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役員の会議・面談の前に、関係するメール・Teams・資料・前回の議事録から、論点・前回からの変化・決めることを1枚のブリーフィングにまとめる

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

役員の会議・面談の前に、前回の議事録・最新の資料・メールと Teams のやり取りを集め、論点・前回からの変化・この場で決めることを1枚のブリーフィングにまとめます。根拠の見つからない点も分けて示します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/商社/製造
対象部門
経営企画
対象業務
書類作成/要約
主な課題
判断に時間がかかる/情報が見つからない/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
要約
主な効果
判断支援/工数削減/検索時間短縮
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
67%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 担当が、役員の予定表から翌週の会議・面談を拾う
  2. 前回の議事録を会議体のサイトから探して読む
  3. 担当部署の最新の資料を、案件のチャネルやサイトから探して読む
  4. 案件のメールと Teams のやり取りを検索し、前回の会議のあとの動きを拾う
  5. 担当部署に電話や Teams で最新の状況を聞く
  6. 論点・前回からの変化・決めることを、Word の様式に書く
  7. 前日の17時までに役員に渡す
導入後(After)
  1. 人担当が、役員の予定表から翌週の会議・面談を拾い、会議体や案件ごとのノートブックに前回の議事録と最新の資料を追加する
  2. 人担当が、ノートブックで決まった指示を使い、前回の議事録と最新の資料から論点・前回からの変化・決めることの案を表で出させる
  3. 人担当が、Copilot Chat(Work IQ をオン)で、前回の会議の日から今日までのメールと Teams のやり取りのうち、案件に関わるものを根拠付きで拾わせる
  4. 人担当が、根拠の見つからない点と、やり取りで新しく出た点を、担当部署に確かめる
  5. 人担当が、Word の Copilot で、確かめた表をブリーフィングの様式に整える
  6. 人担当が全体を読み、前日の17時までに役員に渡す
  7. 人役員は、必要に応じて Outlook の予定から Copilot の会議の準備を開き、自分のメールの文脈を足す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 担当が、役員の予定表から翌週の会議・面談を拾う
  2. 前回の議事録を会議体のサイトから探して読む
  3. 担当部署の最新の資料を、案件のチャネルやサイトから探して読む
  4. 案件のメールと Teams のやり取りを検索し、前回の会議のあとの動きを拾う
  5. 担当部署に電話や Teams で最新の状況を聞く
  6. 論点・前回からの変化・決めることを、Word の様式に書く
  7. 前日の17時までに役員に渡す

(a)集めて読むのに時間がかかる。 2番から4番で、1件あたり30分近くかかります。前回の議事録がどの会議体のサイトにあるか、最新の資料がどの版かを探すところから始まります。

(b)前回から何が変わったかが分からない。 資料は最新版だけが置かれ、前回の会議で見た版との違いは、担当が2つを開いて見比べないと分かりません。 見比べる時間が無い週は、最新版の要約で済ませます。

(c)決めることが資料に埋もれる。 担当部署の資料は報告と相談と承認の依頼が混ざっていて、「今日この場で役員に決めてほしいこと」が資料の後ろの方に1行で書かれていることがあります。

(d)根拠の無い記載が混ざる。 急ぐと、担当部署から電話で聞いた話を、確かめずにブリーフィングに書きます。役員がその1行を相手に話して、食い違いが分かることがあります。

  1. 【人】 担当が、役員の予定表から翌週の会議・面談を拾い、会議体や案件ごとのノートブックに前回の議事録と最新の資料を追加する
  2. 【人】 担当が、ノートブックで決まった指示を使い、前回の議事録と最新の資料から論点・前回からの変化・決めることの案を表で出させる
  3. 【人】 担当が、Copilot Chat(Work IQ をオン)で、前回の会議の日から今日までのメールと Teams のやり取りのうち、案件に関わるものを根拠付きで拾わせる
  4. 【人】 担当が、根拠の見つからない点と、やり取りで新しく出た点を、担当部署に確かめる
  5. 【人】 担当が、Word の Copilot で、確かめた表をブリーフィングの様式に整える
  6. 【人】 担当が全体を読み、前日の17時までに役員に渡す
  7. 【人】 役員は、必要に応じて Outlook の予定から Copilot の会議の準備を開き、自分のメールの文脈を足す

