忘れられる権利はどこまで及ぶ?|消してと言われた側の備え

忘れられる権利はどこまで及ぶ?|消してと言われた側の備え

「自社サイトの記事を消してほしいという連絡が来ました。忘れられる権利というものらしく、断れないのでしょうか」「個人情報の窓口に回すべきか、広報で受けるべきかで止まっています」——自社でメディアを持っている会社に、数年に一度は届く相談です。ここで最初に外れるのが、忘れられる権利という言葉のほうです。日本の法律に、その名前の条文はありません。ただし、名前が無いことは応じなくてよいという意味でもありません。この記事では、実際に動く2本の道を分けたうえで、受け付けてから返すまでに何を決めておくかを、順を追って整理します。


カメ先生カメ先生

忘れられる権利という言い方は、欧州で使われてきた呼び名なんだ。日本の法律の中に同じ名前の条文を探しても、見つからないよ。


カメ子カメ子

名前が無いなら、日本では消してほしいと言われても応じなくてよいということでしょうか。


カメ先生カメ先生

そうはならないんだ。名前は違うけれど、本人が利用の停止や消去を求められる仕組みは別にある。呼び名の話と、応じる義務の話は切り離したほうがいい。


カメ子カメ子

呼び名を先に決めようとすると、手続きの話がそのぶん後ろに回ってしまうのですね。


この記事のポイント
  • 忘れられる権利という名前の条文は日本に無い。動くのは本人からの請求と、検索事業者への申し出の2本
  • 自社が発信者か、預かっている側かで手順が変わる。分けないと窓口から間違える
  • 学習に使った後は、元を消しても答えから消えるとは限らない。索引の更新と作り直しは別に動く

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目次

「忘れられる権利」は、日本の条文の名前ではない

この言葉は、欧州のデータ保護の枠組みで使われてきた呼び名です。検索エンジンを運営する側が公開している案内でも、2014年に欧州で制定された権利として説明され、個人が検索の会社に対して、自分の名前で検索したときの結果から特定の記載を外すよう求められる権利と書かれています。日本の個人情報の法律に、この名前の条文はありません。

名前が無いことを、応じる必要が無いことと読み替えてしまう誤解が、いちばん多い入り口です。実際には、別の名前で似た仕組みが動いています。呼び名が違うだけで、求められていることは同じになり得ます。だから受けた側がまずやるのは、言葉の当否を調べることではなく、相手が何を求めているのかを具体の動作に置き換えることです。

もう一つ、外しやすい点があります。欧州の枠組みでの申し出は、原則として個人が対象で、会社や団体が自社名での検索結果を外すよう求める道ではないと案内されています。同じ案内には、外れるのは当人の名前に関する検索の結果だけで、元のページは残り、他の検索の語では表示され得るとも書かれています。加えて、外れるのは欧州のデータ保護の法を適用している国での検索の結果に限られる、とも説明されています。範囲を取り違えると、社内の説明が最初からずれ、相手にも過大な期待を持たせます。

実務で動くのは、請求と申し出の2本だけ

消してほしいという連絡を受けたとき、実際に動く道は2本です。1本目は、本人が、情報を持っている事業者に対して利用の停止や消去を求める請求。2本目は、検索の会社に対して、検索の結果から外すよう申し出る道です。どちらに当たるかで、動く部署も、期限の考え方も変わります。

見分け方そのものは簡単です。相手が求めているのは自社が持っている情報についてなのか、検索の結果についてなのか。自社に届いた連絡でも、求めているのは検索結果からの除外であることがあります。その場合、自社にできるのは自社のページの側の手当てだけで、検索の結果そのものは自社の管轄ではありません。申し出を受けた側は、当人が公的な立場にあるか、情報の出どころはどこか、記載がどれだけ古いか、内容がどの程度立ち入ったものかといった点を見て判断する、と案内されています。ここを説明しないまま受けると、後で言ったのに消えていないという話になります。

2本のどちらでもない連絡も来ます。事実が間違っているから直してほしい、という内容です。これは訂正の求めで、消去とは別の道です。受け付けた時点で、消去・訂正・検索結果からの除外の3つに割り付けるだけで、その後の進み方がまったく変わります。割り付けずに社内へ回すと、照会を受けた側が何を答えればよいか分かりません。

「消してほしい」の前に、「見せてほしい」が来る

実務で多いのは、いきなり消してほしいと届く形ではありません。まず、何を持っているのかを見せてほしいという求めが先に来て、その中身を見てから消去や利用の停止の求めにつながります。受け付ける側から見ると、最初の連絡は消去の話に見えないので、別の担当が別の手続きとして処理してしまいがちです。開示の求めを切り離して扱うと、同じ相手について二度、同じ洗い出しをすることになります

