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社員寮を持つ会社の総務が入寮・退寮・修繕の依頼を Make で受け、AI で種類を分けて寮の管理会社と社内の担当に振り分ける

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

社員寮の入居者と各部署から届く入寮・退寮・修繕・備品の依頼を Make で受け、AIに種類を分けさせます。寮ごとの管理会社と社内の担当に規則で振り分け、管理会社への依頼の文まで作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
小売/建設/物流/製造
対象部門
人事/総務
対象業務
分類・仕分け/問い合わせ対応
主な課題
人手が足りない/問い合わせが多い/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
分類
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
50h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
70%
年間削減
420h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 入居者がフォームに書くか、寮の代表アドレスにメールを送る。部署の上長から入寮の依頼がメールで届くこともある
  2. 寮の担当が依頼を読み、寮・部屋・何の依頼かを把握する
  3. 修繕・備品なら、その寮の管理会社の窓口あてに、依頼の内容をメールに書き直して送る
  4. 入寮・退寮なら、人事部に手続きの状況を確かめ、管理会社に部屋の準備や退去の立会いを頼む
  5. 騒音や共用部の困りごとなら、総務の中で対応を相談する
  6. 管理会社の返事を待ち、入居者に日程を伝える
  7. 依頼と対応の状況を、総務の受付の一覧に書く
導入後(After)
  1. 人入居者がフォームに書くか、寮の代表アドレスにメールを送る。急ぎのものはフォームの冒頭の案内に従って管理会社の緊急の番号に電話する
  2. 自動フォームの回答の行が増えるか、メールが届くと Make のシナリオが動く
  3. 自動決まった言葉(水・ガス・火・鍵・閉じ込め)で急ぎの印を付け、印が付けば寮の担当にすぐ知らせる
  4. 自動Claude API が依頼の文を読み、依頼の種類・寮・部屋・部位・希望の日を JSON で返す
  5. 自動寮と管理会社の対応表、入居者の名簿を引き、回す先を規則で決める
  6. 自動修繕・備品は管理会社の窓口に依頼のメールを送り、入寮・退寮は人事部と管理会社への依頼の下書きを作る
  7. 自動受付の一覧に記録し、入居者に受付の連絡を送る
  8. 人寮の担当が、総務へ回った依頼と下書きを確かめる
  9. 人費用の負担、入寮・退寮の可否、困りごとへの対応を総務と人事で決める
各工程の詳しい説明を読む
  1. 入居者がフォームに書くか、寮の代表アドレスにメールを送る。部署の上長から入寮の依頼がメールで届くこともある
  2. 寮の担当が依頼を読み、寮・部屋・何の依頼かを把握する
  3. 修繕・備品なら、その寮の管理会社の窓口あてに、依頼の内容をメールに書き直して送る
  4. 入寮・退寮なら、人事部に手続きの状況を確かめ、管理会社に部屋の準備や退去の立会いを頼む
  5. 騒音や共用部の困りごとなら、総務の中で対応を相談する
  6. 管理会社の返事を待ち、入居者に日程を伝える
  7. 依頼と対応の状況を、総務の受付の一覧に書く

(a)読んで書き直すだけで時間が消える。 依頼の大半は判断の要らないものです。エアコンの修理の依頼を、そのまま管理会社に伝えるだけです。 それでも寮と部屋を確かめ、管理会社ごとの書き方に合わせてメールを書き直すと、1件で10分近くかかります。

(b)管理会社への連絡が漏れる。 受付の一覧に書く前に別の電話が入ると、管理会社に送ったつもりで送っていない依頼が出ます。 入居者が1週間後に「まだ来ない」と言ってきて初めて分かります。

(c)急ぎの依頼が埋もれる。 「お湯が出ない」は、真冬なら当日中に手配したい依頼です。しかし受付の一覧では、網戸の依頼と同じ並びにあります。 気づくのは、担当が順に読んでいってそこに来たときです。

