イベントの費用対効果が出ない原因|1件あたりで捉える

「来期も同じ展示会に出るのかと聞かれ、答えに詰まった」「名刺の枚数は記録しているが、1枚あたりの金額は出したことがない」——出展の是非を問われる場面で起きる詰まりです。答えられないのは、効果が出ていないからではありません。費用と成果を、比べられる形に並べていないためです。この記事では、1件あたりの原価の出し方と、5つの原因の切り分けを整理します。
カメ先生展示会の効果はね、集まった名刺の枚数で語られがちだが、その枚数だけでは出続けるかどうかを決められないんだ。
カメ子枚数のほかに、何を並べる必要があるのでしょうか。
カメ先生かけた費用だ。しかも出展料だけではなく、準備と当日と後追いに使った社内の時間まで入れる。その総額を件数で割ってはじめて、他の施策と比べられる形になる。
カメ子社内の時間まで数えるのですね。原価の出し方から確かめます。
- 費用対効果が出ないのではなく判断できない状態が多い。原価と成果の粒度がそろっていない
- 自社工数を原価に入れないと、社内で完結する施策が実際より安く見える
- リード単価と商談単価を分け、商談化の遅れを織り込んだ時間軸で評価する
説明を求められる場面が増えた
イベントの評価が議題に上がるようになった背景を押さえておくと、必要な準備の範囲が見えます。
変化の1つは、他の施策との比較が可能になったことです。広告やコンテンツは費用と成果が数字で出るため、比較の土俵に載ります。イベントだけが数字で語られないと、説明を求められる対象になります。
もう1つは、オンラインの選択肢が増えたことです。同じ目的に対して展示会、自社セミナー、ウェビナーという複数の手段があるため、どれを選ぶかの根拠が必要になりました。以前は出展するかしないかの二択でした。
三つ目は、社内の経費に対する目線が厳しくなったことです。金額の大きい施策は、継続の判断のたびに根拠を求められます。出展費は単価が大きいため、真っ先に対象になります。
説明を求める相手が誰かも把握しておく必要があります。事業部長なら受注と利益、経営層なら他の投資との比較、経理なら費目の妥当性を見ています。同じイベントでも、見せる数字の順序を相手に合わせると議論が短くなります。
この状況で必要なのは、精緻な計算ではありません。同じルールで毎回計算した数字が並んでいる状態を作ることが先です。数字の精度より、比較できる形になっていることが議論を進めます。
効果が出ないのではなく判断できない
相談の入口は効果が出ないという表現になりますが、確認していくと判断の材料がないことが原因である場合が多くあります。
よく見られるのは、獲得件数だけが記録されている状態です。名刺が300枚、申込が80件という数字はあるのに、それが多いのか少ないのか、いくらかかったのかが分かりません。件数だけでは、良し悪しの判断ができません。
もう1つは、費用の全体像がまとまっていない状態です。出展料は事業部の予算、装飾は別の予算、旅費は各自の精算。1つのイベントにかかった総額を出すのに、複数の部署に問い合わせが必要になります。
三つ目は、成果の追跡が途中で切れている状態です。名刺の枚数は分かるが、そのうち何件が商談になり、何件が受注したかを追えていません。イベントの評価は、この接続がないと成立しません。
判断できない状態が続くと、意思決定が声の大きさで決まります。長く出ている展示会は惰性で継続され、新しい施策は根拠がないまま見送られる。数字がそろっていない場面では、前例が最も強い根拠として扱われてしまいます。
この3つがそろうと、判断できない状態が固定されます。原価が出ない、成果が追えない、比較の相手がいない。この3つを1つずつ埋める作業が必要になります。以下では原因を5つに分けて扱います。
原因1:獲得数だけで見て商談まで追えていない
第1の原因は成果の定義です。獲得した件数を成果としてしまうと、評価が実態から離れます。
名刺や申込の件数は、成果ではなく途中の指標です。その件数が商談になり、受注に至った分だけが事業への貢献になります。件数だけで評価すると、質を落として件数を増やす方向に運用が傾きます。
追跡が切れる原因は、多くの場合で仕組み側にあります。名刺のデータが営業側の管理と別に置かれていると、後から突き合わせができません。獲得の時点で、どのイベントから来たかを示す情報を記録に残しておく必要があります。
追跡の対象は3段階です。獲得した件数、商談に至った件数、受注に至った件数と金額。この3つを同じイベントの単位で並べられる状態にします。件数が少ないうちは、表計算での手作業でも成立します。
