資料作成AIはどれを選ぶ?|任せる範囲で決める

「資料作成AIを入れたいのですが、結局どれがいいのでしょうか」「無料の範囲で試したら見た目はきれいだったのに、そのままお客様には出せませんでした」——資料作成に生成AIを入れようとしている部署から、この2つはたいてい同じ週に届きます。答えが出ないのは調べ方が足りないからではありません。本当は、同じ「資料作成AI」という名前の道具が、実際にやっている仕事はそろっていないからです。話の骨組みを考えるものと、文章を書き下ろすものと、図に起こすものと、体裁をそろえるものが、1つの言葉でまとめられています。この記事では、資料作成AIを何を生成する道具かで5つに分けたうえで、選定で見るべき6つの軸と、任せてよい範囲と人が握る範囲の引き方を整理します。
カメ先生資料作成AIって、スライドを丸ごと作ってくれる道具だと思われがちなんだけど、本当は「どの工程を肩代わりするか」が製品ごとに違うんだ。
カメ子同じ資料作成という名前でも、やってくれる範囲が違うということですか。
カメ先生そう。骨組みを出す道具、文章を書く道具、図に起こす道具、体裁をそろえる道具。得意な工程が違うから、比べる前に自分たちがどの工程で止まっているかを決めることになる。
カメ子止まっている場所が分からないうちは、比べようがないんですね。
- 資料作成AIは5類型に分かれる。生成の対象が違うので、機能一覧を横に並べた比較は成り立たない
- 選定で効いてくるのは、入れた情報の行き先、出力後の直しやすさ、既存の型の引き継ぎ、記録、費用の増え方
- 削減効果の最頻値は1〜2割。半分になる前提で選ぶと、選定基準そのものが歪む
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「どれがいいですか」に一言で答えられない理由
資料作成に生成AIを入れる相談は、ほぼ例外なく道具の名前から始まります。ところが候補として挙がってくるものは、生成している対象がそろっていません。話の順番を提案するものと、各ページの文章を書き下ろすものと、関係を図に起こすものを、同じ表に並べて比べても優劣は出ません。得意な工程が違うので、勝ち負けの土俵が最初から別だからです。
しかもこの領域は、企業の生成AI利用のなかで最も進んでいます。総務省の令和8年版情報通信白書(2026年7月公表、調査は2025年度企業向け調査)によると、「議事録・メール作成補助」に生成AIを活用していると答えた割合は日本で約7割(3つの活用区分の合計で71.2%)となり、13の業務類型のなかで最も高い数字でした。導入効果を感じると答えた割合も72.3%で、次点の社内ヘルプデスク42.7%を大きく引き離しています。
前年の令和7年版で同種の設問が47.3%だったことを踏まえると、1年でこの領域だけが突出して伸びたことになります。同じ調査で、何らかの業務で生成AIを利用していると答えた企業の割合も日本で86.4%まで上がりました。選定で迷うのは、選択肢が少ないからではなく、手が付いた分だけ候補が増えたからです。だから最初にやることは候補を並べることではありません。自社の資料作成が、どの工程で止まっているかを決めることが先になります。
まず、何を生成する道具なのかで分ける
資料作成AIと呼ばれる道具は、生成の対象で5つに分かれます。話の骨組みを出す型、各ページの文章を書く型、関係を図に起こす型、配色や余白をそろえる型、挿絵や背景の素材を作る型です。1つの製品が複数の型を兼ねることはありますが、兼ねている場合でも中心に据えている型は1つで、そこから離れるほど出来は落ちます。
| 道具の型 | 生成するもの | 強い場面 | 任せてはいけないこと |
|---|---|---|---|
| 骨組みを作る型 | 見出しと話の順番の案 | 何から話すかが決まらないとき | 結論そのものの決定 |
| 文章を書く型 | 各ページの本文と言い回し | 書き出しで止まるとき | 数値と固有名詞の確定 |
