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社会人向けのオンライン講座の事業者が返金・解約の依頼を Zapier で受け、規約の条件と受講の進み具合に照らして返金の可否の案と返信の下書きを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

受講者が返金・解約の依頼フォームを送ると、Zapier が契約と受講の記録を引き、AI が規約の条件に照らして返金の可否の案と根拠を返します。サポートの担当者には、案と返信の下書きがそろった状態で依頼が届きます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
IT・SaaS/その他/教育
対象部門
カスタマーサポート/経理
対象業務
内容確認・チェック/問い合わせ対応
主な課題
判断に時間がかかる/問い合わせが多い/確認ミスが多い
AIで行う処理
判定
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
45h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
67%
年間削減
360h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. フォームの回答の通知メールか、サポートの受信箱のメールを開き、依頼の内容を読む
  2. 契約の一覧で、受講者の申込日、契約の書面を送った日、コース、金額、支払の方法を調べる
  3. 受講の管理のシステムに入り、視聴した本数や出席した回数、最後に受講した日を調べる
  4. 規約の PDF を開き、コースの型ごとの返金の条件と照らす
  5. 迷う依頼は、サポートの責任者に Slack で聞く
  6. 返信のメールを書き、返金するものは経理に返金の依頼を出す
  7. 返金・解約の一覧に、結果と理由を書く
導入後(After)
  1. 自動返金・解約の依頼フォームの送信をきっかけに、Zapier の Zap が動く
  2. 自動Google スプレッドシートの契約の一覧と受講の進み具合の表を、受講者の番号で引く
  3. 自動コースの型と「法令の確認が要るコースか」の印を、コースの表から引く
  4. 自動AI by Zapier が依頼の種類を分け、規約の条件の表に当てはめて、可否の案・根拠の番号・人に回すべきかを返す
  5. 自動同じ AI のステップが、案に沿った返信の下書きを作る
  6. 自動返金・解約の一覧に、引いた事実と AI の出力を記録する
  7. 自動Paths で分かれ、「可」の案は担当者へ、「不可」の案は担当者と責任者へ、「人の判断」は責任者へ知らせ、Gmail に下書きを作る
  8. 人担当者が事実と案を確かめ、返金の額を決済の画面で確かめ、下書きを直して送る
  9. 人返金するものは、経理が決済の代行のサービスで返金を行う
各工程の詳しい説明を読む
  1. フォームの回答の通知メールか、サポートの受信箱のメールを開き、依頼の内容を読む
  2. 契約の一覧で、受講者の申込日、契約の書面を送った日、コース、金額、支払の方法を調べる
  3. 受講の管理のシステムに入り、視聴した本数や出席した回数、最後に受講した日を調べる
  4. 規約の PDF を開き、コースの型ごとの返金の条件と照らす
  5. 迷う依頼は、サポートの責任者に Slack で聞く
  6. 返信のメールを書き、返金するものは経理に返金の依頼を出す
  7. 返金・解約の一覧に、結果と理由を書く

(a)調べる画面が3つある。 2番目と3番目で、契約の一覧と受講の管理のシステムを行き来します。1件の判断に要る事実は5つほどなのに、それを集めるのに時間の半分を使っています。

(b)担当者で判断が分かれる。 「視聴が全体の2割未満」という条件で、2割ちょうどのときにどうするか、ライブ授業を欠席した回を数えるか、といった細部が、担当者の解釈で揺れます。受講者どうしが情報を交換すると、「前の人は返してもらえた」という声になります。

(c)法令の線を見落とす。 英語のコースは、期間と金額によっては特定継続的役務提供に当たります。規約で「返金不可」と決めている期間でも、法令のクーリング・オフや中途解約の定めが先に来ます。 忙しい日に規約だけを見て返信すると、この線を越えます。

