【2026年】記事の外注の決まりが変わる|発注する側の備え方

【2026年】記事の外注の決まりが変わる|発注する側の備え方

「記事の制作を外部に依頼しているが、契約の形がこのままでよいのか分からない」「取引の条件を書面にしていない」——制作を外注している企業が確認しておくべき点です。発注する側には、条件を明示して書面で残す義務があります。口頭のやり取りだけで進めると、発注側の側に問題が残ります。この記事では、備えておくべき点を整理します。


カメ先生カメ先生

記事の外注はね、成果物の質の話に目が向きがちだが、発注する側には条件を書面で示す義務があるんだ。


カメ子カメ子

口頭で合意していれば、足りないのでしょうか。


カメ先生カメ先生

足りない。報酬の額、支払いの期日、やり直しの範囲。ここを書面にしていないこと自体が問われる。


カメ子カメ子

書き残すことが求められているのですね。何を含めるべきか知りたいです。


この記事のポイント
  • 2026年1月1日から法律の名前が変わり、用語も置き換えられた
  • 資本金の基準に加えて、従業員の数による基準が追加された
  • 協議に応じない一方的な代金の決定と、手形などによる支払が新たに禁止された

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目次

外注の決まりが年明けから変わった

記事の制作、資料のデザイン、動画の編集。法人のマーケティングの現場では、多くの作業が外の会社や個人に委託されています。この委託の取引には、以前から守るべき決まりがありました。その決まりが、2026年1月1日から改まりました。

改まった内容は、大きく3つに分かれます。対象になる取引の範囲が広がったこと。禁止される行為が増えたこと。そして、法律の名前と用語そのものが変わったこと。3つめは形式の変更に見えますが、社内の文書に影響します。

発注する側から見ると、確かめ直すべき点は2つです。自社がこの決まりの対象になるかどうか。対象なら、現在の発注の仕方が要件を満たしているかどうか。対象外だと思い込んでいた会社が、基準の追加で対象になることがあります

この記事は社内の点検のための整理です。個別の取引が対象になるかどうかは、取引の内容と当事者の規模によって判断されます。実際の対応にあたっては、公表されている資料と顧問の弁護士に確かめてください。

対応の期限という考え方も持っておきます。すでに施行されているため、猶予はありません。ただし、社内の文書をすべて一度に直す必要はないものです。まず発注の書面と支払の条件を直し、契約の雛形と手順書を続けて直す。順番を決めておけば、着手の重さは下がります。次の四半期までに何を終えるかを、先に決めます。

名前と言葉が変わった

まず、法律の名前が変わりました。従来の名称は、支払の遅延を防ぐことを中心に据えたものでした。新しい名称は、中小の受託の取引を適正にすることを掲げています。略した呼び方も、これに合わせて変わっています。

用語も置き換えられました。発注する側を指す言葉は「委託事業者」、受注する側を指す言葉は「中小受託事業者」になりました。代金を指す言葉も、委託の内容に合わせた呼び方に変わっています

用語の変更は、社内の文書に影響します。発注の手順書、契約の雛形、研修の資料。旧い用語のまま残っていると、担当者が別の決まりだと誤解します。文書の見直しは、年度の区切りで一度に行うのが効率的です。

外注先とのやり取りの中でも、用語をそろえておくほうが混乱が減ります。相手が旧い用語で話してきた場合も、指している内容は同じです。言葉の違いで話が止まらないよう、対応する表を1枚作っておくと便利です。

調べる担当者のことも考えておきます。新しい名前で調べると、まだ解説の記事は多くありません。旧い名前で調べると、改正の前の内容が出てきます。どちらの名前でも調べられることを、社内で共有しておく。改正の後の内容かどうかを見分ける基準は、施行の日付です。日付を確かめる習慣を、あわせて伝えておきます。

記事の外注はどの委託に当たるか

この決まりは、委託の種類ごとに扱いが分かれています。物を作らせる委託、役務を提供させる委託、そして、情報の成果物を作らせる委託。記事やデザインや動画の制作は、3つめに当たります。

情報の成果物とは、文章、図、映像、そしてこれらを組み合わせたものを指します。記事の執筆、資料の作成、動画の編集、画像の制作は、いずれもこの区分です。マーケティングの現場の外注は、ほとんどがここに入ります。

自社が使うために作らせる場合も対象になり得ます。販売する商品としてではなく、自社の広報のために作らせる場合です。この点を誤解して、自社で使うだけだから関係ないと考える例があります

委託の種類によって、後で扱う従業員の数の基準が変わります。自社の外注がどの種類に当たるかを、先に整理しておく必要があります。整理しないまま基準だけを見ると、違う数字を当てはめることになります。

