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行政書士事務所で、顧客の外国人の在留期間の期限から更新の時期が来る人を拾い、必要書類と面談の日程の案内メールを下書きする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

顧客台帳の在留期間の満了日から、更新の準備を始める時期に入った人を毎週拾います。在留資格ごとの必要書類と面談の候補日を添えた案内メールを、顧客の言語で下書きし、行政書士の確認に回します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
人材/介護/士業/製造
対象部門
営業
対象業務
台帳・マスタ管理/書類作成
主な課題
人手が足りない/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
生成
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
20h/月
AI導入後
5h/月
想定削減
75%
年間削減
180h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 月初に、補助者が顧客台帳を満了日の順に並べ、4か月先までに満了する人を拾う
  2. 前回の手続の記録を見て、在留資格、所属先、前回に追加で求められた書類を確かめる
  3. 必要書類の表から、その在留資格の書類を書き写す
  4. 料金表から報酬と手数料を書き写す
  5. 面談の予定表を見て、候補日を3つ選ぶ
  6. 顧客の言語で案内のメールを書き、行政書士に見てもらってから送る
  7. 返事が無い人には、2週間後に改めて連絡する
導入後(After)
  1. 自動毎週月曜の朝、ワークフローが顧客台帳から、案内の時期に入った人を規則で拾う
  2. 自動申請中の人、帰国予定の人、在留資格の変更を相談中の人を除く
  3. 自動在留資格ごとの必要書類の表、料金表、面談の空き枠から、その人の分を引く
  4. 自動AIが、引いた材料だけを使って、顧客の言語で案内メールの下書きを書く
  5. 自動下書きを共有メールボックスに作り、案内の記録に1行足す
  6. 人行政書士が下書きを読み、書類・料金・日程を確かめて、直して送る
  7. 自動送ってから2週間たって返事が無い人を拾い、再案内の下書きを作る
  8. 人満了日まで2か月を切っても返事が無い人には、担当者が電話をかける
各工程の詳しい説明を読む
  1. 月初に、補助者が顧客台帳を満了日の順に並べ、4か月先までに満了する人を拾う
  2. 前回の手続の記録を見て、在留資格、所属先、前回に追加で求められた書類を確かめる
  3. 必要書類の表から、その在留資格の書類を書き写す
  4. 料金表から報酬と手数料を書き写す
  5. 面談の予定表を見て、候補日を3つ選ぶ
  6. 顧客の言語で案内のメールを書き、行政書士に見てもらってから送る
  7. 返事が無い人には、2週間後に改めて連絡する

(a)拾い漏れが起きる。 満了日で並べ替えるのは月初の1回だけで、月の途中で台帳に足された人や、満了日を直した人が次の月まで抜けます。 気づいたときには申請期間に入っていて、書類をそろえる時間が足りなくなります。

(b)在留資格ごとの書き分けに時間がかかる。 同じ「更新」でも、家族滞在と経営・管理では必要書類がまったく違います。書き写しを間違えると、顧客は要らない書類を集め、要る書類を後から頼まれます。

(c)料金と手数料の書き間違い。 手数料の改定のように、表は直しても、過去に書いた案内の文をまねて書くと古い額が残ります。 誤った額を伝えると、事務所の信頼に関わります。

(d)言語ごとの書き分けが人に偏る。 英語の案内を書けるのは補助者のうち1名で、その人が休むと英語の案内が止まります。 書類名の英語も人によって違い、同じ書類が別の名前で届くことがあります。

(e)返事の無い人を追いかけられない。 2週間後の再連絡は、担当者の手帳と記憶に頼っています。繁忙期には後回しになり、満了日が近づいてから電話で慌てて連絡することになります。

