社会人向けのスクールに届く資料請求フォームの回答から、関心のある講座・目的・受講の時期に合わせた個別の案内メールを下書きし、担当者が確かめてから送る
資料請求フォームの回答から、関心のある講座・受講の目的・受講したい時期に合わせた個別の案内メールを下書きします。担当者が承認の画面で確かめて直したものだけを送り、同意と送信の記録を残します。
- 生成AI
- ChatGPT/Claude/Gemini
- 連携・自動化
- Make/n8n/Power Automate/Zapier
- 対象業界
- IT・SaaS/人材/教育
- 対象部門
- マーケティング/営業
- 対象業務
- 問い合わせ対応/書類作成
- 主な課題
- 人手が足りない/営業フォローが追いつかない/書類作成に時間がかかる
- AIで行う処理
- 生成
- 主な効果
- 対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
- 導入難易度
- ★☆☆☆☆
- 実装レベル
- 半自動化
- 費用感
- ノーコード連携(中)
- 人間の確認
- 条件付き
01導入前 / 導入後の業務フロー
- 資料請求の一覧に入った回答を開く
- 関心のある講座、目的、時期、聞きたいことを読む
- 講座案内の資料を開き、関心のある講座の開講の日程、受講の形、受講料を確かめる
- 目的と時期に合う講座と開講日を選び、案内メールを書く
- 聞きたいことがあれば答えを調べて書き足す
- 送って、資料請求の一覧に送った日を書く
- 自動資料請求フォームが送信されると、Webサイトから Zapier の Webhook に回答が届く
- 自動案内メールの受け取りの同意が無ければ、ここで止める(資料のリンクの自動の返信は従来どおり)
- 自動同意と受け取った日時を、資料請求の記録のテーブルに書く
- 【AI】 AI by Zapier が、講座案内の資料を知識として、関心のある講座・目的・時期に合わせた案内メールの件名と本文を下書きし、資料で確かめられなかった点を書き出す
- 自動Human in the Loop の承認の依頼を、受講相談の担当者に送る
- 人担当者が承認の画面で下書きを読み、直して承認する。送らないものは差し戻す
- 自動承認されたものだけを Gmail で送り、送った日時と本文を記録のテーブルに書く
各工程の詳しい説明を読む
- 資料請求の一覧に入った回答を開く
- 関心のある講座、目的、時期、聞きたいことを読む
- 講座案内の資料を開き、関心のある講座の開講の日程、受講の形、受講料を確かめる
- 目的と時期に合う講座と開講日を選び、案内メールを書く
- 聞きたいことがあれば答えを調べて書き足す
- 送って、資料請求の一覧に送った日を書く
(a)案内が追いつかない。 1件の案内に10分を超え、月曜の朝には週末の数十件がたまっています。請求から案内まで3日以上かかる週があり、その間に他のスクールの案内が先に届きます。
(b)日程と受講料の書き間違い。 講座案内の資料は期ごとに改訂され、前の期の日程や受講料をメールの下書きから写してしまうことがあります。 書き間違えた受講料は、相談の場で訂正することになります。
(c)目的に触れない案内になる。 忙しい日ほど、関心のある講座の定型の文を貼るだけになります。「半年後の転職に向けて」と書いた人に、来週開講の講座だけを勧めることがあります。
(d)同意の無い人に送ってしまう。 同意の欄に印が無い人にも、資料請求の一覧の並びのまま案内を送ってしまうことがあります。
- 【自動】 資料請求フォームが送信されると、Webサイトから Zapier の Webhook に回答が届く
- 【自動】 案内メールの受け取りの同意が無ければ、ここで止める(資料のリンクの自動の返信は従来どおり)
- 【自動】 同意と受け取った日時を、資料請求の記録のテーブルに書く
- 【AI】 AI by Zapier が、講座案内の資料を知識として、関心のある講座・目的・時期に合わせた案内メールの件名と本文を下書きし、資料で確かめられなかった点を書き出す
- 【自動】 Human in the Loop の承認の依頼を、受講相談の担当者に送る
- 【人】 担当者が承認の画面で下書きを読み、直して承認する。送らないものは差し戻す
- 【自動】 承認されたものだけを Gmail で送り、送った日時と本文を記録のテーブルに書く
