表示された広告は見られていない|見られる位置を確かめる

「報告書の表示回数を、届いた回数として読んでいる」「10万回表示されたなら、10万回見られたのだと思っていた」——広告の数字を社内に報告する場面でよくある読み方です。表示回数は、見られた回数ではありません。画面の外にあったまま終わった分も、そこに含まれています。この記事では、見られたと数える基準と、報告や改善への使い方を整理します。
カメ先生広告の表示回数はね、見られた回数だと受け取られがちだが、画面の外に置かれたまま終わった分もそこに数えられているんだ。
カメ子画面の外にあるのに、表示として数えられるのでしょうか。
カメ先生配信されて枠に入った時点で数える仕組みだからだ。そこで、面積の何割かが何秒以上映っていたかという基準を別に決めて、その条件を満たした分だけを数えた指標が用意されている。
カメ子数え方が2つあるのですね。基準の中身から見ていきます。
- 表示回数と、実際に見える状態だった回数は別の数字
- 見られたと数える基準は割合と秒数で決まっている
- 測定できていない表示があるため、測定可能率を先に確かめる
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表示回数は見られた回数ではない
広告の表示回数は、広告が配信されて枠に読み込まれた回数です。この定義には画面に映っていたかどうかが含まれていません。ページの下のほうにある枠に読み込まれ、読者がそこまで下げずに離れた場合も、表示回数としては1回数えられます。
この構造は、報告の数字を歪めます。表示回数を認知の指標として報告していると、実際には見られていない分まで成果として数えていることになります。表示回数が多いのに問い合わせが増えない、という状況の原因の一部はここにあります。
問題を扱えるようにするため、業界では見られた状態の定義が作られました。定義を満たした表示だけを数える指標が用意され、表示回数とは別の列として報告に出せます。この2つを並べて見ることが、正しい読み方の出発点です。
BtoBの広告でこの視点が重要なのは、認知を目的にした配信が多いためです。検討の前の段階で名前を覚えてもらう狙いの配信では、クリックではなく表示が成果の中心になります。その表示が見られていなければ、狙いは達成されていません。
見られたと数える基準
基準は業界の団体が策定した標準で、主要な配信の面もこれを採っています。画像や文字の広告の場合、面積の50%以上が画面に1秒以上表示されたときに見える状態だったとみなされます。
数字が2つあることに注目します。割合と時間の両方を満たす必要があります。画面に半分以上入っていても、1秒未満で通り過ぎれば数えられません。逆に長く留まっていても、画面に入っている面積が半分未満なら数えられません。
この基準は、意外に緩いという印象を持たれることがあります。半分が1秒あれば見たことになるのか、という疑問です。基準は読めたかどうかを測るものではなく、見える機会があったかを測るものだと理解しておくと、数字の意味を取り違えません。
大きい広告には別の基準がある
面積の大きい広告には、別の基準が適用されます。242,500ピクセル以上の大きさの広告は、面積の30%以上が1秒以上表示されれば見える状態とみなされます。割合の条件が緩くなっています。
緩くなっている理由は単純です。大きい広告は画面より大きくなることがあり、半分が画面に入ることが物理的に難しい場合があります。そのため大きさに応じて条件を調整しているのです。時間の条件は1秒のまま変わりません。
この違いは、広告のサイズを選ぶときに効いてきます。大きいサイズを選べば緩い基準が適用されるため、同じ配信でも数字の上では見られた回数が増えることがあります。数字だけを追って大きいサイズに寄せると、比較の意味が失われます。
動画は2秒が境目
動画の広告には別の条件が設けられています。面積の50%以上が画面に表示された状態で2秒以上再生されたとき、見える状態だったとみなされます。
画像の広告との違いは時間です。1秒ではなく2秒。そして「表示された」だけでなく「再生された」ことが条件になります。画面に入っていても再生が始まっていなければ数えられません。自動で再生されない設定の面では、この差が大きく出ます。
2秒という条件は、動画の作り方に影響します。冒頭の2秒で何も起きない構成にすると、基準を満たした瞬間には何も伝わっていない状態になります。見える状態を作れても、伝わらなければ意味がありません。冒頭に主題を置く作り方が、この基準とも整合します。
報告に出る指標の読み方
配信の管理の画面には、見える状態に関する指標が複数並びます。似た名前が並ぶため取り違えやすい部分です。4つの指標の役割を分けて押さえます。
