アセットスタジオで広告素材を作る4工程|人が決める所を残す

「管理画面の中で画像も文も動画も作れるなら、制作の依頼はもう要らないのではないか」「作れるのは分かったが、出来上がった素材を誰がどこで確かめればよいのかが決まっていない」。広告の運用担当者から、この2つの声が同時に上がっています。どちらも自然な反応です。グーグルは2026年5月20日のグーグル・マーケティング・ライブで、広告の管理画面の中にある制作の場所「アセットスタジオ」に、依頼の要旨やブランドの基準を読み取って画像・文・動画をまとめて作る機能を加えると発表しました。英語では同じ年の夏に世界へ展開するとされています。ただし、この道具で考えるべきなのは作れる素材の量ではありません。本当は、生成の前と後に、人が決める工程をどこに残すかです。この記事では、アセットスタジオで広告素材を作る流れを4つの工程に分け、それぞれで人が決めることと、管理画面の外に残す記録を整理します。
カメ先生アセットスタジオは、グーグル広告の管理画面の「ツール」の中にある、広告素材の制作と保管の場所だ。商品の画像から利用場面の画像を作ったり、画像の背景を差し替えたり、動画を組んだりできる。2026年の発表で、依頼の要旨を渡すと画像と文と動画をまとめて案として出す方向に広がったんだ。
カメ子管理画面の中で全部済むなら、確認も管理画面の中でできそうですね。
カメ先生そこが落とし穴だよ。作った素材は管理画面に一定期間しか残らないし、誰が承認したかの記録も管理画面には残らない。それに、公式のヘルプも、生成した素材が正確か、誤解を招かないかを公開前に確かめるのは広告主だとはっきり書いている。AIには案を出させて、どれを出すかは人が決める。確認と記録は外に置くのが前提だ。
カメ子作る工程と、決める工程を別の場所に分けるわけですね。
- アセットスタジオは広告の管理画面の中で画像・文・動画を作り、保管と共有もできる制作の場所
- 工程は、依頼の中身を決める・生成させる・社内で確かめる・入稿と差し替えを記録するの4つ
- 生成した素材の正確さの確認と承認の記録は、管理画面の外に残す
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アセットスタジオとは:管理画面の中の制作と保管の場所
アセットスタジオは、グーグル広告の管理画面の「ツール」の中に置かれた、広告素材を作る・直す・保管する・共有するための場所です。公式ヘルプの日本語版では、アセットの作成、編集、管理、共有を1か所で行える場所と説明されています。ここでいうアセットは、広告に使う見出しや説明文、画像、動画といった素材のことです。
ヘルプに並ぶ主な機能は次のとおりです。1つか2つの商品の画像をもとに、背景や人物、利用場面を組み込んだ画像を作る商品画像の生成。背景を変える、物を足す・消す、画像の枠を広げるといった直しができるAI画像エディタ。横長や縦長の動画を組む動画制作ツールと、短い形式に合わせる動画のトリミング、ナレーションの追加。そして素材をまとめて置くアセットライブラリです。
素材はパソコンのほか、商品データの管理画面やクラウドの保管場所から取り込めます。作った素材は、共有用のプレビューのリンクで社内や代理店の人に見せられます。一方で、ヘルプには生成したプロジェクトと素材は自動で保存され、55日間保持されるとあります。長く残しておく場所ではない、という点がこの記事の後半の工程に関わってきます。社内の確認が長引いて月をまたいだ素材や、季節ごとに使い回す素材ほど、この期間を過ぎてから探すことになりやすいので注意が要ります。
2026年5月の発表で加わったこと
2026年5月20日の公式ブログは、アセットスタジオが多くの形式を扱う新しい段階に入ると発表しました。中心は、依頼の要旨、ブランドの基準、ウェブサイト、広告の目的を読み取って、複数の切り口と素材の種類で案をまとめて作る機能です。できた案は、自然な文章で「背景をもっと明るく」のように指示して直せるとされています。画像・文・動画を別々の道具で作っていた流れが、1つの画面にまとまるのが大きな変化です。
