オンライン商談で伝わらない原因|画面越しの見せ方

「対面では通っていた説明が、画面越しだと通らない」「資料も話し方も変えていないのに、反応が薄い」——商談の場が画面に移ってから増えた声です。画面越しの商談は、対面の商談をそのまま移し替えたものではありません。一度に受け取れる量が減り、理解を確かめる合図も減った場です。この記事では、伝わらない原因を分けたうえで、見せ方の組み立て直しを整理します。
カメ先生画面越しで伝わらないのはね、話し手の技術の問題だと受け取られがちだが、その手前で相手に届く情報そのものが減っているんだ。
カメ子同じ資料を映しているのに、届く量が減るのでしょうか。
カメ先生減る。うなずきや身じろぎが見えないから、話し手は理解の度合いを確かめられない。音が少し悪いだけでも、聞き取りに労力が要る。
カメ子見えない、聞き取りにくいが積み重なるのですね。原因の分け方から見ていきます。
- 最優先は音声。映像や資料より、聞き取りやすさが理解を左右する
- 画面共有した資料は、対面の紙より読みにくい。文字を大きくして枚数を減らす
- 相手の理解は表情では分からない。問いかけで確かめる工程を入れる
対面と同じ資料では伝わらない
最初に、何が変わったのかを整理します。原因が分かれば対処ができます。
対面の商談では、相手の手元に紙の資料があります。相手は自分のペースでページを行き来し、気になる箇所に戻れます。
オンラインでは、画面に映るのは話し手が選んだ1ページだけです。相手は自分のペースで読むことができず、話し手の進行に従うしかありません。
この違いは大きく響きます。理解が追いつかないページがあっても、相手は戻ることができません。
さらに、画面のサイズによって文字の見え方が変わります。ノートパソコンの画面で共有された資料は、想像より小さく表示されます。
相手がスマートフォンで参加している場合、資料の文字はほとんど読めません。この可能性を前提にする必要があります。
表情や姿勢からの情報も減ります。理解しているか、退屈しているかの手がかりが得られません。
これらが重なって、伝わらない状態が生まれます。話し手の努力が足りないわけではありません。
以降では、この条件下で伝えるための具体的な方法を見ていきます。
伝わらない原因を4つに分ける
原因を分解します。分解すると、対処の優先順位が見えます。
| 原因 | 具体的な状態 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| 音声 | 聞き取りにくい、途切れる、環境の音が入る | 機材の見直し。最優先で対処する |
| 資料 | 文字が小さい、1枚の情報量が多い、枚数が多い | 文字を大きく、枚数を減らす、事前に送る |
| 進行 | 一方的に話し続ける、確認の間がない | 問いかけを挟む、時間配分を変える |
| 環境 | 相手が複数、片手間で参加、通信が不安定 | 参加者を確認、録画を残す、要点を短く |
優先度が最も高いのは音声です。音が聞き取りにくい状態では、資料も進行も意味を持ちません。
次が資料です。画面共有された資料の読みにくさは、話し手には見えません。自分の画面では大きく見えているためです。
進行の問題は、対面でも起きます。ただしオンラインでは、相手の反応が見えないため気づきにくくなります。
環境の問題は、こちらから制御できません。相手が移動中に参加していることもあります。
この4つのうち、自社で完全に対処できるのは音声と資料です。ここから着手するのが効率的です。
進行は訓練の対象になります。環境は前提として受け入れ、影響を減らす設計をします。
音声を最優先で整える
最も効果が大きく、最も見過ごされている部分です。
パソコンに内蔵されたマイクは、周囲の音を拾います。キーボードの打鍵音、空調の音、隣の会話がそのまま相手に届きます。
外付けのマイクかヘッドセットを使うだけで、聞き取りやすさが明確に変わります。費用は数千円から一万円程度で、投資として最も効率が良い部分です。
スピーカーの音を拾ってしまう反響も、ヘッドセットで解消します。相手の声が二重に聞こえる状態がなくなります。
話す速度も調整します。オンラインでは、対面よりやや遅めに話すほうが伝わります。
会議室から複数人で参加する場合は、1台のマイクに全員が向く配置が必要です。遠い席の声は届きません。
通信が不安定な場合は、映像を切って音声を優先します。顔が見えなくても、話が通じるほうが重要です。
自分の音声がどう聞こえているかは、社内で試せます。同僚と接続して録音を聞き返せば分かります。
この確認は一度やれば済みます。まだやっていなければ、今週のうちに済ませてください。
画面共有の落とし穴
操作の問題です。慣れているつもりでも起きます。
よくある失敗は、共有する範囲の選択です。画面全体を共有すると、通知や他のウィンドウが相手に見えます。