| 指標 | 何を表すか |
|---|---|
| 視認可能な表示の回数 | 基準を満たした表示の回数 |
| 視認可能率 | 測定できた表示のうち、基準を満たした割合 |
| 測定可能率 | 全体の表示のうち、測定できた割合 |
| 視認範囲の単価 | 基準を満たした1,000回の表示あたりの費用 |
重要なのは2つ目と3つ目の関係です。視認可能率の分母は、全体の表示ではなく測定できた表示だけです。測定できなかった分は、この割合の計算から外れています。
この構造を知らないと、数字を過大に読みます。視認可能率が70%と出ていても、測定可能率が50%であれば、全体の表示に対して基準を満たしたと確認できたのは35%にすぎません。2つの割合を掛けた数字が、確認できた範囲になります。
測定できない分がある
測定できない表示が生まれるのは、配信の面の側に理由があります。測定の仕組みに対応していないサイトやアプリ、あるいは端末に表示された分は測定の対象外になります。
この分は、見られたとも見られなかったとも判定されません。不明として扱われます。そのため測定可能率が低い配信では、見える状態だったかどうかの議論そのものが成立しません。数字を見る順序が大切になります。
順序は決まっています。まず測定可能率を見て、それが十分に高いことを確かめてから、視認可能率を読む。測定可能率が低いまま視認可能率で判断すると、少数の標本で全体を語る形になります。配信の面を絞ると測定可能率が上がることもあります。
- まず測定できた割合を確かめる
- 視認可能率の分母は測定できた表示だけ
- 2つの割合を掛けた数字が確認できた範囲
測定できない分が多い場合、その面への配信を続けるかどうかの判断が要ります。測定できないこと自体は問題ではありませんが、効果を確かめられない配信に予算を置き続けるのは避けたい。測定できる面へ寄せて、判断できる状態を作るのが先です。
配信の面の種類による違い
測定できる割合と見られる割合は、配信の面の種類によって傾向が違います。アプリの中の面と、ブラウザで見るページの面では測定の仕組みの対応の度合いが異なります。
動画を見る面では、広告が画面のほぼ全体を占めるため、面積の条件は満たしやすくなります。条件を満たしにくいのは、記事の途中や下部に置かれた枠です。読者が到達しないまま離れる割合が高いためです。
業種を絞った専門の面は、枠の数が少ないことが多く、見られる割合が高く出る傾向があります。BtoBの配信では、面の質と見られる割合が一致しやすいという都合のよい関係が成り立ちます。数字の低い面を外す判断が、質の判断にもなります。
同じ面でも、記事の種類によって差が出ることがあります。読み通される記事の中の枠は到達されやすく、一覧のページの下部の枠は到達されにくい。面の単位で判断が付かない場合は、枠の単位まで下げて見ます。
第三者の計測を入れるか
見える状態の数字は、配信している側の計測で出てきます。これに対して、別の会社の計測を重ねて確かめる方法もあります。同じ配信を2つの計測で見る形です。
重ねる価値があるのは、複数の配信の面をまたいで比べたい場合です。面ごとの計測では定義や集計の方法が揃わないことがあり、同じ物差しで並べられないという問題が起きます。第三者の計測なら1つの物差しで比べられます。
一方で費用がかかります。広告費の規模が小さい段階では、費用に見合いません。まず配信の面の計測で面を整理し、それでも判断が付かない規模になってから検討する順序が現実的です。
導入する場合は、対応している面を先に確かめます。計測を入れられない面には配信できなくなる、あるいは計測の対象外になるため、配信先の選択に制約が生まれます。制約と得られる精度を比べて決めます。
導入を見送る場合も、面ごとの数字は配信の管理の画面から取れます。1つの面の中で比べる分には十分です。複数の面をまたぐ比較が必要になるまでは、手元の数字で改善を進められます。
認知を目的にした配信での位置づけ
この指標が最も意味を持つのは、認知を目的にした配信です。クリックや問い合わせが直接の目的でない配信では、見られたかどうかが唯一の手がかりになります。
BtoBで認知を狙う配信は、検討が始まる前の段階に向けたものです。課題を自覚していない相手に名前を届ける狙いのため、すぐに反応が返らないことが前提になっています。だからこそ、届いたかどうかを測る必要があります。
この場面で見える範囲の単価を追うと、配信の質を金額で語れるようになります。反応がないから無駄だったのではなく、この費用でこれだけの人に見える状態を作れたという報告になります。認知の施策を社内で説明する際の材料になります。
あわせて追うとよいのが、指名の検索の数です。見える状態の表示が増えた時期と、社名で検索された数の推移を並べる。つながりが見えれば、認知の配信が働いた根拠として使えます。