(d)返信の言い回しが毎回違う。 返金できない理由の伝え方が担当者ごとに違い、強い言い方の返信が、二度目、三度目の問い合わせを呼びます。

  1. 【自動】 返金・解約の依頼フォームの送信をきっかけに、Zapier の Zap が動く
  2. 【自動】 Google スプレッドシートの契約の一覧と受講の進み具合の表を、受講者の番号で引く
  3. 【自動】 コースの型と「法令の確認が要るコースか」の印を、コースの表から引く
  4. 【自動】 AI by Zapier が依頼の種類を分け、規約の条件の表に当てはめて、可否の案・根拠の番号・人に回すべきかを返す
  5. 【自動】 同じ AI のステップが、案に沿った返信の下書きを作る
  6. 【自動】 返金・解約の一覧に、引いた事実と AI の出力を記録する
  7. 【自動】 Paths で分かれ、「可」の案は担当者へ、「不可」の案は担当者と責任者へ、「人の判断」は責任者へ知らせ、Gmail に下書きを作る
  8. 【人】 担当者が事実と案を確かめ、返金の額を決済の画面で確かめ、下書きを直して送る
  9. 【人】 返金するものは、経理が決済の代行のサービスで返金を行う

8番目と9番目は、人が行います。 AI が出すのは可否の「案」と下書きまでで、返金の額を確定させること、法令が当てはまるかを判断すること、お金を動かすことは、人の仕事に残します。 返金の額は、受講の済んだ分の扱いや決済の手数料が絡み、規約の条件の当てはめだけでは決まりません。

7番目で「不可」の案を責任者にも回すのは、誤りの重さが違うからです。 返せるものを返さない誤りは、返すべきでないものを返す誤りより、受講者との関係と法令の両方で重くなります。

02今回想定するシステム構成

構成図
受講者 ── 返金・解約の依頼フォーム(Google フォーム)
   │  受講者の番号・コース・依頼の種類(選択)・理由(自由記述)
   ▼【トリガー】Google Forms:New Form Response
Zapier の Zap
   ├──▶ Google Sheets:Lookup Spreadsheet Row(契約の一覧)
   ├──▶ Google Sheets:Lookup Spreadsheet Row(受講の進み具合の表)
   ├──▶ Google Sheets:Lookup Spreadsheet Row(コースの表:型・法令の確認の印)
   ├──▶ AI by Zapier:依頼の種類・可否の案・根拠の番号・下書き
   ├──▶ Google Sheets:Create Spreadsheet Row(返金・解約の一覧)
   └──▶ Paths(Zap の最後の段)
          ├ 可の案 → Gmail:Create Draft + 担当者へ通知
          ├ 不可の案 → Gmail:Create Draft + 担当者と責任者へ通知
          └ フォールバック(人の判断・法令の確認) → 責任者へ通知のみ
   ▼
【担当者が確かめて送る → 経理が返金を行う】
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Paths)Make、n8n、Power Automate
生成AIAI by ZapierChatGPT(OpenAI)、Claude
受付Google フォームMicrosoft Forms
保管Google スプレッドシート(契約の一覧、受講の進み具合、コースの表、返金・解約の一覧)Zapier Tables
メールGmail(Create Draft)Outlook

新しく足すのは、Zap と、受講の進み具合の表と、コースの表です。 受講の進み具合は、受講の管理のシステムから毎晩書き出した記録を、スプレッドシートに貼り付けます。受講の管理のシステムと Zapier を直接つなぐかは、そのシステムの連携の機能しだいなので、この構成ではスプレッドシートを間に置きます。

入口は Google Forms の New Form Response です。 Zapier の Google Forms の連携には、新しい回答が届いたときに動く New Form Response と、回答が追加または変更されたときに動く New or Updated Form Response があります。回答の修正で二重に動かないよう、前者を使います。

記録を引くのは Google Sheets の Lookup Spreadsheet Row です。 列と値を指定して1行を探し、見つかれば行の全体を返します。受講者の番号で1行に決まる表の形に整えておくことが前提です。

