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契約の更新が近い派遣スタッフに更新の意向を聞き、返事を「更新・条件しだい・終了」に仕分けて、派遣先への回答の期限前に担当へ回す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

契約の終了日が近い派遣スタッフに、更新の意向を確かめるメールを決まった日に送ります。届いた返事をAIが「更新・条件しだい・終了」に仕分け、派遣先への回答の期限が近いものから担当者へ回します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
人材
対象部門
人事/営業
対象業務
分類・仕分け/問い合わせ対応
主な課題
人手が足りない/属人化している/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
分類
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
90h/月
AI導入後
24h/月
想定削減
73%
年間削減
792h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 月初に、コーディネーターが派遣契約の台帳を開き、終了日が翌月・翌々月のスタッフを自分の受け持ちから拾う
  2. 1人ずつ電話をかけ、つながらなければメールかSMSで更新の意向を尋ねる
  3. 返事が来たら、台帳の備考欄に「更新希望」「時給次第」などと書く
  4. 返事が無いスタッフには、数日おいて再度連絡する
  5. 条件の希望が出たら、派遣先の担当営業にチャットで伝える
  6. 営業は、派遣先への回答の期限が近づいたところで台帳を見て、意向が分からないスタッフについてコーディネーターに聞く
  7. 意向がそろったところで、営業が派遣先へ更新の可否を回答する
導入後(After)
  1. 自動毎朝決まった時刻にワークフローが動き、派遣契約の台帳から「派遣先への回答の期限まで21日」に入ったスタッフを拾う
  2. 自動担当コーディネーターの名前で、更新の意向を尋ねるメールを送る。台帳の状態を「確認中」にする
  3. 人スタッフがメールに返事をする
  4. 自動返事の受信をきっかけに、AIが返事を「更新」「条件しだい」「終了」「読み取れない」に仕分け、条件と根拠の文を書き出す
  5. 自動体調・職場のトラブル・ハラスメントなどに触れた返事には「要配慮」の印を付ける
  6. 自動仕分けの結果で経路を分け、台帳に書き込み、担当者へ通知する
  7. 自動期限の7日前になっても返事が無いスタッフに、もう一度メールを送る。4日前になっても無ければ、担当者の電話の対象に載せる
  8. 人コーディネーターが「条件しだい」「読み取れない」「要配慮」と返事の無いスタッフだけに連絡する
  9. 人営業が台帳の意向と条件を見て、派遣先へ回答する。条件の交渉が要るものは先に派遣先と話す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 月初に、コーディネーターが派遣契約の台帳を開き、終了日が翌月・翌々月のスタッフを自分の受け持ちから拾う
  2. 1人ずつ電話をかけ、つながらなければメールかSMSで更新の意向を尋ねる
  3. 返事が来たら、台帳の備考欄に「更新希望」「時給次第」などと書く
  4. 返事が無いスタッフには、数日おいて再度連絡する
  5. 条件の希望が出たら、派遣先の担当営業にチャットで伝える
  6. 営業は、派遣先への回答の期限が近づいたところで台帳を見て、意向が分からないスタッフについてコーディネーターに聞く
  7. 意向がそろったところで、営業が派遣先へ更新の可否を回答する

(a)連絡を始める時期が、担当者ごとに違う。 月初にまとめて連絡する人もいれば、終了日の2週間前に思い出して連絡する人もいます。終了日の近さではなく、担当者の手の空き具合で順番が決まっています。

(b)返事の無いスタッフが埋もれる。 備考欄が空のスタッフは、「まだ聞いていない」のか「聞いたが返事が無い」のか、台帳からは区別がつきません。派遣先への回答の期限の前日に、営業が初めて「この人はどうなっていますか」と聞くことになります。

(c)「条件しだい」が営業に届かない。 「時給が上がるなら続けたい」と言われても、コーディネーターがそれを「更新希望」と書くか「時給次第」と書くかは人によります。更新希望とだけ書かれると、営業は条件の交渉をせずに派遣先へ回答します。 スタッフは更新後に辞めることになり、派遣先にも迷惑がかかります。

