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民泊の運営代行会社が予約サイトの確定の通知メールから予約の中身を取り出し、清掃の手配と鍵の受け渡しの案内を Make で作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

予約サイトから届く予約の確定・変更・取消の通知メールを Make で受け、Claude API で予約の中身を取り出します。物件の台帳と突き合わせ、清掃の手配表への登録と、本人確認から鍵の受け渡しまでを書いた案内の下書きを作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
不動産/宿泊
対象部門
総務
対象業務
データ入力・転記/書類作成
主な課題
人手が足りない/入力作業が多い/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
抽出
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
75%
年間削減
540h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 共有のメールアドレスに届いた通知を、担当が開く
  2. 予約サイト、予約番号、物件、宿泊日、人数を読み、清掃の手配表に書き写す
  3. 変更の通知なら、手配表から同じ予約番号の行を探して書き直す。取消なら行を消す
  4. 物件の担当の区域から清掃の担当を選び、清掃の日時をメールで頼む
  5. 宿泊者に、到着までの流れ、本人確認のしかた、ごみの出し方を予約サイトのメッセージで送る
  6. 前日に、清掃の担当から返事が来ているかを確かめる
導入後(After)
  1. 自動共有のメールアドレスに予約サイトからの通知が届くと、Make の Watch emails が拾う
  2. 自動Claude API が、通知の種類・予約番号・物件・宿泊日・人数・到着の予定・言語を取り出す
  3. 自動物件の台帳を引き、定員・区域・清掃の担当・鍵の受け渡しの方法・本人確認の方法を付ける
  4. 自動通知の種類でルートを分け、確定なら行を足し、変更なら同じ予約番号の行を直し、取消なら行に取消の印を付ける
  5. 自動人数が定員を超えるもの、物件が台帳に無いもの、宿泊日が読めないものは、要確認の一覧に回す
  6. 自動清掃の担当への依頼と、宿泊者への到着の案内の下書きを、物件の決まりから作る
  7. 人担当が手配表の新しい行と下書きを確かめ、依頼を送り、案内を予約サイトのメッセージに貼って送る
  8. 人到着の日に本人確認を行い、終えた宿泊者に鍵の受け渡しの番号や場所を伝える
各工程の詳しい説明を読む
  1. 共有のメールアドレスに届いた通知を、担当が開く
  2. 予約サイト、予約番号、物件、宿泊日、人数を読み、清掃の手配表に書き写す
  3. 変更の通知なら、手配表から同じ予約番号の行を探して書き直す。取消なら行を消す
  4. 物件の担当の区域から清掃の担当を選び、清掃の日時をメールで頼む
  5. 宿泊者に、到着までの流れ、本人確認のしかた、ごみの出し方を予約サイトのメッセージで送る
  6. 前日に、清掃の担当から返事が来ているかを確かめる

(a)変更と取消を見落とす。 確定の通知は件名で目立ちますが、変更の通知は件名が似ていて、新しい予約として書き写したり、読み飛ばしたりします。 取消を見落とすと、清掃の担当が空の部屋へ向かい、その分の費用が出ます。

(b)同じことを2度、3度書く。 予約の中身を手配表に書き、清掃の担当へのメールに書き、宿泊者への案内に書きます。書き写すたびに、日付や人数を写し間違える機会があります。

(c)物件ごとの決まりが担当の頭の中にある。 どの物件がキーボックスで、どの物件が事務所での受け渡しか、本人確認のタブレットがどこにあるかを、担当は覚えています。担当が休んだ日に、別の担当が台帳を開かずに案内を書き、違う物件の流れを送ることがあります。

(d)定員を超える予約に気づかない。 届出住宅では、居室の床面積を宿泊者1人あたり3.3平方メートル以上確保する必要があるとされ、物件ごとの定員はこれに沿って決めています。変更の通知で人数が増えたとき、台帳の定員と比べずに書き写してしまいます。

