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海外の業界メディアのニュースを毎朝集めて日本語に訳して要約し、自社の事業に関係の深い記事だけを経営企画のチャットに配る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

海外の業界メディアがRSSで出す記事の見出しと要旨を毎朝集め、日本語に訳します。自社の事業キーワード表に照らして関係の深い記事だけを選び、事業部ごとにまとめて経営企画のチャットへ配ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
IT・SaaS/商社/製造
対象部門
経営企画
対象業務
情報検索/要約
主な課題
人手が足りない/属人化している/情報が見つからない
AIで行う処理
翻訳
主な効果
工数削減/検索時間短縮/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
5h/月
想定削減
83%
年間削減
300h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 担当者がRSSリーダーを開き、14の媒体の新着の見出しを上から読む
  2. 関係がありそうな見出しをクリックし、媒体のサイトで記事の冒頭を読む
  3. 関係があると判断したら、見出しと要点を日本語で2〜3行にまとめる。分からない語はブラウザの翻訳で確かめる
  4. どの事業部に関係するかを考え、まとめに事業部名を付ける
  5. その日のまとめを並べ、Teams のチャネルに1本の投稿として出す
  6. 媒体の一覧のシートに、その日に見た件数をメモする
導入後(After)
  1. 自動平日の朝6時に Make のシナリオが動き、媒体の一覧のシートを読む
  2. 自動媒体ごとにRSSから前回の実行以降の記事を取り出す
  3. 自動記事ログのシートでリンクを引き、すでに処理した記事を外す
  4. 自動見出しと要旨を整え、事業キーワード表と用語集を添えて Claude に渡す
  5. 自動Claude が見出しと要旨を日本語に訳し、関係の深さと関係する事業部、理由を返す
  6. 自動すべての記事を、訳と判定ごと記事ログのシートに書く
  7. 自動関係が「高」と「中」の記事だけを事業部ごとにまとめ、Teams のチャネルに投稿する
  8. 人担当者が始業時に投稿を流し見し、明らかな訳の誤りと場違いな記事があれば直す
  9. 人週に1回、記事ログで「低」「なし」と判定された記事の見出しを流し見し、落としてはいけない記事が無かったかを見る
  10. 人落とした記事があれば、事業キーワード表に語を足す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 担当者がRSSリーダーを開き、14の媒体の新着の見出しを上から読む
  2. 関係がありそうな見出しをクリックし、媒体のサイトで記事の冒頭を読む
  3. 関係があると判断したら、見出しと要点を日本語で2〜3行にまとめる。分からない語はブラウザの翻訳で確かめる
  4. どの事業部に関係するかを考え、まとめに事業部名を付ける
  5. その日のまとめを並べ、Teams のチャネルに1本の投稿として出す
  6. 媒体の一覧のシートに、その日に見た件数をメモする

(a)英語の見出しを読む時間がいちばん長い。 業界誌の見出しは略語と固有名詞が多く、見出しだけでは何の話か分からない記事が多くあります。 2番で冒頭を開き、関係が無いと分かって閉じる。この往復が毎朝何十回も起きます。

(b)選ぶ基準が担当者の頭の中にある。 「この会社は主要顧客の競合」「この規格は第2事業部の製品に関わる」という知識は、担当者の経験です。書き出された一覧が無いので、交代した日に配信の質が変わります。

(c)関係の薄い記事まで回ると、読まれなくなる。 迷った記事を入れておくと配信が長くなり、事業部長が最初の数行しか読まなくなります。 本当に読んでほしい記事が下に埋もれます。

