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鍵の出張サービスの受付で、電話のメモとWebのフォームから症状・鍵の種類・所在地を整理して、本人確認の案内と出動の優先度を決める

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

鍵の出張サービスの受付で、電話のメモと Web のフォームの文から、症状・鍵の種類・所在地・閉じ込めの状況をAIが決まった区分に分けます。優先度と拠点は規則で決め、料金の目安の内訳と本人確認の案内を添えた出動票の下書きを返します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/不動産
対象部門
カスタマーサポート
対象業務
分類・仕分け/問い合わせ対応
主な課題
判断に時間がかかる/問い合わせが多い/確認ミスが多い
AIで行う処理
分類
主な効果
判断支援/品質標準化/対応スピード向上
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
64h/月
AI導入後
24h/月
想定削減
63%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 受付が電話を受け、受付のフォームにメモを打つ(Web の依頼はフォームの文を読む)
  2. メモから症状と鍵の種類を判断し、足りなければ聞き直す
  3. 住所から担当の拠点を出動エリアの表で探す
  4. 急ぐ度合いを判断し、当番表を見て作業員に電話で手配する
  5. 料金の目安の表を見て、依頼者に出張料と作業料の幅を伝える
  6. 本人確認の決まりを伝え、用意するものを話す
  7. 受付の一覧に、依頼の中身と手配の結果を書く
導入後(After)
  1. 人受付が電話を受けながら受付のフォームにメモを打つ(Web の依頼は、そのまま届く)
  2. 自動フォームが送られると、Make のシナリオがすぐに動く
  3. 自動決まった語(子ども、赤ちゃん、ペット、具合が悪い、火、ガス)があれば、AIを呼ぶ前に最優先の印を付けて受付と当番に知らせる
  4. 自動Claude API が、症状・鍵の種類・建物の種類・所在地・閉じ込めの状況を区分に分け、足りない情報を挙げる
  5. 自動所在地で出動エリアの表を引き、拠点と到着の目安を出す
  6. 自動区分と時刻から、優先度の表で優先度を決める
  7. 自動料金の目安の表と本人確認の決まりの表から、案内の文と出動票の下書きを作る
  8. 人受付が出動票を確かめ、足りない情報を電話で聞き足して、作業員に手配する
  9. 【人/自動】 依頼者に料金の目安の内訳と本人確認の案内を伝える(電話の依頼は受付が読み上げ、Web の依頼はメールで送る)
  10. 自動受付の一覧に、区分・優先度・手配の結果を残す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 受付が電話を受け、受付のフォームにメモを打つ(Web の依頼はフォームの文を読む)
  2. メモから症状と鍵の種類を判断し、足りなければ聞き直す
  3. 住所から担当の拠点を出動エリアの表で探す
  4. 急ぐ度合いを判断し、当番表を見て作業員に電話で手配する
  5. 料金の目安の表を見て、依頼者に出張料と作業料の幅を伝える
  6. 本人確認の決まりを伝え、用意するものを話す
  7. 受付の一覧に、依頼の中身と手配の結果を書く

(a)聞き取りが漏れる。 慌てた依頼者の話から、鍵の種類、建物の種類(持ち家か賃貸か)、中に人がいるかを全部拾えないことがあります。 作業員が現地に着いてから、特殊な鍵で道具が足りないと分かることもあります。

(b)受付によって優先の付け方が違う。 夜の締め出しを、ある受付は「すぐ」、別の受付は「次に空いた作業員」で手配します。同じ夜に2件が重なると、どちらを先にするかが受付の判断になります。

(c)料金の説明が抜ける。 急ぎの依頼ほど手配を先にし、料金の内訳と、キャンセル料がいつからかかるかの説明を飛ばします。 現地で作業員が説明しても、依頼者は「電話では聞いていない」と受け止めます。

(d)本人確認の決まりが伝わっていない。 依頼者が身分証を室内に置いたまま締め出されていることは珍しくありません。電話で伝えていなければ、作業員は現地で確認の方法を一から考えることになります。

