動画に権利の申し立てが届く原因|止めない対処の順番

「公開中の動画に、権利の申し立てが届いた」「まず消したほうがよいのか、判断がつかない」——動画を発信する企業が、最も慌てる場面です。届いた通知は、すべてが同じ重さではありません。種類によって、意味も取るべき手順もまったく違います。この記事では、申し立ての見分け方と、止めずに対処する順番を整理します。
カメ先生権利の申し立てはね、届いたら即座に消すべきだと思われがちだが、消したことで不利になる型もあるんだ。
カメ子申し立てに種類がある、ということでしょうか。
カメ先生ある。自動の照合で付くものと、権利者からの削除の依頼とでは、扱いも残る記録も別だ。見分けずに動くと損をする。
カメ子まず見分けるところからなのですね。
- 申し立ては削除の依頼と自動照合の2種類で、影響がまったく違う
- 自動照合の申し立ては、視聴を止めない設定のこともある。慌てて消さない
- 異議を出すと申立人に30日の回答期限が与えられる。虚偽の異議は罰則の対象
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申し立てには2つの種類がある
通知が届いた直後は、文面を読む余裕がありません。英語まじりの見慣れない画面が出てきて、動画が消えるのではないかと焦ります。だからこそ、平時のうちに構造を知っておく価値があります。構造が分かっていれば、通知を見た瞬間に「どちらか」が判別できます。
結論を先に言うと、届くものは2種類しかありません。この2つは、根拠も、影響も、対処も違います。同じ「申し立て」という言葉で呼ばれるため、混同されやすいだけです。
最初に押さえるのは、届いたものがどちらかという点です。ひとつは、権利者が法的な要件を満たして送る削除の依頼です。もうひとつは、自動照合の仕組みが登録済みの素材と一致を検出して付ける申し立てです。
見た目はどちらも通知ですが、結果がまったく違います。削除の依頼に応じると、動画は削除され、チャンネルに著作権の警告が付きます。自動照合の申し立てでは、権利者があらかじめ設定した対応が自動で適用されるだけで、警告は付きません。
この違いを知らないと、対応を間違えます。自動照合の申し立てを警告だと思い込み、慌てて動画を非公開にしてしまう。実際には視聴できる状態のままだったのに、公開を自分で止めてしまう例です。
通知の文面には、どちらの種類かが書かれています。管理画面の一覧でも区別して表示されます。まずそこを確かめる。それが最初の一手です。
なお、自動照合の申し立てを放置していると、権利者が改めて削除の依頼に切り替えることはあり得ます。放置してよいという意味ではありません。
自動照合の申し立てで起きる3つの対応
自動照合の申し立てが付いたとき、何が起きるかは権利者の設定で決まります。投稿した側が選べるわけではありません。同じ曲でも、権利者によって設定が違うため、結果が変わります。
設定は3種類です。どれが適用されているかは管理画面に表示されるので、まずそこを見てから次の判断に進みます。
| 権利者の設定 | 動画の状態 | 収益の行き先 | 投稿側への影響 |
|---|---|---|---|
| 視聴できなくする | 地域によって、または全体で見られなくなる | なし | 公開の目的が果たせなくなる |
| 広告を載せる | そのまま視聴できる | 権利者に渡る | 自社の収益にはならないが公開は続く |
| 統計だけ取る | そのまま視聴できる | 変わらない | 視聴の記録が権利者にも共有される |
表のとおり、下の2つでは動画は見られる状態のままです。会社の案内動画や事例の動画であれば、収益化を目的にしていないので、実害がない場合もあります。
重要なのは、視聴できなくする設定が地域単位で行われることがある点です。国内では普通に見られるのに、海外の取引先からは見られない、という状態が起きます。社内で確認していると気づけません。