(e)予約サイトが通知の書式を変える。 予約サイトは、通知のメールの体裁や項目の並びを予告なく変えることがあります。決まった位置の文字を切り出す仕組みを作ると、書式が変わった日から黙って空欄になります。 書式を前提にした取り出しが続かないことも、担当が手で書き写し続けてきた理由の一つです。

  1. 【自動】 共有のメールアドレスに予約サイトからの通知が届くと、Make の Watch emails が拾う
  2. 【自動】 Claude API が、通知の種類・予約番号・物件・宿泊日・人数・到着の予定・言語を取り出す
  3. 【自動】 物件の台帳を引き、定員・区域・清掃の担当・鍵の受け渡しの方法・本人確認の方法を付ける
  4. 【自動】 通知の種類でルートを分け、確定なら行を足し、変更なら同じ予約番号の行を直し、取消なら行に取消の印を付ける
  5. 【自動】 人数が定員を超えるもの、物件が台帳に無いもの、宿泊日が読めないものは、要確認の一覧に回す
  6. 【自動】 清掃の担当への依頼と、宿泊者への到着の案内の下書きを、物件の決まりから作る
  7. 【人】 担当が手配表の新しい行と下書きを確かめ、依頼を送り、案内を予約サイトのメッセージに貼って送る
  8. 【人】 到着の日に本人確認を行い、終えた宿泊者に鍵の受け渡しの番号や場所を伝える

7番目が、この設計の分かれ目です。 下書きは物件の台帳から作るので、台帳が正しければ物件の取り違えは起きません。 人が見るのは、取り出した日付と人数が通知と合っているかと、要確認の一覧です。

4番目で行を消さないのも、意図してのことです。 取消の後に同じ宿泊者が日付を変えて予約し直すことがあり、消してしまうと、清掃の担当に何を伝えたかが追えなくなります。 取消の印の付いた行は、清掃の担当への取消の連絡を送ったかどうかの欄と一緒に残します。

8番目を自動にしないのは、本人確認が事業者の義務だからです。 案内の下書きには、本人確認のしかたと、確認を終えた後に担当から鍵の受け渡しを伝えることまでを書きます。暗証番号は下書きにも手配表にも入れません。

5番目で要確認に回すものは、手配表に行を足しません。 定員を超えた予約や宿泊日の読めない予約を行にしてしまうと、そのまま清掃の依頼の下書きまで進みます。行を足すのは、担当が要確認の一覧で確かめた後です。

02今回想定するシステム構成

構成図
予約サイト(3つ)の通知メール ── 確定/変更/取消
   ▼【トリガー】Gmail の Watch emails(送信元で絞る)
Make(シナリオ)
   ▼
Claude API(Make an API Call で Messages API)
   │   通知の種類・予約番号・物件・宿泊日・人数・到着の予定・言語
   ▼
Make ── Google スプレッドシート:物件の台帳を Search Rows で引く
   ▼ ルーター
   ├── 確定 ── 清掃の手配表に Add a Row
   ├── 変更 ── 同じ予約番号の行を Update a Row
   ├── 取消 ── 行に取消の印
   └── フォールバック ── 要確認の一覧
   ▼
Make ── 清掃の依頼の下書き(Gmail の Create a draft email)
       到着の案内の下書き(手配表の欄に書く)
   ▼
【人】担当が確かめて送る/到着の日に本人確認
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Gmail、Google Sheets、ルーター)Zapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API、構造化出力)OpenAI API
保管Google スプレッドシート(物件の台帳・清掃の手配表・要確認の一覧)Airtable
メールGmail(共有のメールアドレス)Microsoft Outlook

新しく作るのは、物件の台帳の列の整理と要確認の一覧だけです。 台帳には、予約サイトごとの物件の表示名の列を足します。予約サイトの通知には、運営の側の物件コードではなく、サイトに載せている物件の名前が書かれているからです。 3つのサイトの表示名を台帳に並べておけば、取り出した名前から物件コードを引けます。

