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ドローンスクール(成人の受講者)が受講の申込を Zapier で受け、講習の区分・日程・国家資格の有無を抜き出して受講の台帳に入れる

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

ドローンスクールの Web のフォームに届く受講の申込を読み、自由記述の欄から講習の区分・希望の日程・国家資格の有無を抜き出して受講の台帳に入れます。足りない情報を尋ねる案内の下書きも作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/教育
対象部門
営業
対象業務
データ入力・転記/台帳・マスタ管理
主な課題
入力作業が多い/問い合わせが多い/確認ミスが多い
AIで行う処理
抽出
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
67%
年間削減
240h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 申込者が Web のフォームに記入して送る。回答はスプレッドシートにたまる
  2. 受付の担当が回答を開き、受けたい講習・経験・資格・希望の日程を読む
  3. 受講の台帳に、1申込1行で写す。講習の区分の名前をスクールの言葉に直す
  4. 経験者向けの条件の表と、書かれた経験や資格を見比べる
  5. 開講の日程表を開き、希望に合う日程を探す
  6. 技能証明申請者番号の有無、保有資格の有効期限など、足りない情報を拾う
  7. 区分・日程の候補・足りない情報の質問を書いた最初の返信を送る
導入後(After)
  1. 人申込者が、これまでどおり Web のフォームに記入して送る
  2. 自動Zapier がフォームの新しい回答をきっかけに動く
  3. 自動AI by Zapier が自由記述から、希望の講習・日程・経験・保有資格と有効期限・申請者番号の有無を抜き出す
  4. 自動Zapier が開講の日程表を引き、希望に合う日程の候補を探す
  5. 自動受講の台帳に1申込1行で入れる。表の式が、保有資格の有効期限から更新の申請の時期を出す
  6. 自動足りない情報があるか、区分の確かめが要るかで道を分ける
  7. 自動足りない情報の質問と、申請者番号の取得の案内を入れた返信の下書きを作る
  8. 人受付の担当が台帳の行と下書きを確かめ、講習の区分を決めて送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 申込者が Web のフォームに記入して送る。回答はスプレッドシートにたまる
  2. 受付の担当が回答を開き、受けたい講習・経験・資格・希望の日程を読む
  3. 受講の台帳に、1申込1行で写す。講習の区分の名前をスクールの言葉に直す
  4. 経験者向けの条件の表と、書かれた経験や資格を見比べる
  5. 開講の日程表を開き、希望に合う日程を探す
  6. 技能証明申請者番号の有無、保有資格の有効期限など、足りない情報を拾う
  7. 区分・日程の候補・足りない情報の質問を書いた最初の返信を送る

(a)自由記述の読み直しに時間がかかる。 「去年スクールで民間の講習を受けた。国家資格はまだ」と書く人もいれば、「二等は持っている」とだけ書いて一等を受けたいのか更新したいのかが分からない人もいます。1件ずつ、どの講習の申込なのかを読み取るところから始まります。

(b)申請者番号の確かめが漏れる。 番号が無いと受講の手続きが進みませんが、フォームに番号の欄が無く、自由記述に書かれていないことに気づかないまま日程を確定してしまうことがあります。講習の直前になって番号が無いと分かり、日程を組み直します。

(c)日程の書き方がばらばら。 「11月の土日」「平日の午後なら」「15日から3日間」と書き方が違い、開講の日程表と見比べるのに時間がかかります。 1つの申込に「第1希望」「第2希望」が混ざっていると、どちらを先に見るかでも迷います。

(d)保有資格の有効期限を見ていない。 技能証明の有効期限は3年で、更新は有効期間満了日の6か月前から1か月前までに申請が必要とされています。更新講習の申込で、期限まで1か月を切っている人に気づかずに先の日程を案内してしまうと、更新に間に合いません。

  1. 【人】 申込者が、これまでどおり Web のフォームに記入して送る
  2. 【自動】 Zapier がフォームの新しい回答をきっかけに動く
  3. 【自動】 AI by Zapier が自由記述から、希望の講習・日程・経験・保有資格と有効期限・申請者番号の有無を抜き出す
  4. 【自動】 Zapier が開講の日程表を引き、希望に合う日程の候補を探す
  5. 【自動】 受講の台帳に1申込1行で入れる。表の式が、保有資格の有効期限から更新の申請の時期を出す
  6. 【自動】 足りない情報があるか、区分の確かめが要るかで道を分ける
  7. 【自動】 足りない情報の質問と、申請者番号の取得の案内を入れた返信の下書きを作る
  8. 【人】 受付の担当が台帳の行と下書きを確かめ、講習の区分を決めて送る

