Teams Roomsで顔と声を登録させるか|会議室AIの同意と範囲

Teams Roomsで顔と声を登録させるか|会議室AIの同意と範囲

「会議室の文字起こしに、いつの間にか私の名前が出ていた」「顔や声を登録しろと言われたが、断ってよいのか分からない」。会議室のAIが発言者を名前で書き分けるようになってから、社員からこうした声が情報システム部門に届き始めています。戸惑うのは当然で、多くの会社では設定を触った覚えがないまま機能が使える状態になっています。Teamsの管理者向けの公式資料では、顔の登録と声の登録を許す設定は、どちらも既定で「有効」です。問われているのは機能の良し悪しではありません。本当は、自社がこの既定のままでよいと決めたのかどうかです。この記事では、既定で何が開いているかの確かめ方から、部署ごとの開け閉め、社員への説明、社外の人の声、退職時の削除までを、順番に整理します。


カメ先生カメ先生

会議室のAIが名前を書き分けるのは、カメラとマイクが賢いからだと思われがちなんだ。でも本当は、社員が前もって自分の顔と声を登録しているから当てられるんだよ。


カメ子カメ子

登録していない人は、名前で書かれないということですか。


カメ先生カメ先生

そう。登録していない人は「話者1」のような番号で書かれる。だから大事なのは、登録を誰に開いて、どう説明して、いつ消すかを会社が決めているかなんだ。


カメ子カメ子

機能の設定というより、社員の顔と声をどう預かるかの話なんですね。


この記事のポイント
  • Teamsの顔の登録・声の登録・会議の音声からの声の自動登録は、いずれも既定で「許す」設定になっている
  • 許す設定でも、本人が参加を選ばなければ登録は始まらない。会議室の端末側の認識は既定で無効
  • どの部署で開くかは情報システム部門と人事が決め、AIに任せるのは社員向けの説明文と問い合わせ回答の下書きまで

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目次

顔と声の登録は、会議室のAIの「名札」になる

Teamsには、社員が自分の声と顔の特徴を登録しておく仕組みがあります。公式資料の説明では、この登録は会議の音声の質を上げ、周りの雑音やほかの人の声を抑え、Teams Roomsの端末がある会議室で、話した人の特定と、AIによる要約の正確さを高めるために使われます。

会議室では、何人もの人が1台のマイクとカメラの前に座ります。登録がなければ、文字起こしの上では全員が「話者1」「話者2」といった番号で区別されるだけです。登録済みの人が招かれた会議なら、その声や顔と照らし合わせて、発言に本人の名前が付きます。会議の要約や、会議の内容をAIに尋ねる機能も、この名前付きの記録を材料にします。

つまり顔と声の登録は、会議室のAIにとっての名札です。名札があるから「誰が何を言ったか」を後から尋ねられる一方で、名札を作るには社員一人ひとりの生体の特徴を預かることになります。便利さと引き換えに何を預かるのかを、社員が理解したうえで選べる状態にしておくことが、この記事の出発点です。

顔や声のデータを法律の上でどう扱うか、改正で何が変わるかといった一般論は、別の記事で詳しく扱っています。ここでは、Teamsの設定と社内の運用に絞って話を進めます。

既定で開いているもの、閉じているもの

まず押さえたいのは、関係する設定が2か所に分かれていることです。1つは、社員に登録を許すかどうかを決めるTeamsのAIポリシーです。もう1つは、会議室の端末が登録情報を使って人を見分けるかどうかを決める、端末側の設定です。既定の状態は、次の表のとおりです。

設定の場所設定の中身(日本語での説明)既定の状態
AIポリシー顔の登録を許す設定有効
AIポリシー設定画面から手動で声を登録することを許す設定有効
AIポリシー会議中の音声から声を自動で登録することを許す設定(2026年5月から)有効
AIポリシー自分のパソコンをつないだ会議室で話者を特定する設定有効
会議室の端末声で人を見分ける設定無効
会議室の端末顔で人を見分ける設定無効