動画については、グーグルの多くの形式を扱う生成モデルであるジェミニ・オムニを使って動画の素材を組めるようになると案内されました。さらに、作った素材を1回の操作で比較の試験にかけられる機能も発表されています。画像の生成には、グーグルの最新の画像生成モデルが使われているとヘルプに書かれています。
比較の試験の機能は便利ですが、試験にかける前の関門は変わりません。試験に入れてよいのは、工程3の確認を通った候補だけです。確認を通っていない案を「どうせ試験で落ちるから」と入れてしまうと、成果の良かった案が表現の問題を抱えたまま配信され続けることになります。また、表示の回数が少ないうちに勝ち負けを決めないよう、試験を止める時期の目安も運用の担当者が先に決めておきます。
注意したいのは提供の時期と言語です。公式ブログは、新しい機能を英語で2026年夏に世界へ展開すると書いています。日本語の管理画面でいつ同じ機能が使えるかは、確認した時点の公式の情報には書かれていませんでした。発表された機能が自社の管理画面にあるとは限らないので、次の章の条件とあわせて、自社の画面で確かめてから計画を立ててください。
自社の管理画面で使えるかを、先に確かめる
生成の機能には利用条件があります。パフォーマンス最大化キャンペーンで生成AIを使って素材の組を作る手順を説明した公式ヘルプでは、管理画面の表示言語が英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語のいずれかであることが条件に挙がっています。確認した時点では、この一覧に日本語は含まれていませんでした。
同じヘルプは、選挙広告の認証を済ませたアカウントは対象外であること、政治、行政、健康、宗教、機微な商品や禁止された商品に関わるページは、ページから素材を自動で作る機能の対象外であることも示しています。BtoBでも、医療機器や健康に関わるサービス、行政向けの製品を扱う会社は、この条件に当たる可能性があります。
アセットスタジオのヘルプの日本語版そのものは公開されており、商品画像の生成や画像の編集といった機能の説明も日本語で読めます。ただ、個々の生成の機能がどの言語の画面で使えるかは、機能ごと・時期ごとに変わります。管理画面の「ツール」からアセットスタジオを開き、自社のアカウントで表示される機能を一覧に書き出すところから始めるのが確実です。
- 日本語の管理画面での生成機能の提供状況は、2026年9月時点の公式ヘルプで確認できなかった。使う前に自社の画面と最新のヘルプで確かめる
- 媒体が入稿後に素材を自動で加工する設定は、自分から作らせるアセットスタジオとは別の仕組み。その扱いは別の記事「広告素材の自動加工はオンかオフか」で整理している
4工程の全体像:作るのは画面の中、決めるのは画面の外
アセットスタジオで広告素材を作る流れは、4つの工程に分けると役割がはっきりします。生成するのは管理画面の中ですが、その前後の決めごとと記録は、管理画面の外に置きます。
誰に何を伝える広告か、使う製品の画像とロゴ、言ってはいけない表現を、生成の前に文書で固めます。
依頼の中身をもとに、画像・文・動画の案をまとめて作らせ、候補を多めに出します。
ブランドの基準、業界の表示の決まり、製品の正確さの3点で、出してよい候補を人が選びます。
どの素材を、誰の承認で、いつ入稿したか、元の素材はどれかを、管理画面の外の台帳に残します。
4つのうち、AIが主役になるのは工程2だけです。工程1と工程3は人が決める工程、工程4は人が残す工程です。生成が速くなるほど、工程1と工程3が薄いまま素材だけが増えるので、工程の順番を最初に社内で共有しておくことが、この道具を使いこなす前提になります。
工程1:依頼の要旨に書く4つの項目