8番目が、この設計の分かれ目です。 下書きを送る前に、講習の区分は必ず人が決めます。 ただし、台帳の行はすでにできていて、足りない情報と日程の候補も並んでいるので、確かめる時間は短くなります。

5番目の有効期限の計算は、AIではなく表の式です。 AIは「来年3月で切れる」を「2027年3月」と写すところまでで、満了日の6か月前から1か月前までの期間を出すのはスプレッドシートの式です。 日付の計算を毎回AIに任せる理由はありません。

02今回想定するシステム構成

構成図
申込者(Web のフォーム:名前・連絡先・受けたい講習・経験・資格・希望の日程)
   ▼【トリガー】Google Forms の New Form Response
Zapier(Zap)
   ▼
AI by Zapier ── 自由記述から項目を抜き出す(出力の項目を決めて返す)
   ▼
Google Sheets ── 開講の日程表を Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) で引く
   ▼
Google Sheets ── 受講の台帳に Create Spreadsheet Row
   │              式:更新の申請の時期、経験者向けの条件の確かめ
   ▼
Paths ── そろっている ── 日程の候補を入れた返信の下書き(Create Draft)
     ├── 足りない ──── 質問と申請者番号の案内を入れた下書き
     └── 区分の確かめ ── 受付の担当の確認の一覧
   ▼
【人】受付の担当が区分を決め、下書きを確かめて送る
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Google Forms、Google Sheets、Paths、Gmail)Make、n8n、Power Automate
生成AIAI by Zapier(出力の項目を決めた抜き出し)ChatGPT(OpenAI)、Claude
保管Google スプレッドシート(受講の台帳・開講の日程表・講習の区分の表・経験者向けの条件の表)Zapier Tables
メールGmail(受付のアドレス)Microsoft Outlook

新しく作るのは、講習の区分の表です。 スクールで開く講習を、二等・初学者向け、二等・経験者向け、一等・初学者向け、一等・経験者向け、限定変更、更新講習のように並べ、それぞれに学科と実地の時間、受講料、受講の前に要るもの(申請者番号、保有している技能証明など)を1行で持たせます。申込者がよく使う言い方(「二等」「二等ライセンス」「国家資格の更新」など)も、言い換えの例として列に入れます。

受け口は Google Forms の New Form Response です。 新しい回答を受けると即時に動くトリガーで、回答はスプレッドシートに保存しておく必要があるとされています。フォームそのものには直接つなげないためです。

AI の部品は AI by Zapier です。 出力の項目を名前と型で決められ、決めた項目ごとに値が返ってくるので、そのまま台帳の列に入れられます。モデルの段は Standard・Advanced・Premium などから選べ、新しいステップの既定は Premium(1回の実行で5タスク)とされています。抜き出しだけの処理なので、Standard(1タスク)で試し、取りこぼしが多いときだけ段を上げます。 AI by Zapier は Professional・Team・Enterprise のプランで使え、Free のプランでは Zap を公開できません。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

フォームに新しい回答が届いたことを起点にします。 Google Forms の New Form Response は、新しい回答を受けると即時に動くトリガーです。回答の保存先のスプレッドシートを先に作っておきます。 フォームの設定で回答の保存先を作り、Zapier の接続ではそのフォームを選びます。

申込者が回答を直したときは、この Zap を動かしません。 Google Forms には、回答の追加と修正の両方で動く New or Updated Form Response のトリガーもありますが、修正のたびに台帳の行が増えるのを避けるため、新しい回答だけを起点にします。 回答の修正は、受付の担当が台帳の行を直して扱います。