AI の部品は Claude API です。 Make の Anthropic Claude アプリには Simple Text Prompt や Create a Prompt のモジュールがありますが、公式のページに構造化出力の記載が無いため、Make an API Call で Messages API を呼び、output_config.format に JSON Schema を渡します。 Claude の構造化出力は数値の範囲や文字列の長さの制約に対応していないとされているので、人数が定員を超えていないかは Make の側で比べます。

トリガーは Gmail の Watch emails です。 フィルターには、件名・含む言葉・含まない言葉を指定する簡単なフィルターと、Gmail の検索の書き方で指定する方法があり、1回の実行で拾う上限は500件までとされています。予約サイトの送信元のアドレスで絞り、それ以外のメールは拾いません。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

共有のメールアドレスに予約サイトからの通知が届いたことを起点にします。 Watch emails を15分ごとに動かし、Gmail の検索の書き方で from: に3つのサイトの送信元を並べて絞ります。宿泊者からのメッセージの転送や、広告のメールは拾いません。

拾ったメールにはラベルを付けます。 「処理済み」のラベルを付けるのはシナリオが最後まで通ったときだけにします。途中で止まったメールにはラベルが付かないので、受信箱の未処理の数がそのまま残りの数になります。

既読にする設定は使いません。 担当が先にメールを開いて既読にしてしまうと、「未読だけを拾う」設定では拾われなくなります。拾うかどうかの印は、既読ではなくラベルで持ちます。

15分ごとにしているのは、当日の予約があるからです。 予約サイトによっては当日のチェックインの予約も受け付けるので、1日1回の実行では清掃の手配が間に合いません。シナリオの最後に、チェックインが24時間以内の予約には手配表で「急ぎ」の印を付け、担当の通知の宛先にも知らせます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
通知のメール件名、送信元、受信日時、本文Gmail の Watch emails
物件の台帳物件コード、予約サイトごとの表示名、定員、区域、清掃の担当、鍵の受け渡しの方法、本人確認の方法、ごみの出し方Google スプレッドシート
清掃の手配表予約番号、物件コード、宿泊日、人数、清掃の日時、清掃の担当、状態Google スプレッドシート
案内のひな形鍵の受け渡しの方法と言語ごとの到着の案内の文面Google スプレッドシート

質を決めるのは、物件の台帳の表示名の列です。 予約サイトの物件の名前は、掲載のときに付けた宣伝の文句が入った長い名前のことがあり、サイトごとに少しずつ違います。 台帳に表示名が無いと、取り出した名前から物件を引けません。

案内のひな形は、鍵の受け渡しの方法ごと・言語ごとに持ちます。 案内の文面は AI に書かせず、ひな形に取り出した値を差し込むだけにします。物件の流れを AI が言い換えると、本人確認の手順が抜けることがあるからです。

Step3

データの取得方法を決める

通知のメールは Watch emails が本文ごと渡します。本文は HTML のことが多いので、Make の側で文字だけにしてから AI に渡します。 表の形の HTML を文字にすると項目名と値が離れることがあるため、改行を残す形で文字にします。

取るものどこから何に使うか
通知の本文と件名Watch emailsAI に渡す
物件の行Search Rows(予約サイトごとの表示名の列で検索)物件コード・定員・決まりを付ける
手配表の同じ予約の行Search Rows(予約番号の列で検索)変更・取消のときに直す行を探す
ひな形Search Rows(鍵の受け渡しの方法と言語で検索)案内の下書きを作る

変更と取消は、予約番号で手配表を引きます。 予約番号は予約サイトごとに形が違うので、手配表には予約サイトの名前と予約番号の2つを並べて持ち、2つで引きます。 番号だけで引くと、別のサイトの同じ番号に当たることがあります。

Search Rows の Limit は1にしません。 同じ予約番号の行が2つ以上あったら、それ自体が書き写しの誤りの印です。2つ以上返ったら要確認の一覧に回します。

