広告の配信時間帯はどう決める?|無駄打ちを削る調整

月曜の朝、先週の広告のレポートを開くと、深夜2時台に十数回のクリックが並んでいます。問い合わせは1件もありません。この画面を見た担当者の多くが、夜間の配信を止めようと考えます。ただし時間帯を絞る判断は、データがある程度溜まってからでないと逆効果になります。この記事では、配信の時間帯と曜日をどう決めるかを、全時間帯での配信と絞り込みを比べながら整理します。
カメ先生深夜のクリックに成果がゼロだった。すぐ夜間を止めていいと思うかい。
カメ子無駄なクリックなら、止めたほうが費用が浮きそうです。
カメ先生1週間分のデータで判断すると、たまたまゼロだっただけの時間帯を切ってしまうことがある。切った後は、確かめようがなくなるんだ。
カメ子止めると、そこにあったかもしれない成果も見えなくなるんですね。
- まず全時間帯で配信し、成果数と成果単価が判断できる量までデータを溜める
- 自動入札を使っている場合、時間帯を絞ると配信機会と学習データが減る点を織り込む
- 時間帯の調整より先に、除外キーワード、地域、デバイスの見直しで削れる無駄が残っている
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深夜のクリックを見て手が止まる
配信の時間帯を気にし始めるきっかけは、たいてい成果のない時間帯のクリックを見たときです。夜間や休日にクリックだけが積み上がっている画面は、無駄が目に見える形で現れます。
この場面で止めたくなるのは自然な反応です。ただし1つ確認が必要です。その時間帯にクリックが少ないのか、クリックはあるが成果がないのか、そもそも表示すらされていないのかで、打つべき手が変わります。3つは別の状態です。
さらに前提として、レポートに表示される時間はアカウントのタイムゾーンに基づいて集計されます。設定しているタイムゾーンが実際の商圏と合っているかを最初に確認してください。ここがずれていると、以降の判断がすべてずれます。
もう1つ確認しておきたいのは、そのクリックがどのデバイスから来たかです。深夜のクリックはスマートフォンからの比率が高く、業務中の検索とは性質が違う場合があります。時間帯とデバイスを合わせて見ると、原因の見当がつきます。
この記事で扱う判断は2択です。全時間帯で配信を続けるか、時間帯と曜日を絞るか。どちらが正しいかではなく、どの段階でどちらを選ぶかという問題として整理していきます。
結論を先に言えば、始めたばかりの段階では絞らないほうが有利です。データが溜まってから絞る。そして絞った後も定期的に見直す。この順序を守るだけで、判断を誤る確率が下がります。順序を飛ばして最初から絞ると、確かめる手段を自分から捨てることになります。
時間帯を絞る前に決めておくこと
絞るかどうかの前に、何のために絞るのかを決めておく必要があります。目的が違えば、絞り方も判断の基準も変わります。
目的は大きく2つに分かれます。1つは費用の削減で、成果につながらない時間帯への配信を止めて予算を残す狙いです。もう1つは予算の集中で、成果が出る時間帯に予算を寄せて件数を増やす狙いです。似ていますが、判断の基準が違います。
費用の削減が目的なら、成果がゼロの時間帯を止めれば足ります。予算の集中が目的なら、止めた分の予算が実際に成果の出る時間帯に回っているかまで確認しなければ意味がありません。1日の予算を使い切っていない状態では、止めても集中は起きません。
もう1つ決めておくのは、受け皿の条件です。問い合わせの受け方が電話中心かフォーム中心かで、夜間の扱いが変わります。ここを確認せずに時間帯だけを議論すると、答えが出ません。
あわせて、変更の影響を測る対象も決めてください。時間帯を絞ったときに見るのは、成果単価と件数の両方です。片方だけを見ると、単価は改善したが件数が減ったという結果を良い変化と誤認します。事前に両方を並べる形を決めておいてください。