  1. 【自動】 毎週月曜の朝、ワークフローが顧客台帳から、案内の時期に入った人を規則で拾う
  2. 【自動】 申請中の人、帰国予定の人、在留資格の変更を相談中の人を除く
  3. 【自動】 在留資格ごとの必要書類の表、料金表、面談の空き枠から、その人の分を引く
  4. 【自動】 AIが、引いた材料だけを使って、顧客の言語で案内メールの下書きを書く
  5. 【自動】 下書きを共有メールボックスに作り、案内の記録に1行足す
  6. 【人】 行政書士が下書きを読み、書類・料金・日程を確かめて、直して送る
  7. 【自動】 送ってから2週間たって返事が無い人を拾い、再案内の下書きを作る
  8. 【人】 満了日まで2か月を切っても返事が無い人には、担当者が電話をかける

1番目を規則で決めているのが、この設計の分かれ目です。 案内の時期は、満了日と在留期間の長さから計算で決まります。毎週動かすので、月の途中で台帳に足された人も、翌週には拾われます。 第3章の(a)の拾い漏れは、ここで止まります。

6番目で、送るのは行政書士です。 下書きは自動で作りますが、その人が本当に更新でよいのか、在留資格の変更が要るのではないかを判断するのは行政書士の仕事です。転職や離婚のように、台帳からは分からない事情があることがあります。

02今回想定するシステム構成

構成図
顧客台帳(スプレッドシート:在留資格・在留期間・満了日・言語・連絡先・状態)
   ▼【トリガー】Make のスケジュール(毎週月曜 7時)
Make のシナリオA(案内)
   ├──▶ Search Rows で案内の時期に入った人を拾う
   ├──▶ 状態で除く(申請中・帰国予定・変更の相談中・案内済み)
   ├──▶ Iterator で1人ずつ
   │      ├─ 必要書類の表・料金表・面談の空き枠を引く
   │      ├─ Anthropic Claude(Make an API Call で構造化出力)で案内の下書き
   │      ├─ Gmail の Create a draft email(共有メールボックス)
   │      └─ 案内の記録に Add a Row
   ▼【人】行政書士が確認して送る

Make のシナリオB(再案内、毎週月曜)
   ├──▶ 案内から2週間たって返事の無い人を拾う
   ├──▶ 再案内の下書き
   └──▶ 満了日まで2か月を切った人を担当者へ(電話の依頼)
役割想定する製品代替候補
ワークフローMaken8n、Zapier、Power Automate
生成AIClaude API(Make の Anthropic Claude アプリ)OpenAI API、Gemini API
連携Google スプレッドシート(顧客台帳・必要書類の表・料金表・面談の空き枠・案内の記録)Microsoft 365 のリスト

新しく足すのは、Make のシナリオ2本と、案内の記録の表だけです。 顧客台帳、必要書類の表、料金表、面談の予定はいまあるものを使い、顧客台帳に「状態」と「希望の言語」の列を足します。

入口は Make のスケジュールです。 シナリオの実行は、一定の間隔、毎日、平日、毎週、毎月、日を指定、必要なときだけ、などから選べます。毎週月曜の朝に動かし、その週に案内の時期に入る人をまとめて拾います。

出口は Gmail の Create a draft email です。 下書きを作るモジュールで、送信者、宛先、CC、件名、本文を指定でき、フォルダを指定しなければ下書きのフォルダに入るとされています。行政書士は、共有メールボックスの下書きを開いて確かめ、送ります。

材料になる必要書類の表は、事務所が出入国在留管理庁のページから作るものです。 在留期間更新許可申請のページでは、日本での活動内容(在留資格)に応じた申請書と資料を出すとされ、在留資格ごとのページへの案内があります。表を直したら、直した日と確かめたページを表に書いておきます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎週月曜の朝7時に、Make のスケジュールで動かします。 月初に1回では、月の途中で台帳に足された人や満了日を直した人が、翌月まで抜けます。毎週なら、遅れても1週間です。

案内の時期は、満了日と在留期間の長さで決めます。

在留期間申請できる時期案内を出す時期(この事務所の決まり)
6か月以上満了する3か月前から満了日まで満了日の4か月前の週
6か月未満満了日以前満了日の6週間前の週

