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会議の前に、議題ごとの経緯と過去の決定事項を集めて論点メモを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

会議の議題と提案資料を入力に、過去の議事録から同じ件がいつ議論され、何が決まり、宿題がどうなったかを集めて論点メモにします。事務局の作業は、議事録を探して読み直すことから、集まった経緯を確かめて論点を立てることに変わります。

サマリー
利用ツール
ChatGPT/Claude/Gemini/Google Apps Script/Microsoft Copilot/Power Automate/Python
対象業界
IT・SaaS/商社/製造/金融
対象部門
経営企画
対象業務
情報検索/要約
主な課題
判断に時間がかかる/情報が見つからない/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
要約
主な効果
判断支援/工数削減/検索時間短縮
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
最小構成
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
67%
年間削減
240h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 各部門から議題と提案資料が提出される(会議の5営業日前)
  2. 事務局が議題を読み、過去に議論された案件かを判断する
  3. SharePointの議事録フォルダを、案件名や会社名で検索する
  4. 見つかった回の議事録を開き、決定事項と宿題を読む
  5. 宿題が片付いているかを、担当部門に確認する
  6. 前回の提案資料と今回の資料で、数値が変わっていないかを見る
  7. 論点メモを書き、会議資料に添える
  8. 会議当日、経緯の説明から始まる議題があれば補足する
導入後(After)
  1. 各部門から議題と提案資料が提出される
  2. 自動議題名と資料から、案件の識別情報(会社名、案件名、部門、金額、製品名)を抜き出す
  3. 自動過去の議事録から、同じ案件を扱った回を探す
  4. 自動各回の決定事項、保留事項、宿題、担当、期限を取り出す
  5. 自動宿題の状況を、その後の議事録と突き合わせる
  6. 自動前回の提案資料と今回の資料で、主要な数値の変化を並べる
  7. 自動論点メモの下書きを作る(経緯/決まっていること/決まっていないこと/未処理の宿題/数値の変化/確認すべき点)
  8. 事務局が下書きを確認し、事実の誤りを直す
  9. 事務局が「今回の論点」を書き足す
  10. 議長に事前共有する
  11. 自動会議後、新しい決定事項と宿題を台帳に登録する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 各部門から議題と提案資料が提出される(会議の5営業日前)
  2. 事務局が議題を読み、過去に議論された案件かを判断する
  3. SharePointの議事録フォルダを、案件名や会社名で検索する
  4. 見つかった回の議事録を開き、決定事項と宿題を読む
  5. 宿題が片付いているかを、担当部門に確認する
  6. 前回の提案資料と今回の資料で、数値が変わっていないかを見る
  7. 論点メモを書き、会議資料に添える
  8. 会議当日、経緯の説明から始まる議題があれば補足する

問題は5つあります。

(a)議事録の検索が当たらない。 同じ案件が回によって違う呼び方で書かれています。担当者の記憶を頼りに探すため、5年前の関連する議論は、ほぼ見つけられません。

(b)宿題が追えていない。 「次回までに調査する」と決まった宿題が、その後どうなったかの一覧がありません。同じ指摘が半年後に繰り返されることがあります。

(c)数値の変化に気づかない。 3か月前の提案では投資回収5年だったものが、今回は7年になっている、といった変化を見落とします。

(d)論点メモが間に合わない。 12議題ある回では、45分×12=9時間かかります。間に合わず、経緯の説明を会議の場で行うことになります。

(e)2名に依存している。 経緯を知っているのがこの2名だけで、異動すると会社としての記憶が失われます。

  1. 各部門から議題と提案資料が提出される
  2. 【自動】 議題名と資料から、案件の識別情報(会社名、案件名、部門、金額、製品名)を抜き出す
  3. 【自動】 過去の議事録から、同じ案件を扱った回を探す
  4. 【自動】 各回の決定事項、保留事項、宿題、担当、期限を取り出す
  5. 【自動】 宿題の状況を、その後の議事録と突き合わせる
  6. 【自動】 前回の提案資料と今回の資料で、主要な数値の変化を並べる
  7. 【自動】 論点メモの下書きを作る(経緯/決まっていること/決まっていないこと/未処理の宿題/数値の変化/確認すべき点)
  8. 【人】 事務局が下書きを確認し、事実の誤りを直す
  9. 【人】 事務局が「今回の論点」を書き足す
  10. 【人】 議長に事前共有する
  11. 【自動】 会議後、新しい決定事項と宿題を台帳に登録する

