Media > AI活用ユースケース > 営業 > 和紙の工房が紙すき体験(成人向け)の申込を Zapier で受け、人数・日時・持ち帰りの希望を抜き出して予約の表と案内を作る

和紙の工房が紙すき体験(成人向け)の申込を Zapier で受け、人数・日時・持ち帰りの希望を抜き出して予約の表と案内を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

和紙の工房に届く紙すき体験の申込メールを読み、人数・希望の日時・体験の種類・作品の持ち帰りの希望を抜き出して予約の表に仮予約として入れます。空きの枠と照らし、集合や持ち帰りの決まりを書いた案内の下書きも作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/宿泊
対象部門
営業
対象業務
データ入力・転記/問い合わせ対応
主な課題
入力作業が多い/問い合わせが多い/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
抽出
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
25h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
60%
年間削減
180h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 申込者がメールを送る。フォームから、直接、宿の担当者から、の3つの経路がある
  2. 受付の担当がメールを開き、人数・希望の日時・体験の種類・持ち帰りの希望を読む
  3. 予約の表を開き、希望の日時の枠に空きがあるかを見る
  4. 空きがあれば仮予約の行を足し、無ければ近い日の空きを探す
  5. 持ち帰りの希望が書かれていなければ、当日か郵送かを尋ねる
  6. 集合の場所・持ち物・所要時間・持ち帰りの決まり・取消の決まりを書いた返事を送る
  7. 申込者の返事を受けて、予約を確定する
導入後(After)
  1. 人申込者が、これまでどおりメールを送る(フォーム・直接・宿の担当者)
  2. 自動Zapier が体験の専用アドレスに届いた新しい申込のメールをきっかけに動く
  3. 自動AI by Zapier が、代表者・人数・希望の日と時間帯・体験の種類・持ち帰りの希望を抜き出す
  4. 自動Zapier が予約の表を引き、希望の日時の枠の残りの席と、当日の持ち帰りに使える枠かを確かめる
  5. 自動空きがあれば、予約の表に仮予約の行を入れる
  6. 自動空きがある・空きが無い・確かめが要る、の3つの道に分ける
  7. 自動道に合わせて、案内の下書き、近い日の候補を添えた下書き、受付の担当の確認の一覧を作る
  8. 人受付の担当が下書きを確かめて送る。申込者の返事で予約を確定する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 申込者がメールを送る。フォームから、直接、宿の担当者から、の3つの経路がある
  2. 受付の担当がメールを開き、人数・希望の日時・体験の種類・持ち帰りの希望を読む
  3. 予約の表を開き、希望の日時の枠に空きがあるかを見る
  4. 空きがあれば仮予約の行を足し、無ければ近い日の空きを探す
  5. 持ち帰りの希望が書かれていなければ、当日か郵送かを尋ねる
  6. 集合の場所・持ち物・所要時間・持ち帰りの決まり・取消の決まりを書いた返事を送る
  7. 申込者の返事を受けて、予約を確定する

(a)職人が受付を兼ねていて、返事が遅れる。 受付の担当は販売も兼ねていて、店が混む週末は申込のメールを開く時間が取れません。返事が翌日、翌々日になると、申込者は別の日の予定を組むか、別の工房に申し込みます。

(b)持ち帰りの希望を読み落とす。 「その日のうちに持って帰れますか」が本文の最後に一言だけ書かれていると、日時と人数だけを見て返事をしてしまいます。 当日に乾燥の時間を取っていない枠に入れてしまい、体験の後の枠と重なることがあります。

(c)同じ説明を毎回書いている。 集合の場所、汚れてもよい服装、所要時間、乾燥と持ち帰りの決まり、取消の決まり。返事の半分以上は毎回同じ文章ですが、申込ごとに前の返事をコピーして直しています。 直し忘れた日時や人数が、そのまま送られることがあります。

(d)宿からの申込で、代表者と人数が分かりにくい。 宿の担当者が「本日ご宿泊の◯◯様ご一行、明日10時で何名か」と書いてくると、誰が代表者で、何名なのかが確定していないまま仮予約になります。

