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貸し会議室・レンタルスペースに届く予約前の問い合わせを Zapier で受け、用途と人数から合う部屋の案内と使用の注意事項を返信の下書きにする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

予約前の問い合わせメールから用途と人数と希望の日時を取り出し、合う部屋を3つまで選んで、空きの見込みと使用の注意事項を書いた返信の下書きを作ります。担当が確かめてから送ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/不動産/宿泊
対象部門
営業
対象業務
問い合わせ対応/書類作成
主な課題
人手が足りない/問い合わせが多い/確認ミスが多い
AIで行う処理
生成
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
75%
年間削減
540h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 担当が Gmail で問い合わせを開き、用途・人数・希望の日時を読む
  2. 部屋の一覧を開き、定員と設備、飲食・音・撮影の可否が合う部屋を探す
  3. 候補の部屋ごとに Google カレンダーを開き、希望の日時が空いているかを見る
  4. 利用規約を開き、その用途で伝えるべき注意事項を探す
  5. 前に送った返信を写し、部屋の案内と空きと注意事項を書いて送る
導入後(After)
  1. 自動問い合わせのメールに Gmail のフィルタでラベルが付き、Zap が動く
  2. 自動AIが問い合わせから、種類(予約前の相談か、それ以外か)と、用途・人数・希望の日時・飲食・音・撮影・搬入の有無を取り出す
  3. 自動予約前の相談でないもの(予約済みの変更、請求、苦情など)は、下書きを作らず担当のラベルに回す
  4. 自動部屋の台帳と照らし、条件に合う部屋を3つまで選ぶ
  5. 自動候補の部屋ごとに、Google カレンダーで希望の時間帯の予定を確かめる
  6. 自動AIが、候補の部屋の案内、空きの見込み、用途に応じた注意事項を、利用規約のとおりに返信の下書きにする
  7. 自動Gmail に返信の下書きを作り、問い合わせの記録を表に残す
  8. 人担当が下書きを読み、直して送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 担当が Gmail で問い合わせを開き、用途・人数・希望の日時を読む
  2. 部屋の一覧を開き、定員と設備、飲食・音・撮影の可否が合う部屋を探す
  3. 候補の部屋ごとに Google カレンダーを開き、希望の日時が空いているかを見る
  4. 利用規約を開き、その用途で伝えるべき注意事項を探す
  5. 前に送った返信を写し、部屋の案内と空きと注意事項を書いて送る

(a)返事が遅れて、他で予約される。 1番から5番に1件12分かかり、問い合わせが重なる平日の夕方は、翌日の返信になります。 問い合わせた人は複数のスペースに同時に聞いていることが多く、先に返事をくれたところで予約します。

(b)部屋の条件の確かめ漏れ。 2番で定員だけを見て、撮影の可否や音の制限を見落とすことがあります。「ダンスの練習に使いたい」に、床が音を通す部屋を案内してしまう、といった形です。

(c)注意事項の伝え方が担当ごとに違う。 4番は担当の記憶に寄ります。ある担当は退室の時刻を伝え、別の担当は伝えない。 当日に延長の料金の話になって、苦情につながります。

(d)カレンダーを3つ4つ開く。 3番は候補の部屋の数だけカレンダーを開きます。希望の日時が「土曜か日曜の午後」のように幅があると、見る枠が倍になります。

  1. 【自動】 問い合わせのメールに Gmail のフィルタでラベルが付き、Zap が動く
  2. 【自動】 AIが問い合わせから、種類(予約前の相談か、それ以外か)と、用途・人数・希望の日時・飲食・音・撮影・搬入の有無を取り出す
  3. 【自動】 予約前の相談でないもの(予約済みの変更、請求、苦情など)は、下書きを作らず担当のラベルに回す
  4. 【自動】 部屋の台帳と照らし、条件に合う部屋を3つまで選ぶ
  5. 【自動】 候補の部屋ごとに、Google カレンダーで希望の時間帯の予定を確かめる
  6. 【自動】 AIが、候補の部屋の案内、空きの見込み、用途に応じた注意事項を、利用規約のとおりに返信の下書きにする
  7. 【自動】 Gmail に返信の下書きを作り、問い合わせの記録を表に残す
  8. 【人】 担当が下書きを読み、直して送る

4番目と5番目は、AIではなく台帳とカレンダーで決めます。 定員と可否は台帳の値、空きはカレンダーの予定です。AIにはその結果を渡すだけで、「たぶん入れます」と書かせる余地を作りません。