公式ブログは、アセットスタジオが依頼の要旨とブランドの基準、ウェブサイト、目的を読み取ると説明しています。つまり、渡す要旨の質がそのまま案の質になります。要旨に書くのは、誰に向けた広告か、その人のどんな困りごとに応えるか、伝えたい製品の特長は何か、見た人にしてほしい行動は何か、の4つです。「業務を効率化する道具」のような漠然とした要旨からは、どの会社の広告にも見える案しか出ません。
BtoBの場合、誰に向けた広告かは、業種と職種と会社の規模まで書くと案が具体的になります。たとえば「従業員300人前後の製造業の経理担当者で、月末の請求書の突き合わせに時間を取られている人」のように書きます。特長も、機能の名前ではなく、その人の困りごとがどう変わるかで書くと、文の案が読み手の言葉に近づきます。
4つの項目に加えて、使わない切り口も要旨に書いておきます。たとえば、価格の安さでは訴えない、競合の名前は出さない、導入企業の名前は出さない、といった線です。生成の道具は、似た製品の広告でよく使われる切り口を案として出しがちです。使わない切り口を先に書いておけば、工程3で外す候補が減り、確認する人の手間も減ります。
要旨は、管理画面に打ち込む前に、社内の文書として1枚にまとめておきます。後で「なぜこの素材を作ったのか」を振り返るときの根拠になり、同じ製品の広告を別の担当者が作るときにも使い回せるからです。要旨を管理画面の中にだけ置かないことが、工程4の記録につながります。
工程1の続き:製品画像・ロゴ・禁止表現を先に渡す
要旨と一緒に、使ってよい素材を決めておきます。製品の写真、製品の画面の画像、ロゴ、ブランドの色です。公式ヘルプによると、アセットスタジオは商品の画像や文書、ブランドの基準を入力として受け取れます。渡す製品の画像は、最新の版で、社内で公開の承認が済んだものだけに絞ります。古い画面の画像を渡すと、今は無い機能を映した素材が量産されます。
禁止表現の一覧も、生成の前に用意します。BtoBの広告で多いのは、「必ず」「業界初」「導入するだけで」のような断定や最上級の表現、裏付けのない削減率や導入社数、競合との比較です。一覧は、生成させるときの指示に含めるとともに、工程3で人が確かめるときの物差しとしても使います。
ブランドの基準書そのものに何を書くかは、この記事の範囲ではありません。色やロゴの扱い、生成した素材を見る関門の設計は、別の記事「ブランドガイドラインに入れる項目」で詳しく扱っています。ここでは、アセットスタジオに渡すものとして、基準書の要点を1枚に抜き出しておけば足りる、という点だけ押さえてください。
工程2:画像を生成させるときの押さえどころ
商品画像の生成は、1つか2つの商品の画像から、背景や人物、利用場面を組み込んだ画像を作る機能です。ヘルプは、商品を忠実に再現した写実的な画像を作ると説明しています。形のある製品なら、オフィスの机の上や工場の中に置いた場面を作るといった使い方ができます。一方、業務用の画面そのものが製品の場合は、画面の中身が書き換わっていないかを必ず確かめます。
AI画像エディタでは、背景を変える、物を足す・消す、画像の枠を広げるといった直しができます。広告の配信面ごとに縦横の比率が違うため、枠を広げる機能は1枚の写真から複数の比率の素材を作るときに役立ちます。ただし広げた部分はAIが描き足したものです。製品や人物の一部が描き足された部分にかかっていないかを見ます。
人物の扱いにも決まりがあります。パフォーマンス最大化キャンペーンの生成のヘルプでは、大人の人物や顔の画像は生成できるようになった一方、著名な人物に似せた画像や未成年、子どもの画像の生成は認められていないとされています。生成した人物を実在の顧客や社員のように見せないことは、社内の決まりとしても定めておきます。画像の生成は、候補を多めに出させて、工程3で絞る前提で進めると、1枚ずつ直す手間が減ります。
工程2の続き:文と動画は、元の資料との差を見る