Google の API の利用の上限を超えると429が返るとされています。月120件の申込なら上限に近づくことはまずありませんが、講習の募集を一斉に始めた日のように申込が集中したときは、Zap の履歴で止まっている回がないかを見ます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
フォームの回答名前、連絡先、18歳以上であることの確認、受けたい講習、飛行の経験、保有資格、希望の日程、申請者番号(任意)Google フォーム(回答のスプレッドシート)
講習の区分の表区分の名前、言い換えの例、学科・実地の時間、受講料、受講の前に要るものスプレッドシート
開講の日程表校舎、講習の区分、開講日、日数、定員、残りの席スプレッドシート
経験者向けの条件の表スクールが決めた経験者向けの講習を受けられる条件スプレッドシート

AIに渡すのは、フォームの回答と講習の区分の表の名前・言い換えの例の列だけです。 開講の日程表と経験者向けの条件の表は渡しません。日程の候補は表を引いて出し、条件に当たるかは人が見るからです。

18歳以上であることの確認の欄を、必須の項目にします。 この構成は成人の申込だけを前提にしています。確認の欄にチェックの無い回答は、AIに渡さずに受付の担当へ回します。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
回答の全項目New Form Response の出力AI に渡す自由記述と、台帳の名前・連絡先
講習の区分の表AI の指示に区分の名前と言い換えの例を貼り込んでおく区分の候補
日程表の行Google Sheets の Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)(区分で絞る)日程の候補
台帳の既存の行Google Sheets の Lookup Spreadsheet Row(メールアドレスで探す)同じ人の申込の重複

日程表は、区分で絞って複数の行を引きます。 Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) は一度に最大500行まで取り出せるとされています。区分ごとの開講日を引き、残りの席がある行だけを日程の候補に残します。

同じ人の申込は、メールアドレスで台帳を探します。 Lookup Spreadsheet Row は列と値で行を探し、見つかった行を返します。1回目の申込に返事が届く前に2回目を送ってくる申込者がいるので、行が見つかったら新しい行を作らず、担当者の確認の一覧に回します。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 18歳以上の確認 … 確認の欄にチェックの無い回答は、ここで止めて担当者へ回します
  2. 空の回答の確認 … 自由記述の4つの欄がすべて空なら、AIに渡さず「受けたい講習を教えてください」という下書きだけを作ります
  3. 全角と半角の統一 … 「2等」「二等」「2等」をそろえます。AIに渡す前に置き換えておくと、区分の読み違いが減ります
  4. 申請者番号の形の確認 … 番号の欄に何か書かれていれば、桁と文字の種類だけを確かめます。番号が正しいかは確かめません
  5. 受付番号の付与 … 回答ごとに受付番号を振り、台帳と返信の件名に付けます
  6. 届いた日時の記録 … 「来週の土日」のような書き方を担当者が読み解けるよう、届いた日時を一緒に渡します

4番目で番号の正しさを確かめないのは、確かめる手段がこの構成に無いからです。 番号の取得は申込者が国のシステムで行うもので、スクールの側で番号の真偽を判断することはしません。 形が崩れているものだけを、担当者が聞き返す対象にします。

Step5

AIに処理させる

させるのは、自由記述を台帳の項目に分けて写すことです。 講習の区分は、渡した区分の表の名前から、申込者が希望として書いたものを選ばせます。

抜き出すもの抜き出し方書かれていないときの扱い
希望の講習区分の表の名前から1つ選ぶ。言い換えの例も見る当てはまらなければ 不明
飛行の経験時間、期間、使った機体を書かれているとおりに写す空にする
民間の資格講習の団体や資格の名前を写す空にする
国家資格一等・二等の別、有効期限を写す「無し」と書かれていれば 無し、書かれていなければ空
申請者番号取得済み・未取得・書かれていない、の3つから選ぶ書かれていない
希望の日程第1希望・第2希望を分けて、書かれているとおりに写す空にする
根拠その項目の判断に使った回答の箇所必ず入れる

「国家資格」の扱いが、この構成でいちばん大事なところです。 「無し」と書かれていることと、何も書かれていないことは、区分の決め方がまったく違います。 前者は初学者か経験者かの話になり、後者はまず聞き返すことになります。

させないこと理由
経験者向けの講習の条件に当たるかの判定受講料と講習の時間に直結する。スクールの基準で人が決める
更新の時期に当たるかの判定満了日からの期間は表の式で出す
「来年3月」を日付に直すこと何日かは書かれていない。月までを写し、日は空ける
申請者番号の推測や補完書かれた番号を写すだけ
日程の候補を選ぶこと日程表は表を引いて出す。残りの席は表にしか無い