3番目で予約前の相談だけを通すのは、ほかの種類の誤りが重いからです。 予約済みの人からの変更の依頼に、新しい部屋の案内を返すと、相手は予約が通っていないと受け取ります。

8番目は省けません。 送るのは担当です。Zap にメールを送る操作は入れません。

02今回想定するシステム構成

構成図
自社サイトの問い合わせフォーム
   │  送信内容が Gmail に届く
   ▼ Gmail のフィルタで「問い合わせ」のラベル
   ▼【トリガー】Gmail:New Labeled Email
Zapier の Zap
   ├──▶ Zapier Tables:Find Records(同じスレッドを処理済みか)
   ├──▶ AI by Zapier ①:種類と条件の取り出し
   ├──▶ Paths:予約前の相談/それ以外
   │      └ それ以外 → Gmail:Add Label(担当へ)
   ├──▶ AI by Zapier ②:部屋の台帳から候補を3つまで(知識の元:部屋の一覧)
   ├──▶ Zapier Tables:Find Records(候補の部屋のカレンダーID・定員)×3
   ├──▶ Google Calendar:Find Busy Periods in Calendar ×3
   ├──▶ AI by Zapier ③:返信の下書き(知識の元:利用規約)
   ├──▶ Gmail:Create Draft Reply
   └──▶ Zapier Tables:Create Record(問い合わせの記録)
   ▼【人】担当が読んで直して送る
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Paths、Zapier Tables)Make、n8n、Power Automate
生成AIAI by ZapierChatGPT(OpenAI)、Claude
部屋の台帳Zapier Tables(部屋ID、定員、広さ、設備、可否、カレンダーID)Google スプレッドシート
予約の予定Google カレンダー(部屋ごと)Microsoft Outlook の予定表
文書Google ドキュメント(部屋の一覧、利用規約)Notion
メールGmail(問い合わせのアドレス)Microsoft Outlook

新しく足すのは、Zap と部屋の台帳の表だけです。 問い合わせのフォームも、部屋ごとのカレンダーも、予約のページも今のまま使います。

入口は Gmail の New Labeled Email です。 Zapier の Gmail のページでは、メールにラベルが付いたときと、その会話に返信が足されたときに動くトリガーとされています。返信が足されたときにも動くので、同じスレッドを二度処理しないよう、問い合わせの記録の表でスレッドのIDを引きます。

空きは Google カレンダーの Find Busy Periods in Calendar で見ます。 Zapier の Google Calendar のページでは、決めた時間の範囲の予定の入っている時間帯を探す検索の操作で、カレンダーのIDと開始・終了の時刻を指定できます。空いている枠を返す操作ではないので、「希望の時間帯に予定の入った時間帯が無ければ空き」と読みます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

問い合わせのフォームの送信内容が Gmail に届いたら、フィルタでラベルを付け、そのラベルで Zap を動かします。 フォームの送信内容のメールは、件名と差出人が決まっているので、Gmail のフィルタで拾えます。フォームを通らない直接のメールにも、担当が手でラベルを付ければ同じ Zap が動きます。

返信が足されたときにも動くことに注意します。 New Labeled Email は、ラベルの付いた会話に返信が足されたときにも動くとされています。担当が下書きを送ったあと、相手から返事が来ると、もう一度動きます。 最初のステップで問い合わせの記録の表をスレッドのIDで引き、記録があれば止めます。 2通目以降のやり取りは、担当がそのまま続けます。

夜間や休日の問い合わせも、届いた時点で下書きになります。 担当が翌朝に開くと、下書きがそろっています。送るのは翌朝ですが、部屋と空きを調べる時間が要りません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
問い合わせのメール氏名、会社名(任意)、メール、用途、人数、希望の日時(候補を複数書けるように)、飲食・音・撮影・搬入の有無、自由記入Gmail(フォームの送信内容)
部屋の台帳部屋ID、建物、着席と立食の定員、広さ、設備、飲食(アルコール含む)・音・撮影の可否、入室と退室の時刻の決まり、カレンダーIDZapier Tables
予約の予定部屋ごとの予約と仮押さえGoogle カレンダー
部屋の一覧部屋ごとの特徴と向いている用途の説明Google ドキュメント(知識の元)
利用規約飲食、ゴミ、音量、撮影、搬入、退室の時刻と片付け、延長、定員の超過、キャンセルの決まりGoogle ドキュメント(知識の元)
問い合わせの記録スレッドのID、受けた日時、取り出した条件、候補の部屋、下書きを作った日時Zapier Tables

