動画制作の納期は何で決まる?|逆算で決める発注の順番

動画制作の納期は何で決まる?|逆算で決める発注の順番

「動画を発注したものの、いつ出来上がるのかが分からないまま日だけが過ぎている」「公開日は決まっているのに、撮影日がまだ押さえられていない」——展示会の初日や採用の解禁日に合わせて動画を用意する場面で、この二つは形を変えて何度も出てきます。動画の納期は、制作会社の作業が速いか遅いかで決まるものではありません。本当は、発注する側が、何を、いつまでに決めたかで決まります。この記事では、工程ごとにかかる日数の目安、納期が延びる原因、生成AIで詰められる工程と詰まらない工程、そして公開日から逆算して発注する順番を整理します。


カメ先生カメ先生

動画の納期は編集の作業量で決まると思われがちだけれど、本当は撮影の日程と社内の確認をいつ押さえたかで決まるんだ。


カメ子カメ子

編集に何日かかるか、ではないのですか。


カメ先生カメ先生

編集は経験のある会社なら日数が読める工程だよ。読めないのは、人と場所の空きを待つ時間と、確認が何往復するかのほうなんだ。


カメ子カメ子

納期を守るというのは、作業を速くすることではなく、決める順番を先に置くということですか。


この記事のポイント
  • 制作会社が公開している工程表を突き合わせると、企画から納品まで約1〜3ヶ月が目安になる
  • 納期が延びる原因の多くは、日程の確保・社内の確認・素材の支給という発注側の工程にある
  • 生成AIが詰められるのは案出しと下書きまで。日程と許諾と確認の往復は詰まらない

SNS・動画にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

目次

「1〜3ヶ月」という幅は、どこから生まれるのか

動画制作会社が自社サイトで公開している制作期間の解説を読み比べると、企画から納品まで約1〜3ヶ月という表現が繰り返し出てきます。ところが、1ヶ月と3ヶ月では、間に挟める打ち合わせの数も、社内の決裁を通せる回数もまったく違います。発注する側から見ると、この幅そのものが困りごとです。見積書に「約2ヶ月」と書かれていても、それが順調にいった場合の数字なのか、余裕を見た数字なのかが分からないまま、公開日を約束することになります。

幅の正体は、作業の重さではなく待ち時間です。各社が公開している工程の内訳を見ると、編集の工程は2〜3週間、あるいは2〜4週間と、幅が1週間から2週間に収まっています。撮影も1〜3日や1〜5日で、桁が変わるほどの差はありません。一方で企画と構成の工程は、1〜2週間と書く会社もあれば1〜3週間と書く会社もあり、しかもここには「発注した側が目的を決めるまでの時間」は含まれていません。読めないのは作業時間ではなく、誰かの返事や空きを待っている時間のほうです

だから「1ヶ月で作れますか」という聞き方をしても、意味のある答えは返ってきません。制作会社が答えられるのは自社の作業日数までで、発注した側の社内確認に何日かかるかは、発注した側にしか分からないからです。納期の話は、何日で作れるかではなく何日までに何を決められるかから始めると、はじめて具体的な日付になります。

工程ごとの日数の目安を、公開されている数字で並べる

まず、工程を分けて日数を並べます。次の表は、制作会社が自社サイトで公開している制作期間の解説を3件突き合わせ、工程ごとに整理したものです。会社によって数字が食い違う箇所は、両方を併記しています。

工程日数の目安この工程で起きること
ヒアリングと企画・構成案1〜2週間(1〜3週間とする会社もある)目的と用途が決まっていないと、ここが最も延びる
台本と絵コンテの作成・確認1〜2週間企画の工程に含めて示す会社もあるため、見積りでの区切りを確かめる
撮影の日程調整と準備場所と日の決定に1週間、機材の準備に1週間出演者が社外だと、ここから日数が読めなくなる
撮影・収録1〜3日(1〜5日とする会社もある)尺が長い、場所が複数だと日数が積み上がる
編集と整音2〜3週間(2〜4週間とする会社もある)工程の中では、日数が最も読める部分
確認と修正1〜2週間往復の回数を決めていないと、ここだけが青天井になる
合計約1〜3ヶ月撮影の有無と、確認の回数で幅が決まる