申請できる時期の列は、出入国在留管理庁のページに書かれている申請期間です。 6か月以上の在留期間を持つ人は、満了する3か月前から申請できます。案内を1か月早く出すのは、書類をそろえる時間を取るためです。 3か月前に案内したのでは、書類がそろったときには申請期間が半分過ぎています。

右の列の決まりは事務所ごとに違ってよい値です。 会社の書類(決算書類、在職証明など)をそろえるのに時間がかかる顧客企業が多いなら、さらに早めます。値は表に置き、シナリオの中に書き込みません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
顧客台帳顧客ID、氏名、在留資格、在留期間、満了日、所属先、希望の言語、連絡先の区分(本人・人事の担当)、状態、担当の行政書士スプレッドシート
前回の手続の記録前回の申請日、許可の日、前回に追加で求められた書類顧客台帳の別の表
必要書類の表在留資格、区分(所属機関の区分など)、書類の名前(日本語・英語・やさしい日本語)、誰が用意するか、改定日事務所が作る
料金表事務所の報酬、手数料(許可期間ごと)、改定日事務所が作る
面談の空き枠日時、場所またはオンライン、担当の行政書士面談の予定の表

質を決めるのは、必要書類の表の「誰が用意するか」の列です。 企業の社員の更新では、本人が用意する書類と会社が用意する書類があります。列が無いと、案内は本人に会社の書類まで頼むことになります。 人事の担当にも案内を送る顧客では、この列で書き分けます。

料金表には、手数料の改定日を必ず入れます。 出入国在留管理庁のページでは、2026年9月30日までに受け付けた申請は改定前の6,000円、それ以降の窓口の申請は許可期間に応じて10,000円から75,000円とされています。許可される期間は申請の時点では分からないので、案内では「許可期間に応じて」と書き、表をそのまま添えます。

Step3

データの取得方法を決める

対象者は、Google Sheets の Search Rows で拾います。 顧客台帳に「案内日」の列を計算で持たせておき、案内日がその週の月曜から日曜までに入る行を探します。案内日の計算は台帳の側の式で行い、満了日を直せば案内日も変わるようにします。

除く条件は、状態の列で見ます。

状態扱い
申請中案内しない。前回の申請が処分待ちの人
帰国予定案内しない。取次で申請するときも本人が日本に滞在している必要がある
変更の相談中案内しない。行政書士に回す
案内済み(今期)二重に案内しない
空欄案内する

2行目の帰国予定の扱いは、出入国在留管理庁のページの留意事項によります。 取次者が申請を出すときは、本人は出頭を要しないものの、日本に滞在していることが必要とされています。帰国の予定がある人に通常の案内を出すと、申請の時期と帰国が重なることがあります。

1人ずつの材料は、Iterator で1人ずつに分けてから引きます。 必要書類の表は在留資格と区分で、料金表は全体を、面談の空き枠は担当の行政書士で Search Rows を使って引きます。空き枠は、その週から3週間先までのうち、早い順に3つを取ります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 在留期間の長さで案内の時期の決まりを選ぶ … 6か月以上か未満かで、台帳の案内日の式を分けます
  2. 連絡先を決める … 連絡先の区分が「本人と人事の担当」なら、宛先を2つにして、それぞれの下書きを作ります
  3. 必要書類を書き分ける … 必要書類の表から、本人が用意するものと会社が用意するものに分けて渡します
  4. 言語を決める … 希望の言語が空欄なら、日本語で作り、行政書士の確認の一覧に「言語未設定」と出します
  5. 前回の追加書類を添える … 前回の手続で追加で求められた書類があれば、「前回は次の書類も求められました」として渡します
  6. 氏名以外の個人情報を落とす … 在留カードの番号、生年月日、国籍、住所はAIに渡しません