質を決めるのは、部屋の台帳の可否の欄です。 「飲食:可(アルコールは不可)」「音:楽器・ダンスは不可」「撮影:個人の撮影は可、商用の撮影は事前の相談」のように、用途で引ける値にしておきます。可否が部屋の説明の文章の中にしか無いと、AIは文章から推し量ります。

フォームの欄を、条件を取り出しやすい形に直します。 人数と希望の日時を自由記入だけにすると、「10〜15人くらい」「来月のどこか」と書かれます。人数は数字、日時は候補を2つまで、飲食・音・撮影は「あり/なし」の選択肢にします。自由記入の欄は残します。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
問い合わせの本文トリガーが返すメールの本文種類と条件の取り出し
処理済みかZapier Tables の Find Records(スレッドのID)二度処理しない
候補の部屋の台帳Zapier Tables の Find Records(部屋ID)定員・可否・カレンダーID
予定の入った時間帯Google Calendar の Find Busy Periods in Calendar空きの見込み
部屋の一覧と利用規約AI by Zapier の知識の元候補の選び方と注意事項

候補の部屋は、AIが部屋の一覧から3つまで挙げ、その部屋IDで台帳を引きます。 引いた台帳の定員と可否で、候補を Paths の条件で確かめ直します。 人数が着席の定員を超えている、飲食ありなのに飲食が不可、という候補は、その場で外します。AIが選んだ候補を、台帳の値で検算する形です。

カレンダーの予定の入れ方をそろえます。 Zapier の Google Calendar の手引きでは、予定の Transparency の項目に値があると「予定なし(空き)」、無いと「予定あり」と扱われるとされています。仮押さえや清掃の時間を「予定なし」で入れていると、空いている扱いになりえます。 予約、仮押さえ、清掃の枠は、すべて「予定あり」で入れる決まりにします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 処理済みの確認 … スレッドのIDが問い合わせの記録にあれば止めます
  2. 種類と条件の取り出し(AI ①) … 予約前の相談か、それ以外かと、用途・人数・希望の日時・可否の条件を取り出します
  3. 種類で分岐(Paths) … 予約前の相談でなければ、担当のラベルを付けて止めます
  4. 日時の確かめ … 希望の日時が取り出せないか、過去の日付なら、空きを見ずに「日時を伺う」形の下書きにします
  5. 候補の選択(AI ②)と台帳の検算 … 候補を3つまで選び、台帳の定員と可否で外すものを外します
  6. 空きの確認 … 残った候補ごとに、希望の時間帯(入室の準備と片付けの時間を前後に足す)で予定の入った時間帯を探します

6番目の「前後に足す」を忘れないでください。 14時から17時の利用でも、入室の準備と退室の片付けを含めると13時45分から17時15分のように部屋を使います。利用規約で入室・退室の時刻の決まりがあるなら、その分を前後に足して探します。足さないと、前の予約の片付けと重なる枠を「空き」と書きます。

4番目で日時が取れないときに空きを見ないのは、見ても意味がないからです。 「来月のどこか」では、探す範囲が決まりません。その場合は、候補の部屋と注意事項だけを書き、希望の日時を伺う下書きにします。

Step5

AIに処理させる

3つのステップに分けます。 ①は取り出し、②は候補の選択、③は返信の文面です。

させること中身
種類の判定(①)pre_booking(予約前の相談)・change(予約済みの変更)・billing・complaint・other
条件の取り出し(①)用途、人数、希望の日時(候補ごとに開始と終了)、飲食・アルコール・音・撮影・搬入の有無
候補の選択(②)部屋の一覧から、用途と人数に合う部屋を3つまで。理由は部屋の一覧の説明の言葉で
案内の文(③)候補ごとに、定員、広さ、用途に合う点、希望の時間帯の空きの見込み
注意事項(③)用途に関係する利用規約の項目を、規約の言葉のまま。飲食なら飲食とゴミ、撮影なら撮影、など
確定の案内(③)「この時点の空き」であることと、予約のページの案内

注意事項は、用途に関係するものだけに絞らせます。 利用規約をすべて貼ると、返信が規約の写しになります。飲食のある勉強会なら飲食とゴミと退室の時刻、撮影なら撮影と搬入のように、問い合わせの条件で選ばせます。