  1. 【人】 受付が電話を受けながら受付のフォームにメモを打つ(Web の依頼は、そのまま届く)
  2. 【自動】 フォームが送られると、Make のシナリオがすぐに動く
  3. 【自動】 決まった語(子ども、赤ちゃん、ペット、具合が悪い、火、ガス)があれば、AIを呼ぶ前に最優先の印を付けて受付と当番に知らせる
  4. 【自動】 Claude API が、症状・鍵の種類・建物の種類・所在地・閉じ込めの状況を区分に分け、足りない情報を挙げる
  5. 【自動】 所在地で出動エリアの表を引き、拠点と到着の目安を出す
  6. 【自動】 区分と時刻から、優先度の表で優先度を決める
  7. 【自動】 料金の目安の表と本人確認の決まりの表から、案内の文と出動票の下書きを作る
  8. 【人】 受付が出動票を確かめ、足りない情報を電話で聞き足して、作業員に手配する
  9. 【人/自動】 依頼者に料金の目安の内訳と本人確認の案内を伝える(電話の依頼は受付が読み上げ、Web の依頼はメールで送る)
  10. 【自動】 受付の一覧に、区分・優先度・手配の結果を残す

3番目をAIの前に置くのが、この設計の要です。 命に関わるおそれのある依頼は、分類の結果を待たずに人へ知らせます。 AIの応答が遅れても、取りこぼしても、決まった語で止まります。

6番目を規則にしているのは、受付による差を無くすためです。 第3章の(b)の「どちらを先にするか」を、区分と時刻の組み合わせの表で決めます。 表は会社が決め、変えるときは表だけを直します。

02今回想定するシステム構成

構成図
依頼(受付のフォームの電話のメモ/自社サイトの依頼フォーム)
   ▼【トリガー】Webhooks:Custom webhook(フォームの送信先)
Make のシナリオ
   ├──▶ 決まった語の確認 → 最優先の印・受付と当番へ知らせる
   ├──▶ Anthropic Claude:Make an API Call(区分・足りない情報)
   ├──▶ Google Sheets:Search Rows
   │      出動エリアの表/優先度の表/料金の目安の表/本人確認の決まり/当番表
   ├──▶ 優先度・拠点・料金の目安の内訳を決める
   ├──▶ Router
   │      ├ 最優先・優先1 → 当番の作業員と受付へメール、出動票
   │      ├ そのほか → 出動票の下書き
   │      └ フォールバック → 受付へ
   ├──▶ Gmail:Create a draft email(Web の依頼者への案内)
   └──▶ Google Sheets:Add a Row(受付の一覧)
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Webhooks、Google Sheets、Gmail、ルーター)n8n、Zapier、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API、構造化出力)OpenAI API
保管Google スプレッドシート(受付の一覧・出動エリアの表・優先度の表・料金の目安の表・本人確認の決まり・当番表)Airtable
メールGmail(依頼者への案内、当番への知らせ)Microsoft Outlook

新しく足すのは、シナリオと、優先度の表と本人確認の決まりの表だけです。 紙のマニュアルにあった決まりを、シートの表に移すのが最初の準備です。この構成が書き込むのは、受付の一覧と Gmail の下書きと知らせだけです。

入口は Make の Webhooks の Custom webhook です。 受付のフォームと自社サイトの依頼フォームの送信先に、Make で発行した Webhook の URL を指定します。公式のページでは、Webhook はふつう即時のトリガーとして働き、URL にデータが届いた時点でシナリオが動くとされています。鍵の依頼は待てないので、定時の実行で見張る形にはしません。

即時の Webhook は、既定で並行して処理されます。 公式のページでは、前の実行を待たずに並べて処理され、10秒に300件までの受信を処理できるとされています。夜に2件が続けて届いても、片方を待たせずに分類します。 どちらを先に出動させるかは、両方の優先度が出た後に受付が決めます。

分類は Claude API で行います。 Make の Anthropic Claude のアプリには Make an API Call があり、この構成ではそれで Messages API を呼び、output_config.format に JSON スキーマを書いて受けます。 公式のページのアプリの説明には、構造化出力の記載がありません。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

受付のフォームと依頼フォームが送られた時点を起点にします。 どちらも送信先を Make の Custom webhook にし、フォームの種類(電話のメモか、Web の依頼か)を隠しの欄で渡します。 経路によって、依頼者への案内の届け方が違うからです。

電話のメモは、電話の途中でも一度送れるようにします。 受付のフォームに「途中で送る」のボタンを置き、症状と場所が分かった時点で送ります。分類と足りない情報が先に返ってくれば、受付はまだ電話がつながっているうちに聞き足せます。 同じ依頼の2回目の送信は、依頼の番号で前の行を書き換えます。