6番目は、外へ出す情報を減らすための処理です。 案内のメールに要るのは、宛名、在留資格、満了日、必要書類、料金、面談の候補日だけです。在留カードの番号や国籍は、案内の文を書くのに要りません。

5番目は、案内の質を上げるための処理です。 前回の更新で追加の資料を求められた人は、今回も同じことが起きやすく、最初から用意してもらえば、申請までの往復が1回減ります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、渡された材料だけを使って、顧客の言語で案内のメールの下書きを書くことだけです。

下書きに書くこと材料
在留期間の満了日と、申請できる時期顧客台帳と、案内の時期の表
必要書類(本人が用意するもの・会社が用意するもの)必要書類の表から引いた行
前回に追加で求められた書類前回の手続の記録
事務所の報酬と手数料料金表から引いた行
面談の候補日3つと、返事の仕方面談の空き枠
出国の予定の確認決まった文(取次で申請するときも本人が日本にいる必要があること)
させないこと理由
材料に無い書類を足す在留資格ごとの書類は事務所が確かめた表で決める
手数料や報酬を自分で書く改定があった。古い額を書く恐れがある
許可の見込みを書く判断するのは出入国在留管理庁。事務所は見込みを約束しない
在留資格の変更が要るかを書く行政書士が個別の事情を聞いて判断する
満了日を過ぎても大丈夫と書く特例期間は申請をした場合の扱い。案内では満了日までの申請を求める

やさしい日本語の下書きは、たとえば次のような書き出しになります。

【在留期間の更新のお知らせ】
〇〇さん
あなたの在留期間は 2027年2月10日 までです。
2026年11月10日から、更新の申請ができます。
申請の前に、書類を集める必要があります。
書類のリストを下に書きました。

日付は、台帳の満了日と案内の時期の表から計算した値を、ワークフローが材料として渡します。 AIに「3か月前」を計算させないのは、月末の日付の数え方で1日ずれることがあるからです。

5行目は、書かせると顧客が誤って受け取る行です。 出入国在留管理庁のページでは、在留期間の満了日までに更新の申請をして処分がされないときは、処分がされる時か満了日から2か月が経過する日が終了する時のいずれか早い時まで、従前の在留資格で在留できるとされています。これは申請をした場合の扱いで、申請を遅らせてよいという意味ではありません。 案内では触れず、聞かれたら行政書士が説明します。

Step6

指示内容を固定する

あなたは行政書士事務所の職員として、在留期間の更新の時期が来た
顧客へ、案内のメールの下書きを書きます。
渡された材料だけを使い、材料に無いことは書かないでください。

【書くこと】
1. 宛名と、在留期間の満了日。申請できる時期({apply_window})。
2. 必要書類。「ご本人に用意していただくもの」と「会社に用意して
   いただくもの」に分け、材料の表の順に、材料の書類名をそのまま
   使ってください。
3. 前回に追加で求められた書類があれば、「前回は次の書類も
   求められました」として書いてください。
4. 事務所の報酬と手数料。料金表の行をそのまま表にしてください。
   手数料は「許可される在留期間に応じて」と書き、表を添えて
   ください。
5. 面談の候補日3つと、都合のよい日を返信で知らせてほしいこと。
6. 次の文をそのまま入れてください:{fixed_departure_note}

【言語】{language}(ja / easy_ja / en)
- easy_ja のときは、短い文で、漢字にふりがなを付けず、
  1文に1つのことだけを書いてください。
- en のときは、書類名は材料の英語の列をそのまま使ってください。

【厳守事項】
- 材料に無い書類、金額、日付を書かないでください。
- 手数料の額を自分の知識で書かないでください。
- 許可される見込みや、許可までの日数を書かないでください。
- 在留資格の変更が要るかどうかを書かないでください。
- 満了日を過ぎても在留できる、と読める文を書かないでください。
- 材料が足りず書けない項目があれば、本文に書かず、
  missing に項目名を入れてください。