(d)担当者が休むと止まる。 2名で回しているので、片方が出張の週はもう一人が毎朝1時間をこの作業に取られます。

  1. 【自動】 平日の朝6時に Make のシナリオが動き、媒体の一覧のシートを読む
  2. 【自動】 媒体ごとにRSSから前回の実行以降の記事を取り出す
  3. 【自動】 記事ログのシートでリンクを引き、すでに処理した記事を外す
  4. 【自動】 見出しと要旨を整え、事業キーワード表と用語集を添えて Claude に渡す
  5. 【自動】 Claude が見出しと要旨を日本語に訳し、関係の深さと関係する事業部、理由を返す
  6. 【自動】 すべての記事を、訳と判定ごと記事ログのシートに書く
  7. 【自動】 関係が「高」と「中」の記事だけを事業部ごとにまとめ、Teams のチャネルに投稿する
  8. 【人】 担当者が始業時に投稿を流し見し、明らかな訳の誤りと場違いな記事があれば直す
  9. 【人】 週に1回、記事ログで「低」「なし」と判定された記事の見出しを流し見し、落としてはいけない記事が無かったかを見る
  10. 【人】 落とした記事があれば、事業キーワード表に語を足す

8番目は全件を読み直す作業ではありません。 投稿は自動で出ており、担当者はそれを読む立場です。直すのは、固有名詞の訳がおかしい記事と、明らかに関係の無い記事だけです。 毎朝の作業は、自分で作る側から読んで直す側に変わります。

9番目と10番目が、この構成の品質を決めます。 選別の精度は、AIの賢さより事業キーワード表の中身で決まります。落とした記事が見つかるたびに表が育ち、翌週から同じ種類の記事が拾われます。 担当者の頭の中にあった基準が、表として残っていきます。

02今回想定するシステム構成

構成図
媒体の一覧(Google スプレッドシート:媒体名・RSSのURL・地域・優先度)
   ▼【トリガー】平日の朝6時(Make のスケジュール)
Make のシナリオ
   ├──▶ Google Sheets(Search Rows)で媒体の一覧を読む
   ├──▶ Iterator で媒体ごとに分ける
   ├──▶ RSS(Retrieve RSS feed items)で前回以降の記事を取り出す
   ├──▶ Google Sheets(Search Rows)で記事ログのリンクを引き、処理済みを外す
   ▼
Claude API(Make an API Call で Messages API を呼ぶ)
   │   見出しと要旨の日本語訳、関係の深さ、関係する事業部、理由
   │   構造化出力で決まった形のJSON
   ▼
Google Sheets(Add a Row)で記事ログに全件を書く
   ▼
関係「高」「中」だけを Array aggregator で事業部ごとにまとめる
   ▼
Microsoft Teams(Send a Message)で経営企画のチャネルに投稿
   ▼【人】始業時に流し見して直す/週1回、落とした記事を見直す
役割想定する製品代替候補
ワークフローMakeZapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(見出しと要旨の翻訳、関係の判定)OpenAI API、Gemini API、DeepL API
台帳Google スプレッドシート(媒体の一覧、事業キーワード表、用語集、記事ログ)Microsoft Lists
配信Microsoft Teams(経営企画のチャネル)Slack

新しく足すのは、Make のシナリオと、事業キーワード表・用語集・記事ログの3つのシートだけです。 媒体の一覧はいまのものを使います。最初の準備作業は、担当者の頭の中にある「この語が出たらこの事業部」を、事業キーワード表に書き出すことです。

記事を取り出すのは、Make の RSS アプリです。 トリガーの Watch RSS Feed Items は新しい記事の投稿を拾うもので、1つのフィードのURLを指定します。14の媒体を1本のシナリオで回すため、この構成ではアクションの Retrieve RSS Feed Items を使います。 こちらはURLに加えて日付の範囲(Date from と Date to)で記事を絞れ、Iterator で媒体ごとに分けたURLを順に渡せます。どちらにも、1回の実行で返す記事の上限の設定があり、大きくしすぎると相手側でタイムアウトが起きることがあるので、小さめにして実行の回数を増やすよう案内されています。

Claude は、Make の Anthropic Claude アプリから呼びます。 アプリには Create a Prompt と Make an API Call のモジュールがあり、接続には Anthropic のコンソールで作った API キーを使います。アプリの説明には構造化出力の設定が見当たらないため、Make an API Call で Messages API を直接呼び、output_config.format に JSON スキーマを渡します。 Claude の構造化出力は制約付きのデコードでスキーマに沿った応答を返し、必須の項目の抜けや型の違いが起きないとされています。

