AIスロップとは何が問題か?|薄い記事が増えた後の打ち手

「検索しても同じような説明のページばかり出てきて、どれも確かめようがない」「自社の記事も、外から見たらあの群れの一部に見えているのではないか」——この半年、広報やマーケティングの担当者からこの2つが並んで出てくるようになりました。実感は数字とも合っています。検索まわりの分析を手がけるGraphiteが2025年に公開した集計では、新しく公開される英語の記事のうち、機械が書いたとみられるものの割合が2024年11月に人の書いたものを追い越し、2025年5月の時点で52%に達していました。AIスロップと呼ばれている問題は、AIで文章を書くこと自体の是非ではありません。価値を足さないものが大量に出回った結果、読み手が1本ずつ確かめるのをやめたという、環境の変化です。この記事では、外で何がどう変わったのかを媒体ごとに数字で確かめたうえで、自社が加担しない線と、自社が埋もれない線を分けて整理します。
カメ先生AIスロップという言い方には軽蔑の響きがあるけれど、問題の中心は1本ずつの出来の悪さではないんだ。確かめきれない量が出てきたこと、そのものが効いている。
カメ子量が増えると、良いものまで読まれなくなるということですか。
カメ先生選ぶ側の省き方が変わるんだよ。全部を読んで見分ける代わりに、まとめて信用しないほうへ倒す。だから、薄い側を増やさない話と、自分が見分けてもらえる側に立つ話は、別々に手を打たないと届かない。
カメ子書き方を良くしただけでは足りない、ということでしょうか。
- 問題はAIで書いたかどうかではない。価値を足さずに量を出したことと、その結果として読み手が1本ずつ確かめなくなったこと
- 濃さは媒体ごとに違う。新しく出る記事全体と、検索結果に並ぶ記事とでは割合が大きく離れる(Graphite・2025年)
- 打ち手は2本立て。加担しない線(出す前に落とす3条件)と、埋もれない線(読者がその場で確かめられる4要素)を別々に決める
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AIスロップとは何を指し、何を指さないのか
この1年で広まった言い方で、語源は英語で家畜に与える残り物の餌を指す言葉です。指しているのは、生成の道具で大量に作られ、確かめられないまま流された中身の薄い制作物です。記事だけでなく、動画、画像、音声、書籍の体裁を取ったもの、営業のメールまでが同じ言葉で語られます。まず押さえたいのは、この言葉が「AIで作ったもの」という意味ではないことです。作り方を指す言葉だと受け取ると、社内の議論が「AIを使うか使わないか」に落ちて、そこで止まります。
指さないものを先に決めておくと話が早くなります。AIに下書きを作らせて人が材料を足し、確かめてから出した記事は、この言葉の対象ではありません。逆に、人が手で書いたものでも、どこかで読んだ一般論を並べ替えただけで、読み終えても何も残らないページは、同じ問題の側にあります。境目は「機械が作ったかどうか」ではなく「読み手にとって何が残るか」にあります。
では、その境目をどこで引くのか。実務では3つ見れば足ります。その記事にしか書かれていない事実があるか。断定に対して確かめる先が示されているか。書いた側が実際にその作業をやった痕跡があるか。この3つは、記事の後半でそのまま「出す前に落とす条件」として使います。言葉の定義を先にそろえておかないと、対策の議論が「AI禁止」と「気にしすぎ」の二択に割れます。
数字で見る現在地:新しく出る記事の半分が機械の手で書かれている
感覚の話を数字に置き換えます。先ほどのGraphiteが2025年に公開した集計は、公開日が2020年1月から2025年5月までの英語の記事を無作為に抽出し、判定の道具にかけたものです。機械が書いたとみられる記事の割合は2022年末の約10%から上がり続け、2024年11月に人が書いた記事の本数を追い越しました。2025年5月の時点では52%で、その後はおよそ半々のまま横ばいになっています。