【材料】
顧客:{customer} 必要書類:{documents} 料金:{fees}
面談の空き枠:{slots} 前回の追加書類:{prev_extra}

「手数料の額を自分の知識で書かない」を、「材料に無い金額を書かない」と別に書いているのは、二重に縛るためです。 手数料は広く知られた額があり、材料の表を添えても、本文の説明で知っている額を書き足すことがあります。改定の直後は、知っている額のほうが古いのです。

missing を本文と分けるのは、書けない項目を空欄のまま行政書士に見せるためです。 書けないときに、それらしい文で埋めさせないようにします。

Step7

出力形式を固定する

Make an API Call で Claude の Messages API を呼び、構造化出力で次の形のJSONを受け取ります。 Claude API の構造化出力は、output_config.format に type: "json_schema" でスキーマを渡す形で一般提供されています。language や recipient_type を enum で絞れば、決まった値以外が返ってきません。 本文の文章は body の1項目に入れ、ほかの項目は照合のために使います。

{
  "customer_id": "",
  "recipient_type": "applicant | employer_hr",
  "language": "ja | easy_ja | en",
  "subject": "",
  "body": "",
  "documents_listed": ["必要書類の表の書類名"],
  "fee_rows_listed": ["料金表の行のキー"],
  "slots_offered": ["面談の空き枠のID"],
  "missing": []
}

1つ目の理由は、documents_listed で書類の書き漏れと書き足しを照らせることです。 ワークフローは、documents_listed が必要書類の表から引いた行と同じかを確かめます。表に無い書類が入っていれば、AIが書き足したということです。 下書きは作らず、行政書士に回します。

2つ目は、fee_rows_listed と slots_offered で、料金と日程が材料どおりかを確かめられることです。 本文の中の金額と日時も、料金表と空き枠の値と文字で照らします。一致しない数字が本文にあれば、下書きに「要確認」の印を付けます。

3つ目は、missing で材料の不足が分かることです。 必要書類の表にその在留資格の行が無い、面談の空き枠が足りないといった不足は、AIの誤りではなく、表の整備の問題です。 案内の記録に残し、月に1回まとめて表を直します。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
顧客台帳Google Sheets の Search Rows案内の時期に入った人を拾う
必要書類の表・料金表・面談の空き枠Search Rows/Get Range Values1人ずつの材料を引く
Claude APIAnthropic Claude の Make an API Call(構造化出力)案内の下書き
共有メールボックスGmail の Create a draft email下書きを作る
案内の記録Add a Row案内日、宛先、下書きのID、照合の結果
顧客台帳Update a Row状態を「案内済み(今期)」にする

顧客台帳への書き込みは、状態の列だけです。 満了日や在留資格は、許可の結果を見た職員が直します。ワークフローが台帳の中身を書き換えると、誤りが次の更新まで残ります。

面談の予定表には書き込みません。 候補日を示すだけで、顧客から返事が来てから職員が予定に入れます。示した枠が他の顧客に埋まることもあるので、案内には「ご返信の順に確定します」と書きます。

Step9

人が確認する

人が見るのは、すべての下書きです。 行政書士は、1件ずつ次を確かめて送ります。

  1. この人は更新でよいか … 転職、離婚、所属先の変更など、台帳に無い事情を知っていれば、更新ではなく変更の相談に切り替えます
  2. 必要書類が合っているか … 照合の結果に「要確認」の印があれば、本文と必要書類の表を見比べます
  3. 料金と日程が合っているか … 本文の数字と表を見比べます
  4. 言語と宛先が合っているか … 人事の担当と本人の両方に送る顧客は、2通の書き分けを見ます

1番目は、この構成で唯一、台帳から分からない判断です。 案内のメールが「更新の時期です」と書けば、顧客は更新で済むと受け取ります。事情が変わっている人には、更新の案内ではなく、面談で事情を聞く案内を出します。

