Copilotのアナリストとは?|計算の過程を読んで検算

「アナリストは実際に計算してくれるから、出てきた数字はそのまま使える」「コードを書いて動かしているのだから、文章だけで答えるAIより間違いは少ないはずだ」。コパイロットのアナリストが使えるようになってから、社内でこうした受け止め方を耳にすることが増えました。たしかに、推測で数字を並べる答え方からは一歩進んでいます。けれども、計算を実行することと、正しい問いを正しいデータで計算したことは同じではありません。本当は、実行の跡が見えるようになったぶん、人が検算できる範囲が広がった、というのが正確な理解です。この記事では、アナリストとは何かを押さえたうえで、出てきたコードと途中の表を読んで検算する手順を、3つの場面で整理します。
カメ先生アナリストは計算まで自分でやるから、答えが正しいと思われがちなんだ。でも本当は、計算の前にある『何を数えるか』の読み替えで間違うことが多いんだよ。
カメ子計算そのものは合っていても、数える対象がずれている、ということですか。
カメ先生そう。だからこそ、途中の表と実行したコードを見られるのが大事でね。どの行を除いて、何で割ったかが、そこに全部出てくる。
カメ子答えより、答えに至る途中を読むための道具として見たほうがいいんですね。
- アナリストは、考えながらパイソンのコードを実行してデータを分析するコパイロットのエージェント
- 計算を実行しても、問いの読み替えや除外の条件がずれていれば数字はずれる
- 途中の表とコードを見せさせ、件数と分母を人が検算してから報告に載せる
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アナリストとは、計算を実行して答えるエージェント
アナリストは、マイクロソフト365コパイロットに用意されている、データ分析のためのエージェントです。マイクロソフトのサポートページは、熟練したデータの分析担当者がそばにいるような助っ人と説明しています。エクセルの表やカンマ区切りのファイルなど、複数のファイルにまたがるデータをまとめ、統計の計算や傾向の把握、外れ値の洗い出しをして、図や表の付いた報告の形で返します。
普通のチャットとの大きな違いは、答えを文章から推測するのではなく、パイソンのコードを書いて実際に計算を実行する点です。2025年3月に発表されたときの公式ブログでは、推論を段階的に進め、必要なだけ手順を重ねて答えを磨き上げる仕組みだと紹介されています。同じ記事は、実行中のコードをその場で見て、作業を確かめられるとも書いています。
提供の経緯も押さえておきます。アナリストは2025年4月に先行利用の枠で提供が始まり、同年6月2日に一般提供になりました。公式ブログは、一般提供の時点で調べものを担う別のエージェントのリサーチャーと合わせて月25回までの利用上限があったと説明しています。利用上限や対応する言語はその後も変わりうるため、自社で使う前に、最新の公式の案内で確かめてください。
なお、エクセルのセルの中で使うAIの関数は、アナリストとは別の機能です。セルに式として入れて結果を返す仕組みと、会話の中でファイルを渡して分析させる仕組みは、提供の状況も使いどころも違います。この記事では、会話の中で使うアナリストだけを扱い、セルの中の関数には触れません。
普段のコパイロットの答え方と何が違うか
普段のコパイロットに表を渡して「前年と比べて何パーセント増えたか」と聞くと、表を読み取った内容から文章で答えを組み立てます。行数が多い表や、複数のシートにまたがる表では、読み飛ばしや読み違いが起きても、答えの文章からは見分けがつきません。数字の出どころが見えないことが、これまでの弱点でした。
アナリストでは、答えに至るまでに、どのファイルを読み込み、どの列を使い、どんな計算をしたかが、手順として画面に出てきます。コードそのものも見られます。つまり、答えの文章だけでなく、その裏にある作業の記録が残るということです。検算の材料が手元に来る、と言い換えてもよいでしょう。
ただし、作業の記録が見えることと、作業が正しいことは別です。コードは、アナリストが問いをどう読んだかに従って書かれます。問いの読み方がずれていれば、ずれたまま正確に計算されます。正確に計算された誤った数字は、推測で書かれた数字より見破りにくいという点は、最初に覚えておいてください。
違いを表にすると、次のようになります。どちらが優れているかではなく、何を確かめられるかが違う、と読んでください。
| 観点 | 普段のチャット | アナリスト |
|---|---|---|
| 答えの作り方 | 表を読み取った内容から文章で組み立てる | パイソンのコードを書いて計算を実行する |
