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製造業の情報システム部が各部門と毎月開くIT要望の会議(Teams)の記録を Copilot でまとめ、要望ごとの対応の可否と宿題の一覧を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

情報システム部が各部門と毎月開くIT要望の Teams 会議の文字起こしから、Copilot で要望番号ごとの結論の区分と根拠の発言、宿題と期限を表にまとめます。要望の台帳の更新案と、部門に送る宿題の一覧を作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
商社/小売/建設/製造
対象部門
情報システム
対象業務
台帳・マスタ管理/記録・議事録作成
主な課題
引き継ぎができていない/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
入力漏れ削減/属人化解消/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
20h/月
AI導入後
6h/月
想定削減
70%
年間削減
168h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 会議の前日、窓口の担当が台帳から、その部門の未完了の要望を一覧にして会議の招待に貼る
  2. 会議を開き、要望ごとに話す。窓口の担当は話しながらメモを取る
  3. 会議のあと、録画を見直して、要望ごとの結論と、誰が何をいつまでにするかを拾う
  4. 要望の台帳の、要望ごとの「状態」「対応の可否」「理由」「次の宿題」「期限」を直す
  5. 会議の中で新しく出た要望を、台帳に新しい行として足す
  6. 議事録と宿題の一覧を書き、部門の参加者にメールで送る
  7. 次の会議の前に、宿題が終わったかを台帳で確かめる
導入後(After)
  1. 人会議の前日、窓口の担当が台帳のその部門の未完了の要望を、要望番号と件名の一覧にして会議のチャットに貼る
  2. 人会議の冒頭で文字起こしを始めることを告げ、文字起こしを始める。司会は要望番号を口にしてから話を始める
  3. 自動会議が終わると、会議のチャットの「まとめ」から Copilot を開けるようになる
  4. 【人/AI】 窓口の担当が決まった指示を Copilot に入れ、要望番号ごとの結論の区分・根拠の発言・条件・宿題と期限の表を出させる
  5. 【人/AI】 Copilot Chat で会議と要望の台帳を参照させ、台帳のいまの状態と並べた更新案を出させる
  6. 人窓口の担当が、結論の区分と根拠の発言を確かめ、「対応する」の行は必ず文字起こしで原文を見る
  7. 人台帳を更新し、宿題の一覧を部門に送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 会議の前日、窓口の担当が台帳から、その部門の未完了の要望を一覧にして会議の招待に貼る
  2. 会議を開き、要望ごとに話す。窓口の担当は話しながらメモを取る
  3. 会議のあと、録画を見直して、要望ごとの結論と、誰が何をいつまでにするかを拾う
  4. 要望の台帳の、要望ごとの「状態」「対応の可否」「理由」「次の宿題」「期限」を直す
  5. 会議の中で新しく出た要望を、台帳に新しい行として足す
  6. 議事録と宿題の一覧を書き、部門の参加者にメールで送る
  7. 次の会議の前に、宿題が終わったかを台帳で確かめる

(a)「対応すると言った」が食い違う。 3番で録画を見直しても、担当の「できると思います」を「対応する」と書くか「検討する」と書くかは、書く人の受け取り方で変わります。部門の側の受け取り方とずれると、数か月後に「対応すると言ったのに」と言われます。 録画は会議のあとしばらくで見られなくなる設定のこともあり、後から確かめる手段が残っていません。

(b)宿題の期限が抜ける。 会議では「来週までに画面のイメージを送ってください」「ベンダーの見積を月末までに」と、双方に宿題が出ます。メモが追いつかず、期限のない宿題が台帳に残ります。 期限のない宿題は、次の会議まで誰も手を付けません。

(c)新しく出た要望が台帳に載らない。 話の途中で「ついでに」と出た要望は、議題に無いのでメモから漏れます。部門の側は伝えたつもりで、台帳には無いということが起きます。

(d)担当が替わると経緯が分からない。 台帳には結論しか残っていないので、なぜ見送ったのか、どんな条件で対応すると言ったのかが、担当が替わると分からなくなります。