させないこと理由
台帳に無い可否を書く「たぶん大丈夫です」が当日のもめごとになる
空きを確定として書く送るまでに他の予約が入りうる。確定は予約のページで
料金を計算する時間帯・曜日・延長で変わる。料金表の案内まで
規約の例外を認める「少しなら音を出しても」は担当が決める
予約を押さえる下書きの段階でカレンダーに書き込まない

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 「ヨガのレッスンに使いたい」に、台帳の音の欄が「楽器・ダンスは不可」だけだと、AIは「ヨガは静かな運動なので問題ありません」と書きます。 台帳に無い用途は、「ご利用の内容を確認のうえ、担当よりご案内します」と書かせます。

Step6

指示内容を固定する

返信の文面を作るステップ(③)の指示に、次のように書きます。

あなたは貸し会議室・レンタルスペースの予約の担当として、予約前の問い合わせへの
返信の下書きを作ります。送る前に担当が読みます。

【入力】
- 問い合わせの条件:用途、人数、希望の日時、飲食・アルコール・音・撮影・搬入の有無
- 候補の部屋(最大3つ):部屋の名前、定員、広さ、設備、可否の欄
- 候補ごとの空きの見込み:available(希望の時間帯に予定なし)/busy(予定あり)
- 知識の元:部屋の一覧、利用規約

【本文の組み立て】
1. 問い合わせへのお礼を1文。
2. 候補の部屋ごとに、定員と広さ、用途に合う点を部屋の一覧の言葉で1〜2文。
   空きの見込みを「本日○時時点で、ご希望の時間帯は空いております/
   既にご予約が入っております」と書く。
3. 問い合わせの条件に関係する利用規約の項目を、規約の言葉のまま箇条書きで。
4. 空きは返信の時点のもので、予約の確定は予約のページで行っていただくことを1文。

【厳守事項】
- 可否は候補の部屋の可否の欄に書かれていることだけを書いてください。
  欄に無い用途については「ご利用の内容を確認のうえ、担当よりご案内します」と書いてください。
- 空いていると確定したように書かないでください。「ご予約を承りました」と書かないでください。
- 料金を計算しないでください。料金は料金表のページを案内してください。
- 利用規約の例外(時間の延長、音量、定員の超過など)を認める書き方をしないでください。
- 利用規約の項目は、規約の言葉を変えずに写してください。
- 本文は500字程度。署名は入れないでください。

候補を選ぶステップ(②)の指示は、短く次のようにします。

部屋の一覧から、問い合わせの用途と人数に合う部屋を3つまで選んでください。

【条件】{purpose} / {headcount}名 / 飲食 {food} / 音 {sound} / 撮影 {filming}

- 部屋の一覧の「向いている用途」と「定員」の記載だけで選んでください。
- 合う部屋が無ければ、空の一覧を返してください。無理に3つそろえないでください。
- room_ids には部屋の一覧に書かれた部屋IDだけを入れてください。
- reason には、部屋の一覧の説明の言葉をそのまま1文で写してください。

「無理に3つそろえない」を書かないと、合わない部屋で数を埋めます。 30人のセミナーに合う部屋が1室しか無くても、6人用の会議室を2つ足して3つにします。台帳の検算で外れるとはいえ、外れた理由が記録に残るだけで、下書きの質は上がりません。

「ご予約を承りました」を禁じるのは、AIが丁寧に書こうとして使う言い回しだからです。 空きを伝えたあとに続けて書きがちで、受け取った人は予約が済んだと読みます。 当日に部屋へ来て、予約が無いことが分かる、という最悪の形になります。

「規約の言葉を変えずに写す」も効きます。 書かないと、「ゴミはお持ち帰りください」を「ゴミの処理にご協力ください」と柔らかく言い換えます。 言い換えると、持ち帰りの決まりが伝わりません。

Step7

出力形式を固定する

①の取り出しは、AI by Zapier の出力項目で次の形に決めます。 公式ページでは、出力項目ごとに名前・型・説明・必須かどうかを決めるとされています。

{
  "inquiry_type": "pre_booking | change | billing | complaint | other",
  "purpose": "勉強会",
  "headcount": 12,
  "slots": [
    { "start": "2026-11-07T14:00", "end": "2026-11-07T17:00" }
  ],
  "food": "yes | no | unknown",
  "alcohol": "yes | no | unknown",
  "sound": "none | speech | music | dance | unknown",
  "filming": "none | personal | commercial | unknown",
  "load_in": "yes | no | unknown"
}