文の案は、見出しや説明文として複数の切り口で出てきます。生成された文は、要旨と製品のウェブサイトを読み取って作られるため、サイトに書かれていない特長や数字が混ざることがあります。文の案は1本ずつ、元になったページのどこに書いてあるかを確かめられるものだけを残します。書いてある場所を示せない文は、どれほど魅力的でも候補から外します。
実務では、文の案を表計算のシートに貼り、案の横に「根拠のページ」と「根拠の記述」の2列を足して埋めていく手順が確実です。根拠の列を埋めるのは生成の担当者で、製品の担当者はその列を見て正しいかどうかだけを判断します。案と根拠が並んでいれば、製品の担当者は案を1本ずつ調べ直す必要がなく、確認にかかる時間を大きく減らせます。
動画は、横長か縦長の動画を組む動画制作ツールと、短い形式に合わせるトリミング、ナレーションの追加で作ります。5月の発表では、生成モデルを使って動画の素材を組む方向が示されました。既存の製品紹介の動画を短く切り出して縦長にする作業なら、制作の依頼を出すより早く済みます。
動画で気をつけたいのは、ナレーションと字幕の中の言葉です。画像や見出しより確認の目が届きにくく、途中の1文に誇張が紛れ込んでも気づかれにくいからです。動画の確認では、ナレーションを文字に起こして、見出しと同じ物差しで読む手順を入れておきます。
BtoBの広告で起きやすい2つの事故
1つ目は、製品の画面や図の改変です。背景の差し替えや枠の拡張、利用場面の生成を重ねるうちに、製品の画面の中の文字や数字、ボタンの配置が別物に置き換わることがあります。業務用の仕組みの広告で、実在しない画面が映った素材が出回ると、問い合わせた見込み客が実際の製品との違いに戸惑います。製品の画面が映る素材は、元の画像と並べて1か所ずつ見比べます。
2つ目は、書いていない効果の言い回しです。「作業時間を大幅に削減」「すぐに成果が出る」といった表現は、生成された文に入り込みやすい型です。要旨に効果の数字を書いていなくても、似た製品の広告でよく使われる言い回しが案として出てくることがあります。裏付けのない効果の表現は、業界によっては表示の決まりにも触れます。
どちらの事故も、AIの性能が上がれば無くなる種類のものではありません。AIは見た目や言い回しとしてもっともらしい案を出す道具であり、自社の製品の今の画面や、自社が証拠を持っている数字を知っているわけではないからです。だからこそ、正しいかどうかの判断はAIに任せず、元の資料を持っている人が確かめるという線を、工程3の最初に置きます。
工程3:社内で確かめる3つの物差し
生成した候補は、3つの物差しで人が確かめます。1つ目はブランドの基準で、ロゴの形と位置、色、書体、写真の雰囲気が基準書に沿っているかを見ます。2つ目は表示の決まりで、断定や最上級の表現、比較の表現、効果の数字に裏付けがあるかを見ます。3つ目は製品の正確さで、画面や機能、価格、提供の条件が今の製品と一致しているかを見ます。
この3つは、見る人の得意分野が違います。ブランドの基準は広報やデザインの担当者、表示の決まりは法務や広告の審査の担当者、製品の正確さは製品の担当者が向いています。1人が3つをまとめて見ると、得意でない物差しが素通りになるので、少なくとも製品の正確さだけは製品を知る人に回します。
見る順番も決めておきます。最初に製品の正確さ、次に表示の決まり、最後にブランドの基準の順で回すのが効率的です。製品の画面が違っていれば、その候補は表現やロゴの位置を見るまでもなく外れるからです。逆の順で回すと、ブランドの担当者が時間をかけて整えた候補が、最後に製品の担当者の確認で丸ごと差し戻されることになります。
確認の対象は、アセットスタジオの共有用のプレビューのリンクで渡せます。ただ、リンクを送って「確認お願いします」と書くだけでは、どの物差しで見ればよいかが伝わりません。リンクと一緒に、見てほしい物差しと、見なくてよい部分を1行ずつ書いて送ります。広告素材の社内確認で止まる原因と段取りの一般論は、別の記事「広告素材の社内確認で止まる原因」で扱っています。