社員側の入り口は開いていて、会議室の端末側は閉じている、というのが既定の姿です。ただし、端末側を誰かがすでに有効にしている会社もあります。表の既定と、自社の今の状態が同じとは限らないので、次の手順1で必ず確かめます。

AIポリシーは、以前は会議の設定の中にあった、顔と声をまとめて一つで切り替える設定を置き換えるものです。顔と声を別々に決められるようになったので、「声は開くが顔は閉じる」といった分け方ができます。会議室の端末で人を見分ける機能は、Teams Roomsのプロ版のライセンスが割り当てられた端末に限られ、顔で見分ける機能はウィンドウズ版の端末と対応するカメラが必要です。

許す設定でも、本人が選ばなければ登録されない

既定で有効と聞くと、社員の顔と声が勝手に集められているように感じるかもしれません。公式資料では、設定が有効でも、社員本人が参加を選ばない限り、登録は始まらないと明記されています。有効という状態は、登録の入り口が社員に見えている、という意味です。

社員は、Teamsの設定の中の「認識」の画面から参加を選びます。会議中の音声から声を自動で登録する方法、いわゆるエクスプレス登録を選ぶと、会議での発言をもとに声の特徴が少しずつ作られます。公式資料では、声の特徴ができあがるまでに通常は数回の会議が必要で、急ぐ場合は手動で登録することもできるとされています。声の登録に使える言語はインストールしたTeamsの言語で決まり、日本語にも対応しています。顔の登録には言語の条件はありません。

ここで注意したいのは、画面の案内に従って何となく参加を押した社員が、何に同意したのかを理解していない可能性です。入り口が開いている以上、会社が何も説明しないまま登録が進むことは起こりえます。既定のままにするか閉じるかを決めていないなら、それは社員に判断を丸投げしている状態です。

もう一つの特徴は、社員がいつでも参加をやめられることです。管理者が後から登録を閉じた場合でも、すでに登録した社員は自分で登録を消せます。本人が自分の登録を手放す道は、設定にかかわらず残っています。裏を返すと、公式資料の書き方からは、管理者が後から登録を閉じても、それまでに作られた登録が自動で消えるわけではないと読めます。閉じるときは、既存の登録をどうするかも同時に決めます。

登録された顔と声は、どこに置かれ、いつ消えるか

社員に説明するうえで欠かせないのが、預かったデータの置き場所と消え方です。公式資料によると、声のデータはマイクロソフトのクラウド上の、自社のテナントの中の保管領域に置かれます。顔と声の特徴を、モデルの学習やこの機能以外の目的に使うことはないとも明記されています。

消え方は3通りです。社員が参加をやめると、その場で消えます。会社が社員のTeamsのアカウントを削除すると、90日以内に消えます。1年間使われなかった登録は自動で消えます。消えた後で機能を使うには、登録をやり直す必要があります。

声の分離の機能を自分の端末で使っている場合は、声の特徴の写しが暗号化されて端末に置かれ、14日で期限が切れて新しい写しに置き換わるとされています。また、手動で登録した場合は、登録に使った録音や顔の画像を本人が書き出せます。会議中の音声から自動で作った場合は録音が残らないため、書き出しのボタンは出ません。

書き出せるのは本人だけで、管理者は書き出せません。一方で管理者は、Teamsの管理センターで社員ごとの登録の状況を見て、登録を削除できます。削除はできるが中身は取り出せない、という線引きは、社員への説明でそのまま使える材料です。

手順1:いま何が有効かを確かめる

最初の作業は、表の既定ではなく自社の今の状態を確かめることです。AIポリシーはパワーシェルという管理用のコマンドの画面からしか操作できないと公式資料に書かれているので、Teamsの管理者に依頼して、全社向けの設定と、部署ごとに作った設定の一覧を出してもらいます。