自動化されるのは「探す」「読む」「突き合わせる」「並べる」の4つです。残るのは「何を議論すべきかを決めること」で、これは事務局と議長の仕事です。

02今回想定するシステム構成

構成図
各部門(議題と提案資料の提出)
   │
   ▼ SharePoint の議題フォルダ
   │
   ▼
Microsoft 365 Copilot
   │   (利用者がアクセス権を持つ範囲の
   │     SharePoint・Teams・Outlook の内容を参照)
   │
   ├──▶ 過去の議事録から同じ案件の回を探す
   ├──▶ 決定事項・保留事項・宿題を取り出す
   ├──▶ 前回資料との数値の違いを並べる
   │
   ▼
論点メモの下書き(Word)──【事務局が確認・加筆】──【議長へ事前共有】
   │
   ▼【会議後】
決定事項・宿題の台帳(SharePoint リスト)──【次回の参照元になる】
役割想定する製品代替候補
生成AIMicrosoft 365 CopilotClaude(プロジェクト)、ChatGPT(プロジェクト)、Gemini(Gem)
連携Power Automate(半自動化の段階)Google Apps Script、Python
保管SharePointBox、Google Drive
決定事項の台帳SharePoint リストGoogle スプレッドシート

最小構成では、連携は要りません。 事務局が Copilot に「この議題について、過去の議事録から経緯をまとめて」と聞くところから始められます。ここが★1の理由です。

Microsoft 365 Copilot を選んだのは、社内のSharePointとTeamsの内容を追加の連携なしに参照できるためです。 他の生成AIでも、議事録をプロジェクトのナレッジに置けば同じことができます。ただし5年分・350回分を毎回渡すのは現実的でないため、その場合は検索の仕組みが別途必要になります。

Copilot が読めるのは、操作している利用者がアクセス権を持つ内容だけです。 事務局が閲覧できない議事録は参照されません。これは制約であると同時に、権限管理がそのまま効くという利点でもあります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

議題と提案資料がSharePointの議題フォルダに提出されたことを起点にします。

最小構成では、事務局が提出を確認した時点で Copilot に聞きます。半自動化では、Power Automate の SharePoint コネクタの「ファイルが作成されたとき」トリガーで自動的に処理を始めます。

提出期限の運用が前提です。 「会議の5営業日前まで」といった決めがないと、論点メモを作る時間がありません。これは技術で解決できない部分です。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
今回の議題議題名、提案部門、提案者、議題の種別(報告/審議/決議)議題フォルダ
今回の提案資料PowerPoint または Word議題フォルダ
過去の議事録開催日、出席者、議題、議論の内容、決定事項保留事項宿題(担当・期限)SharePoint
過去の提案資料同じ案件の過去の回の資料SharePoint
会議の文字起こしTeams会議の文字起こし(有効にしている会議のみ)Teams
決定事項・宿題の台帳案件ごとの決定事項と宿題の一覧、処理状況SharePoint リスト(新しく作る
案件の呼び名の対応表同じ案件の別の呼び方(「A社提携」「アライアンス案件」)経営企画(運用で育てる

「決定事項・宿題の台帳」が、この構成の効き目を決めます。

議事録の中から宿題を毎回探すのではなく、会議後に台帳へ登録する運用にします。1行に「案件/決定事項または宿題/担当/期限/状況/決定した回」を持ちます。この台帳があれば、宿題の追跡は検索ではなく参照になります。

台帳がない状態から始める場合は、直近1年分の議事録から宿題だけを抜き出して台帳を作ってください。 これも Copilot に手伝わせられます。

Step3

データの取得方法を決める

Copilot を使う場合: 事務局が自分のアクセス権の範囲で、SharePointのフォルダやファイルを指定して質問します。Word の下書き機能では、プロンプトの中で / を入力してファイル名を指定すると、そのファイルを参照して文章を作れます。参照できるファイルは最大20個、1ファイルあたり150万語(3,000ページ相当)まで拡張されています。 フォルダを指定した場合は、その中の直近10ファイルが参照されます。

