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観光協会に加盟の施設・商店から届くイベントや営業時間の変更のメールを整理し、観光サイトの記事とSNSの掲載原稿の下書きを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

加盟の施設・商店から届くイベントや営業時間の変更のメールを読み、日時・場所・料金などをそろえて掲載台帳に書きます。観光サイトの記事とSNSの投稿文の下書き、足りない情報を聞き返す返信の下書きまで作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/宿泊/小売/自治体
対象部門
マーケティング/総務
対象業務
データ入力・転記/書類作成
主な課題
人手が足りない/入力作業が多い/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
生成
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
67%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 代表のアドレスに届いたメールを開き、加盟の施設からの知らせかを確かめる
  2. 本文と添付のチラシを読み、日時・場所・料金・申込の方法・問い合わせ先を書き出す
  3. 書かれていない項目があれば、施設に電話かメールで聞き返す
  4. 加盟施設の台帳とは別の掲載台帳に、知らせの種類と掲載予定日を書く
  5. イベントなら WordPress で記事を書き、営業時間の変更なら施設のページを直す
  6. SNSの投稿文を書き、投稿の予定に入れる
  7. 掲載したことを施設に返信する
導入後(After)
  1. 自動代表のアドレスに届いたメールに、Gmail のフィルタで「加盟店からの知らせ」のラベルが付く
  2. 自動ワークフローがラベルの付いたメールを拾い、送信元を加盟施設の台帳で引く
  3. 自動添付のPDFがあれば取り出す
  4. 自動AIが、本文とPDFから知らせの種類と、日時・場所・料金などの項目を根拠つきで書き出す
  5. 自動規則で行き先を決める(イベント/営業時間の変更・休業/その他)
  6. 自動イベントなら、AIが観光サイトの記事の下書きとSNSの投稿文の案を作り、WordPress に下書きの記事を置く
  7. 自動営業時間の変更・休業なら、施設のページの直しの案を掲載台帳に書く
  8. 自動足りない項目があれば、聞き返しの返信の下書きをスレッドに置く
  9. 人担当が、下書きの記事と根拠を照らし、掲載してよいかを決めて公開する
  10. 人施設のページの直しは、担当が案を見て WordPress で直す
  11. 人SNSの投稿文を確かめ、投稿の予定に入れる
各工程の詳しい説明を読む
  1. 代表のアドレスに届いたメールを開き、加盟の施設からの知らせかを確かめる
  2. 本文と添付のチラシを読み、日時・場所・料金・申込の方法・問い合わせ先を書き出す
  3. 書かれていない項目があれば、施設に電話かメールで聞き返す
  4. 加盟施設の台帳とは別の掲載台帳に、知らせの種類と掲載予定日を書く
  5. イベントなら WordPress で記事を書き、営業時間の変更なら施設のページを直す
  6. SNSの投稿文を書き、投稿の予定に入れる
  7. 掲載したことを施設に返信する

(a)書き出しに時間がかかる。 2番は、チラシのPDFを開いて日時と料金を探す作業です。チラシは見せるための紙面で、情報がデザインの中に散らばっています。 「入場無料」が下の隅に小さく書かれ、時間は写真の上に重ねて書かれています。

(b)聞き返しが遅れて、掲載が週末に間に合わない。 3番の聞き返しは、書き出しの途中で気づくため、メールを受けてから1〜2日後になります。週末のイベントの知らせが木曜に届くと、聞き返している間に週末が来ます。

(c)サイトの書き方がそろわない。 3名がそれぞれ記事を書くため、日付の書き方、料金の書き方、「要予約」の位置が記事ごとに違います。 観光客から見ると、記事ごとに読み方が変わります。

(d)営業時間の変更が埋もれる。 イベントの告知に比べて地味な知らせなので、後回しにされます。施設のページの営業時間が古いままになり、観光客が定休日に訪ねてしまうという苦情が年に何度か届きます。