1つ目の理由は、unknown を残せることです。 問い合わせに飲食の有無が書かれていなければ unknown で、AIが「なし」と決めつけません。 unknown の条件は、返信で伺う一文に回します。

2つ目は、slots を Google カレンダーの検索にそのまま渡せることです。 開始と終了の時刻を、カレンダーの検索の範囲に入れます。時刻は日本の時刻で取り出させ、カレンダーの時間帯と合わせます。

3つ目は、headcount と台帳の定員を数字で比べられることです。 Paths の条件で、人数が着席の定員を超える候補を外します。 文章で比べると、「12名様まで」と「12名程度」の違いで判定が揺れます。

③の返信の文面は、件名を付けずに本文だけを返させます。Create Draft Reply で元のスレッドに返信の形で入るので、件名は元のメールのままになります。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
GmailNew Labeled Email(トリガー)問い合わせを受け取る
Zapier TablesFind Records、Create Record処理済みの確認、部屋の台帳、問い合わせの記録
AI by ZapierZap のステップ取り出し、候補の選択、返信の文面
Google カレンダーFind Busy Periods in Calendar候補の部屋の予定の入った時間帯
GmailCreate Draft Reply、Add Label返信の下書き、担当へのラベル

Gmail は Create Draft Reply で、元のスレッドに下書きを作ります。 Zapier の Gmail のページでは、Create Draft Reply はスレッドのIDと本文を必須とする、既存のメールへの返信の下書きの操作です。元の問い合わせと下書きが同じ会話に並ぶので、担当は問い合わせを読みながら下書きを直せます。

Google カレンダーには書き込みません。 下書きの段階で仮押さえを入れると、送らなかった下書きの分だけ部屋がふさがります。 予約は、相手が予約のページで行います。

Step9

人が確認する

担当が、すべての下書きを読んでから送ります。

  1. 候補の部屋と条件を見比べる … 人数・飲食・音・撮影の条件と、候補の部屋の可否が合っているかを見ます
  2. 空きの見込みをもう一度見る … 下書きを作ってから時間がたっていれば、カレンダーで確かめ直します
  3. 注意事項を確かめる … 用途に関係する項目が抜けていないか、規約の言葉が変わっていないかを見ます
  4. 「担当よりご案内します」の箇所を埋める … 台帳に無い用途の可否を、担当が決めて書きます
  5. 送る … 送ったら、問い合わせの記録に送った日時を書きます

2番目は、夜間の問い合わせで特に要ります。 夜に作った下書きを翌朝に送るまでに、予約のページから予約が入っていることがあります。 送る直前にカレンダーを開くのは1部屋だけで済むので、時間はかかりません。

目標は、300件をならして1件3分です。 下書きを読んで1〜2か所直して送るのに数分、台帳に無い用途の問い合わせは担当が決めるので10分以上かかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
予約前の相談でない下書きを作らず、担当のラベルを付ける
同じスレッドに返事が来た問い合わせの記録にあれば止める。担当がそのまま続ける
希望の日時が取り出せない・過去の日付空きを見ずに、候補の部屋と注意事項だけを書き、日時を伺う
人数がどの部屋の定員も超える候補なしとして、建物をまたいだ2室の利用か、お断りかを担当が決める
候補の部屋が全部 busy近い日時の空きを担当が探して書き足す。AIに空きを探させない
台帳に無い用途「担当よりご案内します」と書いた下書きにし、担当が可否を決める
条件が unknown のまま返信の中で、その条件を伺う一文を入れる
カレンダーの検索が失敗する空きの欄を「確認中」として下書きを作り、担当がカレンダーで確かめる

上から5行目は、AIに任せたくなるところです。 「空いている近い日時を探して」と頼むと、カレンダーを何度も検索することになり、Zap が長く複雑になります。 候補が全部埋まっている問い合わせは月に一部なので、担当が探すほうが確実で速く済みます。

Step11

記録を残す

  • 問い合わせの記録(スレッドのID、受けた日時、種類、取り出した条件)
  • 候補の部屋と、台帳の検算で外した部屋とその理由
  • 候補ごとの空きの見込みと、検索した時刻
  • 下書きを作った日時と、担当が送った日時
  • 担当が「担当よりご案内します」の箇所に書いた可否
  • 予約のページから予約が入ったか(あとで予約の記録と照らす)