(d)記録の言葉がばらばらで、集計できない。 備考欄には「継続OK」「微妙」「要相談」と自由に書かれ、更新の見込みを数えるのに営業が1行ずつ読み直しています。

  1. 【自動】 毎朝決まった時刻にワークフローが動き、派遣契約の台帳から「派遣先への回答の期限まで21日」に入ったスタッフを拾う
  2. 【自動】 担当コーディネーターの名前で、更新の意向を尋ねるメールを送る。台帳の状態を「確認中」にする
  3. 【人】 スタッフがメールに返事をする
  4. 【自動】 返事の受信をきっかけに、AIが返事を「更新」「条件しだい」「終了」「読み取れない」に仕分け、条件と根拠の文を書き出す
  5. 【自動】 体調・職場のトラブル・ハラスメントなどに触れた返事には「要配慮」の印を付ける
  6. 【自動】 仕分けの結果で経路を分け、台帳に書き込み、担当者へ通知する
  7. 【自動】 期限の7日前になっても返事が無いスタッフに、もう一度メールを送る。4日前になっても無ければ、担当者の電話の対象に載せる
  8. 【人】 コーディネーターが「条件しだい」「読み取れない」「要配慮」と返事の無いスタッフだけに連絡する
  9. 【人】 営業が台帳の意向と条件を見て、派遣先へ回答する。条件の交渉が要るものは先に派遣先と話す

8番目が、この設計の分かれ目です。人が連絡するのは全員ではありません。 「更新」とはっきり返事をしたスタッフには、受け付けた旨の返信を送って終わりにし、迷っている人、条件のある人、返事の無い人だけに時間を使います。 全員に電話をかける運用のままでは、90.0時間はほとんど減りません。

7番目で、返事が無いことを「終了」に変えないのも意図してのことです。

02今回想定するシステム構成

構成図
派遣契約の台帳(Google スプレッドシート)
   │  終了日/派遣先への回答の期限/担当者/状態
   ▼【トリガー①】毎朝8時(スケジュール:Daily)
Make ── 回答の期限まで21日に入ったスタッフを Search Rows で拾う
   ├──▶ Gmail ── 更新の意向を尋ねるメールを送る(Send an email)
   └──▶ 台帳の状態を「確認中」に(Update a Row)

スタッフの返事(Gmail のラベル「更新確認」)
   ▼【トリガー②】新しいメール(Watch emails)
Make ── 送信元のアドレスで台帳の行を引く
   ▼
Claude API ── 返事の仕分け(更新/条件しだい/終了/読み取れない)
   │           条件の書き出し・根拠の文・要配慮の印
   ▼
ルーター
   ├─ 要配慮 ──────▶ 担当コーディネーターへ通知(自動の返信はしない)
   ├─ 条件しだい ───▶ 担当営業とコーディネーターへ通知
   ├─ 終了 ────────▶ 担当営業へ通知(後任の検討)
   ├─ 更新 ────────▶ 受け付けた旨の返信の下書き
   └─ フォールバック ▶ 読み取れない:コーディネーターの確認待ち
   ▼
台帳に意向・条件・根拠を書き込む(Update a Row)

【トリガー③】毎朝8時 ── 期限7日前の再送、4日前の電話の対象の一覧
役割想定する製品代替候補
ワークフローMakeZapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(返事の仕分けと、条件・根拠の書き出し)OpenAI API、Gemini API
台帳Google スプレッドシート(派遣契約の台帳)Microsoft Lists
メールGmailOutlook

新しく足すのは、Make のシナリオ3本と、派遣契約の台帳の列の追加だけです。 スタッフ管理システムには書き込みません。最初の準備作業は、台帳に「派遣先への回答の期限」と「状態」の列を足し、意向を書き込む列を決めることです。

毎朝の起動は、Make のスケジュールで行います。 シナリオの実行の間隔は、一定の間隔、1回だけ、毎日、平日(月〜金)、毎週、毎月、指定した日、手動から選べるとされ、毎日を選ぶと1日のうちに複数の実行時刻を決められます。 本記事では、朝8時の1回で足ります。

