空から撮る前に確かめる項目一覧|飛ばせない場所を知る

「工場や設備を空から撮りたいが、どこまで許されるのか分からない」「機体を買えばすぐ飛ばせると思っていた」——空撮を検討し始めた企業が最初に止まる場所です。飛ばせるかどうかは、機体の性能では決まりません。重さと、飛ばす場所と、飛ばし方の三つで手続きが変わります。この記事では、確かめる項目を順に整理します。
カメ先生空からの撮影はね、届け出さえ出せば飛ばせると考えられがちだが、確認する軸が三つに分かれているんだ。
カメ子三つとは、どのようなものでしょうか。
カメ先生機体の重さ、飛ばす空域、飛ばし方だ。加えて、法律とは別に土地や施設の持ち主の許可も要る。ここが抜けやすい。
カメ子法律だけの話ではないのですね。順に確かめる項目を知りたいです。
- 100グラム以上の機体は登録が義務。未登録で屋外を飛ばすと罰則がある
- 自社の敷地でも、空域と飛ばし方によっては許可か承認が要る
- 2026年7月14日から、重要な施設の周りの禁止の範囲が1,000メートルに広がった
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空からの映像が効く場面と、増えた理由
本題に入る前に、この話がなぜ検討に値するのかを短く確かめておきます。手間のかかる施策なので、効く場面とそうでない場面を先に分けておかないと、手続きの調査だけで力尽きます。自社が当てはまるかどうかを見てから、後半の手続きの話に進んでください。
まず、なぜこの相談が増えたのかを押さえます。機材が安くなり、撮影を請け負う事業者が増えたことが大きな理由です。以前はヘリコプターを手配する話でしたが、いまは半日の作業で済みます。
費用の桁も変わりました。上空からの短い映像であれば、機材と操縦を含めて数万円から十数万円という提示が普通です。会社案内の動画1本の予算のなかで、十分に検討できる金額になりました。
効果が出やすいのは、規模が伝わりにくい商材です。工場、倉庫、造成地、太陽光の設備、大型の設備を持つ会社。地上からでは全体像が入らないため、写真では説明しきれません。
建設や不動産では、進捗の記録としても使われます。同じ位置から定期的に撮ることで、工程の説明資料になります。取引先への報告にそのまま使える形です。
採用の場面でも効きます。働く場所の広さや周囲の環境が、文章よりも早く伝わります。地方に拠点がある会社ほど、この効果は大きくなります。
ただし、いずれも「飛ばせる場所であること」が前提です。ここを確かめずに撮影日を決めると、当日になって飛ばせないと分かります。順序を逆にしないでください。
最初の分かれ道は機体の重さ
ここから手続きの話に入ります。全体像がつかみにくいのは、重さ、空域、飛ばし方、施設の周り、土地の許可という5つの軸が並行して効くためです。順番に見ていけば難しくありません。まずは、いちばん上流にある重さの線引きからです。
制度の入口は、機体の重さです。100グラムという線が引かれていて、これを超えるかどうかで、かかる決まりがまるごと変わります。
100グラム以上の機体は、航空法でいう無人の航空機に当たります。登録が義務で、識別の信号を発する装置の搭載も求められます。登録せずに屋外で飛ばした場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象です。
100グラム未満の、いわゆる玩具に近い機体は、航空法のこの部分の対象から外れます。登録も、識別の信号の装置も要りません。人口集中地区での許可の申請も、原則として不要です。
ここで安心してはいけません。重要な施設の周りを規制する別の法律は、重さや大きさを問いません。100グラム未満でも対象になります。
そして、業務で使える画質を求めると、100グラム未満の機体では足りないのが実情です。会社案内に使う映像を撮るなら、ほぼ確実に100グラム以上の機体を使うことになります。つまり、登録と許可の話は避けて通れません。
