ChatGPT広告はBtoBで出すべき?|会話の文脈で当てる判断

ChatGPT広告の話が出ると、受け止めはたいてい2つに分かれます。「検索広告に新しい枠が1つ増えただけ」という見方と、「個人が使う面だから、BtoBの商材には関係ない」という見方です。どちらも半分は外れています。ChatGPT広告は打ち込まれた語で当てる広告ではなく、利用者がいま交わしている会話の文脈に広告を当てる仕組みで、買い方も測り方も検索広告とは別の前提で作られています。一方で、会社が契約した法人向けプランの画面には出ない、試験の期間中は出稿できる業種が絞られている、といった制約もあり、BtoBで出せば効くとも言えません。この記事では、オープンAIの発表文と広告主向けのヘルプで確かめられる事実をもとに、検索広告やSNS広告と何が違うのか、BtoBで試す条件と待つ条件はどこで分かれるのか、出稿の前に決めておくことは何かを整理します。
カメ先生ChatGPT広告は検索広告の親戚だと思われがちですが、本当は当てる手がかりが違います。検索広告は打ち込まれた語に当てますが、ChatGPT広告は会話の流れから、利用者がいま何を決めようとしているのかを読んで当てます。
カメ子語ではなく流れで当てるということは、狙った話題に必ず出せるわけではない、ということですか。
カメ先生出せる保証はありません。広告主が渡せるのは、どんな場面で役に立つかを書いた手がかりまでで、どの会話に出すかを決めるのはオープンAIの配信の仕組みです。しかも、どの会話の下に出たのかは広告主に返ってきません。
カメ子どこに出たのか分からない広告を、BtoBの限られた予算でどう判断すればよいのでしょうか。
- ChatGPT広告は、無料版と低価格の有料プランの利用者に、回答の下へ出る広告。検索語や属性ではなく、会話の文脈と広告主が書く場面の手がかりをもとに配信が決まる。日本でも2026年6月に表示が始まり、日本の法人は広告管理画面から自分で出稿できる
- BtoBで効くかどうかは、自社の商材が出稿できる業種に入るか、狙う担当者が法人向けプランではない画面で調べものをしているか、判断に足りる件数が出るかの3点で分かれる
- 広告主に返ってくるのは集計された数字だけで、どの会話で出たかは分からない。予算の上限、撤退の基準、商談の記録との突き合わせ方を出稿前に決め、少額で期間を区切って試す
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日本で始まったのは、回答の下に出る広告の試験運用
事実から確認します。オープンAIは2026年2月9日に米国でChatGPTの広告の試験を始め、5月7日には英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国へ数週間のうちに広げると発表しました。国内では6月に表示の開始が報じられ、同社は8月11日付けで、自社の発表文に日本での提供開始を書き加えています。いまも位置づけは試験運用で、提供の範囲や機能は短い間隔で更新されています。
広告が出る場所は、ChatGPTの回答の末尾の下です。スポンサーの提供であることが明示され、回答とは見た目で区別されます。オープンAIは、広告は回答に影響を与えず、広告主が回答の中身や順番を変えることはできないと説明しています。つまり広告を出しても、回答の本文の中で自社が取り上げられるわけではありません。回答の中で自社の情報が引用されるかどうかと、回答の下に広告が出るかどうかは、別の枠の話です。
出稿の入口は2つあります。オープンAIの広告の担当や代理店などのパートナーを通す方法と、広告管理画面から自分で登録する方法です。自分で出稿できる国の一覧には日本も入っています。ただし、この方法では出稿する法人と請求を受ける法人が、一覧の国に所在している必要があるとヘルプに書かれています。海外の本社や別の国の法人の名義でまとめて出す構えの会社は、ここで名義の整理が先に要ります。
- この記事は、ChatGPTの回答の下に出る広告の枠だけを扱います。AIの回答の中で自社の情報が自然に取り上げられるための対策や、検索エンジンの側のAIの回答面に出る広告には立ち入りません
誰の画面に出て、どの会話には出ないのか
