災害時にSNS投稿は止めるべきか?|配信見直しの基準

災害時にSNS投稿は止めるべきか?|配信見直しの基準

「大きな地震の直後に、予約していた新製品の案内が流れてしまった」「止める判断を誰がするか、決めていなかった」——災害のあとに各社の担当者が口にすることです。投稿を止めるかどうかは、その場の空気を読んで決める判断ではありません。基準と担当を先に決めておかないと、判断は必ず遅れます。この記事では、停止の基準と、止め方から再開までの手順を整理します。


カメ先生カメ先生

災害のときの投稿はね、気づいた人が止めればよいと考えられがちだが、決めていない判断は結局だれも下せないんだ。


カメ子カメ子

その場で相談して決めるのでは、間に合わないのでしょうか。


カメ先生カメ先生

間に合わない。予約した投稿は数分単位で出ていくし、相談する相手も同じ揺れの中にいる。だから、どの規模で何を止めるかを平時に文にしておく。


カメ子カメ子

決めておくほうが先なのですね。基準の作り方から見ていきます。


この記事のポイント
  • 最初にやるのは予約投稿と自動配信の停止。判断より先に手を止める
  • 停止と再開の基準を事前に決めておく。発生時に議論すると必ず遅れる
  • 全ての災害で止めるわけではない。規模と自社の関係で判断が変わる

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目次

なぜ予約投稿が問題になるのか

最初に、何が起きるのかを具体的に確認します。

災害の直後、多くの人がSNSで情報を集めます。そのタイムラインに、日常の話題や販促の投稿が流れてくる状態になります

投稿した側に悪意はありません。数日前に予約したものが、予定通りに配信されただけです。

しかし受け取る側には、その事情が見えません。状況を把握していない企業、あるいは配慮のない企業として映ります

実際に、災害の直後の投稿が批判を集めた例は繰り返し起きています。企業名とともに記録が残ります。

問題は投稿の内容ではなく、タイミングです。平時であれば何の問題もない投稿が、状況によって受け取られ方を変えます。

この構造を理解しておくと、対処の方向が分かります。内容を審査するのではなく、配信そのものを止める必要があります。

そして、止める判断は速さが決定的に重要です。数時間の遅れで、配信は既に終わっています。

以降では、この速さを確保するための備えを整理します。

停止の対象になるもの

止めるべき対象を洗い出します。SNSの投稿だけではありません。

対象止め方見落としやすい点
SNSの予約投稿各サービスの管理画面で予約を取り消す複数アカウント、複数サービスの全てを確認する
予約投稿ツールツール側で配信を一括停止するツールと各サービスの両方に予約が残ることがある
SNS広告キャンペーンを一時停止する自動入札は止めても学習に影響が出る点を了解しておく
検索・ディスプレイ広告キャンペーンを一時停止する表現によっては継続が適切な場合もある
メールの自動配信シナリオ配信とステップメールを止めるMAの自動配信は担当者が把握していないことがある
Webサイトのお知らせトップの訴求やポップアップを差し替える季節の販促バナーが残りやすい

