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古書店が買い取った古書の状態のメモから、Claude で目録と通販サイトの説明文を書き、状態の書き漏れと言い過ぎを照らす

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

買い取った古書の書誌と、査定のときに残した状態のメモから、店の様式にそろえた目録の記述と、通販サイトの説明文の下書きを作ります。欠点の書き漏れと、メモに無い言い過ぎはプログラムが照らします。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Google Apps Script/Python
対象業界
EC/その他/小売
対象部門
マーケティング/営業
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
属人化している/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
AIで行う処理
生成
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
24h/月
想定削減
60%
年間削減
432h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 査定した人が、台帳に書誌と状態のメモを入れる
  2. 担当者が台帳から1冊ずつ開き、書誌を確かめる(刊行年、版と刷、叢書名)
  3. 状態のメモを、店の言い回しで目録の記述に直す
  4. 通販サイトの説明文を書く。内容の紹介は、奥付や目次を見て書くこともある
  5. 総合目録サイトの出品の画面と、自社の通販サイトの画面に、それぞれ入れる
  6. 冊子の目録の時期には、目録用の記述を別に集める
導入後(After)
  1. 人査定した人が、台帳に書誌と状態のメモを入れる(いまと同じ)
  2. 人担当者が、説明文を作る本に「説明待ち」の印を付ける
  3. 自動1時間ごとに処理が動き、「説明待ち」の本の書誌と状態のメモを読む
  4. 自動状態のメモの語を、店の用語集の見出し語に寄せる
  5. 自動Claude API が目録の記述と通販の説明文の下書きを返す
  6. 自動プログラムが、メモの語の書き漏れ、メモに無い強い言葉、書誌の数字の食い違いを照らす
  7. 人担当者が下書きと照合の結果を見て直し、承認する
  8. 【人/自動】 承認された記述と説明文を、2つの画面に入れる(通販サイトは書き出したファイルで取り込む)
各工程の詳しい説明を読む
  1. 査定した人が、台帳に書誌と状態のメモを入れる
  2. 担当者が台帳から1冊ずつ開き、書誌を確かめる(刊行年、版と刷、叢書名)
  3. 状態のメモを、店の言い回しで目録の記述に直す
  4. 通販サイトの説明文を書く。内容の紹介は、奥付や目次を見て書くこともある
  5. 総合目録サイトの出品の画面と、自社の通販サイトの画面に、それぞれ入れる
  6. 冊子の目録の時期には、目録用の記述を別に集める

(a)状態の語が、担当者ごとに違う。 同じヤケでも、ある担当は「経年ヤケ」、別の担当は「焼け少」、もう一人は「日焼けあり」と書きます。お客から見ると、同じ店の中で程度の基準が分かりません。 店の用語集はありますが、忙しい月には誰も開きません。

(b)欠点が説明文から落ちる。 メモには「見返し蔵書印」「p.45-60線引き」とあるのに、説明文では内容の紹介を丁寧に書くうちに、欠点の1つが抜けます。 抜けるのはたいてい、メモの最後のほうに書かれた語です。

(c)言い過ぎが入る。 説明文を魅力的にしようとして、「美本」「稀少」「初版」と書き添えることがあります。初版かどうかは奥付で確かめた人だけが分かります。 刷の表記を見落として「初版」と書くと、値段の根拠が変わります。

(d)2つの画面に別々に入れる。 目録の記述と通販の説明文で、同じ本の状態の書き方が食い違うことがあります。片方だけ直して、もう片方が古いまま残ります。

(e)揃いの本は、巻ごとの差が書ききれない。 全集や叢書の揃いは、巻によって函の有無やシミの程度が違います。査定のメモは巻ごとに書かれていても、説明文では「全体に経年のヤケ・シミあり」とまとめがちです。まとめた説明文で売った揃いは、届いたお客が1冊ずつ開いて、書かれていない欠点を見つけます。 揃いの値段は高いことが多く、返品の痛手も大きくなります。