広告が出る可能性があるのは、無料版と低価格の有料プランの利用者です。上位の個人向け有料プランと、企業や教育機関向けのプランでは広告は出ません。18歳未満と判定されたアカウントにも出さず、判定には申告された年齢に加えて、アカウントの作成からの期間、ふだん使う時間帯、話題の傾向などの信号も使うとされています。一時的なチャットの機能を使っている会話にも広告は出ません。
BtoBの担当者が最初に押さえるべきなのはこの線です。会社が法人向けプランを契約して社員に配っている場合、その社員が仕事の画面で調べものをしても広告は出ません。届くのは、無料版や低価格のプランで仕事の調べものをしている人です。どちらの使い方をしている担当者が多いのかは業種や会社の規模で違い、公開された数字で確かめる方法もありません。狙う担当者が、どの画面でChatGPTを使っているのかを自社で見立てることが、検討の出発点になります。
話題の側にも線があります。個人の健康、メンタルヘルス、政治といった機微な話題の近くには広告は出ません。広告ポリシーでは、詐欺、ヘイト、自傷、武器、規制の対象になる商品などの話題や、利用者が感情的にAIに頼っている場面も、広告を出さない文脈として挙げられています。広告主が話題を1つずつ選んで外すのではなく、出さない文脈はオープンAIの側で決められているという作りです。
当たり方の違い:語でも属性でもなく、会話の文脈に当てる
検索広告は、利用者が打ち込んだ語に対して広告を当てます。SNS広告は、利用者の属性や興味の推定に対して当てます。ChatGPT広告の配信の仕組みが見ているのは、そのどちらとも違い、現在の会話の文脈と意図です。加えて、広告のタイトルと広告文、リンク先のページの中身、広告主が渡す「コンテキストヒント」と呼ばれる手がかりも使われます。広告のパーソナライズを有効にしている利用者では、過去のチャットやメモリ、広告への反応も考慮されます。
広告主の手元にある主な手段は、このコンテキストヒントです。広告グループごとに、商品が誰の役に立ち、どんな場面で役に立つのかを文章で書きます。ヘルプの例では、「ランニングシューズ」とだけ書くのではなく、初めて5キロの大会に向けて練習する初心者向けの、クッション性の高い普段使いの靴、というように場面まで書くことが勧められています。ただし完全一致のキーワードでも、利用者の属性で絞る設定でもなく、特定の会話での配信を保証するものでもないと明記されています。
表示の候補になる広告が複数あるときは、関連性で重み付けした第二価格のオークションで決まります。入札額だけでは順番が決まらないということです。高く入札すれば狙った話題に出る、という検索広告の感覚は持ち込めません。関連性を上げる手段は、手がかりの書き方と、広告とリンク先の中身を場面に合わせることに寄っています。
買い方の違い:課金の単位と、日予算の効き方
課金の単位は、表示1,000回ごとに払うCPMと、クリックごとに払うCPCの2つです。キャンペーンの目的として、表示を広げる目的、クリックを集める目的、成果に向けて最適化する目的を選びます。成果に向けた最適化を選んでも、課金はクリックか表示に対して発生し、成果1件ごとの課金ではありません。クリックを集める目的では、1クリックあたり3〜5米ドルの上限入札から始めることがヘルプで推奨されています。
日予算の意味も、検索広告に慣れた感覚とは違います。ChatGPT広告の日予算は、7日間でならした1日あたりの平均額です。1日の支出は日予算の最大2倍まで伸びることがあり、7日間では日予算の7倍を超えないという上限の作りになっています。日本円で請求を受けるアカウントの最低日予算は2,500円です。最小の設定でも、1日に5,000円まで使われる日があり得ると見込んでおく必要があります。
作った後に変えられない項目が多い点も違いです。キャンペーンの目的、課金の方式、最適化の対象にする成果は作成後に変更できず、変えたいときは新しいキャンペーンを作ります。アカウントの国、通貨、タイムゾーンも後から変えられません。支払いは配信後の後払いで、登録したクレジットカードに請求されます。一時停止した後も、配信の仕組みに反映されるまで最長24時間ほど広告が出続け、その分の費用がかかる場合があると書かれています。
測り方の違い:会話の中身は広告主に返ってこない
管理画面で見られる指標は、表示回数、クリック数、費用、クリック率、平均のクリック単価、平均の表示単価、そして計測を設定した場合のコンバージョン数です。内訳としては端末と国の区分を見られます。広告主が受け取るのは集計された数字だけで、チャットの中身や履歴、メモリ、利用者の個人情報は広告主に渡らないとオープンAIは繰り返し説明しています。