動画や音声の編集も、同じ区分に入ります。制作の会社に一括で頼む場合も、個人の編集者に頼む場合も同じです。逆に、印刷や物の制作を頼む場合は別の区分になります。1つの案件の中に、記事の執筆と印刷が混じることもあります。この場合は、どちらの区分の要件も確かめる必要があります。案件の中身を分けて整理しておきます。

資本金だけでは判断できなくなった

従来は、資本金の額で対象になるかどうかが決まっていました。この基準に加えて、従業員の数による基準が追加されました。どちらかに当てはまれば対象になる形です。

情報の成果物を作らせる委託のうち、限られた業務については、発注する側が100人を超え、受注する側が100人以下という基準が示されています。物を作らせる委託などについては、300人という数字が示されています。

この追加によって、資本金を抑えている会社も対象になり得ます。従業員は多いが資本金は小さい、という構成の会社は少なくありません。自社の従業員の数を、この基準に当てはめて確かめてください

受注する側の規模も確かめる必要があります。相手が個人であれば、基準に当てはまることがほとんどです。相手が法人の場合は、資本金と従業員の数の両方を把握しておきます。把握していなければ、対象かどうかの判断ができません。

従業員の数は、いつの時点のものを見るかも決めておきます。期の初めの人数か、発注の時点の人数か。基準に近い規模の会社では、この違いで判断が変わります。迷う場合は、対象になる前提で運用するほうが安全です。要件を満たしていて対象外だった場合に、困ることは何もありません。逆の場合は困ります。

新旧の対応を並べる

変わった点を、発注の実務で触れる項目ごとに並べます。自社の手順書を直すときの目安になります。

項目改正の前改正の後
法律の名前支払の遅延の防止を中心とした名称中小の受託の取引の適正化を掲げた名称
発注する側の呼び方親事業者委託事業者
受注する側の呼び方下請事業者中小受託事業者
対象の判断資本金の額資本金の額または従業員の数
代金の決め方著しく低い額の決定を禁止協議に応じない一方的な決定も禁止
支払の手段手形の期間に制限手形などによる支払を禁止
対象の取引従来の区分運送の委託が追加

表の下の3行が、発注の仕方そのものを変える必要のある部分です。上の4行は、文書の言葉を直せば対応できます。着手の順番は、下から上へと決めます。

表を社内で配るときは、自社の担当に関係する行だけを抜き出します。すべての行を配ると、自分に関係のない項目まで読むことになります。発注の担当には書面と支払の行を、法務には契約の行を、経理には支払の手段の行を。関係のある行だけを渡すほうが、実際に読まれます

支払の期日は受領から60日以内

支払の期日については、成果物を受け取った日から起算して60日以内のできる限り短い期間内と定められています。役務の提供を受ける場合は、提供を受けた日から起算します。

実務で起きやすいのは、検収の完了を起算の日にしてしまうことです。受け取った日と、社内の検収が終わった日は違います。検収に時間がかかっても、起算の日は受け取った日のままです

月末の締めと支払の日の組み合わせも、確かめる対象です。月末締めの翌々月末払いという条件は、受け取った日によっては60日を超えます。条件そのものが超えていないかを、日数で計算して確かめます

できる限り短い期間内、という表現にも注意します。60日ぎりぎりに置けばよい、という趣旨ではありません。社内の処理が早く終わるなら、早く支払う形が求められています。経理の処理の周期と、支払の条件を合わせて見直します。

月々の支払をまとめている場合も、日数の計算は案件ごとに行います。まとめた締めの日を基準にすると、早く受け取った案件が超えることがあります。案件ごとの受領の日を記録しておけば、超えるものだけを抜き出せます。抜き出せる状態にしておくことが、確認の作業を軽くします。

発注のときに書面を渡す

発注する側には、発注の内容を書いた書面を直ちに交付する義務があります。口頭やその場のやり取りだけで作業を始めさせる形は、この義務を満たしません

書く内容は、何を作らせるか、いつまでに納めるか、いくら払うか、いつ払うか。この4つがそろっていない発注書は、後で必ず争いの種になります

記事の外注では、内容が固まらないまま着手させることがあります。本数だけ決めて、題材は後から決める。この進め方でも、決まっている範囲で書面を出す必要があります。決まった時点で、追加の書面を出します。

電子のやり取りでも交付として扱われますが、相手の承諾など満たすべき条件があります。やり取りの形式を変えるときは、条件を確かめてから切り替えてください。運用を変えた日は、記録に残しておきます。

書面を出す担当も決めておきます。発注の連絡は現場の担当が行い、書面は別の担当が出す形にすると、出し忘れが起きます。連絡と書面を同じ担当が同時に行う形にする。書面を出さないと発注が確定しない流れにできれば、なお確実です。仕組みの側で止められるなら、注意を促す必要はなくなります。