なお、屋内で飛ばす場合は航空法の対象外です。工場の建屋の中を撮るだけなら、この話はほとんど関係ありません。ただし、屋根のない場所や、開口部から外に出る飛び方は屋外の扱いになります。
登録と識別の信号
100グラム以上と決まったら、次は機体そのものの手続きです。ここは飛ばす場所と関係なく、機体を持っている限り必要になります。自社で機体を買うのか、外部に頼むのかで担い手は変わりますが、確認する項目そのものは同じです。
登録は、所管の官庁の仕組みを通して行います。機体ごとに番号が割り当てられ、その番号を機体に表示します。有効期間があり、期限が来たら更新します。
識別の信号を発する装置は、飛行中に機体の情報を電波で発信するものです。多くの機体には内蔵されていますが、古い機体では外付けが必要になります。自社で機体を持っている場合は、この点を確かめてください。
外部に撮影を頼む場合、これらは事業者の責任で整えるものです。ただし、確認しておく価値はあります。登録番号を提示できない事業者に、自社の敷地で飛ばしてもらう理由はありません。
見積りを取るときに、登録の番号と技能の証明の有無を書いてもらう。この一手間で、事業者の質がある程度ふるいにかけられます。書けない相手は、その時点で候補から外して構いません。
自社で機体を買って社員が飛ばす形にする場合は、登録の作業を誰が担うかを決めます。個人ではなく会社の名義で登録し、担当者が変わっても引き継げる状態にしておいてください。
許可が必要になる空域
ここが、撮影の可否を左右するいちばん大きな要素です。企画の初日に調べるべきなのは、この空域の条件でした。調べるのに費用はかかりませんし、住所さえ分かれば10分で結論が出ます。ここを飛ばして撮影日を先に押さえるのが、最も多い失敗です。
次が空域の話です。決められた空域で飛ばす場合は、あらかじめ所管の大臣の許可を受ける必要があります。区分は大きく2つに分かれます。
| 区分 | 対象になる空域 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 航行の安全に影響する空域 | 空港等の周辺 | 所管の官庁の地図で、対象の範囲を確認する |
| 同上 | 緊急の用務の空域 | 災害などで随時設定される。当日の告知を確認する |
| 同上 | 地表または水面から150メートル以上の高さ | 撮影の高さを設計段階で決めておく |
| 地上の安全に影響する空域 | 人または家屋の密集している地域 | 国勢調査に基づく区域。地図で該当を確認する |
実務でいちばん引っかかるのが、最後の人口集中地区です。市街地の工場や、駅の近くの倉庫はほぼ該当します。自社の敷地であっても、この区域の中なら許可が要ります。
該当するかどうかは、所管の官庁が公開している地図で調べられます。住所を入れれば、その地点が区域の中か外かが色で分かります。撮影を検討した最初の日に、これだけは確かめてください。
150メートルという高さの制限も、思っているより低い数字です。大きな工場の全景を1枚に収めようとすると、高さが要ります。設計の段階で高さを決めておかないと、当日に「もう少し上から」と言えません。
なお、最大離陸重量が25キログラム未満の機体で、立入りを管理する措置を講じたうえで、技能の証明を受けた者が認証を受けた機体を飛ばす場合は、許可と承認を不要にできる場合があります。この条件を満たせる事業者かどうかも、選定の材料になります。
承認が必要になる飛ばし方
空域の確認が終わったら、次は動き方の条件です。同じ場所でも、いつ、どんな飛ばし方をするかで手続きが増えます。こちらは撮影の設計しだいで避けられることが多いので、要望を出す前に条件を知っておくと、余計な申請を減らせます。
空域が問題なくても、飛ばし方によっては承認が要ります。こちらは「どこで」ではなく「どのように」の話です。
- 夜間に飛ばす(日の入りから日の出までの時間帯)
- 目視の外で飛ばす(操縦者が機体を直接見ていない状態)
- 人または物件と、定められた距離を確保できない飛び方
- 催しが行われている場所の上空で飛ばす
- 危険物を運ぶ、または物を投下する