この数字は、そのまま「世に出るものの半分が読むに値しない」という意味ではありません。同じ調査の中で、判定に使った検出の道具が人の書いた記事を機械と誤って判定した割合は4.2%と報告されています。加えて、有料の記事や巡回を拒んでいるサイトは元のデータに入っていません。下書きだけをAIに作らせて人が直したという作り方は、この集計では評価していないとも明記されています。実際の混ざり具合は、この数字より複雑だと考えてください。
それでも、押さえるべき変化は1つに絞れます。新しく出てくるものの量が、人が読んで確かめられる速度を明らかに超えたことです。読み手はその状況に適応します。1本ずつ確かめる代わりに、確かめずにまとめて信用しない。この適応が、自社の記事にも同じように効いてきます。なお、日本語の記事を対象にした同じ規模の集計は見つかりませんでした。以上の数字は英語圏のものとして扱ってください。
同じ数字が当てはまらない場所がある:媒体ごとに濃さが違う
同じ調査元が別に公開している集計では、Google検索の結果に出てくる記事のうち86%が人の書いたもので、機械が書いたとみられるものは14%でした。出回っている量では半々に近いのに、検索結果に並ぶ段階では大きく偏ります。出口に選別が入る媒体と、入口がそのまま出口になる媒体では、濃さが違うということです。
この違いは、自社が誰と比べられているのかを決めます。自社の記事が埋もれる相手は、世に出ている全部ではありません。選別を通って残った分です。手元の数字に置き換えると、表示回数が落ちているのか、表示はあるのにクリックが落ちているのかで、起きていることが違います。前者は選別の段階で外れており、後者は並んだうえで選ばれていません。どちらなのかを見ないまま「薄い記事が増えたせいだ」と結論を出すと、打ち手を間違えます。
媒体ごとに濃さが違うということは、打ち手も媒体ごとに変わるということです。検索は選別が働くので、量で押す側の効きが落ちます。交流サイトや動画の側は入口の選別が弱いため量の影響を受けやすく、そのぶん媒体の側が規定で線を引きにきます。次の2つの章で、その線がこの1年でどこに引き直されたのかを確かめます。
検索の側の線引きは「誰が書いたか」ではない
Googleの検索スパムに関するポリシーには「大量生成されたコンテンツの不正使用」という項目があります。対象として書かれているのは、生成AIの道具などを使って、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成することです。例として、配信されている記事や検索結果を寄せ集めたもの、類義語の置き換えや翻訳だけで作り替えたもの、検索される語を含むだけで実質的な意味のないページ、大量生成を隠すために複数のサイトに分ける行為が並んでいます。
読み落とされやすいのは、AIで書くこと自体を禁じる書き方にはなっていない点です。軸は作り方ではなく、価値を足しているかどうかと、量で順位を動かそうとしているかどうかに置かれています。同じポリシーには、第三者のページを自社のドメインに載せて評価を借りる「サイトの評判の不正使用」という項目もあり、こちらは違反にならない例として通信社の配信、利用者の投稿、意見記事、編集の関与と適切な開示があるネイティブ広告が挙げられています。
自社の実務に翻訳すると、危ないのは「AIで書いた」ことではなく、価値を足さずに本数だけを積んだことです。逆に言えば、1本ずつに足した価値を説明できるなら、道具の選択は問題になりません。ポリシーそのものの読み解きと、スパム扱いされるかどうかの判定の基準は別の記事で扱っているので、条文の細部はそちらに譲ります。
動画と交流サイトの側でも、線は引き直された
媒体の側の線引きは、この1年で具体的に動きました。YouTubeは2025年7月15日に、収益化の条件のうち「繰り返しの多いコンテンツ」という項目名を「量産型のコンテンツ」に改めています。改称の趣旨として、量産されたものと繰り返しの多いものが同じ制限の対象であることを分かりやすくした、という説明が書かれています。
