選考で見送った応募者と辞退した応募者への連絡文の案を、選考の段階と面接の記録から作り、理由の書き方と言ってはいけない表現を確かめてから送る
選考で見送った応募者と、選考の途中で辞退した応募者に送る連絡文の案を、選考の段階と面接の記録から作ります。案には、使った面接の事実と、言ってはいけない表現に当たる箇所の確認表を付け、採用の担当が確かめてから送ります。
- 生成AI
- ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
- 対象業界
- IT・SaaS/人材/小売
- 対象部門
- 採用
- 対象業務
- 内容確認・チェック/書類作成
- 主な課題
- 属人化している/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
- AIで行う処理
- 生成
- 主な効果
- 品質標準化/工数削減/機会損失防止
- 導入難易度
- ★☆☆☆☆
- 実装レベル
- 半自動化
- 費用感
- SaaS追加(小)
- 人間の確認
- 条件付き
01導入前 / 導入後の業務フロー
- 選考の会議で見送りが決まり、採用管理のシステムの段階を「見送り」にする
- 採用の担当が、応募者の書類と面接の記録を開いて読み返す
- 段階ごとの文例を開き、面接で話した内容に触れる一文を書き足す
- 理由を書くかどうかを、職種と段階で判断する
- 文面を読み直し、失礼な言い回しや誤解を招く書き方がないかを確かめる
- 採用管理のシステムから送る
- 辞退の連絡には、お礼と、今後の連絡を止める旨を書いて返す
- 人選考の会議で見送りが決まり、採用管理のシステムの段階を「見送り」にする
- 人採用の担当が、面接の記録から「文面で触れてよい事実」を選んで書き出す
- 人ChatGPT のプロジェクトで新しいチャットを開き、段階・職種・選んだ事実・面接の記録を貼る
- 【AI】 段階ごとの文例と方針に沿って、連絡文の案を作る
- 【AI】 使った事実、理由の書き方、言ってはいけない表現の一覧に当たる箇所の確認表を付ける
- 【AI】 面接の記録に、就職差別につながるおそれのある事項に関わる記述があれば、別に印を付ける
- 人採用の担当が案と確認表を読み、直して採用管理のシステムから送る
- 人印が付いた記録は、人事の責任者に知らせる
各工程の詳しい説明を読む
- 選考の会議で見送りが決まり、採用管理のシステムの段階を「見送り」にする
- 採用の担当が、応募者の書類と面接の記録を開いて読み返す
- 段階ごとの文例を開き、面接で話した内容に触れる一文を書き足す
- 理由を書くかどうかを、職種と段階で判断する
- 文面を読み直し、失礼な言い回しや誤解を招く書き方がないかを確かめる
- 採用管理のシステムから送る
- 辞退の連絡には、お礼と、今後の連絡を止める旨を書いて返す
(a)1通に時間がかかる。 面接の記録を読み返すのに数分、書き足す一文を考えるのに数分かかります。面接が重なった週は、見送りの連絡が数日遅れます。 応募者は結果を待ちながら、他社の選考を進めています。
(b)理由の書き方が担当者ごとに違う。 理由を一切書かない担当者もいれば、「今回は○○の経験を重視しました」と書く担当者もいます。同じ職種の同じ段階で見送った応募者に、違う説明が届きます。 応募者同士が口コミで情報を交わすと、説明が食い違って見えます。
(c)面接の記録の言葉が、文面に入りかける。 記録に「コミュニケーションに難あり」とあると、担当者は言い換えて「コミュニケーションの面で」と書きかけます。言い換えても、評価の言葉を応募者に渡していることに変わりはありません。 読み直しで気づくかどうかは、その日の担当者次第です。
(d)面接の記録の不適切な記述に、気づいても流れる。 記録に「実家が遠方で家族の事情を気にしていた」のような記述があっても、見送りの連絡を書くことに気を取られて、面接の問題として誰にも伝わりません。 同じ面接官が、次の面接でも同じことを聞きます。
(e)辞退への返信が後回しになる。 見送りの連絡は選考の会議の後にまとめて書きますが、辞退の連絡は不定期に届きます。「お礼を返すだけ」と後回しにされ、数日たってから返すことが珍しくありません。 辞退した応募者が、数年後に再び応募してくることもあります。
- 【人】 選考の会議で見送りが決まり、採用管理のシステムの段階を「見送り」にする
- 【人】 採用の担当が、面接の記録から「文面で触れてよい事実」を選んで書き出す
