Sales MarkerのAIは2つの型|アポ獲得か攻略か

「Sales MarkerがAIを2種類そろえたと聞いたが、うちはどちらを入れればいいのか」「アポ獲得のAIと攻略のAIは、結局どこが違うのか」。営業支援の道具が一斉にAIをうたい始めた今、比べ方が分からないまま商談の日程だけが決まっていく、という声は少なくありません。選ぶ基準は、機能の多さではありません。本当は、自社の営業がつまずいているのが「会う相手の数」なのか「一社の中の深さ」なのかで決まります。この記事では、公式の発表で確かめられる2つの型の中身と、どちらから入れるか、AIの推定をどこまで信じるか、人が持つ判断の線引きを整理します。
カメ先生営業のAIは、入れれば勝手に商談が増えるものだと思われがちなんだ。でもSales Markerのものは、はっきり2つの型に分かれていて、効く場面が違うんだよ。
カメ子アポを取るためのAIと、大きな会社を攻めるためのAIは、別物ということですか。
カメ先生そう。前者は「誰に、いつ、どの経路で当たるか」を決める道具で、後者は「一社の中で誰が決めていて、どこまで話が進んでいるか」を読む道具なんだ。
カメ子だから先に、自分たちの営業がどちらでつまずいているかを見ないといけないんですね。
- Sales MarkerのAIチョイスは、アポ獲得の型とアカウント攻略の型の2つで、2026年6月3日に本格展開が発表された
- 新規開拓の量が足りないならアポ獲得の型、大手一社の攻略が進まないなら攻略の型から入れるのが筋
- AIに任せるのは候補の洗い出しと打ち手の提案まで。温度感の最終判断と、送る相手・文面の承認は人が持つ
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AIチョイスは、営業の課題ごとに選ぶ2つの型
Sales Markerは、2026年6月3日の公式発表で、営業の課題ごとに合うAIを選んで使う「AIチョイス」の本格展開を始めたと公表しました。発表の背景として挙げられているのは、顧客理解がより深く求められる一方で、道具やデータが分断され、キーマンを見つけるだけで時間がかかっているという営業現場の事情です。営業組織ごとに必要なやり方が違い、ひとつの道具で全部を最適にするのが難しくなっている、というのが会社側の問題意識です。
そこで用意されたのが、アポイントの獲得を支える型と、大口の顧客一社を攻略する型の2つです。公式の製品名では、前者が「AIアポイントメント」、後者が「AIアカウントプラン」と呼ばれています。どちらも同じ会社の同じ基盤の上で動きますが、扱う問いがまったく違います。
アポ獲得の型が答えるのは「次にどの会社へ、いつ、どの経路で当たるか」です。攻略の型が答えるのは「すでに接点のある一社の中で、誰がどう決めていて、次に何を打つか」です。前者は面を広げる道具、後者は一点を深く掘る道具と言い換えられます。
この記事では、両方を比べたうえで、どちらから入れるかを決めるための材料を並べます。インテントデータそのものの仕組みや種類、会社が特定できる理由は別の記事で詳しく扱っているので、ここでは触れません。
アポ獲得の型:誰に、いつ、どの経路で当たるか
アポ獲得の型について、公式サイトは「誰にアプローチするか」という判断と「どう動くか」という実行をつなぐものだと説明しています。発表で示された機能は3つです。インテントデータを使って見込みのある企業を特定すること、メールや問い合わせフォーム、SNSなど複数の経路で適した時機に接触すること、営業のデータから再現できる接触の型を蓄積することです。3つ目の型の蓄積は、どんな相手に、どの経路と切り口で当たったときに会話が始まったかを残し、次の提案に生かすものと読めます。うまくいった当たり方が担当者の頭の中だけに残る属人化を防ぐことを、会社側は目的の一つに挙げています。