違反の例として挙げられているのは、教育的価値や解説、ナレーションといった付加価値がない素材と、汎用的で独創性のないテンプレートを使って作られ、量産された印象を与えるAI生成のコンテンツです。該当すると、収益化の停止やパートナープログラムからの除外につながると書かれています。文章の側の線引きと、言っていることはほぼ同じです。
自社が収益化を目的に動画を出していなくても、この線引きは無関係ではありません。媒体が「量産されたように見える」と判定する基準は、そのまま外から見た自社の見え方の物差しになるからです。会社名で出しているチャンネルが、同じ型に文字を差し替えただけの動画で埋まっていないか。出している媒体の規定を年に1回読み直す担当を決めておくと、この種の変更に気づけます。
外の変化が自社に効いてくる4か所
ここまでの外の変化を、自社の数字に翻訳します。効いてくる場所は大きく4つで、それぞれ担当する部署も対策の入口も別にあります。表の右端には、今週すぐに開ける材料だけを書きました。深い対策はそれぞれ別の記事の領分なので、ここでは「同じ原因から来ている」ことを共有するのが目的です。
| 効いてくる場所 | 外で起きた変化 | 自社で起きること | 今週すぐ開ける材料 |
|---|---|---|---|
| 検索での見つけられ方 | 同じ問いに同じ答えのページが増えた | 似た内容の記事から順に選ばれなくなる | 表示はあるのにクリックが付いていない記事の一覧 |
| AIの回答での引用のされ方 | 回答に使う材料の選別が強まった | 読まれた実感のないまま内容だけ使われる | AI経由の流入が別枠で見えているかどうか |
| 広告が載る面 | 広告のために作られた薄いサイトが増えた | 意図しない面に自社の広告が並ぶ | 配信先の一覧を月に1回開く習慣があるか |
| 問い合わせの質 | 機械で作った営業の連絡が増えた | 本物の相談を見分ける手間が増える | 初回の返信までの時間と、一次対応で落ちる件数 |
1行目と2行目は、同じ「見つけられ方」の話に見えて、確かめる場所が違います。検索の側は表示回数とクリックの関係で読み、AIの回答の側は流入の内訳が分けて見えているかで読みます。分けて見えていない状態で「AI経由が増えた、減った」を議論しても結論は出ません。まず分けて数えられるようにするところからです。
3行目と4行目は、記事を作る部署とは別の部署に影響が出ます。広告の載る面は運用の担当、問い合わせの質は営業と一次受けの担当です。薄い生成物の話をコンテンツの部署だけで抱えると、この2つが放置されます。影響の出方が部署をまたぐことが、この問題の扱いにくさの正体です。
原因1:作る費用だけが下がり、出す条件が据え置きになった
なぜ薄いものが増えたのか。費用の側から説明されがちですが、正確には作る費用だけが下がって、出す条件が据え置きのまま残ったことが原因です。以前は1本に数日かかったので、書き始める前に「本当に出すのか」を決めていました。下書きが数分で出るようになると、その判断が下書きの後ろに回ります。
後ろに回った判断は、必ず甘くなります。目の前に形になった原稿があるからです。ゼロから作る手間を想像して見送る判断と、できあがったものを捨てる判断は、難しさの種類が違います。実務では「せっかく作ったので、直して出そう」という会話が、薄い記事の大半の出所になっています。作った人を責める話ではなく、判断の位置がずれたという構造の話です。
直し方は単純で、出す条件を作る速さから切り離して前に置くことです。企画の段階で「この記事に載せる、他にない事実は何か」を1行で書き、書けないなら着手しない。書けた企画だけを下書きに回します。1行が書けるかどうかの判定は、下書きを作る前なら数分で終わります。この1行は、後の章の落とす条件とそのままつながります。
原因2:薄いかどうかは、文字数でも生成の有無でも決まらない
薄さは文字数では決まりません。1万字あっても薄い記事はあり、2千字でも濃い記事はあります。読み手の側から見た薄さは、読み終えたときに、読む前と判断が何も変わっていない状態を指します。判断が変わらない原因は、3つに分かれます。