  1. 【自動】 代表のアドレスに届いたメールに、Gmail のフィルタで「加盟店からの知らせ」のラベルが付く
  2. 【自動】 ワークフローがラベルの付いたメールを拾い、送信元を加盟施設の台帳で引く
  3. 【自動】 添付のPDFがあれば取り出す
  4. 【自動】 AIが、本文とPDFから知らせの種類と、日時・場所・料金などの項目を根拠つきで書き出す
  5. 【自動】 規則で行き先を決める(イベント/営業時間の変更・休業/その他)
  6. 【自動】 イベントなら、AIが観光サイトの記事の下書きとSNSの投稿文の案を作り、WordPress に下書きの記事を置く
  7. 【自動】 営業時間の変更・休業なら、施設のページの直しの案を掲載台帳に書く
  8. 【自動】 足りない項目があれば、聞き返しの返信の下書きをスレッドに置く
  9. 【人】 担当が、下書きの記事と根拠を照らし、掲載してよいかを決めて公開する
  10. 【人】 施設のページの直しは、担当が案を見て WordPress で直す
  11. 【人】 SNSの投稿文を確かめ、投稿の予定に入れる

9番目と10番目が人に残る理由は同じです。 観光サイトの記事は、協会の名前で観光客に向けて出す情報です。下書きは WordPress に「下書き」の状態で置くだけで、公開の状態にはしません。

10番目を下書きの記事にしないのは、施設のページを直接書き換えないためです。 既にある施設のページを機械が書き換えると、正しかった営業時間まで誤った値で上書きされることがあります。案を台帳に置き、人が見て直します。

02今回想定するシステム構成

構成図
加盟の施設・商店 ── 代表のアドレスへメール(本文/チラシのPDF)
   ▼ Gmail のフィルタで「加盟店からの知らせ」のラベル
   ▼【トリガー】Gmail:Watch emails(ラベルを指定)
Make のシナリオ
   ├──▶ Google Sheets:Search Rows(加盟施設の台帳。送信元で引く)
   ├──▶ Gmail:List email attachments and media(PDFを取り出す)
   ├──▶ Claude API(Make an API Call):種類と項目の書き出し
   ├──▶ Router:種類と足りない項目で分岐
   │      ├ イベント → 記事の下書きとSNSの投稿文の案
   │      ├ 営業時間の変更・休業 → 施設のページの直しの案
   │      ├ 加盟施設の台帳に無い送信元 → 担当へ
   │      └ フォールバック → 担当へ
   ├──▶ WordPress:Create a Post(状態は draft)
   ├──▶ Google Sheets:Add a Row(掲載台帳)
   └──▶ Gmail:Create a draft email(聞き返し・受付の返信をスレッドに)
   ▼【人】担当が確かめて公開し、SNSに投稿する
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Gmail、Google Sheets、Router、WordPress)Zapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API。PDFの読み取りと構造化出力)OpenAI API、Gemini API
CMSWordPress(観光サイト。Make Connector プラグイン)自社のCMSの API
保管Google スプレッドシート(加盟施設の台帳・掲載台帳・SNSの投稿の予定)Airtable

新しく足すのは、シナリオと掲載台帳と、WordPress の Make Connector プラグインです。 加盟施設の台帳は読み取るだけで書き込みません。この構成が書き込むのは、掲載台帳、WordPress の下書きの記事、Gmail の下書きの3つだけです。

入口は Gmail の Watch emails です。 公式のページでは、Watch emails はフォルダまたはラベルを指定して見張り、送信元・件名・含む語などの絞り込みと Gmail の検索式による絞り込みが使え、1回に扱う件数は500以下で設定します。添付は List email attachments and media で、メールのIDを指定して取り出します。