ここで大事なのは、AIが出すのが「リスト」だけではない点です。公式サイトには、アプローチすべき企業の特定に加えて、最適な経路と時機の提案が並んでいます。つまり候補を出すだけでなく、打ち手の順番まで提案するところまでが、この型の守備範囲です。
候補の根拠になるのは、発表の言葉では、検索の行動、ウェブ上の動き、企業の情報、商談のデータ、業界の動向を横断して読み解いた結果です。今まさに何かを調べ始めた会社を早く見つける、という考え方で、リストの上から順に電話をかけるやり方とは出発点が違います。
一方で、発表の文面から分かるのは機能の枠組みまでです。どの行動を何点と見るか、どの経路を選ぶ基準は何か、といった中身は公開されていません。導入を検討するなら、提案の理由が画面でどこまで見えるかを、デモの段階で必ず確かめてください。
攻略の型:組織図と温度感と、商談の中身
攻略の型は、公式サイトの説明では、顧客の「意思決定構造」と「キーマンごとの温度感」をつかみ、次に打つべき一手をはっきりさせるものです。発表では、3つの機能で構成されると書かれています。
1つ目は商談データの解析です。会議の録画から議事録をつくる「AIミーティング」の仕組みを使い、話の要点、相手が口にした懸念、意思決定に関わる情報を取り出します。2つ目は「パワーチャート」で、相手の組織の構造、誰の影響力が強いか、稟議がどう流れるか、キーマン同士の関係を図にします。議事録から懸念を拾う機能は、担当者が聞き流した一言を後から拾い直せる点に価値がありますが、録画に残らない会話、たとえば商談後の立ち話や電話の中身は材料に入りません。
3つ目は提案書の自動生成です。相手企業の投資家向けの開示情報や業界の動向を取り込み、経営層向けと現場の担当者向けで中身を分けた資料をつくるとされています。大手の攻略で手間がかかる「同じ話を相手の階層ごとに言い換える作業」を肩代わりする狙いです。
計画そのものに何を書くか、たとえば接点の数や止める条件の決め方は、道具とは別の問題です。攻略の型は計画を埋める材料を集めて図にする道具であり、計画の良し悪しを決めてくれるものではありません。この点は後の節で、人が持つ判断としてもう一度扱います。なお、提案書の自動生成を使う場合も、相手企業の数字や事業の説明に誤りがないかを、開示情報の原文と突き合わせてから出すのが前提です。
2つの型を動かす、複数のAIエージェント「オルカ」
2つの型の下で動いているのが、Sales Markerが「オルカ」と呼ぶ仕組みです。発表では、複数のAIエージェントが役割を分担し、並行して処理を進める「タスクのオーケストレーション」を行うと説明されています。調べる、分析する、資料をつくるという作業を別々のAIが同時に進め、最後に一つの成果物にまとめる形です。
営業の現場から見ると、この仕組みの意味は「待ち時間が短くなる」ことにあります。これまでなら、相手企業の調査、過去の商談の読み返し、提案の骨子づくりを一人の担当者が順番にこなしていました。オルカはそれを並べて走らせるので、一社あたりの下準備にかかる時間が縮む、というのが会社側の説明です。
会社側は、オルカについて「メガバンク基準のセキュリティ」と「戦略コンサルティング水準のリサーチ力」を備えるとうたっています。ただし、これは会社自身による表現です。自社の情報管理の基準に照らして合格かどうかは、自社で確かめる必要があります。商談の録画を預けるなら、保存先、保存期間、学習に使われるかの3点は契約前の質問に入れてください。
複数のAIが分担するということは、途中のどこかで誤った前提が入ると、それを引き継いだまま資料が仕上がる恐れもあるということです。成果物だけを見て判断せず、どの情報を根拠にしたのかを必ず表示させる運用にしておくと、誤りを途中で見つけやすくなります。
8月に加わった、ハウスリストへの配信
2026年8月4日には、自社が持っている見込み客の名簿、いわゆるハウスリストの全体に継続して配信できる新しいメールの機能が発表されました。それまでの一連の接触を組む機能は、個別の企業への当たり方に限られていたと会社側は説明しています。