この「直近10ファイル」の制限に注意してください。 5年分の議事録フォルダをそのまま指定すると、直近10回分しか見ません。関連する回を事務局が特定してから、そのファイルを個別に指定するのが確実です。

会議の文字起こし: Teams の会議記録は、Copilot が参照できます。ただし、会議後に内容について質問するには、その会議の文字起こしが存在する必要があります。 文字起こしを有効にしていない会議は、議事録しか手がかりがありません。

議事録の様式: この構成の前提として、議事録に「決定事項」「保留事項」「宿題(担当・期限)」の見出しがあることが必要です。ない場合は、様式の見直しが先です。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 案件の識別 … 議題名と資料から、会社名・案件名・製品名・金額・部門を抜き出します
  2. 別名の展開 … 案件の呼び名の対応表を引き、過去に使われた別の呼び方を加えます
  3. 検索範囲の絞り込み … 全議事録ではなく、案件に関係しそうな期間と会議体に絞ります。Copilot の参照ファイル数の上限があるため、絞り込みは必須です
  4. 台帳の参照 … 決定事項・宿題の台帳から、同じ案件の行を取り出します
  5. 前回資料の特定 … 同じ案件の直近の提案資料を特定します
Step5

AIに処理させる

処理内容
関連する回の特定過去の議事録から、同じ案件を扱った回を探す
経緯の時系列化いつ、どの会議体で、何が議論されたかを並べる
決定事項の抽出「決まったこと」を、原文の表現のまま取り出す
保留事項の抽出「決まらなかったこと」「次回に持ち越したこと」を取り出す
宿題の状況の突合過去の宿題が、その後の回で報告されたかを確認する
数値の変化の抽出前回資料と今回資料で、主要な数値がどう変わったかを並べる
確認すべき点の提示経緯と今回の提案の間に、説明のない飛躍がないかを挙げる

「決まったこと」と「決まらなかったこと」を分けることが、この構成の中心です。

議事録には、決定と、決定に至らなかった議論が混在しています。「Aという意見が出た」を「Aと決まった」と要約されると、会議の前提が崩れます。 原文の表現をそのまま引用させ、事務局が確かめられるようにします。

「結論の案」を作らせないでください。 「したがって本件は承認すべきです」といった記述は、事務局が出すものではありません。論点メモは、判断の材料を並べるものです。

Step6

指示内容を固定する

あなたは、経営会議の事務局を支援する担当者です。
今回の議題について、過去の議事録から経緯を整理した論点メモの下書きを作ってください。

【厳守事項】
- 「決まったこと」と「決まらなかったこと」を必ず分けてください。
  議事録に「決定事項」として記載されているものだけを decisions に入れ、
  議論の中で出た意見は decisions に入れないでください。
- decisions と open_items の各項目には、
  議事録の該当箇所を原文のまま quote に入れ、
  開催日と会議体を source に書いてください。
  引用できない項目を書かないでください。
- 過去の議事録に該当する記述が見つからない場合は、
  その項目を空にし、not_found に理由を書いてください。
  「特に議論はなかったと思われる」と書かないでください。
- 結論や賛否を書かないでください。
  「承認すべき」「慎重に検討すべき」といった評価を含めないでください。
  事実の整理だけを行ってください。
- 数値の変化は、前回資料と今回資料の両方から引用した値を並べ、
  変化の理由を推測しないでください。
  理由が資料に書かれている場合のみ、その記述を引用してください。
- 宿題については、その後の回で報告された記録があるかだけを確認し、
  「未対応」と断定しないでください。
  記録が見つからない場合は「報告の記録が見つかりません」と書いてください。
- 会議での個人の発言を、発言者名つきで引用しないでください。
  決定事項と保留事項の内容だけを扱ってください。

【今回の議題】
議題名: {agenda_title} / 提案部門: {department} / 種別: {agenda_type}
提案資料の要点: {proposal_summary}

【案件の別の呼び方】
{aliases}

【参照する過去の議事録】
{minutes_files}

【決定事項・宿題の台帳(同じ案件の行)】
{ledger_rows}

【前回の提案資料の主要な数値】
{previous_figures}

「議事録に『決定事項』として記載されているものだけを decisions に入れる」の1行が、この構成の安全装置です。 これを書かないと、議論の中の一意見が決定事項として並びます。それを読んだ議長が「前回決まっている」という前提で議事を進めると、議論が壊れます。