| 図に起こす型 | 関係図や流れ図の下書き | 言葉で説明しきれないとき | 因果関係の断定 |
| 体裁をそろえる型 | 配色、余白、書式の統一 | 見た目がばらつくとき | 読み手に合わせた強弱の判断 |
| 素材を作る型 | 挿絵や背景の画像 | 手持ちの素材がないとき | 実在の製品や人物の描写 |
この分け方が効くのは、詰まる工程が人によって違うからです。話の順番が決まらない人と、順番は決まっているのに書き出せない人と、書けているのに見た目がそろわない人では、必要な道具が違います。同じ部署のなかでも詰まる工程は担当者ごとに違うので、部署に1つだけ入れると誰か1人の詰まりだけが解けて終わります。
逆に、5つ全部を1つで済ませようとすると選定は必ず難航します。全部できると書かれている道具ほど、どの工程も浅くなりやすい。実務では、骨組みと文章を1つで賄い、図と体裁は既存の作成ソフトの機能で処理する、という組み合わせに落ち着くことが多くなります。兼ねている型が多いことは、選定では長所として数えないほうが判断を誤りません。
実際に使われているのは、資料のどの作業か
5つの型のうち、現場で実際に手が付いているのはどこか。営業担当293名を対象にした2026年5月の調査では、生成AIを利用している作業(複数回答)は「文章作成・要約・整理」が70件で最も多く、「アイデア出し・ブレスト」57件、「情報収集・リサーチ」48件と続きました。生成AIを使って作成している資料は「営業提案書(顧客向け)」80件、「会議資料・議事録」65件、「報告書・レポート」54件が上位です。
並びを見ると、上位はすべて言葉を扱う作業で、図解や体裁づくりは上位に入っていません。実務では5つの型のうち骨組みと文章の2つに用途が集中しているということです。ここから読めるのは、図と体裁については既存の作成ソフトの機能で足りている場合が多いということで、選定でも骨組みと文章の型から見て、図と体裁は今の道具で不足があるときだけ追加を検討すれば足ります。
もう1つ読めるのは、最も多く作られているのが顧客向けの提案書だという点です。外に出る資料が最初の適用先になっているので、確認の設計を後回しにできません。社内資料から試して慣れてから外向きに広げる、という順番は安全に見えますが、現場はすでに逆から始めています。選定と同時に、外に出す資料の確認範囲を決める必要があります。
軸1:白紙から作らせるのか、手元の原稿を資料の形にするのか
5類型の次に効くのが、材料の渡し方です。道具は大きく2系統に分かれます。テーマだけ伝えて白紙から作らせる系統と、すでにある原稿や議事録を投げ込んで資料の形に整えさせる系統です。画面の見た目は似ていますが、出てくるものの性質はまったく違います。
白紙から作らせる系統は速く、企画の初速を出すのに向きます。ただし自社の事情を知らないので、書かれる内容は一般論に寄ります。手元に材料がないまま作らせた資料は、読み手から見ると「どこの会社が出しても成立する資料」になります。提案の場でこれが出ると、相手はすぐに気づきます。
手元の原稿を投げ込む系統は、材料を用意する手間がかかるかわりに、書かれる事実が自社のものになります。選ぶときの分岐点は単純で、材料が手元にそろっているかどうかです。議事録や過去の提案書、実績の数字が社内にあるなら後者、まだ何も無い段階の企画なら前者から入り、骨組みが決まった時点で後者に渡す形が現実的です。令和8年版白書では、社内データを参照できる形に整えている企業の割合が米国、ドイツ、中国では5割を超え、日本はこれを大きく下回っていました。材料側が整っていない状態で後者の系統を選ぶと、道具の性能とは無関係に成果が出ません。
軸2:入れた情報がどこへ行くのかを確かめる
資料の材料には、顧客名や未公表の数字が混じります。ここで確認が要るのは、入力した情報が提供元の学習に使われるかどうかです。個人情報保護委員会は2023年6月2日に公表した注意喚起で、本人の同意なく個人データを含む指示文を入力し、その情報が応答の出力以外の目的で扱われる場合、個人情報保護法違反となる可能性があると示しています。そのうえで、提供事業者が当該データを機械学習に利用しないことを十分に確認するよう求めています。