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 「民間の資格を持っている」と書かれていると、AIは経験者向けの講習を希望の講習として選ぼうとします。申込者が希望として書いた区分と、スクールが受けてもらう区分は、別の列に置きます。

Step6

指示内容を固定する

あなたはドローンスクールの受付の担当として、受講の申込の回答を読み、
受講の台帳の項目に分ける立場です。
回答に書かれていることだけを使ってください。推測で埋めないでください。

【やること】
1. desired_course には、申込者が受けたいと書いた講習を、
   下の【講習の区分】の name から1つ選んで入れる。
   言い換えの例(aliases)も見てよい。当てはまらなければ「不明」とする。
2. flight_experience には、飛行の時間・期間・機体を書かれているとおりに写す。
3. private_license には、民間の講習の団体や資格の名前を写す。
4. national_license には「一等」「二等」「無し」のどれかを入れる。
   国家資格について何も書かれていなければ空文字にする。
5. license_expiry には、有効期限を書かれているとおりに写す。
   「来年3月」のように日が無いときは、日を補わない。
6. applicant_no_status には「取得済み」「未取得」「書かれていない」の
   どれかを入れる。番号が書かれていれば applicant_no に写す。
7. wish_1 と wish_2 には、第1希望と第2希望の日程を書かれているとおりに写す。
   希望が1つだけなら wish_2 は空文字にする。
8. evidence には、それぞれの判断に使った回答の箇所を写す。

【厳守事項】
- 経験者向けの講習を受けられるかどうかを書かないでください。
  desired_course は、申込者が希望として書いた講習です。
- 民間の資格や飛行の経験から、経験者向けの区分を選ばないでください。
  申込者が「経験者コース」と書いた場合だけ、経験者向けを選んでください。
- 更新の時期かどうか、期限に間に合うかを書かないでください。
- 国家資格について書かれていないときに「無し」を入れないでください。
- 「来週」「来月」を日付に直さないでください。届いた日時は参考です。
- 回答に講習と関係の無い質問(駐車場、支払いの方法など)があれば、
  other_questions に写してください。

【講習の区分】{course_table}
【届いた日時】{submitted_at}
【申込の回答】{form_answers}

「国家資格について書かれていないときに無しを入れない」を、独立した1行にしています。 何も言わなければ、AIは国家資格の話が出てこない回答を「無し」と読みます。その瞬間、二等を持っている人が初学者向けの申込として台帳に入ります。

「経験者コースと書いた場合だけ」を明記しているのも同じ理由です。 経験の長さから気を利かせて区分を選ぶと、受講料の安い区分で案内してしまい、条件に当たらないと分かったときに案内をやり直すことになります。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目を、次のように決めます。

項目名型中身
desired_course文字区分の表の名前か「不明」
flight_experience文字書かれた経験
private_license文字書かれた民間の資格
national_license文字一等・二等・無し・空
license_expiry文字書かれた有効期限
applicant_no_status文字取得済み・未取得・書かれていない
applicant_no文字書かれた番号
wish_1 / wish_2文字書かれた日程
other_questions文字講習と関係の無い質問
evidence文字判断の根拠にした回答の箇所

1つ目の理由は、項目ごとに値が返るので、台帳の列にそのまま入れられることです。 1つの文章で返させると、Zapier の側で文章を切り分ける手間が増え、切り分けの誤りが台帳の列のずれになります。

2つ目は、すべての項目を文字で受けていることです。 有効期限は「2027年3月」「R9.3」「来年の春」と書き方がばらばらなので、文字のまま台帳に入れ、表の式で年月に直します。 直せないものは空と同じ扱いにして、担当者の確認に回します。

3つ目は、AIの列と人の列を分けられることです。 台帳には、AIが埋める列の右に、表の式と人が埋める列を並べます。

表の式と人で埋める列埋め方
更新の申請の時期license_expiry を年月に直せたら、満了の6か月前から1か月前までの期間を出す
日程の候補日程表から、区分が合い、残りの席がある開講日を3つまで
受けてもらう区分受付の担当が、経験者向けの条件の表を見て決める
状態区分が 不明、国家資格が空、申請者番号が「書かれていない」のどれかがあれば「足りない」