4番目でAIにさせるのは、資料に書かれた範囲で文面を組み立てることだけです。 どの講座を勧めるかの最終の判断と、割引や受講料の相談への返答は、6番目で担当者が行います。
6番目を必ず通すのは、案内メールがお客様への約束になるからです。 開講の日程や受講料の誤りは、承認の画面で担当者が直してから送ります。承認されなかったものは送られない、という形を Zap の組み方で守ります。
02今回想定するシステム構成
自社のWebサイトの資料請求フォーム(送信時に Webhook を呼ぶ) │ ▼【トリガー】Webhooks by Zapier(Catch Hook) Zapier の Zap ├──▶ Filter:案内メールの受け取りの同意があるものだけ ├──▶ Zapier Tables:資料請求の記録に同意と受け取った日時を書く ├──▶ AI by Zapier(Analyze and Return Data) │ 知識:講座案内の資料(PDF) │ 件名・本文・使った開講日・確かめられなかった点 ├──▶ Paths:聞きたいことの有無、確かめられなかった点の有無で依頼の文を変える ├──▶ Human in the Loop(Request Approval):担当者が確かめて直す ├──▶ Filter:Decision が approved のものだけ ├──▶ Gmail:Send Email(承認された本文) └──▶ Zapier Tables:送った日時と本文を記録 ▼【人】承認の画面での確認と直し
| 役割 | 想定する製品 | 代替候補 |
|---|---|---|
| ワークフロー | Zapier(Webhooks by Zapier、Filter、Paths、Human in the Loop、Zapier Tables、Gmail) | Make、Power Automate、n8n |
| 生成AI | AI by Zapier(Analyze and Return Data) | ChatGPT(OpenAI)、Claude、Gemini |
| メール | Gmail(受講相談の共有アドレス) | Microsoft Outlook |
新しく足すのは、Zap と、資料請求の記録のテーブルと、承認の流れです。 フォームと Gmail と講座案内の資料はいまのものを使います。
フォームから Zapier へは Webhook で渡します。 Webhooks by Zapier の Catch Hook は GET・PUT・POST を受けて本文を解析し、Zap ごとに URL が発行されます。 通常のトリガーで受け取れる大きさは10MBまでで、Professional 以上の有料プランで使えます。
AIの処理は、AI by Zapier の Analyze and Return Data で行います。 返してほしい項目を名前・型・説明・必須かどうかで定義でき、1つのステップに知識として最大20のファイル(DOCX、TXT、ODT、PPTX、PDF など)を加えられるとされています。講座案内の資料はここに入れます。
承認は Human in the Loop の Request Approval で行います。 依頼を受けた人が承認・却下・データの変更をするまで Zap の実行が止まり、通知はメール、Slack、別の Zap で送れます。Professional のプランでは承認の依頼を自分にしか送れないとされているため、受講相談の3名で分けて使うには Team 以上のプランを前提にします。
03どうやって実装するのか
処理の起点を決める
フォームの送信を起点に、1件ずつ動かします。 資料請求は平日の夜と週末に多く届きます。届いた時点で下書きと承認の依頼まで作っておけば、担当者は出社した時点で承認だけをすればよくなります。 第3章の(a)の月曜の朝のたまりは、読む時間ではなく書く時間でできていました。
Catch Hook は本文を解析して項目に分けます。JSON の配列が届くと要素ごとに Zap が動くので、フォームの側は1件を1つのオブジェクトで送る設定にします。関心のある講座の複数選択は、カンマ区切りの1つの文字列として送らせると、後のステップで扱いやすくなります。
最初のステップの直後に、同意の Filter を置きます。 Filter の規則で、同意の項目が「true」に一致するものだけを先に進めます。同意の無い人の回答は、AIにも記録にも渡しません。
入力データを集める
| データ | 中身 | 取得元 |
|---|---|---|
