。

(d)質問の質が面接官で違う。 経験の長い面接官は前のコメントから確かめる点を拾えますが、面接官になって間もない管理職は、毎回同じ一般的な質問をして終わります。 面接官の教育に時間をかけても、全員に行き渡りません。

  1. 【自動】 採用管理システムで二次面接・最終面接の日程が確定すると、採用担当に Teams で準備メモの作成を知らせる
  2. 【人】 採用担当が、応募書類と前の段階の評価を採用管理システムから PDF で書き出し、候補者のフォルダに入れる
  3. 【人】 採用担当が面接準備用のエージェントを開き、候補者のフォルダのファイルと面接の段階を指定する
  4. 【自動】 エージェントが、6つの評価項目ごとに「確かめられたこと」「まだ確かめていないこと」「評価者の間の食い違い」を整理する
  5. 【自動】 「まだ」と「食い違い」の項目について、質問の案を出す
  6. 【自動】 応募書類と評価のコメントの中に、適性・能力に関係のない事項が含まれていれば、メモからは外して採用担当への注意として別に出す
  7. 【人】 採用担当が準備メモを読み、根拠の箇所と、外された事項を確かめる
  8. 【自動】 準備メモの Word を、面接の前日に Outlook の予定に添付して面接官へ送る
  9. 【人】 面接官が準備メモを読んで面接に入る

7番目が、この設計の分かれ目です。 準備メモが面接官に届く前に、採用担当が1件ずつ目を通します。見るのは、メモに書かれた根拠が応募書類と評価のどこにあるかと、6番目で外された事項の中身です。 応募書類を最初から読み直すことはしません。

6番目を採用担当への注意として別に出すのも、意図してのことです。 前の段階のコメントに「ご家族の事情で転居予定」のような記載があること自体が、前の面接で聞いてはいけないことを聞いた可能性を示しています。 準備メモから外すだけでなく、採用担当がその面接官にフィードバックするきっかけにします。

02今回想定するシステム構成

構成図
採用管理システム(面接の日程の確定)
   ▼【トリガー】二次面接・最終面接の日程の確定
Power Automate ── 採用担当に Teams で作成を知らせる
   ▼
採用担当が応募書類と前の評価を PDF で書き出し、候補者のフォルダへ
   ▼
Microsoft 365 Copilot(Agent Builder で作る面接準備用のエージェント)
   │   知識:職種ごとの評価項目と基準/聞いてはいけない事項の社内の手引
   ├──▶ 評価項目ごとの整理(確かめた/まだ/食い違い)
   ├──▶ 質問の案
   └──▶ 採用担当への注意(メモから外した事項)
   ▼【採用担当が根拠と外した事項を確かめる】
準備メモ(Word)
   ▼
面接の前日に Outlook の予定へ添付(Power Automate)── 面接官が読んで面接へ
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft 365 Copilot(Agent Builder で作る面接準備用のエージェント)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
連携Power Automate(作成の通知と、準備メモの送付)Make、Zapier
保管SharePoint ドキュメントライブラリ(採用グループだけが開ける候補者のフォルダ)OneDrive
採用管理既存の採用管理システム-

新しく足すのは、面接準備用のエージェントと、通知と送付の流れだけです。 採用管理システムには書き込みません。評価の入力は、今までどおり面接官が採用管理システムで行います。

エージェントは Agent Builder で作ります。 Agent Builder では SharePoint や OneDrive のファイル、端末からアップロードしたファイルなどを知識に指定でき、1つのエージェントに指定できる SharePoint のファイル・フォルダ・サイトは100ファイルまで、端末から埋め込むファイルは20ファイルまでとされています。知識に入れるのは、職種ごとの評価項目と基準、聞いてはいけない事項の社内の手引だけです。 候補者の応募書類は知識に入れず、メモを作るたびに採用担当が指定します。

候補者の書類を知識に入れない理由は、見える範囲です。 埋め込んだファイルは、エージェントにアクセスできる利用者なら誰でもその情報にアクセスできるとされています。エージェントを面接官にも共有すると、他の候補者の応募書類まで見えることになります。 エージェントは採用担当の3名だけで使い、面接官に渡すのは準備メモの Word だけにします。

