広告素材のどれが効いたか読めない原因|量産した後に効く見方

広告素材のどれが効いたか読めない原因|量産した後に効く見方

「先月だけで素材を40本入れ替えたのですが、何が効いたのかと聞かれると答えられません」「担当者はこの案が勝ったと言うのですが、根拠を聞くと表示された回数が多かったから、と返ってきます」——素材を作る速さが上がった会社で、決まって同じ時期に持ち込まれる困りごとです。読めなくなった原因は、本数が多すぎることではありません。出す前に、何と何を比べるのかを決めないまま本数だけを増やしたことが原因です。この記事では、素材が読めなくなる仕組みを媒体の公式の説明から確かめたうえで、出す前に決める取り決めと、すでに量産してしまった後の戻し方を整理していきます。


カメ先生カメ先生

素材を増やせば当たりが見つかる、という言い方があるね。ところが実際には、増やした分だけ読めなくなるのが普通なんだ。媒体の側は、素材を均等に配るためではなく、成果を上げるために配っているからだよ。


カメ子カメ子

均等に出ないと、どうして比べられなくなるのでしょうか。


カメ先生カメ先生

出た回数が違えば、そこに付いた数字の確からしさも変わってくるからね。それに素材1本に付いた数字は、いっしょに出た他の素材の影響を受けている。1本だけの成績として読めるようには、もともとできていないんだ。


カメ子カメ子

数字が並んでいても、それは1本ごとの成績ではない、ということですか。


この記事のポイント
  • 読めなくなる原因は本数ではなく、比べる単位を決めずに出したこと。素材ではなく、素材がもつ1つの違いで比べる
  • 媒体は素材を均等には配らない。素材単位の数字は足し算できず、比率の数字は傾向の目安にしかならない
  • 同時に出す本数の上限と、判定に使う数字と、やめる条件を出す前に書く。勝ち負けの宣言はAIにさせない

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目次

3か月前に巻き戻すと、読めなくなった日が特定できる

素材の本数が増えた現場では、次のような流れをよく見ます。まず生成の道具を入れて、これまで月に3本だった素材が週に10本作れるようになります。制作の待ち時間が消えたので、企画会議で出た案をひととおり形にして、まとめて入稿します。1か月目は数字が動き、社内の評判も良くなります。2か月目に「どれが効いたのか」と聞かれ、3か月目に誰も答えられないことが分かります。

このとき多くの現場が打つ手は、本数を減らすことです。ところが減らしても読めるようにはなりません。読めなくなった原因は、本数が増えた日ではなく、まとめて入稿した日にあります。入稿の時点で、何と何を比べるのかが決まっていなかった。だから何本に減らしても、比べる相手が定まらないままです。

この記事では、読めなくなる仕組みを4つに分けて確かめたうえで、その3か月を巻き戻して、どの分岐点で何を決めておけばよかったのかを表にします。比べられる状態は、出した後には作れません。出す前にしか作れません。ただし、すでに量産してしまった場合に取り返せることもあるので、それも後半でまとめます。

原因は本数ではない。比べる単位が決まっていないこと

30本の素材を出して、どれが効いたか読めない。この状態を本数の問題だと考えると、打ち手は「減らす」になります。しかし5本に減らしても、5本が互いに全部違っていれば、やはり読めません。色も文言も構図も訴求も違う5本を比べて、勝った1本が出たとして、何が効いたのかは分からないままです。読めるかどうかを決めているのは本数ではなく、本数の中にある違いの整理のされ方です。

生成の道具を入れると、この整理がいっそう崩れます。指示文を少し書き換えるだけで、出てくる素材は色も構図も文言も一度に変わるからです。手で作っていた頃は、1か所を変えるだけでも作業が発生したので、変える箇所は自然に絞られていました。作るのが速くなったことで、違いを絞る理由が消えたというのが、この数年で起きたことです。