工程3の続き:公式の決まりに照らして外す候補
公式ヘルプは、生成された素材や提案された素材が正確で、誤解を招かず、グーグルの広告の方針や法令に反していないかを、公開前に確かめるよう広告主に求めています。生成した素材の責任は、生成した道具ではなく出稿する広告主にあるという前提を、確認する全員が共有しておく必要があります。
そのうえで、候補から外す基準を決めておきます。元の資料で裏付けられない数字や効果の表現を含むもの。今の製品と違う画面や機能が映っているもの。実在の顧客や社員と誤解される人物の画像。競合の製品やロゴが映り込んでいるもの。この4つに当たる候補は、直すより外すほうが早く、確実です。
ヘルプによると、アセットスタジオで生成や編集をした画像には、グーグルのAIで作られた、または直されたかを後から調べられる電子透かしが組み込まれます。見た目には分からない印なので、生成した画像であることを社内の台帳にも書いておくと、後で問い合わせを受けたときに説明しやすくなります。
工程4:入稿と差し替えを台帳に記録する
確認を通った素材を入稿するときは、管理画面の外の台帳に1行ずつ記録します。書くのは、素材の名前、使ったキャンペーン、入稿した日、承認した人、元になった要旨と製品の画像、生成か手作りかの区別です。広告は差し替えが前提の媒体なので、いつどの素材が配信されていたかを後から追えることが大切です。
差し替えのときも同じ台帳に書き足します。配信を止めた素材は消さずに「停止」とし、止めた理由を1行添えます。成果が悪かったのか、製品の画面が変わったのか、表現に問題が見つかったのかで、次の素材の作り方が変わるからです。成果の読み方そのものは広告の運用側の話ですが、差し替えの理由が残っていないと、同じ失敗を繰り返します。
素材の名前の付け方も決めておきます。製品名、配信の形式、作った日付、版の番号を並べた名前にしておくと、台帳の行と管理画面の中の素材を突き合わせやすくなります。生成した素材は似た見た目のものが大量にできるため、名前の決まりがないと、どれが承認を通った版なのかを画像を見比べて探すことになります。
台帳は、表計算のシート1枚で足ります。凝った仕組みより、入稿する人が毎回必ず書く状態を作るほうが大切です。入稿の手順の最後に台帳の記入を入れ、台帳に1行書くまでを入稿の完了とすると決めてしまうのが、続けるうえでの近道です。
管理画面の外に残す3つのもの
アセットスタジオの中にもアセットライブラリがあり、素材をまとめて置けます。それでも外に残すべきものがあります。1つ目はブランドの基準書と禁止表現の一覧、2つ目は承認の記録、3つ目は元の素材です。ヘルプにある55日間の保持は、生成したプロジェクトと素材の話で、社内の記録の保管期間の代わりにはなりません。
元の素材とは、生成の入力に使った製品の画像やロゴ、要旨の文書のことです。これが社内の決まった場所に残っていれば、管理画面の中の素材が消えても、同じ条件で作り直せます。また、担当者や代理店が替わったときの引き継ぎも、外に残した素材と台帳があれば済みます。
承認の記録は、誰がどの物差しで見て通したかを残すものです。共有用のプレビューのリンクで確認を回した場合も、返ってきた判断はメールやチャットに散らばりがちです。確認の結果を台帳の同じ行にまとめて書き、どの版を誰が承認したかを1か所で引ける状態にしておくことで、後から表現の問題を指摘されたときにも経緯を説明できます。
作る前に決める実務仕様
ここまでの4工程を社内で回すために、アセットスタジオを使い始める前に決めておく項目を一覧にします。1回決めれば、以後はこの表を更新するだけで済みます。誰が決めるかの欄を空けたまま始めないことが、この表の一番の使い方です。
| 決める項目 | 中身 | 決める人 | 置き場所 |
|---|---|---|---|
| 使える機能の一覧 | 自社の管理画面に表示される生成の機能 | 運用担当 | 社内の手引き |
| 依頼の要旨の書式 | 誰に・困りごと・特長・してほしい行動 | マーケの責任者 | 社内の文書 |