顧客名が入ったファイル名や、社内のチャットの通知が映る事故が起きます。共有はアプリケーション単位、あるいは特定のウィンドウ単位で行うのが安全です。
資料をプレゼンテーションの表示モードにするかも判断が必要です。編集画面のまま共有すると、次のページが見えてしまいます。
一方で、編集画面のほうが行き来しやすい面もあります。相手の質問に応じてページを飛ぶ場合は便利です。
共有を開始したら、相手に見えているかを一度確認します。共有できていないまま説明を続ける事故は頻繁に起きます。
ページを進めるときは、間を置きます。切り替えの直後に話し始めると、相手はまだ前のページを見ています。
カーソルで指し示す動作も有効です。どこを説明しているかが明確になります。
共有を終えるタイミングも意識します。議論の場面では、資料を止めて顔を見て話すほうが進みます。
これらは操作の慣れの問題です。社内の会議で練習できます。
資料の文字を大きくする
オンライン向けの資料設計です。対面用の資料をそのまま使わないという判断が必要です。
基準は明確です。ノートパソコンの画面で共有された状態で読めるかどうかで判断します。
実際に試すと、対面用の資料は文字が小さすぎることが分かります。印刷して手元で読む前提の資料は、画面共有には向きません。
1枚あたりの情報量も減らします。表や図が詰まったページは、画面では判読できません。
枚数は増えても構いません。1枚を分割して、順に見せる形のほうが伝わります。
細かい数値の表は、資料に載せずに事前に送る形が現実的です。画面で読ませることを諦めます。
色使いも確認します。薄い色の文字や背景との差が小さい配色は、画面の設定によって読めなくなります。
オンライン用の版を作る工数は、初回のみです。以降は使い回せます。
既存の資料をすべて作り替える必要はありません。よく使う数本から始めてください。
作り替えた資料は、対面でも問題なく使えます。読みやすさは共通の価値です。
カメラをどう扱うか
判断が分かれる部分です。原則を持っておくと迷いません。
こちらは映すのが基本です。相手が顔を出していない場合でも、こちらが映っていることで信頼が生まれます。
ただし通信が不安定な場合は、音声を優先します。映像が止まりながら音が途切れる状態が最も悪い形です。
相手に映すことを求めるかは、状況で判断します。初回の商談では顔が見えたほうが進みますが、強く求めると相手の負担になります。
背景は整えます。実際の部屋でも、仮想の背景でも構いません。散らかった背景は印象を損ないます。
照明は背景より効果があります。正面から光が当たると、表情が伝わります。窓を背にすると逆光になります。
画面共有中は、こちらの映像が小さくなります。この間の表情は伝わらないと考えて構いません。
だからこそ、共有を止めて顔を見て話す時間を作る価値があります。
商談の始まりと終わりは、資料を止めて話す形が向いています。
理解を問いかけで確かめる
進行の中心になる技術です。オンラインでは必須になります。
対面であれば、表情や姿勢で理解の度合いが分かります。オンラインでは、この手がかりがほぼ得られません。
そのため、言葉で確かめる必要があります。「ここまでで分かりにくい点はありますか」という問いかけを、資料の区切りごとに入れます。
この問いかけは、形式的に聞くだけでは機能しません。答えるための間を作ることが重要です。
3秒から5秒の沈黙を許容します。オンラインでは、相手が話し始めるまでにわずかな遅れがあります。
「大丈夫ですか」という聞き方は、大丈夫という答えを誘導します。具体的に聞くほうが答えが返ります。
「この部分は、御社の状況に当てはまりますか」という形であれば、相手は考えて答えます。
問いかけの回数は、30分の商談で3回から4回が目安です。多すぎると進みません。
チャットの機能を使う方法もあります。声を出しにくい相手が、文字で反応できます。
問いかけを工程として資料に組み込む形が確実です。該当のページに印を入れておきます。
照明を追加する場合、机の上に置ける小型のもので足ります。天井の照明だけでは、顔に影が出やすくなります。
背景と照明は一度整えれば、以降のすべての商談に効きます。個別の準備が不要になる部分です。
参加者が複数のときの進め方
BtoBの商談では、相手が複数になることが多くあります。
最初に確認するのは、参加者の役割です。誰が決裁に関わり、誰が実務を担うのかを冒頭で把握します。
オンラインでは、参加者の一覧が画面に表示されます。名前は見えても、役割は見えません。冒頭で確認する価値があります。
説明の内容は、役割によって関心が違います。決裁者は投資と効果、実務の担当者は運用の負担を気にします。
両方に向けて話すには、順序を工夫します。全体像から入り、実務の詳細に進む形が扱いやすくなります。
発言がない参加者にも、名前を呼んで問いかけます。オンラインでは、黙っている人が発言しにくくなります。