ライセンスは採用担当の3名に付けます。 Microsoft 365 Copilot(Premium)は Microsoft Graph を通じて組織のデータを使えますが、Copilot Chat(Basic)と Microsoft 365 Copilot(Basic)では、組織のデータを使うエージェントは従量課金とされています。面接官27名にはライセンスは要りません。 面接官は Word のメモを読むだけです。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

二次面接・最終面接の日程の確定を起点にします。 採用管理システムから日程の確定がメールで通知される設定にし、Power Automate がその通知メールを受けて、採用担当の Teams に「準備メモの作成:候補者番号、面接の段階、面接の日時、面接官」を投稿します。

準備メモは面接の前日の正午までに作ります。 前日の夕方に面接官へ送り、面接の当日の朝に読めるようにします。当日の朝に作ると、確認の時間が取れずに送ることになります。

面接の日時メモの作成の期限面接官への送付
月曜の午前前の週の金曜の正午金曜の17時
火曜〜金曜前日の正午前日の17時

一次面接の評価が入る前に二次面接の日程が決まることがあります。 その場合は、一次面接の評価が入ったことを確かめてから作ります。評価が無いまま作ると、全項目が「まだ」になり、メモの意味がありません。

最終面接のメモには、二次面接の評価も入れます。 段階が進むほど評価のコメントが増え、面接官が読む量も増えるので、最終面接ほどメモの効き目が大きくなります。 一方で、最終面接の面接官は役員であることが多く、メモは二次面接のときより短く、確かめたい点を3つまでに絞らせます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
職務経歴書経歴、担当した業務と役割、成果、使った技術採用管理システムから書き出した PDF
履歴書学歴・職歴の年月、資格同上
書類選考の評価6項目の評価とコメント同上
一次面接の評価6項目の評価とコメント、次の面接への申し送り同上
二次面接の評価(最終面接のとき)同上同上
職種ごとの評価項目と基準6項目それぞれで、4段階の評価の目安と、確かめたい行動の例エージェントの知識(SharePoint)
聞いてはいけない事項の社内の手引厚生労働省が示す就職差別につながるおそれがある事項と、社内での言い換えの例エージェントの知識(SharePoint)

質を決めるのは、一次面接のコメントです。 評価が「4」でも、コメントが「よかった」だけなら、何を根拠に4としたかが分かりません。エージェントはそれを「根拠の書かれていない評価」として「まだ」に入れます。 面接官のコメントの書き方がそろうほど、メモは短く、的確になります。

履歴書は、学歴・職歴の年月と資格の欄だけを使います。 履歴書の様式によっては、適性・能力に関係のない欄が含まれていることがあります。それらの欄は、書き出す時点で入れないか、エージェントに使わせないようにします。

評価シートに「次の面接への申し送り」の欄が無ければ、足しておきます。 コメントの中に紛れた「次で確認を」は拾い漏れることがあります。欄が分かれていれば、申し送りは必ずメモの「確かめたい点」に載ります。

Step3

データの取得方法を決める

採用管理システムから、候補者ごとに PDF で書き出します。 書き出したファイルは、採用グループの3名だけが開ける SharePoint の候補者のフォルダに入れます。フォルダの名前は候補者番号にし、氏名は使いません。

取るものどこから何に使うか
応募書類採用管理システムの書き出し経歴と役割の根拠
前の段階の評価採用管理システムの書き出し確かめたこと・まだのこと・食い違い
評価項目と基準エージェントの知識項目ごとの整理の枠
聞いてはいけない事項の手引エージェントの知識外す事項の判定

エージェントのチャットで、候補者のフォルダのファイルを指定して渡します。 Word の Copilot と同じように、チャットの入力欄で「/」を入力してファイル名を打つと参照先を選べます。1件で渡すのは、応募書類と評価を合わせて3〜4ファイルです。