最後に、判断の時期も決めてください。1週間で決めるのか、1か月分のデータを見るのか。事前に決めていないと、目立つ数字が出た週に感情で判断することになります。件数の少ない広告では、3か月分をまとめて見る前提が必要な場合もあります。
全時間帯配信と絞り込みを比べる
2つの選択を並べて比べます。どちらにも利点と代償があり、状況によって答えが変わることが分かります。
| 観点 | 全時間帯で配信する | 時間帯と曜日を絞る |
|---|---|---|
| 費用 | 成果のない時間にも消費する | 無駄な消費を止められる |
| データ | 全時間帯の実績が溜まる | 止めた時間帯は以後不明になる |
| 自動入札 | 学習に使える機会が多い | 配信機会が減り学習が鈍る場合がある |
| 予算の集中 | 分散しやすい | 使い切っていれば集中が起きる |
| 運用の手間 | 設定は不要 | 設定と定期的な見直しが必要 |
| 向く段階 | 配信の開始直後、件数が少ない時期 | データが溜まり傾向が安定した後 |
この表で最も見落とされるのは2行目です。止めた時間帯の実績はそれ以降増えないため、後から判断を見直す材料が残りません。半年前に止めた時間帯が今も成果ゼロかどうかは、止めたままでは確かめられません。
4行目も重要です。1日の予算を使い切っていない状態で時間帯を止めても、予算が他の時間帯に回るわけではありません。使い切っていない場合、絞る効果は費用の削減だけになります。
なお、この2択の中間もあります。配信は続けたまま、時間帯によって予算の寄せ方を変える設定です。止めるのではなく弱めるという選択が取れれば、データを残しながら消費を抑えられます。使っている入札の方式によって、取れるかどうかが変わります。
この比較を踏まえると、判断の順序は明確です。配信の開始直後は全時間帯、傾向が見えたら絞る、絞った後も四半期ごとに見直す。表の6行目に書いた向く段階が、そのまま運用の流れになります。
まず全時間帯で配信してデータを集める
最初の段階で全時間帯を選ぶ理由を、もう少し具体的に整理します。データの性質に関わる理由です。
時間帯別の判断には、時間帯ごとに十分な件数が必要です。24の時間帯に分けると、1つの時間帯に入るデータは全体の24分の1になります。月に30件の成果がある広告でも、1時間ごとに割ると平均1件強しかありません。
曜日をかけ合わせるとさらに細かくなります。24時間×7曜日で168の区分になり、この粒度で判断できるデータ量を持つBtoBの広告はかなり限られます。細かく見るほど、偶然の影響が大きくなります。
したがって最初にすべきことは、絞らずに溜めることです。2週間ではなく1か月から3か月の実績を見る前提を置くと、判断の精度が変わります。
期間の目安は、成果の件数から逆算できます。月の成果が10件なら3か月で30件、5つの区分に束ねれば1区分あたり6件です。判断できる最小限の件数に届くまでにどれだけかかるかを最初に計算しておくと、途中で焦らずに待てます。
溜める期間中にできることもあります。時間帯以外の無駄を削る作業です。検索語のレポートを見て意図の違う語を除外に追加し、地域とデバイスの実績を確認する。これらは時間帯よりデータの粒度が粗いため、早い段階で判断できます。時間帯の判断を待つ間に、削れる無駄は先に削ってください。
時間帯別レポートの見方
データが溜まったら、レポートの見方を整理します。見る順番を決めておくと、判断が安定します。
管理画面では、時間帯ごとの表示回数、クリック数、費用を並べて確認できます。この3つだけで判断すると、クリックが多い時間帯を良い時間帯だと誤認します。クリックは成果ではありません。
見るべき列を追加してください。成果の件数と、成果1件あたりの単価です。クリックが多くても成果単価が高い時間帯は、費用を消費しているだけの時間帯です。逆にクリックが少なくても単価が良い時間帯は、予算を寄せる候補になります。