| 途中の見え方 | ほとんど見えない | 読み込んだファイル、手順、コードが見える |
| 起きやすい誤り | 読み飛ばし、数字の書き写しの誤り | 問いの読み替え、除外の条件、分母の取り違え |
| 人が確かめること | 元の表と一つずつ照らし合わせる | 途中の表とコードで件数と計算式を確かめる |
使える条件:ライセンスと管理者の設定
アナリストを使うには、一般提供の時点の公式ブログによれば、マイクロソフト365コパイロットのライセンスが必要です。無料で使える業務向けのチャットだけの契約では、同じようには使えない場合があります。自社の契約でどこまで使えるかは、情報システムの担当者に確かめるのが確実です。
サポートページには、アナリストが見当たらない場合は、管理者が有効にしていない可能性があると書かれています。ライセンスを持っていても、組織の設定でエージェントの利用が止められていれば、画面の左側のエージェントの一覧に出てきません。使いたい部署があるなら、管理者に有効にしてほしい範囲と理由を伝える必要があります。
使い始めるときは、仕事用のアカウントでマイクロソフト365のサイトにサインインし、コパイロットを開いて、左側のエージェントの一覧からアナリストを選びます。問いを入力し、入力欄の「+」から内容を添付して、ワンドライブにあるファイルか、手元の端末のファイルを渡します。
社内で使い方をそろえるなら、どのデータを渡してよいかも合わせて決めておきます。顧客の個人情報を含む表をそのまま渡すのか、集計済みの表だけにするのかは、分析の手順とは別に決めるべき事柄です。使える状態にすることと、何を渡してよいかを決めることは、同時に進めるのが安全です。
- 利用上限・対応する言語・扱えるファイルの大きさは、2025年の一般提供の時点の案内から変わっている可能性があるため、使う前に公式の案内で確かめる
- 一覧にアナリストが出てこない場合は、ライセンスより先に管理者の設定を確かめる
- セルの中で使うAIの関数とは別の機能なので、提供の状況も別々に確かめる
「計算してくれるなら合っている」という誤解
冒頭の誤解に戻ります。アナリストが出す数字がずれるとき、原因の多くは計算の誤りではありません。ずれは、計算の手前で起きます。問いの言葉をどの列に当てはめたか、どの行を除いたか、何を分母にしたか。この3つの読み替えのどれかがずれると、コードは正しく動いたまま、数字だけが違ってきます。
たとえば「問い合わせ数」と聞いたとき、アナリストは表の中から問い合わせらしい列を探します。受付の件数の列と、対応を終えた件数の列が両方あれば、どちらを選ぶかはアナリストの読み方しだいです。社内の人なら当然と思う区別も、列の名前だけでは伝わりません。
除外の条件も同じです。社内のテストの送信、重複した登録、競合の会社からの問い合わせを除くかどうかは、表の中には書かれていません。何も言わなければ、アナリストは全部の行を数えます。逆に、空欄の多い行を気を利かせて除いてしまうこともあります。どちらが起きたかは、途中の表の件数を見るまで分かりません。
分母の取り違えは、率を出す分析で特に起きやすい誤りです。商談化率を「商談になった件数を、リードの件数で割る」と読むか、「商談になった件数を、営業が接触できた件数で割る」と読むかで、数字は大きく変わります。率を見るときは、分子と分母が何かを必ず言葉で書かせるようにします。
検算で見る3つの場所
では、何を見れば検算できるのでしょうか。見る場所は3つに絞れます。1つ目は、アナリストが問いをどう言い換えたか。2つ目は、途中で作られた表の件数と列。3つ目は、実行したコードの中の条件と計算式です。この順番で見れば、コードを読み慣れていなくても多くのずれは見つかります。
1つ目の問いの言い換えは、アナリストが作業の最初に示す方針や、報告の冒頭の説明から読み取れます。「受付件数を月ごとに合計し、前年同月と比べます」のように書かれていれば、自分が聞きたかったことと一致しているかをまず確かめます。ここで食い違っていれば、後ろの計算を読む前に問いを直します。
2つ目の途中の表では、行の数と列の名前を見ます。元のファイルが何行あり、除外の後に何行残ったか。この件数が自分の把握している数と大きく違えば、どこかで行が落ちているか、余計に入っています。件数を画面に出していなければ、「除外の前と後の行数を表で示してください」と追加で頼みます。
3つ目のコードでは、条件を書いた部分と、割り算や合計をしている部分だけを探します。すべてを読む必要はありません。どの列の値で絞り込んだか、何で割ったかが分かれば十分です。読みにくければ、そのコードの各行が何をしているかを日本語で説明させ、その説明と途中の表を突き合わせます。