判定は AI by Zapier で行います。 出力の項目を名前・型・説明・必須かどうかで決めておけば、その形で返します。Professional・Team・Enterprise のプランで使え、モデルは Standard(1倍)・Advanced(3倍)・Premium(5倍。新しいステップの既定)か、自前のキーから選びます。

分岐は Paths で行います。 1つのグループに分岐は10まで、どれにも当たらないときのフォールバックを1つ置けます。Paths は Zap の最後の段でなければならないので、一覧への記録は Paths の前に置きます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

フォームの回答が届いたときに、1件ずつ動かします。 返金・解約の依頼は、受講者にとって不安の大きい問い合わせで、返事が1日遅れるだけで二度目の催促が来ます。 1日1回のまとめての処理にはしません。

入口をフォームに寄せます。 サイトの「返金・解約について」のページと、受講の管理のシステムのマイページに、フォームのリンクを置きます。メールで届いた依頼は、担当者がフォームに代わりに入れ、同じ流れに乗せます。 代理の入力では「代理で入力」の選択肢を選び、元のメールの受信日を書きます。

クーリング・オフの申し出は、メールで届くこともあります。 消費者庁のガイドでは、クーリング・オフは書面又は電磁的記録で行うことができるとされています。受信箱に届いた申し出を、フォームに入れ直す前に放置しないことを、サポートの決まりに書きます(例外処理の1行目)。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
依頼の内容受講者の番号、氏名、メールアドレス、コース、依頼の種類(解約のみ/返金の希望/二重の決済/その他)、理由(自由記述)依頼フォーム
契約の情報申込日、契約の書面を送った日、コース、契約の期間、金額、支払の方法、個人か法人の契約か契約の一覧
受講の進み具合視聴した本数と全体の本数、出席したライブ授業の回数、マンツーマンの受講回数、最後に受講した日受講の進み具合の表(毎晩の書き出し)
コースの情報コースの型、規約の版、法令の確認が要るコースかの印コースの表
規約の条件の表コースの型ごとの返金の条件と番号AI by Zapier の指示に固定で書く

いちばん大事なのは、コースの表の「法令の確認が要るコースか」の印です。 どのコースが特定継続的役務提供に当たるかは、期間・金額・役務の内容から、顧問の弁護士と決めておきます。 AI にコースの内容から判断させません。消費者庁のガイドでは、語学教室とパソコン教室は期間が2か月を超え、契約金の総額が5万円を超えるものが対象で、契約金には入学金・受講料・教材費などが含まれるとされています。印を付けるのは、この条件と自社のコースを人が照らした結果です。

契約の書面を送った日も、契約の一覧に持たせます。 クーリング・オフの8日は、申込日ではなく、法律で決められた書面を受け取った日から数えるとされています。申込日しか持っていないと、期間を数え違えます。

入れないもの: 決済のカードの番号や口座の情報。返金の手続きに要る情報は経理が決済の代行のサービスの画面で見るので、AI にも一覧にも渡しません。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどの操作で
依頼の内容Google フォームNew Form Response
契約の情報契約の一覧Lookup Spreadsheet Row(受講者の番号とコースで引く)
受講の進み具合受講の進み具合の表Lookup Spreadsheet Row(受講者の番号とコースで引く)
コースの型と印コースの表Lookup Spreadsheet Row(コースの番号で引く)
可否の案・根拠・下書き上の事実AI by Zapier の出力項目

受講者の番号とコースを1つの列に合わせておきます。 同じ受講者が2つのコースを契約していることがあり、番号だけで引くと別のコースの行が返ります。「受講者の番号-コースの番号」の形の列を、契約の一覧と進み具合の表の両方に作ります。