この構成に自動で動く部分はありません。 全工程を担当が Copilot に指示し、結果を確かめます。役員の発言の材料なので、確かめていない1行が役員に届く経路を作りません。

4番目が、この設計の分かれ目です。 Copilot が根拠を示せなかった点と、メールや Teams で新しく出た点だけを、担当部署に確かめます。電話で全部を聞き直すのではなく、確かめる点を絞ってから聞きます。

7番目を役員本人に任せるのは、担当には役員のメールが見えないからです。 Copilot は利用者が閲覧の権限を持つデータしか示しません。役員の個人のやり取りの文脈は、役員自身の Copilot で足してもらいます。

02今回想定するシステム構成

構成図
役員の予定表(翌週の会議・面談)
   ▼【トリガー】毎週木曜の午前、担当が翌週の会議を拾う
Copilot Notebooks(会議体・案件ごとに1つ)
   │  参照:前回の議事録/前回の会議で見た資料(前回版)/最新の資料/ブリーフィングの決まり
   └──▶ 論点・前回からの変化・決めることの案(根拠の文書付き)
   ▼
Copilot Chat(Work IQ をオン)
   │  前回の会議の日から今日までのメール・Teams のやり取り(担当が閲覧できる範囲)
   └──▶ 案件に関わる新しい動き(根拠のメール・投稿付き)
   ▼
【担当が根拠の無い点と新しい動きを担当部署に確かめる】
   ▼
Word の Copilot ── ブリーフィングの様式(A4で1枚)に整える
   ▼
役員へ(前日17時まで)/役員は Outlook の Copilot の会議の準備で自分の文脈を足す
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(Copilot Notebooks、Copilot Chat、Word と Outlook の Copilot)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
保管SharePoint(会議体ごとのサイト、案件ごとのフォルダ)社内のファイルサーバー
共有Microsoft Teams(担当部署への確かめ)Outlook のメール

新しく足すのは、経営企画部の担当4名と役員8名の Copilot のライセンスだけです。 議事録の置き場所も、ブリーフィングの様式も、いまのものを使います。

前回からの変化を出すのは、Copilot Notebooks です。 公式のページでは、ノートブックの Copilot は追加した参照だけを使い、OneDrive の全体、メール、Teams のチャット、Webには行かないとされています。前回の会議で見た資料と最新の資料を両方追加すれば、その2つの違いだけに絞って比べさせられます。

メールと Teams のやり取りを拾うのは、Copilot Chat です。 公式のページでは、Work IQ がオンのとき、Copilot はメール、ファイル、チャット、会議など利用者の仕事のデータを参照できるとされ、参照できるのは利用者がすでにアクセスを許されている内容だけとされています。Work IQ は Microsoft Copilot のアドオンのライセンスを持つ利用者に提供され、画面の Work IQ のボタンでオンとオフを切り替えます。

役員本人には、Outlook の会議の準備を使ってもらいます。 公式のページでは、Copilot が会議に関係する文脈、タスク、文書を要約して会議の予定の画面に示し、会議の準備のためにチャットもできるとされています。要約が出るのは1対1の会議と、要約できる関係の内容がある会議で、関係の内容が無い会議では一般的な答えになりうるとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎週木曜の午前に、担当が翌週の会議・面談を拾います。 会議の前日の17時に渡すには、遅くとも前々日にはノートブックの表が要ります。木曜に翌週分を拾えば、担当部署に確かめる時間が2〜3日取れます。

木曜の後に入った会議は、入った日に拾います。 秘書室が役員の予定表に会議を足したら、経営企画部の Teams のチャネルに知らせる決まりにします。前日に入った会議は、表1と表2だけを作り、表3以降は「準備の時間なし」と書いて渡します。 中途半端な論点を並べるより、決めることと変化だけを正確に渡すほうが役員の役に立ちます。