足し上げると、撮影を伴う動画で6週間から11週間ほどになります。ここで見落としやすいのが、発注する前にも時間がかかることです。ある制作会社は、外注する前の事前準備におよそ1週間、内訳として目的の決定に3日、予算と納期の決定に2日、制作会社の選定に2日という目安を公開しています。つまり公開日から逆算するときは、工程表の合計にこの1週間を足したところが、社内で動き出すべき日になります。

  • ここに挙げた日数は、制作会社が自社サイトで公開している目安を突き合わせたもの。業界で統一された基準ではない
  • 同じ工程でも会社によって数字が違う。見積りを受け取ったら、その会社自身の工程表で読み替える
  • 土日と祝日を除いた営業日で数え直すと、暦の上での日数はさらに伸びる

動画の種類で、必要な期間はここまで変わる

同じ「動画制作」でも、種類によって必要な期間は倍以上変わります。制作会社が公開している種類別の目安を並べると、次のようになります。数字が2つ並ぶものは、会社によって示す幅が違うものです。

  1. 会社紹介動画:1.5〜2.5ヶ月、あるいは2〜3ヶ月。撮影と出演者の調整が入るため長め
  2. サービス紹介・商品紹介の動画:1〜2ヶ月。内容が固まっていれば読みやすい
  3. 採用向けの動画:2〜3ヶ月前から動き出すことが望ましいとされる
  4. 全編アニメーション:2〜4ヶ月。撮影がない代わりに作画の工程が長い
  5. モーショングラフィックス:1〜2ヶ月。図やグラフを動かす形式
  6. 広告用の短い動画:最短2〜4週間。素材がそろっている前提
  7. 既存素材の編集のみ:1〜2週間。簡易な編集なら3〜5日とする会社もある

この並びを見ると、期間を決めているのは尺の長さではないことが分かります。段が変わるのは、撮影があるかどうかと、社外の人が関わるかどうかです。採用向けの動画が最も長い部類に入るのは、内定者や若手社員という「日程を自由に動かせない出演者」が必要になるからです。アニメーションが長いのは撮影がない代わりに作画があるからで、こちらは待ち時間ではなく作業時間で長くなります。

自社が作ろうとしている動画がどの型に近いかを、発注の前に決めておいてください。ここが決まらないまま「とりあえず相談」に入ると、企画の工程で複数の型を行き来することになり、最初の1〜2週間がまるごと溶けます。

同じ工程でも、会社によって日数の幅がある理由

3社の公開値を突き合わせると、同じ工程なのに数字が食い違う箇所があります。撮影は1〜3日と1〜5日、編集は2〜3週間と2〜4週間、企画は1〜2週間と1〜3週間。この差は、会社の作業が速いか遅いかの差ではありません。その工程に、何を含めて数えているかの差です。

たとえば「編集2週間」と書かれていても、そこに整音や字幕の作成、複数の形式での書き出しが入っているかどうかで、実際の日数は変わります。「撮影1日」も、機材の積み込みと現場までの移動、撤収を含めた1日なのか、カメラを回している時間が1日なのかで意味が違います。確認と修正が編集の日数に含まれているのか別枠なのかも、会社によって分かれます。

幅の大きさそのものが情報になることもあります。撮影の日数について、別の制作会社は自社で撮る場合を前提に「短い動画の場合は1日、長い動画でしたら1週間」と書いています。外注を前提にした工程表が1〜3日や1〜5日に収まるのに対して、自分たちで撮る場合は1週間まで見ているわけです。撮影に慣れた人が現場を仕切るかどうかで、同じ撮影でも必要な日数が変わります。費用を抑えるために社内で撮る案が出たときは、この差を日程のほうにも足して考えてください。

だから見積りを受け取ったら、日数の合計ではなく各工程の日数と、その日数に何が含まれるかを確かめてください。ここを聞くと、その会社が普段どういう段取りで動いているかも見えます。工程の区切りを説明できない相手に、期日の約束を預けるのは危ないという判断材料にもなります。