| 資料請求の回答 | 氏名、メールアドレス、関心のある講座、受講の形、受講したい時期、受講の目的、聞きたいこと、同意、送信日時 | Webhook |
| 講座案内の資料 | 講座ごとの内容、開講の日程(期ごと)、受講の形、受講の時間帯、受講料、無料の受講相談の申込みの方法 | AI by Zapier の知識(PDF) |
| 案内の決まり | 文面の長さ、敬称、書いてはいけないこと、署名 | AI by Zapier の知識(DOCX) |
| 担当の割り当て | 講座ごとの承認の担当者 | Zap の Paths の規則 |
質を決めるのは、講座案内の資料です。 文章の案内だけでなく、開講の日程は講座ごとの表で持たせます。 たとえば次のような表です。
| 講座 | 期 | 開講日 | 受講の形 | 時間帯 | 受講料(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| データ分析 基礎 | 2026年度第3期 | 2026年11月7日 | 通学(新宿) | 土曜 10:00〜13:00 | ○○○,○○○円 |
| データ分析 基礎 | 2026年度第3期 | 2026年11月10日 | オンライン | 火・木 19:30〜21:30 | ○○○,○○○円 |
| Webデザイン | 2026年度第3期 | 2026年12月5日 | 通学(横浜) | 土曜 13:00〜17:00 | ○○○,○○○円 |
表の形で持たせると、AIは受講の形と時期の2つの条件で行を選べます。 文章の中に日程が散らばっていると、通学とオンラインの日程を取り違えやすくなります。期ごとに改訂するたびに、知識のファイルを差し替え、古い期のファイルを外します。 新旧の資料が並んでいると、AIは古い期の日程を使うことがあります。ファイル名と1ページ目に、期と改訂日を書いておきます。
書いてはいけないことの一覧は、案内の決まりのファイルに入れます。 受講の成果の約束(「転職できます」「合格できます」)、資料に無い割引、他のスクールとの比較、給付金の対象になるかの断定です。給付金の対象かどうかは、受講する人の条件で変わるので、案内では「受講相談でご確認ください」とします。
データの取得方法を決める
| 取るもの | 方法 | 何に使うか |
|---|---|---|
| 回答の項目 | Catch Hook が解析した項目 | AIへの入力、宛先、Filter の条件 |
| 講座の内容・日程・受講料 | AI by Zapier の知識(講座案内の PDF) | 下書きの本文 |
| 書いてはいけないこと | AI by Zapier の知識(案内の決まりの DOCX) | 下書きの制約 |
| 承認の結果 | Human in the Loop の出力(Decision、変更後の本文、承認者のメモ) | 送る本文と記録 |
承認の画面で担当者が直した本文は、「Edited Content」の項目として後のステップに渡ります。 Request Approval の設定で、承認者に内容の変更を許すを選んでおくと、直した値を後のステップに対応づけられるとされています。Gmail の本文には、AIの下書きではなく、この変更後の本文を入れます。 ここを取り違えると、担当者が直した内容が捨てられて下書きのまま送られます。
AIへ渡す前に整形する
- 同意の無いものを除く … Filter で、同意の項目が true のものだけを進めます
- メールアドレスの形を確かめる … 形の崩れたものは、記録だけ残して承認に回しません
- 自由記入の欄の長さを見る … 目的も聞きたいことも空なら、関心のある講座と時期だけで下書きを作ります
- 同じ人からの重複を見る … 同じメールアドレスの請求が直近14日に記録にあれば、記録に印を付け、承認の依頼の文に「再請求」と書きます
- 講座案内の資料の期を確かめる … 知識のファイルの期が、今日の日付で案内している期かを、改訂のたびに担当者が確かめます
4番目で再請求を止めないのは、意図してのことです。 2回目の請求は、関心が強まったしるしのこともあります。案内を送るかは、承認の画面で担当者が前回の案内を見て決めます。
AIに処理させる
させるのは、回答と講座案内の資料から、件名と本文の下書きを作り、使った開講日と、資料で確かめられなかった点を書き出すことです。
| させること | 書き方 | 判断できないときの扱い |
|---|---|---|