STEP1
AIポリシーの4つの設定を読む

全社向けの既定の設定と、ほかに作られた設定のそれぞれで、顔・手動の声・自動の声・自分のパソコンでの話者特定が有効か無効かを一覧にします。

STEP2
会議室の端末の設定を読む

プロ版の管理画面か各端末の設定画面で、声と顔で人を見分ける設定が端末ごとにどうなっているかを確かめます。

STEP3
登録の状況を数える

Teamsの管理センターで、すでに顔や声を登録している社員が何人いるかを確かめます。

STEP4
過去の変更の経緯を集める

以前に声の登録を閉じていたかどうかを確かめます。閉じていた会社では、新しい自動登録の設定も一度だけ同じ無効の状態に写されているはずです。

4つ目は見落とされやすい点です。公式資料では、以前に声の登録を無効にしていた組織は、会議の音声からの自動登録が始まるときに、同じ無効の状態が一度だけ写されるとされています。逆に言えば、以前に何もしていなかった会社では、自動登録が有効のまま始まっている可能性が高いということです。声の登録を完全に止めたいなら、手動と自動の2つの設定を両方とも無効にする必要があります。

確かめた結果は、一枚の表にまとめて情報システム部門と人事で共有します。この表が、次の手順で部署ごとの判断をするときの出発点になります。

手順2:部署ごとに開く・閉じるを決める

AIポリシーは、全社に一律で当てるだけでなく、特定の社員や集団ごとに別の設定を割り当てられます。つまり「全社で開く」か「全社で閉じる」かの二択ではなく、部署や役割ごとに開け閉めを分けられるということです。

判断の軸は、その部署の会議で名前付きの記録がどれだけ役に立つかと、その部署の会議で扱う情報の重さです。たとえば、多くの人が出る定例の会議を会議室から行う営業や開発の部署では、誰が何を言ったかが記録に残る価値が大きくなります。一方、個人の評価や健康、処遇を扱う会議が多い部署では、名前付きの記録が残ること自体が負担になります。設定は、全社向けの既定を一つと、例外を一つか二つにとどめると管理が楽です。細かく作りすぎると、異動のたびに割り当ての付け替えが発生し、手順5の見直しの手間が増えます。

決めるのは情報システム部門だけではありません。どの部署で開くかは、情報システム部門と人事が一緒に決めるのが筋です。情報システム部門は設定と技術の制約を知っていて、人事は社員の受け止め方と、会議で扱われる情報の重さを知っているからです。

また、設定を割り当ててから効き始めるまでには時間がかかります。公式資料では、設定の割り当ては反映まで最大48時間かかることがあり、早く反映させるには一度サインアウトして入り直す必要があるとされています。切り替えの日を社員に告知するときは、この遅れを見込んでおきます。

人事と役員の会議室をどう扱うか

部署ごとの判断で特に迷うのが、人事の面談に使う部屋と、役員会議に使う部屋です。ここでは、社員への登録を開くかどうかとは別に、会議室の端末側で人を見分ける機能を切っておくという手があります。

会議室の端末には、声で人を見分ける設定に3つの状態があると公式資料は説明しています。見分けない、登録済みの人の名前を付ける、名前は付けずに「話者1」「話者2」と区別だけする、の3つです。区別だけする状態にすると、登録の有無にかかわらず、その部屋の記録には名前が出ません。

人事の面談室のように、誰が出席したかも含めて慎重に扱うべき部屋では、見分けない設定か区別だけの設定にしておくと、社員が登録していても部屋の記録に名前が残りません。社員の登録を開く判断と、部屋ごとに名前を付けるかの判断を分けられるのが、この仕組みの使いどころです。

なお、会議室の端末側の設定は、管理画面の端末設定で行う方法と、会議の設定で行う方法があります。公式資料では、会議の設定で行う方法は将来廃止されるとして、端末の設定を使うことが勧められています。これから決める会社は、最初から端末の設定の側でそろえておくと、後の手戻りがありません。

