ブランドセーフティ対策とは?|広告が載る面を選ぶ基準

ブランドセーフティ対策とは?|広告が載る面を選ぶ基準

「除外リストは去年つくったきりで、誰も触っていない」「配信先の一覧は見ているが、そこに何が書いてある面なのかまでは追えていない」——広告の掲載先を点検する場では、この二つがほぼ同時に出てきます。米国の広告主団体が2023年に公表した調査では、調べたキャンペーンのうち21パーセントのインプレッションが、広告収入を得ることだけを目的につくられた面へ配信され、広告費の15パーセントがそこで使われていました。ただし、掲載先の問題は費用の無駄では終わりません。本当に痛いのは、自社の広告が並んだ場所そのものが、会社の見え方を傷つけることです。この記事では、問題になる面の型、面が見えなくなる仕組み、除外の設計、社内で持つ基準の決め方、そしてAIに判定させてはいけない範囲までを整理します。


カメ先生カメ先生

ブランドセーフティは危ない面を外す作業だと思われがちですが、実際には自社がどの面なら許すかを決める作業なんです。


カメ子カメ子

危ない面を外すことと、自社に合う面を選ぶことは、別のことなのでしょうか。


カメ先生カメ先生

別です。前者はどの会社にも共通する最低線で、後者は業種ごとに線が違う。両方をひとまとめに呼ぶから、社内の話が噛み合わなくなります。


カメ子カメ子

だとすると、他社が使っている除外リストをそのまま借りても、線は合わないということですね。


この記事のポイント
  • 避けるべき面(どの会社にも共通する最低線)と、自社に合わない面(業種ごとの線)は分けて決める
  • 語だけで外すと報道記事がまとめて落ちる。除外の効き目と、届く量の落ち方は同時に見る
  • 面の分類の下書きはAIに任せてよいが、自社の基準に合うかの最終判断は人が決める

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目次

広告費の15パーセントは、どこに消えているのか

冒頭の数字をもう少し細かく見ます。デジタル広告品質認証機構が2025年4月に公開した解説では、米国の広告主団体の2023年のレポートとして「調査したキャンペーンのうち、21パーセントのインプレッションが広告収入だけを目的とした面に配信されており、広告費の15パーセントがそこで占められていた」と紹介されています。五本に一本のインプレッションが、読まれることを目的にしていない面へ流れていたという数字です。

この数字は、費用対効果の話としてよく引かれます。しかし広告主にとっての損失は二種類あります。一つは払った費用が成果に結びつかないこと。もう一つは、その面に自社の名前とロゴが並んで表示されたという事実そのものです。前者はキャンペーンの数字で回収の議論ができますが、後者は数字に出ないまま残ります。

法人向けの商材では、後者のほうが重くなります。買い手は稟議を通す立場にあり、検討の途中で自社の広告がどこに出ていたかを見ています。検討先の広告が、事実かどうか怪しい記事の横に並んでいた。この一度が、候補から外す理由として十分に機能します。この記事は、この後者の話だけを扱います。

ブランドセーフティとは、何を守る言葉か

言葉の出どころを押さえておきます。日本インタラクティブ広告協会は2017年12月12日に公表したステートメントで、ブランドセーフティを「広告掲載先の品質確保による広告主ブランドの安全性」と位置づけています。主語が広告主のブランドである点が重要です。守る対象は広告の成果ではなく、広告主の見え方そのものだと定義されています。

デジタル広告品質認証機構の解説では、より具体的に「過激な暴力、ヘイトスピーチ、露骨なアダルトコンテンツなど、一般的に有害または不適切なコンテンツと一緒に広告を掲載することを避けるためのもの」と説明されています。一般的に、という限定が入っている点が、後で出てくるスータビリティとの分かれ目になります。

