広告の成果は一部が推定で埋まる|モデル化を読み解く

広告の成果は一部が推定で埋まる|モデル化を読み解く

「管理画面の成果と、社内で数えた件数が合わない」「計測が壊れているのではと、設定を何度も見直した」——広告を運用する担当者から繰り返し届く相談です。数字が合わないのは、不具合ではありません。記録できなかった分が、推定で補われているからです。この記事では、その仕組みと、報告するときの数字の扱い方を整理します。


カメ先生カメ先生

広告の成果の数字はね、全部が実際に数えられたものだと思われがちだが、いまは一部が推定で埋められているんだ。


カメ子カメ子

推定というのは、起きていない成果も混ざっているということですか。


カメ先生カメ先生

そうではない。起きた成果のうち、記録が取れなかった分を統計で補っている。だから実数より多くも少なくも出る。


カメ子カメ子

数え方そのものが違うのですね。報告のときの書き方が気になります。


この記事のポイント
  • 同意しない人の行動は記録できないため、その分が推定で補われる
  • 推定は測定された成果の特性を使って行われ、報告に段階的に含まれる
  • 実数と合わないのは異常ではない。報告では推定が含まれる旨を書き添える

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目次

管理画面の成果と社内の実数が合わない

この食い違いは、広告の運用と社内の管理を両方見ている人が必ず気づくものです。管理画面のほうが多く、実数のほうが少ない。差は数パーセントから十数パーセントに及ぶこともあります。

最初に疑うのは計測の設定です。二重に数えている、対象の頁が違う、期間の取り方がずれている。確かにこれらが原因の場合もあります。確かめる価値はあります。

しかし、設定が正しくても差は残ります。残る差の一部は、推定によって埋められた分です。この仕組みを知らないと、何度設定を見直しても原因が見つかりません。

実務での困り方は二つあります。一つは、設定の確認に時間を使ってしまうこと。もう一つは、報告の場でどちらの数字を使うかで議論が起きることです。

この記事の目的は、その議論を終わらせることです。仕組みを理解すれば、どちらが正しいかではなく何を見ているかの違いだと説明できるようになります。

同意しない人の行動は記録できない

仕組みの出発点は、同意の扱いです。サイトを訪れた人に対して、記録を残してよいかを尋ねる形が広く用いられています。同意しない人については、記録を残せません

記録が残らないということは、その人が広告を経由して来たことも、その後に問い合わせに至ったことも結び付けられないということです。実際には成果が発生していても、管理画面には出てきません。

同意しない人の割合は、サイトや業種によって違います。尋ね方や画面の作りによっても大きく変わります。同意する人が多いサイトでは影響は小さく、少ないサイトでは影響が大きくなります。

この状況を放っておくと、管理画面の成果は実際より少なく見えます。少なく見えるということは、広告の費用に対する成果が実際より悪く見えるということです。判断を誤る原因になります。

そこで用意されているのが、測れなかった分を推定で補う仕組みです。次の節から、その仕組みを見ていきます。考え方が分かれば、数字の性質も理解できるようになります。

測れない分を埋める仕組み

補い方の考え方は、測れた分から学ぶという形です。測定された成果を、共通する特性に基づいて小さな群に分けます。時間帯、端末の種類、地域といった特性が使われます。

群ごとに、主な指標が計算されます。この群ではクリックのうち何割が成果につながっているか。この割合が推定の土台になります。

そして、測定されていない反応について、同じ特性の群の割合を当てはめます。測れなかったクリックにも、測れた分と同じ傾向があるという前提です

この前提は、多くの場合妥当だと考えられます。同意する人と同意しない人の間で、商品への関心が大きく違うとは考えにくいからです。ただし、あくまで推定です。

推定であることの意味は、個々の成果を特定できないという点にあります。「この48件のうちどの7件が推定か」は分かりません。全体としての見積りの数字です。

この性質は、使い方の制約になります。個々の成果を追いかけて営業に渡すことはできません。推定された分には、対応する連絡先も名前も存在しません。営業に渡せるのは実際に記録された分だけです。この点を理解していないと、「成果は48件と出ているのにリストが41件しかない」という指摘に答えられません。

逆に言えば、営業に渡す件数と管理画面の成果は常にずれます。ずれることを先に伝えておけば、毎月の受け渡しで確認の手間が生じません。引き渡しの件数は実数で数える、と決めておくのが実務的です