新しい機能の特徴は、一斉配信ではない点です。受け取る人ごとの検討の状況に応じて、文面と送る時機が自動で変わるとされています。検索、ドメイン、サイトへの訪問という複数の兆しを組み合わせて「いま検討が動いている人」を見極め、開封やクリックの反応を個人単位の兆しとして積み上げる、という仕組みです。
この機能は、アポ獲得の型と組み合わせると意味が大きくなります。新しく見つけた会社への接触と、過去に名刺交換をした人への継続的な接触を、同じ兆しの読み方でつなげられるからです。展示会やウェビナーで集めたまま眠っている名簿を持つ会社にとっては、検討材料が一つ増えたことになります。
ただし、配信の数や到達の制約を受けないという会社側の説明があっても、送ってよい相手かどうかの確認と、配信を止める手段の用意は送る側の責任です。自動で文面が変わる仕組みほど、どんな文面が出ていくのかを事前に人が見られるようにしておく必要があります。
2つの型は何が違うか、表で比べる
ここまでの内容を、選ぶときに見るべき項目で並べ直します。公式の発表とサイトで確かめられた範囲だけを書き、料金など公開されていないものは載せていません。
| 比べる項目 | アポ獲得の型 | 攻略の型 |
|---|---|---|
| 答える問い | 次にどの会社へ、いつ、どの経路で当たるか | 一社の中で誰が決め、次に何を打つか |
| 主な材料 | 検索の行動・ウェブ上の動き・企業の情報 | 商談の録画・組織の情報・開示情報 |
| 出てくるもの | 候補の企業、経路と時機の提案、文面 | 組織図、キーマンの関係、議事録、提案書 |
| 向く課題 | 新規の商談の数が足りない | 大口の案件が進まない・担当が代わると止まる |
| 主に使う人 | インサイドセールス | フィールドセールスと責任者 |
| 人が確かめること | 送る相手と文面 | 組織図の推定と温度感の読み |
表を見ると、2つの型は同じAIでも使う人も、確かめる中身も違うことが分かります。どちらか一方だけを入れる会社もあれば、両方を段階的に入れる会社もあるはずですが、同時に全部を立ち上げると、どの数字が何の効果なのかが見えなくなります。
表の「主な材料」の行にも差があります。アポ獲得の型は、主に外から観測できる動きを材料にするので、導入した直後から候補が出てきます。攻略の型は、商談の録画や自社が持つ接点の記録を材料にするので、自社のデータがたまるまで精度が上がりにくいという性質があります。立ち上がりの早さを重視するか、蓄積による深さを重視するかも、選ぶ観点の一つです。
選ぶ前に、自社の直近半年の商談を並べてみるのが近道です。失注した案件の多くが「そもそも会えていない」段階で止まっているのか、「会えているのに社内の稟議で止まる」段階で止まっているのかで、どちらの型が効くかがほぼ決まります。
先に入れるのはどちらか:量の課題か、深さの課題か
判断の軸は一つです。足りないのが「会う相手の数」なら、アポ獲得の型から入れます。見込みのある会社の候補が毎週どれだけ出てきて、そのうち何社と会話が始まったかという流れが細い会社は、攻略の道具を入れても攻略する相手がいません。
逆に、会えている会社の数は足りているのに、大口の案件が決裁の手前で止まる、担当者が代わると話が振り出しに戻る、という会社は攻略の型から入れます。組織図とキーマンの関係が見えていないまま、担当者一人の感触で案件を進めていることが多いからです。
迷ったときの目安として、次の3つを数えてみてください。月に新しく始まる商談の数、大口の案件一件あたりに関わる相手側の人数、失注理由に「決裁者に届かなかった」が占める割合です。1つ目が目標に届いていないなら量の課題、2つ目と3つ目が大きいなら深さの課題です。数えるときは担当者の感覚ではなく、商談の記録から数えるようにします。
両方の課題を抱えている会社もあります。その場合も、同時に始めるより、どちらかで3か月ほど運用して数字の動きを確かめてから、もう一方を足すほうが、効果の切り分けがしやすくなります。