- 【人】 ChatGPT のプロジェクトで新しいチャットを開き、段階・職種・選んだ事実・面接の記録を貼る
- 【AI】 段階ごとの文例と方針に沿って、連絡文の案を作る
- 【AI】 使った事実、理由の書き方、言ってはいけない表現の一覧に当たる箇所の確認表を付ける
- 【AI】 面接の記録に、就職差別につながるおそれのある事項に関わる記述があれば、別に印を付ける
- 【人】 採用の担当が案と確認表を読み、直して採用管理のシステムから送る
- 【人】 印が付いた記録は、人事の責任者に知らせる
2番目が、この設計の分かれ目です。 面接の記録をそのまま文面の材料にせず、担当者が「触れてよい事実」を先に選びます。 AIが記録の中から触れる事実を選ぶと、評価の言葉ごと拾ってきます。
面接の記録をチャットに貼るのは、6番目のためです。 文面には選んだ事実しか使わせませんが、記録の中に不適切な記述が無いかは、記録全体を読ませないと分かりません。 使わせる材料と、読ませる材料を分けています。
辞退への返信も、同じ流れで作ります。 違うのは、2番目の「触れてよい事実」の代わりに、応募者から届いた辞退の連絡の要点を書くことです。面接の記録は、辞退の場合も貼ります。 辞退の連絡が来るまでの面接の記録にも、不適切な記述が残っていることがあるからです。辞退した応募者には連絡しなくてよい、と考えて記録を見ないままにすると、同じ面接官の同じ質問が次の応募者にも向けられます。
02今回想定するシステム構成
採用管理のシステム(段階・職種・面接の記録) │ 採用の担当が「触れてよい事実」を選び、記録とあわせて貼る ▼【トリガー】段階が「見送り」に変わった、または辞退の連絡が届いた ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト) │ プロジェクトの指示:文面の作り方、確認表の形、してはいけないこと │ Sources:段階ごとの文例、理由の書き方の方針、 │ 言ってはいけない表現の一覧 ▼ 【連絡文の案】【確認表】【面接の記録への印(ある場合)】 ▼ 【採用の担当が確かめて直す】→ 採用管理のシステムから送る └──▶ 印があれば人事の責任者へ
| 役割 | 想定する製品 | 代替候補 |
|---|---|---|
| 処理 | ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト機能) | Claude、Gemini、Microsoft Copilot |
| 記録 | 採用管理のシステム(段階、面接の記録、送った連絡) | - |
| 共有 | 人事の責任者への連絡(社内チャット) | 採用管理のシステムのメモ欄 |
新しく足すのは、ChatGPT の業務用ワークスペースと、そのプロジェクトだけです。 採用管理のシステムには自動で書き込まず、連絡を送るボタンを押すのは採用の担当です。
プロジェクトは、関連するチャット・ファイル・指示をまとめておく機能です。 公式の案内では、プロジェクトの指示はそのプロジェクトのチャット全体に適用され、アップロードしたファイルは Sources の欄に置かれます。 文例と方針と一覧を一度置けば、3名の担当者が同じ基準で案を受け取れます。
ChatGPT のプロジェクトは、パソコンのフォルダや採用管理のシステムを直接見に行きません。 公式の案内でも、プロジェクトはパソコン上のフォルダへの直接のアクセスを持たないとされています。面接の記録は毎回チャットに貼り、文例と一覧は Sources に置きます。
業務用のワークスペースを使うのは、応募者の情報の扱いのためです。 公式の案内では、Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータは既定でモデルの学習に使われないとされ、会話の保持はワークスペースの設定に従うとされています。
03どうやって実装するのか
処理の起点を決める
採用管理のシステムで段階が「見送り」に変わったことを起点にします。 選考の会議の翌営業日の午前中に、その日の見送りをまとめて処理します。会議から連絡までを2営業日以内にするのが目安です。
辞退への返信は、応募者から辞退の連絡が届いた日のうちに作ります。 辞退の連絡は、応募者が他社に決めたことを伝えるものが多く、返信が遅いと、会社の印象がそのまま残ります。
応募者1人につき、チャットを1つにします。 同じチャットで次の応募者の案を作ると、前の応募者の事実が混ざります。チャットの名前は「応募者番号+段階+日付」にし、氏名は付けません。