記録の方法は難しくありません。名刺のデータ化や申込の取り込みの段階で、イベント名を1列足すだけで済みます。この1列がないと、後から営業側の記録と突き合わせても、どのイベント由来かを特定できません。手作業でも入れておく価値があります。
BtoBでは時間の要素も入ります。獲得から商談までに数か月、受注までに年単位かかる場合があるため、追跡は継続が前提になります。この点は後の時間軸の項で扱います。
原因2:自社工数が原価に入っていない
第2の原因は費用の範囲です。外部への支払いだけを原価とすると、施策間の比較が成立しません。
イベントには、企画、準備、当日の運営、後追いという4つの段階で人の時間がかかります。この時間を原価に入れないと、社内で完結する施策が実際より安く見えます。ROIの算出では人件費や各種のツール利用料といった間接費用も計上すべきだという指摘があります。
計上の方法は難しくありません。段階ごとに関与した人数と時間を記録し、社内で決めた1時間あたりの単価を掛けます。単価は経理に確認するか、平均的な人件費から概算で決めます。精度より、毎回同じ単価を使うことが重要です。
記録の粒度は段階ごとで足ります。企画に何時間、準備に何時間という単位で構いません。1日単位の細かい記録を求めると続かないため、担当者が終了後にまとめて振り返る形にします。
見落とされやすいのは後追いの工数です。名刺のデータ化、お礼の連絡、営業への引き渡し、その後のフォロー。当日までの準備に注意が向くため、終了後にかかる時間が計上から漏れます。獲得件数が多い回ほど、この工数は大きくなります。
工数を入れると数字が悪化しますが、それが実態です。工数を含めた原価で比べると、安く見えていた自社セミナーの単価が展示会に近づくことがあるという結果になります。判断の材料としては、そのほうが正確です。
原因3:費用が別管理でまとまらない
第3の原因は費用の管理の分散です。1つのイベントの総額を出すのに手間がかかる状態は、評価の頻度を落とします。
分散しやすい費目は決まっています。出展料や会場費、装飾や造作の費用、印刷物とノベルティ、旅費と宿泊費、配信のツール利用料、そして人の時間。これらが別々の予算や精算の枠で処理されると、1つの表にまとまりません。
対処は、イベントごとの費目のリストを先に作ることです。出展を決めた時点で、想定される費目を10項目程度並べた表を作り、発生した費用をその表に集約します。後から集めるのではなく、発生の都度その表に記録する形にします。
旅費は特に漏れやすい費目です。各自が個別に精算するため、イベントの費用として集計されないまま処理されます。精算の申請にイベント名を入れる運用にしておけば、後から抽出できます。
複数の部署が関わる場合は、集約の担当を1人決めてください。全員が自分の分だけを記録する運用にすると、誰も総額を把握していない状態になります。担当が決まっていれば、月末に各部署へ確認して漏れを拾う作業ができます。
表の様式は年度で固定してください。費目の並びを毎回変えると、イベント間の比較ができなくなるためです。使わない費目は空欄で残しておきます。
原因4:1回の結果で判断してしまう
第4の原因は評価の頻度です。1回の結果だけで継続の是非を決めると、判断が偶然に左右されます。
イベントの成果は回ごとに大きく振れます。会場の区画の位置、天候、同時期の他のイベント、業界の話題。いずれも自社の設計とは無関係に、来場者数や獲得件数を動かす要因です。
初回はさらに不利になります。ブースの設計も当日の動き方も手探りで、記録の様式すら定まっていません。初回の数字で判断すると、改善の余地を残したまま撤退することになります。
現実的な評価の単位は、同じイベントに2回から3回出た後です。2回目以降は設計の改善分が反映され、その施策の実力に近い数字が出ます。1回で判断する前提なら、そもそも出展の意思決定自体を見直すべきです。
2回目以降の比較を成立させるには、記録の様式をそろえておく必要があります。初回に取った数字と2回目に取った数字の定義が違えば、改善したのか記録の仕方が変わったのかが判別できません。様式は初回から固定してください。
ただし例外はあります。1回目でも、来場者の業種や役職が想定と大きく違った場合は、次回を見送る根拠になることがあります。数字ではなく対象のずれは、1回でも判断できる材料です。
原因5:重複リードを二重計上している
第5の原因は計上の重複です。他のチャネルとまたがった件数を両方で数えると、全体の合計が実態を超えます。
重複が起きる典型は3つあります。すでに商談中の企業の担当者がブースに来た場合、以前ウェビナーに参加した人が名刺を出した場合、そして同じ企業の別の担当者が個別に接触した場合。いずれも新規の獲得として数えると、件数が膨らみます。