1つ目は、どこにでもある一般論しかないこと。2つ目は、断定はあるのに確かめる先がないこと。3つ目は、書いた側がその作業を実際にやった痕跡がないことです。3つとも、書き手の文章力ではなく、手元の材料の有無で決まります。材料がないまま文章力で埋めた記事が、結果としていちばん薄くなります。読みやすいのに何も残らない、という読後感はここから生まれます。
この見立ては、社内の会話も変えます。「もっと読みやすく」「もう少し深く」という指摘は動作に変換できませんが、「確かめる先のない断定が3か所ある」なら直せます。指摘を直せる形の言葉に変えられるかどうかが、品質の議論が続くかどうかを分けます。指摘する側にも、どこを見ればよいかの基準が要ります。
原因3:機械が書いたかどうかを、見た目と検出の道具で判定しようとする
3つ目の原因は、対策の側にあります。機械が書いたかどうかを見た目や検出の道具で判定しようとすると、たいてい失敗します。先ほどのGraphiteの検証でも、検出の道具が人の書いた記事を機械と誤って判定した割合は4.2%と報告されています。100本の原稿を通せば、数本は誤って疑われる計算です。
社内でこれをやると、実害が出ます。疑われた書き手は次から説明の手間を負い、書く気が落ちます。しかも検出の道具が見ているのは書き方の癖であって、中身が確かめられたかどうかではありません。そもそも決めたいのは、機械が書いたかどうかではなく、出してよいかどうかだけのはずです。目的と手段がずれています。
置き換え方は簡単です。生成の有無を当てにいくのをやめて、誰が、何を、どの原典で確かめたのかを記録に残す。確認の記録があれば、道具を使ったかどうかは問題になりません。記録がなければ、人が全部手で書いていたとしても、外から見た薄さは変わりません。判定すべきは作り方ではなく、確認の有無です。
対策の前に:加担しない線と、埋もれない線は別の問題
ここから対策に入りますが、先に分けておくことがあります。自社が加担しない線と、自社が埋もれない線は、別の問題です。前者は自社が薄い側を増やさないための話で、出す前に効きます。後者は、薄いものが溢れた場所で自社が見分けてもらうための話で、出した後に効きます。混ぜると、片方だけをやって安心します。
よくあるのは、社内の確認の手順だけを厚くして、埋もれない側に何も足さないまま本数が減っていく形です。逆に、独自性を足す話ばかりして、確かめていない記事が出続けている場合もあります。前者は安全だが届かず、後者は届くが事故を起こします。両方をそろえて初めて、外の環境の変化に対する答えになります。
順番は、落とす条件を先に決めます。条件がないうちに「もっと独自性を」と言っても、現場は判断の基準を持っていないので動けません。次の2つの章で落とす条件を、その次の章で残す要素を扱います。どちらも紙1枚に収まる分量にしてください。
加担しない線1:社外に出す前に落とす3つの条件
出す前に、次の3つのどれかに当たったら公開しない、という条件を決めます。1つ目は、確かめる先のない断定が1つでもあること。2つ目は、同じ問いへの答えが、他社の記事と入れ替えても成り立つこと。3つ目は、その作業を自社の誰もやっていないこと。3つとも、読み手ではなく出す側が自分で判定できます。
条件は少ないほど機能します。項目を増やすほど、確認は形だけになります。公開前の確認項目そのものは別の記事に一覧があるので、ここでは落とす条件を3つに絞ってください。3つに当たった原稿は、直すのではなく、材料を取り直してから作り直します。次のような判断は、条件を形だけにします。
- 下書きを人が読んで違和感がなかったから公開する:違和感の有無は薄さの判定になっていない。読み手が確かめられるかどうかで決める
- 出典の数がそろっているから事実確認は済んだとする:並んでいる出典が全部同じ二次情報で、誰も原典を開いていないことがある
- 検出の道具の点数が人間寄りだったので出す:判定しているのは書き方であって、中身が確かめられたかではない