  1. 【人】 会議の前日、窓口の担当が台帳のその部門の未完了の要望を、要望番号と件名の一覧にして会議のチャットに貼る
  2. 【人】 会議の冒頭で文字起こしを始めることを告げ、文字起こしを始める。司会は要望番号を口にしてから話を始める
  3. 【自動】 会議が終わると、会議のチャットの「まとめ」から Copilot を開けるようになる
  4. 【人/AI】 窓口の担当が決まった指示を Copilot に入れ、要望番号ごとの結論の区分・根拠の発言・条件・宿題と期限の表を出させる
  5. 【人/AI】 Copilot Chat で会議と要望の台帳を参照させ、台帳のいまの状態と並べた更新案を出させる
  6. 【人】 窓口の担当が、結論の区分と根拠の発言を確かめ、「対応する」の行は必ず文字起こしで原文を見る
  7. 【人】 台帳を更新し、宿題の一覧を部門に送る

6番目が、この設計の分かれ目です。 Copilot の表は下書きで、「対応する」と台帳に書くかどうかは窓口の担当が決めます。 会議で部門に約束したことになるからです。

1番目の、議題を会議のチャットに貼る手順にも意味があります。 公式のページでは、文字起こしが始まると、Copilot は会議の24時間前までのチャットも文字起こしとあわせて使うとされています。前日の夕方以降に貼った議題の一覧は、Copilot が要望番号と件名を結び付ける手がかりになります。

02今回想定するシステム構成

構成図
要望の台帳(SharePoint リスト)── 前日に議題の要望番号と件名を会議のチャットに貼る
   │
   ▼ 月次のIT要望の会議(情報システム部が主催する Teams 会議、文字起こしを有効にする)
   ▼【トリガー】会議の終了
会議の Copilot(会議のチャット・「まとめ」タブ)
   └──▶ 要望番号ごとの結論の区分・根拠の発言・条件・宿題と期限(表)
   ▼
Copilot Chat(「/」で 会議/要望の台帳のリスト を参照)
   ├──▶ 台帳のいまの状態と並べた更新案
   ├──▶ 会議で新しく出た要望の一覧
   └──▶ 部門に送る宿題の一覧の下書き
   ▼
【窓口の担当が「対応する」の行を文字起こしの原文で確かめる】
   ▼
要望の台帳を更新 → 宿題の一覧を部門に送る
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(Teams 会議の Copilot、Copilot Chat)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
会議Microsoft Teams(情報システム部が主催する会議と文字起こし)会議の録画
台帳SharePoint リスト(要望の台帳)要望の管理のツール
保管SharePoint(部門ごとの議事録のフォルダ)社内のファイルサーバー

新しく足すものはありません。 情報システム部の3名はすでに Copilot のライセンスを持っている前提で、部門の参加者がライセンスを持つ必要はありません。 公式のページでは、ライセンスが無くても自分が主催する会議では Copilot の設定を管理できるとされています。

会議を主催するのは、情報システム部です。 公式のページでは、参加者の組織の外で主催された会議では Copilot は動かないとされています。社内の部門との会議なのでふつうは問題になりませんが、グループ会社の部門が別の組織の Teams から会議を立てると、この構成は使えません。 招待は情報システム部から出す決まりにします。

会議のあとに Copilot を使うには、文字起こしが要ります。 公式のページでは、会議が終わったあとに話された内容について質問するには文字起こしが必要とされ、会議のあとは会議のチャットと「まとめ」タブから Copilot を開けるとされています。「まとめ」タブを使うには、会議中に文字起こしを有効にしておく必要があります。

台帳との突き合わせは、Copilot Chat で行います。 公式のページでは、Work IQ をオンにして「/」を入力すると、人、ファイル、会議、メールを参照でき、SharePoint のサイト・ページ・リストも参照先に出るとされています。リストは一度に2万件までの項目を参照できるとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

会議の終了を起点にします。 窓口の担当は、会議が終わったその日のうちに Copilot を開きます。翌月の同じ会議を開く前に、必ず結果を台帳と議事録のフォルダに残します。