会社の撮影で関係するのは、上の3つです。夕景を撮りたいという要望が出たら、夜間の承認が要るかを確かめます。日の入りの時刻を基準にするので、季節によって変わります。
2番目の目視の外は、広い敷地で起きます。建物の裏側を撮ろうとして機体が見えなくなる。画面を見ながら操縦する形になり、承認の対象になります。
3番目が、実務ではいちばん頻繁に出てきます。撮影の現場には、通常は自社の社員や関係者がいます。その人たちとの距離が確保できないなら、承認が要ります。見物に来た人が近づいてくる状況も同じです。
ただし、立入りを管理する措置を講じ、関係者以外が入らない状態を作れば、扱いが変わる場合があります。自社の敷地で行う撮影は、この措置を取りやすい環境です。門を閉め、作業を止め、範囲を区切る。それが管理の実体になります。
2026年に広がった重要な施設の周り
ここまでは航空法の話でした。実はもうひとつ、別の法律による規制があります。こちらは重量に関係なく効くうえ、2026年に範囲が大きく広がったばかりなので、古い情報が出回っています。
ここは最近変わったところなので、古い情報に注意してください。重要な施設の周りの飛行を禁じる法律が改正され、2026年7月14日から施行されています。
変わったのは範囲です。対象の施設の周囲おおむね300メートルだった範囲が、おおむね1,000メートルに広がりました。敷地と区域の上空は原則として飛行が禁止され、その外側のおおむね1,000メートルの範囲が新たに規制の対象に加わりました。
対象の施設には、国会の議事堂、防衛の関係施設、空港、原子力の事業所などが含まれます。地方の工業地帯でも、近くに該当の施設があることは珍しくありません。「うちは都心ではないから関係ない」とは言えなくなりました。
この法律は、重さや大きさを問いません。100グラム未満の機体でも対象です。航空法の登録が要らないから自由に飛ばせる、という理解は、ここで崩れます。
以前に調べて問題がなかった場所でも、いまは範囲に入っている可能性があります。去年の撮影で大丈夫だったから今年も大丈夫、という進め方は危険です。撮影のたびに、最新の範囲を確かめてください。
範囲の確認は、所管の官庁や警察の案内で行えます。外部の事業者に頼む場合も、その事業者が改正後の範囲を把握しているかを聞いておくと安心です。
法律とは別に要る、土地と施設の許可
法律の確認が終わっても、まだ半分です。実務で当日に止まる原因の多くは、法律ではなく、その場所を管理している人の了解が取れていないことにあります。こちらは調べる先が分散するため、早めに洗い出して、担当を割り振っておく必要があります。
空域の許可が下りても、それだけでは足りません。飛ばす場所の土地の所有者や、施設の管理者の了解が別に要ります。こちらは法律ではなく、私法上の話です。
自社の敷地であれば、社内の合意で済みます。ただし、賃借している土地なら貸主の了解が要ります。工業団地であれば、団地の管理組合の規約を確かめてください。
離陸と着陸の場所も忘れられがちです。撮影の対象が自社の建物でも、隣接する駐車場から飛ばすなら、その駐車場の管理者の許可が要ります。
公園や河川敷は、それぞれの管理者が独自の規則を持っています。自治体の公園では、条例で飛行を禁じている例が多くあります。航空法の許可があっても、条例で禁じられていれば飛ばせません。
道路の上空を通る場合も注意が要ります。離着陸で道路を使うなら、道路の使用の許可が必要になることがあります。撮影の計画を立てるとき、機体がどこを通るかを地図に描いてみてください。
これらの確認は、外部に頼む場合でも発注側が担うことが多い部分です。事業者は空域と飛ばし方の許可には詳しくても、その土地の事情までは知らないためです。役割分担を先に決めておきます。
撮った映像に写り込むもの
手続きの話はここまでです。残りは、撮ったあとに起きる問題への備えになります。許可を取って安全に飛ばしても、映像の中身で止まることがあるためです。公開の直前に気づくと、編集の手戻りが発生します。上空からの映像は、地上の撮影よりも写る範囲が広い点が本質的な違いです。