  1. 【人】 査定した人が、台帳に書誌と状態のメモを入れる(いまと同じ)
  2. 【人】 担当者が、説明文を作る本に「説明待ち」の印を付ける
  3. 【自動】 1時間ごとに処理が動き、「説明待ち」の本の書誌と状態のメモを読む
  4. 【自動】 状態のメモの語を、店の用語集の見出し語に寄せる
  5. 【自動】 Claude API が目録の記述と通販の説明文の下書きを返す
  6. 【自動】 プログラムが、メモの語の書き漏れ、メモに無い強い言葉、書誌の数字の食い違いを照らす
  7. 【人】 担当者が下書きと照合の結果を見て直し、承認する
  8. 【人/自動】 承認された記述と説明文を、2つの画面に入れる(通販サイトは書き出したファイルで取り込む)

4番目をAIより前に置くのが、この設計の要です。 メモの語を用語集の見出し語に寄せておくと、照合のときに「メモの語が説明文に出ているか」を機械的に確かめられます。 AIに寄せさせると、寄せたのか書き漏らしたのかが区別できません。

7番目は全件で残します。 説明文は値段と一緒にお客へ届く店の約束です。照合で印の無い本も、担当者が本の写真と並べて読み、承認します。

02今回想定するシステム構成

構成図
査定した人 ── 書誌と状態のメモを台帳へ
   ▼
在庫の台帳(説明待ちの印)
   ▼【トリガー】1時間ごと
Python の処理
   ├── 書誌と状態のメモを読む
   ├── 状態の語を用語集の見出し語に寄せる(寄せられない語は印)
   ▼
Claude API(構造化出力)
   │   目録の記述(店の様式)
   │   通販の説明文(内容の紹介+状態の説明)
   ▼
Python ── 状態の語の書き漏れ、メモに無い強い言葉、書誌の数字の照合
   ▼
【人】担当者が写真と並べて確認・修正・承認
   ├──▶ 総合目録サイトの出品の画面
   └──▶ 自社の通販サイト(書き出したファイルで取り込み)
役割想定する製品代替候補
処理Claude API(書誌と状態のメモから、目録の記述と説明文を構造化出力で返す)OpenAI API、Gemini API
集計Python(台帳の読み取り、用語の寄せ、書き漏れと言い過ぎの照合、取り込み用のファイルの作成)Google Apps Script
保管在庫の台帳と店の用語集-

新しく足すのは、Python の処理と Claude API の契約、それに用語集を表にすることです。 用語集は、状態の見出し語(例:「ヤケ」)、言い換えとして許す語(「焼け」「日焼け」)、程度の語(「少」「やや」「強」)、説明文に必ず出す語かの印を持つ表にします。

出力は構造化出力で受けます。 output_config.format に type: "json_schema" とスキーマを渡すと、スキーマに合ったJSONが返ります。公式の案内では、文字列の minLength・maxLength には対応しないとされているので、目録の記述の字数はプログラムの側で数えます。

用語集と指示文は、プロンプトキャッシュで使い回します。 1時間ごとの処理で数十冊を続けて作るとき、毎回同じ用語集を送ります。cache_control を付けると既定で5分間キャッシュが残り、使うたびに延びます。用語集と指示文を前に、本ごとの書誌とメモを後ろに置きます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

1時間ごとに、台帳の「説明待ち」の印が付いた本を拾います。 出張買い取りの後は一度に数百冊が説明待ちになるため、1回の処理で扱う冊数に上限(例:50冊)を置き、残りは次の回に回します。 担当者が確認しきれない数の下書きを一度に作っても、確認の待ちが積み上がるだけです。

印を付けるのは担当者です。査定した人がメモを入れただけでは、処理は動きません。 査定の直後はメモが途中のことがあり、担当者が「メモがそろった」と判断してから印を付けます。