計測の重複に注意する
2つの計測を並べると、数字が一致しないことがあります。計測の開始の時点や、集計の締めの時刻が違うためです。差があること自体は異常ではありません。
大切なのは、どちらの数字を判断に使うかを先に決めておくことです。月ごとに都合のよい数字を選ぶ形になると、改善しているのかどうかが分からなくなります。報告に使う数字を1つに固定します。
差が極端に大きい場合は、計測の設定を確かめます。計測用の記述が二重に入っている、あるいは対象の設定が揃っていない可能性があります。配信を担う相手と一緒に確認する項目です。
視認可能率が低くなる原因
視認可能率が低い場合、原因は3つに分かれます。配信されている面の問題、広告が置かれた位置の問題、そして広告のサイズと形の問題です。順に確かめます。
面の問題は最も影響が大きい要因です。1つのページに広告の枠が大量に並ぶ面では、読者が到達しない枠に配信される割合が高くなります。枠の数が多い面ほど、見られない表示が増えます。
位置の問題は面の中の話です。ページを開いた時点で画面に入る位置か、下げないと現れない位置か。下のほうの枠は、そもそも到達されない前提で数字が出ます。同じ面でも枠によって差が出るため、枠の単位で見る必要があります。
サイズと形の問題は基準との相性です。縦に長い形は画面に半分が入りやすく、横に細長い形は下げる途中で通り過ぎられやすい。形によって基準を満たしやすさが変わります。
配信先による差を確かめる
原因を絞るには、配信先ごとの数字を見ます。全体の平均では判断できません。面ごとに視認可能率を並べると、極端に低い面が浮かびます。
並べた結果、低い面が一部に集中していることが多いです。その場合の対処は明確で、低い面を配信の対象から外す。全体の平均が上がり、同じ予算で見られる回数が増えます。
外す判断の基準は、自社で決めます。全体の平均を大きく下回る面を外す形が扱いやすい。絶対の水準ではなく、自社の配信の中での相対で見るほうが、配信の量を保ちながら改善できます。一度に多くを外すと配信量が落ちます。
外した面は記録に残しておきます。自動で配信先が決まる仕組みでは、設定を作り直したときに除外が失われることがあります。除外の一覧を別に保管しておけば、作り直しても同じ状態に戻せます。
外したあとは配信の量を確かめます。除外を増やしすぎると配信先が足りなくなり、予算を使い切れなくなることがあります。量と質の釣り合いを見ながら、段階的に進めます。
費用は見える範囲の単価で見る
改善の効果を測るには、費用の見方も変える必要があります。表示1,000回あたりの費用で見ていると、見られていない表示にも払っている分が見えません。
代わりに使うのが、基準を満たした表示1,000回あたりの費用です。この単価で見ると、視認可能率の低い面が実際には高い買い物だったことが分かります。表示の単価が安い面ほど、見える範囲の単価では高くなる傾向があります。
この視点は予算の配分にも使えます。同じ予算をどの面に置くかを、見える範囲の単価が安い順に決める。表示の数で比べるより、狙いに沿った配分になります。認知を目的にした配信では、この指標が中心の判断材料になります。
この単価は、面をまたいで比べるときにも使えます。動画の面と画像の面のように性質が違う配信でも、見える状態を1,000回作るのにいくらかかったかという共通の物差しで並べられます。予算の配分の議論に持ち込みやすい形です。
面ごとの数字を出すには、報告の画面で配信先の内訳を表示します。自動で配信先が決まる仕組みでも、実際に配信された面の一覧は確かめられる場合があります。取れない場合は、配信を担う相手に依頼して出してもらいます。
改善の手順
実際に改善を進める順序を示します。1か月で1周できます。面の整理から始めるのが効率的です。
まず測定できている割合を見ます。低い場合は、視認可能率の判断を保留し、測定に対応した面へ配信を寄せるところから始めます。
配信先の単位で数字を出し、低い順に並べます。全体の平均を大きく下回る面を候補として印を付けます。
候補のうち費用の大きいものから外します。一度に多く外すと配信量が落ちるため、上位の数件から始めます。
外す前と後で、基準を満たした表示あたりの費用を比べます。改善していれば、同じ予算で見られる回数が増えています。
面の整理が終わってから、広告のサイズを見直します。縦に長い形を加えて、基準を満たしやすい選択肢を増やします。
この手順で最も効くのは3つ目です。面の除外は、作り直しの手間がかからないうえ効果が早く出ます。素材を作り替える前に、配信先の整理を済ませます。
改善しても上がらない場合