アポ獲得の型が合う会社、合わない会社
アポ獲得の型が合うのは、狙う市場の会社数がある程度多く、どの会社が今検討しているかが分かれば打ち手が変わる会社です。たとえば、業種を問わず使われる業務システムを売っていて、検討が始まった瞬間に声をかけられるかどうかで勝率が変わる商材がこれに当たります。
反対に、狙う会社が数十社に限られていて、すでに全社と接点がある会社には、この型の出番は小さくなります。新しい候補を見つけるより、今ある接点を深めるほうが先だからです。この場合は攻略の型か、そもそも道具より計画の見直しが先かを考えます。
もう一つの条件は、提案された経路と時機で実際に動ける人がいることです。AIが「今週この会社にメールを」と出しても、動く人がいなければ提案は積み上がるだけです。インサイドセールスの人数と一日に扱える件数を先に数えておきます。
また、提案された文面をそのまま送る運用を前提にすると失敗しやすくなります。文面の支援は下書きとして受け取り、自社の言葉づかいと、相手の業界の事情に合わせて人が直す時間を、最初から工程に組み込んでおきます。
攻略の型が合う会社、合わない会社
攻略の型が合うのは、一件の金額が大きく、相手側で複数の部署と役職が決裁に関わる商材を扱う会社です。現場の担当者は乗り気でも、情報システム部門や経営層の判断で止まる、という経験が多い会社ほど、組織図と影響力の見える化が効いてきます。
商談の録画を解析する機能を使うには、そもそも商談を録画していることが前提になります。オンラインの商談を録画する習慣がない会社、相手に録画の断りを入れる運用が決まっていない会社は、道具より先にその運用を整える必要があります。
合わないのは、一件の金額が小さく、担当者一人の判断で決まる商材が中心の会社です。組織図を描くほどの相手がいないので、攻略の型の強みが生きません。この場合は、アポ獲得の型で面を広げるほうが投資の筋が通ります。
もう一つ見落とされやすいのが、攻略の計画を誰が見直すかです。AIがつくった組織図や提案書が、担当者の手元で止まったまま四半期が過ぎる、という形骸化はよく起きます。責任者が月に一度その図を開いて問いを投げる場を決めてから入れてください。
AIの推定をどこまで信じるか:温度感と組織図
攻略の型が出す「キーマンの温度感」と「組織図」は、どちらもAIの推定です。商談の録画での発言や、公開されている情報から組み立てたものなので、相手の社内の本当の力関係や、発言しなかった人の本音までは写りません。ここを事実として扱うと、判断を誤ります。
実務では、AIの推定を3段階に分けて扱うと混乱が減ります。1段階目は「公開情報や議事録で裏が取れた事実」、2段階目は「AIが推定し、担当者も同じ感触を持っている仮説」、3段階目は「AIだけが言っていて、誰も確かめていない推定」です。3段階目のまま提案の方針を決めない、というルールを一つ置くだけで、誤った前提で動く事故が減ります。
温度感の読みは、特に注意が要ります。会議で前向きな言葉を多く口にした人が、社内では決定権を持たないことはよくあります。AIには温度感の数字だけでなく、どの発言を根拠にそう判断したのかを必ず書かせるようにし、担当者がその根拠を読んで納得できるかを確かめます。
組織図も同じです。部署の名前や役職が古い情報のまま残っていることがあるので、次の商談で相手に直接確かめる項目の一覧に変えて使うのが安全です。AIの図は答えではなく、次の商談で聞くべき問いの下書きとして使うと、推定の弱さがそのまま強みに変わります。
配信の実行をAIに渡すか
アポ獲得の型とハウスリストへの配信は、提案だけでなく実行まで仕組みの中でつながっています。ここで決めなければならないのは、送る相手と文面の最終的な承認を誰が持つかです。結論から言うと、送る相手と文面の承認は、最初から最後まで人が持つのが基本です。