対処は、獲得の定義を先に決めることです。新規の獲得は、その時点で自社の記録に存在しない企業かつ個人に限る、といった基準を明文化します。重複した分は、新規ではなく既存への接触として別の列に記録します。
既存への接触も価値はあります。商談中の企業の担当者が来たなら、関係の維持や別部門への展開につながる可能性があります。ただし新規獲得の件数に混ぜると、単価の計算が狂います。
同じイベント内での重複も起こります。初日と2日目に別のスタッフが同じ人から名刺を受け取る、ブースとセミナーの両方で接触する。会期中に名寄せをする時間はないため、終了後の整理の工程として作業に組み込んでおいてください。
複数のチャネルにまたがる貢献の扱いには、按分の考え方が必要になります。どの接点に成果を割り当てるかを決める設計が、重複と二重計上を避ける前提になるとされています。この点は後の項で扱います。
1件あたり原価の出し方
ここから、判断できる形にする方法に移ります。基本になるのは1件あたりの原価です。
計算は単純で、そのイベントの総原価を獲得件数で割ります。総原価には外部への支払いと自社の工数を含めます。投資額を各指標の件数で割るという考え方が、単価の計算の基本になります。
解説では、投資額100万円でリードを300件、商談を50件獲得した場合、リードの獲得単価は3,333円、商談の獲得単価は20,000円になるという計算例が示されています。同じ投資額でも、どの段階で割るかで数字がまったく変わります。
あわせて費用対効果の考え方も押さえておきます。ROIは利益を投資額で割って百分率にしたもので、売上600万円、原価300万円、出展費用100万円なら200%になるという計算例が紹介されています。売上ではなく利益で計算する点が要点です。
計算の対象期間も決めておきます。出展の準備が前の年度から始まっている場合、費用がどちらの年度に計上されるかで単価が変わります。イベント単位で原価をまとめ、年度をまたぐ費用も同じ表に集める形にしてください。
目安として、シミュレーション上はROIが200%から300%、獲得単価が1万円から3万円程度という水準が示されることがあります。ただしこれは前提を置いた試算であり、自社の水準は自社の実測で決める必要があります。
リード単価と商談単価を分けて見る
単価を1つだけ見ていると、判断を誤ります。段階ごとに分けて見る理由を整理します。
リード単価が低くても、商談単価が高いイベントがあります。名刺は多く集まるが、その中に検討中の企業がほとんどいない状態です。リード単価だけで評価すると、この状態が良い結果として報告されます。
逆のパターンもあります。獲得件数は少ないが、来た人の多くが具体的な検討段階にいる場合です。リード単価は高く見えますが、商談単価では有利になります。少人数の勉強会や専門性の高い展示会でこの傾向が出ます。
見るべきは2つの単価の関係です。リード単価と商談単価の差が小さいイベントは、獲得した相手の質が高いことを示します。差が大きいほど、量は取れるが質が伴っていない状態です。
単価が高く出たときの読み方も決めておきます。原価が高いのか、獲得件数が少ないのか、商談化の比率が低いのか。分子と分母のどちらに原因があるかで、次に手を入れる場所が変わります。単価という1つの数字だけでは、改善の方向が決まりません。
報告では両方を並べてください。リード単価だけを載せた報告は、質の問題を隠したまま件数の多さを主張する形になるためです。可能なら受注単価まで並べます。
施策別に単価を並べる
同じ計算方法で複数の施策を並べると、選択の議論ができるようになります。並べる形を示します。
| 施策 | 原価に含める主な費目 | 単価の出方の特徴 |
|---|---|---|
| 展示会への出展 | 出展料・造作・印刷物・旅費・当日と準備の工数 | 総額が大きく、リード単価は低めだが商談単価は高くなりやすい |
| 自社開催セミナー | 会場費・案内の制作・集客費・企画と運営の工数 | 集客の負荷が高く、工数を入れると単価が上がる |
| ウェビナー | 配信ツール・集客費・資料制作と運営の工数 | 外部費用は小さいが、工数の比率が高い |
| 共催ウェビナー | 配信ツール・自社側の企画と運営の工数 | 集客を分担できるため単価は下がるが、獲得の質は共催先に依存する |
| 他社イベントへの協賛 | 協賛費・登壇準備の工数 | 獲得件数が主催側の運営に左右され、単価が読みにくい |
この表の要点は、3行目と4行目です。ウェビナーは外部への支払いが小さいため安く見えますが、工数を入れると単価が上がります。工数を原価に含めない比較では、この事実が見えません。