同じ注意喚起では、利用規約とプライバシーの方針を十分に確認したうえで、入力する情報の内容を踏まえて判断するようにとも書かれています。設定の有無だけでなく、管理者が全員分をまとめて設定できるか、個人が後から解除できてしまわないかまで見ておく必要があります。個人単位の設定に頼る運用は、担当が増えた時点で崩れます。
あわせて、保存期間と保存される場所、退職者の分をどう消すか、監査を受ける立場になったときに提出できる記録が残るかを確かめます。令和8年版白書によると、日本でリスク対策として最も多かったのは「全社的な指針やガイドラインを整備している」で41.1%でした。一方、他の3か国では導入段階の審査体制や導入後の定期的な評価のほうが日本より高い割合になっています。規程を作って終わりにせず、入れた後に見る仕組みまで含めて選定条件にするのが、この差を埋める最短の手です。同じ調査で日本の企業が挙げた懸念の最多も「社内情報の漏洩などのセキュリティリスクがある」で、次いで「出力結果の精度に問題がある」「著作権等の権利を侵害する可能性がある」でした。懸念として挙がっている順番と、実際に対策が打たれている順番はそろっていません。
軸3:出てきた資料を、そのあと誰がどこで直すのか
試用でよく見落とされるのが、出力後の工程です。生成された資料は、ほぼ確実に人が直します。そのとき、普段使っている作成ソフトで開けるか、開いたときに体裁が崩れないか、文字だけが画像になって編集できなくなっていないかで、手間はまったく違ってきます。
見た目が9割できていても、最後の1割が直せない形式なら、結局その資料は作り直しになります。特に、図の中の文字が画像として焼き付けられている場合、社名や数字の修正が発生した瞬間に全部が無駄になります。試用のときは、完成度ではなく「1文字直すのに何手かかるか」を見てください。
直す人が誰かも先に決めておきます。作った人と直す人が違う運用では、書き出した形式がそのまま引き継ぎの品質になります。編集できる形で出せるかどうかは、機能表ではなく実際に書き出して確かめるしかありません。書き出しの形式が複数ある場合は、社内でいちばん使われている形式で試します。試用のときだけ特別な形式で書き出して評価すると、本番で毎回その手順が増えます。
軸4:自社の資料の型を引き継げるか
既存の資料には型があります。表紙の作り、見出しの位置、書体、配色、ロゴの置き場所。ここが引き継げないと、生成された資料は社内のどれとも似ていない見た目になります。営業担当293名を対象にした2026年5月の調査(株式会社スライドチーム、調査期間2026年5月10日〜5月16日、有効回答293)では、生成AI利用時の不満として「自社のテンプレートに合わせられない」が32件挙がっています。
同じ調査では「生成AIっぽいデザインになってしまう」が35件で、これより上位にあるのは指示文の作りにくさ42件と情報の正確性への不安38件だけでした。リリースでは、この見た目の問題について社内向け資料では一定程度許容される一方、経営層向けや顧客向け資料では品質の面で課題が残ると整理されています。つまり、見た目の癖は用途によって許容度が変わる問題です。
確認するのは3点です。既存の型を読み込ませられるか、書体と配色を固定できるか、そして固定した設定が担当者ごとに上書きされない形で配れるか。3つ目が抜けていると、最初の1か月はそろっていても、半年後には人ごとに違う資料が出回ります。型の引き継ぎは、読み込ませられるかどうかより、配れるかどうかで差が出ます。試用では1人で使うので、この差は最後まで見えません。
軸5:複数人で触ったときに何が残るのか
資料は作った人の手を離れて回覧されます。作成者がいない場で開かれ、そこで「この数字はどこから来たのか」と聞かれる。このとき記録が残っていないと、答えられるのは作った本人だけになります。選定の段階で、版と変更の記録がどこまで残るかを見ておく必要があります。