ノートブックは、会議体や案件ごとに1つ作ります。 投資の審議なら案件ごと、子会社の社長との面談なら子会社ごと、取引先との面談なら取引先ごとです。同じ相手との2回目からは、前回のノートブックに今回の資料を足すだけで済みます。

ノートブックは、同じ役員を受け持つ2名で共有します。 公式のページでは、ノートブックはチームと共有して一緒に使えるとされ、共有すると相手は中のファイルに招待されます。ただし、共有する人が各ファイルの共有の権限を持っていないと、受け取った人は個別にアクセスを頼む必要があるとされています。担当の2名が同じ会議体のサイトに権限を持つようにしておきます。

【ノートブックに追加する参照(決まり)】
1. 前回の議事録(確定版)
2. 前回の会議で見た資料(前回版。ファイル名に「前回」と会議の日付)
3. 最新の資料(担当部署から受け取った版)
4. 前回の会議で決まった宿題の一覧
5. ブリーフィングの決まり(論点の書き方、書かない内容)
Step2

入力データを集める

データ中身取得元
前回の議事録決定事項、宿題、相手の発言の要点会議体のサイト
前回の会議で見た資料前回の会議の日の版会議体のサイト(前回版のフォルダ)
最新の資料担当部署が今回の会議に出す版案件のフォルダ
メールと Teams のやり取り前回の会議の日から今日までの、案件に関わるものCopilot Chat(担当が閲覧できる範囲)
会議の予定日時、出席者、議題役員の予定表(秘書室が共有)
前回こちらが約束したこと前回の会議で役員や担当部署が相手に約束した事項前回の議事録の宿題の欄
ブリーフィングの決まり論点の書き方、根拠の書き方、書かない内容経営企画部が用意する文書

質を決めるのは、2行目の「前回の会議で見た資料」です。 会議体のサイトには最新版しか残していない部署が多く、前回の版が無いと、前回からの変化を比べる相手がありません。 会議が終わった日に、その日に見た資料を「前回版」のフォルダに写す決まりにします。

【ブリーフィングの決まり(抜粋)】
様式:①この会議で決めること ②前回からの変化 ③論点 ④確かめが要る点 ⑤前回の宿題の状態
根拠:すべての行に、根拠の文書名とページ、またはメール・投稿の日付と送り手を付ける
書かない内容:相手や社員の人柄・態度・本音の推測、根拠の無い見通し、役員への推奨
Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
前回の議事録と資料(前回版・最新)ノートブックの参照に追加前回からの変化と論点
メールと Teams のやり取りCopilot Chat(Work IQ をオン)前回からの新しい動き
ブリーフィングの様式Word の Copilot で「/」から選ぶ1枚への整形

Copilot Chat では、探す期間と相手を指示に書きます。 公式のページでは、Copilot が関係があってアクセスできる情報源を見つけられないときは、より一般的な答えになりうるとされ、ファイルやリンクや具体的な指示を足して根拠を絞るよう案内されています。前回の会議の日付、案件の名前、担当部署の名前、相手の会社の名前を指示に入れます。

Copilot Chat にも、ファイルを付けて根拠を絞れます。 公式のページでは、Copilot は利用者がプロンプトに付けたファイル・画像・リンク・文章も使い、「このファイルだけを使って」のような指示で根拠を絞れるとされています。メールの拾い出しでは絞りませんが、拾った動きを最新の資料と照らすときは、その資料を付けて「このファイルだけを使って」と指示します。

古い版を根拠にされないようにします。 公式のページでは、Copilot は古いサイトや以前の版のファイルを指すと古い答えを返しうるとされ、似たファイルが複数あるときは特定のファイルを指すよう案内されています。最新の資料はファイルとしてノートブックに直接追加し、版の名前をファイル名に入れます。