見落としが最も多いのは、予約投稿ツールと各サービスの二重管理です。ツール側を止めても、サービス側に直接入れた予約が残ることがあります

メールの自動配信も見落とされます。シナリオ配信は担当者の手を離れて動いているため、止める対象として意識されにくくなります

広告は判断が分かれます。日常のサービス案内であれば、必ずしも止める必要はありません。

一方で、明るい調子のクリエイティブや、災害に関連して不適切に読める表現を含むものは止めます。

対象の一覧を平時に作っておくことが、この作業の速さを決めます。発生時に洗い出そうとすると、必ず漏れます。

一覧は、担当者と管理画面の場所を併記した形にします。担当者が不在でも、他の人が止められる状態にします。

止めるかどうかの判断基準

全ての災害で全てを止めるわけではありません。基準が必要です。

判断の軸は3つあります。災害の規模、自社や顧客との地理的な関係、自社の事業との関連性です

規模の目安としては、報道が全国的に継続しているか、人的な被害が生じているかが分かりやすい線です。局地的な警報であれば、全社の配信を止める必要はありません

地理的な関係も重要です。自社の拠点や主要な顧客が被災地にある場合は、判断が変わります。

事業との関連性は、二次的な要素です。ライフラインや医療に関わる事業であれば、発信を続ける意味があります。

迷う場合は、いったん止める判断が安全です。止めたことで失うのは配信の機会だけですが、続けて批判を受けた場合の損失は大きくなります。

ただし「常に全部止める」を規則にすると、小さな警報のたびに運用が停止します。現実的ではありません。

そこで、段階を分けた基準を作ります。次の節で具体化します。

基準は完璧である必要はありません。判断の出発点があれば、現場が動けます。

段階を分けた基準を作る

実務で使える形にします。3段階が扱いやすい区切りです。

第1段階は、局地的な警報や小規模な事象です。該当地域向けの投稿と広告のみを見直し、全体の配信は継続します

第2段階は、広域の災害や継続的な報道がある事象です。予約投稿の全停止、販促色の強い広告の停止、Webの訴求の差し替えを行います

第3段階は、大規模な災害や社会的な影響が極めて大きい事象です。原則としてすべての配信を停止し、必要な情報の発信のみを行います。

この3段階を、誰が判断するかも決めます。第1段階は担当者、第2段階以上は責任者という形が一般的です。

判断者が不在の場合の代理も決めておきます。夜間や休日に発生する可能性を考えると、これが実務では重要です

段階の判定に迷った場合は、上の段階で対応するという原則を添えます。迷いによる遅れを防げます。

この基準を1枚にまとめ、SNSの運用に関わる全員が見られる場所に置きます。

紙やファイルではなく、スマートフォンから見られる場所に置くことが条件です。発生時に社内のネットワークへ入れない場合があります。

発生時の初動をどう回すか

実際に起きたときの動きです。手順が短いほど機能します。

最初にやるのは、判断ではありません。予約投稿の停止を先に行い、その後で段階の判定をします

理由は単純です。止めた投稿は後で出せますが、出てしまった投稿は取り消せません

停止の作業は、対象の一覧に沿って進めます。SNSの予約、ツールの配信、広告、メールの自動配信の順です。

並行して、社内への連絡を行います。運用に関わる全員に、現在の状態を伝えます。

連絡の手段も平時に決めておきます。社内のチャットが使えない状況も想定しておく必要があります

その後、責任者が段階を判定し、再開の見込みを共有します。

この初動は、10分から15分で完了できる形にしておくのが目標です。手順が長いと、実際には回りません。

年に一度、手順を実際に試す機会を作ることを勧めます。管理画面の場所が変わっていることがあります。

発信してよい内容と控える内容

停止の後の論点です。すべての発信を止める必要はありません。

発信してよいものは明確です。自社の被害状況、営業やサービスへの影響、顧客への連絡事項、支援に関する情報です

これらは、むしろ発信すべき内容になります。問い合わせが集中する内容を先に出せば、顧客も自社も負担が減ります

控えるものも明確です。販促、キャンペーン、新製品の案内、明るい話題、社内の日常です。

判断が難しいのは、中間にあるものです。既に告知したイベントの案内や、進行中の企画の続報が該当します。

この場合は、開催や実施そのものの判断と合わせて考えます。実施するのであれば、事実の連絡として出すことに問題はありません

表現には注意します。過度に明るい調子や、感嘆符の多い文体は、状況に合いません。

支援に関する情報を出す場合は、正確性を確認します。不確かな情報の拡散は、かえって混乱を招きます。

自社が支援を行う場合の告知も、慎重に扱います。事実の報告として簡潔に出す形が受け入れられやすくなります。

自社が当事者になる場合との違い

混同されやすい論点です。手順が変わります。

災害は、自社に責任がない外部の事象です。これに対し、自社のサービス障害や不祥事は、自社が当事者になる事象です

後者の場合、配信を止めるだけでは足りません。状況の説明と、対応の見通しを能動的に発信する必要があります

発信の主体も変わります。災害時はSNSの担当者が判断できますが、自社が当事者の場合は広報や経営の判断が必要になります。

文面も、社内の複数の部門による確認を経ることになります。速さと正確さの両立が求められる場面です。