理由は3つあります。1つ目は、送ってよい相手かどうかの判断に、自社の過去の取引や係争、相手からの配信停止の申し出といった、AIが知らない事情が絡むことです。2つ目は、文面の誤りが会社の信用に直結することです。3つ目は、自動で文面が変わる仕組みでは、問題のある文面が出ても気づくのが遅れやすいことです。
段階的に任せる範囲を広げるなら、次の順番が現実的です。最初はAIの提案を一件ずつ人が承認して送る。次に、承認済みの文面の型から外れない範囲だけ自動で送り、型から外れるものは人に回す。全件の自動送信は、半年以上の運用で誤りの傾向がつかめてから検討します。
- AIが選んだ送り先を、中身を見ずに一括で承認する
- 文面の型を決めずに、毎回AIが自由に書いた文面を送る
- 配信を止めたいという申し出を受ける窓口と、止める手順を決めていない
- 誰が承認したかの記録を残さず、問題が起きたときに経緯を追えない
上の例のどれか一つでも当てはまるなら、実行をAIに渡す段階ではありません。承認の手順と記録の残し方を先に決めてから、任せる範囲を一段ずつ広げていきます。
インサイドセールスとフィールドセールスの分担
2つの型を両方使うなら、社内の誰がどちらを受け持つかを先に決めておきます。自然な分け方は、アポ獲得の型をインサイドセールスが、攻略の型をフィールドセールスと責任者が使う形です。ただし、この線を引くだけでは足りません。問題が起きやすいのは、2つの型の境目です。
境目とは、インサイドセールスが初回の商談を設定した会社が、大口の案件に育ちそうだと分かった瞬間です。この時点で、アポ獲得の型が集めた兆しの情報と、初回の会話の中身を、攻略の型の側に引き継ぐ必要があります。引き継ぎが口頭だけだと、せっかくの材料が消えます。
金額、相手側の関係者の人数、決裁の段階など、どの条件を満たしたら攻略の型で扱うかを、責任者が一行で決めておきます。
検知した兆し、初回の商談の議事録、相手が口にした懸念の3点を、必ず引き継ぐ材料として決めます。
攻略の型が出した組織図を、インサイドセールスとフィールドセールスが一緒に見て、初回の会話と食い違う点を洗い出します。
同じ会社に二人が別々に連絡する事故を防ぐため、切り替えた時点で窓口を一人に絞ります。
逆向きの引き継ぎも決めておきます。攻略の型で追っていた案件が止まった、あるいは失注した場合、その会社を再びアポ獲得の型の側に戻し、次に兆しが出たときに気づけるようにします。失注した会社を名簿から消さず、兆しを待つ側に戻すだけで、半年後や一年後の再検討を拾える可能性が残ります。戻すときには、失注の理由と、次に声をかけるなら誰に何を伝えるかを一行ずつ書き添えておきます。
この4段を決めておくと、2つの型が別々の道具として孤立せず、一社の検討の始まりから決裁までを一続きで追えるようになります。
効果を見る数字は、型ごとに変える
2つの型は答える問いが違うので、効果を見る数字も分けます。同じ数字で両方を評価すると、どちらの型が効いているのかが分からなくなります。
アポ獲得の型で見るのは、AIが出した候補のうち実際に接触した割合、接触した会社のうち会話が始まった割合、そこから商談になった割合の3つです。特に1つ目が低い場合は、道具ではなく動く人の人数か、提案を受け取る運用に問題があります。候補の数だけを追うと、動かない候補の山が成果に見えてしまうので注意します。
攻略の型で見るのは、大口の案件一件あたりで接点を持てた相手側の人数、決裁者と直接話せた案件の割合、案件が次の段階に進むまでの日数です。組織図が見えるようになっても、接点を持つ相手が増えなければ効果は出ていません。アポ獲得の型では、候補が出てから最初の接触までの日数も見ておくと、兆しを捉えても動きが遅れて時機を逃していないかが分かります。
どちらの型でも、導入前の3か月の数字を先に取っておくことが大切です。比べる前の数字がないと、効果があったのかどうかを後から判断できません。受注の金額は結果が出るまでに時間がかかるので、最初の評価は途中の段階の数字で行い、受注は半年から一年の単位で見ます。
AIに判断させないことと、根拠を書かせること