翌月を待たない理由は、定例の会議の仕様にあります。 公式のページでは、定例の会議で後の回の文字起こしが行われると、それより前の回の Copilot との会話の履歴は使えなくなるとされています。部門ごとの月次の会議は定例の招待で開くことが多く、先月の回に Copilot に出させた表は、今月の回で文字起こしを始めた時点で見られなくなります。 Copilot の会話を記録の置き場として使わないでください。

会議の前日の夕方にも、手順が1つあります。 議題の一覧を会議のチャットに貼る作業です。会議の24時間前より早く貼ると、Copilot が使うチャットの範囲から外れます。 招待に貼っておき、前日の夕方にチャットにも貼り直します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
会議の文字起こし誰が・いつ・何を話したかTeams の会議の文字起こし
会議のチャット前日に貼った議題の要望番号と件名、会議中に貼られた画面の写しの説明Teams の会議のチャット
要望の台帳要望番号、部門、件名、内容、希望の時期、状態、対応の可否、理由、次の宿題、期限、担当SharePoint リスト
先月の議事録先月の宿題と期限SharePoint の議事録のフォルダ

質を決めるのは、議題の一覧と、司会が要望番号を口にすることです。 番号が文字起こしに出ていれば、Copilot は話の切れ目を番号で拾えます。番号を言わずに「さっきの帳票の件ですが」と話が戻ると、どの要望の話かを取り違えます。

要望の台帳の列の作り方にも注意します。 公式のページでは、SharePoint リストの添付ファイルの列と参照(ルックアップ)の列は、いまは参照できないとされています。部門を別のリストからの参照の列にしていると、Copilot から部門が見えません。部門は選択肢の列にし、画面の写しは添付ではなく説明の文を列に書きます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
文字起こしとチャット会議のチャットの「まとめ」タブ会議の Copilot を開くと、文字起こしと24時間前までのチャットが使われる
要望の台帳Copilot Chat の入力欄で「/」から要望の台帳のリストを選ぶその部門の未完了の行に絞ったビューを用意しておく
先月の議事録Copilot Chat の入力欄で「/」から先月の議事録のファイルを選ぶ部門ごとのフォルダに月ごとのファイルを置く

取り方は、2段に分けます。 会議の Copilot で要望番号ごとの表を出させ、それを Copilot Chat に貼って台帳と突き合わせます。会議の Copilot に台帳の更新まで一度にさせると、文字起こしと台帳のどちらから取った値かが混ざります。

台帳はビューで絞ります。 全部門の要望を参照させると、ほかの部門の似た件名の要望と取り違えます。「生産管理(第1工場)・未完了」のようなビューを部門ごとに用意しておきます。

会議の Copilot の応答が1,300字を超えると、Word で開く選択肢が出ると公式のページにあります。要望が十件を超える回は、表を Word で開いてから Copilot Chat に貼ります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 議題の一覧を作る … 台帳から、その部門の未完了の要望の番号と件名だけを一覧にします。内容の長文は貼りません
  2. 前日の夕方に会議のチャットに貼る … 24時間前までのチャットが使われる範囲に入れます
  3. 文字起こしの言語を確かめる … 公式のページでは、話す言語を正しく選ぶ必要があるとされています。日本語になっているかを冒頭で確かめます
  4. 司会の決まりを周知する … 「要望23について」と番号を口にしてから話す、新しい要望は「新しい要望として」と言ってから話す
  5. 会議室から参加する部門には、発言の前に名乗ってもらう … 会議室の端末からまとめて参加すると、誰の発言かを文字起こしで区別しにくくなることがあります
  6. 「会議中のみ」にしない … 会議の Copilot を文字起こしなしの「会議中のみ」で始めると、会議のあとに使えません

1番目の一覧は、1行に1件で「要望23|出荷指示書に客先の品番の列を足す」のように書きます。 内容の長文や画面の写しを貼ると、会議の Copilot がチャットの説明を会議で話されたことと混ぜやすくなります。一覧の先頭に「以下は議題の一覧で、会議の結論ではありません」と1行書いておくと、表の区分を一覧から取ることを防げます。

