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仕出し・ケータリングの注文をメールとフォームから拾い、日時・人数・料理・配達先・アレルギーを注文票にそろえて、足りない確認事項の返信案を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

メールとフォームで届く仕出し・ケータリングの注文を読み取り、配達の日時、人数、料理、配達先、アレルギーなどを注文票の項目にそろえます。書かれていない確認事項は、お客様への返信の下書きにして受付の担当に渡します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/宿泊/飲食
対象部門
営業
対象業務
データ入力・転記/問い合わせ対応
主な課題
人手が足りない/入力作業が多い/確認ミスが多い
AIで行う処理
抽出
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
48h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
58%
年間削減
336h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. フォームの通知メールと、共有アドレスに届いたメールを、受付の担当が朝と昼と夕方に確かめる
  2. 注文を1件ずつ読み、注文票に日時・人数・料理・配達先・連絡先を書き写す
  3. 注文票の空いている項目を見て、お客様への確認のメールを書く(アレルギー、配達先の入り方、受け取りの人、支払い方法)
  4. 変更の連絡なら、注文票の該当する行を探して書き換える
  5. 確認の返信が来たら、注文票を埋める
  6. 前日の夕方に、翌日の注文票を厨房と配達に渡す
導入後(After)
  1. 自動注文フォームの送信、または共有アドレスへのメールの受信をきっかけに、Zapier のワークフロー(Zap)が動く
  2. 自動注文の本文、件名、差出人、フォームの各欄の値を取り出す
  3. 自動注文票を差出人のメールアドレスで引き、配達日が先の注文があるかを確かめる
  4. 自動AI by Zapier が注文の文面から注文票の項目を取り出し、書かれていない項目を「不明」とし、新しい注文か変更の連絡かを見分ける
  5. 自動項目のそろい方と種類で、ワークフローが4つの経路に分かれる
  6. 自動新しい注文は注文票に1行を足し、変更の連絡は既存の行に「変更の候補」として結び付ける
  7. 自動足りない項目があれば、確認の返信の下書きを Gmail に作る
  8. 人受付の担当が注文票と下書きを見て、文面を直して送る。変更の候補は、元の行に反映する
  9. 人前日の夕方に、翌日の注文票を厨房と配達に渡す
各工程の詳しい説明を読む
  1. フォームの通知メールと、共有アドレスに届いたメールを、受付の担当が朝と昼と夕方に確かめる
  2. 注文を1件ずつ読み、注文票に日時・人数・料理・配達先・連絡先を書き写す
  3. 注文票の空いている項目を見て、お客様への確認のメールを書く(アレルギー、配達先の入り方、受け取りの人、支払い方法)
  4. 変更の連絡なら、注文票の該当する行を探して書き換える
  5. 確認の返信が来たら、注文票を埋める
  6. 前日の夕方に、翌日の注文票を厨房と配達に渡す

(a)読んで書き写すのに時間がかかる。 2番目は、注文の文面から項目を拾い出す作業です。「12時までに会議室へ。15名、うち2名はベジタリアン」のような文から、日時、人数、料理の内訳を分けて書きます。 1件あたりは数分でも、月240件では受付の時間の大きな部分になります。

(b)聞き漏れが当日に分かる。 3番目は、担当者が何を聞くかを判断しています。慣れた担当者はアレルギーと搬入の経路を必ず聞き、新しい担当者は聞き忘れます。 配達の当日に「受付で止められて入れない」「アレルギーの方がいると聞いていない」と分かります。

(c)変更が反映されない。 4番目で行を探し当てられないと、同じ注文が2行になり、厨房は元の数で仕込みます。 25個に増やしたはずが20個しか届かない、という失敗は、たいていここから起きます。

(d)アレルギーの扱いが人によって違う。 文面に何も書かれていないとき、「なし」と書く担当者と、空欄にしておく担当者がいます。空欄は厨房から見ると「なし」と区別がつきません。