この作りが、検索広告に慣れた運用者にとって一番大きな違いになります。検索広告なら、どの検索語句で広告が出てクリックされたのかを見て、効かない語を外し、効く語を足していきます。ChatGPT広告のヘルプにある指標の一覧には、どんな会話で広告が出たのかを示すレポートは入っていません。改善の手がかりは、広告グループの分け方と手がかりの書き方、そして広告ごとの数字の差から読むことになります。
| 比べる点 | 検索広告 | SNS広告 | ChatGPT広告 |
|---|---|---|---|
| 当てる手がかり | 打ち込まれた語 | 属性や興味の推定 | 会話の文脈と、広告主が書く場面の手がかり |
| 広告主が主に選ぶもの | キーワードと除外する語 | 配信する人の条件 | 広告グループごとの手がかり、国、端末、顧客リスト |
| 返ってくる情報 | 検索語句ごとの数字 | 配信した人の区分ごとの数字 | 広告ごとの集計値。会話の中身は返らない |
| 課金の単位 | 主にクリック | 表示やクリックなど | 表示1,000回かクリック |
表で並べると、語を足し引きする運用と、人を絞る運用の、どちらの型もそのままは使えないことが分かります。人を絞る手段として顧客リストを使う機能はありますが、後で触れるとおりBtoBでは規模の条件が壁になります。何を変えれば数字が動くのかという因果が見えにくい面だと理解したうえで、試し方を設計するのが順番です。
「BtoBには関係ない」が半分だけ正しい理由
関係ないと言い切れない理由から見ます。オープンAIは、ChatGPTが学習や仕事、日々の意思決定に使われていると説明し、利用者が選択肢を比べたり、次に何をするかを決めたりしている場面が多いことを、広告の価値の根拠に挙げています。製品の種類を調べる、候補を比べる、社内に説明する材料をまとめる。BtoBの検討の前半で起きる作業は、まさにこの形をしています。
一方で、半分は当たっています。広告ポリシーは試験の初期段階の対象を、生活用品や家庭用品、地域のサービス、旅行や体験、デジタル製品や教育といった消費者向けの領域に主に限るとしています。金融、医療、法律のサービスは、米国以外では原則として出せません。ポリシーの中にBtoB向けの業種の区分は用意されていません。法人向けのソフトウェアがデジタル製品として扱われるのか、コンサルティングのような役務がどこに入るのかは、アカウントと広告の審査で判断されることになります。
審査は段階に分かれています。アカウントの登録時に、広告主が正当な事業者か、広告ポリシーで出せる商品を扱っているかが確かめられ、広告ごとにタイトル、広告文、画像、リンク先のページが審査されます。さらに2026年9月の改定では、広告の原則や事業上の利益、競合上の立場と衝突する広告を断る権利がオープンAIにある旨が明記されました。AIに関わる製品を扱う会社は、この一文も読んだうえで計画を立てる必要があります。
BtoBで効きそうな場面:検討が深い会話の中にいる
効きそうな場面を具体的に絞ります。1つめは、製品の種類を比べている会話です。たとえば、勤怠の管理を紙から移したいが、どの方式の仕組みが自社の規模に合うのかを整理している会話の下に、方式ごとの違いを説明した自社のページへの広告が出る。検索広告なら語が短すぎて意図が読めない場面でも、会話なら条件が文章で書かれていることが多く、手がかりと合いやすくなります。
2つめは、導入の手順や社内の説得の材料を作っている会話です。稟議の資料の構成を考えている、移行の段取りを洗い出している、といった場面では、比較の資料や導入の手引きを置いたページが次の一歩として役に立ちます。ヘルプも、リンク先はトップページではなく、商品のページや内容のあるページにするよう勧めています。広告の役割を「申し込ませる」ではなく「次に読む1枚を渡す」に置くと、会話の流れと合わせやすくなります。
手がかりの書き方も、この場面から逆算します。誰が、どんな状況で、何を決めようとしているときに役立つのかを、自然な文章で書きます。ヘルプも、業種や役職のような大まかな属性だけでなく、ニーズや状況を書くよう勧めています。ただし手がかりを細かく書いても、その会話に出る保証はありません。書いたとおりの場面に出たかを確かめる手段もないので、手がかりの良し悪しは広告グループ単位の数字の差で見ていきます。