行政書士が直した箇所は、案内の記録に残します。 同じ在留資格で同じ書類の説明を何度も直しているなら、直すべきは指示ではなく必要書類の表の書類名か説明の列です。 月に1回、直した記録を見て表を直します。

目標は、60件をならして1件5分です。 印の無い下書きは読み通して送るだけで数分、印のある下書きや事情の確認が要る人は10分を超えます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
必要書類の表にその在留資格の行が無い下書きを作らず missing に記録し、行政書士に回す
料金表の改定日が今日より後改定前と改定後の両方を示す必要があるかを行政書士が決める。自動では下書きを作らない
面談の空き枠が3つ取れない取れた分だけ示し、「別の日をご希望の場合は」と書く
満了日がすでに申請期間に入っている案内の時期を過ぎている。下書きの件名に「至急」を付け、行政書士の一覧の先頭に出す
満了日が空欄・日付でない台帳の誤り。案内せず担当者へ
希望の言語が空欄日本語で作り、「言語未設定」と出す
下書きに表に無い書類や金額がある下書きに「要確認」の印。行政書士が直す
宛先のメールアドレスが空欄下書きを作らず、電話での連絡の一覧に入れる
家族の満了日が近い(同じ世帯で家族滞在など)世帯の番号でまとめ、1通の案内に家族の分の書類を並べる。 別々に届くと、家族の分だけ遅れる
顧客から「もう別の事務所に頼んだ」と返事が来た状態を「他所で対応」にし、以後の再案内を止める
Claude API が応答しない状態を変えずに残し、翌日に再び処理する

4行目は、運用を始めた最初の週に必ず出ます。 これまでの案内の漏れで、すでに申請期間に入っている人が台帳に残っているからです。最初の実行の前に、満了日まで3か月を切った人を一覧にして、先に電話で連絡しておきます。

Step11

記録を残す

  • 実行の日時と、拾った人の数、除いた人の数と理由
  • 1人ごとの材料(引いた必要書類の行、料金表の行と改定日、面談の空き枠)
  • AIの応答のJSONの全文と、照合の結果(書類・金額・日時)
  • 行政書士が下書きを直した記録 … どこを、どう直したか
  • 送った日時と、返事の有無、面談の確定日
  • 再案内と電話の記録

2つ目で料金表の改定日まで残すのは、後で額を問われたときのためです。 「案内では別の額だった」と言われたとき、どの版の表で案内したかが分からなければ、説明ができません。

04実装レベルの3段階

最小構成:材料を手でAIの画面に貼り、案内の下書きを書かせる / 1人ずつの案内の文
半自動化:上記+Make で毎週、案内の時期に入った人を拾い、材料を引いた一覧を作る / 対象者の拾い出しと材料の準備
本格構成:上記+下書きを共有メールボックスに作り、照合し、返事の無い人の再案内まで作る / 拾い出しから再案内の下書きまで