| 目的への一言 | 回答の目的の言葉に触れて、講座で扱う内容と結び付ける | 目的が空なら触れない |
| 講座と開講日の案内 | 関心のある講座のうち、受講の形と時期に合う開講日を資料から選ぶ | 合う開講日が資料に無ければ「担当者から改めてご案内」 |
| 聞きたいことへの答え | 資料に書かれている範囲で答える | 資料に無ければ答えず、確かめられなかった点に挙げる |
| 受講相談の案内 | 資料の申込みの方法のとおり | - |
| 確かめられなかった点 | 資料に無かった事柄を列挙 | - |
時期と開講日の合わせ方は、次のように決めておきます。
| 受講したい時期 | 案内する開講日 |
|---|---|
| すぐに | 資料のうち、いちばん近い開講日 |
| 3か月以内 | 今日から3か月以内の開講日(無ければ次の開講日) |
| 半年以内 | 今日から半年以内の開講日を2つまで |
| 未定 | 開講日を挙げず、受講相談の案内を中心にする |
| させないこと | 理由 |
|---|---|
| 資料に無い日程・受講料・割引を書く | 送った案内が約束になる |
| 受講の成果を約束する(転職・合格・年収) | 成果は受講する人によって違い、約束できない |
| 給付金の対象かどうかを断定する | 受講する人の条件で変わる |
| 回答に無い事情を推し量る(「お忙しい中」「未経験の方でも」) | 本人が書いていないことを前提にしない |
| 他のスクールと比べる | 比べた内容の根拠を示せない |
| 送る | 送るのは担当者が承認した後 |
1行目がいちばん起きやすい失敗です。 生成AIは、聞きたいことに「分割払いはできますか」とあると、それらしい答えを書きがちです。資料に書かれていなければ答えず、確かめられなかった点に挙げさせます。 担当者は承認の画面でその一覧を見て、答えを書き足します。
4行目も見落としやすい失敗です。 「未経験の方でも安心です」は、回答に未経験と書かれていなければ、相手の経歴を勝手に決めた文になります。
目的への一言は、相手の言葉を短く受けて、講座の内容に結び付けるだけにします。
| 回答の目的 | よい一言 | 避ける一言 |
|---|---|---|
| 「仕事で売上のデータを扱うようになった」 | 「お仕事で売上のデータを扱われるとのこと、基礎講座では表計算からの集計と可視化を扱います」 | 「データ分析ができれば昇進に有利です」 |
| 「半年後に転職を考えている」 | 「半年後をめどにお考えとのこと、来年1月までの開講日をご案内します」 | 「修了すれば転職に役立ちます」 |
右の列は、どれも本人が書いていない結果を約束しています。 左の列は、本人の言葉と資料の事実だけでできています。
指示内容を固定する
Analyze and Return Data の指示の欄に、次のように書きます。
あなたは社会人向けのITスクールの受講相談の担当です。
資料請求をした方への、個別の案内メールの件名と本文を下書きしてください。
講座の内容・開講の日程・受講の形・受講料は、知識の講座案内の資料に
書かれていることだけを使ってください。
【本文の組み立て】
1. 資料請求のお礼(1文)
2. ご記入の目的に触れる一言(目的が空なら書かない)
3. 関心のある講座のうち、受講の形と時期に合う講座と開講日
(時期と開講日の合わせ方は案内の決まりのとおり)
4. 聞きたいことへの答え(資料に書かれている範囲だけ)
5. 無料の受講相談の案内
本文は600字以内にしてください。
【厳守事項】
- 資料に無い日程・受講料・割引・特典を書かないでください。
合う開講日が資料に無いときは「担当者から改めてご案内します」と書いてください。
- 聞きたいことの答えが資料に無いときは、本文で答えず、
unconfirmed に質問をそのまま入れてください。
- 転職・資格の合格・収入など、受講の成果を約束する言葉を使わないでください。
- 給付金の対象になるかを断定しないでください。
- 回答に書かれていない経歴や事情(未経験、忙しいなど)を前提にしないでください。
- 他のスクールの名前を出したり、比べたりしないでください。
- 使った開講日は、資料に書かれた表記のまま used_dates に入れてください。
【関心のある講座】{courses}
【受講の形】{format}
【受講したい時期】{timing}
【今日の日付】{today}
【受講の目的】{purpose}
【聞きたいこと】{question}