記録は2年間残す

発注の内容や支払の記録は、書類を作成し、2年間保存することが求められています。作るだけでなく、残すところまでが義務です。

記事の外注では、やり取りが電子の連絡の中に散らばりがちです。題材の変更、納期の延長、追加の作業の依頼。連絡の履歴だけでは、後から取り出すのが困難になります

外注の案件ごとに、1つの場所へまとめておく形が現実的です。発注の書面、変更のやり取り、納品の記録、支払の記録。この4つを案件ごとの場所に置けば、2年後にも取り出せます

保存の期間は、社内の文書の規程とも合わせておきます。規程が1年になっていると、整理のときに消されることがあります。消してよい時期を明記しておけば、残すべきものが守られます。

案件が終わった後の扱いも決めます。終わった案件の場所を別に移す運用にすると、移した先で保存の期間が管理されなくなることがあります。移すなら、移した日と保存の期限を一緒に記録します。移さずに残す運用のほうが、管理は簡単です。件数が増えて重くなるまでは、移さない形で足ります。

禁止1 協議に応じない代金の決定

新たに禁止された行為の1つめは、受注する側から値段の相談があったにもかかわらず、協議に応じない、必要な説明をしないまま一方的に代金を決めることです

背景にあるのは、長い期間にわたって単価が据え置かれてきた取引です。物価や人件費が上がっても、単価だけが動かない。相談を持ちかけても取り合ってもらえない状態を、正面から禁じた形です

記事の外注は、この構図に当てはまりやすい取引です。1本あたりの単価が何年も同じまま、求める品質だけが上がっている。相談が来たときに、忙しさを理由に返答を先送りしていないか。この点は、実務の感覚として確かめる価値があります。

応じるとは、値上げを受け入れることではありません。協議の場を持ち、自社の考え方を説明することです。断る場合も、理由を示して記録に残す。この手順を踏んでいれば、一方的とは言われにくくなります。

窓口を明らかにしておくことも要ります。相談を誰に持ちかければよいか分からないと、相手は言い出せません。言い出せないまま取引が続けば、協議の機会そのものが無かったことになります。発注の書面の中に、単価の相談の宛先を書いておく方法もあります。

禁止2 手形などによる支払

2つめは、支払の手段に関する禁止です。手形による支払が禁止されました。受注する側の資金繰りの負担になるためです。

手形以外にも、支払の期日までに代金の全額を受け取ることが難しい手段は制限の対象とされています。電子的な記録による債権や、債権の買い取りを使う形も含まれます

振込の手数料の扱いにも触れられています。受注する側に負担させる形は、認められない方向で整理されています。契約の雛形に手数料の負担の条項が残っていないかを確かめます

記事の外注では、手形が使われることはほとんどありません。しかし、振込の手数料の扱いは頻繁に出てきます。少額の取引ほど、手数料の割合は大きくなります。この条項は、優先して見直す対象です。

個人に頼むときは別の決まりも重なる

外注先が個人である場合、もう1つの決まりが重なります。個人に業務を委託する取引を対象とした法律が、2024年11月1日から施行されています。こちらは、発注する側の資本金や従業員の数を問いません。従業員を使っている事業者が個人に委託すれば、原則として対象になります。記事の執筆を個人のライターに頼む取引は、まさにこの形です。

求められる内容には、重なる部分が多くあります。取引の条件を書面などで明示すること。報酬の支払を、成果物を受け取った日から60日以内に行うこと。この2つは、今回の改正で整えた仕組みがそのまま使えます。書面の様式と支払の条件を統一しておけば、相手が個人でも法人でも同じ運用で回せます。

一方で、この決まりに固有の内容もあります。募集の情報を正確に示すこと。契約を途中で解除する場合に、あらかじめ予告すること。育児や介護と両立できるよう配慮すること。そして、ハラスメントへの対応の体制を整えること。取引の条件だけでなく、働く環境に関わる項目が含まれています

実務では、外注先が個人か法人かで手順を分けないほうが安全です。分けると、判断を間違えたときに片方の要件が抜けます。厳しいほうにそろえておけば、どちらでも要件を満たせます。ただし、それぞれの決まりの詳細と適用の範囲は公表されている資料で確かめてください。個別の判断は、顧問の弁護士に相談する前提で進めます。

見直しの相談が来る時期も、ある程度は読めます。年度の切り替わり、契約の更新の月、そして制度が変わった直後。この3つの時期には、窓口の担当を空けておきます。空けていないと、返答の先送りが起きます。