撮影の許可が取れても、映った内容が問題になることがあります。上空からの映像は、意図せず広い範囲を写します。
隣接する敷地が写るのは、ほぼ避けられません。他社の工場の配置や、資材の置き方が分かる映像は、相手にとって出したくない情報である場合があります。
住宅が写る場合はさらに慎重になります。個人の庭や洗濯物、車の番号が判別できる映像は、公開する前に処理が必要です。編集でぼかすか、その角度を使わないかを、撮影前に決めておきます。
自社の情報も同じです。上空からは、地上では見えない配置が見えます。設備の種類や数、搬入の経路。競合に見せたくないものが写っていないかを、公開前に確かめてください。
確認の担当は、映像を作った人だけでは足りません。現場を知る人に見てもらうのが確実です。編集の担当者には、何が問題なのかが分からないためです。
- 撮影した素材は、公開しない分も含めて保管の扱いを決める
- 隣接地が大きく写る場合は、公開前に相手に一言伝えるほうが揉めにくい
- 上空からの映像は、地上の看板よりも位置情報が特定されやすい点に注意する
自社で飛ばすか、外部に頼むか
ここまでの条件を踏まえて、体制を決めます。自社で機体を持って社員が飛ばすか、外部の事業者に頼むか。どちらが正しいというものではなく、飛ばす頻度と、社内で技能を維持できるかで決まります。
| 観点 | 自社で飛ばす | 外部に頼む |
|---|---|---|
| 初期の費用 | 機体と保険と講習で、まとまった額が要る | 1回あたりの費用だけで済む |
| 手続き | 登録、許可、承認をすべて自社で行う | 多くは事業者が代行する |
| 撮り直し | 何度でも撮れる | 追加の費用と日程の調整が要る |
| 技能 | 社内に人を育てる必要がある | 技能の証明を持つ人が来る |
| 向く場面 | 定期的に同じ場所を記録する | 年に数回、質の高い映像が要る |
判断の目安は、年に何回飛ばすかです。工事の進捗を毎月記録するなら、自社で持つ意味があります。会社案内を数年に一度作るだけなら、外部に頼むほうが安く済みます。
見落としやすいのが、技能を維持する手間です。資格を取っても、飛ばさない期間が続けば腕は落ちます。年に1回しか飛ばさない社員に、会社の敷地で飛ばしてもらうのは危険です。
保険も両者で扱いが違います。自社で持つなら、賠償の保険に自社で入ります。外部に頼む場合は、事業者が入っている保険の内容を確かめます。
最初の1回は外部に頼み、頻度が増えてきたら自社に切り替える。この順番が、失敗が少ない進め方です。
外部に頼むときの確認項目
外部に頼む場合、価格だけで選ぶと後で困ります。同じ「空撮1回」でも、含まれる範囲がまったく違うためです。許可の申請まで含むのか、素材は渡してもらえるのか、中止になったらどうなるのか。比較できる形にしてから、金額を並べてください。
- 機体の登録の番号を提示できるか
- 操縦する人が技能の証明を持っているか
- 賠償の保険に加入しているか、補償の上限はいくらか
- 空域の許可と飛ばし方の承認を、誰がいつまでに取るか
- 土地と施設の許可は、どちらが取るか
- 撮影した素材の権利は、どちらに帰属するか
- 天候で中止になった場合の費用の扱い
最後の2つが、後で揉めやすい項目です。素材の権利について何も決めていないと、編集して別の用途に使うときに、改めて許諾が要る場合があります。
中止の扱いも、書面にしておくべきです。空からの撮影は天候に左右されます。風が強いだけで飛ばせないため、予備日を含めた条件を先に決めます。
見積りの段階で、これらを1枚の表にして相手に送ると話が早くなります。口頭で確認しても記憶に残りません。書いて送り、書いて返してもらう形にしてください。
なお、許可の申請には時間がかかります。撮影日の直前に依頼すると、申請が間に合いません。余裕をもった日程で相談してください。
保険の考え方
