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家事代行の会社が申込フォームの内容を Zapier で受け、作業の種類・時間・訪問の条件を抜き出して、条件に合うスタッフの候補を手配の担当に出す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

家事代行の申込フォームの内容を Zapier で受け、作業の種類・頻度・時間・訪問の条件をAIが決めた項目に抜き出して申込台帳に書きます。スタッフ表の式で条件の合うスタッフの候補を出し、手配の担当に確認事項の下書きと一緒に渡します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/介護
対象部門
営業
対象業務
データ入力・転記/比較検討
主な課題
入力作業が多い/判断に時間がかかる/属人化している
AIで行う処理
抽出
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
48h/月
AI導入後
16h/月
想定削減
67%
年間削減
384h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 申込フォームの送信が、営業部のメールに届く
  2. 手配の担当が申込を開き、チェックの欄と自由記述を読む
  3. 申込台帳に1行足し、作業の種類・頻度・曜日・時間帯・訪問の条件を写す
  4. 足りない条件があれば、お客様に電話かメールで聞き直す
  5. スタッフ表を地域と曜日で絞り、できる作業とペット・不在の可否を見て候補を探す
  6. 候補のスタッフに打診し、決まったらお客様に初回の日時を連絡する
導入後(After)
  1. 【お客様】 申込フォームから申し込む
  2. 自動フォームの送信で Zapier の Zap が動く
  3. 自動AI by Zapier が、チェックの欄と自由記述から条件を決めた項目に抜き出す
  4. 自動申込台帳に1行足す(同じ申込番号があれば足さない)
  5. 自動スタッフ表の式が、地域・曜日・時間帯・作業・ペット・不在の可否の合うスタッフを並べる
  6. 自動条件の足りないものはお客様への確認の下書きを、そろったものは候補の一覧を、手配の担当に送る
  7. 人手配の担当が、抜き出した条件と候補を見て、確認を送るかスタッフに打診するかを決める
  8. 人スタッフに打診し、決まったらお客様に初回の日時を連絡する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 申込フォームの送信が、営業部のメールに届く
  2. 手配の担当が申込を開き、チェックの欄と自由記述を読む
  3. 申込台帳に1行足し、作業の種類・頻度・曜日・時間帯・訪問の条件を写す
  4. 足りない条件があれば、お客様に電話かメールで聞き直す
  5. スタッフ表を地域と曜日で絞り、できる作業とペット・不在の可否を見て候補を探す
  6. 候補のスタッフに打診し、決まったらお客様に初回の日時を連絡する

(a)自由記述からの写し間違いと写し漏れ。 3番目の作業は、長い自由記述から条件を拾って欄に写すものです。「猫が1匹」を写し忘れると、猫アレルギーのスタッフが初回に行ってしまいます。 写し漏れは、初回の訪問の場で発覚します。

(b)聞き直しが何度も出る。 不在なのか、鍵はどうするのか、駐車場はあるのか。読んで気づいたものから順に聞くので、1件の申込で電話が2回、3回になります。 お客様が仕事で不在の時間帯には電話がつながらず、返事が数日遅れます。

(c)合うスタッフを探せる人が限られる。 スタッフ表は120名分あり、地域と曜日で絞っても、できる作業・ペット・不在の可否を見比べるのは手間です。ベテランの担当はスタッフの顔を思い浮かべて候補を挙げられますが、新しい担当は表を何度も絞り直します。

(d)営業所ごとに台帳の書き方が違う。 2つの営業所の担当が同じ台帳に書いていますが、「隔週」を「2週に1回」と書く人、「月2回」と書く人がいます。書き方が揃っていないと、台帳を絞り込んでも同じ条件の申込が全部は出てきません。 後から定期の件数を数えるときにも、書き方を読み替える手間がかかります。

(e)申込から初回までが長い。 聞き直しと候補探しに時間がかかると、申込から初回の訪問の連絡まで1週間近くかかります。その間に、お客様は他の会社にも申し込んでいることがあります。