同じステートメントは、対策を広告主だけの仕事にしていません。媒体社には「コンテンツやページが公序良俗に反していないか確認する体制」、アドネットワーク事業者には「不正なサイトを排除する仕組み」、広告会社には「ブランド毀損リスクに関する事前説明」、配信の仕組みを提供する事業者には「リスク回避手段の提供」がそれぞれ求められています。自社で全部を見ようとする前に、誰がどこまでを担う建て付けになっているかを確認するのが先です。詳細版として、2019年4月に「ブランドセーフティガイドライン」が制定されています。

ブランドセーフティとブランドスータビリティは別のもの

実務でいちばん混乱するのがここです。デジタル広告品質認証機構の解説では、ブランドスータビリティ(適合性)を「ブランドの価値観に共鳴し、意図するオーディエンスにアピールするコンテンツに広告を適合させることを目的としている」と説明し、セーフティのほうは「業界が広告価値がないと判断するコンテンツを排除する、メディア品質の基礎的な側面」だとしています。

言い換えると、セーフティはどの会社でも外す最低線、スータビリティは自社だけが外す線です。前者は業界で共有できますが、後者は共有できません。酒類のブランドが未成年向けの面を外すのと、金融のブランドが投資の勧誘に見える面を外すのは、どちらもスータビリティの判断であって、他社の設定をそのまま持ってきても意味がありません。

ブランドセーフティブランドスータビリティ(適合性)
守るもの広告主ブランドの安全性(最低線)ブランドの価値観との一致(自社の線)
外す対象の例暴力・差別・偽情報・違法な面自社の商材と相性の悪い話題・文脈
線の決め方業界の共通認識に沿う業種と自社の方針で毎回決める
他社と共有できるかおおむねできるできない
決める人広告の担当と法務で足りる事業側と広報の同意が要る

社内で議論が空回りするときは、たいていこの二つが混ざっています。「その面は危ないのか、それとも自社に合わないだけなのか」を毎回言い分けるだけで、決められない議題が半分に減ります

どんな面が問題になるのか

問題になる面の型は、先のステートメントに列挙されています。「法令に違反、または違反するおそれのあるもの」「犯罪を肯定したり、美化したりするもの」「性に関する表現が露骨なもの」「消費者等を騙したり、脅したり、欺もうしたり」するもの「他者を攻撃したり、差別したり、嘲笑するようなもの」の五つです。この五つが、業種を問わず外しにいく最低線にあたります。

近年これに加わったのが、事実かどうか確かめられていない記事を大量に載せる面と、本文と広告の見分けがつきにくい面です。後者は特に厄介で、記事の体裁で書かれた誘導の中に自社の広告が並ぶと、読み手からは自社がその主張の出し手だと見えてしまいます。掲載先が違法でなくても、見え方としては最も傷が深くなります。

もう一つ、面の話をするときに落としやすいのが動画とアプリの中の広告枠です。記事の面は文字が取れるので判定しやすいのに対し、動画の内容やアプリの画面は判定が難しく、掲載先の一覧も粗くなりがちです。点検の抜けは、たいてい記事以外の面で起きます

生成AIで量産された面が、ここ数年で増えた

広告収入を得ることだけを目的につくられた面は、以前から存在しました。変わったのは量です。デジタル広告品質認証機構の解説は、「生成AIの登場により、ウェブサイトのコンテンツを簡単に生成することができるようになり急速な増加につながっている」と述べています。面をつくる側の手間が下がった分だけ、外す側の手間が上がったという構図です。

見分ける手がかりとして、同じ解説は五つの特性を挙げています。コンテンツに対する広告の比率が高いこと(デスクトップで30パーセント以上)、広告が頻繁に自動で更新されること、有料で集めた流入の割合が高いこと、内容が一般的で低品質なこと、そして使い回しのひな型そのままの見た目であること。この五つは、面の中身を読まなくても機械的に測れる項目が中心です