「今日の日付」を入力に入れているのは、時期と開講日を合わせるためです。 入れないと、AIは資料の中のどの開講日が「3か月以内」かを決められず、過ぎた開講日を案内することがあります。 日付は Zap の側で入れます。
「unconfirmed に質問をそのまま入れる」が、この指示の要です。 答えられない質問を本文から外すだけでは、担当者は質問があったこと自体に気づきません。 承認の画面に一覧で出すことで、答えを書き足す手がかりにします。
出力形式を固定する
Analyze and Return Data の出力の項目を、次のように定義します。 見やすさのため JSON の形で示します。
{
"subject": "",
"body": "",
"recommended_courses": [""],
"used_dates": [""],
"unconfirmed": [""],
"notes_for_staff": ""
}
1つ目の理由は、used_dates で日程を確かめやすくなることです。 承認の画面に、本文とは別に使った開講日が並ぶので、担当者は講座案内の資料と照らす箇所を探さずに済みます。 第3章の(b)の書き間違いは、ここで止めます。
2つ目は、unconfirmed で承認の依頼の文を変えられることです。 Paths で、unconfirmed が空かどうかで分け、空でなければ承認の依頼の文に「お客様の質問に、資料で答えられないものがあります」と添えます。Paths は1つのグループに最大10本の分かれ道を持て、どれにも当たらないときの Fallback を置けるとされています。
| 条件 | 承認の依頼の文 |
|---|---|
unconfirmed が空、再請求でない | 「下書きを確かめて承認してください」 |
unconfirmed が空でない | 「資料で答えられない質問があります。本文に書き足してから承認してください」 |
| 再請求 | 「前回の案内から14日以内の再請求です。送るかを決めてください」 |
| 出力が欠けている | Fallback で担当者へ知らせ、承認の依頼を作らない |
3つ目は、承認の結果を Filter で確かめてから送れることです。 Request Approval の出力には、承認されると Decision の項目に approved が入るとされています。Gmail の手前に Filter を置き、Decision が approved に一致するものだけを送ります。 却下されたもの、期限切れのものはここで止まります。
システムへ連携する
| つなぎ先 | 方式 | 内容 |
|---|---|---|
| Webサイトのフォーム | Webhooks by Zapier(Catch Hook) | 回答を受け取る |
| 同意の確認 | Filter | 同意があるものだけを進める |
| 資料請求の記録 | Zapier Tables(レコードの追加と更新) | 同意、受け取った日時、送った日時と本文 |
| AI by Zapier | Analyze and Return Data(知識に講座案内) | 件名・本文・使った開講日・確かめられなかった点 |
| 分岐 | Paths | 承認の依頼の文を変える |
| 承認 | Human in the Loop(Request Approval) | 担当者が確かめて直す |
| Gmail | Send Email | 承認された本文を送る |
Request Approval の期限には、「期限切れなら実行を終える」を選びます。 期限切れのときにステップを飛ばして続ける設定にすると、承認の無いまま後のステップへ進みます。後の Filter でも止まりますが、止める場所を2か所にしておきます。 期限は2営業日を目安にし、催促の通知を1日後に送ります。
記録のテーブルには、同意の記録を残します。 特定電子メール法は、同意の通知を受けた者に、同意があったことを証する記録の保存を求めています。フォームの同意の文言の版も、記録の列に入れます。
人が確認する
担当者が承認の画面で確かめるのは、使った開講日、確かめられなかった点、目的への一言の3つです。
- 使った開講日を資料と照らす …
used_datesが、いま案内している期の日程かを見ます - 確かめられなかった点に答える … 分割払い、教室の設備などの質問に、本文で答えを書き足します
- 目的への一言を読む … 回答の目的を言い換えすぎていないか、本人が書いていない事情を前提にしていないかを見ます