同じチャットで2人以上の候補者を続けて扱わないでください。 前の候補者の書類がチャットの文脈に残り、別の候補者の経歴がメモに混ざるおそれがあります。候補者ごとに新しいチャットを始めることを、採用担当3名の決まりにします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. ファイル名を「候補者番号_種類」にする … 例:C2026-0912_職務経歴書.pdf。氏名をファイル名に入れません
  2. 書き出しの範囲を絞る … 採用管理システムの書き出しで、応募の経路、年齢、写真などの項目を含めない設定にします
  3. 履歴書の不要な欄を入れない … 適性・能力に関係のない欄がある様式は、学歴・職歴・資格のページだけを書き出します
  4. 前の段階の評価をそろえる … 書類選考と一次面接の評価を1つの PDF にまとめ、段階の名前を見出しにします
  5. パスワードを付けない … パスワードで保護されたファイルは使えないとされています。フォルダの権限で守ります

2番目と3番目が、この構成の安全の土台です。 エージェントの指示で「使わない」と書くより、最初から渡さないほうが確実です。 渡さなければ、メモに紛れ込むこともありません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、6つの評価項目ごとに前の段階の評価を整理し、まだ確かめていない点に質問の案を付けることです。

区分判定の仕方例
確かめられたこと前の段階のコメントに、具体的な経験や行動が根拠として書かれている「前職で受注管理の改修を要件定義から担当。工程表を自分で引いたと具体的に説明」
まだ確かめていないこと評価はあるが根拠が書かれていない、または項目に触れていない「協働:評価3、コメントなし」
評価者の間の食い違い同じ項目で、書類選考と一次面接、または面接官の間で評価が2段階以上違う、またはコメントが逆の内容書類「リーダー経験あり」/一次「役割があいまい」
申し送り前の面接官が「次の面接で確認を」と書いたこと「顧客との折衝の経験を確認」

いちばん大事なのは、評価の点数ではなく根拠の有無で分けることです。 4段階で「4」が付いていても、根拠が書かれていなければ「まだ」です。点数の高い項目ほど、二次面接で聞かれなくなりがちだからです。

質問の案は、過去の行動を聞く形にします。 評価項目と基準に書かれた「確かめたい行動の例」に沿い、「そのとき、あなたは何をしましたか」の形で聞く案を、1つの点につき2つまで出させます。「あなたはチームワークを大切にしますか」のような、答えが決まっている質問は出させません。

聞いてはいけない事項は、メモから外して別に出します。 厚生労働省の公正採用選考特設サイトでは、本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境・家庭環境、宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合・学生運動などの社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書などを、応募用紙に記載させたり面接でたずねたりして把握することが、就職差別につながるおそれがあるとされています。応募書類や前のコメントにこれらが書かれていたら、準備メモには載せず、どの書類のどこにあったかを採用担当への注意に出させます。

させないこと理由
合否の見込みを書く面接官と採用の責任者が決める
評価の点数を付け直す前の面接官の評価を変えるのは本人だけ
性格や人柄を推し量る書類と短いコメントからは分からない
応募書類に無い経歴を補う「たぶんこの業務もしていた」で質問を作らない
聞いてはいけない事項を質問にする就職差別につながるおそれがある
年齢や性別に触れる適性・能力と関係がない

4行目がいちばん起きやすい失敗です。 職務経歴書に「受注管理システムの改修」とあると、モデルは「データベースの設計の経験について」と質問を作ります。書かれていないことを前提にした質問は、面接官に誤った前提を持たせます。

Step6

指示内容を固定する

エージェントの指示(Agent Builder の「指示」の欄に書くもの)の例です。

あなたは採用担当が、二次面接・最終面接の面接官に渡す準備メモを作るのを
手伝う役割です。採用担当が指定した応募書類と前の段階の評価、
知識の「評価項目と基準」「聞いてはいけない事項の手引」だけを根拠にしてください。