音声を切ったまま参加している人は、片手間で聞いている可能性があります。要点を繰り返す配慮が有効です。
参加者が5人を超える場合は、商談ではなく説明会として設計を変えます。双方向のやり取りは難しくなります。
参加者の情報は、商談後の記録に残します。次回の設計に使えます。
事前に送る資料と当日の資料を分ける
設計の工夫です。当日の負担を下げられます。
すべてを当日に見せる必要はありません。細かい仕様、料金の詳細、事例の一覧は、事前に送っておく形が向いています。
事前に送ることで、相手は自分のペースで読めます。画面共有では実現できない読み方を、事前の資料が担います。
当日は、要点と対話に時間を使います。資料を読み上げる時間を削れます。
事前の資料は、読まれない可能性もあります。読まれていない前提で当日の説明を組みます。
逆に、当日の資料を事後に送ることも有効です。相手が社内で共有するための材料になります。
事前と事後で内容を変える必要はありません。同じ資料を渡す時期を分けるだけです。
送付の際は、どこを読んでほしいかを本文で示します。全部読んでくださいでは読まれません。
この設計により、当日の商談は30分でも成立します。
時間を短くできれば、相手の予定を確保しやすくなります。日程調整の負担も下がります。
デモや画面操作を見せるとき
製品やツールの操作を見せる場面です。オンラインでは条件が厳しくなります。
画面の中でさらに画面を見せる形になります。相手の環境では、実際の画面より小さく、粗く表示されます。
対処は3つあります。表示を拡大する、操作の速度を落とす、注目してほしい箇所を言葉で示すことです。
拡大は、ツール側の表示の倍率を上げる形で行います。普段の作業と同じ倍率では、細部が判別できません。
操作の速度は、意識して落とします。慣れた操作は速くなりがちですが、相手は初めて見ています。
クリックする前に、これから何をするかを言葉で伝えます。操作の後に説明すると、相手は追えません。
マウスの動きも大きくします。小さく速い動きは、相手の画面では追跡できません。
見せる範囲は絞ります。すべての機能を見せるのではなく、相手の関心がある2つか3つに限ります。
デモの環境は事前に整えます。実際のデータが入った状態を見せるのか、サンプルを使うのかを決めておきます。
通信が不安定な環境では、動画に録画したデモを再生する方法もあります。画面共有より安定します。
デモの後は、必ず質問の時間を取ります。見ただけでは疑問が言語化されないためです。
初回と2回目以降で設計を変える
商談の回数によって、必要な設計が変わります。
初回は、関係を作る要素が大きくなります。カメラを映し、冒頭に状況を聞く時間を長めに取ります。
初回で資料をすべて説明する必要はありません。相手の関心がどこにあるかを掴むことが、初回の目的になります。
2回目以降は、議論が中心になります。資料の説明より、相手の疑問に答える時間を増やします。
参加者が変わることもあります。2回目に決裁者が加わる場合は、前回の要点を短く振り返る工程を入れます。
振り返りは3分以内に収めます。前回の内容を長く繰り返すと、新しい参加者以外が退屈します。
3回目以降は、条件の詰めに入ります。この段階では資料より、書面でのやり取りが中心になります。
オンラインで完結させるか、一度は対面で会うかの判断もあります。金額が大きい取引では、対面を挟む形が選ばれることもあります。
回数を重ねるほど、相手の社内での検討が進みます。その進行に合わせた材料を出すことが必要になります。
各回の目的を1行で決めてから接続すると、進行が安定します。
目的を決めずに商談に入ると、資料の説明だけで終わります。
時間配分を対面から変える
進行の設計です。同じ時間でも中身を変える必要があります。
対面の商談では、雑談から入る流れが自然に生まれます。オンラインでは、接続の確認から始まるため、この助走がありません。
冒頭の2分から3分は、相手の状況を聞く時間に充てます。いきなり資料に入ると、相手の関心を確認せずに進めることになります。
説明の時間は、対面より短く設計します。集中が続く時間が短くなるためです。
30分の商談であれば、冒頭3分、説明15分、質疑10分、次の確認2分という配分が目安になります。
説明が20分を超えると、相手の集中が落ちます。資料の枚数はこの時間に収まる量に絞ります。
質疑の時間を確保することが、オンラインでは特に重要になります。理解の確認がここで行われます。
終わりの時間は必ず守ります。次の予定が接続している場合が多くあります。
時間内に終わらない場合は、続きを次回に回す判断をします。延長は相手の負担になります。
配分を決めておくと、進行が安定します。担当者ごとのばらつきも減ります。
録画と議事録を活用する
オンラインの利点です。対面では得られない資産が残ります。