6番目は、とくに気を付けてください。 公式のページでは、「会議中のみ」で始めた場合、文字起こしされなかった音声のデータと Copilot とのやり取りは、会議のあとに使えなくなるとされています。会議の招待の既定の設定を、文字起こしありにしておきます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、要望番号ごとに、会議で言われたことを決まった区分と項目に写すことです。

項目中身判断できないときの扱い
結論の区分対応する/見送る/検討を続ける/ほかの手段を案内する/話されていない区分に当てはまる言葉が無ければ「検討を続ける」ではなく「区分不明」
根拠の発言区分の根拠にした発言を、話した人の名前とともに写す写せる発言が無ければ空
条件「来月の改修に入れる」「ベンダーの見積が出たら」など、結論に付いた条件言われていなければ空
宿題誰が・何を・いつまでに期限が言われていなければ「期限なし」
新しい要望議題に無い要望として出た話要望番号を付けず「新規」

先月の宿題の消し込みも、同じ流れでさせます。 Copilot Chat で先月の議事録を参照させ、先月の宿題のうち、今月の会議で「終わった」「送りました」と言われたものに印を付けさせます。 言われていない宿題は「報告なし」として残します。終わったかどうかを Copilot に推し量らせず、会議で言われたかどうかだけを見るのは、区分と同じ考え方です。

区分を選ぶ基準を、言葉で決めておきます。 「対応する」は、情報システム部の担当が時期か改修の回を示して対応すると言った場合だけです。「できると思います」「見てみます」は「検討を続ける」です。迷ったときに「対応する」を選ばないよう、指示に書きます。

させないこと理由
要望に対応すべきかの判断情報システム部と部門で決めること
改修の優先度と予算の判断情報システム部の責任者が決める
言われていない期限を補うこと「来月」を日付に直すと、言っていない約束になる
部門や担当者の評価要望の多さや話し方で部門を評価しない
台帳の直接の書き換え人が確かめてから直す

4行目は、Microsoft の方針とも重なります。 公式のページでは、職場のやり取りから社員の業績・態度・内面・人柄を推し量る用途に生成AIを使うことを制限しているとされています。要望の多い部門や、強い言い方をした担当を記録の上で目立たせる使い方はしません。

Step6

指示内容を固定する

会議の Copilot に入れる指示です。 窓口の3名で同じ文面を使い、SharePoint のページに置いておきます。

この会議は、情報システム部と部門とのIT要望の月次の会議です。
会議のチャットに貼った議題の一覧の要望番号ごとに、次の表を作ってください。

【列】
要望番号|件名|結論の区分|根拠の発言(話した人の名前と発言)|条件|宿題(誰が・何を・いつまで)

【結論の区分の選び方】
- 対応する ............ 情報システム部の担当が、時期か改修の回を示して対応すると言った
- 見送る .............. 対応しないと言った。理由が言われていれば条件の列に書く
- 検討を続ける ........ 「調べる」「見てみる」「見積を取る」など、結論を先に延ばした
- ほかの手段を案内する  既存の仕組みや別の手順で足りると案内した
- 話されていない ...... 会議で触れられなかった
- 区分不明 ............ 上のどれにも当てはまる言葉が無い
「できると思います」は 対応する ではありません。迷ったら 対応する を選ばないでください。

【厳守事項】
- 根拠の発言は、文字起こしの言葉をそのまま写してください。言い換えないでください。
- 期限は言われたとおりに写してください。「来月」を日付に直さないでください。
  期限が言われていなければ「期限なし」と書いてください。
- 会議で言われていない条件・宿題・期限を補わないでください。
- 議題に無い要望が話されたら、表の最後に「新規」として別に並べてください。
- 要望番号が分からない話は「番号不明」として別に並べてください。
- 部門や担当者についての評価や印象は書かないでください。