清掃の日時は、取り出した値と台帳から Make が決めます。 決め方は次のとおりです。

決めるもの決め方
清掃の日その予約のチェックアウトの日
清掃の開始台帳のチェックアウトの時刻
清掃の終わりの期限同じ物件の次の予約のチェックインの時刻(手配表から引く)
清掃の担当台帳の区域の担当。休みの日は台帳の代わりの担当
寝具の替え宿泊者が替わるごと。人数に合わせた組数を依頼に書く

終わりの期限を手配表から引くのは、同じ日にチェックアウトとチェックインが重なる物件があるからです。 次の予約が同じ日の夕方なら、清掃の枠は数時間しかありません。依頼の下書きに期限を書いておけば、清掃の担当が段取りを組めます。 寝具のシーツやカバーは宿泊者が入れ替わるごとに洗濯したものと取り替える必要があるとされているので、組数は人数から出して依頼に書きます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 送信元の確認 … 3つの予約サイトの送信元か確かめます。違えば処理しません
  2. 本文を文字にする … HTML を改行つきの文字にし、画像や署名の部分を外します
  3. 長さの確認 … 本文が長すぎるときは、予約の中身が書かれた範囲だけを切り出します。切り出せなければ要確認に回します
  4. 宿泊者の連絡先を伏せる … 本文に電話番号やメールアドレスがあれば、AI に渡す前に「[連絡先]」に置き換えます
  5. 同じメールの二度目を外す … メールの ID が処理済みの一覧にあれば処理しません

4番目は、取り出しに連絡先が要らないためです。 宿泊者への連絡は予約サイトのメッセージで行うので、この構成は連絡先を持ちません。

5番目は、Watch emails の取りこぼしを手で拾い直したときのためです。 同じ通知で手配表に2行できるのを防ぎます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、通知のメールから予約の中身と通知の種類を取り出すことだけです。

取り出すもの取り出し方書かれていないとき
通知の種類確定・変更・取消・その他判断がつかなければ unknown
予約サイトと予約番号本文の表記をそのままnull
物件の表示名本文の表記をそのままnull
チェックインとチェックアウトの日付年月日に直すnull
人数(大人・子ども)本文の数字をそのままnull
到着の予定時刻書かれていればnull
宿泊者の言語予約のときに選ばれた言語が書かれていればnull
変更の前後変更の通知なら、何が何から何に変わったか空の配列

物件の表示名を物件コードに直させないのは、照合を台帳でするためです。 AI に物件を当てさせると、似た名前の物件に寄せて答えることがあります。表記のまま取り出させ、台帳の表示名と完全に一致するかを Make で見ます。

させないこと理由
物件コードの推測台帳で照合する。似た名前に寄せない
定員を超えるかの判断Make が台帳の定員と比べる
清掃の日時と担当の決定台帳の区域と決まりから Make が決める
案内の文面を書くことひな形に差し込む。本人確認の手順を抜かさない
鍵の番号に触れること本人確認の後に担当が伝える
Step6

指示内容を固定する

あなたは民泊の運営代行会社で、予約サイトからの通知メールを読む担当です。
渡されたメールの本文だけを読み、予約の中身を取り出してください。

【通知の種類の選び方】
- confirmed ... 新しい予約が確定した通知
- modified .... 日付・人数・物件などが変わった通知
- cancelled ... 予約が取り消された通知
- other ....... 予約の中身を含まない通知(レビューの依頼、精算のお知らせなど)
- unknown ..... どれか判断がつかない
件名だけで決めず、本文の書き方で判断してください。