並べ替えの順序も決めておきます。費用の多い順に並べて上から見ると、影響の大きい時間帯から検討できます。件数の少ない時間帯から見ると、判断の材料が薄いところで時間を使うことになります。
曜日別のレポートも同じ画面で確認できます。時間帯より1区分あたりの件数が集まりやすいため、曜日の判断は時間帯より早い段階で下せます。土日の成果単価が明確に悪ければ、時間帯の結論を待たずに対応できます。
あわせて確認したいのが、表示回数の分布です。予算を使い切っている広告では、1日の途中で配信が止まります。ある解説では、予算が枯渇した結果として22時から23時台に表示回数の減少が見られた事例が紹介されています。夜間の成果が少ないのは、成果が出ないからではなく配信が止まっているからという場合があります。
クリック数ではなく成果数と成果単価で見る
前節で触れた点を、単独の論点として掘り下げます。時間帯の判断で最も多い誤りがここに集まっています。
クリック数だけで見ると、検索の総量が多い時間帯が有利に見えます。BtoBでは平日の午前と午後に検索が集中するため、その時間帯のクリックが多いのは当然で、良い時間帯だという証拠にはなりません。
見るべきは、そのクリックが成果に至った割合です。同じクリック数でも、成果率が2倍違えば費用対効果は2倍違います。クリックが少ない時間帯のほうが成果率が高いという結果は、実際に起こります。
成果の件数が少なすぎて割合が計算できない場合は、手前の行動を数えてください。フォームの表示、料金ページの閲覧、資料のダウンロードといった中間の行動を時間帯別に見ると、判断できる件数になります。
見る指標を1つ足すなら、成果率を入れてください。クリック数に対する成果の件数の割合です。成果単価は入札の単価にも左右されますが、成果率は検索の質をより直接的に映します。時間帯ごとの質の違いを見るには適した指標になります。
なお、成果が発生した時刻と、クリックした時刻がずれる点にも注意が必要です。昼にクリックして夜にフォームを送る、あるいは翌日に戻ってきて申し込むという行動は普通に起こります。時間帯別の成果は、クリックの時刻に紐づけて集計されているかどうかで意味が変わります。管理画面の集計の定義を一度確認してください。
BtoBの成果は営業時間内に偏るのか
BtoBでは平日の業務時間に成果が集中するという傾向が語られます。この前提はどこまで信頼できるかを整理します。
実務の解説では、BtoB向けの広告について土日祝を除いて配信する設定がよく使われると説明されています。企業向けの商材では土日の注文が平日と比べて少なく、成果単価が上がることが想定されるため、停止によって全体の費用対効果が改善するという整理です。
この傾向は多くのBtoB商材に当てはまります。業務に関する検索は業務時間に発生しやすく、社内での相談や上司への確認も業務時間に行われます。1日の中でも、始業直後と午後の時間帯にコンバージョンが寄る形は珍しくありません。
ただし傾向を自社の実績の代わりに使わないでください。業界の一般的な傾向は仮説にはなりますが、判断の根拠にはなりません。自社のレポートで確認するのが前提です。
自社の実績を確認するときは、受注につながった案件の初回接触の時刻まで遡れると精度が上がります。問い合わせの件数ではなく受注に至った件数で時間帯を見ると、判断の材料が変わることがあるためです。件数は少なくなりますが、質の情報が得られます。
特に注意したいのは、傾向を根拠に設定して、その後検証しないパターンです。BtoBだから土日は止めるという判断を初期に入れると、土日の実績が永久に空欄になります。数か月ごとに一時的に配信を戻して確認する仕組みがなければ、判断の妥当性を検証できません。
夜間や休日に検討される商材もある
前節の傾向には例外があります。例外に当たる商材で機械的に夜間と休日を止めると、成果の機会を落とします。
例外になりやすいのは、担当者が業務時間に調べにくい商材です。人材や採用に関わるもの、経営者が個人的に検討するもの、現場の担当者が業務の合間に調べにくいもの。こうした検索は、帰宅後や休日に行われることがあります。