配信は、Microsoft Teams アプリの Send a Message です。 Teams のモジュールを使うには Microsoft のビジネス用のアカウントが要るとされ、投稿には ChannelMessage.Send などの権限を求められます。 接続は個人ではなく、配信用に用意したアカウントで作ります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

平日の朝6時に1回動かします。 Make のスケジュールは、一定間隔・毎日(複数の時刻を指定できる)・平日・週次・月次・日付指定・オンデマンドから選べます。「平日」で6時を指定し、始業前に配信が出ている状態にします。

新しい記事が出るたびに動かす形にはしません。 1件ずつ Teams に流すと、チャネルが一日中鳴り続け、事業部長がまとめて読む時間に読めなくなります。 朝に1本の投稿へまとめることが、読まれるための条件です。

月曜の朝だけは、取り出す範囲を土日を含む3日分にします。 欧米の媒体は週末にも記事を出します。Retrieve RSS Feed Items の Date from に「前回の実行の日時」を渡しておけば、曜日を意識せずに抜けなく取れます。前回の実行の日時は、記事ログの最終行から取ります。 シナリオが失敗した日があっても、翌日の実行が前回の成功から取り直します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
媒体の一覧媒体名、RSSのURL、地域、言語、優先度、有効・無効Google スプレッドシート
記事見出し、要旨(RSSの説明文)、リンク、公開日時、媒体名RSS
事業キーワード表事業部、製品群、主要顧客の業界、競合、関係する規格・規制、除外したい語Google スプレッドシート
用語集社内で決まっている訳語(会社名・製品名・規格名の表記)Google スプレッドシート
記事ログ処理済みの記事のリンク、訳、判定、配信の有無Google スプレッドシート

質を決めるのは事業キーワード表です。 列は事業部ごとに「製品群」「顧客の業界」「競合」「規格・規制」「除外したい語」の5つにします。最後の「除外したい語」が効きます。 同じ略語が別の業界で別の意味に使われる場合や、社名が一般名詞と同じ綴りの場合に、ここで外します。

要旨は、媒体がRSSに載せている説明文をそのまま使います。 媒体によって、1文だけのものも、本文の冒頭の数段落が入っているものもあります。本文を取りに行かないので、要旨が短い媒体の記事は判定の材料が少なくなります。 その媒体は、媒体の一覧で優先度を下げるか、判定で迷ったら「中」に倒す扱いにします。

用語集は、訳のゆれを止めるために持ちます。 競合の社名をカタカナにするか原綴りのままにするか、規格名を訳すか、を決めておかないと、同じ会社が日によって別の名前で配信されます。 検索もできなくなります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
媒体の一覧Google スプレッドシートSearch Rows で「有効」の行だけ
記事各媒体のRSSIterator で媒体ごとに分け、Retrieve RSS Feed Items に URL と Date from を渡す
処理済みかどうか記事ログSearch Rows でリンクの列を引く
事業キーワード表と用語集Google スプレッドシートシナリオの最初に1回だけ読み、全記事で使い回す

事業キーワード表と用語集は、記事ごとに読み直しません。 シナリオの最初に1回読み、文字列にしておいて全記事の指示に差し込みます。記事ごとに読むと、1日100件の記事で同じシートを100回引くことになります。

処理済みの判定は、リンクで行います。 同じ記事が見出しを直して再配信されることがあり、見出しで照合すると二度訳します。リンクの末尾の追跡用のパラメータ(?utm_ で始まる部分)を落としてから照合します。 落とさないと、同じ記事が別のリンクとして扱われます。