最小構成では、対象者を拾う作業が残ります。 案内の文が材料だけで書けるかを確かめる段階で、毎月60人をこの形で回すことは想定していません。 半自動化で、第4章の①と②がほぼ無くなります。 毎週、拾われた人と材料の一覧が届きます。本格構成で③と④も確認の作業に変わり、この段階が本記事の想定です。 半自動化の一覧だけでも、拾い漏れは止まります。 案内の文は職員が書きますが、誰に、いつまでに、何を案内するかが毎週そろって届くので、月初にまとめて台帳を並べ替える作業が無くなります。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を1か月回すと、必要書類の表に行の無い在留資格、言語の未設定の顧客、メールアドレスの無い顧客が分かります。そこを埋めてから下書きを足します。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
60 件
1件あたり現在時間
20 分
1件あたり導入後時間
5 分
現在  60件 × 20分 ÷ 60 = 20 時間/月
導入後 60件 × 5分 ÷ 60 = 5 時間/月
月間削減時間
15h
削減率
75%
年間削減時間
180h
年間金額換算(時間単価5,000円)
90万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 外国人の在留手続の申請取次を継続して受けている行政書士事務所で、顧客台帳に数百人から千人を超える外国人の在留期間の満了日を持ち、更新の時期が来た人への案内を、職員が台帳を見て1人ずつメールで書いている場合。顧客が企業の外国人社員と個人の両方にわたり、在留資格や希望する言語がばらばらな場合。案内の遅れで更新の依頼を他の事務所に移されたことがある場合。
向いていない
  1. 顧客が数十人で、満了日の管理と案内を行政書士が自分で回せている場合。顧客台帳に満了日・在留資格・連絡先がそろっておらず、まず台帳の整備が要る場合。顧客の情報を外部のAIサービスで扱うことについて、顧客や所属機関の了解が得られていない場合。なお、更新が許可される見込みの判断、在留資格の変更が要るかの判断、個別の事情に応じた書類の追加は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 来月に案内の時期に入る人から10人を選ぶ(在留資格が違う人、英語がよい人、会社の書類が要る人を入れる)
  2. 必要書類の表と料金表から、その人の分を書き出す
  3. 手元のAIサービスに、氏名と在留資格と満了日、書き出した表、面談の候補日を貼り、「この材料だけを使って案内のメールを書いてください。材料に無い書類や金額を書かないでください」と指示する
  4. 出てきた下書きを、行政書士がこれまでの案内と見比べる

10人は必ず試してください。 シナリオを組む前に、「材料だけで案内が書けるのか」「材料に無いことを書き足さないか」を確かめます。 氏名は仮の名前に置き換えて試します。

出てきた内容判断
これまでの案内と同じ内容が書けたシナリオの構築に進む
材料に無い書類や手数料の額を書き足した指示の書き方で直る。照合の仕組みも必ず付ける
本人と会社の書類が混ざった必要書類の表に「誰が用意するか」の列を足す
在留資格によって書けない必要書類の表の行が足りない。表の整備が先

2行目が出ることは珍しくありません。 だからこそ本格構成では、本文の書類と金額を表と照らす仕組みを、指示とは別に置きます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
月の途中で台帳に足された人が抜ける毎週動かし、案内日を台帳の式で持つ
手数料が古い額で書かれる料金表だけを材料にし、本文の金額を表と照らす
材料に無い書類が書き足されるdocuments_listed を表と照らし、表に無ければ止める
本人に会社の書類まで頼む必要書類の表に「誰が用意するか」の列を持たせる
更新ではなく変更が要る人に案内が出る行政書士が下書きごとに事情を確かめる
帰国予定の人に通常の案内が出る状態の列で除く。案内に出国の予定の確認を入れる
満了日を過ぎても大丈夫と読める文になる特例期間に触れない。聞かれたら行政書士が説明する
面談の枠が二重に埋まる候補を示すだけにし、返信の順に確定する
最初の週に申請期間に入った人が大量に出る運用前に3か月を切った人へ先に電話する
日付が1日ずれる申請できる日の計算は台帳の式で行い、AIに計算させない
家族の案内が別々に届く世帯の番号でまとめ、1通にする

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 1行目は拾い出しの規則の問題、2行目と3行目は材料の外から書く問題で、どちらも仕組みの側で止められます。 指示の書き方をいくら工夫しても、照合の仕組みが無ければ、書き足しは見つかりません。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 外国人の顧客の氏名、在留資格、在留期間と満了日、所属先、連絡先です。顧客台帳には在留カードの番号、生年月日、国籍、住所もありますが、この構成ではAIに渡しません。