  1. 【お客様】 申込フォームから申し込む
  2. 【自動】 フォームの送信で Zapier の Zap が動く
  3. 【自動】 AI by Zapier が、チェックの欄と自由記述から条件を決めた項目に抜き出す
  4. 【自動】 申込台帳に1行足す(同じ申込番号があれば足さない)
  5. 【自動】 スタッフ表の式が、地域・曜日・時間帯・作業・ペット・不在の可否の合うスタッフを並べる
  6. 【自動】 条件の足りないものはお客様への確認の下書きを、そろったものは候補の一覧を、手配の担当に送る
  7. 【人】 手配の担当が、抜き出した条件と候補を見て、確認を送るかスタッフに打診するかを決める
  8. 【人】 スタッフに打診し、決まったらお客様に初回の日時を連絡する

7番目が、この設計の分かれ目です。スタッフはAIにも式にも決めさせません。 式が並べるのは条件の合う人までで、その中から誰を行かせるかは、スタッフの人柄やお客様との相性を知る担当が決めます。

5番目を表の式で行うのも意図してのことです。 「不在の家に入れる」の印は会社が研修と勤続で付けているもので、AIが文から推し量ってよいものではありません。

02今回想定するシステム構成

構成図
お客様(申込フォーム:チェックの欄・自由記述・住所)
   │
   ▼【トリガー】フォームの送信(Webhooks by Zapier の Catch Hook)
Zapier(Zap)
   ▼
AI by Zapier ── 作業の種類/頻度/曜日・時間帯/1回の時間/
   │              在宅・不在/鍵/ペット/スタッフの希望/食事の制約の有無/確認事項
   ▼
Google Sheets ── 申込台帳に1行(同じ申込番号は足さない)
   │              スタッフ表の式が候補を並べる
   ▼
Paths ── 条件が足りない → 確認の下書き
     ├── 対象外の依頼を含む → 手配の担当へ
     └── そろっている → 候補の一覧
   ▼
【手配の担当が確認・打診を決める】
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Webhooks by Zapier、Google Sheets、Paths)Make、n8n、Power Automate
生成AIAI by Zapier(出力の項目を決めた抜き出し)ChatGPT(OpenAI)、Claude
集計Google スプレッドシート(申込台帳・スタッフ表・候補を並べる式)Zapier Tables
メールGmail(手配の担当への通知と確認の下書き)Microsoft Outlook

受け口は Webhooks by Zapier の Catch Hook です。 要求の本文が解析され、項目ごとに後のステップで使えるようになります。受け取れる大きさはトリガーで10MBまでです。

AIは AI by Zapier を使います。 Zap の中に AI のステップを足せる組み込みの機能で、出力の項目を名前・型・説明・必須かどうかで決められます。項目を決めておけば、AIの答えが自由文ではなく、項目ごとの値で返ります。

Webhooks by Zapier、AI by Zapier、Paths は、いずれも Free プランでは使えません。 Professional 以上のプランが前提です。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

申込フォームの送信を起点にします。 フォームの送信先を Catch Hook のURLにし、1件ずつ Zap を動かします。家事代行の申込は、最初の返事が早い会社に決まりやすいので、まとめて処理しません。

Catch Hook を選ぶのは、本文を解析してくれるからです。 Catch Raw Hook は本文を解析せず、ヘッダーを含めて受け取る形で、大きさも2MBまでです。申込フォームの項目を後のステップでそのまま使うなら、Catch Hook で足ります。

Webhook の応答はカスタマイズできません。 フォームの完了画面は、フォームの側で出します。また、Zap を止めると Catch Hook は404を返しますが、反映まで数時間かかることがあるとされているので、Zap を直すときはフォームの側で受付を一時的に止めます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
申込申込番号、名前、住所、連絡先、作業の種類のチェック、希望の曜日のチェック、自由記述申込フォーム(Catch Hook)
地域の表郵便番号から営業所と地域の区分を引く表Google スプレッドシート
スタッフ表地域、動ける曜日と時間帯、できる作業、ペットの可否、不在の家に入れるか、担当の件数Google スプレッドシート
申込台帳申込番号、抜き出した条件、候補、状態Google スプレッドシート
サービスの範囲の表受ける作業と受けない作業(身体の介助、子どもの世話、高所の作業など)Google スプレッドシート

質を決めるのは、スタッフ表が最新であることです。 動ける曜日やペットの可否が古いままだと、式は条件の合わないスタッフを候補に並べます。スタッフが予定を変えたら、その日のうちに表を直す運用を先に決めます。