「会議での個人の発言を、発言者名つきで引用しない」も入れてください。 誰が何を言ったかを事務局のメモに残すと、発言しにくい空気を作ります。決定事項は会議体の決定であって、個人の意見の集積ではありません。

Step7

出力形式を固定する

{
  "agenda_id": "",
  "agenda_title": "",
  "related_meetings": [
    { "date": "", "body": "", "agenda_title": "", "relation": "" }
  ],
  "timeline": [
    { "date": "", "body": "", "summary": "" }
  ],
  "decisions": [
    { "date": "", "body": "", "content": "", "quote": "", "source": "" }
  ],
  "open_items": [
    { "date": "", "body": "", "content": "", "quote": "", "source": "" }
  ],
  "action_items": [
    {
      "content": "",
      "owner": "",
      "due_date": "",
      "reported_at": "",
      "status": "reported | no_record_found"
    }
  ],
  "figure_changes": [
    {
      "label": "",
      "previous_value": "",
      "previous_source": "",
      "current_value": "",
      "current_source": "",
      "stated_reason": ""
    }
  ],
  "points_to_confirm": [],
  "not_found": []
}

quote(議事録の原文)を必ず残します。 「前回、投資判断は保留となった」と要約されても、事務局は確かめられません。原文があれば、目で確認できます。

action_items.statusno_record_found を用意しているのは、「未対応」と断定させないためです。報告されたが議事録に書かれていない、という場合があります。断定すると、担当部門との間で無用の摩擦を生みます。

figure_changes.stated_reason は、資料に理由が書かれている場合だけ埋まります。書かれていなければ空です。その空欄こそが、会議で聞くべき論点になります。

Step8

システムへ連携する

最小構成では連携はありません。事務局が Copilot に聞き、結果をWordに整えます。

半自動化では、次をつなぎます。

つなぐ先内容
SharePoint(議題フォルダ)議題と資料の提出を受け取る
SharePoint(議事録)過去の議事録を参照する
SharePoint リスト(台帳)決定事項・宿題を参照し、会議後に登録する
Word論点メモの下書きを所定の様式で生成する
Outlook / Teams議長と出席者に事前共有する

会議後の台帳登録を自動化する価値があります。 議事録から決定事項と宿題を抜き出して台帳に登録する処理を入れると、次回以降の参照が格段に楽になります。 ただし登録内容は事務局が確認します。

Step9

人が確認する

全議題について、事務局が下書きを確認します。

確認するのは次の点です。

確認する点理由
decisions の各項目が、本当に決定事項か意見が決定として並んでいないか。最重要
quote が議事録の記述と一致しているか引用の正確さ
action_items.statusno_record_found のもの担当部門に確認してから記載する
figure_changes の数値が資料と一致しているか転記の誤り
not_found の内容検索範囲が適切だったかを見直す

そのうえで、事務局が「今回の論点」を書き足します。 ここが人の仕事です。AIが並べた事実から、何を議論すべきかを立てるのは、会議体の目的を理解している人にしかできません。

議長への事前共有も人が行います。 論点メモは会議の進行を左右するため、自動配信にしないでください。

Step10

例外に対処する

起きること対応
過去に議論された記録が見つからない「新規の案件」として扱う。「議論されなかった」と断定しない
案件の呼び名が変わっていて見つからない別名の対応表に追加する。運用で育てる
議事録に決定事項の記載がないdecisions を空にし、not_found に記載する。議論の内容から決定を推測しない
文字起こしのない会議の内容を聞かれた議事録だけを参照する。Teams会議の内容を後から質問するには文字起こしが必要
参照ファイル数の上限に当たる期間と会議体で絞り込む。関連する回を事務局が特定してから指定する
提案資料がPowerPointで、図中に数値があるテキスト抽出で落ちる。数値の突合は、事務局が原本を見て確認する
宿題の担当者が異動している台帳の担当欄を現在の部署に読み替える。自動で書き換えない
機密度の高い議題(人事、M&A)事務局のアクセス権の範囲で処理される。権限のない議事録は参照されない
議題が複数の案件にまたがる案件ごとに分けて経緯を整理する
論点メモが会議に間に合わない決議事項の議題を優先する。報告事項は経緯の整理を省く
Step11