- 勧める講座を決める … 関心の講座が複数あるとき、目的に照らして勧め方を直します
- 承認する、または却下する … 却下したものは、担当者が別に連絡するかを決めます
1番目を省かないでください。 期の切り替わりの前後は、新旧の日程を取り違えやすい時期です。used_dates が資料の表記のまま出ているので、照らすのは数秒で済みます。
承認の依頼は、講座ごとに担当を分けて送ります。 Paths の規則で関心のある講座を見て、データ分析は担当A、デザインは担当Bのように送り先を変えます。関心の講座が複数のときは、最初に選ばれた講座の担当に送ります。 担当の休みの日は、承認者を受講相談の全員にした道に切り替えます。
目標は、450件をならして1件4分です。 確かめられなかった点の無い下書きは2分ほどで承認でき、質問への答えを書き足すものは数分かかる想定です。
例外に対処する
| 起きること | 対応 |
|---|---|
| 同意の欄に印が無い | 個別の案内は送らない。資料のリンクの自動の返信だけ |
| メールアドレスの形が崩れている | 記録だけ残し、承認に回さない |
| 関心のある講座が募集を終えている | 資料に開講日が無いので「担当者から改めてご案内」の文。担当者が次の期を書く |
| 承認の期限が切れた | 実行を終える。記録に「期限切れ」を残し、担当者が翌日に手で連絡するかを決める |
| 受け取りを止めたいという返信が来た | 記録のテーブルに印を付け、以後の Zap の Filter で除く |
| 法人の研修の相談だった | 個人向けの案内を作らず、法人の担当へ回す |
| AIの出力が欠けている | Fallback で担当者へ知らせる |
5行目は、法律の求めでもあります。 特定電子メール法は、送信をしないように求める旨の通知を受けたときは、その意思に反して送信をしてはならないとしています。記録のテーブルの印を、同意の Filter と同じ場所で見ます。
記録を残す
- 受け取った回答の全文と、送信日時
- 同意の有無と、同意の文言の版
- AIの出力の全文(件名、本文、使った開講日、確かめられなかった点)
- 担当者が承認の画面で直した後の本文と、承認者、承認の日時
- 送った日時、却下・期限切れの記録
- 受け取りを止める求めの日時
- 使った講座案内の資料の期と改訂日
4つ目で直した本文を残すのは、指示の改善の材料になるからです。 同じ種類の直しが続くなら、講座案内の資料か指示の言葉を直します。
最後の行は、案内の誤りが見つかったときに効きます。 古い期の日程を送ってしまったと分かったとき、同じ期の資料を使っていた送信を記録から洗い出して、訂正の連絡の範囲を決められます。
04実装レベルの3段階
本記事の想定は半自動化です。 1件12分が4分になります。残る4分は、承認の画面で確かめて直す時間です。 承認を外す段階は作りません。 下書きの質が上がっても、資料の改訂の時期には誤りが出ます。
05工数削減シミュレーション
導入後 450件 × 4分 ÷ 60 = 30 時間/月
自社条件で導入効果を整理したい方へ
このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。
06向いている企業・向いていない企業
- プログラミング・データ分析・デザイン・語学・資格などの社会人向けのスクールで、Webサイトの資料請求フォームに毎月数百件の請求が届き、資料の送付の後に担当者が1件ずつ個別の案内メールを書いている場合。資料請求の後の案内が遅れ、受講の時期を逃している場合。案内メールの書き方が担当者ごとに違い、開講の日程や受講料の書き間違いが起きている場合。Zapier の Team 以上のプランを使える場合。
- 資料請求が月に数十件で、担当者が書いて足りる場合。資料請求の後の連絡を、すべて決まった文面の一斉配信で済ませている場合。フォームに案内メールの受け取りの同意の欄を置けない場合。なお、受講を勧めるか、どの講座を勧めるか、割引や受講料の相談にどう応じるかは担当者が決めることで、この構成は案内の下書きを助けるものです。受講の成果(転職・資格の合格など)を約束する文面は作りません。
07最小構成で試す方法
- 先月の資料請求のうち、目的や聞きたいことが書かれているものを30件選ぶ
- いまの期の講座案内の資料を用意する
- 手元のAIサービスに資料と第7章の指示文、回答の内容を貼り、下書きを作らせる
- 当時担当者が送った案内と見比べる