見るのは、誰がいつどの版を作ったか、どこを直したか、元になった材料は何かの3つです。生成された文と人が書いた文の区別が付く形で残るかも確かめてください。区別が付かないと、あとから事実確認をするときに、どこを疑えばよいのかが分からなくなります。
権限の設計も同じ場で見ます。閲覧だけの人、編集できる人、書き出して外に出せる人を分けられるか。顧客名の入った資料を扱う以上、外に出せる権限を絞れるかどうかは、機能の優劣ではなく採否の条件になります。
軸6:費用が増える場所を先に見る
費用のかかり方は大きく3通りあります。使う人数で増えるもの、生成の回数や量で増えるもの、扱うデータの量で増えるものです。どれで増えるかを読み違えると、試用のときの安さが本番で反転します。人数課金の道具を10人で試して安いと判断し、全社100人に広げた時点で桁が変わる、という形が典型です。
回数で増える型は、使わない月は安く済むかわりに、繁忙期に跳ねます。四半期末や決算期に資料作成が集中する部署では、平均ではなくピークで見積もる必要があります。データの量で増える型は、社内資料を読み込ませるほど費用が上がるので、読み込ませる範囲を先に決めておかないと歯止めが効きません。
見積もりを取る前に、月に何本の資料をどのくらいの分量で作っているかを数えておきます。この数字がないまま商談に入ると、提示された料金表の妥当性を判断できません。数え方は難しくなく、直近3か月に作った資料を数えるだけで十分です。数えた本数は、決裁のときに置いた前提として記録に残しておきます。半年後に実績と突き合わせれば、契約を続けるかどうかの判断がその場で付きます。
任せてよい範囲と、人が握る範囲を先に決める
道具を選ぶ前に決めておくと選定が速くなるのが、この線引きです。任せてよいのは、順番の候補を出すこと、言い回しを変えること、図の下書きを作ること、体裁をそろえること、抜けている項目を指摘させることです。いずれも、間違っていても人が見れば分かるものに限られます。
人が握るのは、数値とその出どころ、固有名詞、価格や納期や保証といった約束事、そして結論です。AIに判断させないというのは、AIを使わないという意味ではありません。案は出させる、根拠は必ず書かせる、そのうえで採否は人が決めるという分担にするということです。根拠を書かせておくと、確認すべき場所がそこに集まります。
この線引きは、資料が外に出るかどうかで動きます。外に出る資料では、人が確認する範囲を作業に入る前に決めておく。確認を後回しにすると、締め切り直前に全ページを読み直すことになり、結局は時間が増えます。
- 生成された数値をそのまま資料に載せ、出どころの確認を最後に回す
- 価格、納期、保証の文言を生成させ、担当者が読んで問題なさそうなら通す
- 図の中の文字まで生成させ、社名や単位の誤りに気づかないまま印刷する
- 生成した文と人が書いた文を混ぜ、どこを確認したかの記録を残さない
- 「正確に書いて」と付け足すだけで、事実確認の工程を省く
選ぶ前に、いまの資料作成を測っておく
選定でいちばん効くのは、比較表ではなく現状の数字です。先の営業担当293名の調査では、資料作成業務を負担に感じる人が65.2%(とても感じる31.4%、やや感じる33.8%)で、1週間の業務時間のうち資料作成に使う時間は「6〜10時間」が28.7%、「11〜20時間」が8.9%、「21〜30時間」が4.8%でした。資料作成業務に生成AIを利用しているのは53.9%です。
同じ調査の削減効果は、「1〜2割ほど削減」38.0%、「3〜4割」34.2%、「5〜6割」16.5%、「7〜8割」6.3%、「9割以上」1.9%という分布でした。最も多いのは1〜2割の削減で、半分以下になったと答えた人は4人に1人です。半分になる前提で道具を選ぶと、費用の許容範囲も、社内への説明の仕方も、すべて過大に振れます。