  1. 【人】 申込者が、これまでどおりメールを送る(フォーム・直接・宿の担当者)
  2. 【自動】 Zapier が体験の専用アドレスに届いた新しい申込のメールをきっかけに動く
  3. 【自動】 AI by Zapier が、代表者・人数・希望の日と時間帯・体験の種類・持ち帰りの希望を抜き出す
  4. 【自動】 Zapier が予約の表を引き、希望の日時の枠の残りの席と、当日の持ち帰りに使える枠かを確かめる
  5. 【自動】 空きがあれば、予約の表に仮予約の行を入れる
  6. 【自動】 空きがある・空きが無い・確かめが要る、の3つの道に分ける
  7. 【自動】 道に合わせて、案内の下書き、近い日の候補を添えた下書き、受付の担当の確認の一覧を作る
  8. 【人】 受付の担当が下書きを確かめて送る。申込者の返事で予約を確定する

8番目は、送る前の確かめだけです。 下書きには、日時・人数・持ち帰りの方法に合わせた説明が入っています。受付の担当は、店の合間に下書きを読んで送るだけで済みます。

4番目で枠を確かめるのは、AIではなく表の検索です。 残りの席と、当日の持ち帰りの乾燥の時間を取れる枠かどうかは、予約の表の列にあります。AIに予約の表を見せて空きを判断させると、表の更新と食い違ったときに二重の予約になります。

02今回想定するシステム構成

構成図
申込者(申込メール:フォーム・直接・宿の担当者)
   ▼【トリガー】Gmail の New Email Matching Search(体験の専用アドレス・返信を除く)
Zapier(Zap)
   ▼
AI by Zapier ── 代表者・人数・日時・種類・持ち帰りの希望を抜き出す
   ▼
Google Sheets ── 予約の表を Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) で引く
   │              希望の日の枠・残りの席・当日の持ち帰りに使えるか
   ▼
Google Sheets ── 仮予約の行を Create Spreadsheet Row
   ▼
Paths ── 空きがある ── 案内の下書き(Create Draft)
     ├── 空きが無い ── 近い日の候補を添えた下書き
     └── 確かめが要る ── 受付の担当の確認の一覧
   ▼
【人】受付の担当が確かめて送る
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Gmail、Google Sheets、Paths)Make、n8n、Power Automate
生成AIAI by Zapier(出力の項目を決めた抜き出し)ChatGPT(OpenAI)、Claude
保管Google スプレッドシート(予約の表・体験の種類の表・案内の文面の表)Zapier Tables
メールGmail(体験の専用アドレス)Microsoft Outlook

新しく作るのは、体験の種類の表と案内の文面の表です。 体験の種類の表は、4種類それぞれに所要時間、料金、当日の持ち帰りの可否と延びる時間、郵送の送料と届くまでの目安を1行で持たせます。案内の文面の表は、集合の場所・服装・持ち物・持ち帰りの決まり・取消の決まりを、持ち帰りの方法ごとに定型の文で持たせます。 下書きは、この表の文を差し込んで作ります。

受け口は Gmail の New Email Matching Search です。 指定した検索の文字列に合う新しいメールで動くトリガーで、体験の専用アドレス宛てで、件名が「Re:」で始まらないものを検索の文字列にします。Gmail のトリガーはどれも一定の間隔で見に行く方式で、このトリガーには検出の時間の制限が1時間と書かれています。

AI の部品は AI by Zapier です。 出力の項目を名前と型で決められ、項目ごとに値が返るので、予約の表の列にそのまま入れられます。新しいステップの既定は Premium(1回の実行で5タスク)なので、抜き出しだけなら Standard(1タスク)で試します。 AI by Zapier は Professional 以上のプランで使えます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

体験の専用アドレスに、新しい申込のメールが届いたことを起点にします。 Gmail の New Email Matching Search に、to:taiken@ -subject:Re: のような検索の文字列を入れ、新しい申込だけを拾います。 申込者からの返事(日時の了承や郵送先の連絡)は、この Zap では扱わず、受付の担当がメールで読みます。

返信を拾わないのは、返事のたびに仮予約の行が増えるのを避けるためです。 Gmail のトリガーには、ラベルが付いたメールで動く New Labeled Email もありますが、こちらは会話に返信が足されたときにも動くとされています。返信のたびに AI を呼んで行を足すと、予約の表が重複だらけになります。