サービスの範囲の表は、AIに渡します。 お客様は「ついでに子どもの保育園のお迎えも」のように、受けていない作業を書くことがあります。範囲の外の作業を見分けさせるには、何が範囲の外かをAIに見せる必要があります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどうやって
申込の項目申込フォームCatch Hook(本文を解析して項目に分ける)
抜き出した条件AI by Zapier出力の項目(名前・型・説明・必須)を決めたステップ
申込台帳の行申込台帳Lookup Spreadsheet Row(申込番号で引き、無ければ行を作る)
候補のスタッフ候補のシートLookup Spreadsheet Row(申込番号で引く)
範囲の外の作業サービスの範囲の表プロンプトに貼り込んでおく(変更は月に数回)

申込台帳への書き込みは、Lookup Spreadsheet Row の「行が無ければ作る」を使います。 申込番号で引いて、無ければ新しい行を作る設定です。同じ申込がフォームの二度押しで2回届いても、行は1つしかできません。

候補は、スプレッドシートの式で並べます。 候補のシートに、申込台帳の行を参照してスタッフ表を絞る式(FILTER など)を置き、申込番号ごとに条件の合うスタッフを並べます。Zapier は、その結果を申込番号で引いて読むだけです。 Zapier のステップでスタッフ表を絞ろうとすると、条件が6つあるため組み立てが複雑になり、直すたびに Zap を止めることになります。式なら、手配の担当が条件を足すのも表の上でできます。

候補のシートの式が見る条件は、次の6つです。

申込台帳の列スタッフ表の列合う条件
地域の区分動ける地域同じ区分を含む
days_and_time動ける曜日と時間帯希望の枠をすべて含む
service_typesできる作業頼まれた作業をすべて含む
petsペットの可否なし以外なら、その種類に入れる
presence不在の家に入れるか不在なら印のある人だけ
staff_preference性別など希望があれば合う人だけ

並べる順は、担当の件数の少ない順にします。 同じ人に定期の契約が偏ると、その人が休んだときに代わりがいなくなるからです。式は上位5人までを1つのセルにまとめ、Zapier はそのセルを読みます。

Lookup Spreadsheet Row で突き合わせられる列は2つまでです。 主の列と補助の列の両方が一致した行を返します。複数の行を取りたいときは Lookup Spreadsheets Rows (Advanced) で最大500行まで取れますが、この構成では、候補を式で1行にまとめておき、1行だけ引きます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 地域の区分を引く … 住所の郵便番号から営業所と地域の区分を引きます。AIには渡しません
  2. 名前・住所・連絡先を外す … AIに渡すのは、作業の種類と曜日のチェック、自由記述だけです
  3. 自由記述の中の電話番号・メールアドレスを伏せる … お客様が自由記述に書くことがあるので、フォームの側で送信の前に形の決まったものを置き換えます
  4. サービスの範囲の表をプロンプトに入れる … 範囲の外の作業の一覧を、そのまま貼ります
  5. 申込日を渡す … 「来月から」「再来週の月曜から」を日付にする基準にします

2番目で住所を外すのは、AIに要らないからです。 地域は郵便番号から表で引けます。住所は、スタッフに打診するときに手配の担当が伝えるもので、AIの抜き出しには関係しません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、申込の文から次の項目を抜き出すことだけです。 項目は、スタッフ表の列と申込台帳の欄に合わせてあります。

項目値の例書かれていないときの扱い
作業の種類掃除(水回り)、掃除(居室)、作り置き、洗濯、整理収納、買い物チェックの欄だけで埋める
範囲の外の作業子どもの送迎、身体の介助、高所の作業など空
頻度毎週、隔週、月1回、単発unclear
曜日と時間帯平日の午前、火・木の午後などunclear
1回の時間2時間、3時間unclear
在宅か不在か在宅、不在、日によるunclear
鍵の受け渡し預かり、キーボックス、管理人から不在なのに無ければ確認事項へ
ペットなし、犬、猫、その他unclear
スタッフの希望女性を希望、同じ人を希望など空
食事の制約の有無あり、なし作り置きがあるのに無ければ確認事項へ
確認事項お客様に聞くことの一覧-

食事の制約は「あり/なし」だけを抜き出し、中身を写しません。 お客様が「夫が糖尿病で塩分を控えています」と書くことがあり、これは病歴に当たりうる情報です。 手配の担当は原文を申込台帳で見ればよく、AIの出力にまで中身を複製しません。