  1. 【自動】 注文フォームの送信、または共有アドレスへのメールの受信をきっかけに、Zapier のワークフロー(Zap)が動く
  2. 【自動】 注文の本文、件名、差出人、フォームの各欄の値を取り出す
  3. 【自動】 注文票を差出人のメールアドレスで引き、配達日が先の注文があるかを確かめる
  4. 【自動】 AI by Zapier が注文の文面から注文票の項目を取り出し、書かれていない項目を「不明」とし、新しい注文か変更の連絡かを見分ける
  5. 【自動】 項目のそろい方と種類で、ワークフローが4つの経路に分かれる
  6. 【自動】 新しい注文は注文票に1行を足し、変更の連絡は既存の行に「変更の候補」として結び付ける
  7. 【自動】 足りない項目があれば、確認の返信の下書きを Gmail に作る
  8. 【人】 受付の担当が注文票と下書きを見て、文面を直して送る。変更の候補は、元の行に反映する
  9. 【人】 前日の夕方に、翌日の注文票を厨房と配達に渡す

8番目が、この設計の分かれ目です。 下書きは作りますが、送りません。注文の確認は、受けるかどうかの返事でもあるからです。 厨房の手が埋まっている日の注文なら、確認より先に、お断りか時刻の相談の連絡が要ります。

変更の候補を自動で反映しないのも、意図してのことです。 「20日の弁当」と書かれていても、同じお客様が20日に2件の注文を出していることがあります。どの行の変更かを決めるのは、受付の担当です。

02今回想定するシステム構成

構成図
自社サイトの注文フォーム              受付の共有アドレス(Gmail)
   │  送信時に Webhook で送る             │  新しいメール
   ▼【トリガー】Catch Hook               ▼【トリガー】New Email Matching Search
Zapier(Zap をフォーム用とメール用の2本)
   ├──▶ Google Sheets ── 注文票を差出人で引く(先の注文の有無)
   ▼
AI by Zapier(Analyze and Return Data)
   │   日時・人数・料理・配達先・受け取りの人・アレルギー・器の回収・支払い を取り出す
   │   書かれていない項目は「不明」。新しい注文か変更かを見分ける
   ▼
Paths(種類と項目のそろい方で分岐)
   ├── A:新しい注文で、必要な項目がそろっている → 注文票に登録
   ├── B:新しい注文で、足りない項目がある     → 注文票に登録、確認の返信の下書き
   ├── C:変更の連絡                         → 既存の行に変更の候補として結び付け
   └── D:注文ではない                       → 登録せず、ラベルを付けて残す
   ▼
【受付の担当が注文票と下書きを確かめて送る】
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Webhooks by Zapier、Gmail、Paths、Google Sheets)Make、Power Automate、n8n
生成AIAI by Zapier(Analyze and Return Data)ChatGPT(OpenAI)、Claude、Gemini
保管Google スプレッドシート(注文票と変更の候補の列)Airtable
メールGmail(共有アドレスの受信と、返信の下書き)Microsoft Outlook

注文フォーム、Gmail、注文票は、今あるものをそのまま使います。 足すのは Zapier の Zap と、注文票の「確認の状態」「変更の候補」の列です。厨房と配達が見る注文票の形は変えません。

土台になるのは、Zapier の AI by Zapier です。 Zap に生成AIの手順を足す組み込みの道具で、返してほしい項目を出力のフィールドとして定義できます。 注文票の項目をそのまま出力のフィールドにすれば、取り出した値が項目ごとに次の手順へ渡ります。Professional・Team・Enterprise のプランで使え、モデルの段階で使うタスクの数が変わります(Standard は1、Advanced は3、Premium は5。新しく足した手順の既定は Premium)。

分岐の Paths も、有料のプランで使えます。 1つのパスのグループに最大10の分岐まで作れ、Paths の手順そのものはタスクを数えないとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

経路が2つあるので、Zap も2本に分けます。 フォーム用とメール用で、取り出しより後の手順は同じ形にそろえます。

経路トリガー受け取るもの
注文フォームWebhooks by Zapier の Catch Hook会社名・氏名、メールアドレス、電話、お届け日時、人数、料理、配達先、自由記述
受付の共有アドレスGmail の New Email Matching Search差出人、件名、本文、受信日時

フォームは、Catch Hook で受けます。 Zap を作ると固有のURLが発行され、フォームの送信時にそのURLへ送るように設定します。Catch Hook は要求の本文を解析して欄ごとの値にします。このURLを知られると誰でも Zap を動かせるので、 フォームの設定以外に書きません。

メールは、Gmail の New Email Matching Search で受けます。 検索の条件には、フォームの通知メール、仕入先からのメール、請求書の送付など、注文でないことが分かっているものを除く式を書きます。Gmail のトリガーはいずれもポーリングで動くので、受信から Zap が動くまでに少し間があります。 当日の急ぎの注文は、電話でも受けている前提です。