「できると思います は 対応する ではない」を明記しないと、前向きな発言を「対応する」に寄せます。 会議の言葉は、断定を避けた言い方が多いためです。区分の基準を、例の言葉ごと書いておきます。

Copilot Chat に入れる指示は、次のとおりです。

/(会議) と /(要望の台帳のビュー) を参照してください。
下に貼る表の要望番号ごとに、台帳のいまの「状態」「対応の可否」「次の宿題」「期限」と、
表から読み取れる更新案を並べてください。
台帳と表で食い違う行には「要確認」と付けてください。
台帳に無い要望番号と「新規」の行は、別の表にしてください。
Step7

出力形式を固定する

会議の Copilot から受け取る表は、次の形です。

【IT要望の月次の会議(生産管理・第1工場)11月】

要望番号件名結論の区分根拠の発言条件宿題
23出荷指示書に客先の品番の列を足す対応する情報システム部 A「12月の帳票の改修の回に入れます」-生産管理 B:客先の品番の一覧を送る(来週の金曜まで)
27工程の進み具合を携帯で見たい検討を続ける情報システム部 C「基幹のベンダーに見積を取ってみます」見積の結果しだい情報システム部 C:ベンダーに見積の依頼(期限なし)
31検査記録の共有フォルダの権限ほかの手段を案内する情報システム部 A「既存のチームのサイトで足ります」--
新規外注先の納期回答をまとめたい-生産管理 D「新しい要望としてお願いします」-生産管理 D:台帳に登録する

Copilot Chat から受け取る更新案は、台帳のいまの値と並べた表です。 列は、要望番号、台帳の状態、更新案の状態、台帳の宿題、更新案の宿題、期限、要確認の印です。表のまま Excel で開けると公式のページにあり、台帳への反映の作業表に使えます。

この形にする理由は3つあります。

1つ目は、根拠の発言で確認が速くなることです。 「対応する」の行は、発言をそのまま読めば、約束の重さが分かります。文字起こしを最初から見直さずに、確かめる行だけ原文の該当箇所を開けます。

2つ目は、「期限なし」が見えることです。 宿題に期限が無いことが表で分かれば、部門に送る前に期限を決め直せます。 第3章の(b)の期限の抜けを、送る前に止めます。

3つ目は、「新規」と「番号不明」が別に並ぶことです。 議題に無い要望が台帳から漏れる第3章の(c)を、表の最後で拾えます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams の会議情報システム部が主催し、文字起こしを有効にする文字起こしと会議のチャット
会議の Copilot会議のチャットの「まとめ」タブから開く要望番号ごとの表
Copilot Chat「/」で会議と要望の台帳のビューを参照台帳と並べた更新案
要望の台帳窓口の担当が確かめてから手で更新状態・可否・理由・宿題・期限
部門への送付Outlook で宿題の一覧を送る宿題の一覧

台帳への書き込みは、人が行います。 Copilot の更新案は作業表で、「対応する」に変えるのは、窓口の担当が根拠の発言を確かめてからです。 台帳が部門との約束の記録になっているためです。

会議の記録の書き出しが止められていることがあります。 公式のページでは、会議の内容の書き出しを禁じる秘密度ラベルが付いていると、Copilot の応答を Word や Excel に書き出せないとされ、会議の「コピーと転送を無効にする」の設定でも同じとされています。要望の会議には、そうした設定を付けないのがふつうですが、新製品の設計の部門との会議ではラベルが付いていることがあります。 その場合は、表を画面で見ながら台帳を直します。

Step9

人が確認する

  1. 「対応する」の行は、必ず原文を見る … 根拠の発言の前後を文字起こしで読み、時期か改修の回が言われているかを確かめます
  2. 「期限なし」の宿題に期限を付ける … 部門に送る前に、担当と相談して期限を決めます。決めた期限は、会議で言われた期限と区別して台帳に書きます
  3. 「要確認」の行を台帳と突き合わせる … 台帳の状態と更新案が食い違う行の理由を確かめます
  4. 「新規」と「番号不明」を振り分ける … 新規は台帳に新しい行として足し、番号不明は番号を特定します