【厳守事項】
- 本文に書かれていることだけを取り出してください。
  書かれていない項目は null にしてください。推測で埋めないでください。
- 物件の名前は、本文の表記をそのまま写してください。
  短くしたり、別の物件の名前に直したりしないでください。
- 日付は YYYY-MM-DD に直してください。曜日だけで日付を決めないでください。
  年が書かれていないときは、受信日時より後で最も近い日付にし、
  year_inferred を true にしてください。
- 人数は大人と子どもを分けて、本文の数字をそのまま入れてください。
  合計しか書かれていなければ guests_total だけに入れてください。
- 変更の通知では、何が何から何に変わったかを changes に並べてください。
  変更の後の値だけでなく、前の値も書かれていれば写してください。
- 取消の通知では、取り消された予約の宿泊日を写してください。
- 電話番号やメールアドレス、[連絡先]の伏せ字を元に戻そうとしないでください。
- 鍵、暗証番号、入室の方法について何も書かないでください。

【受信日時】{received_at}
【送信元】{from}
【件名】{subject}
【本文】{body}

「件名だけで決めず、本文の書き方で判断する」が、この指示でいちばん効く一文です。 予約サイトによっては、変更の通知の件名が確定の通知とほとんど同じです。本文に「変更前」「変更後」のような書き方があるかで分けさせます。

年が書かれていないときの扱いを書いているのは、年末年始の予約のためです。 12月に届いた1月の予約を、その年の1月と取り違えないようにします。year_inferred が true のものは、担当が手配表で確かめます。

Step7

出力形式を固定する

次の形の JSON で受け取ります。

{
  "notice_type": "confirmed | modified | cancelled | other | unknown",
  "channel": "",
  "reservation_no": "",
  "listing_name": "",
  "check_in": "2026-11-14",
  "check_out": "2026-11-16",
  "year_inferred": false,
  "adults": 3,
  "children": 1,
  "guests_total": null,
  "arrival_time": "16:00",
  "language": "en",
  "changes": [
    { "field": "check_out", "before": "2026-11-15", "after": "2026-11-16" }
  ]
}

1つ目の理由は、notice_type でルーターを分けられることです。 Make のルーターは各ルートを順に評価し、どの条件にも当たらないものはフォールバックのルートに流れるとされています。confirmed・modified・cancelled の3つのルートを置き、other と unknown はフォールバックで要確認の一覧に落とします。

2つ目は、changes で変更の中身が手配表に残ることです。 「チェックアウトが1日延びた」なら、清掃の日も1日ずらす必要があります。清掃の担当への依頼の下書きに、変更の前後をそのまま書けます。

3つ目は、null が要確認の合図になることです。 宿泊日か人数が null なら、清掃の手配表に行を足さずに要確認に回します。

手配表の1行は次の形にします。

予約サイト予約番号物件宿泊日人数清掃担当状態
サイトA(番号)P-01211/14〜11/16411/16 11:00〜清掃の担当C依頼の下書きあり
Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
GmailWatch emails、Update email labels、Create a draft email通知を拾い、ラベルを付け、清掃の依頼の下書きを作る
Claude APIAnthropic Claude アプリの Make an API Call予約の中身と通知の種類を取り出す
物件の台帳Google Sheets の Search Rows物件コード・定員・決まりを引く
清掃の手配表Google Sheets の Search Rows、Add a Row、Update a Row行を足す・直す・取消の印を付ける
要確認の一覧Google Sheets の Add a Row確かめるものを並べる

清掃の依頼はメールの下書きまでにします。 送るのは担当です。取消の通知で行を消さず、取消の印を付けるだけにするのも、後で経緯を追えるようにするためです。

宿泊者への案内は、手配表の欄に下書きを書くだけにします。 予約サイトの多くは宿泊者とのやり取りをサイトのメッセージで行うので、担当が下書きを写して送ります。

Step9

人が確認する

  1. 要確認の一覧を先に見る … 定員の超過、台帳に無い物件、日付や人数の null、year_inferred が true のもの、同じ予約番号の行が2つ以上あるもの
  2. 新しい行の日付と人数を、通知と見比べる … 手配表の行から通知のメールへのリンクを開いて確かめます
  3. 清掃の依頼の下書きを送る … 清掃の日時と担当を確かめて送ります
  4. 到着の案内を予約サイトのメッセージで送る … 下書きを写し、宿泊者の言語に合っているかを見ます
  5. 到着の日に本人確認を行い、鍵の受け渡しを伝える … 本人確認を終えた宿泊者にだけ伝えます