メールの送受信は、Make の Gmail のモジュールで行います。 Watch emails は新しいメールの受信で動き、送信元や件名、Gmail の検索の書き方で絞り込めます。1回の実行で扱う件数の上限は500件以下とされています。送るのは Send an email、下書きは Create a draft email です。

台帳とのやり取りは、Google Sheets の Search Rows と Update a Row で行います。 Search Rows は日付・数値・文字列の型で絞り込めます。

振り分けには、Make のルーターを使います。 ルーターの経路は並行ではなく順に処理され、前の経路が終わるまで次の経路は処理されません。 どの経路の条件にも合わないデータはフォールバックの経路で受けられます。要配慮の経路を先頭に置き、自動の返信を作る経路より先に処理させます。

生成AIの呼び出しは、Make の Anthropic Claude のアプリで行います。 生成のモジュールの Create a Prompt と、任意の API を呼ぶ Make an API Call があり、接続には Anthropic のコンソールで発行した API キーを使います。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

トリガーは3つに分けます。 送る、受ける、追いかける、の3つです。1本のシナリオにまとめると、返事の受信を待つあいだに送信が止まり、どこで止まったかが分かりにくくなります。

トリガーきっかけすること
① 送信毎朝8時(Daily)期限まで21日に入ったスタッフにメールを送る
② 受信新しいメール(Watch emails)返事を仕分けて台帳に書く
③ 追跡毎朝8時(Daily)期限7日前の再送と、4日前の電話の対象の一覧

起点を終了日ではなく、派遣先への回答の期限に置きます。 終了日から一律に逆算すると、「45日前まで」を求める派遣先の分だけ連絡が遅れます。台帳の期限の列から21日前を求め、そこを起点にします。 受信のトリガーは、専用のラベルに入ったメールだけを見ます。 意向を尋ねるメールの件名に決まった語を入れ、Gmail のフィルタでその件名への返信にラベルを付けておきます。ラベルの外のメールには、この構成は触れません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
派遣契約の行スタッフ番号、氏名、メールアドレス、派遣先、職種、契約の終了日、派遣先への回答の期限、更新の回数、担当コーディネーター、担当営業、状態派遣契約の台帳
スタッフの返事本文、受信日時、送信元のアドレス、引用部分Gmail(ラベル「更新確認」)
前回の意向前回の更新時の意向と条件派遣契約の台帳(意向の履歴の列)
送った文面こちらが送った問いの文面Make のシナリオに持たせた定型文

質を決めるのは、いちばん上の行の「状態」の列です。 「未送信」「確認中」「再送済み」「電話対象」「回答済み」の5つの値を決め、シナリオはこの列だけを見て動きます。状態を持たないと、同じスタッフに毎朝メールが届きます。

前回の意向は、仕分けの材料ではなく、担当者が読むために持ちます。 前回も「時給しだい」と言っていたスタッフなら、営業は今回こそ交渉の材料をそろえて臨めます。AIには前回の意向を渡しません。 渡すと、今回の返事が短いときに前回の内容で補うおそれがあるからです。

送った文面は、AIに渡します。 「次回も同じ条件で更新を希望されますか」と聞いたのに対する「はい」と、「何かご希望はありますか」に対する「はい」では、意味が変わります。

Step3

データの取得方法を決める

送信の側は、台帳の Search Rows で拾います。 条件は「状態が未送信」かつ「回答の期限が今日から21日以内」です。拾った行ごとに Send an email を呼び、送信に成功した行だけを Update a Row で「確認中」に書き換えます。

受信の側は、送信元のアドレスで台帳の行を引きます。 スタッフが別のアドレスから返事をすることがあるので、引けなかったものはAIに渡さず、コーディネーターの確認待ちに回します。 氏名で引き直すことはしません。同姓同名のスタッフの台帳に書き込む事故を避けるためです。

取るものどこから何に使うか
返事の本文Watch emails の本文仕分けの入力
送信元のアドレスWatch emails の送信元台帳の行の特定
対象の行Search Rows(アドレスで検索)期限・担当者・状態
送った文面シナリオの定型文問いと答えの対応