要は、申込者の希望とスクールの決定を別の列に置くことです。 「受けてもらう区分」が空のうちは、返信の下書きに受講料を書きません。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Google フォームNew Form Response申込を受ける
AI by Zapier出力の項目を決めた抜き出し自由記述を項目に分ける
開講の日程表Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)区分ごとの開講日を引く
受講の台帳Lookup Spreadsheet Row、Create Spreadsheet Row重複を探し、1申込1行で入れる
返信Gmail の Create Draft下書きまでを作る

Paths は、そろっている・足りない・区分の確かめの3つの道にします。 Paths の道は左から右へ1本ずつ動き、1つの道の組に最大10本まで置けます。Paths を置いたら、それが Zap の最後のステップになるので、台帳への書き込みは Paths の前に済ませます。

台帳の書き込みには、編集の権限が要ります。 Google Sheets の作成と更新のアクションには、そのスプレッドシートの編集者の権限が必要とされています。Zapier の接続に使う Google のアカウントを、受付の共有のアカウントにしておきます。

メールは下書きまでで、送るのは人です。 Gmail の Send Email は使わず、Create Draft だけを置きます。

Step9

人が確認する

受付の担当が開くのは、すべての申込の下書きです。 ただし、確かめる中身は道によって違います。

  1. 「区分の確かめ」の道を先に見る … 経験者向けの区分を希望している申込です。経験者向けの条件の表と、private_license・flight_experience を見比べて、受けてもらう区分を決めます
  2. 「足りない」の道を見る … 下書きの質問が、足りない項目と合っているかを確かめます。申請者番号が未取得なら、取得の案内が入っているかを見ます
  3. 「そろっている」の道を見る … 日程の候補が希望と合っているか、受講料が受けてもらう区分のものかを確かめて送ります
  4. 更新講習の申込は、期限を見る … 表の式が出した更新の申請の時期と、日程の候補を並べて、期限に間に合う日程を案内しているかを確かめます

1番目を省かないでください。 経験者向けの区分で案内してから条件に当たらないと分かると、受講料も講習の日数も変わり、申込者との信頼に響きます。

目標は、120件をならして1件5分です。 「そろっている」の申込は下書きを読んで送るだけで1〜2分、「区分の確かめ」と「足りない」は条件の表と見比べるので数分かかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
18歳以上の確認にチェックが無いAIに渡さず、担当者へ。この構成で受けない
同じメールアドレスの申込が台帳にある新しい行を作らず、担当者の確認の一覧へ
希望の講習が 不明「足りない」の道へ。言い換えの例を表に足す候補として印を付ける
希望の日程に合う開講日が無い日程の候補を空にし、次の開講の予定を担当者が書き足す
有効期限が年月に直せない更新の申請の時期を空にし、担当者が聞き返す
更新の申請の時期をすでに過ぎている担当者へすぐ知らせる。失効後の手続きは国のページで確かめて案内する
AI by Zapier の応答が無い・止まったZap の履歴を見て、その回を再実行する
講習と関係の無い質問だけの回答other_questions だけが埋まる。問い合わせとして担当者へ
フォームの回答の保存先が外れたトリガーが動かなくなる。回答の保存先を確かめる

上から3行目までが大半を占めます。 どれもAIの問題ではなく、フォームの作りと区分の表の整備の問題です。 言い換えの例を足し、フォームの説明文に「お持ちの国家資格と有効期限」を書く例を載せるほうが、指示を工夫するより効きます。

Step11

記録を残す

  • フォームの回答の全文と受付番号、届いた日時
  • AI by Zapier に渡した内容と、返ってきた項目の値
  • 受講の台帳の行と、表の式で埋めた列。そのとき使った講習の区分の表の版
  • 人が決めた区分と、AIの desired_course が違った記録
  • 返信の下書きと、実際に送った文面、送った日時
  • 申請者番号の案内を送った日と、番号が届いた日