させないこと理由
スタッフの選定相性と人柄を知る担当が決める
不在の家に入れるかの判断会社が研修と勤続で付ける印
料金の計算料金表で決まる
書かれていない条件の推測「猫がいそう」「平日の昼が都合よさそう」と補わない
範囲の外の作業を受けるかの判断範囲の外は手配の担当が断り方を決める

4行目がいちばん起きやすい失敗です。 「仕事で日中はいません」から「不在」は読めますが、「午前の希望」は書かれていません。何も言わないと、AIは不在の時間帯から「平日の日中」を補います。 補った値は確認事項から消えるので、聞かずに手配が進みます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは家事代行の会社で、申込の内容を整理する担当です。
申込のチェックの欄と自由記述だけを見て、決めた項目に抜き出してください。

【抜き出す項目】
- service_types:作業の種類。チェックの欄と自由記述の両方から拾ってください。
  自由記述に「できれば」「余裕があれば」とあるものも含め、
  service_notes にその書き方を写してください。
- out_of_scope:下の【受けていない作業】に当たる依頼。当たらなければ空。
- frequency:weekly / biweekly / monthly / once / unclear
- days_and_time:曜日と時間帯。書かれていなければ unclear。
- hours_per_visit:1回の時間。書かれていなければ unclear。
- presence:home / away / varies / unclear
- key_handover:鍵の受け渡しの方法。書かれていなければ空。
- pets:none / dog / cat / other / unclear。種類と数があれば pet_notes に。
- staff_preference:スタッフの希望。無ければ空。
- diet_restriction:作り置きを頼んでいる場合だけ、食事の制約が「ある」と
  書かれていれば yes、「ない」と書かれていれば no、書かれていなければ unclear。
  制約の中身は写さないでください。
- questions:お客様に確かめることを、聞く文の形で3つまで。

【確認事項に必ず入れるもの】
- presence が away なのに key_handover が空のとき:鍵の受け渡しの方法
- service_types に作り置きがあり diet_restriction が unclear のとき:食事の制約の有無
- frequency か days_and_time が unclear のとき:頻度または希望の曜日と時間帯

【厳守事項】
- 書かれていないことを補わないでください。不在だから日中が良い、
  といった推測で days_and_time を埋めないでください。
- 病気・障害・介護の状況が書かれていても、出力に写さないでください。
- スタッフの選び方、料金、受けるかどうかは書かないでください。
- evidence には、各項目の根拠にした自由記述の文をそのまま写してください。
  ただし病気・障害に関する部分は写さないでください。

【受けていない作業】{out_of_scope_list}
【申込日】{applied_date}
【作業の種類のチェック】{checked_services}
【希望の曜日のチェック】{checked_days}
【自由記述】{free_text}

「推測で埋めない」を例つきで書いているのは、例がないと効かないからです。 「推測しない」とだけ書くと、AIは推測と思わずに「平日の日中」を書きます。どういう推測をしがちかを具体的に書くと、unclear が返るようになります。

病気・障害を写さない指示は、evidence にも掛けています。 出力の項目で中身を外しても、根拠の欄に原文をそのまま写されると同じことになるからです。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目として、次の項目を決めておきます。 項目ごとに名前・型・説明・必須かどうかを設定でき、後のステップで項目ごとに使えます。

出力の項目型必須
service_typesテキスト(カンマ区切り)必須
service_notesテキスト任意
out_of_scopeテキスト任意
frequencyテキスト(決めた値)必須
days_and_timeテキスト必須
hours_per_visitテキスト必須
presenceテキスト(決めた値)必須
key_handoverテキスト任意
pets / pet_notesテキスト必須/任意
staff_preferenceテキスト任意
diet_restrictionテキスト(決めた値)任意
questionsテキスト(改行区切り)任意
evidenceテキスト任意

第1章の申込の例なら、次のように返ります。

service_types: 掃除(水回り),作り置き
service_notes: 作り置きは「できれば」
frequency: unclear
days_and_time: 平日の午前
presence: away
key_handover: 預かり
pets: cat(pet_notes: 1匹)
diet_restriction: unclear
questions: ご利用の頻度(毎週・隔週など)を教えてください。
           作り置きについて、食材や味付けで控えたいものはありますか。

1つ目の理由は、項目をそのまま申込台帳の列に書けることです。 自由文で返されると、台帳の列に分ける手間が残ります。項目ごとに返れば、Lookup Spreadsheet Row の行の作成で列に割り当てるだけです。