掛け持ちのスタッフは台帳に2行あります。 2行出たら両方の派遣先の名前をAIに渡し、返事がどちらについてのものかを書き出させます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 引用部分の削除 … 返事の下にこちらの問いの文面が引用されていることが多いので、引用の記号と、決まった区切りの行より下を落とします
  2. 署名の削除 … 携帯電話の自動の署名や、他社での勤務先の署名を落とします
  3. 空の返事の検知 … 本文が空、または引用だけの返事は、AIに渡さず「読み取れない」にします
  4. 添付の確認 … 返事に添付があれば、本文だけを仕分けに使い、添付があったことを台帳に書きます
  5. 台帳の行の特定 … 送信元のアドレスで行を引きます。0行なら確認待ち、2行以上なら派遣先の名前を並べて渡します
  6. 状態の確認 … 状態が「回答済み」の行への返事は、仕分けをせずに担当者へ回します。派遣先へ回答した後の意向の変化だからです
  7. 個人情報の絞り込み … AIに渡すのは返事の本文と派遣先の名前、送った文面だけです。氏名・住所・時給の現在値は渡しません

1番目を軽く見ないでください。 引用が残ったまま渡すと、こちらが書いた「次回も同じ条件で更新を希望されますか」という文を、スタッフの言葉として読むことがあります。 スタッフが「はい」と1語だけ返したとき、引用を落とせていれば短い返事として正しく扱えます。

6番目は、意向が変わったという連絡です。 回答済みの後に「やっぱり辞めたい」と来たものを仕分けて台帳に書き込むと、派遣先に回答した内容と台帳が食い違います。 人が受け止めて、派遣先にどう伝えるかを決めます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、返事を4つに仕分けることと、仕分けの根拠にした文と、本人が挙げた条件を書き出すことだけです。

仕分け中身例
renew同じ条件で続けるとはっきり書いている「はい、更新でお願いします」
conditional続ける意思があるが、条件や迷いがある「時給が上がるなら」「週4日にしたい」「少し考えさせてください」
end続けないとはっきり書いている「今回で終了にしたいです」
unclearどれとも決められない「また連絡します」「了解です」

conditional を広く取ります。 「少し考えさせてください」は、更新でも終了でもありません。迷っているということ自体が、担当者が電話をする理由になります。 「更新したいけれど、通勤が少しつらいです」のように、更新の意思に気がかりが添えられているものも conditional です。

unclear には、問いに答えていない返事を入れます。 「了解です」は、メールを受け取ったことへの返事かもしれません。更新の意思として読まないでください。

書き出すもの中身
conditions本人が挙げた条件(時給・勤務日数・勤務時間・業務内容・通勤など)を、本人の言葉のまま
evidence仕分けの根拠にした文を、本文からそのまま写したもの
sensitive体調、家族の事情、職場の人間関係、ハラスメント、妊娠・出産などに触れているか
target_client掛け持ちのとき、どちらの派遣先についての返事か
させないこと理由
返事の無いスタッフの意向を決める返事が無いことは意向ではない。期限で追い、人が聞く
文面の調子から意向を推し量る「そっけない」「乗り気でない」を end にしない。書かれていることだけで決める
条件の言い換え・要約「時給を上げてほしい」を「待遇改善」に丸めると、営業が交渉の材料を失う
更新するかどうかの判断決めるのは、スタッフと派遣先と派遣会社
sensitive の内容の要約体調や人間関係の中身は、担当者が本文で読む
スタッフへの返信の送信出すのは「受け付けました」の下書きまで

2行目がいちばん起きやすい失敗です。 短い返事を「消極的」と読むことがあります。行間を読むのは人の仕事です。

Step6

指示内容を固定する

あなたは人材派遣会社で、派遣スタッフから届いた返事を読み、
契約の更新についての本人の意向を仕分ける担当です。
返事に書かれていることだけで判断してください。推測で補わないでください。

【こちらが送った問い】{sent_message}
【派遣先の名前(複数あれば両方)】{client_names}
【スタッフの返事(引用と署名は除去済み)】{reply_body}