受信の後の返事は、Webhook response のモジュールで返します。 公式のページでは、Webhook response を途中に置くと後のモジュールの誤りが見えなくなることがあり、最後に置くと失敗を知らせられるとされています。この構成では最後に置き、受付のフォームの画面に「受け付けました」とだけ返します。 分類の結果は受付の一覧で見ます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
依頼の文電話のメモまたはフォームの自由記述、受付の時刻、経路、依頼者の名前と連絡先、住所の文フォーム(Webhook)
出動エリアの表市区町村・町名ごとの担当の拠点、到着の目安の幅、夜間の対応の可否出動エリアの表のシート
優先度の表症状の区分×閉じ込めの状況×時間帯 → 優先度優先度の表のシート
料金の目安の表作業の種類×鍵の種類ごとの作業料の幅、出張料、夜間・休日の割増、キャンセル料のかかる時点料金の目安の表のシート
本人確認の決まり作業の種類×建物の種類ごとの、確かめるもの、確かめられないときの扱い本人確認の決まりのシート
当番表拠点ごと・時間帯ごとの当番の作業員と連絡先当番表のシート

質を決めるのは、優先度の表の作り方です。 例えば次のような表です。

症状の区分状況時間帯優先度
閉じ込め(車・室内)中に子ども・ペット・体調の悪い人終日最優先(119番の案内を先に)
締め出し(住宅)屋外で待っている・高齢者・雨天夜間優先1
締め出し(住宅・車)屋外で待っている日中優先2
鍵が回らない・鍵穴に折れた鍵施錠できない終日優先2
鍵の紛失(中に入れている)-終日優先3
交換・作製・金庫-終日予約

いちばん上の行は、AIの分類より先に決まった語で止めます。 命に関わるおそれがあるときに救急への連絡を先に案内するのは、この会社の決まりで、AIの判断ではありません。 表に書いておくことで、夜間に1名で受けている受付も同じ対応をとれます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどうやって
依頼の文フォームCustom webhook の出力
拠点と到着の目安出動エリアの表のシートSearch Rows(AIが取り出した市区町村と町名)
優先度優先度の表のシートSearch Rows(区分・状況・時間帯)
料金の目安料金の目安の表のシートSearch Rows(作業の種類・鍵の種類)
本人確認の決まり本人確認の決まりのシートSearch Rows(作業の種類・建物の種類)
当番当番表のシートSearch Rows(拠点・今の時刻)

表はすべて、AIの出力を受けた後に引きます。 AIには表の金額や優先度を渡しません。AIに渡すのは、区分の一覧(症状・鍵の種類・建物の種類・状況)だけです。 金額を見せると、分類を金額に寄せることがあります。

所在地は、AIに市区町村と町名を取り出させてから表を引きます。 電話のメモの住所は「〇〇駅の北口の近くのマンション」のように書かれることがあり、表の形に合わない住所は AI に正規化させ、取り出せなければ「所在地が足りない」として受付に返します。 推測で近くの町名を入れさせません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 決まった語の確認 … 子ども、赤ちゃん、ペット、具合、倒れて、火、ガス、などの語を依頼の文から探します。あれば最優先の印を付け、AIの結果を待たずに受付と当番へ知らせます
  2. 依頼の番号の確認 … 同じ依頼の2回目の送信なら、前の行を引きます
  3. 時間帯の判定 … 受付の時刻から、日中・夜間・休日を決めます
  4. AIに渡す範囲を絞る … 依頼者の名前と電話番号は渡しません。依頼の文と住所の文だけにします

1番目は、AIの前にも後にも置きます。 前に置くのは、取りこぼしを防ぐためです。後にも、AIが vulnerable_inside を返したときに同じ知らせを出します。 決まった語に当たらない言い方(「息子が中で泣いている」)を、AIの分類で拾うためです。

4番目で名前を外しても、分類には困りません。 症状と場所と状況がわかれば区分は決まります。名前と電話番号は、受付の一覧と出動票にだけ載ります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、区分への分類と、足りない情報の書き出しです。