フォームの通知メールを、メール用の Zap で拾わないようにします。 除かないと、同じ注文が2本の Zap で2回処理され、注文票に2行できます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
注文の本文フォームの自由記述、またはメールの本文と件名トリガー
フォームの欄の値お届け日時、人数、料理(選ばれていれば)Catch Hook
差出人会社名・氏名、メールアドレス、電話トリガー
先の注文同じメールアドレスの、配達日が今日以降の行(注文番号、配達日、料理、数)注文票
料理の一覧料理名、略称、最少の注文数、何日前までの注文か自社で用意する一覧(Zap の指示に書き込む)
確認する項目の定義項目名、意味、「不明」とする条件、聞き方の例自社で用意する一覧

質を決めるのは、料理の一覧です。 お客様は「松の弁当」「1,500円の」「いつもの」と書きます。料理の一覧に略称と価格帯を持たせておくと、AIはどの料理かを一覧から選べます。 一覧に無い書き方のときは、料理を「不明」にして確かめます。

アレルギーの項目は、品目の一覧と一緒に定義します。 消費者庁は、容器包装された加工食品について特定原材料を含む旨の表示を義務付けており、2026年4月にはカシューナッツが特定原材料に追加されています。 仕出しの料理がこの表示の対象かどうかとは別に、注文フォームの選択肢と、AIに渡す品目の一覧を、最新の一覧に合わせておきます。 古い選択肢のままだと、新しく加わった品目を書く欄がありません。

Step3

データの取得方法を決める

注文票の照合は、Google Sheets の Lookup Spreadsheet Row で行います。 検索する列にメールアドレスの列を、検索する値に差出人のメールアドレスを指定し、補助の検索列に「状態」を「受付中」として指定します。配達日が先の注文が複数あるお客様には、Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) で最大500行までまとめて取り出します。

取るものどこから何に使うか
注文の本文と件名トリガーの出力AI by Zapier への入力
フォームの欄の値Catch Hook の出力自由記述との食い違いの確認
同じお客様の受付中の注文Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)変更の連絡の結び付け先の候補
料理の一覧指示に書き込んだ一覧料理の特定と、最少の注文数の確認

先の注文は、AIにも渡します。 「20日の弁当を25個に」という連絡が、どの注文の変更かを見分けるためです。ただし、AIに選ばせるのは候補までです。 候補が1つなら注文番号を返させ、2つ以上なら「候補が複数」と返させます。

何日前までの注文かの判定は、AIではなく注文票の数式で行います。 料理ごとの締切の日数と、受付日と配達日の差を比べて「締切超過」の印を出します。受けるかどうかの判断材料なので、決まった計算にしておきます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 本文の整形 … メールの署名、引用された過去のやり取り、定型の挨拶文を除きます。引用の記号で始まる行と署名の区切りより下を、Zap の前段の手順で落とします(落とし方はメールの書式に合わせて決めます)
  2. 受付日の付与 … 「来週の金曜」「明後日」のような書き方を日付に置けるように、受付日を一緒に渡します
  3. フォームの欄の値の取り込み … 選ばれた選択肢を、自由記述とは別の入力として渡します
  4. 先の注文の要約 … 注文番号、配達日、料理、数だけにして渡します。配達先や電話は渡しません
  5. 長さの確認 … 過去のやり取りが何十通も引用されたメールは、先頭から決めた文字数で切り、その旨を注文票に残します

2番目を省かないでください。 受付日が無いと、「来週の金曜」が何日かを決められず、AIは推測します。受付日を渡したうえで、置いた日付と元の表現の両方を返させます。 配達の日付を1週ずれて受けた注文は、取り返しがつきません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、注文の文面から注文票の項目を取り出し、書かれていない項目を「不明」とし、新しい注文か変更の連絡かを見分けることです。

項目取り出し方書かれていないときの扱い
配達の日時書かれた表現と、受付日をもとに置いた日付・時刻の両方「不明」
人数と数料理ごとの数。「15名、うち2名はベジタリアン」なら内訳ごと「不明」
料理料理の一覧から選ぶ。一覧に無い書き方なら書かれたまま「不明」
配達先住所、建物名、階、部屋、搬入の経路の指定「不明」
受け取りの人当日に受け取る人の名前と連絡先「不明」
アレルギー品目と人数、書かれた言葉のまま明記された「なし」以外は「不明」
器の回収回収の要否と時刻「不明」
支払い方法・領収書の宛名書かれたまま「不明」
種類新しい注文/変更の連絡/取消/注文ではない判断できなければ unclear