受講の進み具合の表は、前の晩の時点の記録です。 依頼の当日に視聴した分は入っていません。下書きと担当者への通知に「受講の記録は◯月◯日の時点」と必ず書き添えます。 境目の依頼は、担当者が受講の管理のシステムで当日の記録を確かめます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 契約が見つかるかの確認 … 契約の一覧に行が無ければ、AI に渡さずフォールバックへ送ります
  2. 進み具合の記録の日付の確認 … 書き出しが2日以上前なら、「記録が古い」の印を付けます
  3. 法令の確認の印 … コースの表の印が付いていれば、AI の出力にかかわらず「人の判断」に回す印を付けます
  4. 法人の契約の印 … 契約の一覧で法人の契約なら、その印を付けます
  5. 書面を送った日からの日数と視聴の割合 … 契約の一覧と進み具合の表に、スプレッドシートの式で日数と割合を出す列を置き、引いた値をそのまま使います
  6. 二重の決済の依頼の切り出し … 依頼の種類が「二重の決済」なら、AI に可否を付けさせず経理へ回します

3番目を、AI の判断より前に置きます。 法令の確認が要るコースでは、AI がどんな案を出しても、責任者が法令に照らして見ることに変わりはありません。 AI には、規約の条件の当てはめと下書きだけをさせ、分岐の側で必ず人に回します。

4番目の法人の契約は、特定商取引法の適用の除外に関わります。 消費者庁のガイドでは、営業のために又は営業として締結するものには特定商取引法が適用されないとされています。ただし、会社の名前で申し込んでいても個人の学びのための契約もあり、どちらに当たるかは人が見ます。 印は判断ではなく、見るべき依頼の目印です。

5番目の日数と割合は、AI に計算させません。 式で出した数字を、そのまま AI に渡します。

Step5

AIに処理させる

させること返す項目決め方
依頼の種類を分けるrequest_type解約のみ/返金の希望/クーリング・オフの申し出/内容の不満/その他
理由を短く写すstated_reason理由の欄の文から、受講者の言葉のまま1文で写す
規約の条件に当てはめるrule_id、verdict条件の表の番号と、可・一部・不可・人の判断のどれか
当てはめに使った事実facts_used日数、視聴の割合、出席の回数など、使った値を並べる
人に回すべき理由escalation_reason法令の言葉(クーリング・オフ・中途解約)や、不具合・誤った案内の訴えがあれば書く
返信の下書きdraft_subject、draft_bodyverdict ごとの型に沿って書く

規約の条件の表は、たとえば次の形です。 番号と条件は自社の規約から写し、AI by Zapier の指示に貼ります。

番号コースの型条件案
R-1動画の講座購入から14日以内、かつ視聴が全体の20%未満可
R-2動画の講座購入から14日を超える、または視聴が20%以上不可
R-3ライブ授業の講座開講の前可(規約の手数料を除く)
R-4ライブ授業の講座開講の後一部(未受講の回の扱いは規約による)
R-5マンツーマンの講座未受講の回数が残っている一部
E-1全コースクーリング・オフ・中途解約の申し出、法令の確認の印、法人の契約の印人の判断
E-2全コース講座の不具合・誤った案内・講師への苦情を理由とする人の判断

R-4 と R-5 で額を書かせないのは、額が規約の文言だけで決まらないからです。 未受講の回の対価の割り戻し方、教材の扱い、決済の手数料などが絡みます。AI は「一部」とだけ返し、額は担当者が決済の画面と規約で決めます。

させないこと理由
返金の額の計算規約の細部と決済の手数料が絡む。担当者が決める
特定商取引法が当てはまるかの判断コースの表の印と、顧問の弁護士との取り決めで決める
日数・割合の計算スプレッドシートの式で出した値を使う
受講者の事情の評価「本当に忙しいのか」を書かない
返金を約束する文下書きに「返金いたします」と書かない
Step6

指示内容を固定する

あなたはオンライン講座のサポートの係で、返金・解約の依頼の一次確認をします。
渡された事実と規約の条件の表だけを使って答えてください。
返金の額は計算しないでください。

【request_type】
解約のみ/返金の希望/クーリング・オフの申し出/内容の不満/その他 から1つ。
理由の欄に「クーリング・オフ」「解除」「中途解約」「法律」の言葉があれば、
クーリング・オフの申し出にしてください。