| 使ってよい製品画像とロゴ | 最新の版で公開の承認が済んだもの | 製品担当・広報 | 素材の保管場所 |
| 禁止表現の一覧 | 断定・最上級・裏付けのない数字・比較 | 法務 | 社内の文書 |
| 確認の物差しと担当 | ブランド・表示の決まり・製品の正確さ | マーケの責任者 | 社内の手引き |
| 外す候補の基準 | 裏付けのない表現・違う画面・誤解される人物・競合 | 法務・製品担当 | 社内の手引き |
| 台帳の書式 | 素材・キャンペーン・日付・承認者・元の素材 | 運用担当 | 表計算のシート |
表の中で最も後回しにされやすいのは、使ってよい製品画像の決定です。製品の担当者に「広告に使ってよい最新の画面」を出してもらう依頼は、生成の前に済ませておきます。ここが決まっていないと、運用担当が手元にある古い画像を使ってしまい、工程3で差し戻しが続きます。
この表は、製品の画面が大きく変わったときと、管理画面に新しい生成の機能が表示されたときに見直します。とくに、2026年5月の発表でも新しい機能はまず英語で展開するとされたため、日本語の画面に新しい機能が現れたら、使える機能の一覧の行を書き換え、禁止表現や外す候補の基準に足すべきことがないかを確かめます。見直した日付を表の上に書いておくと、古い表のまま運用されていないかがすぐ分かります。
AIに任せる範囲と、人が決める所
アセットスタジオでAIに任せてよいのは、素材の案出しとバリエーションの量産までです。依頼の要旨から画像・文・動画の候補を多めに出させる、1枚の写真から複数の比率の素材を作る、既存の動画を短く縦長に切り出す、といった作業は、AIに任せることで制作の時間が大きく縮みます。
反対に、どの候補を出すかの判断、表現が正しいかの確認、製品の画面が今のものと一致しているかの確認は、AIに判断させません。人が確認する範囲を先に決め、生成させるときには、文の案ごとに、元になったページのどの記述を根拠にしたかを書かせると、確認する人の負担が減ります。根拠を示せない案は、その時点で外せます。
広告の運用を代理店に任せている場合は、4工程のどこを誰が持つかを契約や依頼書に書いておきます。生成と入稿を代理店が担うとしても、製品の正確さの確認は自社の製品の担当者が持つべきです。あわせて、承認の記録と元の素材を自社の置き場所に残してもらうことを依頼に含めておけば、代理店が替わっても経緯が途切れません。
- 依頼の要旨を書かずに生成させ、どの会社の広告にも見える案が並ぶ
- 古い製品の画面の画像を入力に使い、今は無い機能を映した素材を量産する
- 生成した文の中の効果の数字を、元のページで確かめずに入稿する
- 確認を1人にまとめ、製品の正確さを製品を知らない人が見ている
- 承認の記録と元の素材を管理画面の中にだけ置き、55日を過ぎて経緯が追えなくなる
まとめ
アセットスタジオは、グーグル広告の管理画面の「ツール」の中にある、広告素材を作る・直す・保管する・共有するための場所です。2026年5月の発表で、依頼の要旨やブランドの基準を読み取って画像・文・動画をまとめて作る方向に広がりましたが、新しい機能はまず英語で展開され、生成の機能には管理画面の言語やページの種類の条件があります。使うときは、依頼の中身を決める、生成させる、社内で確かめる、入稿と差し替えを記録する、の4工程に分けます。AIに任せるのは案出しと量産までで、どれを出すか、表現と製品の画面が正しいかは人が決めます。承認の記録と元の素材は、55日で消える管理画面の中ではなく外に残してください。まずは自社の管理画面でアセットスタジオを開き、表示される機能を書き出すところから始めましょう。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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