アレルギーの行が、この表でいちばん大事なところです。 「えびが苦手な方がいます」はアレルギーかもしれず、好みかもしれません。AIに「これはアレルギーではない」と決めさせません。 書かれた言葉をそのまま写し、allergy_status を「申告あり」とします。何も書かれていなければ「不明」で、確認の返信に必ず入ります。

AIにさせないこと理由
アレルギーを「なし」と推測する書き忘れと区別がつかない。当日の事故に直結する
アレルギーに対応できるかの判断厨房が料理と仕込みを見て決める
受けるか断るかの判断厨房の手の空きと締切を見て受付の担当が決める
変更を既存の行に反映するどの注文の変更かを決めるのは受付の担当
確認の返信を送る下書きまで。送るのは受付の担当
Step6

指示内容を固定する

AI by Zapier の指示の欄に、次のように書きます。 出力のフィールドは、項目ごとに名前と型と説明を定義します。

あなたは仕出し・ケータリング店の受付で、届いた注文を注文票に整理する担当です。
次の文面から、注文票の項目を取り出してください。
書かれていることだけを写し、推測で埋めないでください。

【受付日】{received_date}
【差出人】{sender_company} {sender_name}
【フォームで選ばれた値】{form_values}  (メールの場合は空)
【このお客様の受付中の注文】{open_orders}  (注文番号、配達日、料理、数)
【料理の一覧】{menu}
【アレルギーの品目の一覧】{allergen_list}
【文面】{body}

【厳守事項】
- 書かれていない項目は「不明」にしてください。
- アレルギーは、「アレルギーはありません」「なし」と明記されたときだけ allergy_status を
  「なし」にしてください。何も書かれていなければ「不明」です。
  苦手、控えている、などの表現も、書かれた言葉のまま allergy_text に写し、
  allergy_status を「申告あり」にしてください。アレルギーかどうかを決めないでください。
- 配達の日時は、書かれた表現を delivery_text にそのまま写し、受付日をもとに
  日付と時刻に置けるときだけ delivery_datetime に入れてください。
- 料理は料理の一覧から選んでください。一覧に無い書き方なら menu_text に書かれたまま写し、
  menu_id は「不明」にしてください。
- 数は書かれた数のまま写してください。人数から数を計算しないでください。
- 受付中の注文の変更・取消と読めるときは、order_type を change か cancel にし、
  該当する注文番号を target_order に入れてください。候補が2つ以上なら
  target_order は「候補が複数」にしてください。
- フォームで選ばれた値と文面が食い違うときは、conflicts に両方を書いてください。
- 受けられるか、アレルギーに対応できるかを書かないでください。
- missing_items には「不明」になった項目の名前だけを並べてください。

アレルギーの指示を3行に分けて書いているのは、AIが好意的に読むからです。 文面が丁寧で行き届いていると、書かれていないことを「問題ない」と受け取る動き方をします。「明記されたときだけ」と条件で縛ります。

「人数から数を計算しない」も同じ理由です。 「15名の会議」と書かれていても、弁当が15個とは限りません。お茶だけの人、別に頼む人がいます。 数が書かれていなければ「不明」にして聞きます。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力のフィールドを、次の項目で定義します。

{
  "order_type": "new | change | cancel | not_order | unclear",
  "target_order": "",
  "delivery_text": "",
  "delivery_datetime": "",
  "menu_id": "",
  "menu_text": "",
  "quantity": "",
  "address": "",
  "access_note": "",
  "receiver": "",
  "allergy_status": "なし | 申告あり | 不明",
  "allergy_text": "",
  "dish_collection": "",
  "payment": "",
  "conflicts": "",
  "missing_items": ""
}

1つ目の理由は、Paths の条件に使えることです。 経路は次のとおりで、条件を項目の値だけで書けます。

経路条件動作
Aorder_type が new、かつ missing_items が空注文票に登録し、受付の担当へ知らせる
Border_type が new、かつ missing_items が空でない注文票に登録し、確認の返信の下書きを作る
Corder_type が change か cancel既存の行の「変更の候補」の列に内容を書き、担当へ知らせる
Dnot_order か unclear注文票に登録せず、Gmail にラベルを付けて残す