宿の担当者からのメールも、同じアドレスに送ってもらいます。 宿の担当者のアドレスは、取引のある宿の一覧として予約の表の別のシートに持っておき、送り主が宿の担当者なら「宿からの申込」の印を付けます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
申込メール送り主、件名、本文、届いた日時Gmail
体験の種類の表種類の名前、言い換えの例、所要時間、料金、当日の持ち帰りの可否、郵送の送料と届くまでの目安スプレッドシート
予約の表日付、枠(10時・13時・15時)、定員、予約済みの人数、当日の持ち帰りに使える枠かスプレッドシート
宿の一覧宿の名前、担当者のアドレススプレッドシート
案内の文面の表持ち帰りの方法ごとの定型の文、取消の決まりスプレッドシート

AIに渡すのは、申込メールの本文と、体験の種類の表の名前と言い換えの例だけです。 予約の表と案内の文面は渡しません。空きは表を引いて確かめ、案内の文は表の定型の文を差し込むからです。 AIに案内の文を書かせると、取消の決まりや料金を言い換えて書くおそれがあります。

質を決めるのは、体験の種類の表の「言い換えの例」の列です。 申込者は「はがき作り」「ハガキ」「ポストカード」「葉書」と書いてきます。AIが当てはめられなかった言い方を、最初の1か月で足していきます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
本文、送り主、届いた日時New Email Matching Search の出力AI に渡す本文と、宿からの申込の見分け
予約の表の行Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)(希望の日付で絞る)枠ごとの残りの席と、当日の持ち帰りに使えるか
宿の一覧の行Lookup Spreadsheet Row(送り主のアドレスで探す)宿からの申込の印
案内の文面Lookup Spreadsheet Row(持ち帰りの方法で探す)下書きに差し込む定型の文

予約の表は、希望の日付で絞って枠の行を取ります。 Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) は一度に最大500行まで取り出せるとされているので、1日3枠の行を取るには十分です。取れた行から、残りの席が人数以上で、持ち帰りの希望に合う枠を探します。

仮予約の行は、Create Spreadsheet Row で予約の表の下に足します。 予約の表に空の行をはさまないようにしておきます。Google Sheets の作成のアクションには、そのスプレッドシートの編集者の権限が要るとされているので、Zapier の接続には受付の共有のアカウントを使います。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 引用部分と署名の除去 … フォームの通知メールの定型の文と、署名の住所・電話番号を落とします
  2. 全角と半角の統一 … 「3名」「3人」「三名」をそろえます
  3. 届いた日時の付与 … 「今度の土曜」「来週」と書かれる申込があるので、届いた日時をAIに一緒に渡します。ただし日付に直すのは担当者です
  4. 受付番号の付与 … 申込ごとに受付番号を振り、予約の表の行と下書きの件名に付けます
  5. 言語の確認 … 本文が日本語でない申込は、AIに渡さず受付の担当へ回します。案内の文面の表が日本語だけのためです
  6. 年齢の確認 … 本文に「子ども」「小学生」「中学生」などの言葉があれば、AIに渡さず受付の担当へ回します。成人向けの体験の申込だけを前提にしているためです

6番目は、最初から決めておきます。 家族連れの申込で、子どもが一緒に参加したいと書かれていることがあります。受け入れるかどうかは工房の決まりで、この構成では受けずに人に回します。

Step5

AIに処理させる

させるのは、申込の本文を予約の表の項目に分けて写すことです。 体験の種類だけは、渡した表の名前から選ばせます。

抜き出すもの抜き出し方書かれていないときの扱い
代表者申込者の名前。宿からの申込なら、宿泊の客の代表者の名前空にする
人数参加する大人の人数を数字で「何名か」「数名」なら空にし、note に写す
希望の日第1希望・第2希望を書かれているとおりに写す空にする
時間帯「10時」「午後」「午前中」を書かれているとおりに写す空にする
体験の種類表の名前から1つ選ぶ。言い換えの例も見る当てはまらなければ 不明
持ち帰りの希望「当日」「郵送」「書かれていない」の3つから選ぶ書かれていない
根拠その項目の判断に使った本文の箇所必ず入れる

持ち帰りの希望が、この構成でいちばん大事な項目です。 「書かれていない」を独立した値にしておくから、下書きに「当日のお持ち帰りと、後日の郵送のどちらになさいますか」という質問を差し込めます。

させないこと理由
空きがあるかの判断予約の表にしか無い。表を引いて確かめる
「今度の土曜」を日付に直すこと届いた曜日で読み違える。担当者が決める
料金や取消の決まりを書くこと定型の文を表から差し込む
人数が書かれていないときの推測「ご一行」から人数は分からない
持ち帰りの希望を種類から決めること当日も郵送もできる種類がある。書かれていなければ尋ねる