2つ目は、Paths の条件を項目で書けることです。

道条件
範囲の外を含むout_of_scope が空でない
確認が要るquestions が空でない、または frequency・days_and_time・presence のどれかが unclear
候補を出す上のどちらにも当たらない

Paths は1つのグループに10本まで道を置け、どの道にも当たらないときの道を1本持てます。 道の後に共通のステップは置けないので、申込台帳への書き込みは Paths の前に済ませます。

値をカンマ区切りの文字にしているのは、スタッフ表の式で扱いやすいからです。 作業の種類が複数あるとき、式の側で「スタッフのできる作業にすべて含まれるか」を見ます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
申込フォームWebhooks by Zapier の Catch Hook申込を受ける
AI by ZapierZap のステップ条件を項目に抜き出す
申込台帳Google Sheets の Lookup Spreadsheet Row(無ければ作る)抜き出した条件を書く
候補のシートGoogle Sheets の Lookup Spreadsheet Row式が並べた候補を読む
手配の担当Gmail候補の一覧、または確認の下書きを送る

お客様へのメールは、自動では送りません。 確認の下書きは手配の担当に届き、担当が読み直してから送ります。家事代行は家に入る仕事なので、最初のやり取りの言葉づかいがそのまま信頼につながります。

スタッフへの打診も、自動では送りません。 候補の一覧は手配の担当にだけ届きます。

Step9

人が確認する

手配の担当は、すべての申込を見ます。ただし、読むのは抜き出した項目と候補です。

  1. 範囲の外を含むものを先に見る … 断るか、範囲の中だけ受けるかを決めます
  2. 確認が要るものの下書きを直して送る … 聞くことは3つまでになっているので、まとめて1通で送ります
  3. 候補の中からスタッフを選ぶ … 担当の件数、過去のお客様との相性、移動の距離を見て決めます
  4. 抜き出しを直したら記録する … どの項目を、どの値に変えたかを残します

3番目は、式に任せられない部分です。 式は「行ける人」を並べますが、「行ってほしい人」は並べません。初めて定期を頼むお客様には、経験の長いスタッフを当てる、といった判断は担当がします。

目標は1件4分です。 そろっている申込は候補を見てスタッフを選ぶだけで2〜3分、確認が要るものは下書きの手直しで数分かかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
候補が0人条件を1つずつ外した候補を担当が見る。外した条件をお客様に相談する
住所が営業所の範囲の外地域の表で当たらない。AIを呼ばず、手配の担当へ
自由記述が空チェックの欄だけで項目を埋め、頻度と時間帯を確認事項にする
範囲の外の作業だけの申込候補を出さず、手配の担当へ
AIのステップが失敗する申込台帳に「抜き出し待ち」で行を作り、担当へ通知する
内容が利用の方針に触れて失敗する提供元の方針に触れる内容でステップが失敗しうる。担当が原文を読む
フォームの二度押し申込番号で引くので、行は1つだけ
Zap を止めている間の申込404 の反映に数時間かかることがある。フォームの側で受付を止める

1行目が、運用で最も多く起きる例外です。 平日の午前で猫の家に入れて作り置きができるスタッフは、地域によっては0人です。どの条件を外すとスタッフが見つかるかを担当が見て、お客様に「午後なら」「隔週なら」と相談します。

Step11

記録を残す

  • 申込の全項目と申込番号、受け付けた時刻
  • AIが抜き出した項目と、根拠の文
  • 式が並べた候補と、そのときのスタッフ表の状態
  • 手配の担当が直した項目と、選んだスタッフ
  • お客様に送った確認と、その返事
  • 初回の訪問の後の、条件の食い違い(「聞いていなかった」の記録)

最後の行が、この構成の成績表です。 初回の訪問で「ペットがいると聞いていなかった」「鍵の受け渡しが決まっていなかった」が減っていれば、抜き出しと確認事項が働いています。

04実装レベルの3段階

最小構成:申込を手でAIの画面に貼り、条件を抜き出させる / 条件の抜き出し
半自動化:上記+Zapier で申込を受け、抜き出しを申込台帳に書く / 抜き出しと台帳への記録
本格構成:上記+スタッフ表の式で候補を並べ、Paths で確認の下書きと候補の一覧に分けて手配の担当に送る / 申込の受付から手配の候補までの全体