効きにくい場面:件数が出ない商材と、長い検討
反対に効きにくいのは、そもそも会話の数が少ない商材です。特定の業界の特定の工程でしか使われない機器や、ごく限られた部門しか検討しない仕組みは、ChatGPTの上でその話題が交わされる回数そのものが少なくなります。配信の仕組みは関連性と成果の見込みで広告を選ぶので、会話の数が少ない話題では、配信の判断に使える信号も少ないということになります。
数の壁は、顧客リストを使う機能にも出ます。自社の顧客や見込み客のメールアドレスなどから配信の対象を作る機能がありますが、配信の対象を絞ったり入札を調整したりするには、照合できた利用者が25,000人以上必要で、ヘルプは100,000人以上を推奨しています。25,000人に届かないリストは、配信から外す用途にだけ使えます。法人向けの商材では、既存の顧客を外す使い方が現実的な線です。リストを渡す前には、利用目的と同意の整理が要ります。
検討の長さも壁になります。成果に向けた最適化は、キャンペーンごとに1つの標準の成果の種類を選ぶ作りで、自社で定義した独自の成果は最適化の対象にできません。ヘルプは、発生の頻度が低すぎる成果は評価を難しくすると注意しています。資料請求から商談、受注までに数か月かかる商材では、最適化に使えるのは入口の成果までで、受注の良し悪しは配信の仕組みには伝わりません。そこは自社の顧客管理の側で見ることになります。
単価と件数の見込みを、出す前に逆算する
出すか待つかを決める前に、件数の見込みを紙の上で出しておきます。材料は、使える予算、想定するクリック単価、リンク先での資料請求の率、資料請求から商談になる率の4つです。このうちクリック単価は、日本での実績の数字が公式には出ていません。推奨されている上限入札の3〜5米ドルを出発点に、幅を持たせて置くしかありません。
計算は掛け算の連続です。たとえば1か月に10万円を使い、1クリックを500円と置けば、クリックは200回です。リンク先での資料請求の率を2%と置けば4件、そのうち4分の1が商談になると置けば1件になります。ここで使った単価や率は説明のための仮の数字で、ChatGPT広告の実績ではありません。大事なのは答えの数字そのものではなく、1か月で商談が1件出るかどうかという桁で、判断できる量のデータが集まるのかを先に見ることです。
桁が足りないと分かったら、評価の物差しを入口の側に寄せます。商談の件数ではなく、資料請求の件数や、比較のページを最後まで読んだ人の割合を、試験期間の判断に使います。それでも量が足りない場合は、いまは待つという判断にも十分な理由があります。試験運用の段階で、機能も出稿できる業種も月単位で更新されているので、自社の条件に合う機能がそろうのを待ってから入る選択肢も現実的です。
何が測れて、何が測れないか
測れるものから整理します。管理画面の指標に加えて、自社のサイトに計測のタグ(ピクセル)を置くか、サーバーから成果を送るコンバージョンAPIを使うと、広告をクリックした後の資料請求や登録などを数えられます。両方を使う場合は、同じ成果に同じイベントのIDを付けて送ると重複が除かれます。成果の数字が画面に反映されるまでには24〜48時間ほどかかることがあるとされています。
数え方の決まりも押さえておきます。メインのコンバージョンの列に入るのは、広告をクリックした後の成果だけです。広告を見ただけでクリックせず、1日以内に成果に至ったものは「ビュースルー」として別の列に出る場合がありますが、CPAの計算や最適化には使われません。さらに、クリックと結び付けられなかった成果を、観測できた傾向から推定して数える「モデル化」の分が、合計に含まれる場合があると書かれています。
測れないものは、どの会話で広告が出たか、誰がクリックしたか、手がかりのどの文が効いたか、です。顧客リストを使っても、照合できた個々の人は画面に表示されません。個人の単位では追えない前提で、広告グループと広告の単位で比べる設計にしておくことが、この面での計測の基本になります。
- 管理画面のコンバージョンの合計を、そのまま資料請求の実数として社内に報告する。推定された分が含まれている場合がある
- ビュースルーの数をコンバージョンに足してCPAを計算する。ヘルプは足さないよう明記している
- 配信を始めた翌日の成果が0件なのを見て止める。成果の反映には24〜48時間かかることがある