項目区分判断できないときの扱い
症状lockout_home(住宅の締め出し)/lockout_car(車)/locked_in(閉じ込め)/lost_key/key_wont_turn/broken_key(鍵穴に折れた鍵)/replace(交換・作製)/safe(金庫)/other迷えば other
鍵の種類pin/dimple/electronic(電子錠)/smart_key(車)/unknown申告が無ければ unknown
建物の種類owned_house/rental/store/car/unknown申告が無ければ unknown
状況vulnerable_inside(中に子ども・ペット・体調の悪い人)/waiting_outside/elderly/none迷えば vulnerable_inside を含める
所在地市区町村、町名取り出せなければ空
足りない情報鍵の種類、建物の種類、所在地、身分証の有無など-

状況だけは、迷ったら重いほうに倒させます。 ほかの項目は unknown で受付に聞き足してもらえば済みますが、閉じ込めの見落としは取り返しがつきません。 誤って重く分類したときは、受付が電話で確かめて下げます。

身分証の有無を足りない情報に入れるのは、第3章の(d)を止めるためです。 締め出しの依頼で身分証の話が出ていなければ、「身分証が室内にあるか」を受付が聞くよう、出動票に書きます。 室内にある場合の扱いは、本人確認の決まりの表にあります。

させないこと理由
優先度を決める優先度の表で決める。受付による差を無くす
料金を出す料金の目安の表から引く。現地で作業員が確定する
本人確認を省いてよいと判断する決まりの表で決め、例外は人が決める
依頼者が住人かどうかを判断する現地で身分証と書類で確かめる
到着の時刻を約束する出動エリアの表の目安の幅だけを伝える

4行目は、防犯の話でもあります。 「友人の家の鍵を開けてほしい」「元の家族の家に入りたい」という依頼を、文から怪しいと判断させることはしません。本人確認の決まりで、確かめられなければ作業しないと決めておけば、AIの判断は要りません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは鍵の出張サービスの受付の補助として、依頼の文を決まった区分に
分けます。優先度、料金、到着の時刻は決めません。

【すること】
1. 症状、鍵の種類、建物の種類、状況を、下の区分の一覧から選ぶ。
   状況は複数選んでよい。
2. 住所の文から、市区町村と町名だけを取り出す。
3. 出動の手配に足りない情報を missing に並べる。締め出しと閉じ込めで
   身分証の話が無ければ「身分証の有無と置き場所」を必ず入れる。
4. 分類の根拠にした依頼の文の一部を evidence にそのまま写す。

【厳守事項】
- 依頼の文に書かれていないことを推測で埋めない。鍵の種類や建物の種類が
  書かれていなければ unknown にする。
- 住所が取り出せなければ空にする。近くの町名を推測で入れない。
- 中に子ども・ペット・体調の悪い人がいる可能性が少しでも読み取れたら、
  vulnerable_inside を含める。迷ったら含める。
- 料金、優先度、到着の時刻、作業してよいかを書かない。
- 依頼者が住人かどうか、依頼が怪しいかどうかを判断しない。
- 依頼の文が鍵の依頼でなければ symptom を other にし、notes に
  一言で書く。

【区分の一覧】{categories}
【受付の時刻と経路】{received}
【依頼の文】{request_text}
【住所の文】{address_text}

「迷ったら含める」を状況にだけ書いているのは、ほかの項目では逆だからです。 鍵の種類を迷って dimple と書けば、作業員が違う道具を持って出ます。分からないものは unknown にさせ、受付が聞き足す形にします。 重く倒してよいのは、見落としが重い項目だけです。

「怪しいかどうかを判断しない」を書くのは、AIが気を回すからです。 何も言わなければ、「元の家」という言葉に注意の一文を添えることがあります。判断は本人確認の決まりに置き、AIには区分だけを返させます。

Step7

出力形式を固定する

次の形の JSON を返させます。

{
  "request_id": "",
  "symptom": "lockout_home | lockout_car | locked_in | lost_key | key_wont_turn | broken_key | replace | safe | other",
  "key_type": "pin | dimple | electronic | smart_key | unknown",
  "building_type": "owned_house | rental | store | car | unknown",
  "situation": ["vulnerable_inside", "waiting_outside", "elderly", "none"],
  "location": { "city": "", "town": "" },
  "missing": ["鍵の種類", "身分証の有無と置き場所"],
  "evidence": [ { "item": "situation", "text": "" } ],
  "notes": ""
}