開示については、2022年4月からの扱いとして、電磁的記録の提供その他の本人が請求した方法で行うことが求められるようになりました。紙に印刷して郵送する一択にしていると、その時点で求めに応じていないことになり得ます。併せて、第三者に提供した記録についても、本人が開示を求められる対象に入りました。誰にいつ渡したかを答えられない状態は、開示の段階で詰まります。渡した先の記録は、そのまま消去の工程でも使うものです。

受け付ける側の段取りとしては、開示の求めが来た時点で、その後に消去や利用の停止の求めが続く前提で動いておくのが早いです。開示のために情報の置き場所を洗い出すので、その一覧をそのまま次の工程に使えます。逆に、開示だけで完了と記録して一覧を捨ててしまうと、数週間後に届く消去の求めで、また同じ部署に同じ照会を出すことになります。洗い出しを2回やらないだけで、全体の日数はかなり縮みます

ただし、開示の求めと消去の求めを1つの回答にまとめないでください。判断の根拠が違い、断れる場面も違います。まとめて返すと、どちらについての結論なのかが読み取れず、相手からの問い返しで結局2回のやり取りになります。洗い出しは1回に、返事は別々に。この2つを分けて覚えておくだけで、件数の少ない会社でも段取りが崩れません。返す順番は、開示を先に返し、消去の結論はその後で構いません。

混ざりやすい言葉を、先に分けておく

社内の会話が止まる原因の多くは、言葉の粒度がそろっていないことです。次の5つは、同じ場面で出てくるのに指しているものが違います。関係する部署には、この分け方だけ先に配っておいてください。配っておくだけで、最初の照会の往復が1回減ります。

この話で混ざりやすい5つの言葉
  • 消去:持っている情報そのものを消すこと。復元できる形で残っていれば、消したことにならない
  • 利用停止:消さずに、使うのをやめること。記録は残るので、後から確かめられる
  • 訂正:内容が事実と違う場合に直すこと。消去とは別の求めで、確かめ方も違う
  • 第三者提供の停止:外に渡すのをやめること。すでに渡した先での扱いは別に考える
  • 検索結果からの除外:検索の会社に申し出る道。元のページは残り、他の語では出ることがある

この5つのうち、実務でいちばん取り違えられるのが消去と利用停止です。消去は戻せません。利用停止は戻せます。戻せない処理を先に選ぶと、後からやはり必要だったとなったときに何も残っていません。判断が固まらない間は、利用停止のほうを選ぶのが安全です。

5つ目だけは、自社が動かす対象ではありません。自社にできるのは、元のページをどうするかまでです。検索の結果に残るかどうかは、申し出を受けた側の判断になります。ここを一緒に説明しないと、相手の期待と食い違い、同じやり取りが何度も繰り返されます。

自社は発信者か、預かっている側か

手順が分かれるいちばん大きな軸がこれです。自社が書いて出した記事の話なのか、取引や応募で預かった情報の話なのか。同じ消してほしいでも、確かめる相手も、断れる範囲も変わります。分ける前に社内へ回すと、関係のない部署が調べ始めます。

立場何を求められているか先に確かめること断れる場面
自社が書いて出した側記事・投稿・写真の取り下げその記載は事実か、出どころは何か、いつの記載か事実で、公にする意味がいまも残っているとき
情報を預かっている側持っている情報の消去・利用の停止何の目的で取ったのか、いまも要るのか代わりの手当てを取るなら、消さなくてよい場合がある
両方に当たる記事に載せた名前と、応募のときの情報の両方どちらの話なのかを相手に確かめる立場ごとに別々に判断する
どちらでもない他社のページや検索結果の話自社が動かせる対象があるかどうか自社にできることが無い旨を、早く返す

表の2行目にある代わりの手当てについて補足します。預かっている側については、多額の費用を要する場合その他の利用停止等を行うことが困難な場合であって、本人の権利利益を保護するために必要な代替措置をとるときは、応じなくてよいとされています。ただしこれは、面倒だから断ってよいという意味ではありません。代わりに何をするのかを示す必要があります。

4行目も軽く見ないでください。自社が動かせないことを早く返すのは、断りではなく案内です。どこに言えば届くのかまで添えて返すと、その後の応酬が起きません。放っておくと、届く先が分からないまま同じ連絡が繰り返され、そのうち別の窓口にも届きます。

受け付けてから返すまでを、5つに割る

ここからが受け付けた側の実務です。5つに割ると、どこで止まっているかが見えます。止まる場所はたいてい3つ目と4つ目で、しかも止まっていること自体に誰も気づきません。