業種による例外もあります。小売や飲食、医療、物流のように土日も稼働する業種を対象にしている場合、相手の業務時間が平日の日中とは限りません。自社の営業日で相手の検索時間を推定するのは危険です。
判断の手がかりは実績です。休日と夜間の成果単価が、平日の日中と比べて明確に悪いかどうかだけを見ればよいという単純な確認です。悪くなければ止める理由がありません。
もう1つの例外は、比較検討の段階にある相手です。すでに複数社を比べている担当者は、資料を読み込む時間を業務時間外に取ることがあります。この段階の相手は成約に近いため、1件の価値が高くなります。夜間のクリック数が少なくても、質が高い可能性を検討してください。
少ないデータで切ると偶然に振り回される
時間帯の判断で最も損失につながるのが、データ量が不足した状態での切り分けです。仕組みを理解しておく価値があります。
成果が月に10件の広告で、時間帯別に成果を見ると、ほとんどの時間帯はゼロになります。ゼロという数字は成果が出ないことの証明ではなく、判断できるだけのデータがないという意味です。この2つは全く違います。
この状態で成果ゼロの時間帯を止めると、たまたま成果が出ていなかった時間帯を恒久的に閉じることになります。閉じた後は表示もクリックも発生しないため、判断が誤っていたことに気づけません。誤りが固定される構造です。
対策は、判断に必要な件数の目安を決めておくことです。1つの時間帯の区分に成果が5件以上溜まってから判断する、といった線を引く形です。溜まらない場合は、時間帯を細かく分けずに束ねて見ます。
反対向きの誤りもあります。成果が1件だけ出た時間帯を有望だと判断して予算を寄せるパターンです。1件は偶然でも起こる数字であり、傾向を示すものではありません。ゼロを切る判断と同じく、少ない数字で寄せる判断も精度が低くなります。
束ね方の例としては、深夜から早朝、午前、昼、午後、夕方から夜、という5区分があります。24分割より件数が集まり、傾向も読めます。曜日についても、平日と土日の2区分から始めるほうが確実です。細かい調整は、件数が増えてからの作業になります。
自動入札との干渉
自動入札を使っている場合、時間帯の調整は別の側面を持ちます。設定が意図どおりに働かない場合があるためです。
解説では、自動入札を利用している間は管理画面から手動で入札の調整を行っても反映されないと明記されています。時間帯ごとに入札単価を上げ下げする調整は、自動入札の下では機能しないという理解が必要です。
一方で、Googleのヘルプでは広告のスケジュールに基づく入札単価の調整について、クリック数の最大化を使うキャンペーンでは利用できるとされています。使っている入札の方式によって、できることが変わるという構造です。自社の設定を確認してください。
配信そのものを止める設定は、入札の方式に関係なく効きます。ただし副作用があります。配信の機会が減れば、自動入札が学習に使えるデータも減ります。学習が安定していない段階での絞り込みは慎重に扱ってください。
実務上の折り合いとしては、学習が落ち着くまで待つ方法があります。目標を設定した自動入札に切り替えた直後は、成果の変動が大きくなります。この期間に時間帯を絞ると、変動の原因が入札の学習なのか時間帯の変更なのか切り分けられません。変更は1つずつ行ってください。
電話問い合わせが主な商材は受電体制と合わせる
時間帯の設計は、広告の効率だけで決まりません。問い合わせを受ける側の体制と合わせる必要があります。
電話の問い合わせが主な導線の商材では、受電できない時間帯の配信は成果につながりません。クリックが発生して電話がかかっても、誰も出なければ機会を失うだけです。しかも相手には対応が悪い企業という印象が残ります。
この場合、配信の時間帯は受電の体制に合わせます。始業の30分前から終業の30分後までを目安にする形が実務的です。終業の直前に配信を切ると、その時間にかかってきた電話が取れる分を失います。前後の余白を持たせてください。