ノートブックの参照も、本人の権限の範囲でだけ使われます。 公式のページでは、参照にはファイルやフォルダを追加でき、本人がアクセスの権限を持つものに基づいて答えるとされています。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 前回版を写す … 前回の会議の日に見た資料を、前回版のフォルダに写しておきます
  2. 最新の資料の版を確かめる … 担当部署から受け取った版が最終かを、ファイル名と更新日で確かめます
  3. 前回の議事録が確定版かを確かめる … 役員の確認が済んだ版だけを参照にします
  4. 会議の予定から議題を書き出す … 予定の本文の議題を、ノートブックの指示に貼ります
  5. 初めての相手か、前回があるかを分ける … 前回の無い会議は、この構成の対象から外します
  6. 相手の会社と案件の呼び方をそろえる … 「A工場の設備更新」「プレス2号機の更新」のように、同じ案件が部署によって違う名前で呼ばれます。指示に呼び方を全部並べないと、Copilot Chat が一部のやり取りしか拾いません

1番目を省かないでください。 前回版が無いと、ノートブックは最新の資料だけを読んで「前回からの変化」を書こうとし、前回の議事録の言葉と最新の資料の言葉の違いを、変化として書いてしまいます。 中身は同じで言い方が違うだけの行が、変化として並びます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、前回の議事録と資料の前回版・最新版を比べて変化を書き出すことと、やり取りから新しい動きを拾うこと、決めることを先頭に集めることです。

見るもの見方根拠が見つからないときの扱い
この会議で決めること最新の資料と予定の議題にある承認・判断の依頼「決めることは資料に書かれていない」と書く
前回からの変化前回版と最新版で数字・条件・日程が変わった箇所比べる版が無ければ「前回版なし」
論点前回の議事録の宿題と、今回の資料の未解決の点根拠の文書が無い論点は「確かめが要る点」へ
新しい動き前回の会議の日の後のメール・Teams のやり取り送り手と日付が無いものは書かない
前回の宿題の状態宿題ごとに、最新の資料かやり取りに報告があるか報告が無ければ「報告なし」
前回こちらが約束したこと相手に約束した事項が、果たされたかどうか根拠が無ければ「確かめが要る点」へ

「根拠の文書が無い論点は、確かめが要る点へ」が、この表でいちばん大事な点です。 何も言わなければ、Copilot は資料の流れから「価格の交渉が論点になる見込み」のようなもっともらしい論点を足します。 役員はブリーフィングの論点を、相手に聞く順に使います。根拠の無い論点を確かめが要る点に分けておけば、担当がその行だけを担当部署に確かめられます。

見るものの表の最後の行は、面談のブリーフィングでとくに効きます。 子会社の社長や取引先との面談では、前回こちらが「来月までに回答します」と約束したことを、相手は覚えています。 約束が果たされていないまま面談に入ると、最初の5分が謝罪になります。前回の議事録の宿題の欄から、こちら側の約束だけを抜き出させます。

させないこと理由
論点への賛否、投資の可否の推奨役員が判断する
相手や社員の人柄・態度・本音の推測根拠が無く、記録に残すと問題になる
根拠の無い見通し(「合意できる見込み」など)役員がそのまま話してしまう
担当が閲覧できないやり取りの推測見えないものを補わない
数字の計算の作り直し資料にある数字をそのまま使う

2行目は、Microsoft の側でも制限されている使い方です。 公式のページでは、職場のやり取りから社員の業績・態度・内面の状態・個人の特性を推し量る用途に生成AIを使うことを制限しているとされています。子会社の社長や工場長との面談のブリーフィングでも、話す相手の評価は書かず、案件の事実だけを書きます。

Step6

指示内容を固定する

ノートブックでは、次の指示を使います。

このノートブックの参照だけを使って、役員の会議のブリーフィングの元になる表を作ります。
会議:{会議名}({日付})。前回の会議:{前回の日付}。議題:{議題}

【表1:この会議で決めること】
決めること|根拠の文書名とページ
最新の資料と議題にある、承認・判断の依頼だけを書いてください。

【表2:前回からの変化】
項目|前回版の内容|最新版の内容|根拠(両方の文書名とページ)
「前回」と付いた資料と、最新の資料を比べてください。
数字・条件・日程が変わった箇所だけを書き、言い方が違うだけのものは入れないでください。