5行目は単価の予測が難しい施策です。獲得件数が自社の設計より主催側の運営に左右されるため、初回の結果だけでは判断しにくくなります。複数回の実績を積むまでは、試行として扱う判断が必要です。
表に載せる施策は、実際に自社が実施したものに限ってください。他社の事例から借りた単価を並べると、条件の違いが単価の差として見えてしまいます。実施していない施策は、検討の候補として別の欄に分けておくほうが混乱しません。
並べる際は、同じ期間で区切ってください。半年や1年といった同じ期間の実績で並べないと、季節の差が単価の差に見えるためです。
按分ルールを先に決める
複数の接点を経て受注に至った場合、その成果をどの施策に割り当てるかを決めておく必要があります。
ルールを決めていないと、報告のたびに解釈が変わります。展示会で名刺を得た企業がウェビナーにも参加して受注した場合、成果は展示会のものかウェビナーのものか。担当者の裁量に任せると、自分の施策に有利な計上が起きます。
よく使われる考え方は3つです。最初の接点に全て割り当てる、最後の接点に全て割り当てる、関与した接点で等分する。どれが正しいというものではなく、社内で1つに決めて運用することが重要です。
BtoBでは、最初の接点に割り当てる方法が説明しやすい場面が多くあります。認知のきっかけを作った施策を評価する形になるため、イベントの価値が反映されます。ただし、この方法は後半の施策の貢献が見えなくなります。
按分の設計を複雑にしすぎないことも重要です。接点ごとに重みを細かく配分する方法もありますが、件数が少ない段階では計算の手間が得られる精度を上回ります。まずは1つの接点に全て割り当てる単純な方法から始めてください。
決めたルールは文書に残してください。按分のルールを変えると過去の数字と比較できなくなるため、変更時は過去分も再計算する必要があります。年度の途中での変更は避けます。
判断の時間軸を織り込む
イベントの評価では、成果が出るまでの遅れを設計に入れておく必要があります。ここを無視すると、評価が常に低く出ます。
BtoBの営業では、獲得から商談や受注に至るまでの期間が数か月から年単位になることが多く、展示会で得たリードがすぐに契約につながることは珍しいとされています。開催から1か月後の数字で評価すれば、ほぼすべてのイベントが赤字に見えます。
対処は、評価の時点を複数置くことです。開催直後は獲得件数と原価、3か月後は商談化の件数、そして自社の平均的な受注までの期間を経た時点で受注の件数と金額を確認します。同じイベントを3回に分けて評価する形になります。
自社の期間の目安は、過去の受注データから出せます。獲得から受注までの日数の中央値を確認し、その日数を評価の時点として設定します。感覚で3か月と決めるより、実績から決めるほうが議論に耐えます。
時間軸を織り込むと、予算の立て方も変わります。今年度の出展の成果が来年度に現れるなら、単年度の収支だけで判断すると継続の判断を誤ります。複数年で見る必要があるという点も、予算の議論の前に共有しておいてください。
評価の時点は事前に共有してください。最終評価は開催から何か月後に行うと決めておけば、直後の数字で結論を出す議論を避けられるようになります。
評価を回す手順
ここまでの内容を、1つのイベントに対して実行する順序として整理します。開催前から始まる点が要点です。
想定される費目を並べた表を作り、新規獲得の定義と按分のルールを書き出します。開催後に決めると解釈が入ります。
直後、3か月後、受注までの期間を経た時点の3つを設定します。関係者に共有しておきます。
旅費や印刷費はその都度、工数は段階ごとに記録します。後から集めると漏れます。
重複を除いた新規の獲得件数を出し、総原価をその件数で割ってリード単価を算出します。
商談に至った件数を確認し、商談単価を算出します。この時点で次回の出展の方針を仮決めします。
受注件数と金額から利益を出し、ROIを算出します。施策別の表に追記して次年度の配分に使います。
この6つのうち、1番目と2番目が最も重要です。定義とルールを開催前に決めておくと、後の集計に解釈の余地が入りません。開催後に決めると、都合のよい数え方が選ばれます。
5番目の仮決めには意味があります。次回の出展の申込は、成果が確定する前に締め切られることが多いためです。3か月後の商談化の状況で仮の方針を出し、受注の結果が出た時点で修正する形にすると、締切に間に合います。
3番目は運用の負荷が問題になります。費用と工数の記録は、担当者が1つの表に追記する形に固定すると続くようになります。複数の様式に分けると更新が止まります。
やりがちな失敗
イベントの評価で繰り返し見られる失敗を挙げます。いずれも計算の技術ではなく、決めごとの欠落から生じます。
- 名刺の枚数を成果として報告する:質を落として件数を増やす方向に運用が傾きます