五つのうち、実務でいちばん効くのは「有料で集めた流入の割合が高い」という項目です。自分で読みに来た人がほとんどいない面に、広告を集めて表示している構造だからです。つまり、その面を訪れる人を連れてくる費用も、面を見せられる広告の費用も、どちらも広告主側が負担していることになります。掲載先の一覧を点検するときは、名前を知らない運営者が上位に来ていないかを毎月見るだけでも、この型の面はかなり拾えます。

  • 自社の広告が載った面を人が見に行くときは、記事本文だけでなく、一画面あたりに広告がいくつ並ぶかも見る。比率が高い面は中身の質も落ちていることが多い
  • 同じ運営者が名前だけ変えた面を大量に持っていることがある。一つ見つけたら、同じひな型の面をまとめて確認する
  • 生成された文章は誤りが自然な言い回しで書かれるため、ぱっと見では判別しにくい。日付や固有名詞の食い違いから見ると気づきやすい

法人向け商材では、どの面がとくに効くのか

消費者向けの商材と法人向けの商材では、痛む面が違います。消費者向けでは露骨な表現の面や暴力的な面が主な論点になりますが、法人向けでは事実の怪しい記事と、意見の強い政治的な面のほうが重くなります。買い手が組織であり、社内で共有された時点で説明を求められるからです。

もう一つ効くのが、競合の批判記事や、業界の不祥事を扱った記事の横に出るケースです。面そのものは健全で、内容も事実に基づいています。それでも、その記事の横に自社の広告が並ぶこと自体が、意図した主張として読まれます。これはセーフティではなくスータビリティの問題であり、外すかどうかは自社で決めるしかありません。

判断が難しいのは、報道記事です。業界のトラブルを扱った記事は、自社の見込み客がまさに読んでいる面でもあります。一律に外すと、届けたい相手に届かなくなります。報道記事を外すかどうかは、案件ごとに人が決めると最初に決めておくのが実務的です。

配信の自動化で、面が見えなくなる構造

面が見えなくなるのは、担当者の怠慢ではなく買い方の変化によるものです。面を指定して買う形から、届けたい相手の条件を指定して買う形へ移った結果、どの面に出るかは配信の側が決めるようになりました。広告主が指定するのは相手であって、場所ではありません。

これに提携先のネットワークが重なります。ある事業者から買った枠が、その先の提携先へさらに広がっていく。階層が一段深くなるたびに、最終的にどこへ出たかの粒度は粗くなります。掲載先の一覧に並ぶのが運営者の名前なのか、面ごとのアドレスなのかで、点検できる深さが変わります。契約の段階で、どの粒度まで開示されるのかを確認しておきます。

動画やアプリの枠では、この粗さがさらに大きくなります。個別の動画までは開示されず、まとめた分類だけが返ってくることも珍しくありません。見えない部分が残るのは避けられないので、見えない範囲がどこかを把握したうえで、そこに出す金額の上限を決めるのが現実的な対応になります。

何が公開され、何が公開されないのか

点検の前提として、手元に来る報告が何を測ったものかを確認します。測定を担う事業者が「安全性99パーセント」といった数値を返すことがありますが、デジタル広告品質認証機構の解説は、こうした割合がプラットフォーム全体ではなく、分析の対象となったコンテンツに限定される点を強調しています。分母が全体ではないということです。

したがって、報告を読むときは三つを確認します。何を分母にしたか、判定できなかった面はどう扱われたか、そして判定の基準は誰の基準か。三つ目は特に重要で、測定の事業者が持つ標準の分類と、自社が外したい面は一致しません。標準の設定のままでは、自社固有の線は当然かかりません。

もう一点、掲載先の一覧は「出た面」の記録であって「出るはずだった面」の記録ではありません。除外が効いて出なかった面は一覧に載らないため、除外リストが働いているかどうかは、この一覧だけでは分かりません。効き目を見るには、後述する届く量の変化とあわせて見る必要があります。