【表3:論点】
論点|根拠の文書名とページ
前回の議事録の宿題と、今回の資料で解決していない点だけを書いてください。
根拠の文書が無い論点は表3に入れず、表4「確かめが要る点」に書いてください。

【表5:前回の宿題の状態】
宿題|担当|報告の有無|根拠
前回こちらが相手に約束した事項も宿題として入れ、担当に「当社」と書いてください。

【決まり】
- 賛否、推奨、見通しを書かないでください。
- 人の性格、態度、本音を推し量る記載をしないでください。
- 資料にない数字を計算して作らないでください。

「言い方が違うだけのものは入れない」を書かないと、表2が長くなります。 前回の議事録は事務局の言葉で、最新の資料は担当部署の言葉で書かれているので、同じ内容でも違う文に見えます。

Copilot Chat では、Work IQ をオンにして次の指示を使います。

{前回の日付} から今日までの、{案件名}(相手:{相手の会社名}、担当部署:{部署名})に
関わるメールと Teams のやり取りから、前回の会議の後の新しい動きを拾ってください。
動き|送り手|日付|メールの件名またはチャネル名
送り手と日付が分からないものは書かないでください。
推測で動きを足さないでください。見つからなければ「見つからない」と書いてください。
Step7

出力形式を固定する

ノートブックと Copilot Chat の結果を、列を決めた表で受け取ります。 どちらも構造化した結果を返す仕組みではないので、列を指示で固定し、作業用の文書に貼ってから担当が確かめます。

【表2:前回からの変化(A工場 設備更新の審議)】
| 項目 | 前回版 | 最新版 | 根拠 |
| 投資額の見積 | 8.2億円 | 9.1億円 | 前回資料 p.4/最新資料 p.4 |
| 稼働の開始 | 2027年4月 | 2027年7月 | 前回資料 p.6/最新資料 p.7 |

【表4:確かめが要る点】
| 点 | 理由 |
| 見積の増額の理由 | 最新資料に理由の記載が無い |
【表1:この会議で決めること】
| 決めること | 根拠 |
| 設備更新の投資額9.1億円の承認 | 最新資料 p.2「ご承認いただきたい事項」 |

【表5:前回の宿題の状態】
| 宿題 | 担当 | 報告 | 根拠 |
| 増額時の代替案の比較 | 生産技術部 | 報告なし | (見つからない) |

表5で「報告なし」の宿題は、表4にも写します。 前回の会議で役員が求めた比較が出ていないまま投資の承認を求められている、という事実は、役員が会議の最初に聞くべき点です。

1つ目の理由は、根拠の列で確かめられることです。 担当は、根拠のページを開いて数字を見れば、表が正しいかを確かめられます。根拠の欄が空の行は、それだけで表から外します。

2つ目は、確かめが要る点だけを担当部署に聞けることです。 表4をそのまま Teams で担当部署に送り、会議の前日の正午までに返事をもらいます。

3つ目は、Word の様式に機械的に移せることです。 表1から表5は、ブリーフィングの①から⑤の欄に対応します。Word で様式を開き、Copilot の入力欄で「/」から確かめた作業用の文書を選んで、「この文書の表だけを使って、様式の欄に沿ってA4で1枚に整えてください。表に無い内容を足さないでください」と指示します。公式のページでは、Word の Copilot は「/」で特定のファイルを参照させて下書きを作れるとされ、下書きの事実・数字・名前を確かめるよう案内されています。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
会議体のサイト・案件のフォルダノートブックの参照に追加議事録と資料(前回版・最新版)
メールと TeamsCopilot Chat(Work IQ をオン)新しい動き
担当部署人が Teams で確かめる確かめが要る点
ブリーフィングの様式Word の Copilot で整える1枚のブリーフィング
役員人がメールで渡す前日17時まで