STEP1
届いた連絡を、その日のうちに1か所へ集める

問い合わせの窓口、営業の担当者、代表の電話。どこから入っても同じ場所に集めます。集める場所が決まっていないと、期限を測る起点が人によって変わります。

STEP2
本人かどうかを確かめる

確かめずに消すと、別の人の求めで情報を消すことになります。確かめすぎると、手続きが重くて本人が諦めます。どこまでやるかは、後の節で扱います。

STEP3
何を求められているのかを、請求の種類に割り付ける

消去なのか、利用の停止なのか、訂正なのか、検索結果からの除外なのか。相手の文面のままでは進みません。ここを飛ばすと、社内の照会が空振りします。

STEP4
社内で、消せる範囲と消せない範囲を確かめる

同じ情報が複数の場所にあります。どこまで届くのかを確かめずに返事をすると、後から残っていたことが分かります。

STEP5
応じる・一部応じる・断るのいずれかで返す

断る場合も返します。返さないという選択肢はありません。理由の書き方は、後の節で扱います。

3つ目で止まるのは、相手の文面が請求の形になっていないからです。消してほしいという一文だけでは、何を消すのかが決まりません。ここで一度、対象を特定するための確認を返します。確認を返した日を記録に残しておくと、期限の説明がしやすくなります。

社内で最も時間がかかるのは4つ目です。同じ情報が、営業の道具、配信の仕組み、会計の記録、外部に預けた保管先に分かれていることがあります。どこに何があるかを、請求が来てから調べ始めると、それだけで日数が過ぎます。だから4つ目だけは、請求が来る前に済ませておける工程です。

窓口を1つにしないと、期限が測れない

法令の言葉では、請求に理由があると分かったときは遅滞なく対応しなければならないとされています。開示しない、訂正等を行わない、利用停止等を行わないと決めたときも、遅滞なくその旨を本人に通知することが求められます。問題は、この遅滞なくの起点が、届いた日だということです。

窓口が分かれていると、届いた日がばらばらになります。営業の担当者が個人の受信箱で受けて2週間寝かせていた場合でも、起点はその最初の日です。受けた人が気づいていない期間も、期間として数えられます。だから窓口を1つにするのは、手間を減らす話ではなく、期間を測れるようにするための決めごとです。

併せて、事業者が公表しておくべき事項の中に、請求の手続と手数料、そして苦情の申出先が入っています。手数料は実費を勘案して合理的である範囲内で定められる、とされています。公表している手続と、実際に受けている場所が違うと、そこから説明が崩れます。年に一度、公表している内容と実際の受け口が一致しているかを確かめてください。

本人確認は、どこまでやれば足りるのか

ここに正解の一覧はありません。求められているのは本人であることを確かめることであって、特定の書類を取ることではないからです。重いほど安全、ではありません。重すぎる手続きは本人が諦める形になり、それ自体が問題になり得ます。取りすぎた書類は、こちらの持ち場を増やすだけです。

実務では、請求の内容ごとに重さを変えます。利用の停止のように戻せる処理は軽く、消去のように戻せない処理は重く。戻せるかどうかで確認の重さを決めると、社内の説明がしやすくなります。代理人からの連絡については、委任の有無を確かめる手順を別に決めておきます。決めていないと、その場で判断することになり、対応が人によって変わります。

もう一つ、確認に使った書類をそのまま保管し続けないことです。確認のために受け取った情報を、必要な期間を超えて持ち続けると、そこが新しい持ち場になります。確かめた事実と日付だけを残し、書類そのものは処理の完了とともにどう扱うかを先に決めておいてください。

消せる範囲は、社内で先に確かめておく

請求が来てから探し始めると間に合いません。あらかじめ、個人に関する情報がどこに置かれているかの一覧を作っておきます。作るのは部署ごとではなく、情報の種類ごとです。部署ごとに作ると、同じ情報が別の名前で二重に載り、消し残しの元になります。

見落とされやすいのは4つです。営業の道具に入った履歴、配信の仕組みに残った宛先、会計や契約の記録、そして外部に預けた保管先。外部に預けた先は、自社が消しても相手側に残っていることがあります。契約の中で、消去の求めをどう伝えるかを決めておかないと、ここで止まります。止まったまま返事をすると、後で消し残しが見つかります。

一覧には、消せないものと、その理由も書いておきます。法令で残すことが求められているもの、契約上の必要があるもの。理由が書かれていれば、断るときの説明にそのまま使えます。書かれていないと、請求のたびに一から確かめることになり、そのたびに日数が延びます。