測り方は簡単です。直近に作った資料を3本選び、材料集め、骨組み作り、本文書き、体裁調整、確認のそれぞれに何分かかったかを書き出します。時間が集中している工程が、任せる候補の第一号になります。3本で足りるのは、詰まる工程が人によってほぼ固定されているからです。測る前に道具を決めてしまうと、削減できたかどうかを後から証明できません。導入前の数字は、導入後には二度と取れません。
試用で確かめるのは、出来栄えではなく直す手間
無料の範囲で触ると、たいていの道具はきれいなものを出します。ここで判断すると外します。試用で見るべきなのは、出てきたものの完成度ではなく、それを社内で通る形にするまでに何をしたかです。手順を決めて、同じ条件で比べます。
架空のテーマではなく、実際に作りかけて止まっているものを使います。止まっている理由がそのまま試験項目になります。
材料の量と形をそろえないと比較になりません。渡した材料の一覧を控えておきます。
途中でやめず、実際に提出できる状態まで持っていきます。ここで初めて差が出ます。
文章を直したのか、数値を直したのか、体裁を直したのかを分けて数えます。種類が偏るなら、その工程は任せない工程です。
社内の他の資料と並べたときに浮くかどうかを見ます。浮く場合、型の引き継ぎが弱いと判断できます。
この5工程を候補ごとに回すと、機能表では見えない差が出ます。完成度が最も高かった道具と、直す手間が最も少なかった道具は、しばしば一致しません。選ぶべきは後者です。
資料の種類ごとに、任せる範囲を変える
すべての資料に同じ線を引く必要はありません。社内で共有するだけの資料と、顧客に渡す資料と、経営層が判断に使う資料では、間違ったときの跳ね返り方が違います。先の調査でも、見た目の癖は社内向けでは一定程度許容される一方、経営層向けと顧客向けでは課題として残ると整理されていました。
| 資料の種類 | 任せてよい範囲 | 人が必ず握るところ | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 社内共有 | 骨組み、下書き、体裁の統一 | 数値の出どころ | 転記のときに単位が落ちる |
| 顧客提案 | 骨組みの案、言い換え、図の下書き | 価格、納期、保証の文言 | 前の案件の条件が残る |
| 経営層向け | 要点の並べ替え、図の下書き | 結論と根拠、前提条件 | 断定に見える言い回しになる |
| 社外公開 | 素材の案、表記ゆれの検出 | 出典の表記、権利の確認 | 生成した図の中に文字が残る |
この表を先に作っておくと、道具ごとの採否も決めやすくなります。社内共有までしか使わないと決めた道具には、外に出せる権限を最初から与えない。用途を絞ることは制限ではなく、確認の負担を減らす設計です。
運用に落とすときは、資料の種類ごとに「誰が最終確認するか」を1人に決めます。複数人で見る取り決めにすると、全員が誰かが見ていると考えて、結果として誰も見なくなります。確認の担当は役職ではなく、その資料の数字の出どころを知っている人に置きます。役職で決めると、確認が形だけの承認に変わります。
導入後に効果が止まる3つの型
入れてしばらくすると、削減した時間が伸びなくなります。止まり方には型があり、先の調査の課題項目とほぼ重なります。1つ目は、確認と修正の時間が生成の時間を食い潰す型です。同調査では「出力内容の確認・修正に時間がかかる」が34件、「生成された情報の正確性に不安がある」が38件挙がっていました。
2つ目は、指示の言葉が人によって違う型です。「理想通りの出力を得るプロンプト作成が難しい」は42件で最多でした。同じ道具を使っていても、指示の書き方が共有されていないと出てくるものの質が人ごとに割れます。うまくいった指示を部署で共有する場を1つ決めるだけで、この型は緩みます。
3つ目は、渡す材料が古い型です。読み込ませている社内資料が更新されていないと、生成される内容も古いまま安定します。道具を替えても直らないのはこの3つ目で、材料側の手当てが要ります。選定の段階で、材料の更新を誰が担うかまで決めておくと後が楽になります。