だから最初に立てる問いは「何本まで出してよいか」ではありません。この30本は、何が違う30本なのかです。書き出してみると、たいてい違いは3つか4つに整理できます。訴求の切り口、主役に置いた要素、文言の言い切りの強さ、背景の色。整理できた時点で、比べる単位は素材ではなく、この3つか4つのほうだと分かります。以降の4つの章は、整理しないまま出したときに何が起きるかを、媒体の公式の説明から順に確かめていきます。

仕組み1:均等にローテーションしても、均等には配信されない

最初の仕組みは、配信の偏りです。Google 広告のヘルプでは、広告のローテーションの設定として「最適化」と「最適化しない」の2つが説明されています。「最適化」は、キーワードや検索語句、オークション、デバイス、地域などのシグナルを使って、オークションのたびにクリック重視で広告が最適化される設定です。「最適化しない」を選ぶと、期間に制限なく、広告はより均等に広告オークションにかけられます。

ここで注意が要るのは、均等にかけられることと均等に配信されることが別だという点です。同じヘルプには、広告を均等にローテーションするように設定しても広告が均等に配信されるとは限らないこと、均等にローテーションするとは広告が均等にオークションにかけられることを意味すること、参加したオークションで必ず落札される保証はないこと、広告の品質や入札単価や競合などの要因が配信に影響する可能性があることが書かれています。加えて「最適化しない」を選んでも、広告の品質によって広告ごとの表示の割合が均等にならない場合があるとされています。

実務への影響は、はっきりしています。表示された回数の多さは、その素材が良かったことの証拠にはなりません。多く出たのは、初期に少し良い数字が出たから、あるいは品質の評価が高かったからかもしれません。出た回数の多い順に並べて上位を残す、という運用は、媒体が最初に選んだ順番をなぞっているだけになりがちです。なお、スマート自動入札を使う場合は自動的に「最適化」に設定されるとされているため、そもそも均等側を選べない構成もあります。

仕組み2:素材単位の数字は、足し算できない

2つ目の仕組みは、数字の作られ方です。検索広告で見出しや説明文を複数登録し、媒体側が組み合わせて配信する形式では、素材にあたるのは1本の広告ではなく、見出しや説明文といった部品です。Google 広告のヘルプでは、部品単位の指標は広告内で配信された部品の実例ごとに割り当てられると説明されています。1回の表示に3つの部品が含まれる場合、それぞれの部品に1回の表示が記録されます。

この記録の仕方から、2つのことが導かれます。1つは、部品ごとの数字を足しても、広告グループ単位の数字とは一致しないことです。同じヘルプにも、個別の指標の合計は対応する上位の単位の指標と一致しないと書かれています。もう1つは、比率の数字の扱いです。クリック率やクリック単価といった比率の指標は、傾向を示す目安としてのみ使用する必要があるとされています。理由は、いっしょに配信される部品の組み合わせの影響を受けるため、その部品単体の成績を正確に表すものではないからです。

ここを知らないまま報告書を作ると、足した数字が合わない理由を探す時間が発生します。さらに、かつて部品ごとに付いていた評価の列は廃止され、より詳細な統計が見られるようになったとされています。評価の記号が消えた以上、良し悪しの判断は運用する側が定義するしかありません。組み合わせのレポートを開くと、その広告から作られたすべての組み合わせと、表示された回数、最も頻繁に表示されている組み合わせが確認できます。単体ではなく組み合わせで読む、というのが媒体側の前提です。

仕組み3:本数を増やすほど、判定に必要な件数から遠のく

3つ目は、判定に使える材料の量です。配信の最適化が働く仕組みでは、成果の判定に一定の件数が要ります。Meta のビジネスヘルプセンターでは、最適化イベントの数として50程度をすすめる記述があります。ここでいう件数は素材ごとではなく配信の単位ごとに数えられるため、素材を細かく分けて配信の単位を増やすほど、1つあたりの件数は減ります。