【作るもの】
1. 評価項目(6項目)ごとに、次の4つに分けて整理してください。
   - 確かめられたこと:前のコメントに具体的な経験や行動が書かれているもの
   - まだ確かめていないこと:評価はあるが根拠が無い、または触れていないもの
   - 評価者の間の食い違い:評価が2段階以上違う、またはコメントが逆の内容のもの
   - 申し送り:前の面接官が次の面接で確認するよう書いたもの
   それぞれに、根拠の書類名と段階名を付けてください。
2. 「まだ」「食い違い」「申し送り」の点ごとに、質問の案を2つまで出してください。
   評価項目と基準の「確かめたい行動の例」に沿い、過去の行動を聞く形にしてください。
3. 準備メモの冒頭に、経歴の要約を5行以内で書いてください。
   職務経歴書に書かれた役割と期間だけを使ってください。

【厳守事項】
- 応募書類と評価に書かれていないことを補わないでください。
- 合否の見込み、評価の点数、性格や人柄の推測を書かないでください。
- 「聞いてはいけない事項の手引」にある事項が書類やコメントに含まれていたら、
  準備メモには一切書かず、末尾の「採用担当への注意」に、
  書類名・段階名・該当する事項の種類だけを書いてください。中身は写さないでください。
- 年齢、性別、国籍、健康、家族に触れる質問を作らないでください。
- 確かめられたことについては、質問を作らないでください。
- 評価が高い項目でも、根拠が無ければ「まだ」に入れてください。

「中身は写さない」を明記しないと、注意の欄に家族の事情がそのまま書かれます。 注意の欄は採用担当しか見ませんが、準備メモと同じファイルにある以上、送付の手違いで面接官に届くおそれがあります。 種類だけを書かせ、中身は元の書類で採用担当が確かめます。

「確かめられたことには質問を作らない」は、聞き直しを止めるための一文です。 何も言わないと、モデルは全項目に質問を作り、面接官は一次面接と同じことを聞くことになります。

Step7

出力形式を固定する

準備メモは、面接官が5分で読める1枚の Word にします。

面接準備メモ(二次面接) 候補者番号 C2026-0912 面接 10月9日 14:00

■ 経歴の要約(職務経歴書より)
・業務システムの開発会社で8年。受注管理の改修で要件定義から担当(直近3年)
・…

■ この面接で確かめたい点
| 評価項目 | 区分 | 内容 | 根拠 | 質問の案 |
| 協働 | まだ | 評価3、コメントなし | 一次面接 | ①意見が割れたとき、あなたは何をしましたか …
| 課題の解決 | 食い違い | 書類「改善の実績あり」/一次「自分の役割が不明」 | 書類選考・一次面接 | …
| 顧客 | 申し送り | 顧客との折衝の経験を確認 | 一次面接 | …

■ 前の段階で確かめられたこと(聞き直さなくてよい点)
| 技術の経験 | 受注管理の改修を要件定義から担当、工程表を自分で作成 | 一次面接 |

「聞き直さなくてよい点」を明示するのが、このメモの特徴です。 確かめたい点だけを並べると、面接官は他の項目も念のため聞きます。聞かなくてよいと書いてあることで、限られた時間を確かめたい点に使えます。

JSON ではなく Word の表にしているのは、読むのが面接官だからです。 この出力は後段のシステムに入らず、面接の前に人が読んで終わります。列を固定しておけば、どの採用担当が作っても同じ形のメモが届き、面接官は毎回同じ場所を見れば済みます。 面接官の教育でも、このメモの読み方を1回説明するだけで足ります。

採用担当への注意は、準備メモとは別のファイルに分けて保存します。 エージェントの出力では末尾に付けさせ、採用担当が確かめたあとに切り離します。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
採用管理システム日程確定の通知メールPower Automate のトリガー
TeamsPower Automate の投稿採用担当に作成を知らせる
候補者のフォルダ(SharePoint)採用担当が保存書き出した PDF と準備メモ
面接準備用のエージェント採用担当が使う準備メモの下書きを返す
Outlook の予定Power Automate前日の17時に、確認済みの準備メモを添付して面接官へ
採用管理システム書き込まない評価の入力は面接官

送付は「確認済み」のフォルダに入ったものだけにします。 採用担当が確かめた準備メモを 確認済み のフォルダに移すと、Power Automate がそれを面接の予定に添付します。確認前のメモが面接官に届く経路を作りません。