最後の行がいちばん起きやすい失敗です。 「色紙を作りたい」と書かれていると、AIは色紙は大きいので郵送だろう、と考えて埋めようとします。その瞬間、当日に持ち帰りたかった申込者に郵送の案内が届きます。

宿からの申込は、代表者の扱いに気をつけます。 宿の担当者の名前と、宿泊の客の代表者の名前が両方書かれていることが多く、AIが宿の担当者を代表者として拾うと、当日の受付で名前が合いません。 指示では「客に代わって申し込んでいるときは客の代表者」と明記し、客の名前が書かれていなければ空けさせます。宿の担当者の名前は、送り主から宿の一覧で引けるので、AIに拾わせる必要はありません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは和紙の工房の体験の受付の担当として、紙すき体験の申込メールを読み、
予約の表の項目に分ける立場です。
本文に書かれていることだけを使ってください。推測で埋めないでください。

【やること】
1. representative には、申込者の名前を入れる。
   宿の担当者が客に代わって申し込んでいるときは、客の代表者の名前を入れる。
2. party_size には、参加する人数を数字の文字列で入れる。
   「何名か」「数名」「ご一行」のように数が分からなければ空文字にし、
   note に本文の言葉を写す。
3. date_1 と date_2 には、第1希望と第2希望の日を書かれているとおりに写す。
   「今度の土曜」「来週」は日付に直さず、そのまま写す。
4. time_slot には、時間帯を書かれているとおりに写す。
5. course には、下の【体験の種類】の name から1つを選ぶ。
   言い換えの例(aliases)も見てよい。当てはまらなければ「不明」とする。
6. take_home には「当日」「郵送」「書かれていない」のどれかを入れる。
7. evidence には、それぞれの判断に使った本文の箇所を写す。

【厳守事項】
- 持ち帰りの希望が書かれていないときに、体験の種類から
  当日か郵送かを決めないでください。「書かれていない」にしてください。
- 「その日のうちに持って帰れますか」のような質問は、
  当日の持ち帰りの希望として「当日」にしてください。
- 空きがあるか、予約を受けられるかを書かないでください。
- 料金、送料、取消の決まりを書かないでください。
- 子どもの参加や、体験以外の相談(工房の見学、和紙の購入)があれば、
  other_requests に写してください。

【体験の種類】{course_table}
【届いた日時】{received_at}
【申込メールの本文】{mail_body}

「体験の種類から当日か郵送かを決めない」を、最初の厳守事項に置いています。 何も言わなければ、AIは種類と持ち帰りを結び付けて埋めます。埋めた値が当たっているかではなく、尋ねるべきだったという事実が消えることが問題です。

2つ目の厳守事項は、逆向きの取りこぼしを防ぐためです。 「持って帰れますか」は質問の形をしているので、何も言わなければ「書かれていない」に入ります。質問の形で書かれた希望を、希望として拾うことを明記します。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目を、次のように決めます。

項目名型中身
representative文字代表者の名前
party_size文字人数(数字の文字列)か空
date_1 / date_2文字書かれた希望の日
time_slot文字書かれた時間帯
course文字体験の種類の名前か「不明」
take_home文字当日・郵送・書かれていない
note文字人数や日時の補足
other_requests文字体験以外の相談、子どもの参加
evidence文字判断の根拠にした本文の箇所

1つ目の理由は、項目ごとに値が返るので、予約の表の列にそのまま入れられることです。 文章で返させると、Zapier の側で切り分ける手間が増えます。

2つ目は、party_size を文字にしていることです。 「3名」「大人3人」と書き方がばらばらなので、文字で受けて表の式で数に直します。 直せないものは空と同じ扱いにして、「確かめが要る」の道に入れます。

3つ目は、AIの列と表の列を分けられることです。 予約の表には、AIが埋める列の右に、表の式と人が埋める列を並べます。

表の式と人で埋める列埋め方
日付受付の担当が、date_1 と届いた日時から決める。「11月23日」のように日付で書かれていれば式で直す
枠時間帯と、当日の持ち帰りに使える枠かで、予約の表から候補を出す
料金の目安体験の種類の表の料金 × 人数。郵送なら送料を足す
状態人数が空、種類が 不明、other_requests があるのどれかなら「確かめが要る」