最小構成では件数がさばけません。 抜き出しが当時の写しとどれくらい合うかを確かめる段階です。 半自動化で、1件12分が8分程度になります。 写す作業は無くなりますが、聞き直しと候補探しが手で残ります。本格構成で4分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、候補探しの5分が式に置き換わるからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の台帳を1か月見ると、スタッフ表のどの列が古いか、どの条件で候補が0人になりやすいかが分かります。表を直してから式を入れたほうが、候補の質が上がります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
240 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  240件 × 12分 ÷ 60 = 48 時間/月
導入後 240件 × 4分 ÷ 60 = 16 時間/月
月間削減時間
32h
削減率
67%
年間削減時間
384h
年間金額換算(時間単価2,800円)
108万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 掃除・料理の作り置き・洗濯・整理収納などの家事代行を、登録スタッフを訪問させる形で提供している会社。Web の申込が月に百件を超え、申込の自由記述を読んで条件を聞き直し、スタッフ表から合う人を探す作業を手配の担当が手で行っている場合。定期の契約が多く、最初の手配の相性が継続に響く場合。
向いていない
  1. 申込が月に数十件で、手配の担当がスタッフ全員の予定と得意を覚えている場合。予約の画面で日時とスタッフをお客様が自分で選ぶ形にしている場合。身体の介助や子どもの世話を含むサービスで、資格や別の手続きが要る手配の場合。なお、どのスタッフを派遣するかは手配の担当が決めるもので、この構成は代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 過去3か月の申込から30件を選ぶ(うち数件は、初回の訪問で条件の食い違いがあったものを入れる)
  2. その30件について、申込台帳に写した条件と、聞き直した内容を書き出す
  3. 手元のAIサービスの画面に、チェックの欄と自由記述を貼り、第7章のプロンプトで抜き出させる
  4. 抜き出しを、当時の台帳と聞き直しの内容と突き合わせる

食い違いがあったものを必ず入れてください。 この構成がいちばん役に立つのは、写し漏れを拾うところだからです。

出てきた内容判断
当時の写し漏れを項目として拾ったZap を組む段階に進む
聞き直した内容が確認事項に入っていた確認の下書きが使える
書かれていない条件を補って埋めた指示の書き方で直る。構成は有効
病気の内容を evidence に写した指示を強める。直らなければ evidence の項目をやめる

4行目は、出たら必ず直してください。 抜き出しの精度より、写してはいけないものが写らないことのほうが大事です。

30件の結果は、スタッフ表と並べても見てください。 抜き出した条件で、当時のスタッフ表を手で絞ってみると、当時の担当が選んだスタッフが候補の中に入っているかが分かります。入っていなければ、担当は表に無い理由(以前のお客様との相性、移動の手段)で選んでいたということで、その理由を表の列にできるかを考える材料になります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
チェックの欄だけで手配して自由記述の条件が落ちるチェックと自由記述の両方から拾わせ、service_notes に書き方を写す
書かれていない時間帯を補う推測の例をプロンプトに書き、unclear を返させる
病気の内容が出力に写る中身を写さない指示を evidence にも掛ける
不在の家に入れないスタッフが候補に出る不在の可否は会社の印。式で絞り、AIに判断させない
フォームの二度押しで行が2つできるLookup Spreadsheet Row で申込番号を引き、無いときだけ作る
Paths の後に共通のステップを置けない台帳への書き込みを Paths の前に置く
AI by Zapier のタスクの消費が想定より多い既定の Premium を Standard に変えて試す
スタッフ表が古く候補が外れる予定の変更をその日のうちに表に直す運用を決める
候補が0人で止まる条件を1つずつ外した候補を担当が見る

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、抜き出しが申込の内容とずれる形の失敗で、初回の訪問まで気づかれません。

下の2行は、運用が続くほど効いてきます。 スタッフ表が古くなると、式は「行けるはずの人」を並べ続け、打診して断られる回数が増えます。断られた打診を台帳に記録し、同じスタッフが続けて断るなら表の予定を直す、という小さな運用を最初から入れておきます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: お客様の名前・住所・連絡先、在宅か不在か、鍵の受け渡しの方法、家族の構成、ペット、食事の制約、スタッフの予定と住んでいる地域です。「いつ不在で、鍵をどう受け渡すか」は、防犯に直結する情報です。