| 出てきた内容 | 判断 |
|---|---|
| 目的に触れ、資料どおりの開講日の下書きが出た | Zapier で承認までを組む |
| 資料に無い割引や日程が書かれた | 指示の書き方で直る。構成は有効 |
| 過ぎた開講日が案内された | 今日の日付を入力に入れる |
| 聞きたいことに資料に無い答えが書かれた | 「答えずに挙げる」を指示に足す |
30件は必ず、当時の案内と並べてください。 下書きの質より先に、資料の外のことを書いていないかを見ます。
2行目が出ても、構成をあきらめる理由にはなりません。 資料の外を書いた下書きは、本番では承認の画面で担当者が止めます。試しの段で大事なのは、どの種類の書き過ぎが起きるかを先に知っておくことです。 それを書いてはいけないことの一覧に足してから、Zap を組みます。
08実装時につまずきやすいポイント
| 問題 | 対策 |
|---|---|
| 資料に無い日程や割引が書かれる | 資料の外を禁じ、used_dates を承認の画面に出す |
| 古い期の日程が使われる | 改訂のたびに知識のファイルを差し替え、古いものを外す |
| 担当者が直した本文が捨てられる | Gmail の本文に変更後の本文の項目を入れる |
| 承認の無いまま送られる | 期限切れは実行を終える設定にし、Decision の Filter を置く |
| Professional で担当者に承認の依頼が届かない | Pro では自分にしか送れない。 Team 以上にする |
| 承認者がログインできない | 承認者には Zapier のアカウントが要る。 Zap を承認者と共有する |
| 同意の無い人に送る | 最初の Filter で除き、記録の印も同じ場所で見る |
| 過ぎた開講日が案内される | 今日の日付を入力に入れる |
| 通学とオンラインの日程を取り違える | 日程を講座ごとの表で資料に持たせる |
| 「未経験の方でも」など本人が書いていない前提が入る | 回答に無い事情を前提にしないことを指示に書き、承認の画面で見る |
| タスクの消費が想定より多い | 新しいステップの既定は Premium(5倍)。 下書きは Standard から試す |
上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、資料に無いことが案内として届く問題です。
09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点
この構成で扱うデータ: 資料を請求した人の氏名、メールアドレス、受講の目的(仕事の事情や転職の予定)、聞きたいことです。
- 同意を得た人にだけ送る … 特定電子メール法は、あらかじめ送信に同意する旨を通知した者などを除き、特定電子メールの送信をしてはならないとしています。個別の案内は講座の宣伝を含むので、特定電子メールに当たるものとして扱い、フォームに同意の欄を置いて、同意の無い人には送りません
- 同意の記録と送信者の表示 … 同法は同意を証する記録の保存を求め、送信者の氏名又は名称と、受け取りを止める通知を受けるためのメールアドレス等の表示を求めています。署名に両方を入れます
- 受け取りを止める求めに応じる … 記録に印を付け、以後送りません
- AIに渡す範囲を絞る … 下書きに要らない氏名とメールアドレスは AI に渡さず、宛名と宛先は Zap の側で入れます
- 成果を約束しない … 転職・合格・収入を約束する言葉を指示で禁じ、承認の画面でも見ます
- Webhook の URL を外に出さない … フォームのサーバーの設定にだけ置き、ページのソースに書きません
誤りが起きた場合のリスクは、資料に無い条件を約束として送ることと、同意の無い人や受け取りを止めた人に送ることの2つです。 前者は資料の外を禁じる指示と承認で、後者は最初の Filter と記録の印で防ぎます。
10まず何から始めるか
1週目:資料と決まりを整える
いまの期の講座案内の資料を、期と改訂日の入った1つの PDF にまとめます。書いてはいけないことの一覧と、時期と開講日の合わせ方を案内の決まりのファイルにします。フォームに同意の欄があるか、文言が案内メールの受け取りに触れているかを確かめます。
2週目:30件で試す
第8章の手順で下書きを作らせ、資料に無い日程・割引・答えを書いていないかを最優先で見ます。
3週目:Webhook から承認までを組む