Step9

人が確認する

採用担当が見るのは、根拠の列と、採用担当への注意です。

  1. 採用担当への注意を先に見る … 外された事項の種類と箇所を元の書類で確かめます。前の面接官が聞いた可能性があれば、その面接官に伝えます
  2. 「食い違い」の根拠を開く … 2つの評価のコメントを読み、本当に食い違っているかを確かめます
  3. 質問の案を読む … 書かれていない経歴を前提にしていないか、聞いてはいけない事項に触れていないかを見ます
  4. 注意の欄を切り離し、確認済みのフォルダへ … 準備メモだけを移します

1番目を省かないでください。 公正採用選考特設サイトでは、適性・能力に関係のない事項は、採用基準としないつもりでも、たずねれば結果として採否の決定に影響を与えることになるとされています。準備メモから外すだけでなく、前の段階で起きたことを正すのが、この確認の役目です。

目標は、採用担当の確認が1件3分、面接官の読み込みが1件5分です。 採用担当の3分に収まらない件が続くときは、前の段階のコメントの書き方か、書き出しの設定のどちらかを疑います。

質問の案を使うかどうかは、面接官が決めます。 準備メモの質問は案であって、台本ではありません。面接の流れの中で、候補者の答えに合わせて聞き方を変えるのは面接官の仕事です。 案をそのまま読み上げる面接にしないよう、面接官への最初の説明で伝えます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
一次面接の評価が未入力作らずに、一次面接の面接官に入力を頼む
コメントが空の項目ばかり全項目が「まだ」になる。メモには経歴の要約と申し送りだけを載せる
職務経歴書が画像の PDF で読めない候補者に文字の入った PDF を頼むか、採用担当が要約を書く
外国語の職務経歴書経歴の要約は日本語、固有名詞は原文のまま
面接の日程が前日に変わった準備メモはそのまま。面接官が変わったら送り直す
面接官が準備メモを開いていない当日の朝に Teams で知らせる。開かない面接官が多ければ形式を見直す
注意の欄に該当する事項が多い前の面接の聞き方に問題がある。採用担当が面接官の研修に回す
候補者が選考を辞退した作成と送付を止め、フォルダを保存の期限に従って消す
同じ候補者が別の職種に応募し直した職種ごとの評価項目が違う。前の応募の評価は使わず、新しい応募の評価だけで作る

上から2行目までが大半を占めます。 どちらもAIの問題ではなく、前の段階の評価の書き方の問題です。 準備メモが毎回「まだ」だらけで届くことは、一次面接の面接官にとってもコメントを書き直すきっかけになります。

Step11

記録を残す

  • 準備メモの作成に使ったファイルと、作成の日時
  • エージェントが出した準備メモと、採用担当が直した後の準備メモ
  • 採用担当への注意の内容(種類と箇所)と、面接官へのフィードバックの記録
  • 面接官へ送った日時
  • 面接の後、準備メモの「確かめたい点」が評価シートのコメントで確かめられたか

最後の行が、準備メモの質を測る材料になります。 確かめたい点が面接の後のコメントで扱われていなければ、メモが読まれていないか、質問の案が使いにくいかのどちらかです。候補者の書類と準備メモは、採用の選考が終わったら社内の保存の期限に従って消します。

04実装レベルの3段階

最小構成:採用担当が Copilot のチャットにファイルを指定し、整理と質問の案を出させる / 1件ごとの整理と質問の案
半自動化:上記+Agent Builder でエージェントを作り、評価項目と手引を知識に入れる。通知と送付を Power Automate で行う / 整理と質問の案、注意の切り分け、作成の通知と送付
本格構成:上記+面接の後の評価で「確かめたい点」が扱われたかを毎月集計し、評価項目と基準を見直す / 準備メモの質の測定と改善