同じヘルプには、1つのキャンペーンに同じような広告セットが数多く存在するとオークションの重複が起きることがあり、各広告セットに十分なデータが集まらなくなる可能性があること、その場合に1週間の最適化イベント数が推奨される件数に届かなくなることが説明されています。素材を増やす行為と、配信の単位を増やす行為を混同すると、この状態に入ります。素材を30本作ること自体は問題になりませんが、それを30の配信単位に割ると、どこにも十分な件数が溜まりません。

実務では、この2つを分けて考えてください。素材の本数は増やしてよい。配信の単位は増やさない。同じ配信の単位の中に素材を入れて、判定は後から素材の違いごとに読むという形にすると、件数を分散させずに済みます。なお、配信の開始直後には情報収集の期間があるとされているため、開始から数日の数字だけで判断を下すと、その期間の特性を読んでいることになります。

仕組み4:1本の中で、違いが2つ以上動いている

4つ目は、媒体の側ではなく作る側の問題です。生成の道具で素材を量産すると、1本ごとに変わっている箇所が複数になります。訴求を変えたつもりが、同時に色味も文言の長さも変わっている。この状態で比べると、勝った素材があっても、勝因が訴求なのか色なのか文言なのかを切り分けられません。切り分けられない比較は、何本繰り返しても結論に届かないまま本数だけが積み上がります。

手で作っていた頃は、この問題が自然に抑えられていました。1か所を直すだけでも作業が発生するので、変える箇所を絞る動機があったからです。いまは指示文を1行書き換えれば全部が変わるため、絞る動機が働きません。速く作れることと、比べられる形で作れることは、別の能力です。速さだけが手に入った状態が、いまの多くの現場です。

対処は簡単で、素材の管理表に「この素材で変えた箇所」の列を1つ足すだけです。列に2つ以上書かれた素材は、比較の対象から外して参考扱いにします。変えた箇所を1つに保った素材だけを、比較の系列として扱う。残りは在庫として持っておけば無駄にはなりません。列を足す作業は、表計算の操作で数分です。

3か月を巻き戻すと、分岐点は4つあった

冒頭の流れを、時系列で巻き戻します。読めなくなった原因は1か所ではなく、4つの分岐点にそれぞれ置かれています。どの分岐点も、そのときは正しい判断に見えていたところが共通しています。表の右端が、次に同じ状況になったときに代わりに決めておくことです。

時期そのときに決めたこと後から効いてきたずれ代わりに決めておくこと
制作を始める前月あたりの本数の目標だけを決めた比べる単位がないまま全部が別物になり、系列が1つもできなかった何と何を比べるのかを1行で書く
入稿の直前作った素材をまとめて1つの配信の単位に入れた配信が偏り、素材ごとに出た回数が桁で違った同時に出す本数の上限を、人が見られる数で決める
配信から2週間表示の多い順に並べて上位だけを残した出た回数の多さを成果と取り違え、残す素材を媒体の初期の選択に任せた判定に使う数字を1つに決め、順位の付け方を書く
1か月後負けた素材を止めて新しい素材を足した比較の区切りが消え、前の期間と後の期間を並べられなくなった差し替えの間隔と、比較を締める日を先に置く

表の2行目が、いちばん取り返しにくい分岐点です。入稿の単位は後から変えられますが、変えた時点で数字の連続性が切れます。入稿の形は、制作を始める前に決まっているべきものです。制作が終わってから入稿の形を考え始めると、作った素材の都合に合わせた形になります。

4行目は、良かれと思って起きます。負けた素材を残しておくのはもったいない、という判断です。ところが差し替えを続けると、いつからいつまでを比べているのかが誰にも言えなくなります。差し替えの間隔と、比較を締める日を先に決めておくだけで、報告のときに期間を説明できるようになります。