一度に何人分もまとめて貼らないでください。 10人分を1回で頼むと、ある応募者の事実が別の応募者の文面に入る取り違えが起きたときに、気づきにくくなります。
最終面接の見送りは、文面の前に電話を入れる職種もあります。 役員まで会った応募者には、採用の責任者が電話で結果を伝え、その後に文面を送る決まりにしている会社もあります。その場合は、電話で伝えた内容をチャットに書き添え、文面が電話の内容と食い違わないようにします。 電話で理由を話したのに文面では触れない、という程度の差は問題ありませんが、電話と違う理由を文面に書くことは避けます。
入力データを集める
| データ | 中身 | 取得元 |
|---|---|---|
| 選考の情報 | 応募者番号、職種、段階(一次・二次・最終)、見送りか辞退か | 採用管理のシステム |
| 触れてよい事実 | 面接で話題になった経験や取り組みのうち、文面で触れてよいもの1〜2つ | 採用の担当が選ぶ |
| 面接の記録 | 面接官が書いた記録の全文(氏名を伏せたもの) | 採用管理のシステム |
| 辞退の連絡 | 応募者から届いた辞退の文面(辞退の場合) | 採用管理のシステム |
| 段階ごとの文例 | 一次・二次・最終の見送り、辞退への返信の文例 | Sources |
| 理由の書き方の方針 | 理由を書く段階と職種、書いてよい理由の型 | Sources |
| 言ってはいけない表現の一覧 | 就職差別につながるおそれのある事項と、社内で決めた避ける表現 | Sources |
質を決めるのは、理由の書き方の方針です。 方針が無いままAIに頼むと、AIは丁寧さのつもりで理由を書き足します。方針には「書類選考と一次面接は理由を書かない」「最終面接は、求める要件に照らした一文までは書いてよい」のように、段階ごとに決めておきます。
言ってはいけない表現の一覧は、2つの部分で作ります。 1つ目は、厚生労働省のページが挙げる就職差別につながるおそれのある事項です。本籍・出生地、住宅状況、家族、生活環境・家庭環境、宗教、人生観・生活信条、思想、購読新聞・雑誌・愛読書、支持政党、尊敬する人物、労働組合や学生運動などの社会運動が並んでいます。2つ目は、社内で決めた避ける表現です。
| 社内で決めた避ける表現 | 理由 |
|---|---|
| 面接の記録の評価の言葉(「印象が弱い」「熱意不足」など) | 社内向けの評価を応募者に渡すことになる |
| 年齢・性別に触れる言い回し | 適性・能力と関係のない事項で判断したように読める |
| 他の応募者との比較(「より適した方が」) | 比較の中身を問われても答えられない |
| 再応募の約束(「次回は必ず」) | 守れない約束になる |
| 人柄への断定(「〜な方とお見受けしました」) | 評価として受け取られる |
厚生労働省のページは、公正な採用選考の基本として、応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性・能力に基づいた基準により行うことを挙げています。 一覧の2つ目の部分は、この考え方から外れて読める表現を、社内で具体的に書き出したものです。
段階ごとの文例は、4つの部分で作ります。 面接へのお礼、結果、応募書類の扱いの案内、結びです。応募書類を返すのか、社内の決まりに沿って廃棄するのかは、会社の取り扱いの方針どおりに書きます。 この部分はAIに書き換えさせず、文例の文をそのまま使わせます。応募者の個人情報の扱いに関わる文なので、丁寧さのための言い換えも要りません。
データの取得方法を決める
面接の記録は、採用管理のシステムからコピーして貼ります。 貼る前に、氏名・連絡先・現職の会社名を伏せます。文面に必要なのは氏名ではなく、宛名の場所だけです。
| 取るもの | どこから | 何に使うか |
|---|---|---|
| 段階・職種 | 採用管理のシステムの応募者の画面 | 文例と方針を選ぶ |
| 面接の記録 | 採用管理のシステムの面接の欄 | 不適切な記述の確認 |
| 触れてよい事実 | 採用の担当が記録から選ぶ | 文面の書き足しの一文 |
| 辞退の連絡 | 採用管理のシステムの受信の欄 | 返信で触れる内容 |
触れてよい事実は、担当者が自分の言葉で書き出します。 記録の文をそのままコピーすると、「〇〇の経験は浅いが」のような評価の部分まで付いてきます。「前職でのデータ基盤の移行の取り組みについて伺った」のように、話題だけを書きます。