記録を残す

  • 論点メモの下書きと、事務局が加筆した最終版
  • 参照した議事録の一覧
  • not_found として残った項目
  • 決定事項・宿題の台帳(会議後に更新)
  • 議長への共有記録

not_found の蓄積が、議事録の書き方の改善材料になります。 「決定事項の記載がない議事録が多い」「宿題の期限が書かれていない」といった傾向が見えれば、議事録の様式を直す根拠になります。

論点メモには未公表の経営情報が含まれます。 保管場所と閲覧権限を、経営企画部門と役員に限定してください。

04実装レベルの3段階

最小構成:事務局が生成AIに議事録を参照させ、経緯を整理させる / 検索・整理
半自動化:議題の提出をきっかけに、関連する回の特定・経緯の整理・数値の比較を自動化し、論点メモの下書きをWordで生成する / 上記+下書きの生成
本格構成:上記+会議後の決定事項・宿題の台帳への自動登録+宿題の期限管理+案件の別名対応表の自動更新 / 論点の設定以外のすべて

最小構成でも効果の大半が出ます。 45分が20分程度になります。半自動化で15分、本格構成で12分ですが、本格構成の価値は時間より「宿題が追跡されること」にあります。 同じ指摘が繰り返されるのを防ぐのは、台帳の運用です。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
40 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  40件 × 45分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 40件 × 15分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
20h
削減率
67%
年間削減時間
240h
年間金額換算(時間単価4,000円)
96万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 定例の会議体が複数あり、議題が月20本以上ある企業。議事録が電子データで2年分以上残っていて、事務局がアクセスできること。同じ案件が複数回にわたって議論される運用があること。
向いていない
  1. 会議が月数回で、事務局が経緯を覚えていられる場合。議事録が残っていない、または決定事項が書かれていない場合。議題が毎回独立していて、過去の経緯を参照する必要がない場合。

07最小構成で試す方法

  1. 過去に複数回議論された案件を1つ選ぶ(3回以上議題に上がったもの)
  2. その案件の過去の議事録を特定し、ファイル名を控える
  3. Copilot(または他の生成AI)に、議事録を参照させて経緯を整理させる
  4. 事務局が覚えている経緯と比べる

見るのは次の4点です。

見る点判断
決定事項と、決定に至らなかった議論が分けられているか分けられていなければ、プロンプトを強める。ここが最重要
引用(quote)が議事録の記述と一致しているか一致していなければ使えない
事務局が忘れていた経緯が出てきたか出てくれば、この構成には価値があります
結論や賛否を書いていないか書いていたら、プロンプトを強める

3番目が本命です。 論点メモを作る時間の削減より、忘れられていた宿題や過去の決定が1つ見つかることのほうが価値が大きい場面があります。

あわせて、現在の議事録の様式を点検してください。 「決定事項」「保留事項」「宿題(担当・期限)」の見出しがない議事録が多いなら、この構成を作る前に様式を直すべきです。 AIの精度以前の問題です。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
議論の中の意見が「決定事項」として並ぶ議事録の「決定事項」の記載のみを対象にさせる。引用を必須にする。最重要
引用が原文と一致しないquote を必ず出させ、事務局が抜き取りで確認する
結論や賛否が書かれるプロンプトで禁止する。「すべき」「望ましい」といった語が入っていないか検査する
宿題を「未対応」と断定するno_record_found として扱う。担当部門に確認してから記載する
議事録に決定事項の見出しがない様式を直す。技術より先にここ
フォルダ指定で直近10ファイルしか見ない関連する回を特定してから、ファイルを個別に指定する
案件の呼び名が変わっていて見つからない別名の対応表を運用で育てる
PowerPointの図中の数値が拾えない数値の突合は事務局が原本を見て行う
文字起こしのない会議の内容を期待する議事録だけを参照する。会議後にTeamsの内容を質問するには文字起こしが必要
権限のない議事録が参照されない制約として受け入れる。事務局の権限を無理に広げない
論点メモが自動配信される議長への共有は人が行う

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 経営会議の議事録、投資判断の経緯、未公表の事業計画、人事に関わる議題。公表前の重要事実を含み得る、社内でもっとも機密度の高い情報です。