断ることはできる。ただし理由の書き方で決まる

応じない決定をしてよい場面はあります。ただし、決めたら遅滞なくその旨を本人に通知することが求められます。黙って処理しないという扱いはありません。ここを知らないまま社内で止まっている連絡が、後から出てくることがあります。止めているつもりが無くても、返していなければ止めています。

理由の書き方には型があります。何を求められたか、どの範囲を確かめたか、どこまでが自社の管轄か、応じない結論とその根拠、そして次にどこへ言えるか。結論だけを返すと、同じ請求がもう一度届きます。確かめた範囲を書くことが、二度目を減らします。長く書く必要はなく、5つの見出しで各2行あれば足ります。

避けたいのは、社内の事情をそのまま理由にすることです。仕組みの制約、担当者の不在、他部署の都合。これらは相手にとって理由になりません。書けるのは、法令や契約の求め、あるいは代わりに取る手当ての内容です。書ける理由が一つも無いときは、断るという判断そのものを見直したほうが早いです。

「遅滞なく」を社内の日数に翻訳する

法令の言葉は日数を示しません。だから社内では、日数に翻訳した目安を自分たちで決めておきます。決めておかないと、誰も遅れていないのに全体として遅れる、という状態になります。この状態は、後から原因を特定できません。

目安の作り方は、工程ごとに区切ることです。受け付けてから内容の確認を返すまで、確認が返ってきてから社内の照会を終えるまで、結論を出してから通知するまで。全体の日数を1つ決めるより、工程ごとに区切るほうが守られます。どこで滞ったかが分かるので、次の請求のときに直せます。1つの日数しか決めていないと、遅れた理由が毎回違う部署の話になります。

併せて、期限を過ぎそうなときの連絡を工程に入れておきます。間に合わないこと自体より、黙って過ぎることのほうが関係を悪くします。いつまでに返すかを途中で伝えるだけで、その後の応酬がかなり減ります。伝える文面も先に作っておけば、その場で悩みません。

受付票に置く項目

ここまでの決めごとを1枚に落とします。請求が届いたときに埋める票です。項目は増やさないでください。埋まらない票は使われなくなり、使われない票は無いのと同じです。次の8項目で足ります。

項目書くことなぜ要るのか
届いた日最初にどこかへ届いた日。担当者が気づいた日ではない期間の起点になる
届いた経路問い合わせの窓口・電話・営業の担当者など窓口の集約ができているかを後で確かめる
求めの種類消去・利用の停止・訂正・検索結果からの除外のどれか進め方と照会先が決まる
対象の特定どの情報・どのページ・どの記載か特定できていない間は先へ進めない
本人確認の方法と日付何をもって確かめたか戻せない処理をする前提になる
社内で確かめた置き場所照会した先と、実際に残っていた場所消し残しを防ぐ
結論と通知した日応じる・一部・断るのどれかと、返した日遅滞なくの説明に使う
断った場合の理由相手に返した理由の写し同じ請求が来たときにそのまま使える

8項目のうち、実際にいちばん抜けるのは1行目です。担当者が気づいた日を書いてしまうと、記録の上では常に間に合っているように見えます。見えるだけで、実際の起点は動きません。届いた経路を併せて書かせると、気づいた日を書いた月がすぐ分かります。

この票は、件数が少ないうちに作っておくものです。年に1件しか来ない会社ほど、来たときに何も決まっていません。決めるのに半日もかからないので、来る前に作って、関係する部署に置き場所だけ伝えておいてください。置き場所を知らせていない票は、あっても使われません。

学習に使った後は、元を消しても答えから消えるとは限らない

ここからが、いまの実務で新しく増えた部分です。自社の情報を生成の道具に読ませている場合、元の資料を消すことと、道具が答えとして出さなくなることは、別に起きます。同じ操作では動きません。ここを知らずに消しましたと返すと、後から出てきたときに説明ができなくなります。

個人の情報を扱う側への注意喚起(2023年6月公表)では、生成の道具に個人情報を含む指示文を入れる場合には、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、そして入力した個人のデータが、その指示に対する応答を出力する以外の目的で取り扱われる場合には、法の規定に違反することとなる可能性があることが示されています。つまり、入れた時点で扱いの筋道が決まります。同じ注意喚起では、生成の道具を作って提供する側に対しても、学習用のデータを加工する前に、取り扱いに配慮が要る情報を削除するか匿名化することなどが求められています。

消去の求めが来たときに問題になるのは、入れた先が外部の道具だった場合です。自社の中の記録を消しても、外に渡した先での扱いは別に確かめる必要があります。学習に使われない設定になっていたか、保存の期間はどうなっていたか、再委託の先はどこか。契約や設定の記録が残っていなければ、この問いに答えられません。答えられない状態で断ると、断る理由自体が書けなくなります。