特に高い値を付ける本(例:1冊3万円以上)は、印を付けても下書きを作らず、店主が書く一覧に回します。 値段の根拠を説明文で示す本は、店主の言葉で書くほうが確かだからです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
書誌書名、副題、著者、訳者、出版社、刊行年、版と刷、叢書名、冊数、判型在庫の台帳
状態のメモ帯、函、カバー、ヤケ、シミ、イタミ、書き込み、線引き、蔵書印、署名、付録の有無在庫の台帳
確かめ済みの印「版と刷を奥付で確認」「署名を店主が確認」の印在庫の台帳
内容の手がかり目次の写し、帯の文句(担当者が入れた場合だけ)在庫の台帳
用語集見出し語、言い換えの語、程度の語、必ず出す語の印店の用語集の表
店の様式目録の記述の並び順と、説明文の構成店の手引き

質を決めるのは、確かめ済みの印です。 「初版」と書いてよいのは、「版と刷を奥付で確認」の印が付いている本だけです。印が無ければ、台帳の版の欄に「初版」と入っていても、説明文では「初版」と書かせません。 台帳の版の欄は、査定の段階で見込みで入れることがあるからです。

本の写真はAIに渡しません。 写真から状態を読ませると、メモと写真のどちらが根拠かが分からなくなり、照合ができません。写真は担当者が確認の画面で見比べるためだけに使います。 状態の根拠は、査定した人が本を手に取って書いたメモの一本にそろえます。

内容の紹介の材料は、担当者が入れた目次や帯の文句だけにします。 AIの知識で本の内容を紹介させると、同じ書名の別の本の話や、別の版の内容が混ざります。 材料が無い本は、内容の紹介を書かずに状態の説明だけにします。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
説明待ちの本在庫の台帳印の付いた行を、上限の冊数まで古い順に
書誌と状態のメモ在庫の台帳在庫番号で引く
確かめ済みの印在庫の台帳版・署名・限定番号の確認の列
用語集店の用語集の表処理の開始時に1回読み、版の番号を控える
店の様式店の手引き目録の並び順の定義を読む

台帳の書き込みは、処理の開始時に「作成中」の印に変えます。 次の回の処理と同じ本を二重に拾わないためです。下書きが返ったら「確認待ち」、承認されたら「掲載済み」に変えます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 状態の語を区切る … 「函ヤケ 見返し蔵書印 天シミ少」を、空白と記号で語に分けます
  2. 用語集の見出し語に寄せる … 「焼け」「日焼け」は「ヤケ」に、「線引」「傍線」は「線引き」に寄せます
  3. 寄せられない語に印を付ける … 用語集に無い語(「水濡れ跡」など)はそのまま残し、確認の画面で黄色にします
  4. 場所と程度を分ける … 「函ヤケ」は場所「函」と状態「ヤケ」、「天シミ少」は場所「天」、状態「シミ」、程度「少」に分けます
  5. 「なし」の語を分ける … 「書込なし」は欠点ではなく、書き込みが無いことの記録です。説明文に「書き込みなし」と書くための語として扱います
  6. 書誌の数字を取り出しておく … 刊行年、刷、冊数、ページ数は、照合のためにプログラムが控えます

4番目で場所を分けるのは、古書の状態は場所で意味が変わるからです。 カバーのヤケと本文のヤケでは、お客の受け止め方がまったく違います。場所を落として「ヤケあり」とだけ書くと、本文まで焼けた本だと思われます。

5番目を分けないと、照合が逆に働きます。 「書込なし」を欠点の語として扱うと、説明文に「書き込みなし」と出たとき、欠点が書かれたと数えてしまいます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、寄せた状態の語と書誌を、店の様式の文章にすることです。

出すもの中身決まり
目録の記述書名/著者/出版社/刊行年/版/状態を店の並び順で状態は用語集の見出し語と程度の語だけで書く
説明文の内容の紹介目次や帯の文句から2〜3文材料が無ければ書かない
説明文の状態の説明場所ごとに状態を文章にする寄せた語をすべて使う。言い換えは用語集の範囲
使った語の一覧説明文で使った状態の語と、その元になったメモの語照合に使う
確認の要る点用語集に無い語、矛盾するメモ(「美本」と「シミ」が同時にあるなど)担当者への申し送り