【仕分け(intent)】
- renew ........ 同じ条件で続けるとはっきり書いている
- conditional .. 続ける意思はあるが、条件・迷い・気がかりが書かれている
- end .......... 続けないとはっきり書いている
- unclear ...... 上のどれとも決められない。問いに答えていない
迷ったときに renew や end を選ばないでください。conditional か unclear にしてください。

【厳守事項】
- 文面の調子、短さ、絵文字の有無から意向を推し量らないでください。
- 「了解です」「承知しました」だけの返事は unclear です。
- 「考えさせてください」「相談したい」は conditional です。
- conditions には、本人が挙げた条件を本文の言葉のまま入れてください。
  言い換え、要約、まとめをしないでください。条件が無ければ空の配列にしてください。
- evidence には、intent の根拠にした文を本文からそのまま写してください。
- 体調、けが、家族の事情、職場の人間関係、ハラスメント、妊娠・出産、
  収入の困りごとに触れていれば sensitive を true にしてください。
  その内容を要約したり、evidence に写したりしないでください。
- 派遣先が2つあるときは、返事がどちらについてのものかを target_client に書き、
  決められなければ intent を unclear にしてください。
- 更新すべきか、条件を受け入れるべきかについて、意見を書かないでください。
- 返事が契約の更新と関係のない内容(勤怠の連絡、給与の質問など)なら
  intent を unclear にし、off_topic を true にしてください。

「迷ったときに renew や end を選ばない」を明記しないと、どちらかに寄せます。 仕分けを求められると、4つのうち中間の2つを避けて、はっきりした答えを出そうとします。この構成で困るのは、迷っている人を「更新」に入れてしまうことです。

sensitive の内容を写させないのも理由があります。 体調や職場の人間関係に触れた返事の根拠の文が、台帳の列に残り、営業や派遣先との打合せの資料に流れていくのを防ぎます。 印だけを立て、中身は担当のコーディネーターが本文で読みます。

Step7

出力形式を固定する

次の形のJSONで受け取ります。 Claude API の構造化出力を使うと、決めたJSONスキーマに沿った応答が返り、必須の項目の抜けや型の違いが起きないとされています。

{
  "staff_id": "",
  "intent": "renew | conditional | end | unclear",
  "conditions": [
    { "topic": "wage | days | hours | duties | commute | other", "quote": "" }
  ],
  "evidence": "",
  "sensitive": false,
  "off_topic": false,
  "target_client": "",
  "route": "care | negotiate | replace | ack | check"
}

1つ目の理由は、intent と route を別の層に置けることです。 intent はAIが埋め、route はルーターが規則で決めます。

条件route行き先
sensitive が truecare担当コーディネーター。自動の返信はしない
intent が conditionalnegotiate担当営業とコーディネーター
intent が endreplace担当営業(後任の検討)
intent が renewack受け付けた旨の返信の下書き
上のどれでもないcheckコーディネーターの確認待ち

care をいちばん上に置きます。 「更新します。ただ最近体調が悪くて」という返事は、intent が renew でも、受け付けましたと自動で返す前に人が読むべきものです。

2つ目は、conditions の topic で集計ができることです。 今月の「条件しだい」のうち時給の話がいくつ、勤務日数の話がいくつあるかが数えられ、派遣先ごとに交渉の材料をまとめられます。 quote には本人の言葉がそのまま残ります。

3つ目は、台帳の列にそのまま書けることです。 意向の列には intent を日本語に置き換えた「更新」「条件しだい」「終了」「確認待ち」を書き、備考欄の自由な書き方をやめます。 今月の更新の見込みが、列の集計で出ます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
派遣契約の台帳Google Sheets の Search Rows / Update a Row対象の抽出、状態と意向の書き込み
GmailSend an email / Watch emails / Create a draft email問いの送信、返事の受信、受け付けの返信の下書き
Claude APIMake の Anthropic Claude のアプリ返事の仕分けと書き出し
担当者への通知Gmail またはチャット経路ごとの通知
スタッフ管理システム書き込まない意向の確定は人が転記する

スタッフ管理システムには書き込みません。 この構成が出すのは意向の仕分けまでで、更新の確定は、派遣先への回答が済んだ後に人が登録します。 書き込みを足すと、AIの仕分けがそのまま契約の情報になります。