5つ目は、部屋の台帳を育てる材料になります。 担当が同じ用途に同じ可否を何度も書いているなら、それは台帳の可否の欄に足すべき値です。 足せば、次から下書きに入ります。

6つ目は、返信の早さの効き目を見る材料になります。 返信までの時間と、予約が入ったかを並べて見ます。

04実装レベルの3段階

最小構成:問い合わせと文書を手でAIの画面に貼り、返信を作らせる / 1件ごとの返信の作成
半自動化:上記+Zap で問い合わせから条件を取り出し、候補の部屋と注意事項を返信の下書きにする / 条件の取り出しと返信の下書き
本格構成:上記+部屋の台帳で検算し、部屋ごとのカレンダーで空きの見込みを入れる / 問い合わせから空きの見込み入りの下書きまで

最小構成は、確かめるための段階です。 300件には使えません。 半自動化で、1件12分が6分程度になります。 下書きはできますが、候補の部屋のカレンダーを担当が開いて空きを書き足す作業が残ります。本格構成で3分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、候補の部屋ごとにカレンダーを開く作業が、1件ずつの手作業だからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化で1か月、候補の部屋の選び方を見ると、台帳の可否の欄に足りない用途と、部屋の説明の足りないところが先に分かります。 そこを直してからカレンダーをつなぐと、担当の直しが減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
300 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  300件 × 12分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 300件 × 3分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
45h
削減率
75%
年間削減時間
540h
年間金額換算(時間単価2,200円)
119万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 複数の貸し会議室・レンタルスペースを運営し、「この人数で使える部屋はあるか」「飲食はできるか」「撮影に使えるか」といった予約前の問い合わせがメールで毎月数百件届く運営者。部屋ごとの予約を Google カレンダーで管理している場合。返事が遅れて、問い合わせた人が他のスペースで予約してしまうことがある場合。
向いていない
  1. 部屋が1〜2室で、問い合わせが月に数十件の場合。予約をスペースの予約サイトの中だけで受けていて、問い合わせもそのサイトのメッセージで届く場合(メールで受けられない)。料金を案件ごとに見積もる貸し方が中心の場合(この構成は料金表の案内まで)。なお、予約の確定と、利用規約の例外を認めるかの判断はこの構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の問い合わせメールから20件を選ぶ(飲食・撮影・音の条件があるものと、人数の多いものを混ぜる)
  2. 部屋の一覧と利用規約を1つの文書にまとめ、部屋ごとの可否を表にする
  3. 手元のAIサービスに文書と1件分の問い合わせを貼り、「合う部屋を3つまで挙げ、可否は表に書かれていることだけで答えて。利用規約の注意事項を用途に関係するものだけ、規約の言葉のまま書いて」と指示する
  4. 出てきた返信を、当時担当が送った返信と並べて読む

20件は必ずやってください。 Zap を組む前に、「台帳と規約から、合う部屋と注意事項を正しく選べるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時の返信と同じ部屋を選び、注意事項もそろっているZap を組む段階に進む
台帳に無い可否を書く指示の書き方で直る。構成は有効
用途に合わない部屋を選ぶ部屋の一覧の説明の書き方が先。 向いている用途を書く

3行目は珍しくありません。 部屋の説明が広さと設備だけだと、AIは用途との結び付きを持てません。「撮影に向く」「立食のパーティーに向く」のような書き方を足す必要が分かったということです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
相手の返事のたびに Zap が動く返信が足されても動く。 スレッドのIDで処理済みを確かめる
台帳に無い可否を書く「担当よりご案内します」を指示に書き、担当が決める
「ご予約を承りました」と書く指示で禁じ、担当の確認で必ず見る
片付けの時間と重なる枠を空きと書く入室・退室の決まりの分を前後に足して探す
仮押さえが空きに見える「予定なし」の予定は空き扱いになりうる。 予約・仮押さえ・清掃は「予定あり」で入れる
人数が定員を超える部屋を勧める台帳の定員と headcount を Paths で数字で比べる
注意事項が規約の写しになる用途に関係する項目だけを選ばせる
規約の言葉が柔らかく言い換えられる「規約の言葉を変えずに写す」を指示に書く
予約済みの人の変更の依頼に部屋を案内する①で種類を分け、予約前の相談だけを通す
時刻が日本の時刻とずれる取り出しで日本の時刻と書かせ、カレンダーの時間帯と合わせる