構造化出力にする1つ目の理由は、表をそのまま引けることです。 symptom と situation と時間帯で優先度の表を、location で出動エリアの表を、symptom と key_type で料金の目安の表を、symptom と building_type で本人確認の決まりを引きます。Claude API の構造化出力は、スキーマを output_config.format に渡し、オブジェクトに additionalProperties: false を付けます。区分は enum にして、一覧の外の値が返らないようにします。

2つ目は、evidence で受付の確かめが速くなることです。 「中に子ども」と分類した根拠の文が並ぶので、受付はメモを読み直さずに済みます。根拠の文がメモに含まれていなければ、分類を使わず受付に戻します。

3つ目は、応答の終わり方を確かめられることです。 公式のページでは、stop_reason が max_tokens や refusal のときは出力がスキーマに合わないことがあるとされています。その場合は分類を使わず、受付が自分で決めます。

出動票の下書きには、表から引いた次のものを並べます。 優先度、拠点と到着の目安の幅、当番の作業員、料金の目安の内訳(出張料・作業料の幅・夜間の割増・キャンセル料のかかる時点)、本人確認で確かめるもの、受付が聞き足すこと。料金の欄には「作業の前に作業員が金額を伝え、承諾をいただいてから作業します」を必ず入れます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
受付のフォーム・依頼フォームMake の Custom webhook と Webhook response依頼を受け、受付の画面に受付済みを返す
Claude APIAnthropic Claude の Make an API Call区分と足りない情報
各種の表Google Sheets の Search Rows拠点・優先度・料金・本人確認・当番を引く(読むだけ)
受付の一覧Google Sheets の Add a Row/Update a Row区分・優先度・出動票・手配の結果
当番の作業員・受付Gmail の Send an email最優先と優先1の知らせ
Web の依頼者Gmail の Create a draft email料金の目安と本人確認の案内の下書き

ルーターのルートは、最優先を先頭に置きます。 公式のページでは、ルートは1本ずつ順に処理され、ほかの条件に当たらないデータはフォールバックのルートが処理するとされています。最優先のルートは知らせを出すだけにして短くし、そのあとに出動票を作ります。

Web の依頼者への案内は、下書きにして受付が送ります。 料金の目安と本人確認の案内は会社の約束になる文なので、受付が出動の手配を決めてから送ります。

Step9

人が確認する

全件、受付が出動票を確かめてから手配します。

  1. 最優先の印を見る … 印があれば、まず依頼者に救急への連絡を案内し、当番に電話します
  2. 区分と根拠を見る … evidence を読み、メモと合っているかを確かめます
  3. 足りない情報を聞き足す … missing を電話で聞き、受付のフォームで送り直します
  4. 料金と本人確認を伝える … 出動票の内訳を読み上げ、身分証の用意を頼みます
  5. 手配する … 当番の作業員に連絡し、受付の一覧の手配の欄を埋めます

目安は、出動票を見てから手配までが1件3分です。 電話の依頼では、まだ電話がつながっているうちに3番と4番を済ませます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
決まった語に当たるAIの結果を待たずに最優先の知らせ
所在地が取り出せない・エリアの表に無い受付に戻す。エリアの外なら対応できない旨を伝える
鍵の種類が unknown作業員に複数の道具を持たせるか、受付が写真を頼む
身分証が室内にある本人確認の決まりの表の「確かめられないとき」の扱いを出動票に書く
賃貸で管理会社に連絡がつかない作業の可否は受付と作業員の責任者が決める
当番の作業員が全員出動中待ち時間の目安を伝え、受付が依頼者に意向を確かめる
Claude API が応答しない決まった語の確認だけで受付に回し、受付が自分で分類する
他人の家・車の開錠の依頼(「友人の家」など)区分はそのまま。本人確認の決まりで、所有者か住人が立ち会えなければ作業しない旨を出動票に書く
依頼の文が外国語区分は返させるが、案内の文は受付が確かめてから伝える

3行目と4行目が大半を占めます。 どちらも電話の聞き取りで減らせるので、missing の項目の多い順に、受付の聞き取りの台本を直します。

Step11

記録を残す

  • 依頼の文(電話のメモとフォーム)と受付の時刻、経路
  • 返ってきた JSON の全文と stop_reason
  • 引いた表の行(優先度・拠点・料金・本人確認)と、表の版
  • 受付が直した区分と優先度、手配の結果
  • 現地で確定した料金と、依頼者に事前に伝えた内訳