手順を踏んでも数字が上がらないことがあります。その場合は、配信の方式そのものに原因があるかを疑います。自動で配信先が決まる仕組みでは、除外の効果が限られることがあります。
もう1つの原因は、目的の設定です。表示の回数を増やすことを目的に設定していると、安く多く表示できる面に配信が寄ります。安い面は見られにくい面であることが多いため、構造的に数字が下がります。
この場合は目的の設定を変えます。見える状態の表示を増やす形の設定が用意されていれば、そちらに切り替える。設定を変えずに結果だけを直そうとしても、元に戻ります。配信の量は減りますが、質が上がります。
それでも改善が見えない場合は、配信の面を根本から見直します。枠の数が多い面を主に使っている配信では、除外だけでは限界があります。業種を絞った専門の面や、動画の面へ配分を移す判断に進みます。
配信の量と質のどちらを優先するかは、目的で決まります。認知を広げる段階では量が要りますが、見られていない表示を増やしても認知は広がりません。量を確保しつつ、見られる面の中で量を作る形を目指します。
判断に迷う場合は、期間を分けて試します。2週間は量を優先した設定、次の2週間は質を優先した設定で回し、見える状態の表示の総数を比べる。質を上げた側のほうが総数が多くなることは珍しくありません。
報告に使うときの注意
数字を社内に報告するときの扱いにも注意が要ります。起きやすい失敗を挙げます。いずれも数字の定義を共有していないことが原因です。
- 表示回数を、届いた回数として報告する
- 測定可能率を確かめずに視認可能率だけを報告する
- 基準を満たしたことを、内容が伝わったことと同じに扱う
- 大きいサイズに寄せて数字を上げ、前期と比べる
- 表示1,000回あたりの費用だけで面の良し悪しを判断する
3つ目は特に注意が必要です。基準は見える機会があったことを示すもので、読まれたことも理解されたことも示しません。見える状態を作るのは前提の整備であり、成果そのものではありません。
4つ目も避けたい形です。大きいサイズには緩い基準が適用されるため、サイズを変えた前後の数字は単純に比べられません。比べる場合は、サイズを揃えた上で比較するか、サイズが変わったことを注記して示します。
素材の側でできること
面の整理が終わったら、素材の側にも手を入れられます。基準は面積と時間で決まるため、画面に入りやすい形と、目に留まる作りの両方が効きます。
縦に長い形は、画面に半分以上が入る時間が長くなります。横に細長い形は、下げる途中で通り過ぎられやすい。複数の形を用意して、どれが基準を満たしやすいかを比べます。
動画の場合は冒頭が要点です。基準は2秒で満たされますが、その2秒で何も起きなければ伝わりません。冒頭に主題を置き、社名も早い段階で出す。基準を満たすことと伝わることを、同じ設計の中で両立させます。
素材を差し替えたら、前後の数字を比べます。形を変えただけで基準を満たす割合が変わるため、効果が確かめやすい改善です。面の整理より後に手を付けるのは、効果の切り分けを容易にするためです。
どの水準を目標にするか
最後に目標の置き方です。業界の平均を目標に据える形は勧められません。面の構成や配信の方式によって水準が大きく変わるためです。他社の数字と自社の数字は、前提が違います。
代わりに使うのは自社の推移です。現在の水準を起点に置き、面の整理でどこまで上がるかを見る。改善の余地は自社の配信先の構成が決めます。まず現在の数字を記録することから始めます。
目標の形としては、視認可能率そのものより見える範囲の単価を下げることを置くほうが実務に向きます。費用の指標であれば、予算の議論と直接つながります。同じ予算で見られる回数がどれだけ増えたかで語れる形になります。
記録の形は簡単です。月ごとに測定できた割合、基準を満たした割合、基準を満たした表示あたりの費用の3つを並べる。3列を1年分並べれば、改善の効果が見て取れます。面を外した月に印を付けておくと、何が効いたのかも分かります。
まとめ
広告の表示回数には、見られていない分が含まれています。見えたと数える基準は、画像や文字の広告なら面積の半分以上が1秒以上、動画なら半分以上が表示された状態で2秒以上の再生です。面積の大きい広告には30%という緩い条件が適用されます。数字を読む順序は、まず測定できた割合を確かめ、そのうえで基準を満たした割合を見る。2つの割合を掛けた数字が、確認できた範囲です。改善は配信先の整理から始めるのが最も効率がよく、効果は基準を満たした表示あたりの費用で測ります。見える状態を作ることは成果ではなく、成果を出すための前提の整備です。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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