索引の更新と、作り直しは別に動く

社内で検索できる仕組みを作っている場合、消去は2段になります。1段目は元の資料を消すこと。2段目は、その資料を取り込んで作った索引から消すことです。2段目は自動では起きません。索引を作り直す周期によっては、消した後もしばらく答えに出続けます。

さらにもう1段あります。取り込んだ内容をもとに、答えの形そのものを作り直している場合は、作り直した側にも残ります。消した・索引を更新した・作り直した、の3つは別々の作業です。どこまでやったのかを記録に残さないと、後から消しましたと説明できません。3つのうち1つしかやっていない状態で完了と報告しているのが、いちばん多い形です。

だから、消去の工程には索引の更新までを入れておきます。何日おきに作り直しているのか、手動で走らせられるのか。この2つを先に確かめておけば、請求が来たときに、いつまでに答えから消えるかを返せます。確かめていないと、消したかどうかの話と、出なくなったかどうかの話が混ざったまま進みます。

消すか残すかをAIに決めさせない

届いた文面を読ませて、応じるべきかを判定させたくなります。ただしこの判断は、相手の事情と自社の事情の両方を材料にするもので、道具はどちらも持っていません。持っていない材料で返ってくるのは、それらしく読める一般論です。一般論を根拠に消すと、消した理由を後から説明できません。

  • 応じるか断るかの結論を出させない。材料が手元に無い状態では、道具は一般論しか返せない
  • 届いた文面から求めの種類の候補を挙げさせるのはよい。ただし、割り付けの確定は人が行う
  • 社内の置き場所の洗い出しに使うときは、挙がった場所を人が一つずつ開いて確かめる
  • 断りの文面の下書きは作らせてよい。理由の部分だけは、確かめた事実に置き換えてから出す
  • 答えさせるときは、どの資料のどこから来た記述かを併記させ、書かれた出どころは人が開いて確かめる

使いどころは、判断ではなく整理と下書きの側です。届いた文面から求めの種類の候補を挙げる、社内の照会先の一覧を作る、断りの文面の骨格を作る。いずれも、正しいかどうかを人がその場で確かめられる作業です。確かめられない作業は渡しません。

併せて、人が確認する範囲を先に決めておいてください。全文を読むのか、求めの種類と対象の特定だけを見るのか。決めずに始めると、件数が増えたころに何も見なくなります。狭く決めた確認のほうが、長く続きます。請求の受付は件数が少ないぶん、決めておかないと毎回ゼロから考えることになります。

受け付ける側がやってはいけないこと

最後に、受けた側で起きやすい失敗を挙げます。どれも悪意ではなく、段取りの不足から起きます。裏を返せば、段取りを決めておけば起きません。

  • 返事をせずに社内で止める:応じないと決めた場合でも、その旨を遅滞なく本人に通知することが求められる
  • 本人確認をせずに消す:別の人の求めで情報を消すことになり、しかも戻せない
  • 判断が固まらないうちに消去を選ぶ:戻せる利用の停止という選択肢があるのに、重いほうを先に取っている
  • 社内の都合をそのまま断りの理由に書く:相手にとって理由にならず、同じ請求がもう一度届く
  • 元の資料だけ消して、索引と外部に渡した先を確かめない:消したはずのものが答えに出続ける

5つのうち、後から最も重くなるのは2つ目です。消した情報は、消した側にも残っていません。誰の求めで消したのかを説明できない状態は、記録の面でも説明の面でも直しようがありません。消す前の1分が、後の数日を決めます。

逆に、1つ目と4つ目は、型を決めておけば起きません。返す期限の目安と、理由の書き方の型。どちらも半日で決まります。決めていない会社ほど、来たときに部署をまたいで止まり、止まっている間に起点の日だけが過ぎていきます。

まとめ

忘れられる権利という名前の条文は日本にはなく、実際に動くのは、本人からの利用の停止や消去の請求と、検索の会社への申し出の2本です。受けた側がやることは、まず自社が発信者か預かっている側かを分け、次に消去・訂正・検索結果からの除外のどれを求められているかを割り付けること。そのうえで、窓口を1か所にし、本人確認の重さを戻せるかどうかで決め、遅滞なくを社内の日数に翻訳しておきます。生成の道具に読ませた後は、元を消しても答えから消えるとは限りません。索引の更新と作り直しは別に動くので、消去の工程にそこまで入れてください。まず、受付票の8項目を1枚にするところから始めてください。半日で終わり、次に届いた連絡から使えます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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