(d)4月と10月にあふれる。 入寮・退寮が重なる月は、担当の2名がそれだけで手一杯になり、修繕の依頼が数日止まります。

  1. 【人】 入居者がフォームに書くか、寮の代表アドレスにメールを送る。急ぎのものはフォームの冒頭の案内に従って管理会社の緊急の番号に電話する
  2. 【自動】 フォームの回答の行が増えるか、メールが届くと Make のシナリオが動く
  3. 【自動】 決まった言葉(水・ガス・火・鍵・閉じ込め)で急ぎの印を付け、印が付けば寮の担当にすぐ知らせる
  4. 【自動】 Claude API が依頼の文を読み、依頼の種類・寮・部屋・部位・希望の日を JSON で返す
  5. 【自動】 寮と管理会社の対応表、入居者の名簿を引き、回す先を規則で決める
  6. 【自動】 修繕・備品は管理会社の窓口に依頼のメールを送り、入寮・退寮は人事部と管理会社への依頼の下書きを作る
  7. 【自動】 受付の一覧に記録し、入居者に受付の連絡を送る
  8. 【人】 寮の担当が、総務へ回った依頼と下書きを確かめる
  9. 【人】 費用の負担、入寮・退寮の可否、困りごとへの対応を総務と人事で決める

人が見るのは、全件ではありません。 種類と寮がはっきりした修繕・備品の依頼は、管理会社に送られた控えを流し見るだけです。手が要るのは、入寮・退寮の下書きと、困りごとと、AIが種類を決められなかった依頼です。

3番目を規則にしているのは、急ぎかどうかをAIの読みに任せないためです。 決まった言葉で拾うと、急ぎでない依頼にも印が付きます。付きすぎるのは構いません。付き漏れるほうを防ぎます。

02今回想定するシステム構成

構成図
寮への依頼(フォームの回答のシート/寮の代表アドレスへのメール)
   ▼【トリガー】Google Sheets:Watch New Rows / Gmail:Watch emails
Make のシナリオ
   ├──▶ 決まった言葉で急ぎの印 → 印があれば寮の担当へすぐ知らせる
   ├──▶ Claude API(Make an API Call):依頼の種類・寮・部屋・部位・希望の日
   ├──▶ Google Sheets:Search Rows(寮と管理会社の対応表・入居者の名簿)
   ├──▶ Router
   │      ├ 総務が見る(困りごと・種類が決まらない・名簿と合わない) → 寮の担当へ
   │      ├ 入寮・退寮 → Gmail:Create a draft email(人事部・管理会社あて)
   │      ├ 修繕・備品 → Gmail:Send an email(管理会社の窓口あて)
   │      └ フォールバック → 寮の担当へ
   └──▶ Google Sheets:Add a Row(受付の一覧)/Gmail:Send an email(入居者への受付の連絡)
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Google Sheets、Gmail、ルーター)Zapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API、構造化出力)OpenAI API
保管Google スプレッドシート(フォームの回答・寮と管理会社の対応表・入居者の名簿・受付の一覧)Airtable
メールGmail(総務部の寮の代表アドレス)Microsoft Outlook

新しく足すのは、シナリオと、寮と管理会社の対応表のシートだけです。 フォームと入居者の名簿はいまのものを使います。この構成が書き込むのは、受付の一覧、管理会社と入居者へのメール、人事部あての下書きだけで、入居者の名簿には書き込みません。

フォームの回答はシートの行として受けます。 Make の Google Sheets の Watch New Rows は、シートに増えた行を拾うトリガーです。公式のページでは、シートに空の行があるとその後の行を処理しないとされています。フォームの回答のシートに手で空の行を入れると、そこから先の依頼が拾われなくなります。回答のシートは人が編集しない、を運用の決まりにします。

読み取りは Claude API で行います。 Make の Anthropic Claude のアプリには Create a Prompt や Make an API Call などがありますが、公式のページに構造化出力の記載がないため、Make an API Call で Messages API を呼び、output_config.format に JSON スキーマを書きます。 Claude の公式ページでは、構造化出力は文字列の enum の大文字・小文字までは保証しないとされています。ルーターの条件では、種類の値を小文字にそろえてから比べます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