Zapier で Webhook を受け、同意の Filter、記録、AI by Zapier、Paths、Request Approval、Decision の Filter、Gmail までを組みます。最初の1週間は、承認の後に送る先を担当者自身のアドレスにして、届く本文を確かめます。
4週目:送り先を切り替える
送り先をお客様に切り替え、担当者は承認の画面で確かめて直す作業だけにします。
2か月目以降: 承認の画面での直しの種類と、請求から案内までの時間を毎月数えます。直しが「資料に無いことを書いた」型でなくなった時点で、この構成は完成です。
11関連ユースケース
12この仕組みを理解するための記事
13技術仕様の確認日・参考情報
| 確認した内容 | 情報源 | 確認日 |
|---|---|---|
| Catch Hook が GET・PUT・POST を受けて本文を解析すること。Zap ごとに URL が発行されること。JSON の配列は要素ごとに Zap を動かすこと。通常のトリガーで10MBまでであること。Professional 以上のプランで使えること | Zapier Help: Trigger Zaps from webhooks | 2026-10-08 |
| Analyze and Return Data で出力の項目を名前・型・説明・必須で定義できること。1つのステップに最大20の知識(DOCX、TXT、ODT、PPTX、PDF)を加えられること。モデルが Standard(1タスク)・Advanced(3倍)・Premium(5倍。既定)であること | Zapier Help: Use AI by Zapier to analyze and return data | 2026-10-08 |
| Paths が1つのグループに最大10本、Fallback を1本置けること | Zapier Help: Add branching logic to Zap workflows with Paths | 2026-10-08 |
| Request Approval が承認・却下・データの変更まで Zap を止めること。通知がメール・Slack・別の Zap であること。変更後の値が Edited Content の項目で渡ること。承認で Decision に approved が入ること。期限切れでステップを飛ばすか実行を終えるかを選べること。Pro では自分にしか依頼を送れないこと。承認者に Zapier のアカウントが要ること。成功したものだけがタスクに数えられること | Zapier Help: Human in the Loop の Request Approval | 2026-10-08 |
| 規則の種類に Text の Exactly matches などがあること | Zapier Help: Filter and path rules in Zaps | 2026-10-08 |
| Gmail のアクションに Send Email と Create Draft があること。Gmail 側に送信の上限があること | Zapier Help: How to get started with Gmail on Zapier | 2026-10-08 |
| Zapier Tables が自動化のためのデータの置き場で、レコードを Zap から足せること | Zapier Help: Create tables and store data with Zapier Tables | 2026-10-08 |
| 特定電子メール法第3条(あらかじめ同意を通知した者等以外への送信の禁止、同意を証する記録の保存、送信をしないよう求める通知に反する送信の禁止)と第4条(送信者の氏名又は名称、通知を受けるための電子メールアドレス等の表示)(法令APIで条文の原文を取得して確認) | e-Gov 法令API: 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 | 2026-10-08 |
同意の取り方と表示の細目は、総務省令・内閣府令と総務省・消費者庁のガイドラインに従ってください。 本記事は上記で確認できた範囲だけを扱っています。
実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。
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