宛名は「{氏名}様」のまま残させます。 採用管理のシステムで送るときに、担当者が氏名を入れるか、システムの差し込みを使います。ChatGPT のチャットに氏名が入る機会を、最初から作りません。
AIへ渡す前に整形する
- 氏名・連絡先・現職の会社名を伏せる … 面接の記録と辞退の連絡の両方から伏せます
- 触れてよい事実を選ぶ … 1〜2つまでにし、評価の言葉を含めずに書きます
- 段階と見送りか辞退かを書く … 文例と方針を選ぶために、チャットの最初に書きます
- 辞退の連絡の要点を書く … 辞退の理由が書かれていても、返信で触れるかは担当者が決め、触れるなら要点だけを書きます
- 記録の長さを確かめる … 面接が3回あった応募者は、記録を段階ごとに分けて貼ります
1番目を省くと、チャットの名前と中身から応募者が特定できる状態になります。 業務用のワークスペースであっても、応募者の情報を必要以上に外部のサービスへ置かないのが原則です。
4番目で、辞退の理由に深入りしないことも決めておきます。 「他社に決めました」とあれば、どこの会社かを返信で尋ねないのはもちろん、「ご縁がなかった」以上の推し量りを書きません。 辞退の理由を聞き出したいときは、別の決まった手順で行います。
AIに処理させる
させるのは、決まった結果を伝える文面の案を作ることと、確認表を付けることです。
| 見るもの | させること | 判断できないときの扱い |
|---|---|---|
| 段階と種類 | 文例を選び、その形に沿って案を作る | 段階が分からなければ案を作らず尋ねる |
| 触れてよい事実 | 書き足しの一文に使う | 事実が無ければ書き足しを省く |
| 理由の方針 | 段階に応じて、理由を書かないか、要件に照らした一文までにする | 方針に無い段階なら理由を書かない |
| 言ってはいけない表現の一覧 | 案の中に当たる表現が無いかを確かめ、確認表に書く | 当たるか迷うものも書く |
| 面接の記録 | 一覧の事項に関わる記述が無いかを見て、印を付ける | 迷うものも印を付ける |
右端の列は、どれも「書かない」「止める」の側に倒しています。 見送りの連絡は、書き足した一文で応募者を傷つけることはあっても、書かなかったことで問題になることはほとんどありません。 迷ったら書かないのが、この業務での安全な側です。
| させないこと | 理由 |
|---|---|
| 見送りの理由を新しく作る | 方針と事実に無い理由は、問われたときに説明できない |
| 面接の記録の評価の言葉を言い換えて使う | 言い換えても評価を渡すことになる |
| 再応募や別の職種の案内を勝手に入れる | 会社として決めた場合だけ入れる |
| 面接の記録が不適切かの結論 | 人事の責任者が面接官と確かめて決める |
| 文面の送信 | 採用の担当が確かめてから送る |
1行目がいちばん起きやすい失敗です。 「理由を一文添えて」と頼むと、AIは触れてよい事実から理由を組み立て、「〇〇のご経験は豊富でしたが、今回は△△を重視し」のように、実際の判断とは違う理由をもっともらしく書きます。 理由を書く段階でも、方針にある型から外れる理由は書かせません。
辞退への返信では、させることがさらに少なくなります。 お礼、辞退を受け付けたこと、今後の選考の連絡を止めること、そして会社が決めている場合だけ将来の応募の歓迎を書きます。辞退の連絡に書かれた事情(家族の事情、現職の引き留めなど)には触れさせません。 応募者が自分から書いた事情でも、会社の側が文面で繰り返すと、その事情を選考で気にしていたように読めます。
指示内容を固定する
次の文をプロジェクトの指示に置きます。 応募者ごとのチャットでは、選考の情報・触れてよい事実・面接の記録を貼るだけにします。
あなたは採用の担当として、選考で見送った応募者、または辞退した応募者に
送る連絡文の案を作る立場です。Sources の「段階ごとの文例」
「理由の書き方の方針」「言ってはいけない表現の一覧」に従ってください。
【やること】
1. 段階と種類(見送り/辞退への返信)に合う文例を選び、その形で案を作ってください。
宛名は「{氏名}様」のまま残してください。
2. 「触れてよい事実」があれば、面接への感謝を述べる一文に使ってください。
事実が無ければ、書き足しを省いてください。
3. 理由は「理由の書き方の方針」に従ってください。方針で理由を書かない