- 解析ツールのセッション数と広告のクリック数のずれを、計測の失敗だと決めつける。数え方の違いでずれることがヘルプに書かれている
- 自社で定義した独自の成果で最適化しようとする。最適化の対象にできるのは標準の成果の種類だけ
既存の計測と突き合わせる:パラメーター、タグ、商談の記録
ChatGPT広告の管理画面の数字だけで判断すると、BtoBでは最後まで商談の質が見えません。そこで、既存の解析ツールと顧客管理の仕組みに、ChatGPT広告から来た人だと分かる印を残します。リンク先のURLに流入元を示すパラメーターを付けておけば、クリックの後も保持され、GA4などの解析ツールで流入を分けて見られます。キャンペーンや広告のIDを自動で差し込む仕組みもあり、広告ごとに違う値を付ければ、どの広告から来た資料請求なのかを顧客管理の側で追えます。
注意したいのが、オープンAIがクリックを識別するためにURLの末尾に付ける参照の値です。計測のタグはこの値を読み取ってクッキーに保存し、後の成果と結び付けます。リダイレクトやページの移動の途中でこの値が落ちると、成果と広告が結び付かなくなります。資料請求のフォームを別のドメインの画面で受けている会社や、サーバーから成果を送る会社は、この値を最後まで引き回せているかを技術の担当と確かめてください。
数字が合わないことは、最初から前提に置きます。ヘルプは、管理画面と解析ツールの数字がずれる理由として、成果を結び付ける期間の違い、タイムゾーンや日付の区切り、ブラウザや同意の設定、重複の除き方、推定された成果の有無を挙げ、ずれていることが必ずしも誤りを意味しないと書いています。判断の基準は、ずれの原因を1つずつ潰すことではなく、顧客管理の側で数えた資料請求と商談の件数に置くと決めておきます。なお、成果のデータを送る場合は、法律で求められる同意を得たうえで送るようヘルプも求めています。
出稿前に決めること1:予算の上限と撤退の基準
予算は、日予算の数字ではなく、7日間と試験期間の全体でいくらまで使ってよいかで決めます。日予算の7倍が7日間の上限になるので、たとえば日予算を5,000円にすると、1週間の上限は35,000円です。期間の総額で管理したい場合はキャンペーンの総予算を選び、終了日を必ず入れます。終了日のない総予算は、既定で60日かけて使う前提で配分されるとヘルプにあります。
撤退の基準は、配信を始める前に文章で残します。何週間たった時点で、何の数字がいくつに届かなければ止めるのか。たとえば「4週間でクリックが決めた数に届かなければ、配信の量が足りないとして止める」「8週間で商談につながる資料請求が0件なら、この商材ではいまは待つ」という形です。基準を後から決めると、使った費用を取り戻したい気持ちが判断に混ざります。週の数や件数は自社の予算と商材で決めるもので、公式に示された目安はありません。
途中で変えてよいものと、変えると作り直しになるものも分けておきます。予算の額や入札の上限、広告の差し替えは後から変えられますが、目的、課金の方式、最適化の対象の成果は変えられません。ヘルプは、入札や予算、広告を大きく変える前に、十分な量のデータで成果を確かめるよう勧めています。試験期間の途中で目的を替えたくなったら、それは設計のやり直しとして扱うのが安全です。
出稿前に決めること2:出したくない場面とブランドの安全
公式のヘルプで確認できた範囲では、広告主が「この話題の会話には出さない」と1つずつ指定する設定は出てきません。機微な話題やブランドにとって不適切な文脈は、オープンAIの側で外す作りです。広告主の側で動かせるのは、手がかりに何を書き何を書かないか、広告グループをどう分けるか、配信する国と端末、既存の顧客などを外すリストです。出したくない場面は、設定ではなく手がかりの書き方で遠ざけることになります。
そのうえで、社内で許容できる範囲を決めます。広告主はどの会話の下に自社の広告が出たのかを確かめられません。掲載された場所を後から点検して外すという進め方ができないので、「どこに出たか確かめられない面に、自社の名前を出してよいか」を先に決める必要があります。リンク先のページも同じで、広告主と広告で示した商品にはっきり関係するページであること、広告からリンク先まで中身が一貫していることがポリシーで求められています。