この2つを同じ手順書で扱うと、対応を誤ります。分けて整理してください

共通するのは、予約投稿と自動配信をまず止めるという初動です。この部分は同じ手順が使えます。

違いは、その後に何を発信するかです。災害時は原則として沈黙し、当事者の場合は説明します。

この違いを社内で共有しておけば、発生時の混乱が減ります。

SNS以外の連絡経路を用意する

災害時の顧客への連絡について整理します。SNSだけでは足りません。

SNSは、フォローしている人にしか届きません。顧客の全員がフォローしているわけではないため、重要な連絡には向きません

必要な情報は、自社サイトに掲載します。トップページに目立つ形で置き、URLをSNSで案内する形が確実です

既存の顧客には、メールで直接連絡します。営業やサポートの担当者から個別に連絡する経路も併用します。

電話は、集中すると機能しなくなります。よくある質問はサイトに掲載し、電話の件数を抑える設計にします。

この役割分担を平時に決めておくと、発生時に迷いません。SNSは案内、サイトは詳細、メールは個別の連絡という形です。

サイトの更新ができる人が限られていると、この経路が使えません。権限を持つ人を複数にしておく備えが必要です。

災害時はサイトへのアクセスが集中することもあります。軽いページで情報を出す準備も有効です。

経路の一覧を、停止の対象一覧と同じ資料にまとめておくのが実務的です。

止めている期間の運用

投稿を止めた後も、やることは残ります。

最初に必要なのは監視です。自社への言及、問い合わせ、コメントは、投稿を止めていても届きます

これらへの返信は、内容によって判断します。事実の確認や連絡事項への返信は続け、雑談への返信は控える形が扱いやすくなります

誤った情報が広がっている場合は、訂正が必要になることもあります。この判断は責任者に上げます。

並行して、止めた投稿の棚卸しを行います。時期を過ぎた告知は取り下げ、内容が合わなくなったものは作り直します。

再開の時期を見込んで、投稿の順序を組み直しておきます。再開してから考えると、また止まります。

広告のクリエイティブも、この期間に見直します。再開後にそのまま出せるかを確認します。

社内への状況共有も続けます。営業や問い合わせの担当者は、顧客からの質問を受けています。

この期間の作業を担当者1人に負わせないよう、役割を分けておくことが必要です。

事後の振り返りを残す

対応が終わった後の工程です。次の備えにつながります。

振り返る項目は4つです。停止の判断が何分後だったか、漏れた配信があったか、判断に迷った点、再開の判断が適切だったかです

1つ目は数字で残します。発生から停止の完了までの時間が、次の目標になります

2つ目は最も重要です。漏れた経路が見つかれば、対象の一覧に追加します。

3つ目は基準の改善に使います。迷った点は、基準が曖昧だった箇所です。

4つ目は、早すぎたか遅すぎたかを率直に記録します。次の判断の目安になります

記録は1枚で足ります。長い報告書を作る必要はありません。

この振り返りを、基準の資料に反映させて完了とします。反映されなければ、記録した意味がありません。

同じ事象は繰り返し起きます。1回ごとに手順が良くなる形を作ってください。

再開の判断をどう決めるか

止めた後に、いつ戻すかという論点です。ここも基準がないと迷います。

目安として使われるのは3つです。報道の量が明確に減ったか、政府や自治体が収束を示したか、被災地のライフラインが回復したかです

これらは客観的に確認できます。担当者の感覚ではなく、外部の状況で判断できる基準を置くことが重要です

段階的に戻す方法もあります。まず事実の連絡から再開し、次に通常の情報発信、最後に販促という順序です。

再開の初回の投稿は、内容を選びます。いきなり販促から戻すと、止めていた意味が薄れます。

止めた期間について説明する必要は、通常はありません。過度に触れると、かえって不自然になります。

再開の判断者も、停止と同じ人に定めます。担当者が独断で戻す運用にすると、判断がぶれます。

地域を限定した出し分けができるサービスでは、被災地以外から先に再開する方法もあります。

再開の後は、止めていた期間の予約を組み直します。時期を過ぎた告知は取り下げます。

広告配信の扱いは分けて考える

SNSの投稿とは判断が変わる部分です。

広告は費用が動いています。止めれば費用は止まりますが、自動入札の学習には影響が出ます

短期間の停止であれば影響は限られます。ただし長期の停止では、再開後に成果が戻るまで時間がかかります。

この点を理解した上で、止める範囲を決めます。すべてを止めるのではなく、表現の観点で問題があるものに絞る方法もあります

検索広告は、能動的に検索した人に表示されます。日常のサービス案内であれば、継続に問題が生じにくい性質です。

一方でディスプレイ広告や動画広告は、意図せず表示される形です。報道のページに自社の明るい広告が並ぶ状況は避けたいところです

報道に関連するページへの表示を除外する設定を、平時から入れておく方法もあります。

配信面の除外は、災害時に限らず有効な備えです。この機会に見直す価値があります。

判断に迷う場合は、クリエイティブの差し替えという選択もあります。落ち着いた表現の素材に切り替える形です。

配信の停止には、権限が必要です。広告のアカウントを代理店が管理している場合は、こちらから止められないことがあります。

代理店に委託している場合は、緊急時の連絡先と対応の時間を事前に確認しておきます。夜間や休日に連絡が取れなければ、配信は続きます。