アナリストが示した方針が、聞きたかったことと一致しているかを確かめます。ずれていれば、ここで問いを直します。
元の行数、除外の後の行数、集計の後の行数を並べさせ、自分の把握している数と比べます。
絞り込みの条件と、割り算・合計の部分だけを読みます。読めなければ日本語で説明させます。
最後に、どれか1つの月や1つの区分だけを元のファイルで手計算し、答えと一致するかを確かめます。
渡す前に整える:列の意味と除外の条件を文章で添える
検算の手間を減らすいちばんの近道は、渡す前に整えておくことです。整えるといっても、表を作り直す必要はありません。問いと一緒に、列の意味と除外の条件を短い文章で添えるだけで、アナリストの読み替えはかなり減ります。
列の意味は、判断に使う列だけで構いません。「受付日は問い合わせフォームの送信日、対応完了日は担当者が完了にした日」「区分の列の『その他』には採用の問い合わせが含まれる」のように、社内では当たり前でも表からは読み取れないことを書きます。どの列を使ってほしいかも、はっきり指定します。
除外の条件は、何を数えないかを箇条で書きます。社内のテストの送信、同じ会社からの重複、営業の売り込み、といった具合です。除外の条件を書いたら、「除外した行の件数を理由ごとに示してください」と頼んでおくと、検算のときに件数を比べやすくなります。
数字の前提を1枚にまとめて毎回添える考え方は、分析をAIに頼むとき全般に使えるもので、別の記事で詳しく扱っています。この記事では、アナリストに渡すときの最小限として、列の意味と除外の条件の2つだけを押さえておきます。
シナリオ1:月次の問い合わせ数の推移
最初の場面は、過去2年分の問い合わせの一覧から、月ごとの件数の推移と前年同月との比較を出す分析です。渡すのは、問い合わせ1件が1行になった一覧のファイルです。添える文章には、使う日付の列、数えない問い合わせの条件、比べたい期間を書きます。
途中で見るのは、月ごとに集計した表です。各月の件数を、社内で把握している数字と2つか3つ照らし合わせます。月次の報告で毎月件数を出しているなら、その数字と一致するかを見るのが最も早い検算です。一致しない月があれば、その月だけ除外の前と後の件数を出させます。
この場面で起きやすいずれは、日付の扱いです。日付と時刻が一緒に入った列を、アナリストが世界標準の時刻として読むと、月末の夜の問い合わせが翌月に数えられることがあります。コードの中で日付をどう変換しているかを探し、月の境目の数件が正しい月に入っているかを確かめます。
もう一つの落とし穴は、データのない月の扱いです。ある月の問い合わせがゼロだった場合、集計の表からその月が消えてしまうことがあります。推移の図で月が飛んでいないか、表の行数が期間の月数と一致しているかを見ます。月数と行数が一致しているかは、数えるだけで確かめられる検算です。
シナリオ2:広告の費用対効果の比較
2つ目の場面は、複数の広告の配信先ごとに、かけた費用と獲得した問い合わせを比べ、1件あたりの獲得単価を出す分析です。渡すのは、配信先ごとの費用の表と、問い合わせの一覧の2つのファイルです。2つのファイルをどの列でつなぐかが、この場面の要になります。
添える文章には、費用の表の金額が税込みか税抜きか、問い合わせの一覧のどの列で配信先が分かるか、比べる期間を書きます。配信先の呼び方が2つのファイルで違うなら、対応表も付けます。呼び方がそろっていないと、アナリストが似た名前を推測でつなぐことがあり、そのつなぎ方は途中の表を見ないと分かりません。
途中で見るのは、2つのファイルをつないだ後の表です。配信先ごとの問い合わせの件数の合計が、問い合わせの一覧の件数と一致するかを確かめます。合計が元の件数より少なければ、つなげなかった行があるということです。どの配信先にも当てはまらなかった行が何件あるかを、別に出させます。
獲得単価は、費用を件数で割るだけの計算ですが、件数がゼロや1件の配信先では、単価が極端な値になります。アナリストは極端な値を外れ値として報告に書くことがあります。外れ値として扱うかどうかは、件数の少なさによるものか、本当に効率が悪いのかを人が見て決めます。件数の列を単価の横に必ず並べさせます。
- 配信先の呼び方が2つのファイルで違うまま渡し、つなぎ方をアナリストに任せる
- つないだ後の件数の合計を確かめず、単価の表だけを見る
- 件数が1件の配信先の単価を、効率の良し悪しとして報告に書く
- 税込みと税抜きが混じった費用のまま比べる
シナリオ3:展示会リードの商談化率
3つ目の場面は、出展した展示会で集めたリードのうち、何割が商談になったかを、展示会ごとに比べる分析です。渡すのは、リードの一覧と、商談の一覧です。この場面は、分母を何にするかで結論が変わるという点で、3つの中でいちばん検算が大切です。