  1. AIに渡す範囲を絞る … 名前・住所・連絡先は渡しません。AIに要るのは、チェックの欄と自由記述だけです
  2. 要配慮個人情報に気をつける … 病歴や心身の機能の障害は要配慮個人情報で、取得には原則として本人の同意が要るとされています。申込フォームで病気や介護の状況を聞かないこと、書かれていた場合の扱いを利用目的と一緒に示しておくことを先に決めます。AIの出力には中身を写させません
  3. 不在と鍵の情報を広げない … 不在の時間帯と鍵の受け渡しの方法は、申込台帳の閲覧できる人を手配の担当に絞り、スタッフには打診が決まってから必要な分だけ伝えます
  4. お客様とスタッフへの連絡を自動にしない … 下書きと候補は手配の担当にだけ届きます
  5. スタッフの情報の扱い … スタッフ表の住んでいる地域や予定は、スタッフの個人情報です。候補の一覧には名前と地域の区分だけを出し、住所は出しません
  6. AIの提供元の扱いを確かめる … AI by Zapier は OpenAI・Anthropic・Google Gemini などの提供元のモデルを使い、提供元の方針に触れる内容ではステップが失敗しうるとされています。どの提供元のモデルを使うかを決め、その提供元のデータの扱いを確かめておきます

誤りが起きた場合のリスクは、条件の写し漏れで合わないスタッフが訪問することと、不在と鍵の情報が漏れることの2つです。 前者は確認事項と人の確認で、後者は渡す範囲と閲覧の範囲で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:スタッフ表をそろえる

スタッフ表の列を、地域・動ける曜日と時間帯・できる作業・ペットの可否・不在の家に入れるかにそろえ、全員分を最新にします。 あわせて、サービスの範囲の外の作業を一覧にします。

2週目:30件で試す

第8章の手順で30件を抜き出させ、当時の写し漏れを拾えるか、病気の内容が出力に写らないかを最優先で見ます。

3週目:申込フォームを見直す

病気や介護の状況を書かせない説明と、利用目的の表示を整えます。フォームの欄に「不在の場合の鍵の受け渡し」を足すと、確認事項が1つ減ります。

4週目:申込から台帳への記録までをつなぐ

Catch Hook で申込を受け、AI by Zapier で抜き出し、申込台帳に書くところまで作ります。この時点では候補を出さず、抜き出しだけを担当が見ます。

2か月目: 候補を並べる式と Paths を足し、確認の下書きと候補の一覧を担当に送ります。直した項目を毎週数えます。3か月目以降: 1件12分が何分になったかを実測します。初回の訪問での「聞いていなかった」が月に数件まで減り、新しい担当でもベテランと同じ候補から選べるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-28/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
Webhooks by Zapier の Catch Hook が本文を解析し、Catch Raw Hook が本文を解析せずヘッダーを含めて受け取る(2MBまで)こと。トリガーの大きさの上限が10MBであること。応答をカスタマイズできないこと。Zap を止めると404を返すが反映に数時間かかりうること。Free プランでは使えないことZapier Help: Webhooks by Zapier2026-10-28
AI by Zapier が Zap に AI のステップを足す組み込みの機能であること。出力の項目を名前・型・説明・必須で決められること。提供元に OpenAI・Anthropic・Google Gemini・Azure OpenAI・Amazon Bedrock があること。Standard が1倍・Advanced が3倍・Premium が5倍のタスクで新しいステップの既定が Premium、Bring Your Own Key が1倍であること。Professional 以上のプランで使えること。提供元の方針に触れる内容でステップが失敗しうることZapier Help: AI by Zapier2026-10-28
Paths の1つのグループに10本まで道を置けること。どの道にも当たらないときの道が1本であること。道の後に共通のステップを置けないこと。Paths のステップ自体はタスクを使わないこと。Professional 以上のプランで使えることZapier Help: Paths2026-10-28
Google Sheets の Lookup Spreadsheet Row で主の列と補助の列の2つを突き合わせられること。行が無いときに作る設定があること。Lookup Spreadsheets Rows (Advanced) で最大500行を取れることZapier Help: Google Sheets2026-10-28
要配慮個人情報に病歴や心身の機能の障害が含まれること。取得には原則として本人の同意が必要なこと個人情報保護委員会: 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)2026-10-28

サービスの範囲、スタッフ表の列、候補を並べる条件は本記事の例です。 実際には自社のサービスの内容とスタッフの管理の仕方に合わせて置き換えてください。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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