手順3:社員への説明と、同意の取り方

登録を開く部署が決まったら、社員に説明します。ここで大事なのは、仕組みの上ではすでに本人が参加を選ぶ形になっている点を、会社の説明で補うことです。画面の案内だけでは、社員は何を預けるのか、断ったら何が起きるのかを知らないまま選ぶことになります。特に会議中の音声から自動で作る方式は、参加を選んだ後は会議に出るだけで声の特徴が育っていくため、参加を押した瞬間の意味が手動の登録より分かりにくくなります。

説明の順番は、何に使うか、何を預かるか、どこに置かれていつ消えるか、断ったらどうなるか、やめたいときはどうするか、の5つです。特に「断ったらどうなるか」は必ず書きます。登録しない人は記録で番号表記になるだけで、会議に出られなくなるわけではありません。断っても不利益がないことを会社として明言することが、自由な選択の前提になります。

同意の記録をどう残すかも決めておきます。Teamsの管理センターでは登録の状況は見られますが、社員が会社の説明を読んだかどうかは分かりません。社内の説明ページに確認の欄を設ける、部署の会議で説明した日と出席者を残す、といった形で、説明をした事実を別に残しておくと、後から問い合わせを受けたときに経緯を示せます。

同意書の一般的な形や、法律上どこまでの同意が要るかは、この記事の範囲を超えるので別の記事に譲ります。ここで押さえるのは、Teamsの仕組みに合わせて、説明の中身を具体的な設定と消え方に結びつけて書くことです。

説明文に必ず入れる6つのこと

社員向けの説明文は、抽象的な安心の言葉を並べるより、Teamsの仕組みに沿った事実を短く並べるほうが伝わります。公式資料で確かめられる範囲から、入れるべき6つを挙げます。

  1. 使いみち:会議室での発言者の特定、雑音やほかの人の声を抑える機能、会議の要約の正確さ
  2. 預かるもの:顔の特徴と声の特徴。手動で登録した場合は登録時の録音と顔の画像も残る
  3. 置き場所:マイクロソフトのクラウド上の自社のテナント内。学習には使われない
  4. 消え方:参加をやめると即時、アカウント削除から90日以内、1年使わなければ自動
  5. 断った場合:記録では番号で表示されるだけで、会議への参加に影響はない
  6. やめ方:Teamsの設定の「認識」の画面から、いつでも本人が消せる

この6つは、説明文の骨組みとして使えます。部署ごとに開け閉めを分けた会社なら、「あなたの部署では登録を開いています」「開いていません」という一文を冒頭に加えると、社員は自分が対象かどうかをすぐに判断できます。

説明文の下書きは、生成AIに任せてもかまいません。ただし、AIに書かせるときは、上の6つの事実を材料として渡し、材料にない機能や保存期間を書き足させないことが条件です。仕上がった文面は、情報システム部門が事実の誤りを、人事が言い回しを確かめてから配ります。AIは既定値や期間をもっともらしく書き換えることがあるので、数字の入った一文は公式資料と一つずつ突き合わせます。

手順4:社外の参加者の声の扱い

会議室の会議には、取引先や協力会社の人が加わることもあります。社外の人の声がどう扱われるかは、社員への説明とは別に決めておく必要があります。

まず仕組みの面では、会議室で名前が付くのは、登録を済ませていて、かつその会議に招かれている人です。公式資料のよくある質問では、テナントをまたいでデータを取りに行くことには対応しておらず、自社のテナントのデータだけを使うとされています。そのため、他社の人は、たとえ自分の会社で登録していても、自社の会議室では番号で表示されると考えるのが自然です。

ただし、名前が付かなくても、社外の人の発言は文字起こしの対象になり、声の分離の処理も受けます。会議室の記録が残ることと、記録が要約に使われることは、社外の人にも事前に伝えておくべき事柄です。会議の冒頭で、文字起こしと要約を使うことを告げる運用を決めておくと、相手が断る機会も作れます。

社外の人が多く出る会議、たとえば商談や採用の面接に使う部屋では、手順2と同じ考え方で、部屋の端末の設定を区別だけの状態にしておく選択もあります。社外の人に名前が出ないのは同じでも、社内の出席者の名前も出ないので、記録の扱いが一段軽くなります。