  1. 外へ出す情報を案内に要るものに絞る … AIに渡すのは、宛名、在留資格、満了日、必要書類、料金、面談の候補日だけです
  2. 顧客と所属機関に、情報の扱いを伝えておく … 委任を受けるときの説明に、案内の文の作成に外部のAIサービスを使うことを含めます。了解の無い顧客は、従来どおり職員が書きます
  3. 案内を自動で送らない … 在留資格の変更が要る人に更新の案内を出すと、顧客は誤った手続を進めます。送るのは行政書士の確認の後です
  4. 許可の見込みを書かない … 許可するかどうかは出入国在留管理庁が決めます。案内の文で見込みを約束しないでください
  5. 表の出典と改定日を残す … 必要書類と手数料は変わります。出入国在留管理庁のページを確かめた日を表に残し、改定があれば表を先に直します
  6. 人事の担当への案内に本人の事情を書かない … 企業の人事の担当に送る下書きには、会社が用意する書類と日程だけを書き、本人の家族や個人の事情に関わることは書きません

誤りが起きた場合のリスクは、案内が漏れて申請が遅れることと、誤った書類や額を伝えることの2つです。 前者は毎週の規則での拾い出しで、後者は材料の表との照合と行政書士の確認で防ぎます。どちらも、AIの文の上手さではなく、拾い方と照らし方で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:顧客台帳に列を足す

顧客台帳に「状態」「希望の言語」「連絡先の区分」「案内日」の列を足し、案内日を満了日と在留期間から計算する式を入れます。あわせて、満了日まで3か月を切った人を一覧にし、電話で先に連絡します。

2週目:必要書類の表と料金表を見直す

在留資格ごとの書類に「誰が用意するか」と英語・やさしい日本語の名前を足し、料金表に手数料の改定日を入れます。 出入国在留管理庁のページを確かめた日を表に書きます。

3週目:10人で試す

手元のAIサービスで、材料だけを使って案内を書かせます。材料に無い書類や金額を書き足していないかを最優先で見ます。

4週目:拾い出しと材料の一覧をつなぐ

Make で毎週、案内の時期に入った人を拾い、材料を引いた一覧を担当者に送るところまで作ります。この時点では下書きを作らず、拾い出しに漏れが無いかを2週間見ます。

2か月目: 下書きの作成と照合を足し、行政書士が確認して送る運用にします。3か月目以降: 再案内と電話の依頼を足し、1件20分が何分になったかを実測します。申請期間に入ってから初めて案内する顧客が0人の月が続いた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
申請期間が「在留期間の満了する日以前(6か月以上の在留期間を有する者にあっては在留期間の満了する3か月前から。)」であること。取次者に届け出た行政書士が含まれ、取次の場合も本人が日本に滞在している必要があること。窓口の申請の手数料が許可期間に応じて10,000円から75,000円で、2026年9月30日までに受け付けた申請は改定前の6,000円であること。在留資格に応じた申請書と資料を出すこと出入国在留管理庁: 在留期間更新許可申請2026-10-08
満了日までに更新の申請をして処分がされないとき、処分がされる時か満了日から2か月が経過する日が終了する時のいずれか早い時まで、従前の在留資格で在留できること出入国在留管理庁: 特例期間2026-10-08
シナリオの実行の予定(一定の間隔、毎日、平日、毎週、毎月、日を指定、必要なときだけ)Make Help: Schedule a scenario2026-10-08
Search Rows、Get Range Values、Add a Row、Update a Row の働きMake: Google Sheets modules2026-10-08
Create a draft email の項目と、フォルダを指定しなければ下書きのフォルダに入ることMake: Gmail modules2026-10-08
Anthropic Claude アプリに Create a Prompt と Make an API Call などのモジュールがあることMake: Anthropic Claude2026-10-08
Iterator が配列を1つずつのバンドルに分けることMake Help: Flow control2026-10-08
構造化出力が output_config.format と type: "json_schema" で一般提供されていること。enum が使えることClaude Docs: Structured outputs2026-10-08

更新でよいか、在留資格の変更が要るか、どの書類を足すかは、行政書士が顧客の事情を聞いて判断してください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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