昼休みの時間帯も検討の対象になります。担当者が席を外している時間に電話が集中すると、取りこぼしが起きます。受電の担当が交代で昼食を取る体制なら問題はありませんが、全員が同時に離席する運用なら、その1時間の扱いを決めておく必要があります。
留守番電話や折り返しの仕組みがある場合は、扱いが変わります。翌営業日に折り返す運用が機能しているなら、時間外の配信にも意味が残ります。ただし折り返しの成功率は下がる前提で考えてください。
インサイドセールスの解説では、問い合わせから5分以内の架電は30分後と比べてコンタクトの成功率が21倍という調査が知られていると紹介されています。初動の速さが結果を左右するという前提に立つと、受電も折り返しもできない時間帯に配信を続ける意味は薄くなります。体制の側を変えられないなら、配信の側を合わせる判断になります。
フォーム主体なら夜間も受けられる
受け皿がフォームであれば、前節の制約はほとんど当てはまりません。判断の前提が変わります。
フォームは24時間受け付けられます。夜間に送信された問い合わせも、翌営業日に対応すれば商談につながります。受電の体制という制約がないため、夜間を止める理由は成果単価だけになります。
ただし対応の速さは影響します。夜間に届いた問い合わせを翌日の午後まで放置すると、その間に他社が対応している可能性があります。始業直後に前夜の問い合わせを確認する手順を決めておくことが、夜間配信の前提条件になります。
自動の返信も設計に含めてください。送信直後に受付を知らせる返信が届けば、相手は待てる状態になります。何も返らないと、他社のフォームにも送るという行動が起きます。
受け皿の観点では、フォームの動作確認も点検に含めてください。夜間や休日に送信のエラーが起きていても、翌営業日まで誰も気づきません。月に1回、実際に自社のフォームから送信して届くかを確かめる工程を、広告の点検と同じ日に入れておくと漏れません。
フォーム主体の商材で夜間の成果単価が悪い場合は、時間帯そのものではなく検索の質が原因である可能性があります。夜間は個人的な情報収集や、業務と関係のない検索が混ざりやすくなります。この場合は時間帯を止めるより、検索語の除外で対応するほうが機会の損失が少なくなります。
設定の実務と落とし穴
実際に設定するときの手順と、つまずきやすい箇所を整理します。設定の誤りで配信が止まる事故は珍しくありません。
アカウントのタイムゾーンを確認します。広告のスケジュールはこの設定に基づいて動きます。
成果数と成果単価を含めて、束ねた区分で書き出します。判断の根拠を残す工程です。
曜日と時間帯を同時に変えると、どちらの影響かが分かりません。変更は1つずつです。
翌日のレポートで、意図した時間帯に表示があり、止めた時間帯にないことを確認します。
止めた時間帯を1週間だけ戻し、成果が本当にないかを確かめます。判断を固定させません。
3番目でつまずく人が多いのは、曜日ごとの指定の仕方です。複数の曜日を対象にする場合、曜日ごとに個別の設定が必要になる仕様があり、まとめて指定したつもりが平日の配信を止めていたという事故が起きます。
設定の数にも上限があります。ヘルプでは、キャンペーンごとに1日あたり最大6個のスケジュールを作成できるとされています。日をまたぐ時間帯は、日ごとに分けて作成する必要がある点も押さえてください。
4番目の確認は省略しないでください。設定した時間帯の外では広告が表示されません。指定を誤ると、意図せず主要な時間帯を丸ごと止めることになります。翌日のレポートを時間帯別で開き、表示回数の分布が意図と一致しているかを目で確認する。この5分の作業が最大の保険になります。
時間帯調整の前に確認する項目
最後に、時間帯を触る前に確認しておきたい項目を並べます。ここに未対応の項目が残っている場合、時間帯の調整より先にそちらを片付けたほうが効果が大きくなります。