段階的に含まれるという性質

報告への反映の仕方にも特徴があります。推定された分は、段階的に報告に含まれるようになります。設定した翌日から全部が反映されるわけではありません。

理由は、推定の土台になる測定された分のデータが一定量必要だからです。データが少ない段階では推定の精度が上がらず、含める判断が慎重に行われます。

この性質から、設定の直後の数字は扱いに注意が要ります。段階的に増えていく過程では、成果が増えて見えることがあります。運用の改善によるものか反映が進んだものかを切り分けにくくなります。

実務としては、設定を変えた日を記録に残しておきます。その日を境に数字の性質が変わるため、期間をまたいだ比較では注意が必要になります。

また、規模の小さいアカウントでは推定が含まれない場合もあります。データの量が推定の要件に満たないためです。この場合、管理画面の数字は測定された分だけになります。自社がどちらの状態かを確かめておくとよいでしょう

推定が含まれない状態であれば、管理画面の数字は実数に近くなります。その代わり、同意しない利用者の分が見落とされている状態です。成果が実際より少なく見えるため、費用に対する効果を過小に評価する危険があります。規模が小さいうちは、この点を踏まえて判断してください。

影響の大きさを確かめる

自社ではどれくらいの分が推定なのか。これを確かめる方法があります。同意の仕組みが与える影響として、成果の増加率が示される場合があります

計算の考え方は単純です。推定された成果を測定された成果で割る。この値が1.1であれば1割ほどが推定で補われているということになります。

この値は、所在と国の組み合わせごとに計算されると説明されています。複数の国に配信している場合、国ごとに影響の大きさが違うことになります。同意の求め方や利用者の反応が国によって違うためです。

値を確かめられたら、記録しておきます。月ごとに並べれば、推定の割合が増えているか減っているかが見えます。同意率が下がれば推定の割合は増えます。

この数字は、報告の場でも使えます。「管理画面の成果のうちおよそ1割が推定です」と示せれば、実数との差の説明ができるようになります。根拠のある説明は議論を短くします

実数と合わないのは異常ではない

ここまでの内容から、結論が導けます。管理画面の成果と社内の実数が合わないのは、仕組みから生じる当然の結果です。合わせようとする作業は報われません。

差が生じる原因は推定だけではありません。数える時点の違い、成果と認める条件の違い、重複の扱いの違い。複数の要因が重なります。

したがって、実務の構えとしては二つの数字を別のものとして扱います。管理画面の数字は広告の判断に使い、実数は事業の判断に使う。役割を分ければ混乱しません。

広告の判断とは、どのキャンペーンに予算を寄せるか、どの語を止めるかといった運用の判断です。この判断には管理画面の数字が向いています。同じ基準で比べられるためです。

事業の判断とは、広告に投じた費用に対してどれだけの売上が生まれたかという判断です。こちらには実数が向いています。受注に至った件数と金額が分かるためです。

報告での書き方

報告の型を決めておきます。推定が含まれる旨を、数字の近くに一行書く。これだけで後の議論が減ります。

書き方は簡単です。「広告管理画面の成果(同意しない分の推定を含む)」と括弧で添える。あるいは表の注記に一行入れる形でも足ります。

実数を併記する場合は、違う指標として並べます。同じ列に並べて差を計算するのは避けてください。差を計算すると、その差の意味を説明する必要が生じます。

経営に報告する場合は、実数を主に置くのが分かりやすいでしょう。問い合わせが何件来て、商談が何件生まれ、受注が何件だったか。推定の話は注記にとどめます。

運用の会議では、管理画面の数字を主に置きます。キャンペーンごとの比較や単価の推移を見るにはこちらが適しています。場面によって主に置く数字を変える。これが実務的な答えです

自動の入札との関係

推定された成果は、報告に出るだけではありません。自動で入札を調整する仕組みも、この数字を使って学習します。つまり、推定の精度が配信の質に影響します。

この点は、推定を含める意味の大きな部分です。測れた分だけで学習すると、同意しない利用者が多い層への配信が過小に評価されてしまいます。

たとえば、ある地域や端末で同意率が低い場合。測れた成果だけを見れば、その層は成果が出ていないように見えます。実際には出ているのに、入札を下げる判断がされてしまいます。

推定が含まれることで、この偏りが補正されます。同意率の違いに引きずられずに配信の判断が行われる。これが仕組みの狙いです。

実務としては、推定を含めない設定にしたくなる場面があっても慎重に判断してください。報告の数字を実数に近づけたいという理由で外すと、配信の質が落ちる可能性があります。

実数を突き合わせる方法

それでも、実数との突き合わせは行う価値があります。目的は数字を一致させることではなく、傾向が同じ方向に動いているかを見ることです

見るのは、月ごとの推移の形です。管理画面の成果が増えた月に実数も増えているか。減った月に減っているか。同じ方向に動いていれば、計測は機能しています。

逆の方向に動いている場合は、推定とは別の問題がある可能性があります。計測の設定の誤り、成果と認める条件の変更、社内の数え方の変更。この場合は設定を確かめる価値があります。