役員へのブリーフィングを Copilot から直接送ることはしません。 担当が全体を読み、根拠を確かめたものだけを渡します。

Step9

人が確認する

この構成では、役員に渡すすべての行を担当が確かめます。

  1. 表2の数字を根拠のページで確かめる … 前回版と最新版の数字を開いて見ます。ここは流し見しません
  2. 表4を担当部署に確かめる … 返事が来たら、論点に移すか、ブリーフィングから外します
  3. 新しい動きの送り手と日付を確かめる … メールや投稿を開き、案件に本当に関わるかを見ます
  4. 書かない内容が残っていないかを見る … 人の態度や本音の推測、見通し、推奨が無いかを読みます
  5. 様式に整えた後に全体を読む … 1枚に収めるときに落ちた行が無いかを、表と比べます

1番目を省かないでください。 役員は表2の数字を相手に示して話します。8.2億円と9.1億円が逆になっていれば、増額ではなく減額として話すことになります。

役員からの直しを集めます。 役員がブリーフィングに「この論点は不要」「この数字は前回の資料が違う」と書き込んで返したら、担当はその直しを決まりの文書に足します。直しが3か月たまれば、役員ごとに読みたい論点の傾向が決まりに残ります。

目標は、1件あたり15分です。 探して読む時間が、根拠を開いて確かめる時間に置き換わります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
前回版の資料が無い表2は「前回版なし」。前回の議事録の数字と最新版を人が比べる
担当が閲覧できないやり取りが論点の中心役員本人に聞くか、役員の Outlook の会議の準備で足してもらう
Copilot Chat が一般的な答えを返す期間、案件名、相手、部署を指示に足し、ファイルを指定する
同じ名前の資料が複数ある最新版をファイルとしてノートブックに直接追加する
初めての相手との面談この構成の対象外。別に準備する
担当部署の返事が前日の正午に間に合わない表4の点を「確認中」としてブリーフィングに残す
会議の予定に議題が書かれていない秘書室か担当部署に議題を聞いてから表1を作る
前日に会議が入った表1と表2だけを作り、「準備の時間なし」と書いて渡す

2行目は、構成の限界です。 Copilot は担当の権限を超えて情報を集めません。見えないものを補う仕組みを作るのではなく、役員本人の Copilot に任せるのがこの構成の考え方です。

Step11

記録を残す

  • 会議ごとのノートブックと、追加した参照の一覧(ファイル名と版)
  • ノートブックと Copilot Chat の表と、担当が確かめた後の表
  • 担当部署への確かめの内容と返事
  • 役員に渡したブリーフィングと、渡した日時

Copilot とのやり取りの記録は、組織の Microsoft 365 の中に残ります。 公式のページでは、やり取りの記録は組織のほかのコンテンツと同じ約束に沿って保存され、管理者は Microsoft Purview で保持のポリシーを決められるとされています。役員の会議の資料の保存の期間と合わせて決めます。

04実装レベルの3段階

最小構成:過去の会議でノートブックに資料を入れ、表を出させて当時のブリーフィングと比べる / 一部の会議の表の下書き
半自動化:毎週の会議ごとにノートブックと Copilot Chat で表を作り、Word の Copilot で1枚に整える / ブリーフィングの下書きと確かめる点の絞り込み
本格構成:上記+会議が終わった日に前回版を写し、議事録の宿題を一覧にする作業を会議の事務局の決まりにする / 次回のブリーフィングの準備まで