フォームの回答のシートに行が増えたときと、寮の代表アドレスにメールが届いたときの2つを起点にします。 フォームの回答は Google Sheets の Watch New Rows で、メールは Gmail の Watch emails で「寮の依頼」のラベルを見張ります。ラベルは Gmail のフィルタで、寮の代表アドレスあてのメールすべてに付けます。 管理会社からの返事はラベルを分け、このシナリオでは拾いません。

どちらも5分おきにします。 修繕の依頼は分単位を争うものではありませんが、急ぎの印が付いた依頼を担当に知らせるのが遅れないように、間隔を短めにします。 本当に急ぐものは、フォームの冒頭で管理会社の緊急の番号に電話するよう案内しています。この構成は、電話をかけ忘れた人の依頼を拾う二重の網です。

フォームの冒頭の案内は、こう書きます。 「水が止まらない、ガスのにおいがする、火・煙が出ている、部屋に入れない、閉じ込められた、は、このフォームではなく下の番号に電話してください」。その下に、寮ごとの管理会社の緊急の番号を並べます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
依頼フォームの項目(社員番号・寮・部屋番号・依頼の種類の選択・内容・希望の日時・立会いの可否)/メールの件名・本文(返信の引用を除いたもの)・送信元・受信日時フォームの回答のシート/Gmail
寮と管理会社の対応表寮の名前と別名、管理会社、依頼の窓口のアドレス、受付の時間、緊急の番号、管理会社に回す種類対応表のシート
入居者の名簿社員番号、寮、部屋番号、入居日、退寮の予定日、所属入居者の名簿のシート
受付の一覧これまでの依頼、状態、回した先受付の一覧のシート

質を決めるのは、寮と管理会社の対応表です。 1行に1つの寮を置き、「管理会社に回す種類」の列に、修繕・備品・退去の立会いのように、管理会社が受け持つ依頼の種類を並べます。 単身赴任者の寮は備品を会社が直接手配する、のような寮ごとの違いを、この列で表します。

寮別名管理会社管理会社に回す種類
A寮第一寮、東寮X社修繕、備品、退去の立会い、入居の準備
B寮第二寮X社修繕、備品、退去の立会い、入居の準備
C寮南寮Y社修繕、退去の立会い、入居の準備
単身寮単身赴任寮Y社修繕

別名の列があるのは、入居者が寮を正式な名前で書かないからです。 「東寮の305」と書かれた依頼を A寮に結び付けるのは、AIではなくこの表です。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどうやって
フォームの依頼フォームの回答のシートWatch New Rows(見出しの行を指定し、1回に拾う行数を決める)
メールの依頼GmailWatch emails(ラベル「寮の依頼」)
寮と管理会社対応表のシートSearch Rows(寮の名前か別名で引く)
入居者の確かめ入居者の名簿のシートSearch Rows(社員番号、無ければ送信元のアドレス)
重複の有無受付の一覧のシートSearch Rows(同じ社員番号・同じ部屋・直近3日)

フォームの依頼は、寮・部屋番号・依頼の種類が選択の欄で届きます。 それでもAIに読ませるのは、内容の欄に書かれたことが、選んだ種類と違うことが多いからです。 「備品」を選んで「エアコンから水が垂れる」と書かれていれば、それは修繕です。選択の欄とAIの分類が食い違う依頼は、総務へ回します。