「使った語の一覧」を返させるのは、照合を確実にするためです。 プログラムは説明文の文字列を探すだけでなく、AIが申告した対応と、実際に説明文に出ている語の両方を見ます。申告にあって本文に無い語、本文にあって申告に無い語は、どちらも印にします。

させないこと理由
確かめ済みの印が無いのに「初版」「署名入り」「限定」と書く値段の根拠になる言葉で、確かめた人しか書けない
「美本」「極美」「稀少」「入手困難」を書く店の基準で店主が付ける評価で、文章の飾りにしない
メモに無い状態を書き足す、程度を変える「シミ少」を「シミなし」や「やや」に変えない
本の内容をAIの知識で紹介する同名の別の本や別の版の話が混ざる
値段や相場に触れる値付けは店の判断
著者の経歴や逸話を書く確かめていない話が店の説明として残る

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 台帳の版の欄に「初版」と入っていると、AIはそれを書きます。だから「確かめ済みの印が無ければ書かない」を、版の欄の値より優先させます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは古書店の目録担当を補助し、買い取った古書の記述と説明文の下書きを作ります。
渡された書誌と状態の語だけを材料にしてください。本を見ていないことを前提にします。

【作るもの】
1. 目録の記述(店の様式の並び順:書名/著者/出版社/刊行年/版/状態)
2. 通販の説明文
   a) 内容の紹介(目次・帯の文句が渡された場合だけ、2〜3文)
   b) 状態の説明(場所ごとに文章で)
3. 使った語の一覧(説明文で使った状態の語と、元の語の対応)
4. 確認の要る点

【厳守事項】
- 状態の語は、渡された語をすべて使ってください。1つも省かないでください。
  「なし」の語(書込なし など)も、「書き込みはありません」の形で書いてください。
- 状態の言い換えは、用語集の言い換えの語の範囲だけにしてください。
  程度の語(少・やや・強)を変えないでください。
- 渡されていない状態を書き足さないでください。
- 「初版」「署名」「限定」「識語」は、確かめ済みの印がある場合だけ書いてください。
  台帳の版の欄に初版とあっても、印が無ければ版は「刊行年のみ」で書いてください。
- 「美本」「極美」「稀少」「入手困難」「貴重」「良好」は使わないでください。
- 内容の紹介は、渡された目次・帯の文句に書かれていることだけで書いてください。
  材料が無ければ空にしてください。著者の経歴や作品の評価は書かないでください。
- 値段、相場、ほかの店との比較に触れないでください。
- 状態の語どうしが矛盾する場合(美本 と シミ など)は、文章にせず、
  確認の要る点に書いてください。
- 刊行年・刷・冊数などの数字は、書誌のとおりに写し、計算や換算をしないでください。

【店の様式】{format}
【用語集】{glossary}
【書誌】{bibliography}
【確かめ済みの印】{verified}
【状態の語(場所・状態・程度に分けたもの)】{conditions}
【内容の手がかり】{content_hints}

「1つも省かない」と「書き足さない」を、並べて書いています。 片方だけでは、もう片方の失敗が増えます。省くなと言うと、それらしく補いたくなり、足すなと言うと、言いにくい欠点を落とします。

「良好」を禁止の語に入れているのは、状態を一言でまとめる語だからです。 「全体に良好」と書いた後に「天シミ少」が続くと、お客は欠点を軽く読みます。 店の基準で状態を評価する言葉は、店主が付ける欄に分けます。