本記事の想定は半自動化です。 1件45分が15分になります。差が大きいのは、探して読む作業と、前回版と最新版の見比べが、確かめる作業に変わるからです。 本格構成で足すのは、Copilot ではなく運用です。 前回版が会議の日に写され、宿題が議事録に一覧で書かれていれば、次回のブリーフィングの表は、ほぼそのまま確かめるだけになります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
80 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  80件 × 45分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 80件 × 15分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
67%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価5,000円)
240万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 役員が毎週いくつもの会議・面談に出る製造業・商社・IT企業で、経営企画部や秘書室が会議ごとに事前の説明資料(ブリーフィング)を作っている場合。前回の議事録、担当部署の資料、メールや Teams のやり取りが SharePoint・Outlook・Teams に散らばり、集めて読むのに時間がかかっている場合。役員から「前回から何が変わったのか」「今日は何を決めればよいのか」を聞かれ、その場で答えられないことがある場合。Microsoft 365 を使っていて、Microsoft Copilot のライセンスを経営企画部と役員に配れる場合。
向いていない
  1. 役員の会議が月に数回で、担当が資料を読み込んで手で作っても負担にならない場合。会議の資料やメールが紙や個人のパソコンにしか無く、Microsoft 365 の中にまとまっていない場合。役員だけが持つメールや非公開の資料が論点の中心で、経営企画部の担当が閲覧の権限を持てない場合(Copilot は利用者が閲覧の権限を持つデータしか示しません)。なお、論点への賛否、投資の可否、相手への対応の方針の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月、役員が出た会議・面談から、前回のあるものを5件選ぶ(投資の審議と、子会社の社長との面談を必ず入れる)
  2. 会議ごとにノートブックを作り、前回の議事録と前回版・最新版の資料を参照に追加する
  3. 第7章の指示で表1から表5を出させる
  4. 当時担当が作ったブリーフィングと比べる
  5. 根拠の無い論点が表3に入っていないか、表2に言い方の違いだけの行が入っていないかを見る

当時のブリーフィングと比べるのが大事です。 正解が分かっている会議でしか、もっともらしい論点が混ざるかどうかは確かめられません。

出てきた内容判断
表2の変化が当時のブリーフィングとほぼ同じCopilot Chat でのやり取りの拾い出しに進む
根拠の無い論点が表3に入った指示の書き方で直る。表4へ分ける決まりを強める
前回版が無く表2が作れない前回版を写す運用が先。 Copilot の問題ではない

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
もっともらしい論点が足される根拠の文書が無い論点は「確かめが要る点」へと指示する
言い方の違いが「変化」として並ぶ前回版の資料を写し、版どうしで比べる
古い版の資料を根拠にする最新版をファイルとして直接追加し、版をファイル名に入れる
Copilot Chat の答えが一般的になる期間・案件名・相手・部署を指示に入れる
担当に見えないやり取りが抜ける役員本人の会議の準備で足してもらう
人の態度や本音の推測が混ざる書かない内容に明記し、人が読んで消す

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、ブリーフィングを読みやすくするほど根拠から離れる誤りで、根拠の列と前回版の資料で防ぎます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 投資の計画と見積、子会社の業績と課題、取引先との交渉の条件、役員と担当部署のメールと Teams のやり取りです。経営の機密に当たるものが中心です。

  1. Web検索を止める … 公式のページでは、Web検索が有効なとき、Copilot は指示から検索語を作って Bing に送り、アプリの中で開いている文書の内容がその検索語に影響しうるとされ、この検索語には Microsoft のデータ保護の補足条項(DPA)が適用されないとされています。管理者が「Allow web search in Copilot」のポリシーでこの業務の利用者の Web検索を止める前提にします。Work IQ をオフにすると Web の情報で答えるとされているので、この業務では Work IQ をオンのまま使います
  2. 権限の設定を見直す … Copilot は、利用者が閲覧の権限を持つデータだけを示すとされています。逆に言えば、権限が広すぎるサイトの投資の資料は、誰の Copilot からも見えます。 会議体のサイトの権限を、役員と経営企画部と担当部署に絞ります
  3. 人の評価に使わない … 職場のやり取りから社員の業績や態度を推し量る用途は、公式のページでも制限されています。面談の相手の評価は書きません
  4. 学習への利用 … 公式のページでは、指示、応答、Microsoft Graph から取ったデータは基盤となる大規模言語モデルの学習に使われないとされています
  5. 判断は役員が行う … ブリーフィングに推奨や見通しを書きません