- 薄いと指摘されたので、数字と事例を後から足して厚くする:確かめられない情報が増えるだけで、薄さは変わらない
最後の失敗がいちばん多く、いちばん見つけにくいものです。薄いという指摘に対して足し算で応じると、確かめられない情報が増えます。足して直すのではなく、確かめられない部分を外して短くするほうが、結果として濃くなります。短くなった記事は、社内では評価されにくいので、そこを評価する人を決めておく必要があります。
加担しない線2:落とす判断そのものを機械に任せない
落とす条件を決めると、次に出てくるのが「その判定もAIにやらせられないか」という話です。ここは止めてください。判定させると、同じ原稿に対して毎回同じ結果が返るとは限らず、落ちた理由も通った理由も、後から説明できません。外に出すものの可否は、説明できる形で残っている必要があります。
- 下書きを作らせるのはよいが、出してよいかどうかの判定はさせない。判定の結果は毎回同じにならない
- 事実の確認を任せるなら、根拠として原典の名前と日付を並べて書かせ、人がその原典を開いて突き合わせる
- 人が確認する範囲を先に決める。数字と固有名詞と法令の記述だけ、というように狭く決めるほうが続く
- 直した理由を1行で残す。残っていないと、同じ指摘が次の記事でも同じように出る
- 外に出す前の原稿を外部の道具に入れるときは、入力が学習に使われない設定かを先に確かめる
3つ目は、続けるための工夫です。全文を人が読む前提は、月に数本のうちは回りますが、本数が増えると必ず崩れます。範囲を狭く決めておけば1本あたり数分で終わり、確認が習慣として残ります。範囲を決めずに「全部ちゃんと見る」と決めた組織から、先に確認が消えます。
5つ目については、公開前の原稿が未公表の情報を含むことがある、という点だけ補足します。設定の詳細や契約の読み方は別の記事の領分ですが、誰が確かめるのかだけは先に決めておいてください。決まっていないと、誰も確かめないまま慣習になります。
埋もれない線:読者がその場で確かめられる4つの要素
次は、薄いものが溢れた場所で見分けてもらう側の話です。読み手は1本ずつ確かめるのをやめています。だからこそ、読みながらその場で確かめられる要素が1つでもあるかどうかで、扱いが変わります。要素は4つに整理できます。どれも、新しく調査を始めなくても書けるものです。
- いつの話か:参照した資料の公開日と版を本文に書く。仕様や規定は、いつ時点のものかで意味が変わる
- 誰が確かめたか:書いた人ではなく、内容を確かめた人の名前と立場を出す。役割を分けて書く
- どこまでが自社の経験か:伝聞と経験を同じ文体で並べない。「聞いた範囲では」と「自社で試した範囲では」を書き分ける
- 同じことができる粒度か:読んだ人が同じ手順を踏めるところまで書く。踏めない粒度の説明は、読み手には確かめようがない
4つのうち、効くのに抜けやすいのが2つ目です。書いた人の名前は入っていても、確かめた人が誰なのかは書かれていない記事がほとんどです。役割を分けて名前を出すだけで、受け取られ方が変わります。独自の調査や事例そのものの作り方は別の記事に譲りますが、いま手元にある材料の出どころを書き分けるだけなら、今日から始められます。
3つ目は書き分けの問題です。伝聞と経験が同じ文体で並ぶと、読み手はどちらも信じないほうに倒します。逆に、確かめられていない部分を「ここは確かめられていない」と書いた記事は、残りの部分の信用が上がります。分からないと書くことは、弱さではなく、確かめた範囲を示す作業です。
すでに出してしまった薄い記事を、どう扱うか
ここまでは、これから出すものの話でした。すでに出してしまった分をどうするかも決めておきます。全部を直すのは無理なので、順番を決めます。手を付ける対象は、表示はあるのにクリックが付いていない記事から選びます。表示すらない記事は、直しても読まれるまでの距離が遠いためです。
直近3か月ぶんで並べ、上から30本だけを対象にします。全件を見ようとすると始まりません。この時点では中身を読まず、一覧だけを作ります。