段階では書かず、書いてよい段階でも方針の型から外れる理由は書かないでください。
4. 案の後に確認表を付けてください(列:確認の項目/結果/該当の箇所)。
確認の項目は、使った事実、理由の有無、一覧に当たる表現、約束の表現です。
5. 面接の記録を読み、「言ってはいけない表現の一覧」の1つ目の部分の事項に
関わる記述があれば、「記録への印」として記述をそのまま写してください。
無ければ「なし」と書いてください。
【厳守事項】
- 面接の記録の評価の言葉を、言い換えても文面に使わないでください。
- 触れてよい事実に無い経験や発言を作らないでください。
- 年齢、性別、家族、出身、健康に触れる言葉を文面に入れないでください。
- 他の応募者との比較、再応募の約束、人柄への断定を書かないでください。
- 面接の記録が不適切かどうかの結論は書かないでください。印を付けるまでです。
- 辞退への返信では、辞退の理由を尋ねたり推し量ったりしないでください。
- 段階が分からないときは、案を作らずに尋ねてください。
【選考の情報】{応募者番号/職種/段階/見送りか辞退か}
【触れてよい事実】{採用の担当が書き出した1〜2つ}
【面接の記録(氏名等を伏せたもの)】{記録}
【辞退の連絡(辞退の場合)】{要点}
「言い換えても使わない」を明記しないと、AIは丁寧に言い換えて使います。 記録に「主体性に欠ける」とあれば、何も言わなければ「より主体的にご活躍いただける方を」と書きます。言い換えは丁寧に見えるので、読み直しで見落とされやすい型です。
5番目で記述を「そのまま写す」のは、人事の責任者が確かめるためです。 要約させると、記録に何と書かれていたのかが分からなくなります。面接官と話すときの材料は、記録の原文です。
出力形式を固定する
チャットには、3つの部分で返させます。
【連絡文の案】
{氏名}様
先日は二次面接にお越しいただき、ありがとうございました。
前職でのデータ基盤の移行の取り組みについて伺えたことに、
面接官一同、感謝しております。
慎重に検討を重ねました結果、誠に残念ながら、今回はご希望に
沿いかねる結果となりました。
(以下、文例の結び)
【確認表】
| 確認の項目 | 結果 | 該当の箇所 |
| 使った事実 | 触れてよい事実の1つ目のみ | 2〜3行目 |
| 理由の有無 | 書いていない(二次面接は理由を書かない方針) | - |
| 一覧に当たる表現 | なし | - |
| 約束の表現 | なし | - |
【記録への印】
「ご家族の転勤の予定について伺ったところ」(二次面接の記録3行目)
3つに分ける理由の1つ目は、確認の順番が決まることです。 採用の担当は、確認表を先に読み、「使った事実」と「理由の有無」が方針どおりかを見てから案を読みます。 案を先に読むと、文面の自然さに気を取られて中身の確認が甘くなります。
2つ目は、記録への印を連絡文と分けられることです。 記録への印は応募者に送るものではなく、人事の責任者に回す社内の材料です。 連絡文の中に混ざらない形にしておけば、送る文面に記録の言葉が紛れ込みません。
3つ目は、確認表が後からの説明の材料になることです。 応募者から「理由を教えてほしい」と問い合わせが来たとき、送った文面がどの方針で書かれたかを、確認表で確かめられます。
システムへ連携する
| つなぎ先 | 方式 | 内容 |
|---|---|---|
| 採用管理のシステム | 採用の担当がコピーして貼る | 段階・職種・面接の記録・辞退の連絡 |
| ChatGPT のプロジェクト | チャットに貼る | 連絡文の案・確認表・記録への印 |
| 採用管理のシステム | 採用の担当が案を直して入れ、送る | 送った連絡の記録 |
| 人事の責任者 | 社内チャットで知らせる | 記録への印(応募者番号と原文) |
ChatGPT と採用管理のシステムは、つなぎません。 連絡文は応募者に直接届くものなので、採用の担当が読み、氏名を入れ、送るボタンを押すまでを人が行います。 自動で送る経路を作ると、確認表で止めるはずの案がそのまま届きます。
記録への印は、応募者番号で伝えます。 人事の責任者は採用管理のシステムで記録を開き、面接官と話します。印の扱いは、面接官の教育の材料にします。
人が確認する
採用の担当は、すべての案を確かめてから送ります。
- 確認表を先に読む … 使った事実が自分の選んだものだけか、理由の有無が方針どおりかを見ます