【verdict と rule_id】
規約の条件の表(ここに貼る)に上から当てはめ、最初に当たった番号を rule_id に、
その案を verdict に入れてください。
- 前処理の印 {flags} に「法令の確認」「法人の契約」があれば、E-1 にしてください。
- 不具合・誤った案内・講師への苦情が理由なら、E-2 にしてください。
- 事実が欠けていて当てはめられないときは、人の判断にしてください。
- 迷ったときに「不可」を選ばないでください。
facts_used には、当てはめに使った値をそのまま並べてください。
日数と割合は渡された値を使い、自分で計算しないでください。

【返信の下書き】
- 可・一部:受付したこと、担当者が確認のうえ改めて連絡することを書く。
  「返金いたします」「◯円を返金します」と書かないでください。
- 不可:規約の該当の条文の番号と、理由を事実だけで書く。受講者を責める言葉、
  「規約に同意したはずです」のような言い方をしないでください。
- 人の判断:受付したことと、担当者から連絡することだけを書く。
- 受講の記録の日付 {progress_as_of} を、「◯月◯日時点の記録では」と書き添える。
- 署名は {signature} をそのまま使ってください。

【依頼の内容】{request}
【契約の情報】{contract}
【受講の進み具合】{progress}
【書面を送った日からの日数】{days_since_notice}

「迷ったときに不可を選ばない」は、返す誤りと返さない誤りの重さが違うからです。 生成AI は条件の表に文字どおり当てはめ、条件が少しでも外れると「不可」に寄ります。 外れ方が微妙なものは「人の判断」に入れ、責任者が見ます。

下書きで「返金いたします」を禁じるのは、額と手続きが決まる前の約束になるからです。 「可」の案でも、受講の当日の記録を見たら条件を外れていた、ということが起きます。下書きは受付と次の連絡の約束までに留めます。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目を、次の形に決めます。

{
  "request_id": "RF-20261015-041",
  "request_type": "返金の希望",
  "stated_reason": "仕事の配置換えで受講の時間が取れなくなった",
  "rule_id": "R-1",
  "verdict": "可 | 一部 | 不可 | 人の判断",
  "facts_used": ["購入から9日", "視聴 6本/40本(15%)", "記録は10月14日時点"],
  "escalation_reason": "",
  "draft_subject": "",
  "draft_body": ""
}

1つ目の理由は、verdict を Paths の条件にそのまま使えることです。 値を4つに限り、Paths の分岐を「可」「不可」と、それ以外のフォールバックの3本にします。「一部」と「人の判断」はフォールバックに入り、責任者が見ます。

2つ目は、facts_used で担当者の確認が速くなることです。 担当者は契約の一覧と受講の記録を開き直す前に、AI が何の値を見て案を出したかを読めます。値が正しければ、案の確認は一瞬で済みます。

3つ目は、rule_id で担当者ごとの揺れが見えることです。 同じ番号の案を担当者が覆していれば、規約の文言か条件の表のどちらかが曖昧です。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
依頼フォームGoogle Forms の New Form Response依頼を受け取る
契約の一覧・受講の進み具合・コースの表Google Sheets の Lookup Spreadsheet Row受講者とコースの事実を引く
AI by ZapierZap の中のステップ種類・案・根拠・下書き
返金・解約の一覧Google Sheets の Create Spreadsheet Row事実と AI の出力を記録する
GmailCreate Draft受講者あての返信の下書き
担当者・責任者への通知Slack やメールの通知分岐ごとに送り先を変える

決済の代行のサービスとはつなぎません。 返金を実行する操作をワークフローに入れると、案の誤りがそのままお金の移動になります。 経理が一覧を見て、決済の画面で返金を行います。

Gmail へは下書きを作るだけです。 Zapier の Gmail の連携の Create Draft は、送信せずに下書きを作る操作で、送信する Send Email とは別です。