1番目の定員の超過は、担当が判断します。 子どもの数え方や、予約サイトの側の設定の誤りのこともあるので、自動で断ったり、予約サイトに連絡したりしません。

2番目を省かないでください。 取り出しの誤りでいちばん困るのは、日付が1日ずれることです。1日ずれた清掃の依頼は、宿泊者が着いた後に清掃の担当が来る形で表に出ます。 通知を開いて、日付の2つと人数だけは目で見比べます。

目標は、300件をならして1件3分です。 取消は印を確かめるだけで終わり、新しい予約と変更は、行と2つの下書きを確かめて送る時間です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
物件の表示名が台帳に無い要確認へ。予約サイトで物件の名前を変えたのに台帳を直していないことが多い
人数が定員を超える要確認へ。担当が予約サイトの設定と予約の中身を確かめる
変更・取消の通知に、元の予約の行が無い要確認へ。確定の通知の取りこぼしを疑い、受信箱を探す
同じ予約番号の行が2つ以上ある要確認へ。書き写しの誤りを直す
通知の種類が unknownフォールバックで要確認へ
other(レビューの依頼など)処理済みのラベルだけを付けて終わる
AI の応答が形に合わない1回だけ送り直し、だめなら要確認へ
チェックアウトと次のチェックインが同じ日清掃の時間の枠が短いことを依頼の下書きに書き、担当に印を付ける
清掃の担当が休みの日台帳の代わりの担当を下書きに入れ、要確認に印を付ける

上の3行が大半を占めます。 どれも AI の問題ではなく、台帳と予約サイトの設定のずれの問題です。 予約サイトで物件の名前を変えた日に、台帳の表示名も直す決まりにします。

Step11

記録を残す

  • 拾った通知のメールの ID、受信日時、送信元、件名
  • AI が返した JSON の全文と、要確認に回した理由
  • 手配表の行に加えた変更(足した・直した・取消の印)と、その前の値
  • 清掃の依頼と到着の案内を送った日時と送った担当
  • 本人確認を行った日時と方法(宿泊者名簿の側に記録)

3つ目で「直す前の値」を残すのは、変更が何度も入る予約があるためです。 日付が2度変わった予約で、清掃の担当に何を伝えたかを後から追えるようにします。

2つ目の要確認の理由は、月に一度まとめて数えます。 「台帳に無い物件」が多ければ台帳の手入れが、「unknown」が多ければ予約サイトの通知の書式の変更が疑われます。理由ごとの件数が、直す場所を教えてくれます。

宿泊者名簿と旅券の写しは、この構成とは別に保存します。 宿泊者名簿は届出住宅か営業所・事務所に備えて3年間保存する必要があるとされています。手配表に名簿の中身を写さないでください。

04実装レベルの3段階

最小構成:通知を手で Claude の画面に貼り、予約の中身を取り出させる / 1通ずつの取り出し
半自動化:上記+Make で通知を拾い、台帳と照合して手配表に書き、清掃の依頼と到着の案内の下書きを作る / 書き写しと下書きの全体
本格構成:上記+清掃の担当の予定表から空きを引いて担当を選び、清掃の完了の報告を手配表に戻す / 清掃の担当の割り当てと完了の確認