Step7

出力形式を固定する

次の形のJSONで受け取ります。

{
  "stock_no": "K-26-10-0384",
  "catalog_entry": "",
  "description": {
    "content": "",
    "condition": [
      { "part": "函", "text": "函にヤケがあります。", "terms": ["ヤケ"] },
      { "part": "見返し", "text": "", "terms": ["蔵書印"] }
    ]
  },
  "terms_used": [
    { "source": "函ヤケ", "used": "函にヤケ" }
  ],
  "restricted_words_used": [],
  "notes_for_staff": [
    { "type": "conflict | unknown_term | missing_hint", "text": "" }
  ]
}

1つ目の理由は、状態の説明を場所ごとに分けて受け取れることです。 condition の要素ごとに part と terms があり、プログラムは前処理で分けた場所と語の組と1対1で照らせます。組が1つでも欠けていれば、書き漏れです。

2つ目は、restricted_words_used を自己申告させることです。 禁止の語を使った場合に空でなくなる欄で、プログラムの検出とあわせて二重に見ます。申告が空でも、プログラムが本文から見つければ印を付けます。

照合方法印が付いたとき
書き漏れ前処理の場所と語の組が、condition にすべてあるか赤。担当者が書き足す
書き足しcondition にあって、メモに無い語赤。消すか、本を見て確かめる
程度「少」「やや」「強」が変わっていないか赤
禁止の語本文に「初版」「美本」「稀少」などがあるか(確かめ済みの印がある語を除く)赤
書誌の数字刊行年・刷・冊数が台帳と一致するか黄
字数目録の記述が店の上限に収まるか黄

照合が赤の本は、担当者の確認の画面で先頭に並べます。 黄は、担当者が読みながら確かめれば足ります。

1冊分の流れを例で示します。 状態のメモが「函 函ヤケ 帯なし 見返し蔵書印 天シミ少 書込なし」、確かめ済みの印は無く、台帳の版の欄に「初版」と入っている本です。

段階中身
前処理で分けた組函(有)/函・ヤケ/帯(無)/見返し・蔵書印/天・シミ・少/書き込み(無)
目録の記述の下書き書名/著者/出版社/刊行年/函 函ヤケ 帯欠 見返し蔵書印 天シミ少
状態の説明の下書き函付きです。函にヤケがあります。帯はありません。見返しに蔵書印があります。天に少しシミがあります。書き込みはありません。
照合の結果6組すべてあり。版は「刊行年のみ」で書かれ、確認の要る点に「版の確認」

最後の行の「版の確認」が、この例の要点です。 台帳の版の欄の「初版」は説明文に出ず、担当者に回ります。担当者が奥付を見て確かめ、印を付ければ、次の回の下書きで「初版」と書かれます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
在庫の台帳読み取りと状態の書き換え説明待ちの本を拾い、作成中・確認待ち・掲載済みに変える
用語集の表読み取り見出し語・言い換え・程度・必ず出す語
Claude APIAPI呼び出し目録の記述と説明文の下書き
確認の画面書き込み下書きと照合の結果を本ごとに並べる
総合目録サイト承認後に担当者が入力目録の記述
自社の通販サイト承認後に書き出したファイルで取り込み説明文

総合目録サイトへの入力は、担当者が行います。 出品の画面の仕様は運営者の決まりに従うもので、自動で書き込む仕組みは、運営者が用意している方法を確かめてからにします。本記事では、承認した記述を画面に貼る運用を想定します。

自社の通販サイトには、通販の仕組みが用意している商品の一括取り込みのファイルで入れます。 書き出す列は、在庫番号、商品名、説明文、値段です。値段は台帳の値をそのまま写し、AIの出力からは取りません。

通販サイトの表示には、古物商の許可の事項を載せておきます。 古物営業法では、古物商は原則として、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号を、インターネットで公衆の閲覧に供しなければならないとされています。これは説明文ではなく、サイトの側で常に表示する事項です。 AIに書かせる範囲ではありません。