Step9

人が確認する

  1. 事実を確かめる … facts_used の値を、契約の一覧と受講の管理のシステムの当日の記録で確かめます
  2. 案を確かめる … rule_id の条件と事実が合っているかを見ます
  3. 「不可」は責任者も見る … 責任者が理由と規約の条文を確かめ、一覧に承認を書きます
  4. 人の判断のものは責任者が決める … 法令の確認の印があるものは、特定商取引法のクーリング・オフや中途解約の定めに照らして責任者が判断し、迷うものは顧問の弁護士に相談します
  5. 額を決め、下書きを直して送る … 返金するものは経理へ返金の依頼を出します
  6. 案を覆したら記録する … 一覧の「人の判断」の欄に、変えた案と理由を書きます

4番目を急がないでください。 消費者庁のガイドでは、中途解約の際に事業者が請求できる額には役務ごとに上限があり、それ以上の額を既に受け取っている場合には残額を返還しなければならないとされています。規約の返金の条件より、こちらが先です。

6番目の記録を省かないでください。 担当者が案を覆した理由は、条件の表を直すいちばんの材料です。「欠席の回を数えた」「視聴は少ないが教材を受け取っている」といった理由が同じ番号で続くなら、表の条件に1行足すべきところです。

目標は、180件をならして1件5分です。 「可」の案は事実を確かめて送るので数分、「不可」と人の判断のものは責任者の確認が入るので長くなります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
クーリング・オフの申し出がメールで届く受信の日時を記録し、その日のうちにフォームに入れ直す。 一覧には受信の日時を書く
契約が見つからないフォールバック。担当者が受講者に申込のメールアドレスを尋ねる
受講の記録が古い「記録が古い」の印。担当者が受講の管理のシステムで当日の記録を見る
同じ受講者から二度依頼が届く一覧で受講者とコースを引き、受付中のものがあれば後の依頼をまとめる
二重の決済の依頼AI を通さず経理へ回す
verdict が4つの値以外フォールバックに入るので、責任者が見る
依頼の文に講師への強い苦情があるE-2。責任者が講座の運営と一緒に見る
未成年の受講者と分かる人の判断。保護者との契約の扱いを責任者が確かめる

1行目が、この構成でいちばん大事な例外です。 クーリング・オフの期間の数え方と、申し出がいつ届いたかは、後から争いになったときの事実です。 フォームに入れ直した日ではなく、メールが届いた日時を残します。

最後の行も、早めに決めておきます。 社会人向けの講座でも、申込の画面で年齢を確かめていなければ、未成年の申込は混ざります。契約の一覧に生年月日を持たない事業者が多いため、依頼の文や支払の名義で分かった時点で人に回す、という扱いにします。AI に年齢を推し量らせることはしません。

Step11

記録を残す

  • 依頼フォームの回答の全文と、受け付けた日時(代理の入力なら元のメールの受信日時)
  • 引いた契約の情報、受講の進み具合の表の値と、その記録の日付
  • AI の出力の全項目(rule_id、verdict、facts_used を含む)と、使った条件の表の版
  • 担当者と責任者の判断、覆した理由
  • 送った返信の本文と日時、返金した額と日付

3つ目で条件の表の版を残すのは、規約が改定されるからです。 規約の版が変わると同じ事実でも案が変わり、どの版で判断したかが残っていないと、受講者に説明ができません。

04実装レベルの3段階

最小構成:条件の表と依頼と事実を生成AIの画面に貼り、案を返させる / 1件ごとの規約の当てはめ
半自動化:上記+Zapier でフォームを受け、表を引き、案と下書きを出して分岐する / 事実の収集、案と下書き、担当者への振り分け
本格構成:上記+受講の管理のシステムから当日の記録を直接取り、返金の依頼を経理の一覧に自動で起票する / 事実の収集の全体と、経理への引き渡し