本記事の想定は半自動化です。 1件12分が3分になり、担当3名が書き写しから離れます。本格構成は、清掃の担当が予定表を共有してくれるときに足します。 外部の清掃の担当に予定表の共有を頼むのは、取引の条件の話にもなるので、半自動化の手配表で数か月回して、依頼の形が固まってから相談します。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の要確認の一覧を1か月見ると、台帳の表示名の抜けと、定員の設定の誤りが先に見つかります。それを直してから担当の自動の割り当てに進むほうが、入れ違いが減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
300 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  300件 × 12分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 300件 × 3分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
45h
削減率
75%
年間削減時間
540h
年間金額換算(時間単価2,500円)
135万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 住宅宿泊事業の届出住宅を数十件預かる運営代行会社(住宅宿泊管理業者)で、複数の予約サイトから届く予約の確定・変更・取消の通知メールを、担当が読んで清掃の手配表と宿泊者への案内に手で書き写している場合。物件ごとに清掃の担当と鍵の受け渡しの方法が違い、変更や取消の通知の見落としで清掃の空振りや入れ違いが起きている場合。物件の台帳をスプレッドシートで持っている場合。
向いていない
  1. 預かる物件が数件で、予約の通知を担当が全件その場で処理できる場合。予約の管理を一つのサイトの管理画面やチャネルマネージャーに寄せていて、清掃の手配までそちらで自動で行えている場合。なお、宿泊者の本人確認、宿泊者名簿の作成、鍵の暗証番号の伝達、定員を超える予約の扱いの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月届いた通知のメールから、確定・変更・取消を10通ずつ、3つの予約サイトから選ぶ
  2. 宿泊者の連絡先を手で伏せる
  3. 30通を手元の Claude の画面に1通ずつ貼り、第7章の指示で取り出させる
  4. 取り出した結果を、当時の手配表の行と見比べる

見比べるのは、通知の種類と日付です。 変更の通知を確定と取り違えていないか、年をまたぐ予約の年が合っているかを見ます。

出てきた内容判断
通知の種類と日付が手配表と合うMake のシナリオの組み立てに進む
変更を確定と取り違える指示に予約サイトごとの変更の書き方の例を足す。構成は有効
物件の名前が台帳と合わない台帳の表示名の列を先に作る。 AI の問題ではない

3行目はほぼ必ず出ます。 予約サイトの物件の名前を3つ分並べるだけで、照合のほとんどは片付きます。

30通の中に、年をまたぐ予約と、当日の予約と、人数が増える変更を1通ずつ入れてください。 どれも頻度は低いのに、取り違えると入れ違いが起きる型です。よくある確定の通知が正しく取れても、この3つが取れなければシナリオに進む前に指示を直します。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
変更の通知を新しい予約として扱う通知の種類を必ず取り出させ、件名でなく本文で判断させる
取消を見落として清掃が入る取消のルートで手配表に印を付け、清掃の担当への取消の連絡を下書きにする
物件の名前が台帳と合わない予約サイトごとの表示名の列を台帳に持つ
担当が先に開いたメールが拾われない既読で判断せず、処理済みのラベルで判断する
年をまたぐ予約の年を取り違える受信日時を渡し、year_inferred を担当が確かめる
定員の超過に気づかないMake で台帳の定員と比べ、要確認に回す
構造化出力で400が返る数値の範囲・文字数の制約をスキーマに書かない
案内に暗証番号が入るひな形にも手配表にも番号の欄を作らない
案内の文面が物件の流れと違う文面は AI に書かせず、ひな形に差し込む
同じ予約番号の行が増える予約サイトと予約番号の2つで引き、2行以上なら要確認
清掃の依頼が自動で飛ぶ下書きまでにする。 送るのは担当

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも「どの種類の通知か」を取り違えることから起き、清掃の空振りか、清掃の入らない部屋に宿泊者が着くかのどちらかになります。

「暗証番号を入れない」も、最初から守ってください。 下書きに番号の欄があると、いつか誰かが本人確認の前に送ります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 宿泊者の氏名、宿泊日、人数、到着の予定、言語、物件の所在と鍵の受け渡しの方法です。