この構成は、論点への賛否、投資の可否、相手への対応の方針を判断しません。 それらは役員がこれまでどおり決めます。

誤りが起きた場合のリスクは、根拠の無い1行を役員が相手に話すことと、経営の機密が権限の外に広がることの2つです。 前者は根拠の列と人の確認で、後者は権限の見直しと Web検索の停止で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:ブリーフィングの決まりを文書にする

様式の5つの欄、根拠の書き方、書かない内容を1つの文書にします。役員が会議の前に何を読みたいかを、役員2名に聞いてから決めます。

2週目:過去の会議で試す

前回のある会議を5件選び、ノートブックで表を作って当時のブリーフィングと比べます。根拠の無い論点が混ざらないかを最優先で見ます。

3週目:前回版を写す運用を始める

会議の事務局に、会議の日に見た資料を前回版のフォルダに写してもらいます。ここが始まらないと、表2は作れません。

4週目:管理者と方針を確かめる

Web検索の方針、会議体のサイトの権限、会議のインサイトの設定を確かめます。ここが済むまで、投資の審議には使いません。

2か月目: 役員2名の会議から、毎週のブリーフィングの下書きを始めます。3か月目以降: 役員8名に広げ、1件45分が何分になったかを実測します。役員が前回からの変化と決めることを会議の前日に読めて、根拠の無い1行がブリーフィングに残らなくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-15/最終更新:2026-10-15
確認した内容情報源確認日
Copilot が会議に関係する文脈・タスク・文書を要約して会議の予定の画面に示し、チャットで準備できること。要約は1対1の会議と要約できる関係の内容がある会議で出て、関係の内容が無い会議では一般的な答えになりうること。利用者がアクセスできる内容だけを要約し、参加者ごとに要約が違いうること。管理者が会議のインサイトの設定を有効にしておくことMicrosoft Support: Prepare for your meeting with Copilot2026-10-15
Work IQ がオンのとき、メール・ファイル・チャット・会議など仕事のデータを参照し、利用者がアクセスを許されている内容だけを参照すること。Work IQ は Microsoft Copilot のアドオンのライセンスの利用者に提供されること。オフでは Web の情報などで答えること。根拠が見つからないと一般的な答えになりうること、古い版を指すと古い答えになりうること。プロンプトに付けたファイルも使い、「このファイルだけを使って」で根拠を絞れることMicrosoft Support: What information does Copilot use to answer my prompt?2026-10-15
ノートブックの Copilot は追加した参照だけを使い、OneDrive の全体・メール・Teams のチャット・Webには行かないことMicrosoft Support: How Copilot Notebooks works2026-10-15
参照にファイルやフォルダを追加でき、本人がアクセスの権限を持つものに基づいて答えること。共有すると相手が中のファイルに招待され、共有する人に各ファイルの共有の権限が無いと相手が個別にアクセスを頼む必要があることMicrosoft Support: Add reference files to your Copilot Notebooks2026-10-15
Word の Copilot で「/」を入力してファイルを選び、参照させて下書きを作れること。下書きの事実・数字・名前を確かめるよう案内されていることMicrosoft Support: Start a draft with Copilot in Word2026-10-15
利用者が少なくとも閲覧の権限を持つ組織のデータだけを示すこと。職場のやり取りから社員の業績・態度・内面の状態・個人の特性を推し量る用途を制限していること。指示・応答・Microsoft Graph から取ったデータが基盤モデルの学習に使われないこと。やり取りの記録を Microsoft Purview で保持のポリシーで管理できることMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-15
Web検索が有効なとき、アプリ内で開いている文書が検索語に影響しうること。生成された検索語に DPA が適用されないこと。「Allow web search in Copilot」のポリシーで止められることMicrosoft Learn: Data, privacy, and security for web search in Microsoft Copilot2026-10-15

論点への賛否、投資の可否、相手への対応の方針は、役員が決めてください。 本記事は公開されている製品の仕様で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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