1番目を省かないでください。 「対応する」と台帳に書いた行は、部門にとっては約束です。 Copilot の区分が1件ずれると、その要望の部門と半年後に食い違います。

部門の側の確認も1回入れます。 宿題の一覧を送るときに、「対応する」と「見送る」の行だけを一覧の先頭に並べ、食い違いがあれば3営業日以内に返信してもらうようにします。返信が無ければその内容で確定とし、台帳にその日付を残します。会議の記録と部門の受け取り方を、送った時点でそろえておくための手順です。

目標は、1回の会議で45分です。 確かめるのは「対応する」の行と、期限なし・要確認・新規の行で、それ以外の行は表の区分を写すだけで済みます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文字起こしを始め忘れた会議のあとは Copilot で話された内容を聞けない。窓口の担当のメモから手で議事録を書き、次回から招待の既定を文字起こしありにする
「会議中のみ」で Copilot を始めた会議のあとに使えない。同上
会議がグループ会社の組織の Teams で主催されたCopilot が動かない。次回から情報システム部が主催する
要望番号を言わずに話が進んだ「番号不明」に並ぶ。窓口の担当が文字起こしで番号を特定する
会議室の端末から複数人が話した発言者が区別しにくい。名乗りの決まりを周知し、根拠の発言は部門の名前で記録
秘密度ラベルで書き出せない画面で見ながら台帳を直す
部門から区分の食い違いの返信が来た文字起こしの原文を部門に示し、どちらの受け取り方かを決める。決めた結果と理由を台帳に残す
先月の回の Copilot の表が見られない定例の後の回で文字起こしが行われると履歴は使えない。議事録のフォルダの保存分を使う

最後の行は、運用を始めてから必ず一度は起きます。 先月の表を Copilot の画面で探して見つからない、という形で起きます。会議のその日のうちに議事録のフォルダに保存する決まりで防ぎます。

Step11

記録を残す

  • 部門ごと・月ごとの議事録(Copilot の表を確かめて直したもの)を SharePoint の議事録のフォルダに保存
  • 台帳の更新の記録 … どの要望番号の、どの列を、どの値からどの値に変えたか。SharePoint リストのバージョンの履歴で残す
  • 人が区分を直した記録 … Copilot の区分と、直した区分と、その理由
  • 「期限なし」から期限を決めた宿題と、決めた日
  • 新規として足した要望と、出た会議の日
  • 部門からの食い違いの返信と、決めた結果

3つ目は、指示文を直すための材料です。 「検討を続ける」を「対応する」に直すことが多いなら、区分の基準の言葉が足りません。逆に「対応する」を「検討を続ける」に直すことが多いなら、指示文の「迷ったら選ばない」が効いていません。

04実装レベルの3段階

最小構成:会議の Copilot に指示文を入れて要望番号ごとの表を出させ、担当が手で台帳を直す / 文字起こしからの結論と宿題の拾い出し
半自動化:上記+Copilot Chat で台帳のビューと先月の議事録を参照させ、更新案と宿題の一覧の下書きまで出させる / 拾い出しと台帳との突き合わせ
本格構成:上記+窓口の担当が承認した更新案を、Power Automate のフローで台帳に書き込み、期限の近い宿題を部門に知らせる / 承認後の台帳の更新と期限の通知