ブランドの見え方で見落としやすいのが、表示される名前とロゴです。広告には広告主名とファビコンが出るので、アカウント情報の名前とロゴを、広告に出したい表記と完全に一致させるようヘルプは求めています。ブランドや法人ごとに出す場合は、アカウントを分けることもできます。また、ChatGPTの画面や話し方に似せた広告は、利用者が製品の一部だと誤解するおそれがあるとして、修正や削除の対象になります。
広告文と訴求の作り分けをAIで進めるときの線引き
ChatGPT広告は、広告文を多く作り分けることが前提になっている面です。ヘルプは、1つの商品に対して切り口の違うタイトルと広告文を多数用意すると、広告が関連し得る場面を配信の仕組みが見つけやすくなると説明しています。同じ内容の言い換えではなく、対象者、使う場面、得られる価値のどれを前に出すかで切り口を変えることが求められています。この組み合わせの下書きを量で出す作業は、AIに向いています。
ただし線を引くべき所ははっきりしています。オープンAIの広告ポリシーは、機能、価格、成果、提携関係、他社や他製品との比較について根拠のない主張をする広告を、業種を問わず禁止しています。日本の法律の側でも、実際より著しく優れていると誤認させる表示や、取引の条件が有利だと誤認させる表示は景品表示法の問題になり、他社と比べる表示には客観的な実証が求められます。AIが作った文の中の数字、順位、比較の言い回しは、1つずつ根拠の資料と突き合わせる工程を、必ず人が持ちます。
| 作業 | AIに渡すか | 条件 |
|---|---|---|
| 切り口の違うタイトルと広告文の下書き | 渡せる | 対象者、場面、価値の組み合わせを人が決めてから出させる |
| 広告グループごとの手がかりの文案 | 渡せる | 自社の商品に実際に当てはまる場面だけを書かせ、根拠のない用途を足させない |
| 広告文とリンク先のページのずれの洗い出し | 渡せる | ずれの候補を挙げさせるまで。直すかどうかは人が決める |
| 数字、順位、比較を含む表現の可否 | 渡さない | 景品表示法と広告ポリシーの判断。根拠の資料を人が確認する |
| 出稿できる業種に入るかの見立て | 渡さない | 審査の結果でしか確定しない。推測で計画を進めない |
| どの案を配信し、いつ止めるかの判断 | 渡さない | 費用と撤退の基準に関わる。数字を見て人が決める |
もう1つ、ChatGPT広告に特有の事情があります。広告を見た利用者は、その広告をChatGPTに共有して質問でき、その回答に広告主は影響を与えられません。広告で言い切ったことが、リンク先や公開されている情報で裏付けられていなければ、利用者はその場で確かめ直せるということです。なお管理画面には、サイトの既存の情報から広告の下書きを埋める機能がありますが、ヘルプはこれをAIで新しい文や画像を作る機能ではないと説明しています。AIに書かせるなら、根拠にしたページを必ず添えさせてください。
少額で試す設計:何週間で何を見て判断するか
試験は、最初から成果の最適化を狙わずに組みます。成果に向けた最適化は、計測が正しく動いていて標準の成果が届いていることが前提で、しかも頻度の低い成果では評価が難しくなるからです。まずはクリックを集める目的で入り、計測が安定して件数が見えてから、成果に向けた最適化の新しいキャンペーンを作る、という2段で考えます。
アカウントを登録して審査を通し、自社の商材が広告ポリシーの対象に入るかを確かめる。リンク先のページが審査用のクローラーに読めるかを、技術の担当と点検する。
計測のタグと流入元のパラメーターを置き、クリックの参照の値が資料請求の完了画面まで残るかを試験の送信で確かめる。顧客管理の仕組みに流入元が記録されるかも見る。
比較の会話、手順の会話など、場面ごとに手がかりとリンク先を分ける。1つのグループには切り口の違う広告を複数入れる。
表示が出ているか、審査で止まった広告がないか、予算の消化が7日間の上限の範囲に収まっているかを確かめる。成果の数ではまだ判断しない。
広告グループごとのクリック率とクリック単価の差、資料請求の件数、顧客管理の側での商談化を見て、続けるか待つかを決めた基準に照らして判断する。
この週の数は、オープンAIが示した目安ではありません。ヘルプが勧めているのは、意味のある成果のデータが集まるまで十分な期間を取ることと、大きく変える前に十分な量で確かめることです。そのうえで、成果の反映に1〜2日かかること、日予算が7日間でならされることを踏まえると、1週間より短い単位で良し悪しを決めると、ならしの途中の数字を見ることになります。区切りは週の単位で置くのが扱いやすくなります。