差の割合も記録します。管理画面の成果に対して実数が何割か。この割合が月ごとに大きく揺れる場合、何かが変わっています。安定していれば気にする必要はありません。

突き合わせで見つかる問題は、推定とは無関係なものが多いです。フォームの不具合で問い合わせが届いていなかった、計測の記述が特定の頁から外れていた、自動の返信が止まっていた。月に一度の突き合わせは、こうした事故を見つける機会にもなります。推定の理解が目的ではなく、気づく仕組みを持つことがこの作業の値打ちです。

突き合わせの頻度は月に一度で足ります。毎日行う必要はありません。月次の報告を作るときに併せて確かめる形にすれば、手間はほとんど増えません

突き合わせの結果は、簡単な表に残します。月、管理画面の成果、実数、その割合。四列あれば足ります。1年ぶん溜まれば、自社の標準的な差の幅が見えてきます。幅が分かっていれば、異常かどうかの判断もその場でできるようになります。

どの数字をどこで使うか

役割を分けるという話を、表にして整理しておきます。使う場面と使う数字を対応させておけば、毎回悩まずに済みます。社内で共有しておけば、報告のたびに同じ議論を繰り返さなくなります。

判断の場面使う数字理由
キャンペーンや語の取捨管理画面の成果同じ基準で比べられる
入札や予算の配分管理画面の成果自動の調整もこの数字で学習している
広告の費用に対する売上社内の実数受注の件数と金額が分かる
経営への報告社内の実数(注記に推定の説明)事業の判断に使う数字だから
計測の不具合の発見両方の推移の方向方向がずれたときだけ設定を疑う

表の一行目と二行目で管理画面の数字を使うのは、比較のためです。推定が含まれていても、同じ条件で含まれているならキャンペーン同士の比較には使えます。

三行目と四行目で実数を使うのは、金額に結びつくからです。推定された成果には、対応する売上がありません。費用に対する効果を語るときは実数に戻る必要があります。

五行目がこの表の要点です。二つの数字を一致させるためではなく、方向のずれを見つけるために並べて見る。この使い方であれば、突き合わせに意味が生まれます。

差に気づいたときの確かめ方

最後に、実際の手順に落とします。差に気づいたら、推定のせいだと決めつける前に順に確かめます。推定以外の原因も実際にあるためです。

STEP1
成果と認める条件を確かめる

管理画面で何を成果として数えているかを確認します。資料の請求と問い合わせの両方を数えていれば、実数より多くなります。

STEP2
期間の取り方を合わせる

管理画面はクリックした日に成果を寄せる形が既定の場合があります。実数は問い合わせが届いた日で数えるため、月末月初でずれます。

STEP3
重複の扱いを確かめる

同じ人が2回問い合わせた場合の数え方を、両方で確かめます。片方が1件、片方が2件と数えていれば差になります。

STEP4
推定の影響の大きさを見る

同意の仕組みによる増加率を確認します。差の大きさと近ければ、推定が主な原因だと判断できます。

STEP5
残った差を記録して様子を見る

説明できない差が数パーセント残るのは通常のことです。月ごとに記録し、割合が安定していれば追わなくて構いません。

この五つのうち、最初の三つで差の大部分が説明できることが多いです。推定の話に飛ぶ前に、数え方の違いを確かめるほうが早く解決します

推定に頼らない指標も持つ

備えとして、推定の影響を受けない指標を持っておく価値があります。自社の側で数えられる数字です

代表的なのは、問い合わせの件数とその内容です。フォームから届いた件数は自社の側で数えられます。同意の有無に左右されません。

流入の経路を本人に尋ねる方法も有効です。問い合わせのフォームに「当社を知ったきっかけ」の欄を置く。記録では追えない経路が、自己申告で分かることがあります

指名での検索の数も指標になります。広告を見た人が後から社名で検索する動きは、記録では追いにくいものです。検索の管理画面で社名の検索の回数を追っておけば、広告の効き方の一面が見えます。

これらの指標は、推定の話とは別に持っておく価値があります。計測の仕組みが今後どう変わっても、自社の側で数えられる数字は残ります。土台として強い指標です

同意率を上げることの意味

推定の割合を減らす方向の打ち手もあります。同意する人を増やせば、測れる分が増えます。推定に頼る割合が自然に下がります。

同意率は、尋ね方によって変わります。何のために記録するのかが分かる説明、選びやすい画面の作り、邪魔にならない出し方。こうした点が影響します。

ただし、同意を得るための工夫には守るべき線があります。同意しない選択がしにくい作りは、制度の求めに反する可能性があります。この領域は法務や専門家と相談して設計してください。