Step9

人が確認する

担当者は、360冊すべての下書きを承認します。 本の写真を横に並べ、説明文と見比べます。

  1. 赤の印を先に直す … 書き漏れは書き足し、書き足しは本を見て確かめます。本を手に取って確かめるのは、この印の本だけです
  2. 確認の要る点を読む … 用語集に無い語、矛盾するメモ。用語集に足すか、メモを直すかを決めます
  3. 内容の紹介を読む … 目次や帯の文句から外れた文が無いかを見ます
  4. 写真と見比べて承認する … 写真で分かる帯・函・カバーの有無が説明文と合っているかを見ます

1番目で、本を手に取る冊数を絞ります。 これまでは迷うたびに本を探しに行っていましたが、赤の印が無い本は、写真とメモで確認を終えられます。

目標は、360冊をならして1冊4分です。 赤の印の無い本は2〜3分で承認でき、本を手に取る本に時間を使います。赤の印が全体の3割を超える月は、査定のメモの書き方がばらついているか、用語集に足りない語があります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
状態のメモが空下書きを作らず、査定した人へ差し戻す
用語集に無い語が3つ以上ある下書きは作るが、全体を黄にして用語集の見直しに回す
確かめ済みの印が無いのに台帳の版の欄が初版版を刊行年で書き、確認の要る点に「版の確認」を入れる
端本(揃いの一部)の冊数が書誌と合わない冊数を写さず、確認の要る点に回す
全集・揃いで1冊ずつ状態が違う巻ごとのメモを分けて渡し、状態の説明を巻ごとに書かせる
応答がスキーマに合わない・途中で切れるstop_reason を見て、max_tokens なら上限を上げて再実行。2回失敗で人へ
応答が拒否で終わるstop_reason: "refusal" のときは再実行せず、担当者が書く
高い値の本下書きを作らず、店主の一覧へ

5行目が、古書店らしい例外です。 揃いの本は、巻によって函の有無やシミの程度が違います。1冊分のメモにまとめて渡すと、どの巻の欠点かが説明文から消えます。 巻ごとに分けて渡し、照合も巻ごとに行います。

構造化出力の公式の案内では、拒否のときや max_tokens で切れたときは、出力がスキーマに合わないことがあるとされています。どちらも、そのまま照合に流しません。

Step11

記録を残す

  • 本ごとに、渡した書誌と状態の語、確かめ済みの印、用語集の版
  • Claude API の応答の全文と、指示文の版
  • 照合の結果(印の種類と、対象の語)
  • 担当者が直した差分 … どの語を足し、どの語を消したか
  • 承認した担当者と日時、2つの画面に入れた日時
  • お客からの状態についての問い合わせ・返品と、その本の説明文の版

4つ目は、用語集と指示文を直す材料になります。 担当者が毎月同じ言い換えを直しているなら、用語集の言い換えの語が足りていません。

最後の行がいちばん大事です。 返品の理由が「説明に無い書き込み」なら、その本の状態のメモにその語があったか、なかったかをたどれます。あったなら照合の仕組みの問題、なかったなら査定のメモの問題です。直す場所が分かれます。

04実装レベルの3段階

最小構成:書誌とメモを手でAIの画面に貼り、説明文を作らせる / 1冊ずつの下書き
半自動化:上記+Python で台帳から読み、API で下書きを一覧に書き出す / 台帳の読み取りと下書きの一覧化
本格構成:上記+用語の寄せ、書き漏れと言い過ぎの照合、台帳の状態の書き換え、通販サイトへの取り込みのファイル / 説明文の作成と照合の全体