本記事の想定は半自動化です。 台帳への書き込みは人が行い、Copilot の更新案は作業表として使います。 窓口の担当が確かめる時間を残すのは、台帳が部門との約束の記録だからです。 最小構成で1件150分が80分ほどに、半自動化で45分になります。 差が大きいのは、台帳との突き合わせと宿題の一覧の下書きが、要望番号で区切ってあれば Copilot Chat で一度に出せる作業だからです。 本格構成に進むかは、半自動化を3か月回してから決めます。 「要確認」の行が減り、担当が区分を直す回数が少なくなってから、書き込みの自動化を考えます。期限の通知は、台帳の期限の列が埋まっていれば先に足せます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
8 件
1件あたり現在時間
150 分
1件あたり導入後時間
45 分
現在  8件 × 150分 ÷ 60 = 20 時間/月
導入後 8件 × 45分 ÷ 60 = 6 時間/月
月間削減時間
14h
削減率
70%
年間削減時間
168h
年間金額換算(時間単価4,000円)
67万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 情報システム部が各部門の業務システムへの要望(帳票の追加、画面の項目の変更、アクセス権の追加、新しいツールの導入の相談など)を受け、部門ごとに毎月の会議で対応するかどうかを話し合っている製造業・商社・小売・建設の会社。会議のあとに議事録と要望の台帳の更新に数時間かかり、「対応すると言った・言っていない」が部門との間で食い違うことがある場合。会議を自社の Teams で主催でき、情報システム部に Microsoft Copilot のライセンスがすでにある場合。
向いていない
  1. 要望が月に数件で、会議を開かずにチケットのやり取りで足りる場合。会議を Teams 以外で開いていて、文字起こしを残せない場合。要望の台帳を持っておらず、要望番号で話を区切れない場合。なお、要望に対応するかどうかの判断、改修の優先度と予算の決定、外部への発注の判断、部門や担当者の評価は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 次の月のある部門との会議で、前日に議題の一覧を会議のチャットに貼り、司会が要望番号を口にする決まりで開く
  2. 会議の冒頭で文字起こしを始める
  3. 会議のあと、第7章の指示文を会議の Copilot に入れて表を出させる
  4. 窓口の担当がこれまでどおり録画から議事録を書き、Copilot の表と並べる
  5. 「対応する」の行と、期限、新規の要望が一致しているかを比べる

まず1部門で1回やってください。 確かめたいのは、「結論の区分を、担当が書く議事録と同じ重さで選べるか」です。

出てきた内容判断
区分と宿題が担当の議事録とほぼ同じCopilot Chat で台帳と突き合わせる段階に進む
「できると思います」が「対応する」になる指示文の区分の基準を足す。構成は有効
要望番号の取り違えが多い番号を口にする決まりが守られていない。司会の進め方を直す

3行目は、最初の数回はよく出ます。 番号を言う習慣が付くまでの話で、失敗ではなく、会議の進め方を変える理由が分かったということです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
「できると思います」が「対応する」になる区分の基準を例の言葉ごと指示文に書く
要望番号の取り違え前日に議題をチャットに貼り、司会が番号を口にする
先月の Copilot の表が見られない定例の後の回で履歴が使えなくなる。その日のうちに保存
文字起こしをし忘れて会議のあとに使えない招待の既定を文字起こしありにする
「会議中のみ」で始めてしまう会議のあとに使えない。文字起こしありで始める
台帳の部門が Copilot から見えない参照の列は参照できない。選択肢の列にする
全部門の台帳を参照して取り違える部門ごとのビューで絞る
「来月」が日付に直されて約束になる期限は言われたとおりに写させる
会議室からの発言者が区別できない発言の前に名乗ってもらう
秘密度ラベルで書き出せない画面で見ながら台帳を直す
要望の多い部門を目立たせる使い方部門や担当者の評価に使わない

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 1行目と2行目は、会議で言われたことと、表に書かれたことがずれることから起き、3行目は記録の置き場を Copilot の画面に頼ることから起きます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 会議の文字起こし(部門の業務の困りごと、取引先の名前、製品の品番)、要望の台帳、議事録です。設計や品質の部門との会議では、新製品の情報や不具合の内容が話されることがあります。