- 案を読む … 宛名の場所、段階の書き方(「二次面接」など)、結びが文例どおりかを見ます。評価の言葉の言い換えが入っていないかを、最後にもう一度見ます
- 氏名を入れて送る … 採用管理のシステムの差し込みか、手で入れます
- 記録への印を回す … 印があれば、応募者番号と原文を人事の責任者に知らせます
2番目の「もう一度見る」を省かないでください。 指示で禁じていても、言い換えは丁寧な言い回しとして紛れ込みます。「より〜な方を」「〜の面で」という形が出てきたら、記録の評価を言い換えていないかを疑います。
最終面接の見送りは、送る前にもう1人が読みます。 採用の責任者か、別の採用の担当です。役員まで会った応募者への文面は、会社の印象をいちばん強く残すからです。 月の件数のうち最終面接の分は多くないので、全体の時間はほとんど増えません。
目標は、1件4分です。 触れてよい事実を選ぶのに1分、貼って案を受け取るのに1分、確認して送るのに2分の想定で、確認表があるので、読み直しが2分でも見る場所が決まっています。
例外に対処する
| 起きること | 対応 |
|---|---|
| 段階が書かれていない | 案を作らず尋ねさせる。段階を書き足して頼み直す |
| 触れてよい事実が選べない(記録が点数だけ) | 書き足しを省いた案にする。面接官に記録の書き方を頼む |
| 案に方針に無い理由が書かれる | その案は使わない。理由の文を消して作り直させる |
| 確認表で「一覧に当たる表現あり」 | 該当の箇所を直してから送る |
| 記録への印が付く | 連絡文は通常どおり送り、印は人事の責任者に回す |
| 応募者から理由の問い合わせが来る | 方針に沿って担当者が答える。AIに回答を作らせない |
| 辞退の連絡に強い不満が書かれている | 定型の返信にせず、採用の責任者が返信を決める |
| 氏名を伏せずに貼った | チャットを消し、伏せてから貼り直す。伏せ忘れを記録する |
| 人材紹介会社を通した応募 | 応募者への文面ではなく、紹介会社への連絡の文例で案を作る |
| 同じ応募者が別の職種で選考中 | 見送りの文面に、別の選考は続いている旨を担当者が書き足す。AIに推し量らせない |
5行目で、連絡文を止めないことに注意してください。 記録への印は面接の問題で、応募者への連絡を遅らせる理由にはなりません。印の確認を待って連絡が遅れれば、応募者にとっては二重の不利益です。
記録を残す
- 送った連絡文と、送った日・段階・応募者番号(採用管理のシステムに残る)
- 確認表(送った連絡と一緒に採用管理のシステムのメモ欄に貼る)
- 記録への印と、人事の責任者が確かめた結果
- そのとき使った文例・方針・一覧の版
- 採用の担当が案から直した箇所(よく直す箇所を文例に戻すため)
ChatGPT のチャットは、送った後に消します。 連絡文と確認表は採用管理のシステムに残っているので、チャットを残す理由はありません。応募者の情報を置く場所を、採用管理のシステムの1か所に保ちます。
3つ目の記録への印は、件数を面接官ごとに数えます。 特定の面接官で印が続くなら、その面接官の質問の仕方に理由があります。面接官の練習の題材にすれば、印は次の面接で減ります。
04実装レベルの3段階
本記事の想定は、半自動化です。 月120件なら、担当者が記録を貼る手間は1件1分ほどで、仕組みを作る費用に見合いません。 方針と一覧がプロジェクトにまとまっていることのほうが効きます。 最小構成との差は、方針が1か所で管理されることです。 毎回添付する形だと、古い方針を添付した担当者の案だけ理由が書かれます。プロジェクトなら、方針を替えるのは1か所です。 本格構成に進んでも、送信は人が行います。 下書きとして置くところまでを自動にし、送るボタンは採用の担当が押す形を変えません。
05工数削減シミュレーション
導入後 120件 × 4分 ÷ 60 = 8 時間/月
自社条件で導入効果を整理したい方へ
このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。
06向いている企業・向いていない企業
- 中途採用を通年で行い、面接の後の見送りと応募者からの辞退の連絡が毎月100件を超える会社。見送りの連絡を定型文1つで送っていて、面接まで進んだ応募者にも書類選考と同じ文面が届いている場合。担当者ごとに文面の丁寧さや理由の書き方が違い、応募者からの問い合わせや口コミの書き込みにつながったことがある場合。