半自動化で、1件15分が5分になります。 本記事の想定はこの段階です。3つの画面を行き来する調べものが消え、残るのは事実と案の確認です。 本格構成で当日の記録を取るかは、受講の管理のシステムに外部から記録を取る仕組みがあるかで決まります。 無ければ、毎晩の書き出しのまま運用し、境目の依頼だけ担当者が見ます。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を1〜2か月回すと、rule_id ごとに担当者が案を覆した件数が溜まり、規約のどの条文が曖昧かが数字で見えてきます。 そこを直してから経理への起票を自動にするほうが、返金の依頼の出し直しが減ります。経理の一覧への自動の起票を足しても、返金を実行するのは経理の人のままにします。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
180 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
5 分
現在  180件 × 15分 ÷ 60 = 45 時間/月
導入後 180件 × 5分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
30h
削減率
67%
年間削減時間
360h
年間金額換算(時間単価3,000円)
108万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. ビジネス英語、プログラミング、資格の対策などの社会人向けのオンライン講座を運営し、毎月百件を超える返金・解約の依頼が届いている事業者。サポートの担当者が、依頼のたびに契約の日付・コース・受講の記録を別々の画面で調べ、規約の条件に当てはまるかを判断して返信を書いている場合。担当者によって返金の判断が分かれ、受講者から「前は返してもらえたと聞いた」と言われたことがある場合。Zapier の Professional 以上のプランと、Google フォーム・スプレッドシート・Gmail を使っている場合。
向いていない
  1. 返金・解約の依頼が月に十数件で、責任者が全件を自分で見ている場合。講座の規約に返金の条件が書かれておらず、毎回の話し合いで決めている場合(先に規約を整えるほうが先です)。依頼の大半が法人の研修の契約で、契約ごとに個別の条件がある場合。なお、返金の額の確定、特定商取引法などの法令の適用の判断、返金の実行は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の返金・解約の依頼から30件を選ぶ(うち数件は、責任者が迷った依頼と、法令の確認が要るコースの依頼を入れる)
  2. 規約の返金の条件を、第7章の条件の表の形に書き直す
  3. 依頼ごとに、契約の情報と受講の記録を手で写した短い文を作る
  4. 手元の生成AIの画面に、条件の表と依頼と事実を貼り、番号と案を返させる
  5. 当時の担当者の判断と並べる

2番目に時間がかかるのは当然です。 規約の文章を条件の表に直そうとすると、「2割ちょうどはどちらか」「欠席した回は数えるか」が決まっていなかったことに気づきます。 それを決めることが、この構成のいちばん大きな成果です。

出てきた内容判断
当時の判断とおおむね一致したZap の構築に進む
境目の依頼で「不可」に寄った指示の書き方で直る。構成は有効
当時の担当者どうしで判断が分かれていた条件の表の詰めが先。 AI の問題ではない

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
法令の確認が要る依頼に AI が「不可」を付けるコースの表の印で、AI より前に人へ回す
クーリング・オフの日数を申込日から数える契約の一覧に書面を送った日を持たせる
日数や割合を AI が計算して誤るスプレッドシートの式で出した値を渡す
同じ受講者の別のコースの行が返る受講者の番号とコースの番号を合わせた列で引く
前の晩の記録で案を出して食い違う記録の日付を下書きと通知に必ず書く
下書きに「返金いたします」が入る指示で禁じ、送る前に担当者が見る
境目の依頼が「不可」に寄る「迷ったら不可にしない」を指示に書く
規約の文言が曖昧で表にできない規約の詰めが先。 2割ちょうど、欠席の扱いを決める
AI のタスクが想定より多い新しいステップの既定は Premium。Standard から試す
法人の契約が個人と同じ流れに乗る契約の一覧に個人か法人かの列を持ち、印を付ける

上の2行が、この構成の失敗の大半です。 どちらも、法令の線を規約の当てはめと同じ流れに入れたときに起きます。法令の線は印と分岐で人に回し、AI の判断の外に置きます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 受講者の氏名、メールアドレス、契約の金額と支払の方法、受講の記録、そして理由の欄に書かれた仕事や家庭や健康の事情です。