2つ目は、allergy_status を3つの値に限れることです。 自由文で返させると、「特になし」「記載なし」「不明」が混ざり、厨房から見て区別がつかなくなります。 3つの値に限り、注文票の列も同じ3つの値にそろえます。

3つ目は、確認の返信の下書きに missing_items をそのまま差し込めることです。 何を聞くかはAIの出力で決まり、どう聞くかは自社で決めた聞き方の例で決まります。アレルギーが「不明」のときは、聞き方の例の「参加される方に食物アレルギーのある方はいらっしゃいますか」が必ず入ります。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
注文フォームフォームの送信先に Catch Hook のURLを設定送信のたびに欄の値を送る
Gmail(受信)New Email Matching Search注文らしいメールだけで動かす
Google SheetsLookup Spreadsheet Rows (Advanced)、行の追加受付中の注文の取り出しと、1件1行の登録
AI by ZapierAnalyze and Return Data注文票の項目の取り出し
Gmail(下書き)Create Draft/Create Draft Reply確認の返信の下書き
Gmail(ラベル)Add Label to EmailDの経路のメールに印を付ける

確認の返信は下書きで作り、Send Email は使いません。 メールの注文には Create Draft Reply を使ってスレッドを保ち、フォームの注文には返信する元のメールが無いので Create Draft で新しく作ります。

注文票の既存の行は、Zap から書き換えません。 変更の連絡も、元の行の「変更の候補」の列に内容を書くだけで、数や時刻の列は受付の担当が書き換えます。 厨房は数と時刻の列だけを見ているので、確かめる前の変更が仕込みに入りません。

Step9

人が確認する

受付の担当が見るのは、注文票に足された行、変更の候補、Gmail の下書きです。

  1. 日時と数を見る … 取り出された日時と数を、元の文面と見比べます。特に、受付日から置いた日付は必ず確かめます
  2. 締切超過の印を見る … 印があれば、受けるか、時刻の相談をするかを決めます
  3. アレルギーの申告を厨房に回す … 「申告あり」の注文は、allergy_text を厨房に見せ、対応できるかを決めてもらいます
  4. 変更の候補を反映する … 元の行を確かめて数や時刻を書き換え、候補の列を消します
  5. 下書きを直して送る … 聞く項目が多すぎれば絞り、急ぎの注文は電話に切り替えます
  6. Dの経路のラベルを見る … 1日1回、ラベルの付いたメールを流し見て、注文が混ざっていないかを確かめます

3番目を省かないでください。 アレルギーに対応できるかは、料理と仕込みと器の扱いで決まり、受付の担当にも判断できません。 厨房が「対応できない」と言えば、その旨を確認の返信に書きます。

目標は、1件あたり5分です。 行と元の文面の見比べに2分、下書きの手直しと送信に2分、変更の候補とラベルの確認をならして1分という想定です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文面が短い(「明日10個お願いします」だけ)多くの項目が「不明」になる。電話で確かめるかを担当が決める
変更の候補が複数あるtarget_order が「候補が複数」。担当がお客様に確かめる
配達日が締切を過ぎている注文票の数式で印を出し、受けるかを担当が決める
受付中の注文が見つからないのに変更と読める新しい注文として登録せず、担当へ知らせる
取消の連絡変更の候補として書き、取消の確定は担当が行う
AI by Zapier の手順が失敗するZap の実行履歴に残る。担当が手で注文票に入れる
英語など日本語以外の注文取り出しはできるが、下書きは作らずに担当へ

上の1行目が、運用でいちばん多い例外です。 常連のお客様ほど「いつもの」と短く書きます。前回の注文と同じものとして埋めることはしません。 前回と同じかを、電話か返信で一度確かめます。

Step11

記録を残す

  • 注文の受付日時、経路(フォーム/メール)、差出人
  • AI by Zapier に渡した本文と、返ってきた項目の全文
  • 注文票に足した行と、変更の候補、担当が反映した変更の内容と日時
  • 下書きの文面と、担当が送った文面
  • アレルギーの申告と、厨房の対応の可否
  • Zap の実行履歴(失敗した手順と、その注文)