実務としては、説明の分かりやすさを改善するのが最も筋の良い打ち手です。何に使うのかが伝われば、同意する人は増えます。騙すのではなく伝える工夫です

なお、同意率を上げても推定はゼロになりません。同意しない人は必ず一定数います。推定が含まれる前提で数字を扱う構えは、今後も必要になります。

よくある誤解の整理

この話には、誤解が付きまといます。社内で共有する前に整理しておくと、説明が余計な議論を呼びません

最も多い誤解は、推定された成果を「架空の数字」と受け取ることです。実際には、成果が発生していたのに記録できなかった分を見積もったものです。実在しない成果を作り出しているわけではありません。

二つ目は、推定を含めない設定にすれば正確になるという誤解です。含めなければ、実際に発生した成果を見落とす方向にずれます。どちらもずれるのであれば、配信の判断に効く側を選ぶほうが合理的です。

三つ目は、推定の割合が大きいほど計測が壊れているという誤解です。割合の大きさは同意率の低さを表しています。計測の仕組みの不具合とは別の問題です。

四つ目は、実数だけを見ればよいという考えです。実数は正確ですが、どの広告が効いたかは分かりません。経路が記録されていない分は、実数の側でも「不明」になります。両方が必要という結論に変わりはありません

五つ目は、推定の割合を他社と比べたくなることです。同意率も尋ね方も業種によって違うため、他社の数字と比べる意味はほとんどありません。自社の推移として追うのが正しい使い方です。比べる相手は過去の自社です。業界の平均のような数字を探しても、自社の判断には使えません。

期間をまたぐ比較の注意

最後に、比較のときの注意です。推定の反映が進む過程をまたいで比べると、増減の意味が変わります

設定を変えた月、同意の尋ね方を変えた月、仕組みの側で反映の方法が変わった時期。これらをまたぐ比較では、数字の性質が揃っていません。

対処は、境目を記録しておくことです。報告の図に「この月から推定の反映が始まった」と注記を入れる。一行あるだけで、半年後の自分や後任の担当が助かります。

前年との比較も同じ注意が必要です。1年前は推定が含まれていなかった、あるいは含まれる割合が違った。この可能性を頭に置いてください。

比較が難しい場合は、実数の側で比べます。問い合わせの件数は数え方が変わっていなければそのまま比べられます。推定の影響を受けない指標を持っておく価値が、ここでも出てきます

確認項目

実務で使う形にまとめておきます。管理画面と実数が合わないと気づいたときに、上から順に確かめてください。

  • 計測の設定に、二重の計上や対象の頁の誤りがないか確かめたか
  • 同意の仕組みによる影響の大きさ(増加率)を確かめたか
  • 推定が含まれる旨を、報告の数字の近くに書いているか
  • 管理画面の数字と実数を、別の指標として扱っているか
  • 月ごとの推移が、両方の数字で同じ方向に動いているか
  • 設定や尋ね方を変えた月を、記録に残しているか
  • 自社の側で数えられる指標(問い合わせ件数・自己申告・指名の検索)を持っているか
  • 管理画面の成果と実数を一致させようとして、設定を何度も変える
  • 推定が含まれる旨を書かずに、実数と同じ表に並べて差を計算する
  • 報告の数字を実数に近づけるために、推定を含めない設定にする
  • 推定の反映が進む過程をまたいで、前月比の増減を評価する
  • 同意しない選択がしにくい作りにして、同意率を上げようとする
  • 推定の仕組みや反映の条件は、提供する側の仕様に従う。公式の案内で確かめる
  • 規模が小さいアカウントでは、推定が含まれない場合がある
  • 同意の取り方の設計は、法務や専門家と相談して決める

まとめ

広告の管理画面に出る成果には、測れなかった分を推定で補った数字が含まれています。同意しない人の行動は記録できないため、測れた分の特性を使って推定されます。だから、社内で数えた実数とは一致しません。これは異常ではありません。

実務の構えは三つです。推定が含まれる旨を報告の数字の近くに書く。管理画面の数字は運用の判断に、実数は事業の判断に使い、役割を分ける。そして、問い合わせの件数や指名での検索といった自社で数えられる指標を併せて持つ。この三つがあれば、数字をめぐる議論は起きなくなります。そして、月に一度の突き合わせを習慣にしておけば、推定とは別の計測の事故にも早く気づけるようになります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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