受け付けの返信は、最初は下書きにします。 renew の仕分けが安定したことを1〜2か月見てから、送信に切り替えるかを決めます。conditional と end には、自動の返信を作りません。 条件のある人に定型文の「承知しました」を返すと、条件が受け入れられたと読まれます。

Step9

人が確認する

人が連絡するのは、care、negotiate、check と、返事の無いスタッフだけです。 ack は台帳の一覧で人数と名前を流し見ます。

  1. care を最初に読む … 本文を開き、電話で話すかどうかを決めます。更新の話より先に、本人の状況を聞きます
  2. negotiate の条件を営業と共有する … quote を見て、派遣先と話せる条件か、話せないかを決めます。本人への返事は、派遣先と話した後にします
  3. check を読み直す … 意向として読めるものは担当者が台帳を直し、読めないものは電話します
  4. 電話の対象を回る … 期限4日前の一覧に載ったスタッフに電話し、結果を台帳に書きます
  5. 仕分けを直したら記録する … どの仕分けを、どれに変えたかを残します

2番目の順番を守ってください。 先に本人へ返すと、条件が通ったものと思って待たせます。

目標は、360名をならして1名4分です。 「更新」と返す人が半数を超え、その確認が数十秒で済む想定です。それより多い月は、check が多いか、返事の無い人が多いかのどちらかです。 問いの文面か送る時期を見直します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
送信元のアドレスが台帳に無いAIに渡さず確認待ちへ。氏名で引き直さない
掛け持ちで2行ある両方の派遣先の名前を渡す。決められなければ unclear
回答済みの後に返事が来る仕分けせず担当者へ。派遣先に伝えた内容と食い違う
返事が空・引用だけAIに渡さず check
勤怠や給与など別の用件の返事off_topic を立てて担当者へ
送信が失敗した状態を「確認中」に変えない。翌朝もう一度拾われる
期限が台帳に入っていない送信の対象から外れる。毎朝、期限が空の行の数を担当へ知らせる
AIの応答が止まった受信のメールを未処理のラベルに残す。次の実行で拾い直す
スタッフが電話で返事をした担当者が台帳の状態と意向を直接書く。メールの経路と同じ列に書く

下から3行目を見落としがちです。 期限の列が空の行は、送信の条件に一度も当たらず、黙って対象から外れ続けます。 期限が空の行の数を毎朝知らせるのは、この穴をふさぐためです。

Step11

記録を残す

  • 送った問いの文面と、送った日時・宛先
  • 受け取った返事の本文(引用と署名を落とす前のもの)と受信日時
  • AIが返したJSONの全文(intent、conditions、evidence、sensitive)
  • ルーターが決めた route と、通知した先
  • 人が仕分けを直した記録 … どの仕分けを、どれに変えたか
  • 再送した日時と、電話の対象に載せた日時
  • 派遣先へ回答した日と、そのときの意向

最後の行は、雇止めの扱いに関わります。 厚生労働省のページでは、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続して勤務している人について、契約を更新しない場合は、使用者が30日前までに予告しなければならないとされています。スタッフに伝えた日と派遣先へ回答した日を残すのは、この時期の管理を後から確かめられるようにするためです。

sensitive が立った返事の本文は、閲覧できる人を担当のコーディネーターと責任者に絞ります。 台帳の列には印だけを残し、本文はメールの側に置いたままにします。

04実装レベルの3段階

最小構成:返事を手でAIの画面に貼り、4つに仕分けさせる / 1件ごとの返事の仕分け
半自動化:上記+毎朝の送信と、返事の受信からの仕分けと台帳への書き込み / 問いの送信と、仕分けの台帳への記録
本格構成:上記+ルーターでの経路の振り分け、期限からの再送と電話の対象の一覧、受け付けの返信の下書き / 送る・受ける・追いかけるの全体