そのため、申し立てが付いたら、対応の種類と対象の地域を必ず記録します。海外に案内を出している動画なら、地域の制限は実害に直結します。この確認を飛ばして「見られるから大丈夫」と判断すると、後で問い合わせが来ます。
削除の依頼と、積み上がる警告
もう一方の削除の依頼は、自動の仕組みではありません。権利者が、法的な要件を満たした形で申し出るものです。相手は仕組みではなく人であり、判断も人が行っています。
そのため、内容に誤りがある可能性もありますし、こちらの説明が通る余地もあります。ただし、通るかどうかは素材ごとの契約と使い方によります。自動照合の申し立てのように、画面の操作だけで片づく話ではありません。
削除の依頼のほうは、話がもう少し重くなります。権利者が法的な要件を満たした形で申し出ると、場の運営者はそれに対応することが求められます。結果として動画が削除され、チャンネルに警告が記録されます。
警告は積み上がる性質を持っています。回数が増えると、機能の制限や、チャンネルそのものが使えなくなる事態に進みます。1本の動画の問題では終わらず、これまで積み上げた動画すべてを失う可能性があります。
会社の窓口としてチャンネルを運用しているなら、この点は経営の話です。数年分の事例動画やセミナーの録画が、まとめて見られなくなる。その復旧に何が必要かを、事前に考えている会社は多くありません。
だからこそ、削除の依頼が届いた場合は、自己判断で動かず、社内の法務や外部の専門家に相談する段階に切り替えます。反論の余地があるかどうかは、素材ごとの契約と使い方によって変わります。
原因のほとんどは音楽にある
種類と影響が分かったら、次は原因です。原因が分からないと、同じことが次の動画でも起きます。実務で見かける原因は、大きく4つに分かれます。
そのうち、圧倒的に多いのが1つ目です。会社の動画で申し立てが届いた場合、まず音を疑うと、たいてい当たります。
ここから、なぜ申し立てが届くのかを見ていきます。実務でいちばん多いのは、動画に付けた音楽です。無料で配布されていた曲や、定額の素材のサービスで手に入れた曲でも、申し立ては届きます。
理由は単純で、権利者が自動照合の仕組みに素材を登録しているためです。正規に手に入れた曲であっても、照合には引っかかります。仕組みは、使う権利があるかどうかまでは判定しないからです。
この場合は、使用許諾の記録を示せば解決します。購入した画面の控え、許諾の番号、契約書。素材を手に入れたときに、これらを保存していたかどうかで作業量が変わります。
保存していないと、証明のしようがありません。配布元のサイトがすでに閉じている場合もあります。音楽を選ぶ段階で、許諾の控えを動画の素材と同じ場所に置く習慣をつけてください。
なお、店内で流れていた曲が偶然入り込んだ、という例も少なくありません。会場の映像やインタビューの背景に流れていた音が、照合に当たります。撮影の段階で、音楽が流れていない場所を選ぶだけで防げます。
無料の素材が、あとから条件を変えることがある
次に多いのが、条件の変更です。これは投稿した側に落ち度がないのに起きるため、納得しにくい種類の申し立てです。公開した時点では正しかった、という主張は通りにくいのが実務の感覚です。
素材を配る側にも事情があります。無料で配っていたものを有料に切り替える。配布をやめて、権利をまとめて管理する会社に預ける。こうした変更のたびに、過去の利用者が巻き込まれます。
2番目に多い原因が、素材の提供条件の変更です。以前は自由に使えると書かれていた素材が、提供元の方針変更で、条件付きに変わることがあります。
すでに公開した動画は、そのまま残ります。しかし照合の登録が新しい条件で行われると、過去の動画にも申し立てが届きます。公開した時点で正しかったことが、今も正しいとは限らないということです。
対処としては、素材を使った時点の条件を記録に残しておく方法が効きます。配布ページの画面を保存し、日付とともに残す。条件が変わったとしても、当時の条件で使ったことを示せます。