要は、申込者の希望と工房の決定を別の列に置くことです。 「日付」の列が空のうちは、仮予約の行は枠を押さえません。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
GmailNew Email Matching Search新しい申込を受ける
AI by Zapier出力の項目を決めた抜き出し本文を項目に分ける
予約の表Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)、Create Spreadsheet Row空きを引き、仮予約の行を入れる
宿の一覧・案内の文面の表Lookup Spreadsheet Row宿の印と、差し込む定型の文を引く
返事Gmail の Create Draft下書きまでを作る

Paths は、空きがある・空きが無い・確かめが要るの3つの道にします。 Paths の道は左から右へ1本ずつ動き、Paths を置くとそれが Zap の最後のステップになるので、予約の表への書き込みは Paths の前に済ませます。

「空きが無い」の道では、近い日の空きを3つまで下書きに書きます。 希望の日の前後の日付で予約の表をもう一度引き、残りの席が人数以上の枠を並べます。候補を添えて返すと、申込者が別の工房を探す前に日を選び直せます。

仮予約には、押さえておく期限を持たせます。 予約の表に「仮予約の期限」の列を足し、案内を送った日から3日などの工房の決まりで式が埋めます。申込者から返事が無いまま期限を過ぎた仮予約は、受付の担当が一覧で見て枠を戻します。 押さえたままにすると、空きがあるのに「空きが無い」の道に入る申込が出ます。

メールは下書きまでで、送るのは人です。 Gmail の Send Email は置きません。

Step9

人が確認する

受付の担当が開くのは、すべての下書きです。 ただし、道によって見るところが違います。

  1. 「確かめが要る」の道を先に見る … 人数が空、種類が 不明、子どもの参加や見学の相談がある申込です。本文を読み、聞き返すか、工房の決まりで受けるかを決めます
  2. 「空きがある」の道を見る … 日時・人数・持ち帰りの方法と、差し込まれた定型の文が合っているかを確かめて送ります
  3. 「空きが無い」の道を見る … 近い日の候補が、希望の時間帯に合っているかを見て送ります
  4. 宿からの申込は、代表者と人数を見る … 宿の担当者に、確定した人数を返してもらうお願いを入れます

2番目で、持ち帰りの方法と定型の文の組み合わせを必ず見てください。 当日の持ち帰りなのに郵送の文が入っていると、送料の案内が届き、申込者を迷わせます。

目標は、150件をならして1件4分です。 「空きがある」の申込は下書きを読んで送るだけで1〜2分、「確かめが要る」の申込は本文を読み直すので数分かかります。「確かめが要る」が3割を超える月は、体験の種類の言い換えの例が足りていないか、宿からの申込の書き方が崩れています。 宿には、代表者と人数を書いてもらう見本を渡します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
本文が日本語でないAIに渡さず、受付の担当へ
子どもの参加が書かれているAIに渡さず、受付の担当へ。この構成で受けない
人数が書かれていない・「ご一行」「確かめが要る」の道へ。人数を尋ねる下書き
10名以上の団体1枠の定員を超える。「確かめが要る」の道へ。枠を分けるか貸切にするかは工房が決める
希望の日がすべて埋まっている近い日の候補を添えた下書き
「今度の土曜」のように日付が無い日付の列を空けたまま、担当者が決める
AI by Zapier の応答が無い・止まったZap の履歴を見て、その回を再実行する
同じ申込が二度届く送り主と希望の日で予約の表を探し、見つかったら担当者へ
取消の連絡が新しいメールで届く件名が「Re:」でないので拾われる。other_requests に取消と出たら担当者へ

上から4行目までが大半を占めます。 どれもAIの問題ではなく、工房の決まりで決めることです。 子どもの参加や団体の受け方を先に決めておけば、受付の担当が迷う時間が減ります。

Step11

記録を残す

  • 申込メールの全文と受付番号、届いた日時、宿からの申込かどうか
  • AI by Zapier に渡した内容と、返ってきた項目の値
  • 予約の表の仮予約の行と、表の式で埋めた列
  • 人が直した記録 … 人数・日付・持ち帰りの方法を直した行
  • 下書きと、実際に送った文面、送った日時
  • 申込が届いてから返事を送るまでの時間

最後の行が、この構成の効き目を測る材料です。 返事が翌日に持ち越されていた申込が、その日のうちに返るようになったかを見ます。持ち越しが多い曜日が分かれば、受付の担当の割り振りを変えられます。