最後の行を残すのは、事前の説明と現地の料金を突き合わせるためです。 料金の目安の幅を超えた依頼が続く作業の種類があれば、表の幅の見直しが要ります。

04実装レベルの3段階

最小構成:メモを手で Claude の画面に貼り、区分を書かせて表を目で引く / 1件ごとの分類
半自動化:上記+Make でフォームを受け、決まった語の確認・分類・表の引き当て・出動票の下書きまでを作る / 受付・分類・優先度・料金と本人確認の案内・記録
本格構成:上記+作業員の現在地と作業の進み具合を受付の一覧に返し、当番の割り当ての案を出す / 作業員の割り当ての案まで

最小構成では、夜間の受付には使えません。 電話を受けながら画面に貼る余裕はありません。区分と表で当時の判断を再現できるかを確かめる段階です。 半自動化で、1件8分が3分になり、この段階が本記事の想定です。 人に残るのは、出動票の確かめ、聞き足し、料金と本人確認の説明、手配です。本格構成で割り当ての案を出しても、どの作業員を出すかは受付が決めます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
480 件
1件あたり現在時間
8 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  480件 × 8分 ÷ 60 = 64 時間/月
導入後 480件 × 3分 ÷ 60 = 24 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
63%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価2,300円)
110万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 住宅・車・店舗の鍵の開錠と交換の出張サービスで、電話と Web のフォームから月に数百件の依頼を受け、受付が依頼のたびに症状と鍵の種類と場所を聞き取って、出動する作業員と順番を決めている会社。料金の目安と本人確認の決まりを表にできる場合。夜間と休日の受付を少人数で回していて、受付によって聞き漏れや優先の付け方が違う場合。
向いていない
  1. 依頼が月に数十件で、店主が自分で電話を受けて出動している店。料金の決まりが無く、すべて現地での見積もりにしている場合(先に料金の目安の表を作る必要があります)。なお、本人確認の可否の判断、作業を引き受けるかどうか、現地での料金の確定、命に関わる状況での判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の受付の一覧から30件を選ぶ(夜間の締め出し、閉じ込め、交換の相談、エリア外を混ぜる)
  2. 30件について、当時の受付が決めた優先度と、聞き漏れていた情報を書き出す
  3. 区分の一覧と第7章の指示を、手元の Claude の画面に貼る
  4. 30件のメモを1件ずつ貼り、区分の JSON を書かせる
  5. 区分を優先度の表に当てはめ、当時の判断と比べる

30件は必ずやってください。 シナリオを組む前に、閉じ込めを取りこぼさないか、書かれていない鍵の種類を推測で埋めないかを確かめます。

出てきた内容判断
当時の判断と同じか、より慎重シナリオの組み立てに進む
鍵の種類を推測で埋めるunknown の指示を強める
優先度の表で当時と食い違う表の決め方を見直す。 AIではなく表の問題

3行目は、受付ごとの差が表に出てきたということです。 受付4名で食い違った依頼を持ち寄り、表の行を足すか、区分を分け直します。

30件には、必ず閉じ込めの依頼を数件入れてください。 件数は少なくても、この構成で最も取りこぼしてはいけない依頼です。過去の記録に無ければ、受付が実際に聞いた言い回しで例を作り、決まった語に当たらない書き方(「息子が中で泣いている」など)も混ぜます。 AIの分類が決まった語の取りこぼしを拾えるかを、ここで確かめます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
閉じ込めを取りこぼす決まった語をAIの前後に置き、状況は迷ったら重く倒す
書かれていない鍵の種類を推測で埋めるunknown を指示し、受付が聞き足す
AIが優先度や料金を書く表を渡さず、区分だけを返させる
住所から近くの町名を推測で入れる取り出せなければ空にし、受付に戻す
料金の説明が急ぎの依頼で抜ける出動票に内訳を並べ、読み上げを手順に入れる
身分証が室内にある依頼で現地が止まる本人確認の決まりの表に「確かめられないとき」の扱いを書く
夜に2件が重なって順番が決まらない優先度の表で決め、同じ優先度なら受付の時刻順にする
管理会社経由の依頼で了承の有無が分からない建物の種類が rental なら、了承の有無を missing に必ず入れる
電話の途中で送ったメモと最後のメモで分類が変わる依頼の番号で前の行を書き換え、変わった項目を受付に示す
料金の目安の表が古い表に見直した日を持たせ、古ければ出動票に印を付ける