3つ目で、反映した変更を残すのは、当日の数の食い違いを調べるためです。 「25個に増やしたはず」と言われたとき、いつ、どの連絡を、誰が反映したかで答えられます。

5つ目は、厨房の記録としても使います。 同じお客様から次の注文が来たとき、前回の申告を担当が確かめる材料になります。 ただし、前回の申告で今回の確認を省くことはしません。

04実装レベルの3段階

最小構成:注文の文面を手で生成AIの画面に貼り、注文票の項目を出させる / 1件ごとの項目の取り出し
半自動化:上記+Zapier でフォームとメールを受け、注文票への登録、変更の候補の結び付け、確認の返信の下書きまで自動にする / 受付から確認の下書きまで
本格構成:上記+確認の返信を受けて注文票の空欄を埋め直し、前日の夕方に厨房と配達への一覧を自動で作る / 確認の往復と、前日の引き渡し

最小構成では、月240件はさばけません。 確かめるための段階です。 半自動化で、1件12分が5分になり、この段階が本記事の想定です。 書き写しと行探しが無くなり、確認の返信は下書きを直すだけになります。残る5分は、取り出しの確認と、受けるかどうか、アレルギーへの対応の判断です。 本格構成は、半自動化が定着してから考えます。 返信から空欄を埋め直すには、どの返信がどの注文への答えかを確実に結び付ける必要があり、取り違えると別の注文の数が入ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
240 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
5 分
現在  240件 × 12分 ÷ 60 = 48 時間/月
導入後 240件 × 5分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
28h
削減率
58%
年間削減時間
336h
年間金額換算(時間単価2,500円)
84万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 会議の弁当、法事の仕出し、社内行事のケータリングなどの注文を、自社サイトのフォームとメールで毎月百件以上受ける飲食店・仕出し店・ケータリング会社。注文の文面に配達先の建物や受け取りの人、アレルギーの有無が書かれていないことが多く、電話やメールで聞き直している場合。注文の変更(人数の増減、時刻の変更)が別のメールで届き、注文票への反映が漏れることがある場合。Zapier の有料プランを使える場合。
向いていない
  1. 注文のほとんどが電話で入り、文章で届く注文が少ない場合。予約・注文の受付システムで、必須の項目をすべて選択式で入力してもらえている場合。なお、アレルギーに対応できるかどうかの判断と、注文を受けるかどうかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月届いた注文から20件を選ぶ(フォームとメールを半分ずつ、変更の連絡と短い注文を数件入れる)
  2. その20件について、当時の注文票の行と、確認したことを用意する
  3. 社内で利用が認められている生成AIの画面に、第7章の指示と文面を1件ずつ貼る(氏名、電話、配達先の住所は伏せる)
  4. 出てきた項目を、当時の注文票と突き合わせる
  5. アレルギーが書かれていない注文で、allergy_status が「不明」になっているかを見る

20件は必ずやってください。 Zap を組む前に、自社の注文の書かれ方で、どこまで正しく取り出せるかを確かめます。

出てきた内容判断
当時の注文票とほぼ同じ項目が出て、「不明」も一致したZap の構築に進む
アレルギーが書かれていないのに「なし」になった指示の書き方で直る。構成は有効
料理の特定の誤りが多い料理の一覧が先。 略称と価格帯を書き足す

3行目が出ることは珍しくありません。 お客様は料理を、店が付けた名前ではなく、価格や見た目で呼びます。料理の一覧に呼ばれ方を書き足すことは、新しい受付の担当の教育にもなります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
アレルギーが書かれていないのに「なし」になる明記されたときだけ「なし」と指示し、3つの値に限る
苦手な食材をアレルギーでないと決める書かれた言葉のまま「申告あり」とし、厨房に回す
人数から数を計算する計算しないことを指示に明記する
相対的な日付が1週ずれる受付日を渡し、元の表現と置いた日付の両方を返させる
変更の連絡で注文票に2行できる受付中の注文をAIに渡し、変更をCの経路に分ける
変更が確かめる前に仕込みに入る既存の行は書き換えず、変更の候補の列に書く
フォームの通知メールでも Zap が動くメール用の検索の条件で除く
アレルギーの選択肢が古いフォームと品目の一覧を、最新の一覧に合わせる
確認の返信を自動で送ってしまうCreate Draft だけを使い、Send Email を置かない