遅れの多くは、制作側ではなく発注側で起きます

納期が延びる原因として制作会社が挙げている項目を、3件分そのまま並べてみます。「社内の確認・承認フローで止まる」「ヒアリング不足でイメージのズレが起きる」「修正指示が曖昧で二度手間が発生する」「参考資料や素材の提出が遅れる」「絵コンテ段階で認識合わせができていない」「複数回の確認や修正」「確認者が多い場合」「大幅な構成変更」。

並べて気づくのは、挙がっている項目のほぼすべてが、発注した側で起きることだという点です。撮影機材の故障や編集者の手が足りないといった、制作側の事情はほとんど出てきません。制作会社は自分の作業時間を経験から見積もれますが、発注した側の意思決定に何日かかるかは見積もれない。だから見積書に書かれた日数は、実質的に発注側が想定どおり動いた場合の数字になっています。

この前提を共有しないまま日程を組むと、遅れが出たときに「制作会社が遅い」という話になり、次の発注でも同じことが起きます。対策の方向は一つで、発注側の工程を、制作会社の工程表と同じ細かさで書き出すことです。以下では、その発注側の工程で何が起きるのかを5つに分けて見ていきます。

原因1:出演者と撮影場所が押さえられない

撮影日は、出演者・場所・機材・スタッフの4つの空きが重なる日にしか置けません。社員が出演するなら、その社員の予定を先に押さえる必要があります。経営者や部門長が出演する動画では、この一点だけで撮影が2週間後ろにずれることが珍しくありません。制作会社の工程表では「場所と日の決定に1週間」となっていますが、これは候補日を出せば決まる場合の1週間です。

社外で撮る場合は、さらに手続きが挟まります。道路を使う撮影であれば道路使用許可が必要になり、警察庁は実施のポイントとして「警察に対する事前相談の早期実施」を挙げています。あわせて「事前相談における適切な助言」「地域住民等の関係者との合意形成」への対応も示されており、当日いきなり届け出て済む性質のものではないことが読み取れます。申請先は、警視庁の案内では「道路使用許可を受けようとする道路の場所を管轄する警察署(交通規制係)」で、受付時間は平日の午前8時30分から午後4時30分とされています。

ここで効いてくるのが、手続きは平日の日中しか進まないという事実です。相談から申請、許可までのあいだに土日が挟まれば、その分だけ暦の上の日数は伸びます。撮影場所が屋外や公共の場所になりそうなら、企画が固まる前の段階で管轄の窓口に相談を始めてください。撮影日の候補は3つ用意し、うち1つは予備日として空けておくと、天候による撮り直しにも耐えられます。

原因2:社内の確認が何往復するかを決めていない

工程表で「確認と修正1〜2週間」と書かれているのは、往復の回数がある程度決まっている前提の数字です。制作会社が「確認者が多い場合」「複数関係者による確認」を遅れの原因に挙げているのは、この前提が崩れるからです。構成案・初稿・修正稿の3回だけでも、1回あたり社内で5営業日かかれば、確認だけで3週間になります。

実務でよく起きるのは、確認の途中で新しい登場人物が現れる形です。初稿を見た部長が「役員にも見せておこう」と言い、役員が「別の部門の意見も聞こう」と言う。そのたびに戻る先が増え、しかも後から入った人ほど根本的なことを言います。構成をやり直す指摘が編集後に出てくると、撮影からやり直しになることさえあります。制作会社が「最終決定者を企画段階から巻き込む」を短縮の準備に挙げているのは、この型を防ぐためです。

対策は、発注の時点で次の3つを紙に落とすことです。第一に、確認の回数(たとえば構成案で1回、初稿で1回、修正稿で1回)。第二に、1回あたりの返答期限(たとえば3営業日)。第三に、差し戻しの権限を持つ人を1人に絞ること。ある制作会社は発注時の確認項目として「社内承認フロー」と「決裁者スケジュール」を挙げています。見積り依頼の段階で決裁者の予定を確かめておくだけで、後半の詰まりはかなり減ります。

原因3:権利の確認を後回しにする

音楽、素材映像、写真、フォント、出演者の肖像、背景に映り込む他社の製品やロゴ。これらの権利の確認は、編集が終わってから問題が見つかると、差し替えのために編集工程を部分的にやり直すことになります。編集に2〜4週間かかる工程を、公開の直前にもう一度回す余裕は、たいていの日程にはありません。