前の章の4要素のうち、いくつ入っているかを数えます。0個の記事が、薄いと判定される側です。読むのは冒頭と見出しだけでよく、1本2分で終わります。
材料が手元にあるなら直す。同じ問いに答えている記事が複数あるなら束ねる。役目を終えたものは検索の対象から下げるか消す。判断は1本ずつではなく、束で決めます。
確かめられない断定と、他社と入れ替えても成り立つ段落を外します。そのうえで、自社にしかない事実を1つだけ足します。文字数は減って構いません。
いつ、なぜ、誰の判断で下げたのかを一覧に残します。消し方そのものの扱いは別の記事に譲りますが、理由の記録はこの段階で取ります。
最後の1行の記録が効きます。理由が残っていないと、半年後に同じ題材が同じ理由で企画され、また薄い記事が1本増えます。消した記事の一覧と理由を1枚にまとめておくと、次の企画会議でそのまま判断材料になります。
仕分けのうち「束ねる」は、判断に時間がかかる割に効きます。同じ問いに3本の記事が別々に答えている状態は、読み手から見れば、どれを読めばよいか分からない状態です。束ねると1本あたりの材料が増え、結果として確かめられる要素も増えます。ただし、束ねる作業は検索の側の扱いにも関わるので、消し方と同じく手順を決めてから着手してください。
よくある質問
AIで下書きを作ること自体をやめたほうがよいですか
やめる必要はありません。検索の側のポリシーも、生成の道具を使うこと自体を禁じる書き方にはなっていません。問題になるのは、価値を足さないまま量を出すことです。下書きを作らせたうえで、自社にしかない事実を足し、確かめた記録を残す。この3つが回っているなら、道具の選択は判定の対象になりません。逆に、この3つが回っていないなら、人が手で書いても同じ結果になります。
検出の道具で社内の原稿を判定するのは有効ですか
判定の目的が「機械が書いたか」なら有効ではありません。誤って人の原稿を機械と判定する割合が数パーセント残ることが、調査の中でも報告されています。社内で使うと、疑われた書き手が説明の手間を負い、書く気が落ちます。決めたいのは出してよいかどうかのはずなので、生成の有無ではなく、確かめた記録が残っているかどうかを見てください。
日本語のサイトでも、同じ割合になっているのでしょうか
同じとは言えません。この記事で挙げた数字は英語の記事を対象にした集計で、日本語を対象にした同じ規模の調査は見つかりませんでした。ただし、判定の軸である「価値を足しているか」は言語によらず共通です。割合の数字を社内の説得材料に使うより、自社の記事が確かめられる形になっているかどうかを見たほうが、話が早く進みます。
出す本数を減らせば解決しますか
本数だけを減らしても、確かめられない記事が残っていれば扱いは変わりません。本数と質をどう配分するか、月に何本が妥当かという設計は別の記事の領分なので、そちらを参照してください。この記事の範囲で言えば、減らすかどうかの前に、落とす条件を決めることが先です。条件が決まれば、結果として本数は自然に決まります。
まとめ
外で起きたのは、質の低下ではなく量の変化です。新しく出てくるものが、人が確かめられる速度を超えた。その結果、読み手は1本ずつ確かめるのをやめ、確かめられない側をまとめて信用しないほうへ倒すようになりました。ここに対する打ち手は2本立てです。加担しない線として、確かめる先のない断定・入れ替えても成り立つ答え・自社が実際にやっていない作業という3つの落とす条件を決め、その判定を機械に任せないこと。埋もれない線として、いつの話か、誰が確かめたか、どこまでが自社の経験か、同じことができる粒度か、という4つの要素を1本に置くこと。どちらも新しい調査を始めなくても、今週の1本から始められます。まずは表示があるのにクリックが付いていない記事を30本並べるところからです。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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