それでも争いになる場合は、素材を差し替えるほうが早いことがあります。動画1本の音楽を入れ替える手間と、やり取りを続ける手間を比べて決めてください。
映り込みと引用で起きる申し立て
3番目は、音ではなく絵の側の原因です。撮影のときには気づかなかったものが、公開してから照合に当たります。編集で気づけるのは、自分が入れたものだけです。
会場やオフィスで撮る限り、他人の素材が入り込む可能性は消えません。問題は、それが検出される水準かどうかです。一瞬なら通ることも、数秒続けば当たることもあります。
3番目の原因は、映像そのものに含まれた他人の素材です。会場の大画面に流れていた映像、街で撮った看板の広告、資料に貼り付けた他社の図。これらが照合に当たることがあります。
引用として認められる範囲であれば、法的には問題がない場合もあります。ただし、自動照合の仕組みは引用かどうかを判定しません。そのため、法的に問題がなくても申し立てが付く、という状態が起きます。
この場合は異議を出す判断になりますが、引用の要件を満たしていると自社で説明できるかが前提です。出所を示しているか、主従の関係が保たれているか、必要な範囲に収まっているか。この3点に自信がなければ、素材を差し替えるほうが確実です。
撮影の段階でできる対策もあります。会場の映像が入る角度を避ける。看板や広告が大きく映らない画角にする。編集で消す作業より、撮る時点で避けるほうが圧倒的に安いのは、他の事故と同じです。
自社が権利を持つのに申し立てが届く場合
4番目は、件数としては少ないものの、放置すると尾を引く型です。自分たちに非がないので、対応が後回しになりがちです。しかし、放っておくと同じ素材を使うたびに繰り返されます。
原因は大きく2つに分かれます。仕組み側の誤りと、権利の帰属の行き違いです。前者は説明すれば解決しますが、後者は契約の話になります。
4番目は、誤認識です。自社が作った映像や、自社が権利を持つ音楽なのに、申し立てが届くことがあります。似た音の素材を誰かが登録していた、というのが典型です。
もうひとつの型が、自社の素材を他社が先に登録していた場合です。制作を委託した会社が、納品物を自社の素材として登録していた。こうした行き違いは、権利の帰属が契約で明確でないときに起きます。
この型は、異議を出すべき場面です。自社が権利を持っていることを示せるなら、そのまま説明します。同時に、なぜ相手が登録できたのかを確かめる必要があります。契約の見直しにつながることがあります。
誤認識は、時間が経つほど処理が面倒になります。その動画を使った施策が進んだあとで対応すると、差し替えの範囲が広がります。気づいた時点で動くのが、いちばん安く済みます。
届いたときに最初に確かめる項目
ここからは、実際に届いたときの動き方です。最初の30分で何を見るかが決まっていれば、その後の判断はほとんど自動的に決まります。
確かめる項目は6つです。すべて管理画面に表示されている情報で、外部に問い合わせる必要はありません。
- 申し立ての種類(削除の依頼か、自動照合か)
- 権利者が設定した対応(視聴の停止、広告の掲載、統計のみ)
- 対象になっている時間(動画のどこからどこまでか)
- 対象になっている地域(全体か、特定の国だけか)
- 申立人の名称と、その素材を自社がどこから手に入れたか
- 異議の申し立てが可能な期限
3番目の「対象になっている時間」が、原因の特定に直結します。開始から10秒間だけが対象なら、冒頭に入れた音楽が原因です。中盤の1分だけなら、その場面で流れていた素材を疑います。
この情報は管理画面に表示されます。全体を見直す前に、まず指摘された区間を再生してください。原因の特定に何時間もかける必要はなく、たいていは指摘の区間を見れば分かります。
確かめた内容は、その場で1枚に書き出します。後で社内に説明するとき、管理画面を一緒に見てもらうのは手間がかかります。種類、対応、区間、地域、期限。この5項目を控えるだけで足ります。