1回の実行で返す記事の上限は、媒体ごとに30件程度にします。 RSS アプリの説明どおり、大きくしすぎると相手側でタイムアウトが起きることがあります。上限に達した媒体は記事ログに印を付け、翌日の実行で残りを取ります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. HTMLの除去 … 要旨にHTMLのタグや画像の参照が入っている媒体があります。タグを外し、文字だけにします
  2. 長さの切り詰め … 要旨が本文の数段落ぶんある媒体は、先頭の600字程度で切ります。関係の判定に要るのは冒頭だけです
  3. 広告・定型文の除去 … 「この記事は○○に最初に掲載されました」「購読はこちら」のような定型の末尾を、媒体ごとの決まり文句の一覧で落とします
  4. 言語の確認 … 媒体の一覧の言語の列を指示に渡します。英語以外の媒体(ドイツ語・中国語など)が混ざっても、同じ指示で訳せます
  5. リンクの正規化 … 追跡用のパラメータを落とし、記事ログとの照合に使います
  6. 同じ話題の束ね … 同じ発表を複数の媒体が報じることがあります。この段階では束ねず、判定の後で同じ会社・同じ日の記事を並べて表示します

2番目の切り詰めは、費用のためだけではありません。 長い要旨をそのまま渡すと、AIが本文の細部まで要約に入れ、「要旨の訳」ではなく「記事の翻訳」に近いものが配信に乗ります。 配るのは要旨までという線を、入力の側で守ります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、見出しと要旨の訳と、事業キーワード表に照らした関係の判定です。

させること中身
見出しの訳用語集に沿って日本語に訳す。社名・製品名は用語集の表記にそろえる
要旨の訳と要約要旨を2〜3文の日本語にする。要旨に書かれていないことを足さない
関係の深さhigh / medium / low / none の4段階
関係する事業部事業キーワード表の事業部から選ぶ(複数可)
理由どの語に当たったかを、事業キーワード表の語と記事の語で示す
記事の種類新製品/提携・買収/工場・投資/規制・規格/決算・市況/人事/その他

理由を「当たった語」で書かせるのが要点です。 「市場動向として重要」のような理由は、確かめようがありません。事業キーワード表のどの語と、記事のどの語が対応したかを書かせれば、外れたときに表のどこを直すかが分かります。

させないこと理由
要旨に無い内容を補う本文を読んでいないのに、それらしい背景を足す
自社への影響の評価「脅威」「好機」の判断は事業部の仕事
数字の換算通貨や単位を換算すると、元の数字が分からなくなる
記事の真偽の判断要旨だけでは判断できない

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 見出しに社名があると、AIはその会社について知っていることを要約に混ぜます。要旨に書かれていない話が日本語の要約にだけ載り、読んだ人はそれを記事の内容だと受け取ります。

Step6

指示内容を固定する

あなたは産業機械の部品メーカーの経営企画部で、海外の業界ニュースを社内に配る担当です。
RSSの見出しと要旨だけを見て、日本語に訳し、自社の事業との関係を判定してください。

【やること】
1. 見出しを日本語に訳す(title_ja)
2. 要旨を2〜3文の日本語にする(summary_ja)
3. 事業キーワード表に照らして、関係の深さを決める(relevance)
4. 関係する事業部を選ぶ(business_units)
5. 当たった語を書く(matched_terms)
6. 記事の種類を選ぶ(category)

【relevance の選び方】
- high ..... 事業キーワード表の「競合」「主要顧客の業界」「規格・規制」の語が、
             記事の主題として出てくる
- medium ... 表の語が出てくるが、記事の主題ではない。または要旨が短く主題が分からない
- low ...... 業界の話だが、表のどの語にも当たらない
- none ..... 業界と関係が無い。または「除外したい語」にだけ当たる
迷ったら low ではなく medium にしてください。

【厳守事項】
- 要旨に書かれていないことを summary_ja に足さないでください。
  会社について知っていることを補わないでください。
- 社名・製品名・規格名は用語集の表記にそろえてください。
  用語集に無いものは原綴りのまま残してください。カタカナにしないでください。
- 金額・数量・日付・割合は、要旨の数字と単位をそのまま写してください。
  通貨や単位を換算しないでください。
- 自社にとって良い話か悪い話かを書かないでください。
- matched_terms には、事業キーワード表の語と、それに対応した記事の語を
  組にして書いてください。当たった語が無ければ空の配列にしてください。
- 要旨が空、または見出しと同じ文だけの場合は、summary_ja を空にし、
  relevance は見出しだけで判断して、note に「要旨なし」と書いてください。