4つ目は、指示と区分の表を直す材料になります。 申込者の希望と受けてもらう区分が違う申込が多いなら、フォームの説明文か、区分の表の言い換えの例が足りていません。

04実装レベルの3段階

最小構成:回答と区分の表を手でAIの画面に貼り、項目を抜き出させる / 1件ごとの読み取り
半自動化:上記+Zapier でフォームの回答を受けて AI by Zapier を呼び、台帳に行を入れ、日程の候補と返信の下書きを作る / 読み取り・台帳・下書き
本格構成:上記+受講の確定の後に、講師の割り当て、受講の前日の案内、修了の後の更新の時期の案内まで続ける / 受付から修了の後まで

最小構成では件数がさばけません。 1件ずつ貼り付けるので、月120件には使えません。確かめるための段階です。 本記事の想定は半自動化です。 1件15分が5分になります。受付の担当が区分を決めて下書きを送るところは、本格構成でも人に残ります。 本格構成は、受付の後の講師の割り当てや案内の仕組みを足すもので、受付の時間はほとんど変わりません。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の台帳を1か月見ると、不明 になりやすい言い方と、聞き返しの多い項目が分かります。そこを直してから後ろの仕組みを足します。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
120 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
5 分
現在  120件 × 15分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 120件 × 5分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
20h
削減率
67%
年間削減時間
240h
年間金額換算(時間単価2,800円)
67万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 国の登録講習機関として、二等・一等の無人航空機操縦士の講習や更新講習を開いているドローンスクールで、受講者が成人に限られる場合。申込を Web のフォームで受けているが、希望の日程や経験・保有資格を自由記述で書いてもらっていて、受付の担当が読み直して台帳に写している場合。初学者向けと経験者向けで講習の時間が違い、どちらの区分で受けるかの確認に手間がかかっている場合。
向いていない
  1. 申込が月に数件の場合。予約の仕組みで講習の区分と日程を選んでもらい、自由記述の欄が無い場合。18歳未満の受講者を受け入れている場合(この構成は成人の申込だけを前提にしています)。なお、受講者が経験者向けの講習の条件に当たるか、技能証明の更新の時期に当たるかの判断は、スクールの担当者が行うもので、この構成は代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月届いた申込から30件を選ぶ(国家資格の話が書かれていないもの、更新講習の申込、日程の希望が2つあるものを必ず入れる)
  2. その30件について、当時の台帳の行と、聞き返したことを並べておく
  3. 講習の区分の表を、言い換えの例の列も含めて1枚のテキストにする
  4. 手元のAIサービスの画面に区分の表と回答を貼り、「希望の講習・経験・民間の資格・国家資格と有効期限・申請者番号の有無・希望の日程を抜き出してください。書かれていない項目は空けてください。経験者向けかどうかは判断しないでください」と指示する
  5. 出てきた結果を、当時の台帳と突き合わせる

30件は必ずやってください。 Zap を組む前に、「国家資格が書かれていない回答を空のまま返すか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時の台帳と同じ項目が入り、書かれていない国家資格が空になっているZapier とのつなぎに進む
国家資格が書かれていない回答に「無し」が入った指示の書き方で直る。構成は有効
希望の講習の多くが 不明 になる言い換えの例が先。 AIの問題ではない

2行目が出ることは珍しくありません。 「国家資格が書かれていないものは空のまま」という一文を足し、同じ30件で取り直してください。空のまま返るようになれば、聞き返す対象が機械で決まります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
国家資格が書かれていない回答に「無し」が入る独立した1行で禁じ、evidence が空なのに「無し」になっていないかを確かめる
経験から経験者向けの区分が選ばれる「経験者コースと書いた場合だけ」と指示し、受けてもらう区分は人が決める
「来年3月」に日が補われる日を補わないと指示し、年月だけを表の式で扱う
回答を直すたびに台帳の行が増えるNew Form Response だけを使い、New or Updated は使わない
同じ人が二度申し込むメールアドレスで台帳を探し、見つかったら担当者へ
フォームの回答がトリガーに届かない回答をスプレッドシートに保存しておく
AI by Zapier のタスクが想定より多い既定は Premium(5タスク)。Standard に変えて試す
Paths の後に台帳の書き込みを置けないPaths は Zap の最後のステップ。書き込みは前に済ませる
台帳に書き込めない接続のアカウントにスプレッドシートの編集の権限を与える
返信が自動で送られるCreate Draft だけを置く。 送信は人が行う