自分のパソコンをつないで参加する会議室の扱い

Teams Roomsの端末がない会議室でも、社員が自分のノートパソコンを会議室のスピーカーマイクにつないで会議を開くことがあります。公式資料では、こうした部屋でも話者の特定ができ、その場合は部屋の主催者にあたる、パソコンをつないだ人がTeamsの上位版かコパイロットのライセンスを持っていることが条件だとされています。

AIポリシーには、この形の部屋で話者を特定するかどうかを決める設定があり、既定は有効です。専用の端末がないぶん、情報システム部門が部屋の設定を管理できないので、専用の会議室より管理の目が届きにくいという特徴があります。人事や役員の会議を、端末のない小部屋にパソコンを持ち込んで行う場合、手順2で閉じたつもりの部屋の外で名前付きの記録が残ることになります。

このため、特定の部署で登録を閉じる判断をしたなら、その部署の社員には、この形での話者特定の設定も合わせて無効にするかを検討します。公式資料でも、この設定は、こうした場面での声のデータの扱いを管理者が制御できるようにするためのものだと説明されています。

この形の部屋では、専用の端末に比べて文字起こしと話者特定の質が下がることがあるとも公式資料は書いています。品質の面からも、重要な会議を無理にこの形で行う理由は小さい、と社員に伝えておくとよいでしょう。

手順5:退職・異動時の削除と、登録状況の見直し

最後の手順は、預かったデータを手放すときの決まりです。公式資料の仕組みでは、アカウントを削除してから90日以内に登録は消えます。ただ、退職者のアカウントをしばらく残す運用の会社では、その間は登録も残り続けます。退職の手続きの中に、登録の削除を一行加えておくと、アカウントの扱いに左右されずに済みます。

異動も同じように考えます。登録を開いている部署から閉じている部署へ移った社員は、設定の上では新たな登録ができなくなりますが、すでにある登録は残ります。本人が消すか、管理者が管理センターで消さない限り、閉じた部署の会議室でも名前が付く可能性があります。異動の連絡を受けたら、登録を残すかどうかを本人に確かめる流れを作っておきます。管理者が削除した場合も、本人が再び機能を使うには登録のやり直しが必要になるので、削除した旨を本人に伝えておくと、後の問い合わせが減ります。

登録の状況は、定期的に見直します。管理センターで登録している社員の一覧を出し、退職者や、登録を閉じた部署の社員が残っていないかを確かめます。半年に一度など頻度を決め、見直した日と、削除した件数を記録しておくと、社員への説明とも整合が取れます。

1年使われなかった登録は自動で消える仕組みもありますが、これは見直しの代わりにはなりません。会議に出ている限り登録は使われ続けるので、自動の削除に頼ると、閉じた部署に移った社員の登録がいつまでも残ることがあります。

名前が出ない、違う人の名前が出るとき

運用を始めると、「登録したのに名前が出ない」という問い合わせが必ず来ます。公式資料には、会議室で名前が付くための条件がいくつも書かれているので、問い合わせを受ける担当者はこれを手元に置いておくと対応が早くなります。

  • 本人が登録を済ませ、その会議に招かれているか(招かれていない人には名前が付かない)
  • 会議で文字起こしが有効になっているか(文字起こしがないと特定も行われない)
  • 会議室の端末で、声で人を見分ける設定が有効か
  • 会議の主催者のメールボックスがクラウド上にあるか(社内設置型や他社のカレンダーは対象外)
  • 設定を変えてから48時間以内ではないか

公式資料は、正確さのために会議室の中の人数を10人程度までに抑えることを勧めており、登録済みの招待者は50人までという上限もあります。また、会議室の端末が名前を当て始めるのは、会議室の端末以外の誰かが会議に参加してからだと書かれています。会議室の端末だけで始めた会議で名前が出ないのは、この仕様によるものです。大人数の会議で名前の付き方が乱れる場合は、仕組みの限界として受け止め、重要な発言は議事録の担当者が名前を確かめる運用にしておきます。