生成AIで作った素材を使う場合も同じです。制作会社は「生成AIで作成した画像を商用提案資料や公開コンテンツに使用する場合は、利用するAIサービスの規約を確認する必要があります」と明記しています。規約は道具ごとに違い、しかも改定されます。規約の確認は、AIではなく人がやる仕事だと考えてください。ここをAIに聞いて済ませると、聞いた時点の情報が古いままだったときに気づけません。

出演者についても、社員が出るからという理由で口頭の了解だけで進めるのは避けたほうがよいでしょう。公開する範囲(社内だけか、サイトか、広告か)、公開する期間、退職した場合の扱い。この3点を書面にしていないと、公開の直前や公開後に確認が入って止まります。権利の確認は、企画が固まった直後に着手する工程として、工程表の中に位置を持たせてください。

原因4:素材の支給が遅れる

制作会社が遅れの原因に「参考資料や素材の提出が遅れる」を挙げているとおり、発注側から出す素材は詰まりやすい工程です。動画で必要になるのは、ロゴのデータ、製品や店舗の写真、過去に作った動画、社名や商品名の表記ルール、そして本文に出す数値とその根拠。どれも「社内のどこかにはある」ものですが、探して、権利を確かめて、使える形式に直すまでに日数がかかります。

実際にありがちなのは、ロゴが印刷用のデータしか見つからず、動画で使える形式を広報部門に依頼して数日待つ形です。製品の写真は撮影した代理店に権利が残っていて使えない、過去の動画は担当者が退職して置き場所が分からない、掲載する数値は「昨年度実績」の定義を経営企画に確認する必要がある——こうした一つひとつが、半日から数日ずつ積み上がります。

対策は単純で、発注の時点で支給する素材の一覧をもらい、誰がいつまでに出すかを名前入りで決めることです。制作会社は参考動画を3〜5本用意することも勧めています。参考動画は素材ではありませんが、これがあるかないかで企画の工程の往復回数が変わるため、素材と同じ扱いで期限を決めておくとよいでしょう。

原因5:修正指示がまとまっていない

制作会社は遅れの原因として「修正指示が曖昧で二度手間が発生する」を挙げ、短縮の準備として「修正指示は一度にまとめて伝える」を挙げています。この2つは同じことの裏表です。修正を小出しにすると、1回で済むはずの修正作業が2回にも3回にも増え、しかも後から来た指示が前の指示を打ち消すことがあります。

曖昧さも同じように効きます。「なんとなく硬い」「もう少し明るく」といった指示は、受け取った側が解釈して直すため、直った結果を見てから「そうではなかった」となりがちです。指示は、時間の位置(何分何秒のどの場面か)と、直したい理由をあわせて書いてください。「この場面は現場の担当者に向けた説明なので、専門用語を短い言い方に置き換えたい」と書けば、直し方の判断も相手に渡せます。

社内で複数の人から修正が出る場合は、集約する人を決めて1枚にまとめてから渡します。矛盾する指示(ある人は短くしたい、別の人は説明を足したい)は、まとめる段階で社内で決着させる。矛盾を抱えたまま制作会社に渡すと、判断待ちで手が止まります。この整理は生成AIに下書きさせることができる部分なので、後段であらためて触れます。

生成AIで詰められる工程と、詰められない工程を分ける

ここまで見てきた遅れの原因を、生成AIで巻けるかどうかで仕分けます。結論を先に言えば、生成AIが詰められるのは、一人で完結する工程だけです。相手の時間を待つ工程は、道具を変えても短くなりません。

工程生成AIの効き方残る人の仕事
企画・構成の案出し効く。切り口を複数出させて並べられるどれを選ぶかの判断
台本の下書き効く。尺に合わせた文字量の調整が速い事実の確認と、社内の言い回しへの直し
見せ方の案の共有効く。案を見比べる材料を早く作れる実際に撮れるかどうかの判断
撮影の日程調整効かない出演者と場所の空きを待つ
撮影許可と権利の確認効かない窓口への相談と、書面のやり取り
社内の確認の往復効かない決裁者の時間を確保する
修正指示の整理効く。ばらばらの指示を1枚に整理できる矛盾する指示の決着
編集の作業一部効く。文字起こしや字幕の下書き仕上げの判断と最終確認