実務仕様:素材を出す前に決める4つの取り決め

ここからは、次に素材を作るときに出す前へ置く取り決めを4つ並べます。どれも紙1枚に収まり、決めるのに会議は要りません。4つを決めずに出した素材は、本数にかかわらず後から読めないので、この順に確かめてください。なお、これは社内の確認や承認の段取りの話ではありません。あくまで、後から比べられる形にしておくための取り決めです。

出す前に決める4つ(紙1枚に書く)
  • 比べる単位:素材ではなく、素材がもつ1つの違いで書く。「訴求Aと訴求Bを比べる」のように1行にする
  • 同時に出す本数の上限:人が見て判断できる数で決める。上限を超えた分は次の期間に回す
  • 判定に使う数字:1つに決めて紙に書く。見ない数字も併せて書き出す
  • やめる条件と行き先:どうなったら止めるか、止めた素材をどこに置くかを先に決める

4つのうち、現場で抜けやすいのは4番目です。止める条件を決めていないと、止める判断が個人の感覚になり、社内で通らなくなります。止める条件が紙にあると、止める相談が要らなくなります。以降の4章で、1つずつ中身を開いていきます。

項目を4つに抑えているのにも理由があります。出す前に決めることを増やすと、決める作業そのものが会議になり、入稿が遅れます。遅れた分だけ、現場は「とりあえず出してから考える」ほうへ戻ります。ここに並べた4つは、どれも担当者1人がその場で書けて、書いた後に他部署の合意が要らないものだけに絞りました。出す前の取り決めは、増やすほど守られなくなります。逆に、4つのうち1つでも空欄のまま入稿した素材は、後から読もうとしても読めません。空欄があるかどうかを入稿の直前に見るだけで、読めない素材を出す回数は減ります。

取り決め1:比べるのは素材ではなく、素材がもつ1つの違い

1つ目は、比べる単位の決め方です。素材の名前で比べようとすると、30本あれば30通りの比較になります。そうではなく、素材がもっている違いのほうを比較の単位にします。訴求の切り口、主役に置いた要素、文言の言い切りの強さ、背景の色。違いを2つか3つに絞り、それぞれについて素材を複数本ずつ用意する形にします。

こうすると、30本は「訴求の違いを見る15本」と「文言の強さを見る15本」のように系列に分かれます。判定も系列ごとに行います。1本ずつの成績が読めなくても、系列ごとにまとめれば、出た回数の偏りがある程度ならされます。1本では読めない数字も、同じ違いをもつ数本をまとめると読めるようになります。前章で見たとおり、部品単体の比率の数字は目安にしかならないとされているため、まとめて読むほうが元の仕組みにも合っています。

書き方は1行で足ります。「今回は訴求の切り口だけを比べる。色と文言は全素材でそろえる」。そろえると書いた要素は、制作の指示文にも固定の条件として書き込みます。生成の道具に任せる場合、そろえる指示を入れないと毎回変わります。そろっているかどうかは、出来上がった素材を並べれば目で確認できます。

取り決め2:同時に出す本数の上限を、人が見られる数で決める

2つ目は、本数の上限です。ここで決めるのは媒体が扱える上限ではなく、自社の担当者が見て判断できる上限です。1本あたり何分かけて中身を見るかを決め、その時間に月の確認回数を掛けて、現実的な本数を出します。1本3分で、月に2回見るなら、90分で30本。この計算だけで上限が決まります。

上限を決める理由は、確認の質を保つためです。本数が上限を超えると、担当者は数字の並びだけを見て、素材そのものを見なくなります。素材を見ないまま止める判断をすると、なぜ止めたのかが記録に残りません。人が見られる数を超えた素材は、出しても運用の対象にならず、在庫として溜まるだけです。

上限を超えた分は、次の期間に回します。作った素材を全部出さないと損だという感覚が出ますが、逆です。出した素材のうち判断されなかったものは、費用だけを使って情報を返しません。次の期間に回せば、少なくとも判断の対象になります。回す順番は、前の期間で効いた違いに近いものから並べると、系列が続きます。