自社側にも停止の権限を持つ担当者を置いておくのが安全です。閲覧のみの権限では止められません。

この確認は、契約や運用の取り決めを見直す機会に合わせて行うと進めやすくなります。

停止を依頼する際の文面も、あらかじめ用意しておくと迷いません。対象と再開の連絡方法を書いた短い定型文で足ります。

複数アカウントの管理をどうするか

実務で漏れが出やすい部分です。

企業のSNSは、複数のアカウントに分かれていることが多くあります。サービス別、事業部別、採用向け、経営者の個人アカウントなどです

停止の連絡が全てに届かないと、1つのアカウントだけが投稿を続ける事態になります。外から見れば、企業として一貫していない状態に見えます

対策は、アカウントの一覧を作ることです。アカウント名、担当者、使用しているツール、権限を持つ人を記録します。

この一覧は、乗っ取り対策や担当交代の場面でも使えます。作る価値のある資料です。

経営者や社員の個人アカウントは、強制はできません。ただし方針を共有しておくことはできます

社員が個人の判断で発信する場合の考え方を、平時にガイドラインとして共有しておく形が現実的です。

海外向けのアカウントは、判断が変わることもあります。現地の状況と日本の状況が異なるためです。

一覧を作るところから始めてください。作業自体は1時間で終わります。

平時に決めておくこと

この記事の要点をまとめる部分です。準備が対応の質を決めます。

決めておくのは6点です。停止の対象一覧、3段階の基準、判断者と代理、初動の手順、連絡の手段、再開の目安です

すべてを1枚に収めます。複数のファイルに分かれていると、発生時に探すことになります

置き場所は、スマートフォンから見られる場所にします。社外からアクセスできることが条件です。

年に1回、内容を見直します。アカウントの増減、ツールの変更、担当者の異動を反映させます。

見直しの時期は、防災の意識が高まる時期に合わせると忘れにくくなります

実際に手順を試す機会も作ります。管理画面の場所と権限の有無を、実際に触って確認する形です。

この準備にかかる工数は、初回で数時間です。以降の見直しは1時間で済みます。

起きてから作るものではありません。今日のうちに作れる資料です。

やりがちな失敗

実際に起きる失敗を挙げます。いずれも準備で防げるものです。

  • 予約投稿ツールだけを止め、各サービスに直接入れた予約が配信された
  • MAのシナリオ配信を止め忘れ、災害の翌日に販促メールが届いた
  • 判断者が不在で、担当者が判断できずに数時間が経過した
  • 全ての警報で全配信を停止する規則にして、運用が頻繁に止まった
  • 再開の初回に販促の投稿を出し、止めていた意味が薄れた
  • アカウントの一覧がなく、事業部のアカウントだけが投稿を続けていた

最も多いのは1つ目です。予約の入り口が複数あることを、平時に把握しておく必要があります

2つ目も頻発します。自動配信は担当者の手を離れて動くため、停止の対象として意識されにくくなります

3つ目は、代理を決めていないことが原因です。夜間や休日の発生を想定すれば、必ず必要になります。

4つ目は逆方向の失敗です。基準が粗いと、運用が回らなくなります。

6つ目は組織の問題です。一覧を作るだけで大部分が防げます。

備えを作る4工程

最後に、この記事の内容を実際の資料に落とす手順を示します。

STEP1
アカウントと配信の一覧を作る

SNSのアカウント、予約投稿ツール、広告のアカウント、MAの自動配信を洗い出します。担当者と管理画面の場所を併記します

STEP2
3段階の基準と判断者を決める

局地的な事象、広域の災害、大規模な災害の3段階を定め、それぞれの停止範囲と判断者、代理を決めます。

STEP3
初動の手順を10分で回せる形にする

予約の停止を最初に置き、判断は後に回す順序にします。連絡の手段も、社内システムが使えない場合を含めて決めます。

STEP4
1枚にまとめて年1回見直す

スマートフォンから見られる場所に置き、年に一度、アカウントの増減と担当者の異動を反映させます。手順を実際に試す機会も作ります。

  • 止めた投稿は後で出せるが、出た投稿は取り消せない。停止を判断より先に置く
  • 広告の長期停止は自動入札の学習に影響する。範囲を絞る判断もある
  • 支援の情報を出す場合は正確性を確認する。不確かな情報の拡散は避ける
  • 社員の個人アカウントは強制できないが、方針の共有はできる

この備えは、災害以外の場面でも機能します。重大な事故、社会的な事件、自社の不具合の発生時にも同じ手順が使えます。

汎用の危機対応の手順として整えておく価値があります。

まとめ

災害時のSNS運用は、判断より停止を先に置くことが原則です。予約投稿、自動配信、広告、メールのすべてに配信の経路があり、一覧がなければ必ず漏れます。

停止の対象一覧、3段階の基準、判断者と代理、初動の手順、連絡の手段、再開の目安の6点を1枚にまとめてください。発生時に議論を始めると、配信は既に終わっています。

まずは自社のSNSアカウントと自動配信の一覧を作るところから始めてください。1時間で終わり、それだけで対応の速さが変わります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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