WordPress へは、Make の WordPress のアプリで書き込みます。 公式のページでは、このアプリを使うには Make Connector プラグインを有効にした WordPress が必要で、接続には REST API の基本のURLと、プラグインの設定画面にあるAPIキーを使うとされています。Create a Post で記事を作ります。WordPress の REST API の説明では、記事の status には publish、future、draft、pending、private があり、この構成では draft だけを使います。

読み取りと下書きは Claude API で行います。 Make の Anthropic Claude のアプリには Create a Prompt と Make an API Call があり、構造化出力の設定の記載が無いため、Make an API Call で Messages API を呼び、output_config.format に JSON スキーマを書きます。 チラシのPDFは、Claude の PDF の読み取りで渡します。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

代表のアドレスに知らせが届き、Gmail のフィルタでラベルが付いたことを起点にします。 フィルタの条件は、加盟施設の台帳に登録された送信元のアドレスです。台帳からアドレスの一覧を書き出し、Gmail のフィルタに入れておきます。

Watch emails は15分おきに動かし、条件は「未読のみ」ではなく「すべて」にします。担当がメールを先に開いて既読にしても、処理から漏れないようにするためです。 処理済みのメールには別のラベルを付け、Gmail の検索式で除きます。

台帳に無い送信元からの知らせも届きます。 施設の担当者が替わり、個人のアドレスから送ってくる場合です。これはフィルタに当たらないため、担当が受信箱で見つけたら、手でラベルを付けます。 ラベルが付けば、同じ流れに乗ります。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
知らせのメール送信元、件名、本文、受信日時、スレッドのIDGmail(Watch emails)
チラシのPDFイベントの日時・場所・料金・申込方法・問い合わせ先Gmail の添付(List email attachments and media)
加盟施設の情報施設の名称、種別、住所、観光サイトの施設のページのID、登録アドレス加盟施設の台帳(読み取りのみ)
現在の掲載内容施設のページの営業時間・定休日加盟施設の台帳の掲載内容の列
書き方のルール日付・料金・時刻の書き方、記事の見出しの型、SNSの文の長さの目安事務局の表記ルール

質を決めるのは、いちばん下の表記ルールです。 「10月18日(土)10:00〜15:00」と書くのか、「10/18(土) 10時〜15時」と書くのか。決めておかないと、AIは知らせの書き方をそのまま写し、記事ごとに書き方が変わります。 現状の(c)がそのまま残ります。

現在の掲載内容は、営業時間の変更の案を作るために渡します。 「水曜定休になります」という知らせだけでは、いまの定休日に足すのか置き換えるのかが分かりません。いまの掲載内容と並べて初めて、聞き返すべきかが分かります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
新しい知らせGmail(ラベルを指定した Watch emails)1件ずつ処理する起点
加盟施設の情報加盟施設の台帳(Search Rows。送信元のアドレスで引く)施設の特定と、施設のページのID
チラシのPDFList email attachments and media項目の書き出し
同じ知らせの記録掲載台帳(Search Rows。施設とイベントの日付で引く)二重の掲載の防止

送信元のアドレスで施設が引けないときは、AIに施設を推し量らせません。 本文の署名から施設名を拾うことはできますが、似た名前の施設が多い温泉地では取り違えます。 引けないものは、フォールバックで担当へ回します。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 添付の形式の確認 … PDFだけを AI に渡します。画像のチラシ(JPEG・PNG)は、この構成では担当が見ます
  2. PDFの条件の確認 … Claude の公式ページでは、要求の大きさは最大32MB、ページ数は1回の要求で最大600(文脈の長さが100万トークン未満の要求では100)、パスワードや暗号化の無い標準のPDFが条件です。外れるものは担当へ回します
  3. 本文の整理 … 引用された過去のやり取りと署名を除き、新しく書かれた部分だけを渡します
  4. 施設の情報の付加 … 台帳で引いた施設名・種別・住所・施設のページのIDを入力に足します
  5. 二重の知らせの検知 … 同じ施設から同じ日付のイベントが掲載台帳にあれば、「更新の知らせ」として扱います
  1. 日付の候補の計算 … 本文に「今度の土曜」「来月から」のような書き方があれば、受信日から日付の候補を計算して入力に添えます。候補はあくまで担当が見る材料で、AIには確定させません