最小構成では360冊に届きません。 1冊ずつ貼るので、確かめるための段階です。 半自動化で、1冊10分が6分程度になります。 下書きは自動で出ますが、書き漏れの確認を人が1語ずつ行うため、③と④が残ります。本格構成で4分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、書き漏れと言い過ぎの照合がプログラムに移るからです。 半自動化の1か月で、用語集を育ててください。 下書きの一覧を見ると、用語集に無い語と、担当者が毎回直す言い換えが並びます。用語集に足してから照合を入れるほうが、赤の印の空振りが減ります。 本格構成に進んでも、高い値の本は店主の一覧に残します。 自動化の範囲を広げるときに迷うのはここですが、値段の根拠を示す説明文は、初版や署名の確かめと切り離せません。照合で守れるのは「メモにあることを漏らさない」「メモに無いことを足さない」までで、メモそのものの確かさは守れません。 その確かさが値段を左右する本は、人が書く側に置いたままにします。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
360 件
1件あたり現在時間
10 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  360件 × 10分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 360件 × 4分 ÷ 60 = 24 時間/月
月間削減時間
36h
削減率
60%
年間削減時間
432h
年間金額換算(時間単価2,500円)
108万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 文学書・人文書・美術書・郷土資料などを1冊ずつ値付けして、店頭と通販サイトの両方で売る古書店。月に数百冊の目録の記述と説明文を書いていて、状態の書き方が担当者ごとに違う場合。査定のときの状態のメモを台帳に文字で残している場合。お客から「説明に無い書き込みがあった」という連絡を受けたことがある場合。
向いていない
  1. 本を均一の値段でまとめて売り、1冊ずつの説明文を書かない場合。査定のときの状態のメモが残っておらず、説明文を書く人が本を手に取って一から書く場合(先にメモの残し方を決める)。月に数十冊で、担当者1名が手で書いて足りる場合。なお、初版かどうか、署名が本人のものかどうか、本の値付けの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月載せた本から30冊を選ぶ(欠点の多い本、揃いの本、初版の確認をした本を数冊ずつ入れる)
  2. 30冊の書誌と状態のメモを台帳から写し、用語集の表とあわせてテキストにまとめる
  3. 手元のAIサービスの画面に1冊分ずつ貼り、「状態の語をすべて使い、用語集の言い換えの範囲で説明文を書いてください。初版・美本・稀少などの語は使わないでください」と指示する
  4. 出てきた説明文を、実際に載せた説明文と並べ、メモの語の書き漏れがどちらに多いかを数える

数えるのは書き漏れです。 文章の良し悪しは後から直せますが、書き漏れは返品になります。禁止の語が出た回数もあわせて数えます。

出てきた内容判断
メモの語がすべて出ている構成は有効。 次は照合のプログラム
禁止の語が出る指示の書き方で直る。照合で必ず拾う
実際に載せた説明文のほうが書き漏れが多いこれまでの書き方を見直す材料になる
メモの語が短すぎて文章にならない査定のメモの残し方が先。 場所と程度を書く決まりを作る

30冊のうち揃いの本は、巻ごとに分けて貼ってください。 まとめて貼ると、どの巻の欠点が説明文に出たかを数えられません。数えた結果は、3週目に査定のメモの決まりを作るときの材料にします。

4行目が出たら、AIの前に査定のメモを直します。 「シミ」だけでは、どこに、どの程度あるかが分かりません。場所と程度を書く決まりは、AIを使わない場合でも説明文の質を上げます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
メモの最後のほうの欠点が落ちる場所と語の組で1対1に照らし、欠けを赤にする
「初版」が入る確かめ済みの印を版の欄より優先し、禁止の語で照らす
程度の語が変わる(少→なし)程度を前処理で分け、照合で見る
「書込なし」を欠点として数える「なし」の語を前処理で分ける
内容の紹介に別の本の話が混ざる材料を目次と帯の文句に限り、無ければ書かせない
揃いの本で巻の欠点が混ざる巻ごとにメモを分け、照合も巻ごとにする
目録の記述が長すぎる構造化出力では字数を縛れない。プログラムで数える
用語集に無い語が増え続ける確認の要る点を月に一度まとめ、用語集に足す
値段が説明文に入る値段は台帳から写し、本文の数字を照らす
総合目録サイトに自動で書き込もうとする運営者が用意する方法を確かめるまでは貼り付けで運用する

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 書き漏れは返品になり、言い過ぎは値段の根拠を変えます。照合をプログラムに持たせているかどうかで、運用に乗るかが決まります。