確認項目のなかで、内容まで踏み込んで見るべきなのが保険です。「加入しています」という答えだけでは足りません。何を、いくらまで補償するのか。そこを聞かないと、事故が起きたときに自社が負担することになります。
空から撮る作業は、落下の危険が常にあります。機体そのものは軽くても、高さから落ちれば人にも物にも被害が出ます。
必要なのは、賠償の保険です。他人の身体や財産に与えた損害を補償するもので、業務で飛ばす場合はほぼ必須と考えてください。
補償の上限を確かめます。工場の設備に当たった場合、修理費が高額になることがあります。上限が低い保険では、実際の被害をまかなえません。
機体そのものの損害を補償する保険は、別に用意されています。自社で機体を持つ場合は検討の対象になりますが、外部に頼む場合は事業者の側の話です。
自社の施設で第三者に飛ばしてもらう場合、自社が加入している施設の賠償の保険が適用されるかは、別途確認が要ります。保険の担当に、撮影の予定を先に伝えておいてください。
当日までの段取り
ここまでの内容を、時間の順に並べ直します。個々の項目は難しくありませんが、順序を間違えると手戻りが発生します。特に、場所の調査を後回しにすると、それまでの準備がすべて無駄になります。
全景か、進捗の記録か、動きのある映像か。目的が決まると、必要な高さと時間帯が決まります。
人口集中地区に該当するか、重要な施設の周りに入っていないか、150メートル以内で足りるかを地図で確かめます。
必要な手続きを洗い出し、誰がいつまでに出すかを決めます。申請には日数がかかる前提で組みます。
敷地の所有者、施設の管理者、離着陸の場所の管理者。それぞれから書面で了解を得ます。
撮影の範囲を区切り、関係者以外が入らないようにします。作業を止める時間帯も決めておきます。
2番目の場所の調査は、企画の初日に行ってください。ここで飛ばせないと分かれば、別の見せ方に切り替える時間が残ります。撮影日を決めてから調べると、後戻りができません。
5番目の立入りの管理は、書類の話ではなく現場の話です。誰が門に立つか、放送で何を伝えるか、作業中の社員にどう周知するか。この段取りができていないと、当日に人が入ってきて中断します。
天候と中止の判断
段取りを組んでも、最後に立ちはだかるのが天候です。地上の撮影なら多少の雨でも進められますが、空からの撮影は条件を満たさなければ飛ばせません。予備日を確保していないと、企画そのものが流れます。
空からの撮影で、いちばん多い延期の理由は風です。地上では気にならない風でも、上空では機体が流されます。機体ごとに耐えられる風速が決まっており、それを超えれば飛ばせません。
雨も同様です。多くの機体は防水ではないため、小雨でも中止になります。撮影の予定は、必ず予備日をセットで押さえてください。
判断は、現地に着いてから行うことになります。前日の予報では飛べそうでも、当日の風で中止になることがあります。その判断を誰が下すかを、事前に決めておきます。
社内の関係者を大勢集める撮影ほど、中止の判断は難しくなります。工場の作業を止め、社員に整列してもらう段取りを組んでいると、「せっかく集まったのだから」という空気が生まれます。
その空気に押されて飛ばすのが、いちばん危険です。中止の基準を数字で決めておき、その数字を超えたら誰が何と言おうと飛ばさない、という運用にしてください。
撮った素材の管理と二次利用
無事に撮影が終わったら、最後の仕事が残っています。空からの映像は撮り直しの費用が高いぶん、一度撮った素材を長く使えるかどうかで、費用対効果が大きく変わります。保管と権利の整理は、撮影と同じくらい価値のある作業です。
撮影が終わったら、素材の扱いを決めます。空からの映像は、一度撮れば数年は使えます。だからこそ、保管と権利の整理が効いてきます。
納品されるのは、編集済みの動画だけとは限りません。撮影したままの元の素材をもらえるかどうかを、契約で決めておきます。元の素材があれば、後から別の長さや別の用途に作り替えられます。
権利の帰属も、契約で明記します。素材の著作権が事業者に残る形だと、自社の別の資料に使うたびに許諾が要る状態になります。