ここで根拠として押さえておきたいのは、生成AIを制作に取り入れている制作会社自身が、削減できる日数の数字を出していないことです。ある制作会社の解説は、生成AIの効果を「アイデアの可視化スピード」の向上と「複数案の比較に向いている」という書き方に留めています。同じ解説は撮影現場について「天候、時間帯、場所の広さ、照明機材、出演者の動き、予算など、多くの制約があります」と述べており、現場の制約が道具では消えないことも示しています。

この非対称を、日程を組むときにそのまま使ってください。AIで浮くのは前半の数日であって、後半の待ち時間ではありません。AIで巻けると見込んで全体を短く組むと、必ず後半で詰まります。前半で浮いた数日は、短縮ではなく、確認と権利の工程に回す余裕として使うほうが、結果的に公開日を守れます。

公開日から逆算する順番

ここまでの日数を、公開日からの逆算に組み直します。撮影のある会社紹介動画を想定し、工程表の目安を足し戻したものです。自社の確認に時間がかかる自覚があるなら、確認の工程だけ日数を倍にして引き直してください。

STEP1
公開日と、使う場所を確定する

何に間に合わせるのかを一つに決めます。展示会の初日か、採用の解禁日か、サービスの提供開始日か。あわせて使う場所(サイト、会場の大画面、広告)も決めます。ここで尺・形式・書き出しの条件が決まり、以降の工程の重さが変わります。

STEP2
公開日の2〜3ヶ月前:目的と決裁者を決めて発注する

会社紹介なら1.5〜2.5ヶ月、アニメーションを含むなら2〜4ヶ月が目安です。発注の前にも、目的の決定と制作会社の選定でおよそ1週間かかります。この段階で最終決定者を決め、その人を企画から巻き込みます。

STEP3
公開日の6〜8週間前:構成と台本を確定し、確認の約束を書面にする

確認の回数、1回あたりの返答期限、差し戻しの権限を持つ人。この3つを制作会社と共有します。同時に、支給する素材の一覧と、誰がいつまでに出すかを決めます。

STEP4
公開日の5〜6週間前:撮影日・出演者・場所を確定し、許可の相談を始める

出演者の予定を押さえ、場所を決め、必要な許可の相談を始めます。予備日を1日確保します。屋外や公共の場所で撮るなら、この段階で管轄の窓口に相談しておきます。

STEP5
公開日の4週間前:撮影を終える

撮影は1〜3日、場所が複数なら1〜5日を見ます。撮り直しが必要になったときのために、この時点で予備日が残っている状態にしておきます。

STEP6
公開日の1〜2週間前:初稿の確認と修正を終える

編集に2〜4週間かかるため、初稿が上がるのはこのあたりです。修正は1枚にまとめ、時間の位置と理由を添えて渡します。権利の確認はここまでに終わらせておきます。

STEP7
公開日の3〜5営業日前:書き出しと最終確認を終える

使う場所ごとの形式で書き出し、実際に公開する画面で再生して確かめます。差し替えが必要になったときに動ける余地を、数日だけ残しておきます。

この順番の要点は、撮影日と確認の約束を、編集より先に確定させることにあります。編集は日数の読める工程なので、後ろから固めても崩れません。崩れるのは、相手の都合が入る工程を後回しにしたときです。

急ぐときに落ちるものと、落としてはいけないもの

それでも日程が足りないときは、何かを落とすことになります。制作会社は短納期の場合に起きることとして「修正回数が制限される」「ストック素材の選択肢が狭まる」「細かな調整が難しくなる」の3つを挙げています。裏を返せば、落としてよいのは、演出の凝り方・素材の選択肢の幅・修正の回数の3つです。