異議を出すかを決める基準
原因が分かったら、異議を出すかどうかを決めます。ここは感情で決めやすい場面なので、基準を先に置いておきます。納得できないという理由だけで異議を出すのは、いちばん危ない判断です。
判断の材料は、正しさではなく証拠です。自社が正しいと思っていても、それを示せなければ通りません。そして、通らなかったときの代償が投稿側にあります。
異議を申し立てられるのは、大きく3つの場合です。その素材を使うために必要な権利をすべて持っている場合。著作権の例外に当たる使い方をしている場合。そして、誤認識や誤りが起きた場合です。
裏返せば、これに当てはまらないなら異議は出しません。「たぶん大丈夫だと思う」で出すのは危険です。虚偽の異議を繰り返すと、アカウントに罰則が科される可能性があります。
判断に迷ったら、証拠が手元にあるかで決めます。購入の控えがある。許諾の文書がある。自社で撮影した元の素材が残っている。こうした物が出せるなら、異議を出す根拠があります。記憶しかないなら、出さないほうが安全です。
異議を出さない場合でも、選べる道はあります。指摘された区間を削る。音楽を差し替える。該当の場面をぼかす。これらの編集を行えば、申し立ては解除されます。動画を丸ごと消す必要はありません。
異議の流れと期限
購入の控え、許諾の文書、撮影の元データなど、権利を持つことを示せるものを1か所に集めます。
必要な権利を持っている、例外に当たる、誤認識である、のどれに当たるかを選び、事実だけを短く書きます。
提出すると申立人に通知が届きます。申立人には30日間の回答期限が与えられます。
待機中に動画がどう扱われるかは、申し立ての種類と設定によります。管理画面の表示を確かめます。
解除されたか、維持されたかを、素材の管理表に書き戻します。次の制作で同じ素材を避けられます。
3番目の30日という期限が、実務では大きな意味を持ちます。1か月近く、状態が確定しません。その動画を使った案内や広告を予定しているなら、日程を組み直す必要があります。
待機中の扱いは、申し立ての種類と権利者の設定によって変わります。視聴できる状態のまま待てる場合もあれば、見られない状態が続く場合もあります。ここを確かめずに「待てばよい」と考えると、1か月まるごと動画が使えないことに後から気づきます。
記録を残す最後の手順も飛ばさないでください。どの素材でどう判断したかを1行残すだけで、次の制作の判断材料になります。同じ素材を別の担当者が使う前に止められます。
だから、公開の直前ではなく、余裕のある時期に確認する運用が要ります。展示会の直前に気づくと、打つ手がありません。公開してすぐに申し立ての有無を見る習慣をつけてください。
編集で解決する方法
異議を出さないと決めた場合でも、動画を消す必要はありません。指摘された区間が分かっているので、そこだけを直せば申し立ては解除されます。全体を作り直すのではなく、指摘の区間だけを触るのが原則です。
編集の選択肢は4つあります。動画の性質と、その区間が内容にとってどれだけ重要かで選びます。
異議を出さずに済ませる道として、編集による解決があります。指摘された区間を特定できていれば、作業はそれほど大きくなりません。
- 指摘された区間の音声だけを消す
- その区間の音楽を、権利の確かな素材に差し替える
- 指摘された区間そのものを、動画から切り取る
- 映像の一部が問題なら、その部分をぼかす、または覆う
多くの場合、1番目か2番目で足ります。音声を消すと不自然になる場面もありますが、会社の案内動画なら、静かな区間があっても大きな問題にはなりません。
注意したいのは、編集した動画を新しく投稿し直すかどうかです。投稿し直すと、これまでの視聴の記録や、外部に貼った埋め込みの参照が切れます。可能なら、同じ動画のまま編集して差し替える手段を選びます。
なお、編集で対応した場合も、記録は残してください。どの素材が問題になったかが分かっていれば、他の動画でも同じ素材を使っていないかを確かめられます。