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、書かれていないことを「それらしいもの」で埋める同じ型の失敗です。書かれていないものを空けたまま返させる設計が守られているかで、受付の担当が何を聞き返せばよいかが決まります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 申込者の名前・連絡先、飛行の経験、保有している資格と有効期限、技能証明申請者番号です。

  1. 申請者番号を必要以上に広げない … 番号は台帳の列に入れるだけにし、返信の下書きや社内の連絡に写さないようにします
  2. 18歳以上の申込だけを受ける … この構成は成人の受講者を前提にしています。確認の欄にチェックの無い回答は、AIに渡しません
  3. 区分を自動で決めない … 受講料と講習の時間に直結します。受けてもらう区分は受付の担当が決めます
  4. 制度の情報は国のページで確かめる … 技能証明の有効期限や更新の申請の時期、講習と試験の手続きは、国土交通省のページと指定試験機関の案内で確かめ、区分の表を更新します
  5. AI by Zapier に渡す範囲を絞る … 渡すのは自由記述の欄と区分の表の名前までにし、連絡先の欄は渡さない設計にします

誤りが起きた場合のリスクは、区分を誤って案内することと、申請者番号や更新の期限の確かめが漏れることの2つです。 前者は区分を人が決めることで、後者は書かれていないものを空けたまま返させる設計で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:講習の区分の表を作る

スクールで開く講習を区分の表に並べ、過去3か月の申込から申込者の言い方を集めて言い換えの例の列に入れます。 あわせて、フォームに18歳以上であることの確認の欄を足します。

2週目:30件で試す

先月の申込から30件を選び、手元のAIサービスに区分の表と回答を貼って項目を出させます。当時の台帳と突き合わせ、国家資格が書かれていない回答に「無し」が入っていないかを最優先で見ます。

3週目:台帳の列を足す

台帳に、AIが埋める列と、表の式と人が埋める列(更新の申請の時期、日程の候補、受けてもらう区分、状態)を足します。経験者向けの条件の表を、受付の担当2名で見比べて同じ基準にします。

4週目:フォームから下書きまでをつなぐ

Zapier で New Form Response を受け、AI by Zapier を呼び、台帳に行を入れて、返信の下書きを作るところまで作ります。最初の2週間は Paths を置かず、下書きを1種類だけにして台帳の行を見ます。

2か月目: Paths で3つの道に分け、「足りない」と「区分の確かめ」の件数を毎週数えます。3か月目以降: 1件15分が何分になったかを実測し、申込者の希望と受けてもらう区分の違いが減った時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
Google Forms の New Form Response と New or Updated Form Response が即時のトリガーであること。回答をスプレッドシートに保存しておく必要があること。Google の API の上限を超えると429が返ることZapier: How to get started with Google Forms on Zapier2026-10-29
AI by Zapier で出力の項目を決められること。モデルの段(Standard 1タスク、Advanced 3タスク、Premium 5タスク)と、新しいステップの既定が Premium であること。Professional・Team・Enterprise で使え、Free では Zap を公開できないことZapier: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-29
Google Sheets の Create Spreadsheet Row があり、作成と更新のアクションに編集者の権限が要ることZapier: How to get started with Google Sheets on Zapier2026-10-29
Lookup Spreadsheet Row が列と値で行を探すこと。Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) が最大500行を取り出せることZapier: Find and update spreadsheet rows in Google Sheets2026-10-29
Paths の道の組が最大10本で、左から右へ1本ずつ動き、Paths が Zap の最後のステップになることZapier: Add branching logic to Zaps with Paths2026-10-29
Gmail の Create Draft で下書きを作れることZapier: How to get started with Gmail on Zapier2026-10-29
技能証明申請者番号を取得することで、登録講習機関の講習の受講申請や指定試験機関の試験の受験申請ができること。技能証明の有効期限が3年で、更新は有効期間満了日の6か月前から1か月前までに申請が必要なこと。講習の日程・料金は各機関に問い合わせること国土交通省: 無人航空機操縦者技能証明等2026-10-29

講習の区分や更新の手続きは、国土交通省のページと指定試験機関の案内で最新の内容を確かめてください。 本記事は上の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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