  • 権利の確認を後回しにする:公開後に差し替えが必要になると、作り直しと同じ手間がかかる
  • 出演者の同意を口頭で済ませる:公開範囲と期間が書面にないと、公開の直前や公開後に止まる
  • 確認の回数を減らさずに日程だけ詰める:確認が滞留し、結局は公開日を割り込む
  • 予備日を取らずに1日で撮り切る計画にする:天候や体調の変化で、日程全体が崩れる
  • 生成AIで巻ける前提で後半を短く組む:AIで浮くのは前半の数日で、待ち時間は縮まない

落としてはいけないのは、権利の確認、事実の確認、そして公開前の最終確認です。この3つは、落としても当日までは問題が見えず、公開してから跳ね返ってきます。修正の回数を減らすのは公開前に痛みが分かりますが、権利の確認を飛ばした痛みは公開後に来る。急ぐときほど、痛みが後から来る項目を守るという順番で削ってください。

見積り依頼に書いておく納期まわりの項目

ここまでの内容を、発注時に書いて渡す形にまとめます。見積り依頼にこれを添えると、返ってくる日数が「発注側が動いた場合の数字」であることが両者の前提になり、後から前提が食い違いません。

  • 公開日と、公開する場所(尺・形式・提出先)
  • 動かせない日と、動かせる日の区別
  • 撮影の有無、出演者が社内か社外か、場所の候補
  • 社内の承認フローと、決裁者の名前・予定
  • 確認の回数と、1回あたりの返答期限
  • 支給する素材の一覧と、それぞれ出せる日
  • 使いたい音楽・映像・写真の権利の状況
  • 生成AIで作った素材を使う予定の有無
  • 修正の回数と、回数を超えた場合の扱い
  • 各工程の日数と、その日数に何が含まれるか
  • 遅れが見込まれたときの連絡の方法と時期

ある制作会社は、発注時に確認する項目として「制作目的」「ターゲット」「予算」「希望納期」「参考動画」「社内承認フロー」「決裁者スケジュール」を挙げています。制作会社の側も同じ情報を求めているということです。この一覧を先に埋めて渡せば、企画の工程の往復が1回か2回減ります。工程表の上では、それだけで1週間分に相当します。

あわせて、社内側の準備も型にしておくと往復が減ります。制作会社が納期を縮める準備として挙げているのは、「ヒアリングシートを活用して目的と要件を言語化する」ことと、「企画書テンプレートで社内の合意を先に固める」ことです。相談を始める前に社内の合意を作っておけば、企画の工程で社内の議論をやり直さずに済みます。2本目、3本目を作るときは、このシートと企画書をそのまま使い回せるため、企画の工程はさらに短くなります。

AIに日程を決めさせない。人が確認する範囲を先に決める

生成AIに「動画制作の工程表を作って」と頼めば、それらしい日程がすぐに出てきます。ただしAIは、あなたの会社の決裁者が来週から出張であることも、ロゴのデータが広報部門にしかないことも、撮影したい場所が許可の要る場所であることも知りません。AIが出す工程表は、平均的な条件での見取り図であって、自社の日程ではありません

任せてよいのは、工程の抜けの洗い出し、確認事項の整理、ばらばらの修正指示を1枚にまとめる下書き、社内向けの説明文の作成です。任せてはいけないのは、間に合うかどうかの判断と、権利の可否の判断です。この2つを人が持つと決めておけば、AIの出力が古かったり一般論だったりしても、事故になりません。

そのうえで、人が確認する範囲と回数を発注前に決めます。決めるのは4つです。誰が見るか、どの段階で見るか、何を見るか、何営業日で返すか。この4つを紙に書いて社内と制作会社の双方に配ってから、はじめて日程の話を始める。納期は約束する前に、確認の設計で決まっています

まとめ

動画の納期は、制作会社の作業が速いか遅いかではなく、発注する側が何をいつ決めたかで決まります。工程表の目安は企画から納品まで約1〜3ヶ月。そのうち編集のように日数の読める工程は後ろから固めればよく、先に確定させるべきなのは撮影日・出演者・場所と、社内の確認の回数と期限です。生成AIは案出しと下書きを速くしますが、日程の確保と許諾と確認の往復は詰まりません。公開日を一つ決め、その日から工程表を後ろ向きに引いてみると、最初に押さえるべき相手が誰なのかが自然に浮かび上がります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

SNS・動画にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

目次