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、アレルギーについてAIが判断してしまう失敗です。食事の場での事故は、取り消せません。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: お客様の会社名・氏名、メールアドレス、電話番号、配達先の住所と、参加者の食物アレルギーの申告です。アレルギーの申告は、個人の健康に関わる情報です。

  1. AI by Zapier に渡す範囲を、取り出しに必要なものに限る … 渡すのは本文、受付日、差出人の会社名と氏名、受付中の注文の要約までです。電話番号は取り出しに要らないので渡しません
  2. アレルギーの申告を、注文の目的の外で使わない … 注文票のアレルギーの列は、その注文の調理と配達のためにだけ使います
  3. 利用するAIのサービスを社内で決めてから使う … AI by Zapier は複数のAIの提供元に対応し、自社のキーを使う設定もあるとされています
  4. 確認の返信を自動で送らない … 下書きまでです
  5. アレルギーへの対応の可否をAIに決めさせない … 厨房が決め、受付の担当が伝えます
  6. Catch Hook のURLを秘密として扱う … 知られると、注文票に偽の注文を足されます

誤りが起きた場合のリスクは、アレルギーの申告を見落とすことと、数や日時を誤って受けることの2つです。 前者は書かれていないことを「なし」と扱うと起き、後者は変更を確かめずに反映すると起きます。どちらも、「不明」を残し、人が確かめてから注文票の数字を変えることで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:料理の一覧と確認する項目を書き出す

受付のベテランに、注文で必ず確かめる項目を挙げてもらい、項目ごとの意味と、「不明」とする条件、聞き方の例を一覧にします。料理の一覧には、お客様の呼び方と価格帯を書き足します。注文フォームのアレルギーの選択肢も、ここで最新の一覧に合わせます。

2週目:20件で試す

先月の注文20件を、氏名と連絡先を伏せて生成AIの画面に貼り、第7章の指示で項目を取り出させます。アレルギーが書かれていない注文で「不明」になるかを最優先で見ます。

3週目:フォームの Zap を組む

Catch Hook でフォームを受け、AI by Zapier で取り出し、注文票に1行を足すところまで作ります。この時点では下書きは作らず、注文票の行の正しさだけを毎日見ます。

4週目:Paths と下書きを足し、メールの Zap を組む

Paths で4つの経路に分け、Bの経路に確認の返信の下書きを、Cの経路に変更の候補の書き込みを足します。

2か月目: 担当が直した下書きを見て、聞き方の例を直します。3か月目以降: 1件12分が何分になったかと、配達の当日の問い合わせの件数を実測します。当日に「聞いていない」が起きない月が続いた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-06/最終更新:2026-10-06
確認した内容情報源確認日
Gmail のトリガー(New Email Matching Search など)がポーリングで動くこと。アクションに Send Email、Create Draft、Reply to Email、Add Label to Email があることZapier: How to get started with Gmail on Zapier2026-10-06
Catch Hook が要求の本文を解析すること。WebhookのURLはZapの持ち主の移転時のみ変わること。Webhooks が Free プランでは使えないことZapier: Trigger Zap workflows from webhooks2026-10-06
AI by Zapier が Zap に生成AIの手順を足す組み込みの道具で、複数の提供元に対応し、自社のキーも使えること。出力のフィールドを定義できること。Standard は1タスク、Advanced は3タスク、Premium は5タスクで、新しい手順の既定が Premium であること。Professional・Team・Enterprise のプランで使えることZapier: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-06
Paths が Free プランでは使えないこと。1つのパスのグループに最大10の分岐、入れ子は3段までであること。Paths と Filter の手順がタスクを数えないことZapier: Add branching logic to Zap workflows with Paths2026-10-06
Lookup Spreadsheet Row が検索する列と値、補助の検索列を持つこと。複数の行は Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) で最大500行まで取り出せることZapier: Find and update spreadsheet rows in Google Sheets on Zapier2026-10-06
容器包装された加工食品について特定原材料を含む旨の表示が義務付けられていること。2026年4月1日に特定原材料としてカシューナッツが追加されたこと消費者庁: 食物アレルギー表示に関する情報2026-10-06

アレルギーに対応できるかどうかと、注文を受けるかどうかの判断は、厨房と受付の責任者が行ってください。 本記事は、製品の公開仕様と消費者庁のページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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