  1. 理由の欄の事情を広げない … 「体調を崩した」「家族の介護が始まった」といった記載は、受講者の私的な事情です。一覧と通知は、返金・解約の担当者と責任者に限ります
  2. AI に渡す範囲を決める … 判定に要るのは、依頼の種類・理由・契約の日付と期間・受講の進み具合です。支払のカードや口座の情報は渡しません
  3. 法令の判断を AI に任せない … 特定商取引法が当てはまるかは、コースの内容・期間・金額と契約の相手で決まり、顧問の弁護士と決めた印に従って人が判断します
  4. 返金を自動で実行しない … 決済とはつなぎません。案の誤りがお金の移動にならないようにします
  5. 返信を自動で送らない … 下書きまでです。返金できない旨の連絡は、言い方ひとつで二度目の問い合わせになります
  6. 未成年の受講者の扱いを決めておく … 社会人向けの講座でも、未成年の申込が混ざることがあります。分かった時点で人の判断に回します

誤りが起きた場合のリスクは、返すべきものを返さないことと、返さなくてよいものを返すことの2つです。 前者は法令と受講者との関係の両方で重く、「不可」を2人で見る段と、法令の印による分岐は、前者を防ぐために置いています。

10まず何から始めるか

1週目:規約を条件の表にする

規約の返金・解約の条文を、コースの型ごとの条件の表に書き直します。境目の扱い(2割ちょうど、欠席の回、教材の扱い)を責任者と決めます。 あわせて、コースごとに法令の確認が要るかを顧問の弁護士と確かめ、コースの表に印を付けます。

2週目:30件で試す

先月の依頼から30件を選び、生成AIの画面で条件の表に当てはめさせます。当時の判断と並べ、境目の依頼で「不可」に寄っていないかを最優先で見ます。

3週目:表とフォームを整える

契約の一覧に書面を送った日と個人・法人の列を足し、受講の管理のシステムの毎晩の書き出しをスプレッドシートに貼る段取りを決めます。依頼フォームを作り、Zap は AI の出力を一覧に書くところまで組みます。

4週目:案と下書きを並べて見る

1週間分の依頼について、AI の案と下書きを担当者が読み、事実の値が合っているか、下書きに約束の言葉が入っていないかを見ます。

2か月目: Paths と Gmail の下書きを足し、「不可」の責任者の確認を始めます。3か月目以降: 担当者が案を覆した件数を rule_id ごとに数え、条件の表と規約の文言を直します。同じ事実に同じ案が出て、担当者の誰が受けても同じ返信になった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-15/最終更新:2026-10-15
確認した内容情報源確認日
Google Forms の連携に New Form Response と New or Updated Form Response のトリガーがあることZapier: Google Forms integrations2026-10-15
Lookup Spreadsheet Row が列と値で1行を探し、行の全体を返すこと。Create Spreadsheet Row・Update Spreadsheet Row があることZapier: Google Sheets integrations2026-10-15
出力の項目を名前・型・説明・必須かどうかで決められること。Professional・Team・Enterprise のプランで使えること。Standard(1倍)・Advanced(3倍)・Premium(5倍。新しいステップの既定)と自前のキーが選べることZapier: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-15
1つのグループの分岐が10までで、フォールバックを1つ置けること。Paths が Zap の最後の段でなければならないことZapier: Add branching logic to Zap workflows with Paths2026-10-15
Gmail の Create Draft が送信せずに下書きを作る操作であることZapier: Gmail integrations2026-10-15
語学教室・パソコン教室が期間2か月超・金額5万円超で特定継続的役務の対象となり、インターネット等を用いて行われる場合も広く含まれること。契約金に入学金・受講料・教材費などが含まれること。営業のため又は営業として締結するものに特定商取引法が適用されないこと。クーリング・オフが書面を受け取った日から8日以内に書面又は電磁的記録で行えること。中途解約の際に事業者が請求できる額に上限があり、超える額を受け取っていれば残額を返還しなければならないこと消費者庁 特定商取引法ガイド: 特定継続的役務提供2026-10-15

特定商取引法の適用と返金の額の判断は、責任者と顧問の弁護士で行ってください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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