3番目を省くと、過去のイベントを新しい知らせとして読みます。 施設は前回のやり取りに返信する形で次の知らせを送ってくることが多く、引用の中に去年の同じイベントの日付が残っています。

Step5

AIに処理させる

AIにさせることは2回に分けます。1回目は種類と項目の書き出し、2回目は記事と投稿文の下書きです。 1回目の結果から規則で行き先と、聞き返す項目を決めてから、2回目を呼びます。

1回目に書き出す項目:

項目拾い方書かれていないとき
知らせの種類event / hours_change / closure / other から選ぶother
名称イベント名・催しの名前空
日付・時刻開始と終了。期間の催しは初日と最終日空。曜日だけなら曜日を写す
場所会場の名称と住所空(施設の住所で埋めない)
料金金額と、無料かどうか空
申込・予約要否と方法空
雨天・中止の扱い書かれていれば写す空
問い合わせ先電話・メール・担当者空
営業時間の変更変わる前・後、いつから、いつまで空

「書かれていないとき」の列が、この構成でいちばん大事な列です。 空になった項目は、規則で聞き返す項目に変わります。場所が空のときに施設の住所で埋めないのは、施設の外で開くイベントが少なくないためです。

聞き返す項目は規則で決めます。

種類欠けていたら聞き返す項目
event日付、時刻、場所、料金、申込の要否
hours_changeいつから、変更後の営業時間または定休日
closure休業の期間

2回目にさせること: 1回目の項目と表記ルールから、観光サイトの記事の下書き(見出し・リード・本文・開催情報の表)と、SNSの投稿文の案を作ります。聞き返す項目がある知らせは、その項目を「確認中」と書いた下書きにします。

させないこと理由
書かれていない日時・料金・場所の補完観光客がそのまま信じて来る
「毎年恒例」「大人気」などの言い回しの創作知らせに無い評価を協会の名前で書くことになる
掲載してよいかの判断事務局が掲載の基準で決める
施設のページの直接の書き換え正しい値まで上書きする恐れがある
加盟の施設どうしの比較公平の扱いは事務局の判断
Step6

指示内容を固定する

1回目(種類と項目の書き出し)の指示です。

あなたは観光協会の事務局で、加盟の施設・商店から届いた知らせを
観光サイトに載せるために整理する担当です。
メールの本文と添付のチラシに書かれていることだけを書き出してください。
推測で埋めないでください。

【種類】
event(イベント・催し)/ hours_change(営業時間・定休日の変更)/
closure(臨時休業)/ other(そのほか)から1つ選ぶ

【書き出す項目】
名称、開始日時、終了日時、場所、料金、申込・予約、雨天・中止の扱い、
問い合わせ先、営業時間の変更(変更前・変更後・開始日・終了日)

【厳守事項】
- 書かれていない項目は空にしてください。
  施設の住所で場所を埋める、ほかの項目から料金を推し量る、
  といったことをしないでください。
- 「今度の土曜」「来月から」のような書き方は、そのまま写してください。
  日付に直さないでください。
- 引用された過去のメールの日付や内容を使わないでください。
- 各項目の evidence に、根拠にした本文またはチラシの文を
  そのまま写してください。
- チラシの文字が読み取りにくい項目は、unclear に項目名を書いてください。
- 掲載してよいかどうかについて書かないでください。

【施設の情報】{facility}
【受信日】{received_date}
【メール本文】{body}
【添付のチラシ】(PDF)

「今度の土曜」を日付に直させないのは、受信日と施設の意図がずれることがあるためです。 金曜の夜に送られた「今度の土曜」は、翌日のことも翌週のこともあります。写したまま担当が見れば、聞き返すべきだと気づけます。 ワークフローの側で受信日から日付の候補を計算し、案として並べることはできますが、確定は担当がします。