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 1行目は Zap の動く条件、2行目と3行目は文面の問題で、どれも一通で信用を失います。 文面の2つは、指示に書くだけでなく、担当の確認の項目に入れます。

真ん中の3行も、同じくらい早く効いてきます。 空きと定員の誤りは、当日に部屋の前で分かる誤りです。台帳とカレンダーの側で防ぎます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 問い合わせた人の氏名、メールアドレス、会社名、利用の用途と人数と日時、部屋の台帳と予約の予定です。予定には他の利用者の予約が入っています。

  1. AIに渡す範囲を返信に要る項目に限る … 電話番号は返信に要りません。AIのステップに渡す項目を選び、メール全体の転送の履歴などを渡さない設定にします
  2. 他の利用者の予約の中身を渡さない … カレンダーの検索で使うのは予定の入った時間帯だけです。予定の名前や予約者の名前を返信の材料にしません
  3. 予約を確定させない … 下書きで空きを「見込み」と書き、確定は予約のページにします。カレンダーに書き込みません
  4. 規約の例外を認めない … 延長、音量、定員の超過の例外は担当が決めます。AIの文面で約束させません
  5. 送信を自動にしない … 下書きまでにします。部屋の案内の誤りは、当日の部屋の前で分かります
  6. 使うモデルの事業者を決める … AI by Zapier は自前のキーを使う形も選べます。どの事業者のモデルに問い合わせを渡すかを、会社で決めて記録します

誤りが起きた場合のリスクは、予約が済んだと誤解させることと、使えない用途の部屋を案内することの2つです。 前者は「ご予約を承りました」を禁じることと、空きを見込みと書くことで、後者は台帳の可否の欄と検算で止めます。どちらも、送る前に担当が読むことが最後の止めになります。

10まず何から始めるか

1週目:部屋の台帳を作る

8室について、定員(着席・立食)、広さ、設備、飲食・アルコール・音・撮影・搬入の可否、入室・退室の決まり、カレンダーIDを Zapier Tables の表にします。可否は「可/不可/事前の相談」のどれかで書きます。

2週目:20件で試す

先月の問い合わせ20件を手元のAIサービスに貼り、台帳と規約から返信を作らせます。台帳に無い可否を書いていないか、規約の言葉を変えていないかを最優先で見ます。

3週目:フォームとカレンダーを直す

問い合わせのフォームの人数を数字、日時を候補2つ、可否の条件を選択肢にします。カレンダーの仮押さえと清掃の予定を「予定あり」に直します。

4週目:問い合わせから下書きまでをつなぐ

Gmail のラベルで Zap を動かし、取り出しと候補の選択、返信の下書きまでを組みます。この時点ではカレンダーの検索を入れず、 担当が空きを書き足します。

2か月目: 台帳の検算と、部屋ごとのカレンダーの検索を足します。3か月目以降: 返信までの時間と予約が入ったかを並べ、1件12分が何分になったかを実測します。担当が下書きをほぼそのまま送れるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-15/最終更新:2026-10-15
確認した内容情報源確認日
New Labeled Email がラベルが付いたときと、その会話に返信が足されたときに動くこと。Create Draft Reply がスレッドのIDと本文を必須とする返信の下書きであること。Add Label to EmailZapier: Gmail integrations2026-10-15
AI by Zapier が Professional・Team・Enterprise で使えること。モデルの段階と自前のキー。出力項目を名前・型・説明・必須で決めること。知識の元が1ステップ20個までで、Google ドキュメントは1つずつ加えることZapier Help: AI by Zapier2026-10-15
Find Busy Periods in Calendar が決めた時間の範囲の予定の入った時間帯を探す検索で、カレンダーのIDと開始・終了を指定できること。Find Events が250件まで返すことZapier: Google Calendar integrations2026-10-15
予定の Transparency の項目に値があると「予定なし(空き)」、無いと「予定あり」と扱われることZapier Help: Tips for working with Google Calendar on Zapier2026-10-15
Zapier Tables の Find Records、Create Record などの操作Zapier: Zapier Tables integrations2026-10-15
Paths が Professional 以上で使え、1つのグループに10の分岐まで置けること。Paths と Filter がタスクに数えられないことZapier Help: Paths2026-10-15

部屋の可否と利用規約の例外は、自社の決まりで判断してください。 本記事は Zapier の公式ページで確認できた範囲の操作だけを使っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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