添える文章には、分母と分子をはっきり書きます。「分母は名刺を交換したリードの件数、分子はそのうち展示会の後90日以内に商談として登録されたもの」のように、期間の区切りまで書きます。期間を書かないと、2年前の展示会のリードが今年の商談として数えられ、古い展示会ほど率が高く見えることがあります。
途中で見るのは、展示会ごとの分母と分子の件数の表です。率だけでなく、分母と分子の件数を横に並べさせます。分母の件数が、展示会のあとに社内で共有したリードの件数と一致しているかを確かめます。同じ人が複数の展示会に来ていた場合、どの展示会に数えるかの決まりも、コードの中で確かめます。
商談化率の比較は、展示会の出展を続けるかどうかの判断につながります。結論が予算に直結する分析ほど、一か所だけでも手で計算して一致を確かめるようにします。最も率の高かった展示会と、最も低かった展示会の2つについて、元の一覧から件数を数え直すだけでも、大きな読み違いは防げます。
パイソンのコードを読めなくても確かめられる箇所
コードを見られると言われても、パイソンを書いたことのない人には、どこを見ればよいか分からないはずです。けれども、検算に必要なのはコードの全体ではありません。探すのは、絞り込み、つなぎ、割り算の3種類の部分だけです。
絞り込みの部分には、列の名前と条件が並んでいます。たとえば区分の列が特定の値のものだけを残す、日付がある日より後のものだけを残す、といった書き方です。列の名前は元のファイルと同じなので、どの列で何を残したかは、コードに慣れていなくても読み取れることが多いものです。
つなぎの部分では、2つの表をどの列でつないだかが書かれています。割り算の部分では、何を何で割ったかが書かれています。この2か所で、自分が添えた文章の指示どおりの列が使われているかを確かめます。指示と違う列の名前が出てきたら、そこがずれの候補です。見つけた場合は、その列の名前をそのまま示して「この列ではなく、受付日の列を使ってください」と具体的に言い直すと、次の計算で同じずれが起きにくくなります。直した後は、途中の表の件数がどう変わったかも見比べます。
それでも読めない場合は、アナリストにコードの説明を日本語で書かせます。そのとき、「各行が何をしているか」と「どの列を使っているか」の2点に絞って書かせると、説明が長くなりすぎません。説明を読んだら、途中の表の件数と照らし合わせて、説明どおりの結果になっているかを確かめます。説明とコードが食い違うこともあるため、説明だけを信じずに件数で確かめます。
答えが聞くたびに揺れるとき
同じファイルで同じ問いを投げても、アナリストの答えが毎回少しずつ違うことがあります。推論を段階的に進める仕組みなので、途中の手順の選び方が毎回同じとは限らないからです。揺れは、問いのどこかに読み方の幅が残っているという合図として受け止めます。
揺れを見つけたら、2回の答えの途中の表を並べて、どこで分かれたかを探します。除外の後の件数が違うのか、使った列が違うのか、分母が違うのか。分かれた場所が分かれば、そこに当たる指示を添える文章に足します。たいていは、除外の条件か分母の定義が足りていません。
揺れを減らしたいからといって、答えのうち都合のよいほうを選ぶのは避けてください。2回の答えが違ったまま、どちらかを報告に載せると、次に同じ分析をしたときに再現できません。揺れたら、答えを選ぶのではなく問いを直すのが原則です。
指示を足して3回ほど同じ問いを投げ、途中の表の件数が一致するようになったら、その指示を社内で使い回せる形で残しておきます。毎月の定例の分析なら、同じ指示と同じ形のファイルを渡すことで、月ごとの比較がぶれにくくなります。
報告に載せる前の確認
アナリストの答えを会議の資料や上司への報告に載せる前に、最低限これだけは確かめておきたい項目をまとめます。すべての項目に答えられないうちは、数字を確定値として扱わないようにします。
- 問いの言い換えが、聞きたかったことと一致している
- 元の行数、除外の後の行数、集計の後の行数を把握している
- 率を出したものは、分子と分母が何かを言葉で説明できる
- 2つのファイルをつないだ場合、つないだ後の合計が元の件数と一致する
- 少なくとも一か所を、元のファイルから手で計算して一致を確かめた
- 件数の少ない区分の値を、効率や傾向の結論に使っていない
報告の資料には、数字と一緒に、どの期間のどのデータで、何を除いて計算したかを一行添えます。アナリストの報告の文章をそのまま貼るのではなく、確かめた範囲を自分の言葉で書き直します。質問されたときに、途中の表とコードをすぐ出せるようにしておくと、説明が楽になります。