2回目(下書き)の指示です。

あなたは観光協会の観光サイトの記事と、公式SNSの投稿文の下書きを作る担当です。
入力の項目に書かれていることだけを使い、表記ルールに合わせて書いてください。

【作るもの】
1. 記事の見出し(記事の型に合わせる)
2. リード文(2文まで)
3. 本文(催しの内容。知らせに書かれた説明の範囲で)
4. 開催情報の表(日時/場所/料金/申込/雨天の扱い/問い合わせ先)
5. SNSの投稿文の案(表記ルールの長さの目安に合わせる)

【厳守事項】
- 入力の項目に無いことを書かないでください。
- value が空の項目は、開催情報の表に「確認中」と書いてください。
  本文やSNSの投稿文では、その項目に触れないでください。
- 「毎年恒例」「大人気」「おすすめ」など、知らせに無い評価の言葉を
  使わないでください。
- 日付・時刻・料金は、表記ルールの書き方に直してください。
  ただし、値そのものを変えないでください。
- 問い合わせ先は、施設の情報の代表の連絡先を使ってください。

【入力の項目】{items}
【施設の情報】{facility}
【表記ルールと記事の型】{style_guide}

「値そのものを変えない」と「書き方に直す」を分けて書くのは、表記ルールに合わせる指示が値の書き換えを誘うためです。 「10時〜15時」を「10:00〜15:00」にするのは書き方の直しですが、「午前中」を「10:00〜12:00」にするのは値の創作です。後者を禁じないと、表記ルールに合わせようとして時刻を作ります。

Step7

出力形式を固定する

1回目は次の形の JSON で受けます。

{
  "message_id": "",
  "facility_id": "",
  "type": "event | hours_change | closure | other",
  "items": {
    "title":      { "value": "", "evidence": "" },
    "start":      { "value": "", "evidence": "" },
    "end":        { "value": "", "evidence": "" },
    "venue":      { "value": "", "evidence": "" },
    "fee":        { "value": "", "evidence": "" },
    "reservation":{ "value": "", "evidence": "" },
    "rain_policy":{ "value": "", "evidence": "" },
    "contact":    { "value": "", "evidence": "" }
  },
  "hours_change": {
    "before": "", "after": "", "from": "", "until": "", "evidence": ""
  },
  "unclear": [""]
}

1つ目の理由は、type で Router の行き先を決められることです。 イベントは記事の下書きへ、営業時間の変更と休業は施設のページの直しの案へ進みます。

2つ目は、空の value から聞き返す項目を機械的に決められることです。 規則の表と照らし、空の項目の名前を並べて返信の下書きに入れます。AIに「足りない項目は何か」を考えさせないので、聞き返す項目が担当ごとにぶれません。

3つ目は、evidence で担当の確認が速くなることです。 チラシを開く前に、どの文から日時と料金を拾ったかを読めます。

2回目は、記事の見出し・本文(HTML)・SNSの投稿文の案を受け、WordPress の Create a Post に見出しと本文を、status に draft を入れます。掲載台帳には、記事のID、施設、種類、聞き返した項目、状態を書きます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
GmailWatch emails/List email attachments and media知らせとPDFを取る
加盟施設の台帳Search Rows施設の特定(読み取りのみ)
Claude APIMake an API Call項目の書き出し、記事と投稿文の下書き
WordPressCreate a Post(draft)下書きの記事を置く
掲載台帳Add a Row知らせごとに1行
GmailCreate a draft email(スレッドのIDを指定)聞き返し・受付の返信の下書き

返信は、元のメールのスレッドに下書きとして置きます。 公式のページでは、Create a draft email はスレッドのIDを指定でき、フォルダを選ばなければ下書きのフォルダに入るとされています。送信のモジュールは使いません。 聞き返しの文面は担当が確かめて送ります。