04実装レベルの3段階

最小構成:申込の本文と表を手でAIの画面に貼り、項目を抜き出させる / 1件ごとの読み取り
半自動化:上記+Zapier でメールを受けて AI by Zapier を呼び、予約の表に仮予約を入れ、空きを確かめて案内の下書きを作る / 読み取り・仮予約・下書き
本格構成:上記+予約の確定の後に、前日の案内、郵送の発送の記録、体験の後のお礼まで続ける / 申込から体験の後まで

最小構成では件数がさばけません。 1件ずつ貼り付けるので、月150件には使えません。確かめるための段階です。 本記事の想定は半自動化です。 1件10分が4分になります。下書きを確かめて送るところは、本格構成でも人に残ります。 本格構成は、予約の確定の後の案内を足すもので、受付の時間はほとんど変わりません。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の予約の表を1か月見ると、不明 になりやすい言い方と、確かめの要る申込の型が分かります。そこを直してから後ろの仕組みを足します。 とくに郵送の発送の記録は、持ち帰りの方法の列が正しく埋まっていることが前提です。半自動化の段階で、この列を人が直した回数が減ったことを確かめてから進みます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
150 件
1件あたり現在時間
10 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  150件 × 10分 ÷ 60 = 25 時間/月
導入後 150件 × 4分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
15h
削減率
60%
年間削減時間
180h
年間金額換算(時間単価2,500円)
45万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 産地の和紙の工房、陶芸・染物・ガラスの工房など、成人向けの手づくりの体験を予約制で開いている小さな工房。申込がメールで届き、人数・日時・持ち帰りの希望が文章で書かれていて、工房の職人や家族が手の空いたときに読んで予約の表に写している場合。体験の枠の数が決まっていて、返事が遅れると別の日の体験や別の工房に流れてしまう場合。
向いていない
  1. 申込が月に数件の場合。予約サイトで日時と人数を選んでもらい、自由記述の欄が無い場合。修学旅行や子ども向けの体験を受けている場合(この構成は成人向けの体験の申込だけを前提にしています)。なお、予約を確定するか、団体や特別な希望を受けるかの判断は工房の担当者が行うもので、この構成は代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月届いた申込から30件を選ぶ(持ち帰りの希望が質問の形で書かれたもの、宿からの申込、人数が書かれていないものを必ず入れる)
  2. その30件について、当時の予約の表の行と、聞き返したことを並べておく
  3. 体験の種類の表を、言い換えの例の列も含めて1枚のテキストにする
  4. 手元のAIサービスの画面に表と本文を貼り、「代表者・人数・希望の日・時間帯・体験の種類・持ち帰りの希望を抜き出してください。持ち帰りの希望が書かれていなければ『書かれていない』としてください」と指示する
  5. 出てきた結果を、当時の予約の表と突き合わせる

30件は必ずやってください。 Zap を組む前に、「持ち帰りの希望を、書かれていないときに埋めないか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時の予約の表と同じ項目が入り、持ち帰りの希望が正しく分かれているZapier とのつなぎに進む
書かれていない持ち帰りの希望を、種類から埋めた指示の書き方で直る。構成は有効
体験の種類の多くが 不明 になる言い換えの例が先。 AIの問題ではない

2行目が出ることは珍しくありません。 指示に「種類から決めない」を足し、同じ30件で取り直してください。あわせて、質問の形で書かれた希望が「書かれていない」に落ちていないかも見ます。 埋めすぎと拾い漏れの両方が消えたら、つなぎに進みます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
書かれていない持ち帰りの希望が種類から埋まる最初の厳守事項で禁じ、evidence が空なのに「当日」「郵送」になっていないかを確かめる
「持って帰れますか」が「書かれていない」になる質問の形の希望を拾うと指示に書く
「今度の土曜」が日付に直される言葉のまま写させ、担当者が日付を決める
申込者の返事で仮予約の行が増えるNew Email Matching Search で「Re:」を除く。New Labeled Email は返信でも動く
AIが料金や取消の決まりを書く定型の文を表から差し込み、AIには書かせない
AI by Zapier のタスクが想定より多い既定は Premium(5タスク)。Standard に変えて試す
Paths の後に予約の表へ書き込めないPaths は Zap の最後のステップ。書き込みは前に済ませる
宿の担当者が代表者として入る客に代わる申込では客の代表者を拾うと指示し、宿の担当者は宿の一覧で引く
子どもの参加の申込までAIに渡る前処理で言葉を見つけて人へ回す
1枠の定員を超える団体が仮予約に入る人数と定員を式で比べ、超えたら「確かめが要る」にする
案内が自動で送られるCreate Draft だけを置く。 送信は人が行う