最小構成では、指示が採用担当ごとに変わります。 3名で書き方が違えば、面接官に届くメモの形も変わります。確かめるための段階です。 半自動化で、1件20分が8分になり、この段階が本記事の想定です。 本格構成では時間はあまり変わらず、増えるのはメモがどれだけ使われたかが見えることです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化のメモを2〜3か月分ためると、「まだ」が多い評価項目と、コメントの短い面接官が見えてきます。評価項目と基準、面接官へのコメントの例を先に直してから集計を始めるほうが、メモの質を読み違えません。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
30 名
月間件数
120 件
1件あたり現在時間
20 分
1件あたり導入後時間
8 分
現在  120件 × 20分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 120件 × 8分 ÷ 60 = 16 時間/月
月間削減時間
24h
削減率
60%
年間削減時間
288h
年間金額換算(時間単価4,500円)
130万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 中途採用で二次面接・最終面接を月に数十件から百件以上行い、現場の管理職が面接官を務めている IT 企業や人材会社。面接官が応募書類と前の段階の評価を読む時間が取れず、前の面接と同じことを聞き直している場合。評価シートに評価項目があり、前の段階のコメントが文章で残っている場合。Microsoft 365 Copilot を採用担当が使える場合。
向いていない
  1. 面接が一回だけで、前の段階の評価が無い場合。月の面接が数件で、採用担当が面接官と口頭で打ち合わせられている場合。前の段階の評価が点数だけで、コメントが残っていない場合。なお、合否と評価は面接官と採用の責任者が決めます。この構成はその判断を代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月二次面接を行った候補者から10名を選ぶ
  2. 応募書類と書類選考・一次面接の評価を PDF で書き出す
  3. Microsoft 365 Copilot のチャットにファイルを指定し、「評価項目ごとに、確かめられたこと・まだ確かめていないこと・食い違いに分け、まだの点に過去の行動を聞く質問を2つずつ出してください。書かれていないことを補わないでください」と指示する
  4. 出てきたメモを、その候補者の二次面接の面接官に見せ、「面接の前にこれがあったら使ったか」を聞く
  5. 二次面接の評価のコメントと突き合わせ、メモの「まだ」が面接で扱われていたかを見る

10名は必ずやってください。 エージェントを作る前に、「前の段階のコメントから、確かめる点が拾えるのか」を確かめます。10名のうち数名は、一次面接のコメントが短い候補者を入れてください。

出てきた内容判断
面接官が「使った」と答えたエージェントにして指示を固定する段階に進む
書かれていない経歴を前提にした質問が出た指示の書き方で直る。構成は有効
ほぼ全項目が「まだ」になった一次面接のコメントの書き方が先。 AIの問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 一次面接のコメントが「よかった」「問題なし」で終わっている場合です。それ自体が、二次面接で同じことを聞き直している理由の1つです。 その場合は、一次面接の面接官にコメントの例を示すところから始めてください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
書かれていない経歴を前提に質問を作る指示で禁じ、採用担当の確認で必ず見る
点数の高い項目が「確かめた」に入る根拠の有無で分けると指示する
全項目に質問が付き、聞き直しが減らない確かめられたことには質問を作らせない
家族や出身地の話題がメモに載る書き出しの段階で外し、指示でもメモに書かせない
注意の欄が面接官に届く注意を切り離してから確認済みのフォルダへ移す
エージェントを面接官にも共有してしまう他の候補者の書類が見える。 共有は採用担当だけ
一次面接のコメントが短く、ほぼ全項目が「まだ」面接官の研修で、根拠を書くコメントの例を示す
面接官がメモを読まない5分で読める量に絞る。読まれた割合を見て形を直す

上の4行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも「書類に無いことを、それらしく埋める」ことから出ています。準備メモは前の段階の記録の整理であって、候補者についての新しい情報ではありません。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 候補者の職務経歴、学歴・職歴、前の段階の評価とコメント、そして応募書類や評価に紛れ込んだ、適性・能力に関係のない個人の情報です。