アナリストが示した考察の部分は、とくに慎重に扱います。「この配信先は効率が悪い」「この月は季節の影響で減った」といった解釈は、計算の結果ではなく推論です。社内の事情や催しの時期を知らないまま書かれている可能性があります。数字は検算したものを載せ、解釈は人が書くと分けておきます。
検算に使った途中の表と、アナリストとのやり取りは、報告を出した後もしばらく残しておきます。翌月に同じ分析をするとき、前回と同じ条件で計算されたかを比べる材料になるからです。数字が前の月と大きく変わったときも、条件が変わったのか実際の変化なのかを、残した表と見比べて切り分けられます。
AIに任せる範囲と、人が確定させる範囲
ここまでの内容を、任せる範囲と人が持つ範囲に分けて整理します。アナリストに任せてよいのは、集計と作図の実行、それに分析の切り口の案出しまでです。表を月ごとにまとめる、配信先ごとに単価を出す、推移を図にする、といった手を動かす作業は、任せたほうが早く、書き写しの誤りも減ります。
分析の切り口の案出しも、アナリストが役に立つ部分です。「ほかにどんな見方がありますか」と聞けば、区分ごとの比較や、曜日ごとの傾向など、自分では思いつかなかった切り口を挙げてくれることがあります。ただし、挙がった切り口のどれを採るかは、目的に照らして人が選びます。
一方で、何を数えるか、何を除くか、何で割るかという定義は、人が決めて渡します。そして、出てきた数字を確定させるのも人です。AIに判断させず、根拠としてコードと途中の表を必ず見せさせることを、使うときの決まりにしておきます。見せさせた根拠を人が確かめて、初めて数字は報告に使えるものになります。
エクセルでの普段の作業をどこまでAIに任せるかという話とも、この考え方は矛盾しません。計算を任せきりにしないという点は同じで、アナリストの場合は、実行はさせても確定は人がする、という分け方になります。人が確認する範囲を先に決めておけば、実行の速さを検算の時間に回せます。
よくある質問
アナリストの答えは、普段のチャットより正確ですか
計算そのものはコードで実行されるため、書き写しや暗算の誤りは起きにくくなります。ただし、問いの読み替えや除外の条件がずれれば、正確に計算された誤った数字が出ます。正確さは、途中の表とコードを人が確かめて初めて言えるものです。
コードは自分で読めなくても問題ありませんか
全部を読む必要はありません。絞り込み、つなぎ、割り算の3か所だけを探し、読めなければ日本語で説明させます。そのうえで、説明と途中の表の件数を照らし合わせれば、多くのずれは見つかります。
社外秘のデータを渡してもよいですか
渡してよいデータの範囲は、自社の決まりと契約で決まります。アナリストの使い方とは別に、情報システムの担当者や管理者と、個人情報や取引先の情報を含む表の扱いを先に決めておいてください。
毎月の定例の分析に使えますか
使えます。同じ形のファイルと、列の意味と除外の条件を書いた同じ指示を渡すようにすると、月ごとの比較がぶれにくくなります。それでも毎回、件数の検算と一か所の手計算は省かないでください。
途中の表やコードが画面に出てこないときは、どうすればよいですか
答えだけが返ってきた場合は、「除外の前と後の行数を表で示してください」「計算に使ったコードを見せてください」と続けて頼みます。根拠を見せてもらえないまま数字を使わないことを、社内の決まりにしておくと迷いません。見せてもらった後は、ほかの答えと同じように件数と式を確かめます。
検算にどのくらい時間をかければよいですか
目安は、結論の重さで変えます。社内の打ち合わせで傾向をつかむだけなら、件数の確かめと問いの言い換えの確認で足ります。予算や出展の継続を決める資料に載せるなら、分母と分子の確認と一か所の手計算まで行います。かける時間を先に決めておくと、確かめ忘れも、確かめすぎも防げます。
まとめ
コパイロットのアナリストは、考えながらパイソンのコードを実行し、複数のファイルのデータを集計して、図や表の付いた報告を返すエージェントです。計算を実行するからといって、数字が正しいとは限りません。ずれは計算の手前、つまり問いの読み替え、除外の条件、分母の取り違えで起きます。だからこそ、実行の跡が見えることが大きな意味を持ちます。問いの言い換えを読み、途中の表の件数を確かめ、コードの絞り込みと割り算の部分を探し、一か所だけ手で計算する。この4つを通してから、数字を報告に載せてください。まずは、毎月出している問い合わせ数の集計を1回アナリストに頼み、社内の数字と一致するかを確かめるところから始めるのがおすすめです。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
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