半自動化で、1名15分が7分程度になります。 送信と記録は自動になりますが、返事の無い人を追う作業と、営業への伝達が残ります。本格構成で4分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、返事の無い人を期限から逆算して追う作業が、担当者の記憶に頼っていたからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を1か月回すと、期限が空の行と、アドレスで引けないスタッフが先に分かります。そこを直してから追跡を足します。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
6 名
月間件数
360 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  360件 × 15分 ÷ 60 = 90 時間/月
導入後 360件 × 4分 ÷ 60 = 24 時間/月
月間削減時間
66h
削減率
73%
年間削減時間
792h
年間金額換算(時間単価3,000円)
238万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 稼働中の派遣スタッフが数百名以上いて、3か月ごとなどの短い契約期間で毎月まとまった数の更新が来る人材派遣会社。更新の意向の確認を、担当のコーディネーターや営業が電話とメールで1人ずつ行っている場合。派遣先への更新の回答が遅れて、後任の手配や条件の交渉の時間がなくなることがある場合。派遣契約の台帳に契約の終了日と担当者の列がそろっている場合。
向いていない
  1. 稼働中のスタッフが数十名で、担当者が全員の状況を把握できている場合。更新の意向の確認を、毎月の面談のなかで必ず対面で行うと決めている場合。派遣契約の終了日が台帳で管理されておらず、担当者の手帳にしか無い場合。なお、雇止めをするかどうか、条件をどう変えるかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の更新の時期に、スタッフから届いた意向の返事を30件集める(「時給しだい」「考えたい」のような迷いのある返事を必ず入れる)
  2. その30件について、担当者が当時どう記録したか(「更新希望」「時給次第」など)を台帳から写す
  3. 返事の本文から署名と引用を落とし、手元のAIサービスの画面に1件ずつ貼り付ける
  4. 「この返事を、更新/条件しだい/終了/読み取れない に仕分けてください。条件があれば本人の言葉のまま書き出してください。迷ったら条件しだいか読み取れないにしてください」と指示する
  5. 出てきた仕分けを、当時の記録と突き合わせる

30件は必ずやってください。 ワークフローを組む前に、「迷っている返事を迷っているとして拾えるか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時の記録と同じか、当時より細かく条件を拾えたワークフローの連携に進む
「考えたい」を更新に入れた指示の書き方で直る。構成は有効
掛け持ちのスタッフの返事を取り違えた派遣先の名前を渡す設計が要る。台帳の行の特定を先に作る

1行目で「当時より細かい」が出ることは珍しくありません。 「更新希望」と書かれた返事に、通勤や勤務日数の希望が添えられていたことが分かります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
返事の無いスタッフが「終了」扱いになる返事なしは独立した状態にする。 意向の列に何も書かない
「考えたい」が renew に入る迷ったら conditional か unclear と指示に書く
短い返事を消極的と読んで end にする文面の調子から推し量らないと明記する
引用された問いをスタッフの言葉として読む引用と署名を前処理で落とす
同じスタッフに毎朝メールが届く状態の列を持ち、送信に成功した行だけ書き換える
期限が空の行が黙って対象から外れる期限が空の行の数を毎朝知らせる
氏名で引き直して別人の台帳に書くアドレスで引けなければ人に回す
条件を「待遇改善」に丸める本人の言葉のまま quote に残す
体調の話が台帳と営業の資料に流れるsensitive は印だけ。本文は担当者が読む
条件のある人に「承知しました」を自動で返す自動の返信は renew だけ。 最初は下書き

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも「はっきりしない返事を、はっきりした答えにしてしまう」という同じ形をしています。はっきりしないことを、はっきりしないまま担当者に渡す設計にしてあるかで、運用に乗るかが決まります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 派遣スタッフの氏名・メールアドレス・派遣先・契約の終了日と、本人が書いた返事の本文(体調・家族の事情・職場の人間関係に触れることがある)です。