- 見送りの連絡が月に数件で、担当者が1通ずつ時間をかけて書ける場合。業務用の生成AIのワークスペースを契約できず、面接の記録を個人のアカウントに貼ることになる場合。見送りの理由を一切書かない方針で、定型文だけで足りている場合。なお、見送るかどうかの判断、理由をどこまで伝えるかの方針、面接の記録に不適切な記述があったときの対応は、この構成では代替できません。
07最小構成で試す方法
- 過去1か月に送った見送りの連絡から10件を選ぶ(一次・二次・最終と、辞退への返信を混ぜる)
- その10件の面接の記録を、氏名などを伏せて用意する
- 段階ごとの文例と、理由の方針と、言ってはいけない表現の一覧をチャットに添付する
- 第7章の指示を貼り、10件の案を1件ずつ作らせる
- 出てきた案と確認表を、実際に送った文面と比べる
10件の目的は、「方針どおりに理由を書かない・書くを守れるか」を確かめることです。 プロジェクトを作る前に、ここを見ます。
| 出てきた内容 | 判断 |
|---|---|
| 方針どおりで、記録の言葉の言い換えも無い | プロジェクトを作って運用に進む |
| 方針に無い理由が書き足される | 方針の書き方が曖昧。段階ごとに「書かない」を明記する |
| 記録への印が多すぎる、または全く付かない | 一覧の1つ目の部分の書き方を見直す |
3行目は、面接の記録の実態を知る機会にもなります。 印が多く付く場合は、面接官が記録に書いてはいけないことまで書いている可能性があります。連絡文の仕組みより先に、面接の記録の書き方を整える必要があるかもしれません。
10件のうち少なくとも2件は、人材紹介会社を通した応募者にしてください。 紹介会社への連絡は文例が違い、所見をどこまで書くかの方針も違います。応募者への文面と同じ指示で、紹介会社向けの案が方針どおりに作れるかを、試す段階で確かめておきます。
08実装時につまずきやすいポイント
| 問題 | 対策 |
|---|---|
| 方針に無い理由が書き足される | 段階ごとに「理由を書かない」を方針に明記する |
| 面接の記録の評価が言い換えて入る | 言い換えも禁じ、触れてよい事実だけを材料にする |
| 記録の文をそのまま事実として貼る | 担当者が話題だけを自分の言葉で書き出す |
| 複数の応募者をまとめて頼んで取り違える | 1人1チャットにする |
| 氏名が入ったまま貼る | 伏せる手順を貼る前の決まりにする |
| 記録への印で連絡が止まる | 連絡は通常どおり送り、印は別に回す |
| 理由の問い合わせにAIで答えようとする | 方針に沿って担当者が答える |
| 古い方針が Sources に残る | 版を替えるときは古い版を消してから置く |
| 辞退の連絡に書かれた事情を返信で繰り返す | 事情には触れさせない。お礼と受付と連絡の停止だけにする |
| 紹介会社への所見に評価の言葉が入る | 応募者への文面と同じ一覧で確かめる |
上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、会社が決めていない説明が応募者に届くという同じ型です。理由を足すのも、評価を言い換えるのも、AIが丁寧に書こうとした結果として起きます。
「理由の問い合わせにAIで答えようとする」の行は、運用が始まってから気づきます。 応募者から「もう少し詳しく理由を」と返信が来たとき、同じチャットで返信の案を作らせたくなります。 理由の説明は方針の範囲で担当者が書き、AIに推し量らせません。
09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点
この構成で扱うデータ: 応募者番号、職種、選考の段階、そして面接の記録です。面接の記録には、応募者の経歴や発言、面接官の評価が書かれています。
- 氏名・連絡先・現職の会社名を伏せてから貼る … 文面に必要なのは宛名の場所だけです。応募者を特定できる情報を、チャットに置かない手順にします
- 業務用のワークスペースを使う … 個人のアカウントに面接の記録を貼らないでください。業務用のワークスペースのデータは既定で学習に使われないとされ、会話の保持はワークスペースの設定に従います。削除したチャットは、一般に30日以内に完全削除の予定に入るとされています
- 見送るかの判断をAIにさせない … この構成は、選考の会議で決まった結果を伝える文面を作るだけです。判断の材料として面接の記録をAIに評価させることはしません