やってはいけない対応
次に、避けたい動き方を並べます。どれも、その場では合理的に見えるところが厄介です。後から振り返ると、事態を悪くしただけだと分かります。
特に、慌てた状態で判断すると1番目に走りがちです。非公開にしても申し立ては消えません。見られなくなるだけで、状態は残ったままです。
- 内容を確かめずに、動画をすべて非公開にする
- 証拠がないまま、とりあえず異議を出してみる
- 申し立てを無視して放置し、削除の依頼に切り替わるのを待つ
- 別のチャンネルを作り、同じ動画を投稿し直す
- 音楽の速度や音程を変えて、照合を回避しようとする
4番目と5番目は、回避の試みと受け取られます。照合の仕組みは加工にも対応しており、多くの場合は検出されます。検出されなかったとしても、意図的な回避は規約の違反に当たります。
3番目の放置も勧められません。自動照合の申し立ては警告ではないので、放っておいても直ちに不利にはなりません。しかし、権利者が状況を見て削除の依頼に切り替えることはあります。
いちばん多い失敗は、1番目です。驚いて全部を非公開にしてしまい、問題のない数十本まで見られなくなる。落ち着いて種類を確かめるだけで避けられます。
未然に防ぐ素材の管理
ここまでは、届いたあとの話でした。最後に、届かないようにする側の設計を見ます。作業としては地味ですが、効き目はいちばん大きい部分です。
防ぐ仕組みといっても、専用の道具は要りません。必要なのは、素材の出所を記録に残すという習慣だけです。この1点があるかないかで、申し立てが届いたときの作業量が10倍変わります。
届いてから対処するより、届かないようにするほうが安く済みます。そのために必要なのは、素材の出所を記録する仕組みだけです。
素材ごとに、入手先、入手日、許諾の範囲、控えの保存場所を1行で残します。表計算の1枚で十分です。動画のファイルと同じ場所に置くと、探す手間がなくなります。
特に、外部に制作を頼んだ動画は要注意です。制作会社が使った音楽や映像の権利が、自社に渡っているとは限りません。納品のときに、使用した素材の一覧と許諾の範囲をもらう約束にしてください。
社内で撮る場合も、同じ管理をします。撮影した場所で音楽が流れていなかったか。背景に他社の映像が入っていないか。撮影の直後に確かめれば、撮り直しが利きます。
- 定額の素材のサービスは、契約が切れると過去の使用も無効になる場合がある。規約を確かめる
- 許諾の範囲に「動画共有の場での使用」が含まれているかを、購入時に確認する
- 出演者の許諾は音楽とは別。期間や範囲を書面で残す
社内で記録を残す仕組み
素材の管理と並んで、対応の記録も残しておきます。素材の記録が事前の備えなら、対応の記録は事後の学習です。この2つがそろって、はじめて同じ事故が減ります。
記録の場所は、動画の一覧と同じ表に列を足すだけで足ります。別の場所に作ると、更新されずに古くなります。見る頻度が高い表に混ぜるのが、続けるこつです。
申し立てへの対応は、担当者ひとりの記憶に残りがちです。半年後に同じ素材で同じことが起きたとき、また同じ調査をやり直すことになります。
残すのは4項目で足ります。いつ、どの動画に、どの素材で、どう対応したか。この4つを一覧にしておけば、次に届いたときの初動が数分で済みます。
あわせて、社内で「触ってよい素材」の一覧を作ります。許諾の範囲が確かめられている音楽と映像だけを並べ、動画を作る人はそこから選ぶ。選択肢を狭めるほうが、事故は減ります。
一覧は増やしすぎないでください。音楽なら10曲程度、映像の素材なら用途ごとに数点。多すぎると、結局は各自が外から探してくる状態に戻ります。
一覧に載せる素材は、年に一度は条件を見直します。配布元の規約が変わっていないか、契約が続いているかを確かめるだけです。この点検を入れておけば、条件の変更による申し立ては、ほぼ防げます。
窓口を1人に決めておく