取り決め3:判定に使う数字を1つに決め、見ない数字を書き出す

3つ目は、判定に使う数字です。ここで決めるのは1つだけにしてください。2つ以上あると、素材ごとにどちらかが良く見えるので、結論が担当者の好みで動きます。決めるときは、その数字が何を数えているかの定義で議論しないのが要点です。定義の話は別の論点であって、ここで決めるのは「今回はこれで並べる」という取り決めだけです。

併せて書き出すのが、見ない数字です。表示された回数は見ない、素材単体の比率は順位付けに使わない、初日の数字は使わない。見ない数字を先に書いておくと、報告のときに持ち出されても議論が戻りません。見る数字を1つ決めるより、見ない数字を並べるほうが効きます。現場でもめる原因は、見る数字が足りないことではなく、見る数字が多すぎることだからです。

判定の順番も1行で書いておきます。系列ごとにまとめてから並べる、同じ期間でそろえてから比べる、といった順番です。順番を決めておくと、集計をやり直したときに同じ結果に戻れます。戻れない集計は、報告書として使えません。次の担当者が同じ数字を再現できるかどうかが、その分かれ目になります。

取り決め4:やめる条件と、やめた素材の行き先を決める

4つ目は、止め方です。素材は足すより止めるほうが難しくなります。作った人の顔が見えているからです。だから止める条件は、素材を作る前に、誰の案かが分からない状態で決めておきます。条件は2つで足ります。判定の数字が系列の中で最下位であること、そしてその状態が決めた期間続いていること。

行き先も決めておいてください。止めた素材を消してしまうと、後から同じ案が別の担当者から出てきます。止めた理由を1行添えて、在庫の置き場に移します。止めた理由が1行あるだけで、同じ案を作り直す時間が消えます。半年後に条件が変われば、在庫から戻すこともできます。

止める判断をする人も、名前で決めておきます。合議で止めることにすると、止まりません。1人が条件に照らして機械的に止め、結果を共有する形にします。条件に照らした判断なので、止められた側も納得しやすくなります。条件を決めずに止めると、そこから毎回の説明が必要になります。

すでに量産してしまった後に、取り返せること

ここまでは出す前の話でしたが、すでに30本を出してしまった状態から取り返せることもあります。完全には読めるようになりませんが、次の期間に持ち越せる材料は作れます。次の5工程は、いま配信中の素材を止めずに進められます。

STEP1
出している素材を全部書き出し、変えた箇所の列を足す

素材の一覧を作り、1本ごとに何が他と違うのかを書き入れます。書けない素材は、作った人に聞きます。この作業で、違いが1つに保たれている素材と、複数動いている素材が分かれます。

STEP2
違いが1つの素材だけを系列にまとめる

同じ違いをもつ素材を2本以上集めて、系列にします。1本しかない違いは系列になりません。系列にならなかった素材は参考扱いにして、判定の材料から外します。

STEP3
系列ごとに数字をまとめ、単体の順位は捨てる

素材単体の順位付けはやめ、系列ごとの合算で見ます。前述のとおり単体の比率は目安にしかならないため、まとめたほうが元の仕組みに合います。合算の期間は全素材でそろえます。

STEP4
次の期間の比較を1つに絞って予告する

今回の結果から、次に確かめる違いを1つだけ選び、社内に先に伝えます。伝えておくと、次の入稿でそろえる要素が共有されます。予告しないと、また全部が違う素材が集まります。

STEP5
止める素材と残す素材を、条件に照らして機械的に分ける

系列の中で最下位が続いている素材を止めます。止めた理由を1行添えて在庫に移します。感覚で残すと、次の期間も同じ状態のまま始まります。

5工程は、素材が30本でも半日で終わります。いちばん効くのは1工程目です。変えた箇所の列を作るだけで、比べられる素材と比べられない素材が分かれます。この列が無いまま次の期間に進むと、本数だけが積み上がっていきます。