【媒体】{source_name}(言語:{language})
【見出し】{title}
【要旨】{description}
【事業キーワード表】{business_terms}
【用語集】{glossary}

「用語集に無いものは原綴りのまま」を明記しないと、AIは社名をカタカナにします。 カタカナの社名は検索に引っかからず、同じ会社が別の記事で別の書き方になります。 原綴りのままのほうが、読む人も記事ログで探す人も迷いません。

「迷ったら medium」を書くのは、落とすほうの失敗が重いからです。 「中」の記事が多少増えても読む側で飛ばせますが、「低」に落とした記事は配信に乗らず、誰の目にも触れません。

Step7

出力形式を固定する

次の形のJSONで受け取ります。

{
  "link": "https://example.com/news/...",
  "source_name": "",
  "published_at": "",
  "title_ja": "",
  "summary_ja": "",
  "relevance": "high | medium | low | none",
  "business_units": ["第1事業部"],
  "matched_terms": [
    { "term_in_list": "", "term_in_article": "" }
  ],
  "category": "new_product | partnership_mna | plant_investment | regulation_standard | earnings_market | people | other",
  "note": ""
}

1つ目の理由は、relevance で配信と記録を分けられることです。 high と medium は配信に、全件は記事ログにと、後段の分岐を Make のフィルターだけで書けます。 自由文で「関係あり」と返されると、表現のゆれで分岐が崩れます。

2つ目は、business_units で事業部ごとにまとめられることです。 Array aggregator の Group by に事業部を指定すると、事業部の値ごとに1つのまとまりが出ます。 これを並べて1本の投稿にします。複数の事業部に当たった記事は、それぞれの見出しの下に出ます。

3つ目は、matched_terms が表の手入れの材料になることです。 週1回の見直しで落とした記事が見つかったとき、その記事の matched_terms が空なら表に語が無い、語があるのに low なら指示の書き方の問題、と切り分けられます。

Teams への投稿は次の形にします。

【海外業界ニュース 10/8(水)】高 4件・中 6件 (全 87件中)

■ 第1事業部
[高]〈媒体名〉見出しの訳
 要旨の訳(2〜3文)
 当たった語:競合 Example Corp / 規格 ISO 0000
 元の記事 → リンク

■ 第2事業部
…

記事ログ(低・なしを含む全件)→ シートへのリンク

先頭の行に「全何件中」を入れます。 配信に乗らなかった記事があることを、読む人が毎朝目にします。気になる人は記事ログを見に行けます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
媒体の一覧・事業キーワード表・用語集Google Sheets の Search Rowsシナリオの最初に読む
各媒体のRSSRSS の Retrieve RSS Feed Items前回以降の記事を取り出す
記事ログGoogle Sheets の Search Rows / Add a Row処理済みの照合と、全件の記録
Claude APIAnthropic Claude の Make an API Call訳と判定を構造化出力で受ける
Microsoft TeamsSend a Message経営企画のチャネルに1本の投稿

媒体のサイトには、RSSを読む以外のことをしません。 本文のページを取りに行かず、ログインの要る有料の記事にも入りません。本文を自動で取りに行く機能を後から足したくなったら、その媒体の利用規約と購読の契約を先に確かめてください。

Teams への投稿は、配信用のアカウントから出します。 担当者の個人のアカウントで接続すると、その人の異動や退職でシナリオが止まります。

Step9

人が確認する

投稿は確認を待たずに出します。 配るのは公開されている記事の見出しと要旨の訳で、誤りがあっても元の記事へのリンクで確かめられます。その代わり、確認は3つの場面に置きます。