発注先との取り決めで、先に決めておくこと

面の点検は、自社だけで完結しません。先のステートメントが役割を分けて書いていたとおり、媒体社・アドネットワーク事業者・広告会社・配信の仕組みを提供する事業者が、それぞれ別の部分を担っています。自社が見られる範囲は、発注先との取り決めで決まってしまうというのが実態です。運用が始まってから交渉するより、発注の段階で決めるほうが確実に通ります。

決めておく項目は多くありません。次の五つがそろっていれば、何かが起きたときに社内へ説明できる状態になります。逆に、この五つが空欄のまま配信を始めた案件は、起きた後に必ず時間を取られます

  • 掲載先の一覧を、どの粒度(運営者の単位か、面ごとの単位か)で、どの頻度で受け取れるか
  • 自社の除外リストを渡してから、実際の配信に反映されるまでの日数
  • 問題の面が見つかったとき、時刻と面を指定した経路の照会に、回答まで何日かかるか
  • 配信を止める依頼を出す先と、営業時間外の連絡手段
  • 測定の報告で使われている分母と、判定できなかった面の扱い

五つ目は特に見落とされます。報告に出てくる割合が何を分母にしているかが分からないままだと、数字が良くても点検したことになりません。また、自社の基準を測定の設定に反映できるのかどうかも、この段階で確認しておきます。標準の分類しか使えない契約なら、自社固有の線は人が見るしかないと分かるので、点検にかける工数の見積りが変わります。

シナリオ:月曜の朝、社内から連絡が来る

実際の流れを追っておきます。月曜の朝、営業部から「取引先の担当者から連絡があった。うちの広告が、業界の不祥事を扱った記事の真横に出ていたそうだ」という一報が入ります。画面の写真は届いていますが、その面のアドレスは写っていません。ここで最初にやることは、原因の特定ではなく同じことが今も続いているかの確認です。

次に、掲載先の一覧を直近の期間で開き、その媒体が入っているかを見ます。入っていれば話は早いのですが、提携先を経由していると運営者の名前でしか載っていないことがあります。その場合は、配信を担当している会社に、時刻と面を指定して、どの経路で配信されたかの照会をかけます。この照会にどれだけ時間がかかるかは、事前に契約先へ確認しておく項目の一つです。

並行して、社内向けの説明を用意します。説明に必要なのは、いつ気づいたか、止めたか、原因が分かったか、再発を防ぐ手を打ったかの四点です。原因が分かる前でも、止めたという事実があれば説明は成立します。逆に、止める判断を誰がしてよいかが決まっていないと、この四点の最初でつまずきます。

この一件が落ち着いた後にやることが、もう一つあります。同じ型の面が他にも配信先に入っていないかを、その日のうちに確認することです。一件見つかった面は、たいてい単独では存在しません。運営者が同じ、あるいは同じひな型で作られた面が、別の名前で複数入っていることがあります。一件を外して終わりにすると、翌週に同じ連絡がまた入ります

除外の設計①:除外リストと許可リストの使い分け

除外の道具は大きく二つです。デジタル広告品質認証機構の解説によれば、除外リスト(ブロックリスト)は「登録したリスト以外に広告を配信するため、広告の配信ボリュームを確保しやすい」一方で、欠点として「リストの量が肥大化」し「細かいチェックが求められ」ることが挙げられています。

許可リスト(ホワイトリスト)は逆で、「登録したリスト以外には広告が配信されないため、より安全性高く広告配信が可能」とされる一方、「広告配信先が限定されやすく、出稿先の数が少なくなる傾向」があります。安全側に振るほど届く量が減る、という交換関係が最初から組み込まれています。どちらか一方を選ぶのではなく、目的ごとに使い分けます。

実務では、認知を広げる目的の配信は除外リスト、指名や商談化を狙う配信は許可リストという分け方が扱いやすくなります。同じ解説は運用上の課題として「ほぼ無限にある潜在的な配信先をチェックしてリストに更新し続けていかなければならない」ことと、「担当者ごとにリストの精度が異なってしまう」ことを挙げています。リストの中身より先に、誰が、どの頻度で更新するのかを決めておくほうが効きます。