選定の記録に残しておく項目
導入して半年から1年で、同じ検討がもう一度立ち上がります。人が替わるか、料金が変わるか、新しい候補が出てくるからです。このとき、前回何を比べて何を落としたかの記録がないと、同じ検証を最初からやり直すことになります。記録は数行で足りますが、無いと必ず二度手間になります。
- 比較した候補の名前と、比較した時点の日付
- 自社のどの工程を任せる前提で比べたか
- 試用で渡した材料の一覧と、直すのにかかった時間
- 入れた情報の扱いについて、提供元に確認した内容と回答
- 落選した候補と、落とした理由(機能不足か、費用か、扱いの条件か)
- 決裁のときに置いた前提(月あたりの作成本数、使う人数)
- 落選理由は、次に候補を見るときの足切り条件としてそのまま使える
- 提供元への確認は、口頭ではなく文面で残しておくと監査のときに使える
- 前提として置いた作成本数は、半年後に実績と突き合わせて費用の妥当性を見直す
記録の目的は、次に検討する人が同じ調べ物をしないで済むようにすることです。前回の判断が正しかったかどうかは、そのときになれば実績が教えてくれます。
よくある質問
無料の範囲だけで判断してよいですか
骨組みと文章の出来は無料の範囲でも見えますが、選定で効く6つの軸のうち、入れた情報の扱い、権限の設計、記録の残り方は無料の範囲では確かめられないことが多くなります。少なくとも、入力した情報が学習に使われない設定が管理者側で一括してかけられるかは、有料の条件を確認しないと分かりません。
全社で1つに統一すべきですか
統一の利点は、指示の書き方を共有できることと、費用と記録の管理が1か所で済むことです。一方で、詰まる工程は部署によって違います。現実的なのは、入れた情報の扱いと権限の条件だけを全社の基準として固定し、その基準を満たす範囲で部署が選べるようにする形です。基準を先に決めておけば、部署ごとの選定は短時間で終わります。
見た目が整えば、中身も良くなりますか
逆に働くことがあります。体裁が整った資料は、読み手にとって正しく見えます。中身の粗さが体裁で隠れる分、確認が甘くなるという副作用があるためです。だから体裁をそろえる道具を入れるときほど、数値と出どころを確認する工程を作業手順のなかに固定しておく必要があります。
あとから乗り換えるときに困ることは何ですか
困るのは、過去に作った資料の材料と設定です。読み込ませた社内資料、固定した書体と配色、うまくいった指示の書き方が、道具の中だけに置かれていると持ち出せません。選定のときに、設定と材料を自社の側に控えておけるかを確認しておくと、乗り換えの費用が大きく下がります。
まとめ
資料作成AIは1つの市場ではありません。骨組みを出す型、文章を書く型、図に起こす型、体裁をそろえる型、素材を作る型の5つに分かれ、生成している対象が違います。だから機能一覧を横に並べた比較表は、最初から成立しません。比べる前に、自社の資料作成がどの工程で止まっているかを決めることが、選定の実質的な第一歩になります。
選ぶときに効くのは、試用の初日には見えない6つの軸です。白紙から作らせるのか手元の材料を整えさせるのか、入れた情報がどこへ行くのか、出力後に誰がどこで直すのか、自社の型を引き継げるか、複数人で触ったときに何が残るか、費用がどこで増えるか。いずれも導入から3か月後に効いてくるものばかりです。
そして、期待値を先に決めておくこと。実測された削減効果の最頻値は1〜2割で、半分以下になったと答えた人は4人に1人でした。半分になる前提で選ぶと、費用の許容範囲も社内への説明も過大に振れます。案は出させ、根拠は書かせ、数値と約束事と結論は人が握る。この線を先に引いてから道具を見に行くと、比較の時間は驚くほど短くなります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
コンテンツ制作にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