多くの会議のツールに、録画の機能があります。録画があれば、商談の内容を後から確認できます。
録画には相手の同意が必要です。冒頭で目的を伝え、了解を得てから開始します。記録の目的と共有の範囲を明示することが条件になります。
録画の活用先は3つあります。議事録の作成、社内での共有、担当者の振り返りです。
議事録は、文字起こしの機能や生成AIを使えば短時間で作れます。要点と次の約束を抽出する形です。
社内での共有は、営業の型を作る目的で機能します。うまく進んだ商談を、他の担当者が学べます。
振り返りでは、自分の話す量と間の取り方を確認します。想像より話しすぎていることが分かります。
録画をすべて保存する必要はありません。保管の期間と削除のルールを決めておきます。
個人情報や機密が含まれる場合は、保管の場所と権限を管理します。
同意を得られない場合は、録画せずにメモで対応します。無断での録画は行いません。
機材と通信の備え
実務の基礎です。ここが崩れると他の工夫が無駄になります。
必要なのは4つです。安定した通信、外付けのマイクかヘッドセット、正面からの照明、予備の接続手段です。
通信は有線での接続が最も安定します。無線での接続は、時間帯や場所によって速度が変わります。
予備の接続手段は、携帯回線を使ったテザリングが一般的です。通信が落ちたときに切り替えられます。
会議のツールが起動しない場合の代替も用意します。別のツールや電話への切り替えを想定しておきます。
相手のツールに合わせる準備も必要です。指定されたツールが自社で使えない状況は避けたいところです。
機材の確認は、商談の直前ではなく前日までに行います。当日に不具合が見つかっても対処できません。
複数人で参加する場合は、会議室の設備も確認します。マイクの位置と画面の見え方を事前に試します。
備えの費用は限られています。1回の商談の機会損失と比べれば、投資として合理的です。
やりがちな失敗
実際に見かける失敗を挙げます。多くは準備で防げます。
- 内蔵マイクで参加し、環境の音が入って聞き取りにくい状態のまま進めた
- 対面用の資料をそのまま共有し、相手の画面では文字が読めなかった
- 画面全体を共有して、社内のチャットの通知や顧客名のファイルが映った
- 資料を読み上げるだけで、理解を確かめる問いかけを入れなかった
- 参加者の役割を確認せず、決裁者に実務の詳細を長く説明した
- 共有できていないまま説明を続け、相手が資料を見られていなかった
最も損失が大きいのは3つ目です。情報の漏洩につながる可能性があり、信頼を大きく損ないます。
最も頻繁に起きるのは1つ目と2つ目です。いずれも話し手には問題が見えないため、指摘されるまで続きます。
4つ目は成果に直結します。理解を確かめずに進めた商談は、次につながりません。
6つ目は、共有の開始時に一言確認するだけで防げます。
これらを防ぐ確認の工程を、商談の前後に組み込んでください。
改善する5工程
最後に、実際に手を入れる順序を示します。効果の大きい順に並べています。
外付けのマイクかヘッドセットを用意します。社内で接続して録音を聞き返し、聞き取りやすさを確認します。最も効果の大きい投資です。
文字を大きくし、1枚の情報量を減らします。ノートパソコンの画面で共有した状態で読めるかを基準にします。
冒頭に状況を聞く時間、区切りごとの問いかけ、質疑の時間を配分に組み込みます。該当のページに印を入れておきます。
細かい仕様や料金の詳細は事前に送り、当日は要点と対話に時間を使います。当日の資料は事後にも送ります。
同意を得た上で録画し、議事録の作成と振り返りに使います。話す量と間の取り方を自分で確認します。
- 録画は必ず相手の同意を得てから。目的と共有の範囲を伝える
- 画面共有はアプリケーション単位で。全体共有は通知が映る
- 通信が不安定なときは映像を切って音声を優先する
- 相手がスマートフォンで参加している可能性を前提に資料を作る
この5工程のうち、1つ目と2つ目だけで大部分の問題が解消します。順序を守って進めてください。
すべてを一度に変える必要はありません。次の商談で音声を整えるところから始まります。
まとめ
オンライン商談で伝わらない原因は、音声、資料、進行、環境の4つに分かれます。優先すべきは音声と資料で、いずれも話し手には問題が見えにくい部分です。
外付けのマイクを使う、資料の文字を大きくして枚数を減らす、区切りごとに具体的な問いかけを入れる。この3点で、画面越しの伝わり方は明確に変わります。
まずは社内で接続して、自分の音声を録音して聞き返してみてください。改善すべき点はそこで分かります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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