- 自社工数を原価に入れない:社内で完結する施策が実際より安く見え、比較が成立しません
- 費用を後から各部署に集める:総額を出すのに手間がかかり、評価の頻度が落ちます
- 1回の結果で継続を判断する:区画の位置や天候といった外部要因に判断が左右されます
- 重複リードを新規として数える:件数が膨らみ、単価が実態より低く見えます
- 開催1か月後の数字で結論を出す:商談化までの遅れを織り込んでおらず、ほぼ全て赤字に見えます
2つ目は社内の抵抗が出やすい項目です。工数を入れると数字が悪化するため、入れない運用が続きがちですが、それが施策間の比較を不可能にしています。入れる前提を先に合意してください。
6つ目への対処は、評価の時点を事前に決めることです。開催直後の報告は速報として位置づけ、最終評価は受注までの期間を経た時点で行うと明示しておけば、議論の混乱を避けられます。
あわせて、報告の様式も固定してください。回ごとに載せる指標が変わると、良い数字だけを選んでいるように見えます。リード単価、商談単価、原価の内訳という3点を毎回同じ順序で並べる形にしておくと、説明の手間も減ります。
- 按分のルールと獲得の定義は文書に残す。変更する場合は過去分も同じ定義で再計算する
- 費目の並びは年度で固定する。使わない費目は空欄で残し、イベント間の比較を保つ
よくある質問
工数の単価はどう決めればよいですか
経理に確認できるなら社内で使っている単価を、なければ対象者の平均的な人件費から1時間あたりの概算を出してください。重要なのは精度より、毎回同じ単価を使うことです。単価が回ごとに変わると、イベント間の比較ができなくなります。
小規模なウェビナーでも原価計算は必要ですか
必要です。むしろ外部への支払いが小さい施策ほど、工数を入れないと安く見えます。配信ツールの費用だけで評価すると、企画と資料制作にかかった時間が見えません。回数が多い施策は、1回あたりの工数を1度測れば以降は流用できます。
展示会とウェビナーを同じ単価で比べてよいのですか
同じ計算方法で並べる意味はありますが、単価だけで優劣を決めないでください。獲得できる相手の層や、その場で得られる情報の量が違います。リード単価と商談単価の両方を並べ、獲得の質の差も添えて判断してください。
按分のルールはどれを選ぶべきですか
社内で説明しやすいものを1つ選んでください。最初の接点に割り当てる方法は認知のきっかけを評価できるため、イベントの価値が反映されます。どれが正しいというものではなく、変えずに使い続けることが判断の一貫性を作ります。
受注まで追えない場合はどうすればよいですか
まずは商談化までを追ってください。商談単価が出れば、施策間の比較は可能になります。受注の追跡は営業側の記録との突き合わせが必要になるため、獲得の時点で流入元を記録する仕組みを先に作ってください。
撤退の判断はどの数字で行いますか
2回から3回の実績で、商談単価が他の施策より大きく高い状態が続いた場合が目安になります。ただし単価だけで決めず、来場者の業種や役職が想定と合っているかも確認してください。対象がずれている場合は、ブースの設計や運営の改善では解決しません。あわせて、その施策をやめた場合に代替となる獲得手段があるかも検討してください。単価が高くても、他に同じ層に会える手段がないなら継続の理由になります。
まとめ
イベントの費用対効果が語れない原因は、多くの場合で計算の技術ではなく決めごとの欠落にあります。獲得件数だけを見て商談まで追えていない、自社工数が原価に入っていない、費用が別管理でまとまらない、1回の結果で判断している、重複リードを二重に計上している。この5つを1つずつ埋めることが、判断できる形にする作業です。
組み直しの基本は1件あたりの原価です。外部への支払いと自社工数を合わせた総原価を、重複を除いた獲得件数で割ってリード単価を出し、商談件数で割って商談単価を出します。2つの単価の差が小さいほど、獲得した相手の質が高い状態です。展示会、自社セミナー、ウェビナーを同じ計算方法で並べると、選択の議論ができるようになります。
あわせて、按分のルールと評価の時点を開催前に決めておいてください。BtoBでは商談化までに数か月から年単位かかることがあり、直後の数字だけで結論を出すとほぼ全てが赤字に見えます。まずは直近に出た1つのイベントについて、工数を含めた総原価を出し、リード単価と商談単価を計算するところから始めてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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