  1. 始業時の流し見(毎日) … 担当者が投稿を読み、固有名詞の訳がおかしい記事、場違いな記事があればスレッドに訂正を書きます。投稿そのものは消さず、訂正を返信で残します
  2. 落とした記事の見直し(週1回) … 記事ログで low と none の見出しを流し見します。1週間で数百件ありますが、見出しの訳を読むだけなので短く済みます
  3. 事業キーワード表の手入れ(週1回) … 2番目で落とした記事が見つかったら、その記事に出てくる語を表に足します。事業部から「この話も拾ってほしい」と言われた語も足します

2番目を省かないでください。 選別の外れは、配信された側からは見えません。「低」に落ちた記事は誰も読まないので、見に行かない限り外れていたことが分かりません。

事業部長が投稿に返信で質問したときは、担当者が元の記事を読んで答えます。 AIの要約を根拠に答えないでください。

Step10

例外に対処する

起きること対応
RSSのURLが応答しないその媒体だけ飛ばし、記事ログに「取得失敗」を記録。3日続いたら担当者へ知らせる
1回の上限に達した記事ログに印を付け、翌日の実行で続きを取る
要旨が空見出しだけで判定し、note に「要旨なし」。medium 以上なら配信に乗せる
英語以外の媒体言語の列を渡して同じ指示で訳す。訳に自信が持てない言語は medium に倒す
構造化出力が返らない(refusal や上限で止まった)その記事を記事ログに「判定失敗」で残し、翌朝の投稿の末尾に件数を出す
同じ発表を複数の媒体が報じた事業部の中で、同じ会社・同じ日の記事を続けて並べる
配信対象が0件「本日は関係の深い記事はありません(全何件)」と投稿する。投稿しない日を作らない
Teams への投稿が失敗記事ログの配信の列を空のまま残し、担当者へメールで知らせる

最後から2行目を軽く見ないでください。 投稿が無い朝は、「関係の深い記事が無かった」のか「シナリオが止まった」のかが区別できません。0件の日も必ず投稿し、止まったことに気づける状態にします。

構造化出力は、応答が refusal や max_tokens で止まったときにはスキーマに沿わないことがあるとされています。Make のフィルターで relevance が4つの値のどれでもない記事を拾い、判定失敗として扱います。

Step11

記録を残す

  • 記事ログ(全件) … リンク、媒体名、公開日時、原文の見出し、見出しと要旨の訳、relevance、business_units、matched_terms、配信の有無
  • 事業キーワード表の変更履歴 … いつ、誰が、どの語を足したか、どの記事がきっかけか
  • 投稿への訂正 … Teams のスレッドの返信として残る。週1回、記事ログの該当行に「訂正あり」の印を付ける
  • 取得失敗と判定失敗の記録 … 媒体ごとの件数

原文の見出しも記事ログに残します。 訳だけを残すと、後で同じ記事を媒体のサイトで探すときに手がかりがありません。

2つ目の変更履歴は、選別の基準が担当者の頭から表に移った記録です。 担当が替わっても、何の語がなぜ足されたかが追えます。

04実装レベルの3段階

最小構成:見出しと要旨を手でAIの画面に貼り、訳と判定をさせる / 訳と関係の判定
半自動化:上記+Make でRSSを毎朝取り出し、訳と判定を記事ログに書き、事業部ごとにまとめて Teams へ投稿する / 収集・訳・選別・配信
本格構成:上記+事業部ごとのチャネルに分けて配信し、週1回の見直しで足した語の効果を記事ログから集計する / 配信先の分割と、選別の精度の追跡