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 前者は取り返しのつかない見落とし、後者は作業員の空振りです。重く倒す項目と unknown にする項目を分けることで、両方を止めます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 依頼者の名前・電話番号・住所、建物の種類、鍵の種類、家にいる人の状況です。鍵の種類と住所の組み合わせは、防犯の面で外に出してはいけない情報です。

  1. AIに渡す範囲を絞る … 名前と電話番号は渡しません。依頼の文と住所の文だけにします
  2. 命に関わる判断はAIに任せない … 閉じ込めの依頼で救急への連絡を案内するのは、会社の決まりと受付の判断です。 決まった語の確認をAIの前に置きます
  3. 本人確認は現地で人が行う … この構成が出すのは案内の文だけです。作業してよいかは、決まりの表と作業員の確認で決めます
  4. 料金は現地で作業の前に確定する … 出動票には目安の内訳を並べ、作業の前に作業員が金額を伝え、承諾を得てから作業することを手順に入れます
  5. 受付の一覧を見られる人を絞る … 住所と鍵の種類と在宅の状況がまとまった一覧です。作業員には、自分が出動する依頼の分だけを送ります
  6. 依頼の記録の保存の期間を決める … 作業が終わった後、いつまで記録を残すかを先に決めます

誤りが起きた場合のリスクは、急ぐべき依頼を後回しにすることと、確かめられない相手の鍵を開けてしまうことの2つです。 前者は決まった語と重く倒す分類で、後者は本人確認の決まりを人の側に置くことで止めます。

10まず何から始めるか

1週目:表を作る

紙のマニュアルから、優先度・料金の目安・本人確認の決まりをシートの表に移します。受付4名と作業員の責任者で、優先度の表の行を決めます。 決まった語の一覧も作ります。

2週目:30件で試す

先月の依頼から30件を選び、手元の Claude の画面で区分を書かせます。閉じ込めを取りこぼさないかと、鍵の種類を推測で埋めないかを最優先で見ます。

3週目:フォームを直す

受付のフォームと依頼フォームの送信先を Make の Webhook にし、「途中で送る」のボタンと、経路を渡す隠しの欄を足します。

4週目:受付から出動票までをつなぐ

Make で決まった語の確認、分類、表の引き当て、出動票の下書きまでを作ります。この時点では受付が今までどおり自分でも判断し、出動票との違いを受付の一覧に残します。

2か月目: 出動票を前提にした手配に切り替え、missing の多い項目から聞き取りの台本を直します。3か月目以降: 1件8分が何分になったかを実測し、夜間の受付1名でも、優先度と料金の説明が日中と同じになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-26/最終更新:2026-10-26
確認した内容情報源確認日
Webhook がふつう即時のトリガーとして働き、URL にデータが届いた時点でシナリオが動くこと。即時の Webhook が既定で並行して処理されること。10秒に300件まで受信を処理できること。Webhook response を最後に置くと失敗を知らせられることMake: Webhooks2026-10-26
ルーターのルートが1本ずつ順に処理され、フォールバックのルートがほかの条件に当たらないデータを処理することMake: Router2026-10-26
Google Sheets のアプリに Search Rows・Add a Row・Update a Row などがあることMake: Google Sheets modules2026-10-26
Gmail のアプリに Send an email・Create a draft email などがあることMake: Gmail modules2026-10-26
Anthropic Claude のアプリに Make an API Call があり、アプリの説明に構造化出力の記載が無いことMake: Anthropic Claude2026-10-26
構造化出力が output_config.format(type: json_schema)で使え、オブジェクトに additionalProperties: false が必要なこと。enum が使えること。stop_reason が max_tokens・refusal のときに出力がスキーマに合わないことがあることClaude: Structured outputs2026-10-26
出張解錠サービスで広告より高額な請求を受けた相談事例。「○○円~」の広告をうのみにせず、出張料やキャンセルした場合の金額も確認するよう助言していること。納得できない場合はその場で支払わないこと、消費者ホットライン188国民生活センター: 出張解錠サービスの料金トラブルに注意(2024年11月19日公表)2026-10-26

優先度の決め方、本人確認の方法、料金の目安は、自社の責任者が決めてください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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