  1. インサイダー情報の取り扱い … 投資委員会や経営会議の議題には、公表前の重要事実が含まれます。上場企業であれば、インサイダー取引管理規程での取り扱いを確認してください。 外部サービスに送ることの可否は、ここで判断されます
  2. 外部AIへの入力可否 … 上記の理由から、自社のテナント内で処理が完結する構成のほうが、説明が容易です。 Microsoft 365 Copilot を挙げているのはこの理由が大きく、他の生成AIを使う場合は、議事録を外部に送ることの可否を先に確認してください
  3. アクセス権限が効くこと … Copilot が参照できるのは、操作している利用者がアクセス権を持つ内容だけです。これは制約ではなく、安全のための仕組みです。 「事務局が読めない議事録は論点メモに出ない」ことを、正しい挙動として受け入れてください
  4. 人事・懲戒に関わる議題 … これらの議事録は、この構成の対象から外すことを推奨します。アクセス権で分離してください
  5. 個人の発言の扱い … 誰が何を言ったかを事務局のメモに残さない設計にします。決定事項は会議体の決定です
  6. 学習利用 … 入力を学習に使わないことが契約で保証されるサービスを選びます。この用途では必須条件です
  7. アクセス権限(論点メモ) … 論点メモの閲覧を、経営企画部門と当該会議の出席者に限定します。共有リンクを広く配らないでください
  8. 自動実行してよい範囲 … 経緯の整理と下書きの生成までです。論点の設定、議長への共有、会議資料としての確定は、必ず人が行います

誤りが起きた場合のリスクは、誤った経緯に基づく議事進行と、未公表の経営情報の漏えいです。引用を残し、原文まで遡れる状態にしてください。

10まず何から始めるか

1週目:議事録の様式を点検する

過去1年分の議事録を開き、次を数えます。

  • 「決定事項」の見出しがある議事録の割合
  • 「宿題(担当・期限)」が書かれている議事録の割合

どちらも低いなら、様式を直すのが先です。 見出しを3つ(決定事項/保留事項/宿題)加えるだけで、この構成の効き目が変わります。

2週目:1案件で試す

過去に3回以上議題に上がった案件を1つ選び、生成AIに経緯を整理させます。決定事項と意見が分けられているか、引用が正確かを確かめてください。

3週目:宿題の台帳を作る

直近1年分の議事録から、宿題だけを抜き出して一覧にします。「案件/宿題/担当/期限/その後の報告の有無」の5列で足ります。 この作業も生成AIに手伝わせられます。

この一覧を作ると、未処理のまま忘れられている宿題が見つかります。 それ自体が、この構成を導入する理由になります。

4週目:次回の会議で使ってみる

次の経営会議の議題のうち、過去に議論された3件について論点メモを作ります。45分が何分になるかを実測し、議長に「役に立ったか」を聞いてください。

2か月目以降: 議題提出をきっかけとした自動生成と、会議後の台帳登録を追加します。並行して、案件の別名の対応表を育て、not_found の内容から議事録の様式を見直していきます。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-15/最終更新:2026-09-15
確認した内容情報源確認日
Teams の Copilot が会議の要点や決定、アクションアイテムを整理できること。会議終了後に内容について質問するには、その会議の文字起こしが必要であること。回答の際に参照元が示されることMicrosoft Support: Catch up on meetings with Microsoft 365 Copilot in Teams2026-09-15
Microsoft 365 Copilot の Word で、プロンプト内に / を入力してファイルを指定し、そのファイルを参照して下書きを生成できること。フォルダを指定した場合は直近10ファイルが参照されることMicrosoft Support: Draft and add content with Copilot in Word2026-09-15
下書き時に参照できるファイルが最大20個に、1ファイルあたり150万語(3,000ページ相当)まで拡張されていることMicrosoft 365 Insider Blog: Expanding reference capabilities with Microsoft 365 Copilot in Word2026-09-15

Microsoft 365 Copilot が参照できる範囲は、利用者のアクセス権とテナントの構成によって決まります。この部分は利用環境に応じた個別確認が必要です。 経営会議の議事録がインサイダー取引規制上の重要事実を含むかの判断、および外部サービスへの送信の可否は、自社の規程と法務の判断によります。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。会議時間そのものの短縮効果は、根拠がないため数値化していません。

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