- 検索語のレポートを確認し、意図の違う語を除外に追加してあるか
- 地域の設定が、実際に対応できる商圏と一致しているか
- デバイス別の成果単価を確認し、極端に悪いデバイスへの対応を決めてあるか
- 1日の予算を使い切っているか、余らせているかを把握しているか
- アカウントのタイムゾーンが商圏と合っているか
- 問い合わせの受け方が電話中心かフォーム中心かを整理してあるか
- 時間帯別の成果を、クリック数ではなく成果数と成果単価で見ているか
- 判断に使うデータの期間と件数の目安を事前に決めてあるか
上の3項目は、時間帯より粗い粒度で判断できるため、先に手を入れるべき領域です。意図の違う検索語が残っている状態では、どの時間帯にも無駄なクリックが混ざります。時間帯を絞っても無駄は残ります。
4項目目は、絞る効果の大きさを決める条件です。予算を余らせている広告では、時間帯を絞っても件数は増えません。この場合の絞り込みは、費用の削減のみが目的になります。
下の3項目は判断の質に関わります。前提を確認せずにレポートを見ると、同じ数字から違う結論が出ます。チェックの形で残しておけば、担当が代わっても判断の手順が引き継げます。
やりがちな失敗と運用の注意
時間帯の調整で見られる失敗を挙げます。いずれも判断の順序かデータ量に原因があります。
- 配信の開始直後に時間帯を絞る:実績がないまま切るため、判断の材料を自分から捨てることになります
- クリック数だけで良い時間帯を決める:検索量が多い時間帯を優秀だと誤認し、成果率の高い時間帯を見落とします
- 一度絞ったら見直さない:止めた時間帯の実績は増えないため、判断が誤っていても永久に気づけません
- 曜日と時間帯を同時に変える:成果が変動しても、どちらの影響かを切り分けられません
3つ目は静かに損失が積み上がる失敗です。商材の需要や競合の状況は変わるため、半年前の判断が今も正しいとは限りません。四半期ごとに1週間だけ戻して確認する運用を組み込んでください。
あわせて、時間帯を絞ることで見かけの成果単価が改善する点にも注意が必要です。単価が良くなっても件数が減っていれば、事業への貢献は下がっている可能性があります。単価と件数は必ず並べて見てください。
- 設定を変更した日付を記録する。成果の変動と設定の変更を後から突き合わせられる
- 時間帯を絞る前の実績を、時間帯別に書き出して残す。戻すかどうかの判断で必要になる
まとめ
配信の時間帯は、最初から絞るものではありません。まず全時間帯で配信して成果数と成果単価が判断できる量までデータを溜め、傾向が見えてから絞る。この順序が基本になります。24時間と7曜日に分けると1区分あたりの件数が極端に少なくなるため、深夜から早朝、午前、昼、午後、夕方から夜のように束ねて見るほうが確実です。成果ゼロという数字は、成果が出ないことの証明ではなく判断できるデータがないという意味です。
BtoBでは平日の業務時間に成果が寄る傾向が語られ、土日を停止する設定もよく使われますが、これは仮説であって根拠ではありません。人材や採用に関わる商材、土日も稼働する業種を対象にする商材では例外が出ます。電話が主な導線なら受電の体制と合わせ、フォーム主体なら翌営業日の初動を整えたうえで夜間も受ける判断ができます。自動入札を使っている場合は、手動の入札調整が反映されない点と、配信機会を絞ると学習データが減る点を織り込んでください。
そして時間帯より先に効く手が残っていることが多い、という点を忘れないでください。検索語の除外、地域、デバイスの見直しは、時間帯より粗い粒度で判断できます。まずは時間帯別のレポートを開き、成果数と成果単価の列を追加して費用の多い順に並べ替えてみてください。判断に足るデータがあるかどうかが、その画面で分かります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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