SNSへは、この構成から投稿しません。 投稿文の案は掲載台帳の列に書き、担当が投稿の予定に入れます。観光サイトの記事が公開されてから投稿する順を守るためです。記事より先にSNSに出ると、リンク先が下書きのままになります。

Step9

人が確認する

  1. 掲載してよいかを決める … 事務局の掲載の基準(加盟の施設の催しか、観光客向けか、営業の広告そのものではないか)で決めます
  2. 根拠と下書きを照らす … evidence とチラシで、日時・場所・料金が下書きと一致しているかを見ます。特に日付と曜日の組み合わせを見ます
  3. 「確認中」の項目を片付ける … 聞き返しの返信を送り、答えが来たら下書きを直します
  4. 公開する … WordPress で状態を公開にします。施設のページの直しは、案を見て手で直します
  5. SNSに投稿する … 記事の公開後に、投稿文の案を直して予定に入れます

2番目の「日付と曜日」は、知らせの側で誤っていることがあります。 「10月18日(日)」と書かれていて、18日が土曜の年です。どちらが正しいかは施設にしか分からないので、聞き返します。 ワークフローの側で日付から曜日を計算し、食い違えば掲載台帳に印を付けます。

公開の判断を人に残すのは、掲載の基準が事務局の判断だからです。 加盟の施設の間の扱いの公平さも、そこに含まれます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
送信元が加盟施設の台帳に無いフォールバックで担当へ。本文から施設を推し量らない
添付が画像のチラシだけ本文だけで書き出し、画像は担当が見る。台帳に「画像あり」の印
PDFにパスワードがかかっている担当へ。施設に外したものを送ってもらう
種類が other担当へ。観光サイトに載せる知らせかを担当が決める
同じイベントの知らせが二度届く掲載台帳で照らし、2通目は「更新の知らせ」として差分を担当に示す
日付と曜日が食い違う下書きは「確認中」にし、聞き返しの返信に入れる
イベントの日付が過ぎている記事は作らず、担当へ
中止の知らせ既にある記事を探し、担当へ。公開中の記事を自動で書き換えない
AIの応答が refusal や上限で切れたラベルを付け直さずに残し、次の実行でやり直す

8行目の中止の知らせは、急ぎの例外です。 観光客が中止を知らずに来ないように、ラベルとは別に担当のチャットへすぐ知らせる経路を置きます。

Step11

記録を残す

  • 元のメールとチラシのPDF(Gmail に残る)、処理済みのラベル
  • 1回目の出力の JSON の全文と、そのときの表記ルールの版
  • WordPress の下書きの記事のIDと、公開した日・公開した担当
  • 聞き返した項目と、施設からの答え
  • 担当が下書きから直した箇所(日時・場所・料金のどれを直したか)
  • 掲載しなかった知らせと、その理由

直した箇所の記録は、表記ルールと指示の見直しに使います。 料金の書き方ばかり直しているなら、表記ルールの料金の例が足りません。

掲載しなかった理由は、加盟の施設から問い合わせがあったときに答えるために残します。 掲載の基準をどう当てたかを、後から説明できるようにします。

04実装レベルの3段階

最小構成:本文とPDFを手でAIの画面に貼り、項目を書き出させる / 項目の書き出し
半自動化:上記+ラベルを起点に、項目の書き出し・下書きの記事・聞き返しの下書きまでをシナリオで作る / 受付から下書きまで
本格構成:上記+加盟の施設が使う知らせのフォームを用意し、メールと同じ流れに乗せ、SNSの投稿の予定まで台帳から作る / 受付の型そろえと投稿の予定