  1. 台帳と議事録の権限を絞る … 公式のページでは、Copilot は利用者が少なくとも閲覧の権限を持つデータだけを出すとされています。部門ごとの議事録のフォルダは、その部門と情報システム部だけが見られるようにします
  2. 学習に使われない … 公式のページでは、プロンプト・応答・Microsoft Graph を通して取得したデータは、基盤のモデルの学習に使われないとされています
  3. 「対応する」は人が書く … Copilot の区分は下書きで、台帳に約束として書くのは窓口の担当です
  4. 部門や担当者を評価しない … 公式のページでは、職場のやり取りから社員の業績・態度・内面・人柄を推し量る用途を制限しているとされています。要望の数や話し方で部門を評価する集計をしないでください
  5. Anthropic のモデルの扱いを確かめる … 公式のページでは、Copilot の中で Anthropic のモデルを使うかを管理者が決められ、Anthropic のモデルは EU のデータ境界の対象外とされています。日本の会社でも、海外の拠点が会議に入る場合は管理者の設定を確かめます
  6. 文字起こしを始めることを告げる … 部門の参加者に、会議の冒頭で文字起こしを始めることを伝えます

誤りが起きた場合のリスクは、言っていない約束が台帳に載ることと、言った約束が台帳から漏れることの2つです。 前者は区分の基準が甘いと起き、後者は要望番号の取り違えと新規の漏れで起きます。「対応する」の行の原文の確認と、新規・番号不明の振り分けで、両方を抑えます。

10まず何から始めるか

1週目:台帳とビューを整える

要望の台帳の部門の列を選択肢の列にし、部門ごとの「未完了」のビューを作ります。会議の招待の既定を、文字起こしありにします。

2週目:1部門で試す

次の会議の前日に議題の一覧を会議のチャットに貼り、司会が要望番号を口にする決まりで開きます。会議のあと、第7章の指示文で表を出させ、担当が書いた議事録と並べて、「対応する」の行がずれていないかを最優先で見ます。

3週目:指示文を直す

ずれた行の発言を集め、区分の基準の例の言葉に足します。 窓口の3名で同じ文面を使うよう、SharePoint のページに置きます。

4週目:Copilot Chat で台帳と突き合わせる

会議の表を Copilot Chat に貼り、台帳のビューを参照させて更新案を出させます。「要確認」の行の理由を確かめ、台帳への反映の手順を決めます。

2か月目以降: 全部門の会議に広げ、担当が区分を直した記録を毎月見ます。「対応する」の行の直しがほとんど無くなり、窓口の担当が「対応する」と期限なしと新規の行だけを見て台帳を更新できるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
会議のあとに話された内容を聞くには文字起こしが必要なこと。会議のあとは会議のチャットと「まとめ」タブから Copilot を開け、「まとめ」タブは会議中に文字起こしを有効にしておく必要があること。「会議中のみ」では文字起こしされなかった音声のデータと Copilot とのやり取りが会議のあとに使えないこと。参加者の組織の外で主催された会議では動かないこと。定例の会議の後の回で文字起こしが行われると前の回の Copilot との会話の履歴が使えなくなること。文字起こしが始まると24時間前までのチャットも使うこと。ライセンスが無くても主催する会議の Copilot を管理できること。応答が1,300字を超えると Word で開け、表は Excel で開けること。書き出しを禁じる秘密度ラベルや「コピーと転送を無効にする」で書き出せないこと。話す言語を正しく選ぶ必要があることMicrosoft サポート: Use Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-29
Work IQ をオンにして「/」で人・ファイル・会議・メールを参照でき、SharePoint のサイト・ページ・リストも参照先に出ること。リストは一度に2万件までの項目を参照できること。添付ファイルの列と参照(ルックアップ)の列はいまは参照できないこと。ライセンスが無い、または Work IQ がオフだとファイルだけを参照できることMicrosoft サポート: Refer to specific files and more in Microsoft Copilot2026-10-29
Copilot が利用者の閲覧の権限のあるデータだけを出すこと。プロンプト・応答・Microsoft Graph を通したデータが基盤のモデルの学習に使われないこと。職場のやり取りから社員の業績・態度・内面・人柄を推し量る用途を制限していること。Anthropic のモデルの利用を管理者が決められ、EU のデータ境界の対象外であること。Microsoft 365 Copilot が Microsoft Copilot に改称されたことMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-29

要望に対応するかどうか、改修の優先度と予算は、情報システム部と部門で決めてください。 本記事は公開されている仕様で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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