AIに任せるのは組み合わせと下ごしらえまで。勝ち負けの宣言はさせない

素材づくりから判定まで、AIに任せられる工程はかなりあります。素材の案を出すこと、決めた違いの軸に沿って組み合わせを作ること、管理表の変えた箇所の列を埋める下書きを作ること、系列ごとの数字をまとめること。ここまでは任せてかまいません。任せてはいけないのは、どの素材が勝ったという宣言です。

理由は、判定の前提が数字の外にあるからです。配信が均等ではないこと、部品単体の比率が目安にとどまること、系列の期間がそろっているかどうか。これらは表に載っていない情報です。前提を持っていない相手に判定を頼むと、数字の大小をなぞった結論が返ってきます。返ってきた結論には根拠が付いているように見えるので、そのまま報告書に載ってしまいます。

  • 系列ごとの集計を任せたら、1系列だけ選んで元の数字と件数を突き合わせる。合わない集計は全部やり直す
  • 候補を出させるときは、なぜその系列が勝ちなのかを件数と期間で示させる。件数で説明できない候補は採らない
  • 素材の画像や文言をそのまま渡す必要はない。系列の名前と数字だけで集計はできる
  • 取引先や個人が特定できる情報を含む数字を渡すときは、入力が学習に使われない設定かを先に確認する
  • 最終の判定は人が行い、判定した人と判定した日を管理表に残す

人が確認する範囲も先に決めてください。全素材を見るのか、系列ごとに1本ずつ見るのか、止める候補だけを見るのか。本数が増えてから決めると、決める頃には誰も見ていません。系列ごとに1本、止める候補は全部。この2行を先に書いておけば、月に何本作っても確認は続きます。

これをやると、出す前から読めない

最後に、始めた時点で判定できないことが確定する進め方を5つ挙げます。どれも現場でよく見る形で、悪意なく起きます。心当たりがあれば、次の入稿から1つずつ外してください。

  • 作った素材を全部まとめて1つの配信の単位に入れる:配信が偏り、素材ごとに出た回数が桁で違って比較にならない
  • 表示された回数の多い順に並べて上位を残す:媒体が最初に選んだ順番をなぞっているだけで、素材の良し悪しを読んでいない
  • 素材を1本ずつ別の配信の単位に分ける:判定に必要な件数がどこにも溜まらず、どの単位も学習が進まない
  • 1本の素材で訴求も色も文言も同時に変える:勝った素材が出ても、勝因を切り分けられない
  • 負けた素材を随時差し替え続ける:比較の区切りが消え、いつからいつまでを比べたのかを説明できなくなる

3つ目は、丁寧にやろうとするほど起きます。素材ごとに正確に測りたいから分ける、という発想です。ところが分けるほど1つあたりの件数は減り、正確に測るための分割が、測れない状態を作ります。素材は同じ単位に入れ、判定は後から系列ごとに読む。この順番が、仕組みに合った形です。

5つ目は、うまくいっている時期ほど起きます。数字が動いているので、手を止めたくなくなるからです。比較を締める日を先に決めておけば、動いている最中でも一度区切れます。区切った日までの結果を紙に残しておけば、次の期間の出発点になります。区切らないまま進むと、3か月後にまた同じ相談に戻ります。

まとめ

素材を量産しても読めないのは、本数のせいではありません。配信は均等にならず、素材単体の数字は足し算できず、比率は傾向の目安にとどまる。この3つは媒体が公式に説明している前提で、変えられません。変えられるのは、出す前に、何と何を比べるのかを1行で決めておくことだけです。次の入稿までにやることは4つ。比べる違いを1つに絞り、同時に出す本数の上限を人が見られる数で決め、判定に使う数字を1つ書き、止める条件と行き先を決める。紙1枚で終わります。すでに30本を出してしまっているなら、まず管理表に「この素材で変えた箇所」の列を足してください。その列があるかどうかだけで、次の期間に持ち越せる材料の量が変わります

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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