半自動化が本記事の想定です。 1件15分が5分になります。残るのは、掲載の判断、根拠と下書きの照らし合わせ、聞き返しの返信の送信、SNSへの投稿です。 本格構成で効くのは、入口の型をそろえることです。 フォームで受ければ、項目が最初からそろって届き、AIが読む量が減ります。ただし、加盟の施設にフォームを使ってもらうには時間がかかります。 メールの流れを先に回し、フォームは使う施設から順に広げます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
240 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
5 分
現在  240件 × 15分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 240件 × 5分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
67%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価3,000円)
144万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 加盟の施設・商店・団体が数百あり、イベントの告知や営業時間の変更の知らせが月に百件を超えてメールで届く観光協会・観光地域づくりの法人・商店街の振興組合。事務局の数名が、メールとチラシのPDFを読んで観光サイトの記事を書き、SNSにも投稿している場合。観光サイトを WordPress で運営している場合。
向いていない
  1. 加盟の施設が数十で、知らせが月に十数件に収まる場合。加盟の施設が観光サイトの管理画面に自分で情報を入れる仕組みが、すでに運用に乗っている場合。知らせの多くが電話や紙のFAXで届き、メールが少ない場合。なお、掲載してよい内容かどうか、加盟の施設どうしの扱いの公平さの判断は事務局が行うもので、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月届いた知らせから30件を選ぶ(チラシのPDFだけのもの、本文だけのもの、営業時間の変更をそれぞれ入れる)
  2. 事務局の表記ルールを1枚にまとめる(日付・時刻・料金・申込の書き方と、記事の見出しの型)
  3. 手元のAIサービスの画面に、本文とPDFを1件ずつ貼り、第7章の1回目の指示で項目を書き出させる
  4. 書き出された項目を、当時の観光サイトの記事と突き合わせる
  5. 空になった項目が、当時担当が聞き返した項目と一致しているかを見る

5番目が、この試行で確かめることです。 空の項目がそのまま聞き返す項目になるのが、この構成の考え方です。

出てきた内容判断
当時の記事と同じ項目が拾え、空の項目が聞き返した項目と一致したワークフローの連携に進む
書かれていない場所や料金が埋まった指示の書き方で直る。構成は有効
チラシの文字が読めず、項目が拾えない件数が多いチラシの受け取り方が先。 施設に本文での記入をお願いする

3行目のときは、知らせの書き方の型を加盟の施設に配ります。 「日時・場所・料金・申込・問い合わせ先を本文に書いてください」という1枚の案内で、読み取りに頼る件数が減ります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
引用の中の去年の日付を新しい知らせとして読む引用と署名を除いてから渡す
場所が空なのに施設の住所で埋まる指示で禁じ、空の項目は聞き返す
「今度の土曜」が誤った日付になる写させる。日付の確定は担当
日付と曜日が食い違うまま掲載されるワークフローで曜日を計算し、食い違えば印を付ける
下書きの記事が公開されてしまうstatus は draft に固定。公開は人
既にある施設のページが上書きされる施設のページは直接書き換えず、案を台帳に置く
担当が既読にしたメールが処理されない条件を「すべて」にし、処理済みのラベルで除く
台帳に無い送信元を推し量って施設を取り違える引けないものは担当へ
中止の知らせが後回しになる種類と本文の語で拾い、担当のチャットにすぐ知らせる
SNSの投稿が記事の公開より先になる投稿は記事の公開後。投稿文は台帳に置くだけ

上の3行は、AIに渡す前と指示の書き方で防ぐ失敗です。 どれも、観光客が誤った日時や場所に向かうことにつながります。

5行目と6行目は、仕組みの側で防ぐ失敗です。 下書きの状態と、台帳に案を置くだけという設計を、運用が慣れても崩さないでください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 加盟の施設の名称・住所・担当者の氏名とメールアドレス・電話番号、イベントの内容です。イベントの多くは公開を前提にした情報ですが、担当者の個人の連絡先が含まれることがあります。