- 記録への印は人事の責任者が扱う … 厚生労働省のページが挙げる事項に関わる記述は、面接の進め方の問題として、面接官と確かめます。 AIが付けた印は、確かめるきっかけにすぎません
- 送信は人が行う … 連絡文は応募者に直接届きます。自動で送る経路を作りません
- 方針と一覧を最新に保つ … 公正な採用選考の考え方や社内の方針が変われば、Sources の一覧を作り直します
- 紹介会社に伝える所見も同じ一覧で確かめる … 紹介会社への連絡は社内向けに近い書き方になりがちですが、紹介会社を通じて応募者に伝わる前提で書きます。 評価の言葉や、一覧の事項に関わる記述を含めないことは、応募者への文面と同じです
誤りが起きた場合のリスクは、会社が決めていない理由や評価の言葉が応募者に届くことと、応募者の情報が意図しない場所に残ることの2つです。 前者は方針の明記と確認表で、後者は伏せる手順とチャットの削除で防ぎます。どちらも、採用の担当の手順に組み込みます。
10まず何から始めるか
1週目:理由の書き方の方針を決める
採用の責任者と、段階ごとに理由を書くか、書くならどの型までかを決めます。書類選考と一次面接は書かない、最終面接は求める要件に照らした一文まで、のように決めます。 あわせて、段階ごとの文例を見直します。
2週目:一覧を作り、10件で試す
厚生労働省のページの事項と、社内で避ける表現で一覧を作ります。過去の10件で案を作らせ、方針どおりか、評価の言葉の言い換えが無いかを最優先で見ます。
3週目:プロジェクトを作る
ワークスペースにプロジェクトを作り、指示と Sources を置きます。氏名などを伏せる手順と、記録への印を誰に回すかを決めます。
4週目:その週の見送りで回す
その週の見送りと辞退への返信を、すべてプロジェクトで案を作ってから送ります。選考の会議から連絡までの日数と、1件にかかった時間を測ります。
2か月目: 担当者がよく直す箇所を文例に戻し、記録への印を面接官ごとに数えます。印が続く面接官には、人事の責任者から面接の進め方を伝え、面接官の研修の題材にします。 あわせて、人材紹介会社への連絡の文例も、紹介会社の担当者の反応を見て直します。3か月目以降: 1件12分が何分になったかを実測します。選考の会議から2営業日以内に、方針どおりの連絡が届くようになった時点で、この構成は完成です。
11関連ユースケース
12この仕組みを理解するための記事
13技術仕様の確認日・参考情報
| 確認した内容 | 情報源 | 確認日 |
|---|---|---|
| 就職差別につながるおそれのある事項(本人に責任のない事項:本籍・出生地、住宅状況、家族、生活環境・家庭環境/本来自由であるべき事項:宗教、人生観・生活信条、思想、購読新聞・雑誌・愛読書、支持政党、尊敬する人物、労働組合・学生運動などの社会運動/採用選考の方法:身元調査など、必要性の認められない健康診断、適性・能力に関係ない事項を含む応募書類)。これらに限られないこと | 厚生労働省: 採用選考時に配慮すべき事項 | 2026-10-08 |
| 公正な採用選考の基本として、応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと | 厚生労働省: 公正な採用選考の基本 | 2026-10-08 |
| プロジェクトの指示がそのプロジェクトのチャット全体に適用されること。アップロードしたファイルと接続した情報が Sources に置かれること。ChatGPT のプロジェクトがパソコン上のフォルダへの直接のアクセスを持たないこと | ChatGPT ドキュメント: Projects | 2026-10-08 |
| Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータが既定で学習に使われないこと。会話の保持がワークスペースの設定に従い、削除したチャットが一般に30日以内に完全削除の予定に入ること | ChatGPT ドキュメント: Work cloud security | 2026-10-08 |
見送るかどうか、理由をどこまで伝えるか、面接の記録の不適切な記述にどう対応するかは、自社の採用の責任者が判断してください。 本記事は厚生労働省のページで確認できた範囲だけを扱っています。
実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。
自社の業務に使えるAI活用候補を整理します
このユースケース(UC-1064)についてのご相談はこちらから。