  1. AIに渡す範囲を、仕分けに必要なものに限る … 渡すのは返事の本文、送った問い、派遣先の名前だけです。氏名、住所、現在の時給、評価は渡しません
  2. sensitive の中身を広げない … 体調やハラスメントに触れた返事は、印だけを台帳に残し、本文を読めるのは担当のコーディネーターと責任者に限ります。 派遣先との打合せの資料に載せないでください
  3. この構成は雇止めの判断を代替しません … 更新するか、条件をどう変えるかは、スタッフと派遣先と派遣会社が決めることです。この構成が出すのは、本人がどう書いたかという事実だけです
  4. 返事の無いことを不利に扱わない … 返事が遅い、返事が無いことを、評価や次の紹介の判断の材料にしないでください。仕組みが出す「返事なし」の一覧が、別の目的で使われないようにします
  5. 時期の管理は人が見る … 3回以上更新されている場合や1年を超えて継続して勤務している人について、契約を更新しない場合は30日前までの予告が必要とされています。派遣先の回答が遅れて予告の時期が迫っている契約は、仕組みに任せず責任者が個別に見てください

誤りが起きた場合のリスクは、続けたかった人の後任を探すことと、迷っている人を更新に入れることの2つです。 前者は返事の無い人を終了に混ぜると、後者は conditional を renew に寄せると起きます。そこだけは設計で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:台帳に2つの列を足す

派遣契約の台帳に、「派遣先への回答の期限」と「状態」の列を足します。すべての派遣先の期限を一度に埋める必要はありません。スタッフの多い上位20社から埋めます。 あわせて、意向を書く列の値を「更新」「条件しだい」「終了」「確認待ち」の4つに決めます。

2週目:30件で試す

先月のスタッフの返事から30件を選び、手元のAIサービスで仕分けをさせます。当時の記録と突き合わせ、「考えたい」を更新に入れていないかを最優先で見ます。

3週目:問いの文面と件名を決める

スタッフが答えやすい問いの文面を、コーディネーターと営業で決めます。 「次回も同じ条件で更新を希望されますか。ご希望があればお書きください」のように、条件を書く余地を残します。件名には決まった語を入れ、返事に付けるラベルのフィルタを作ります。

4週目:送信と受信をつなぐ

Make で毎朝の送信と、返事の受信からの仕分け・台帳への書き込みまでを作ります。この時点では通知と自動の返信を作らず、台帳の列だけを見ます。

2か月目: ルーターでの振り分けと担当者への通知、期限からの再送と電話の対象の一覧を足します。check と返事の無い人の数を毎週数えます。3か月目以降: renew への受け付けの返信を下書きから送信に切り替えるかを決め、1名15分が何分になったかを実測します。「条件しだい」が派遣先への回答の前に営業へ届き、更新した直後の退職が減ったかを見た時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-06/最終更新:2026-10-06
確認した内容情報源確認日
有期労働契約で、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤務している人について、契約を更新しない場合は使用者が30日前までに予告しなければならないとされていること(有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準)厚生労働省: 労働契約の終了に関するルール2026-10-06
シナリオの実行の間隔が、一定の間隔/1回だけ/毎日/平日/毎週/毎月/指定した日/手動から選べ、毎日では複数の実行時刻を決められることMake Help: Schedule a scenario2026-10-06
Gmail のモジュールに Watch emails、Send an email、Create a draft email などがあり、送信元・件名・添付などや Gmail の検索の書き方で絞り込めること。1回の実行の件数の上限が500以下であることMake: Gmail modules2026-10-06
Google Sheets のモジュールに Search Rows(日付・数値・文字列で絞り込み、件数の上限を設定)、Update a Row(行の番号を指定して更新)などがあることMake: Google Sheets modules2026-10-06
ルーターの経路が並行ではなく順に処理され、前の経路が終わるまで次の経路が処理されないこと。フォールバックの経路が、どの経路の条件にも合わないデータを処理することMake Help: Router2026-10-06
Anthropic Claude のアプリに Create a Prompt と Make an API Call のモジュールがあり、接続に API キーを使うことMake: Anthropic Claude2026-10-06
構造化出力が、JSONスキーマに沿った応答を制約付きのデコードで返し、必須の項目の抜けや型の違いが起きないとされていることClaude: Structured outputs2026-10-06

更新するかどうか、雇止めの予告の要否は、派遣会社の責任者と社会保険労務士などの専門家と確かめてください。 本記事は厚生労働省のページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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