除外の設計②:語だけで外すと、やりすぎる

ここが、除外の設計で最も事故が起きるところです。語を指定して外す方法は手軽ですが、語は文脈を持ちません。デジタル広告の業界メディアが2019年12月9日に伝えた記事では、媒体側が在庫の30パーセントから90パーセントがブロックされていると報告しており、報道を出す側にとって収益に直結する規模になっていました。

同じ記事には、具体的な取り違えの例が並んでいます。便通を扱った記事で、遠回しな語は通ったのに直接的な語が弾かれたケース。英国の公爵夫人を扱った記事がすべて外れ、原因がその称号の英語表記の中に性を意味する三文字が含まれていたケース。記事のアドレスに化粧を意味する語が入り、記事の番号に47という並びがあったために、ある自動小銃を扱う記事だと判定されたケース。いずれも、面の中身は何も問題がありません

法人向けの配信でこれが起きると、被害は静かに出ます。業界の課題を扱った記事、事故や不具合の報道、規制の解説記事——見込み客がいちばん熱心に読む面から順に外れていきます。しかも、外れた面は掲載先の一覧に出てこないので、気づく手がかりがありません。語で外すときは、必ず外れた結果として届く量がどれだけ落ちたかを同時に見ます

社内で持つ基準の決め方

外部の設定に任せきりにできない理由は、ここまでの通りです。自社の基準は、面の種類ごとに「出してよい/条件つき/出さない」の三段階で持つのが扱いやすくなります。二段階にすると、判断に迷う面がすべて「出さない」に寄り、届く量が落ちます。条件つきという段を用意して、そこに判断の余地を残しておくのがこつです。

面の種類扱いの例決める人見直しの間隔
違法・犯罪の肯定・露骨な性表現出さない広告担当が単独で決めてよい変更なし
差別・他者への攻撃出さない広告担当が単独で決めてよい変更なし
事実の確認が取れていない記事出さない広告担当と広報半年ごと
業界の不祥事を扱った報道条件つき(案件ごとに判断)事業側と広報の同意案件ごと
政治・宗教に関わる面条件つき(時期で変える)広報が判断四半期ごと
広告収入だけを狙った面出さない広告担当が単独で決めてよい毎月
競合の紹介記事自社の方針次第事業側半年ごと

表は一枚に収め、置き場所を決めます。運用の設定画面の中だけに存在する基準は、担当者が変わった時点で失われます。基準の文書と、実際の設定が一致しているかを確認する日を、四半期に一度カレンダーに置く。この一手間だけで、去年つくったきりのリストという状態は避けられます。

起きたときの動き方

事前に決めておく価値がいちばん高いのが、起きた後の順番です。順番が決まっていないと、原因を調べている間に配信が続き、被害が広がります。

STEP1
気づく経路を複数持つ

掲載先の一覧の定期確認だけでは遅れます。社内から画面の写真が届く経路と、取引先から連絡が来る経路を、受け付ける窓口として明示しておきます。

STEP2
止める判断を、その場でできる人を決める

配信を止める権限を持つ人を、あらかじめ名前で決めます。止めた判断が後から誤りだと分かっても責任を問わない、と先に合意しておきます。

STEP3
記録する

時刻、面、画面の写真、配信の経路、止めた時刻を残します。後の照会にも、社内への説明にも、この記録がそのまま使えます。

STEP4
経路を照会する

配信を担当する会社に、時刻と面を指定して経路の照会をかけます。回答までにかかる日数は、契約の時点で確認しておきます。

STEP5
基準と設定に反映して、閉じる

同じ型の面を除外に加え、基準の表を更新します。更新した日付と、更新した理由を一行で残します。

この五つを紙一枚にして、運用の担当者と事業側の両方が持ちます。起きてから順番を相談しているうちは、必ず止めるのが遅れます

AIに任せてよい判定と、任せてはいけない判定

面の点検にAIを使う場面は確実に増えます。任せてよいのは、量が多くて人手が追いつかない、下ごしらえの作業です。掲載先の一覧から、同じひな型の面をまとめる。記事の本文を読ませて、内容の分類の下書きをつくる。先に挙げた五つの特性のうち、機械的に測れる項目を並べて除外の候補を洗い出す。いずれも、最終的に人が見る前提の材料づくりです。