  1. 本人確認を自動にしない … 宿泊行為の開始までに宿泊者それぞれの本人確認が必要で、対面か、顔と旅券が画像で鮮明に確認でき、画像が営業所や届出住宅の近くから発信されていると確認できる情報通信技術の方法によるとされています。この構成は本人確認を行わず、案内でそのしかたを伝えるだけです
  2. 鍵の暗証番号を AI にも手配表にも渡さない … 番号は本人確認を終えた後に担当が伝えます
  3. 宿泊者名簿を手配表に写さない … 名簿は旅券の写しとともに別に保存し、3年間の保存の決まりに沿って扱います
  4. 連絡先を伏せてから AI に渡す … 取り出しに連絡先は要りません
  5. 清掃の担当に渡す情報を絞る … 清掃の依頼に要るのは物件・日時・人数・変更の中身までで、宿泊者の氏名は書きません
  6. 定員の超過を自動で断らない … 担当が予約の中身を確かめて判断します
  7. 共有のメールアドレスの権限を絞る … Make に渡す Gmail の接続は、予約の通知を受ける共有のアドレスだけにします。担当個人のメールボックスをつながないでください。 宿泊者との私的なやり取りや、別の業務のメールまで拾う経路ができるからです

誤りが起きた場合のリスクは、清掃の入れ違いと、物件の流れを取り違えた案内を送ることの2つです。 前者は通知の種類の取り出しで、後者は台帳とひな形から下書きを作ることで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:物件の台帳を整える

40物件について、予約サイトごとの表示名、定員、区域、清掃の担当、鍵の受け渡しの方法、本人確認の方法を1行ずつ埋めます。表示名は予約サイトの画面から写します。

2週目:30通で試す

確定・変更・取消を10通ずつ、手元の Claude の画面で取り出し、当時の手配表と見比べます。変更を確定と取り違えないかを最優先で見ます。

3週目:案内のひな形を作る

鍵の受け渡しの方法ごと・言語ごとに、到着までの流れと本人確認のしかたを書いたひな形を作ります。暗証番号の欄は作りません。

4週目:Make で拾うところから手配表までをつなぐ

Watch emails、Make an API Call、Search Rows、ルーター、Add a Row・Update a Row までを作ります。この時点では下書きを作らず、手配表の行が正しく足し引きされるかだけを見ます。

2か月目: 清掃の依頼と到着の案内の下書きを足し、要確認の件数を毎週数えます。3か月目以降: 1件12分が何分になったかを実測し、清掃の担当の予定表とのつなぎを検討します。変更と取消の見落としによる入れ違いが起きなくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-28/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
宿泊行為の開始までに宿泊者それぞれの本人確認が必要で、対面か、顔と旅券が画像で鮮明に確認でき画像が営業所・届出住宅内・その近傍から発信されていると確認できる情報通信技術の方法によること。宿泊者名簿の記載事項、届出住宅か営業所・事務所に備えて3年間保存すること。居室の床面積を宿泊者1人あたり3.3平方メートル以上確保すること観光庁 民泊制度ポータル: 住宅宿泊事業者の業務2026-10-28
Gmail に Watch emails・Update email labels・Create a draft email があること。Watch emails のフィルターに簡単なフィルターと Gmail の検索の書き方があり、1回の上限が500件であることMake Apps: Gmail2026-10-28
Anthropic Claude アプリに Simple Text Prompt・Create a Prompt・Make an API Call があり、構造化出力の記載が無いことMake Apps: Anthropic Claude2026-10-28
ルーターの各ルートが順に評価され、どの条件にも当たらないものがフォールバックのルートで処理されることMake Help Center: Router2026-10-28
Google Sheets に Search Rows・Add a Row・Update a Row があり、Search Rows に1回の実行で返す件数の上限(Limit)があることMake Apps: Google Sheets2026-10-28
構造化出力を output_config.format で指定し、数値の範囲や文字列の長さの制約に対応しないことClaude API Docs: Structured outputs2026-10-28

本人確認の方法、宿泊者名簿の作成と保存、定員を超える予約の扱いは、住宅宿泊事業者・住宅宿泊管理業者として、届出先の自治体の指導に沿って決めてください。 本記事は公開の資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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