  1. 適性・能力に関係のない情報を、そもそも渡さない … 公正採用選考特設サイトでは、職業安定法第5条の5と指針により、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などは原則として収集が認められないとされています。採用管理システムの書き出しの設定で外すのが、最も確実な対策です
  2. エージェントの共有を採用担当に限る … 候補者の書類を知識に入れない設計でも、チャットの履歴には書類の内容が残ります。 面接官にはエージェントではなく、確認済みの準備メモだけを渡します
  3. Microsoft Entra アカウントでサインインして使う … その場合、プロンプトと応答はエンタープライズ データ保護で保護されるとされています
  4. この構成は合否の判断を代替しません … 準備メモに合否の見込みや人柄の推測を書かせません。評価するのは面接官で、決めるのは採用の責任者です
  5. 注意の欄を、前の面接の振り返りに使う … 聞いてはいけない事項がコメントに残っていたら、前の面接官に伝え、面接官の研修に反映します
  6. 選考が終わったら消す … 候補者のフォルダの書き出しと準備メモは、社内の保存の期限に従って消します

誤りが起きた場合のリスクは、書類に無い前提で面接官が質問することと、聞いてはいけない事項が面接官に渡ることの2つです。 前者は指示と確認で止め、後者は書き出しの段階で止めます。後者は指示だけに頼らず、渡さない設計で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:評価項目ごとに「確かめたい行動の例」を書く

6つの評価項目それぞれで、どんな行動が語られたら評価できるかを、例を3つずつ書きます。経験の長い面接官に聞きながら作ります。

2週目:10名で試す

先月二次面接を行った10名の書類で、Copilot のチャットにメモを作らせます。面接官に見せて「使ったか」を聞き、書かれていない経歴を前提にした質問が無いかを最優先で見ます。

3週目:書き出しの設定を直す

採用管理システムの書き出しで、適性・能力に関係のない項目を外します。聞いてはいけない事項の社内の手引も、この週に作ります。

4週目:エージェントを作る

Agent Builder でエージェントを作り、評価項目と基準、手引を知識に入れ、第7章の指示を書きます。この時点では送付は手で行い、面接官の反応を聞きます。

2か月目: Power Automate で作成の通知と送付をつなぎます。3か月目以降: 準備メモの「確かめたい点」が面接の後のコメントで扱われたかを毎月数えます。面接官から「前の面接で何を聞いたのか」という問い合わせが来なくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-06/最終更新:2026-10-06
確認した内容情報源確認日
Copilot Chat(Basic)と Microsoft 365 Copilot(Basic)では組織のデータを使うエージェントが従量課金であること。Microsoft 365 Copilot(Premium)が Microsoft Graph を通じて組織のデータを使えること。Microsoft Entra アカウントでサインインするとプロンプトと応答がエンタープライズ データ保護で保護されることMicrosoft Learn: Microsoft Copilot とは?2026-10-06
Agent Builder の知識として SharePoint のファイル・フォルダ・サイトを100ファイルまで、端末から埋め込むファイルを20ファイルまで指定できること。埋め込んだファイルはエージェントにアクセスできる利用者なら誰でも情報にアクセスできること。パスワードで保護されたファイルが使えないことMicrosoft Learn: Add knowledge sources to an agent in Agent Builder2026-10-06
Word の Copilot がチャットの画面で動き、「/」を入力してファイル・メール・会議を参照先にできることMicrosoft Support: Welcome to Copilot in Word2026-10-06
適性・能力に関係のない事項は、採用基準としないつもりでも、応募用紙に記載させたり面接時にたずねたりすれば結果として採否決定に影響を与え、就職差別につながるおそれがあること。職業安定法第5条の5及び指針により、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などは原則として収集が認められないこと厚生労働省 公正採用選考特設サイト: 公正な採用選考の基本2026-10-06
就職差別につながるおそれがある14事項(本籍・出生地、住宅状況、家族、生活環境・家庭環境、宗教、人生観・生活信条、思想、購読新聞・雑誌・愛読書、支持政党、尊敬する人物、労働組合・学生運動などの社会運動、身元調査、必要性が認められない健康診断、適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類)厚生労働省 公正採用選考特設サイト: 採用選考時に配慮すべき事項2026-10-06

どの事項を応募書類と面接で扱わないかは、社内の手引として採用の責任者が決めてください。 本記事は公開資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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