最小構成は、事業キーワード表を作るための段階です。 毎朝の作業には使えませんが、表が無いまま Make を組むと、選別が当たらない原因が分からなくなります。 半自動化で、1件3分が0.5分になります。 本記事の想定はこの段階です。担当者に残るのは、始業時の流し見と週1回の見直しです。本格構成は、配信先を事業部ごとに分けたいという声が出てからで足ります。 1本の投稿で読まれているうちは、分けるとかえって見落としが増えます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
600 件
1件あたり現在時間
3 分
1件あたり導入後時間
0.5 分
現在  600件 × 3分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 600件 × 0.5分 ÷ 60 = 5 時間/月
月間削減時間
25h
削減率
83%
年間削減時間
300h
年間金額換算(時間単価4,000円)
120万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 海外の業界メディアや業界団体のニュースを経営企画の担当者が毎朝読み、気になった記事を訳して社内に回している製造業・商社など。追っている媒体が10を超え、英語の見出しを読むだけで朝の1時間近くが消えている場合。誰がどの媒体を見るかが担当者の習慣で決まっていて、休むと配信が止まる場合。Make と Microsoft Teams を使っている、または使える場合。
向いていない
  1. 追う媒体が2〜3に限られ、担当者が読んで足りる場合。有料の記事の本文を訳して社内に配りたい場合(媒体との契約の範囲を超えるおそれがある)。媒体がRSSを出しておらず、ページの読み取りから作り込む必要がある場合。なお、どの記事を経営の判断材料にするか、競合や市場の動きにどう応じるかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 追っている媒体から5つを選ぶ(素材・顧客業界・規制の媒体を混ぜる)
  2. 5つの媒体の過去1週間の記事の見出しと要旨を、RSSリーダーから書き出す
  3. 担当者の頭の中にある基準を、事業キーワード表として1枚のシートに書き出す。最初は事業部ごとに10語程度でかまわない
  4. 手元のAIサービスに、見出しと要旨と事業キーワード表を貼り付け、第7章の指示で訳と判定をさせる
  5. 判定を、その週に担当者が実際に配信した記事と突き合わせる

突き合わせで見るのは、配信した記事が high か medium に入っているかです。 入っていなければ、表に語が足りません。

出てきた内容判断
配信した記事がほぼ high と medium に入ったMake のシナリオに進む
配信した記事が low に落ちた表に語が足りない。落ちた記事の語を足してやり直す
要約に要旨に無い話が混ざった指示の書き方で直る。構成は有効

2行目はほぼ必ず出ます。 失敗ではなく、担当者の基準のうち表に書き出せていなかったものが見つかったということです。2〜3回やり直すと、表の語が落ち着きます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
要約に要旨に無い話が混ざる「要旨に無いことを足さない」を指示に書き、要旨を600字程度で切る
社名がカタカナになって検索できない用語集に無いものは原綴りのままと指示する
同じ記事が二度配信されるリンクの追跡用パラメータを落としてから照合する
週末の記事が抜けるDate from に前回の実行の日時を渡す
関係の薄い記事が多すぎて読まれないmedium の基準を見直す。high だけを先頭に並べる
落とした記事に誰も気づかない週1回、low と none の見出しを見る
投稿が無い朝に止まったと気づかない0件の日も投稿する
担当者の個人アカウントで接続している配信用のアカウントで接続し直す
本文まで訳して配りたくなる媒体の利用規約と購読の契約を先に確かめる
1回の上限を大きくしてタイムアウトする上限を小さめにし、残りは翌日に取る

上の2行が、配信の信頼を左右します。 要旨に無い話が一度でも配信に混ざると、読む人は要約を信じなくなり、毎回元の記事を開くようになります。 そうなると配信の意味がありません。

下から2行目は、運用が回り始めてから出てくる要望です。 要旨だけでは物足りないという声は自然ですが、有料の媒体の本文を自動で取って訳し、社内に配る形は、契約の範囲を確かめないまま作らないでください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 公開されている記事の見出し・要旨・リンクと、自社の事業キーワード表(事業部・製品群・主要顧客の業界・競合・関係する規格)です。