任せてはいけないのは、二つです。一つは、自社の基準に合うかどうかの最終判断。これはスータビリティの領域で、業種と時期と自社の立場で答えが変わります。もう一つは、報道記事を外すかどうかの判断です。前の章で見たとおり、ここを機械に任せた結果が、届けたい相手に届かなくなるという事故です。

運用に落とすときは、三つを先に決めます。AIに判定させない対象、AIに必ず根拠を書かせる対象、人が必ず目で見る対象。二つ目については、除外の候補を出させるときに「どの特徴から候補にしたか」を一行で添えさせます。根拠のない候補は採用しない、と決めておけば、除外リストが理由の分からないまま肥大化することを防げます。人が確認する範囲は、量ではなく金額で決めるのが実務的です。配信額の大きい上位の面から順に、毎月決めた本数だけを実際に開いて見ます。

効いているかどうかの測り方

除外の効き目を、除外した件数で測ってはいけません。件数はリストを足せば増えるので、作業量を成果として報告する形になります。見るべきは三つです。自社の基準で出さないと決めた面への配信が実際にゼロになっているか。配信額の上位に、知らない運営者が入っていないか。そして、届く量が落ちすぎていないか。

三つ目を必ず並べて見るのがこの章の要点です。除外を強めれば、危ない面への配信は減ります。同時に、届く量と、一件あたりにかかる費用が悪化していきます。片方だけを報告すると、翌月も除外を強める判断になり、気づいたときには配信が痩せています。除外の設定を変えた日を記録し、その前後で二つの数字を並べて見ます。

  • 除外した件数だけを成果として報告する。リストを足せばいくらでも増える数字なので、効いているかどうかは分からない
  • 他社の除外リストをそのまま取り込む。共通の最低線は流用できても、自社に合わない面の線は業種ごとに違うため、届く量だけが落ちる
  • 語を指定して外す設定を、担当者が一人で足していく。理由が残らないまま肥大化し、後から誰も外せなくなる
  • 測定の事業者が返す安全率だけを見て点検を終える。分母が分析対象に限られており、全体の安全性を示す数字ではない
  • 問題の面を見つけた後、原因の特定を先にやる。止める判断が後回しになり、調べている間も配信が続く

最後に一つ。この分野は、面をつくる側の手間が下がり続けている以上、一度の点検で終わる仕事にはなりません。基準を一枚にして、更新する日を決めて、届く量と並べて見る。この形にしておけば、担当者が変わっても運用は残ります。

まとめ

ブランドセーフティは、危ない面を外す作業ではなく、自社がどの面なら許すかを決める作業です。どの会社にも共通する最低線と、業種ごとに違う自社の線を分ける。前者は日本インタラクティブ広告協会が挙げる五つの型を出発点にでき、後者は他社から借りられません。面の種類ごとに、出してよい・条件つき・出さないの三段階で表にする。条件つきという段を残すことで、判断がすべて「出さない」に寄るのを防げます。

除外の設計では、除外リストと許可リストを目的で使い分け、語だけで外すことの副作用を必ず勘定に入れます。報道記事がまとめて落ちる事故は、掲載先の一覧には現れません。そしてAIには、同じひな型の面をまとめる、除外の候補を洗い出すといった下ごしらえまでを任せ、自社の基準に合うかの最終判断と、報道記事を外すかどうかは人が決める。除外の効き目と届く量を毎月並べて見る形にしておけば、点検は続く仕事として社内に残ります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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