保管の場所は、社内の共有の置き場に決めておきます。担当者の端末にしかない状態だと、数年後に見つかりません。撮影日、場所、許可の控えを、素材と同じ場所に置いてください。
進捗の記録として定期的に撮る場合は、同じ位置、同じ高さ、同じ角度で撮ることを条件に入れます。並べたときに変化が分かる映像になり、資料としての価値が上がります。
やってはいけない進め方
最後に、実際に起きた失敗の型を並べます。どれも悪意があって起きたものではなく、確認の順序を変えただけで防げたものばかりです。社内で共有するときは、この一覧をそのまま渡すと伝わります。
- 撮影日を先に決めてから、飛ばせる場所かを調べる
- 自社の敷地だからという理由で、空域の確認を省く
- 去年の調査結果をそのまま使い、範囲の改正を確かめない
- 許可の申請を撮影の数日前に出す
- 風が強い日に、集まった人を待たせたくないという理由で飛ばす
- 撮った素材の権利を決めないまま、編集を進める
3番目は、2026年の改正で現実の問題になりました。重要な施設の周りの範囲が3倍以上に広がったため、以前は範囲外だった場所が、いまは対象に入っている可能性があります。
2番目は、いちばん多い勘違いです。土地の所有権と、その上空を飛ばす権利は別のものです。自社の敷地であっても、人口集中地区の中なら許可が要ります。
6番目は後から効いてきます。編集が進んでから権利の話を始めると、追加の費用を払うか、素材を捨てるかの二択になります。
よくある質問
相談を受けたときに、実際によく聞かれる質問をまとめます。どれも判断の分かれ目になる部分なので、社内で説明するときの材料としても使えます。
100グラム未満の機体なら、何も手続きは要りませんか
航空法の登録や許可の多くは対象外になりますが、重要な施設の周りを規制する法律は重さを問いません。また、公園や施設の条例、土地の管理者の許可は重さと関係なく必要です。手続きが減るだけで、なくなるわけではありません。
屋内で飛ばす場合も許可が要りますか
屋内は航空法の対象外です。建屋の中だけで完結する飛行であれば、空域の許可は要りません。ただし、開口部から外に出る飛び方や、屋根のない場所は屋外の扱いになります。施設の管理者の了解は、屋内でも必要です。
外部に頼めば、手続きはすべて任せられますか
空域の許可と飛ばし方の承認は、多くの事業者が代行します。一方、土地の所有者や施設の管理者の許可は、その場所の事情を知る発注側が担うことが多い部分です。どちらが何を取るかを、見積りの段階で決めてください。
撮影した映像に他社の敷地が写ってしまいました
公開前に、その部分をぼかすか、別の角度に差し替えるのが基本です。設備の配置など、相手が出したくない情報が判別できる場合は特に注意します。大きく写る場合は、公開前に一言伝えておくほうが、後々の関係のためにも安全です。
まとめ
空から撮る映像は、規模が伝わりにくい商材にとって強い武器です。費用も現実的な水準まで下がりました。ただし、飛ばせる場所と飛ばし方は細かく決まっています。企画の初日に場所の条件を調べる、という順序だけは崩さないでください。
確認の要点は3つです。機体の重さで制度が分かれること。人口集中地区と150メートルの高さで許可が要ること。そして2026年7月14日から、重要な施設の周りの範囲がおおむね1,000メートルに広がったことです。
外部に頼む場合は、登録の番号、技能の証明、保険、許可の分担、素材の権利、中止の扱いを、見積りの段階で1枚の表にして確かめます。書面に残しておけば、当日も、公開のあとも揉めません。
撮ったあとの管理も忘れないでください。元の素材を社内の共有の置き場に入れ、撮影日と場所と許可の控えを一緒に残す。空からの映像は撮り直しの費用が高いぶん、1回の撮影をどれだけ長く使えるかで、投じた費用の価値が決まります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
SNS・動画にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