判断の場では、数字と一緒に分からなかったことも記録します。どの会話で出たかは分からない、推定された成果がどれだけ含まれるかは分からない、といった制約を並べたうえで、それでも商談につながる資料請求が出たのか。続ける理由も待つ理由も、この記録から説明できる形にしておくと、機能や対象の業種が更新されたときに、再開するかどうかの判断が速くなります。
出稿前の確認項目
最後に、配信を始める前に確かめる項目をまとめます。広告管理画面の設定だけでなく、経理、技術、法務の担当にまたがる項目が混ざっているのが、この面の特徴です。1人で埋めようとせず、項目ごとに確認する担当を決めてから進めてください。
- 自社の商品やサービスが、試験期間中に出稿できる業種に入るかを、アカウントの審査で確かめたか
- 狙う担当者が、法人向けプランではない画面でChatGPTを使っていると見立てる根拠があるか
- 出稿する法人と請求を受ける法人が日本に所在し、アカウントの国、通貨、タイムゾーンを正しく選んだか。この3つは後から変えられない
- アカウント名とロゴが、広告に出したい表記と完全に一致しているか
- 支払いに使うクレジットカードが請求先の法人と国に合っているか。後払いの請求の流れを経理と確認したか
- リンク先のページが審査用のクローラーを拒否していないか。ログインや、人間かどうかを確かめる認証が必要な画面になっていないか
- 計測のタグと流入元のパラメーターを置き、クリックの参照の値がリダイレクトで落ちないかを確かめたか
- 7日間の上限と試験期間の総額、撤退の基準を文章で残したか
- 数字、順位、比較を含む広告文を、根拠の資料と突き合わせたか
- 顧客リストを使う場合、利用目的と同意の整理が済んでいるか
経理の確認では、請求書の扱いも見ておきます。ヘルプには、日本で請求を受ける広告主のChatGPT広告の請求書について、現時点では日本の消費税を請求していないと書かれています。自社の側で必要になる税の処理は、経理と税理士に確かめてください。海外の事業者に支払う広告費の税の扱いそのものは、この記事の範囲を超えるので立ち入りません。
まとめ
ChatGPT広告は、検索広告に枠が1つ増えたものではありません。無料版と低価格の有料プランの利用者に向けて、回答の下に出る広告で、配信は打ち込まれた語でも属性でもなく、会話の文脈と意図、広告主が書く場面の手がかり、広告とリンク先の中身をもとに決まります。課金は表示1,000回かクリックの単位で、日予算は7日間でならした平均として扱われ、日本円の最低日予算は2,500円です。広告主に返ってくるのは集計された数字だけで、どの会話の下に出たのかは分かりません。語を足し引きする運用も、人を細かく絞る運用も、そのままは持ち込めない面です。そして「BtoBには関係ない」は半分だけ正しい見方です。会社が契約した法人向けプランの画面には広告が出ず、試験の期間中は出稿できる業種が消費者向けの領域を中心に絞られています。一方で、製品の種類を調べ、候補を比べ、社内に説明する材料をまとめるという検討の前半の作業は、ChatGPTの上で交わされる会話の形と重なっています。
出すか待つかは、3つの問いで決めます。自社の商材が審査で出稿できる業種に入るか。狙う担当者が、法人向けプランではない画面で調べものをしていると見立てられるか。予算とクリック単価と資料請求の率から逆算して、試験期間のうちに判断できる件数が出るか。出すと決めたら、7日間の上限と期間の総額、撤退の基準を先に文章で残し、流入元のパラメーターとクリックの参照の値を顧客管理の側まで引き回して、商談の件数で判断できる形を作ります。広告文の切り口の下書きと手がかりの文案はAIに出させてかまいませんが、数字や比較を含む表現の可否、出稿できる業種かの見立て、配信と撤退の判断は人が持ってください。まずは、狙う担当者がどの画面でChatGPTを使っているのかを確かめるところから始めるのが早道です。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
広告運用にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
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