仕組みが整っていても、気づく人がいなければ動きません。実務でいちばん多い遅れの理由は、通知が誰も見ていない画面に届いていた、というものです。
会社のチャンネルは、作った人がそのまま管理者になっていることが多く、その人が異動すると宙に浮きます。担当が変わるたびに、通知の届き先を確かめる運用にしてください。
最後に、体制の話をします。申し立ての通知は、チャンネルを管理している人の画面に届きます。その人が異動していたり、通知に気づかなかったりすると、対応が遅れます。
通知の受け取り先を、個人ではなく共有の窓口に向けておく。そのうえで、確認する担当と、判断する担当を決めておく。確認と判断を分けると、慌てた判断が減ります。
判断する担当は、法務や広報と話せる人が向いています。削除の依頼が届いた場合、社内で相談する先を知っている必要があるためです。動画を作る人と同じである必要はありません。
あわせて、チャンネルの権限も見直してください。管理の権限を持つ人が1人しかいないと、その人が休んだ日に何もできません。最低でも2人が触れる状態にしておきます。
用語のミニ解説
最後に、社内で説明するときに使える言葉を整理します。用語がそろっていないと、「消されたのか」「収益はどうなるのか」といった質問に、毎回説明が必要になります。
削除の依頼
権利者が法的な要件を満たして送る申し出です。応じると動画は削除され、チャンネルに著作権の警告が記録されます。積み上がると機能の制限やチャンネルの利用停止に進むため、届いた場合は社内で相談する段階に切り替えます。
自動照合の申し立て
権利者が登録した素材と、投稿された動画を自動で照らし合わせる仕組みによる申し立てです。警告は付きません。権利者が設定した対応が自動で適用され、視聴の停止、広告の掲載、統計の取得のいずれかになります。
異議の申し立て
自動照合の申し立てに対して、投稿側から反論する手続きです。提出すると申立人に通知が届き、申立人には30日間の回答期限が与えられます。根拠のない異議を繰り返すと罰則の対象になるため、証拠がある場合に限って使います。
対象の区間
申し立てが、動画のどこからどこまでを指しているかを示す情報です。管理画面に開始と終了の時刻が表示されます。原因の特定は、ここを再生するだけで済むことがほとんどです。全体を見返す前に、まずこの区間を確かめます。
収益の分配
自動照合の申し立てのうち、広告を載せる設定が適用された場合の扱いです。動画は視聴できる状態のまま残り、広告の収益は権利者に渡ります。収益化を目的にしていない会社の動画では、実害が小さい場合もあります。
まとめ
権利の申し立てが届いたら、まず種類を確かめます。削除の依頼なら警告が付くため、社内で相談する。自動照合なら警告は付かず、視聴できる設定のこともあります。慌てて非公開にするのが、いちばんもったいない対応です。
次に、指摘された区間を再生して原因を特定します。多くは音楽です。購入の控えや許諾の文書が手元にあるなら異議を出し、なければ差し替えや削除で解決します。異議を出した場合、申立人の回答期限は30日です。
最後に、素材の出所を記録する仕組みを作ってください。入手先、入手日、許諾の範囲、控えの場所。この4つを残すだけで、次に届いたときの初動が数分になります。外注した動画については、使用素材の一覧を納品物に含める約束にしておきます。
この記事で挙げた原因は4つでした。音楽、素材の条件の変更、映り込みと引用、そして誤認識です。どれも、撮る前と編集の段階で減らせるものばかりです。届いてからの対処よりも、素材を選ぶ時点の一手のほうが効きます。
最後に、体制の話をひとつだけ。通知の届き先を共有の窓口にし、確認する人と判断する人を分けてください。個人の画面にしか届かない状態だと、異動や休暇のたびに気づくのが遅れます。動画は会社の資産なので、資産として管理する形に寄せておくのが安全です。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