  1. 事業キーワード表は社外秘として扱う … 記事は公開情報ですが、どの会社を競合と見ているか、どの顧客の業界に注力しているかは、自社の戦略そのものです。 シートの共有範囲を経営企画と事業企画に限り、Claude API に渡すのも判定に要る列だけにします
  2. 配るのは見出しと要旨の訳まで … 本文を取りに行かない設計にしています。本文の翻訳を社内に配る形に広げるときは、媒体の利用規約と購読の契約を確かめてください
  3. 元の記事へのリンクを必ず付ける … 訳と要約は判断の入口です。事業の判断に使うときは、元の記事を読んでから使うという決まりを、配信の先頭に書いておきます
  4. AIの要約を根拠に社外へ話さない … 顧客や取引先との会話で「海外でこういう報道がある」と話すときは、元の記事を読んだ人が話します
  5. ログイン情報をシナリオに置かない … 有料の媒体のRSSに認証が要る場合、RSS アプリにはユーザー名とパスワードの欄があります。使うなら、その媒体の規約で自動の取得が認められているかを先に確かめます

誤りが起きた場合のリスクは、要旨に無い話が要約に混ざり、それが事実として社内に広まることと、大事な記事を low に落として誰も読まないことの2つです。 前者は指示と入力の切り詰めで、後者は週1回の見直しで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:事業キーワード表を書き出す

担当者2名に、記事を選ぶときに見ている語を書き出してもらいます。事業部ごとに「製品群」「顧客の業界」「競合」「規格・規制」「除外したい語」の5つの列にします。最初は各10語程度で足ります。あわせて、社名と規格名の訳し方を用語集にします。

2週目:5つの媒体の1週間分で試す

見出しと要旨を手元のAIサービスに貼り付け、第7章の指示で判定させます。担当者が実際に配信した記事が high か medium に入っているかを見て、落ちたものの語を表に足します。

3週目:Make で記事ログまで作る

媒体の一覧を読み、RSSを取り出し、Claude で訳と判定をして記事ログに書くところまでを作ります。この週は Teams に投稿せず、記事ログと担当者の配信を並べて見ます。

4週目:Teams への投稿を始める

事業部ごとにまとめた投稿を、担当者の配信と並行して出します。事業部長に、どちらが読みやすいかを聞きます。

2か月目: 担当者の手作業の配信をやめ、14の媒体すべてに広げます。週1回の見直しを予定に入れます。3か月目以降: 1件あたりの時間を実測し、表に足した語の数と、low から拾い直した記事の数を数えます。拾い直す記事がほとんど出なくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
RSS アプリにトリガーの Watch RSS Feed Items とアクションの Retrieve RSS Feed Items があり、後者が URL と Date from/Date to で記事を絞れること。1回の実行で返す件数の上限を設定でき、大きくしすぎると相手側でタイムアウトが起きることがあるため小さめにして実行を増やすよう案内されていること。認証の要るフィードにユーザー名とパスワードの欄があることMake: RSS2026-10-08
Anthropic Claude のアプリに Create a Prompt と Make an API Call があり、接続に API キーを使うことMake: Anthropic Claude2026-10-08
構造化出力を output_config.format に type: "json_schema" で渡し、制約付きのデコードでスキーマに沿った応答が返ること。stop_reason が refusal や max_tokens のときはスキーマに沿わないことがあることClaude Docs: Structured outputs2026-10-08
Microsoft Teams のアプリに Send a Message があり、Microsoft のビジネス用のアカウントが要ること。ChannelMessage.Send などの権限を求めることMake: Microsoft Teams2026-10-08
Google Sheets のモジュールに Search Rows と Add a Row があり、1回の実行で返す件数の上限を設定できることMake: Google Sheets modules2026-10-08
集約が複数のバンドルを1つにまとめ、Group by の式の値ごとに Key と Array を持つバンドルを出すことMake Help: Aggregator2026-10-08
Iterator が配列を1要素ずつのバンドルに分けることMake Help: Iterator2026-10-08
スケジュールが一定間隔・毎日(複数の時刻)・平日・週次・月次・日付指定・オンデマンドから選べることMake Help: Schedule a scenario2026-10-08

媒体ごとの利用規約と購読の契約は、この記事では確かめていません。 本文の取得や翻訳の配信に広げる前に、媒体ごとに確認してください。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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