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも持ち帰りの希望という同じ項目の、埋めすぎと拾い漏れです。持ち帰りの方法は体験の時間と料金に直結するので、ここだけは30件の試しで両方向を確かめてください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 申込者の名前・メールアドレス、参加の人数と日時、郵送を選んだ申込者の住所です。

  1. 郵送先の住所をAIに渡さない … 住所は、予約の確定の後に別に受け取ります。申込の本文に住所が書かれていても、AIの出力の項目には入れません
  2. 成人向けの体験の申込だけを受ける … 子どもの参加が書かれた申込は、AIに渡さず人に回します
  3. 取消の決まりを工房で決め、定型の文にする … 消費者契約法は、事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える違約金の部分を無効とし、事業者は求められたら算定の根拠の概要を説明するよう努めることとしています。 取消料の金額と時期の区分は工房で決め、案内の文面の表に定型の文で持たせます。AIに取消の決まりを書かせません
  4. 案内を自動で送らない … 出すのは下書きまでです。日時や持ち帰りの方法を誤った案内は、当日のやり取りにつながります
  5. 宿からの申込の扱いを決める … 宿の担当者が客の名前を送ってくるので、宿と工房のあいだで、どこまでの情報を受け取るかを決めておきます

誤りが起きた場合のリスクは、持ち帰りの方法を取り違えることと、空きの無い枠に仮予約を入れることの2つです。 前者は書かれていないものを空けたまま返させる設計で、後者は空きを表の側で確かめる設計で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:体験の種類の表と案内の文面の表を作る

4種類の体験の所要時間・料金・持ち帰りの決まりを表にし、過去3か月の申込から申込者の言い方を集めて言い換えの例の列に入れます。 案内の文面を、持ち帰りの方法ごとの定型の文に分けます。

2週目:30件で試す

先月の申込から30件を選び、手元のAIサービスに表と本文を貼って項目を出させます。当時の予約の表と突き合わせ、持ち帰りの希望を種類から埋めていないかを最優先で見ます。

3週目:取消の決まりと受け方を決める

取消料の時期の区分と、子どもの参加や団体の受け方を、工房で決めます。 決まった内容を、案内の文面の表に定型の文で入れます。

4週目:メールから下書きまでをつなぐ

Zapier で新しい申込のメールを受け、AI by Zapier を呼び、予約の表に仮予約を入れて、案内の下書きを作るところまで作ります。最初の2週間は Paths を置かず、下書きを1種類だけにして予約の表を見ます。

2か月目: Paths で3つの道に分け、「確かめが要る」の件数と、返事までの時間を毎週数えます。3か月目以降: 1件10分が何分になったかを実測し、週末の申込がその日のうちに返るようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
Gmail のトリガー(New Email Matching Search、New Labeled Email など)が一定の間隔で見に行く方式であること。New Email Matching Search が検索の文字列に合う新しいメールで動き、検出の時間の制限が1時間とされていること。New Labeled Email が会話に返信が足されたときにも動くこと。Create Draft で下書きを作れることZapier: How to get started with Gmail on Zapier2026-10-29
AI by Zapier で出力の項目を決められること。モデルの段(Standard 1タスク、Premium 5タスクなど)と、新しいステップの既定が Premium であること。Professional 以上のプランで使えることZapier: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-29
Google Sheets の Create Spreadsheet Row があり、作成と更新のアクションに編集者の権限が要ることZapier: How to get started with Google Sheets on Zapier2026-10-29
Lookup Spreadsheet Row が列と値で行を探し、Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) が最大500行を取り出せることZapier: Find and update spreadsheet rows in Google Sheets2026-10-29
Paths の道が左から右へ1本ずつ動き、Paths が Zap の最後のステップになることZapier: Add branching logic to Zaps with Paths2026-10-29
解除に伴う違約金のうち、事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が無効であること。求められたら算定の根拠の概要を説明するよう努めること(第9条)。2026-06-24 施行の版e-Gov 法令API: 消費者契約法2026-10-29

取消料の決まりは、工房で決め、必要に応じて専門家に確かめてください。 本記事は上の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

自社の業務に使えるAI活用候補を整理します

このユースケース(UC-2281)についてのご相談はこちらから。

AI活用について相談する
目次