5行目も早く効いてきます。 古書は同じ書名で版の違う本が多く、AIの知識で内容を書かせると、手元の本と違う版の話が説明文に残ります。 材料の無い本は、状態の説明だけで載せてかまいません。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 本の書誌と状態のメモ、値段、在庫番号です。買い取りの売り主の情報は扱いません。 台帳に売り主の欄がある場合も、AIに渡す列から外します。

  1. 売り主の情報を渡さない … 古物の取引の記録は台帳の別の欄に置き、説明文の処理では読みません。出張買い取りの蔵書の旧蔵者の名前も、蔵書印の印文として書かないことを店の決まりにしておきます
  2. 言い過ぎを照合で止める … 景品表示法は、商品の品質などについて、実際のものよりも著しく優良であると示す表示を不当な表示として禁じています。「美本」「初版」「署名入り」をメモの根拠なしに書くことは、この方向の誤りです。 禁止の語の照合は、この線を守るための仕組みです
  3. 古物商の表示はサイトの側で … 古物営業法の定める事項(氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号)は、説明文ではなくサイトの表示として常に出します
  4. 説明文を自動で載せない … 全件を担当者が承認します
  5. 用語集を店の資産として管理する … 用語集の版を残し、変えた日と理由を記録します。過去の説明文の基準を後から説明できるようにします

誤りが起きた場合のリスクは、欠点を書き漏らして返品になることと、言い過ぎて実際より良い本として売ることの2つです。 前者は照合の書き漏れの印で、後者は禁止の語の印で防ぎます。どちらも、メモにある語とない語を機械で数えることから出ているので、そこだけは設計で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:用語集を表にする

3名がいま使っている状態の言い回しを、先月の説明文から拾って並べ、見出し語と言い換えの語、程度の語を決めます。 50〜80語あれば始められます。禁止の語の一覧もここで決めます。

2週目:30冊で試す

欠点の多い本、揃いの本、初版を確かめた本を入れた30冊で、手元のAIサービスに説明文を書かせます。実際に載せた説明文と並べ、書き漏れの数を比べます。

3週目:査定のメモの決まりを作る

試行で、メモの語が短すぎて文章にならなかった本を見直し、場所と程度を書く決まりを査定する人と決めます。確かめ済みの印の列を台帳に足します。

4週目:台帳から下書きの一覧までをつなぐ

Python で説明待ちの本を拾い、用語を寄せ、Claude API で下書きを作って一覧に書き出すところまで作ります。この時点では照合を入れず、担当者が一覧から手で直して載せます。

2か月目: 書き漏れと言い過ぎの照合を足し、赤と黄の印を付けた確認の画面を作ります。3か月目以降: 通販サイトへの取り込みのファイルと台帳の状態の書き換えをつなぎます。返品と問い合わせの理由を説明文の版とたどって、用語集と査定のメモの決まりを見直す流れが回り始めた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-28/最終更新:2026-10-28
確認した内容情報源確認日
構造化出力を output_config.format の json_schema で指定すること。数値の minimum・maximum、文字列の minLength・maxLength に対応しないこと。拒否のとき stop_reason: "refusal" となり、max_tokens で切れたときとあわせて出力がスキーマに合わないことがあることClaude Platform Docs: Structured outputs2026-10-28
cache_control でプロンプトキャッシュを使えること。既定の有効期間が5分で使うたびに延び、1時間の指定もできること。tools→system→messages の順で前の部分が変わると後ろが無効になることClaude Platform Docs: Prompt caching2026-10-28
景品表示法第5条第1号:商品の品質・規格その他の内容について、一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるものの禁止e-Gov 法令API: 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)2026-10-28
古物営業法第12条第2項:古物商は、国家公安委員会規則で定める場合を除き、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号を、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならないことe-Gov 法令API: 古物営業法(昭和24年法律第108号)2026-10-28

表示の適否と古物営業の手続は、所轄の警察署や専門家に確かめてください。 本記事は上記の資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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