違う人の名前が付いた記録は、そのまま要約に流れ込みます。発言の取り違えが問題になる会議では、要約をそのまま配らず、出席者が確かめてから共有する決まりを置いておくと、誤った名前が社内に広がるのを防げます。

AIに任せるのは、説明文と問い合わせ回答の下書きまで

この一連の手順の中で、生成AIが役に立つ場面は限られています。社員向けの説明文と、問い合わせへの回答の下書きがその中心です。どの部署で登録を開くか、どの部屋で名前を付けるかは、情報システム部門と人事が決めます。AIに判断させることではありません。

問い合わせの回答の下書きでは、AIに公式資料で確かめた事実だけを渡し、回答の根拠がどの事実にあたるかを書かせます。たとえば「退職したら登録はどうなるか」という問いには、アカウントの削除から90日以内という事実と、自社の退職の手続きで削除する決まりの両方を材料にして答えさせ、担当者が確かめてから送ります。

  • AIに「顔と声の登録を開くべき部署はどこか」を決めさせる
  • 公式資料を渡さずに、AIの知識だけで保存期間や削除の仕組みを書かせる
  • AIが書いた説明文を、情報システム部門と人事の確認なしに全社へ配る
  • 社員の個別の事情に関する問い合わせへの回答を、AIの下書きのまま送る

人が確認する範囲は、先に決めておきます。説明文は全文を二つの部門が確かめる、定型の問い合わせは担当者が一件ずつ確かめてから送る、個別の事情が絡む問い合わせはAIを使わず人事が直接答える、といった具合です。

設定前の確認項目一覧

最後に、設定を変える前、あるいは既定のままにすると決める前に、社内で答えを出しておくべき項目を並べます。

  • AIポリシーの4つの設定が、全社と部署ごとにどうなっているかを一覧にしたか
  • 会議室の端末ごとに、声と顔で人を見分ける設定の状態を確かめたか
  • すでに登録している社員の人数を把握したか
  • 登録を開く部署と閉じる部署を、情報システム部門と人事で決めたか
  • 人事の面談や役員会議の部屋で、名前を付けない設定にするかを決めたか
  • 声の登録を止める部署で、手動と自動の2つの設定を両方とも無効にしたか
  • 社員向けの説明文に、使いみち・預かるもの・置き場所・消え方・断った場合・やめ方を入れたか
  • 社外の人に文字起こしと要約を使うことを告げる運用を決めたか
  • 退職と異動の手続きに、登録の削除と確認を加えたか
  • 登録状況を見直す頻度と、記録の残し方を決めたか

10項目のうち、最初の3つは今日にでも確かめられる事実の確認です。残りの7つは判断と運用の問題なので、確かめた事実をもとに二つの部門で話し合って決めます。既定のままにすると決めた場合も、その判断をした日と理由を残しておくことが、社員への説明責任につながります。

  • この記事の設定と既定値は、2026年9月時点のマイクロソフトの管理者向け公式資料に基づきます。設定の名前や既定値は変わることがあるため、変更の前に最新の資料を確かめてください。
  • 話者を分ける精度や録音の機材、ウェビナーの要約の配り方は、別の記事で扱っています。

まとめ

Teamsの顔と声の登録は、会議室のAIが「誰が話したか」を当てるための名札で、登録を許す設定は既定で有効になっています。ただし、本人が参加を選ばなければ登録は始まらず、会議室の端末で人を見分ける設定は既定で無効です。まず今の状態を確かめ、部署ごとに開け閉めを決め、社員に使いみちと消え方を説明し、社外の人の声の扱いと、退職・異動時の削除を決める。この5つの手順を踏めば、既定のままにするにせよ閉じるにせよ、会社として選んだ状態になります。AIには説明文と回答の下書きまでを任せ、どこで開くかの判断は情報システム部門と人事が持ちます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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