  1. 問い合わせ先に個人の連絡先を載せない … 施設の担当者が個人の携帯番号を署名に書いていることがあります。記事の問い合わせ先は、加盟施設の台帳に登録された施設の代表の連絡先を使い、知らせの署名から拾った個人の連絡先は、担当が確かめるまで載せません
  2. 公開の判断を人に残す … WordPress へは draft だけで書き込みます。協会の名前で出る情報です
  3. AIに渡すのは、その知らせに要るものだけにする … 加盟施設の台帳の全体を渡さず、引いた施設の行だけを渡します
  4. 加盟の施設どうしの扱いを、AIに決めさせない … 掲載の順番や扱いの大きさは、事務局の基準で決めます
  5. WordPress の接続の権限を絞る … Make Connector プラグインのAPIキーは、記事の下書きを作るのに要る範囲で使い、キーを知る人を事務局の管理者に限ります
  6. チラシの写真に写った人 … チラシに写っている人の写真を観光サイトに転載するかは、施設に確かめてから決めます。この構成は写真を記事に載せません

誤りが起きた場合のリスクは、誤った日時や場所が観光サイトに載ることと、施設のページの正しい情報が上書きされることの2つです。 前者は空の項目を聞き返す設計で、後者は直接書き換えない設計で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:表記ルールを1枚にまとめる

日付・時刻・料金・申込の書き方、記事の見出しの型、SNSの投稿文の型を、いまの記事から拾ってまとめます。3名の書き方の違いを、ここで1つに決めます。

2週目:30件で試す

第8章の手順で、項目の書き出しを試します。書かれていない場所や料金が埋まっていないかを最優先で見ます。

3週目:台帳と WordPress の準備

加盟施設の台帳に登録アドレスと施設のページのIDの列を足し、知らせの多い施設から埋めます。WordPress に Make Connector プラグインを入れ、下書きの記事を作れることを試します。

4週目:受付から項目の書き出しまでをつなぐ

Make で Gmail のラベルを見張り、項目を掲載台帳に書き出すところまで作ります。この時点では下書きの記事を作らず、項目と聞き返す項目だけを担当が見ます。

2か月目: 下書きの記事と聞き返しの返信の下書きを足します。3か月目以降: 直した箇所の記録を読んで表記ルールと指示を直し、1件15分が何分になったかを実測します。営業時間の変更が届いた週のうちに施設のページに反映されるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-14/最終更新:2026-10-15
確認した内容情報源確認日
Watch emails がフォルダまたはラベルを指定して見張り、送信元・件名などの絞り込みと Gmail の検索式が使え、1回の件数が500以下であること。添付を List email attachments and media で取り出すこと。Create a draft email がスレッドのIDを指定でき、フォルダを選ばなければ下書きのフォルダに入ることMake: Gmail modules2026-10-14
Search Rows がフィルタに合う行を返し、Limit で件数の上限を決めること。Add a Row が表の末尾に行を足すことMake: Google Sheets modules2026-10-14
ルートが1本ずつ順に処理され、フォールバックのルートを置けることMake: Router2026-10-14
WordPress のアプリに Create a Post などのモジュールがあり、Make Connector プラグインを有効にした WordPress と、REST API の基本のURL、プラグインのAPIキーで接続することMake: WordPress2026-10-14
記事の status に publish、future、draft、pending、private があることWordPress REST API: Posts2026-10-14
Anthropic Claude のアプリに Create a Prompt と Make an API Call があり、構造化出力の設定の記載が無いことMake: Anthropic Claude2026-10-14
構造化出力が output_config.format に JSON スキーマを指定し、応答の本文でスキーマに沿った JSON を返すこと。拒否や max_tokens のときはスキーマに合わないことがあることClaude API: Structured outputs2026-10-14
PDFの文字・図・表を読めること。要求の大きさが最大32MB、ページ数が最大600(文脈の長さが100万トークン未満の要求では100)、パスワードや暗号化の無い標準のPDFが条件であることClaude API: PDF support2026-10-14

何を観光サイトに載せるかは、事務局の掲載の基準で決めてください。 本記事は公開されている資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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