据え置いてきた単価をどう見直すか

長く同じ単価で頼んできた外注先がある場合、年明けを機に見直しの相談が来る可能性があります。来てから考えるより、先に考え方を決めておくほうが早く進みます

決めておく項目は3つです。見直しに応じる範囲、判断に使う材料、回答までの期間。この3つが決まっていれば、相談が来ても現場で止まりません

判断に使う材料は、公表されている物価や賃金の動きが分かりやすいものです。自社の都合だけで判断すると、説明が主観的になります。外部の数字を基準に置けば、断る場合も理由が示せます。

見直しの結果は、応じた場合も断った場合も記録に残します。いつ相談があり、いつ話し合い、どう決めたか。記録がないと、協議に応じたこと自体を示せません

準備の5つの工程

発注する側が年内に整えておく作業を並べます。対象かどうかの確認から始めます。

STEP1
自社と相手の規模を確かめる

自社の資本金と従業員の数、外注先それぞれの規模を書き出します。委託の種類ごとに基準が違う点に注意します。

STEP2
発注の書面の様式を見直す

何を、いつまでに、いくらで、いつ払うか。4つがそろっているかを確かめ、足りない項目を足します。

STEP3
支払の条件を日数で計算する

受領の日から支払の日までを日数で計算します。60日を超える条件があれば、経理と相談して改めます。

STEP4
契約の雛形の条項を確かめる

振込の手数料の負担、支払の手段に関する条項を見直します。旧い用語も新しい用語に置き換えます。

STEP5
記録の置き場所を決める

案件ごとに書面とやり取りと納品と支払の記録をまとめる場所を決め、2年間保存する運用にします。

発注の前に確かめる項目

新しく外注を始めるときに、着手の前に見る項目を挙げます。発注の担当と経理の担当で分担すると漏れが減ります。

  • 自社と相手の規模から、この決まりの対象になるかを確かめた
  • 委託の種類を整理し、当てはまる基準を確かめた
  • 発注の書面に、内容と納期と金額と支払の日を書いた
  • 支払の期日が、受領の日から60日以内に収まっている
  • 契約に、振込の手数料を相手に負担させる条項が残っていない
  • 単価の相談が来たときの窓口と回答の期間を決めた
  • 案件ごとの記録の置き場所を決め、保存の期間を規程と合わせた

2つめの項目が抜けると、違う基準の数字を当てはめて判断を誤ります。委託の種類の整理は、規模の確認より先に行います。

よくある失敗

外注の実務で起きやすい失敗を挙げます。どれも、書面と記録の不足から起きます。

  • 資本金だけを見て対象外と判断し、従業員の数の基準を確かめていなかった
  • 内容が固まっていないことを理由に、書面を出さないまま着手させた
  • 検収が終わった日を起算にして、支払の期日を計算していた
  • 契約の雛形に振込の手数料を相手が負担する条項が残っていた
  • 単価の相談への回答を先送りし、記録も残していなかった
  • やり取りが連絡の履歴に散らばり、案件ごとに取り出せなくなっていた
  • 手順書と研修の資料が旧い用語のままで、担当者が別の決まりだと誤解した

3つめの型は、経理の側では気づきにくいものです。受け取った日と検収の日を、記録の上で区別しておく必要があります。区別していなければ、日数の計算そのものができません。

社内の運用に落とす

この決まりへの対応は、発注の担当だけでは完結しません。契約の条項は法務、支払の条件は経理、記録の保存は情報の部門にまたがります。着手の前に、分担を決めておきます。

  • 改正の内容と適用の範囲は公表されています。自社の取引が対象になるかは、公表資料と顧問の弁護士に確かめてください
  • この記事の整理は社内の点検のための目安です。個別の取引の判断は、内容と当事者の規模によって変わります
  • 基準の数値や運用の解釈は今後の資料で補われることがあります。年に一度は最新の案内を確かめてください

運用に組み込む項目は3つです。発注の書面を必ず出す。支払の期日を日数で確かめる。そして、相談と回答を記録に残す。この3つが続いていれば、対応の土台はできています。

まとめ

記事やデザインの外注に関わる法律が、2026年1月1日から改まりました。名前と用語が変わり、発注する側は委託事業者、受注する側は中小受託事業者と呼ばれるようになりました。資本金の基準に加えて従業員の数による基準が追加されたため、対象外だと考えていた会社が対象になることがあります。支払の期日は受け取った日から60日以内のできる限り短い期間内で、発注の書面の交付と2年間の保存が求められます。新たに禁止されたのは、協議に応じない一方的な代金の決定と、手形などによる支払です。まず自社と外注先の規模を書き出し、委託の種類を整理してください。そのうえで、発注の書面と支払の条件と契約の条項を見直します。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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