2つの型のどちらを選んでも、AIの使いどころは候補の洗い出しと、打ち手の提案までです。どの会社を優先するか、どのキーマンが本当に鍵を握っているか、どの文面で誰に送るかという判断は、人が持ちます。道具がどれだけ賢く見えても、この線は動かしません。
人が判断するためには、AIの提案に根拠が付いている必要があります。候補の企業なら「どの兆しを見て今が時機だと判断したか」、組織図なら「どの発言や公開情報からこの関係を推定したか」、提案書なら「どの開示情報のどの数字を使ったか」を、画面の上で確かめられるかどうかが、導入の成否を分けます。
根拠が表示されない提案は、採用する前に担当者が自分で裏を取る手間が増え、結局使われなくなります。デモの段階で、提案の根拠がどこまで遡れるかを必ず操作して確かめることを勧めます。根拠の表示が内部の点数だけで、担当者が読んでも意味が取れない場合も、実質的には根拠がないのと同じです。
また、人が確認する範囲を先に決めておくことも欠かせません。たとえば、新しい会社への最初の接触は全件を人が見る、二回目以降の定型の連絡は抜き取りで見る、といった具合です。確認の範囲を決めずに始めると、忙しい時期に確認が省かれ、誤りが外に出てから気づくことになります。
導入前の確認項目一覧
最後に、商談や見積もりの前に社内で答えを出しておくべき項目をまとめます。料金は公式サイトに掲載されていないため、見積もりの段階で個別に確かめる必要があります。
- 自社の失注は「会えていない」段階と「決裁で止まる」段階のどちらに多いか
- 月に新しく始まる商談の数と、大口の案件に関わる相手側の人数を数えてあるか
- AIの提案を受けて動く人の人数と、一日に扱える件数を把握しているか
- オンラインの商談を録画する運用と、相手への断り方が決まっているか
- 商談の録画の保存先・保存期間・学習への利用を契約前に確かめたか
- 送る相手と文面の承認者、承認の記録の残し方を決めたか
- 配信を止めたいという申し出の窓口と、止める手順を決めたか
- AIの推定を事実・仮説・未確認の3段階で扱うルールを決めたか
- 導入前3か月の途中段階の数字を取ってあるか
このうち、道具の側に確かめる項目は録画の扱いだけで、残りはすべて自社の運用の問題です。見積もりの場では、料金に加えて、提案の根拠がどこまで画面で遡れるか、承認の記録が残るか、配信を止めた相手が次の配信から確実に外れるかを、実際の画面で見せてもらうよう依頼すると、比べやすくなります。
9項目のうち、答えが出ていないものが3つ以上あるなら、道具を選ぶ前に運用の準備を進めるほうが先です。逆に、すべてに答えが出ていれば、どちらの型から入れるべきかも自然に見えているはずです。
- この記事の機能の説明は、2026年6月3日と8月4日の公式発表、および公式サイトの記載に基づきます。機能の内容や名称は変わることがあるため、導入時には最新の情報を確かめてください。
- 営業の工程ごとにAIへ任せる度合いの一般論や、インテントデータの仕組みそのものは、別の記事で扱っています。
まとめ
Sales MarkerのAIチョイスは、次に当たる会社と時機を提案するアポ獲得の型と、一社の組織図と温度感を読む攻略の型の2つに分かれます。どちらを先に入れるかは、自社の営業が「会う相手の数」でつまずいているのか、「一社の中の深さ」でつまずいているのかで決まります。どちらの型でも、AIに任せるのは候補の洗い出しと打ち手の提案までで、温度感の最終判断と、送る相手と文面の承認は人が持ちます。根拠を画面で確かめられるか、人が確認する範囲が決まっているか、比べる前の数字があるか。この3つをそろえてから入れると、道具の違いが成果の違いとして見えてきます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
リード獲得・育成の打ち手として、ウェビナーの集客と運営でお困りですか?
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