メールの依頼は、寮も部屋も本文に書かれています。 書かれていなければ、送信元のアドレスで入居者の名簿を引きます。名簿で引けた寮・部屋と、本文に書かれた寮・部屋が違えば、総務へ回します。 友人の部屋のことを書いている場合や、異動したばかりで名簿が古い場合があります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 急ぎの印 … 内容の欄と本文に「水が止まらない」「漏れ」「ガス」「におい」「火」「煙」「鍵」「閉じ込め」「入れない」が含まれていれば、urgent_flag を立て、AIの呼び出しより前に寮の担当へ知らせます
  2. 重複の確認 … 同じ社員番号・同じ部屋で3日以内の依頼があれば、新しい依頼として回さず、前の依頼に追記として結び付けます
  3. 返信の引用を落とす … メールの返信に付いてくる前のやり取りを落とします
  4. AIに渡す範囲を絞る … 社員番号・氏名・所属は渡しません。AIに渡すのは、内容の欄と本文、選択の欄の値、寮の名前の一覧だけです
  5. 寮の名前の一覧を渡す … 対応表の寮の名前と別名を、AIが写すときの手がかりとして渡します

1番目は、拾いすぎる前提で作ります。 「鍵」は「鍵付きのロッカーが欲しい」でも当たります。それで担当に知らせが届いても、開いて急ぎでないと分かれば1分で済みます。 逆に言葉を絞って付き漏れると、真冬にお湯が出ない部屋が翌日まで放置されます。

4番目で名前を渡さないのは、分類に要らないからです。 依頼の種類と部位は内容で決まり、誰の依頼かは名簿で引けば足ります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、依頼の文を決まった種類に分類することと、寮・部屋・部位・希望の日を項目にそろえることの2つです。

項目させること判断できないときの扱い
依頼の種類repair(修繕)/equipment(備品)/move_in(入寮)/move_out(退寮)/living(騒音・共用部などの困りごと)/other迷えば unclear
寮本文に書かれた寮の呼び方を写し、渡した一覧の名前か別名に当てる当たらなければ null
部屋番号書かれたとおりに写す書かれていなければ null
部位エアコン・給湯・水回り・電気・鍵・建具・網戸・家電・共用部など文のとおりに写す
希望の日修理の希望日、入寮・退寮の予定日を、書かれたとおりに書かれていなければ null
立会い不在のときに部屋に入ってよいかが書かれているか書かれていなければ not_stated
管理会社への依頼の文修繕・備品のとき、部位と症状を3行で推し量らずに書かれたことだけ

living を分けるのがこの構成で大事な区別です。 騒音や共用部の使い方の困りごとには、ほかの入居者が出てきます。 これを修繕と同じように管理会社へ自動で送ると、苦情の相手の部屋番号が社外に出ます。living は必ず総務へ回し、管理会社に伝えるかどうかは総務が決めます。

させないこと理由
急ぎかどうかを決める決まった言葉で規則が先に拾う
回す先の管理会社を決める対応表で引く
費用の負担を書く経年か故意・過失かは、管理会社の確認の後に総務が決める
入寮・退寮を認める人事部の手続き
原因を推し量る「フィルターの詰まりでしょう」と書かない。症状だけを伝える
Step6

指示内容を固定する

あなたは会社の総務部で、社員寮に届く依頼を受け付ける担当です。
下に渡す依頼を読み、種類を分け、項目にそろえてください。
どこへ回すか、費用を誰が持つかは決めないでください。

【すること】
1. request_type を次から1つ選ぶ。
   repair / equipment / move_in / move_out / living / other / unclear
   - 壊れた・動かない・漏れる・効かないは repair
   - 足りない・欲しい・交換したい(壊れていない)は equipment
   - 騒音・におい・共用部の使い方など、ほかの入居者が関わるものは living
2. 寮の呼び方を dorm_as_written に写し、下の寮の一覧の名前か別名に
   当たるものを dorm に入れる。当たらなければ null。
3. 部屋番号、部位、希望の日、立会いの可否を写す。
4. repair と equipment のときは、管理会社への依頼の文を3行以内で書く。
   部位・症状・いつからか だけを書く。
5. フォームで選ばれた種類と、内容から読んだ種類が違えば
   form_mismatch を true にする。

【厳守事項】
- 書かれていない部屋番号・日付を推し量らない。null にする。
- 原因を書かない。「〜が原因と思われます」を管理会社への文に入れない。
- 費用の負担、入居者の過失の有無に触れない。
- living のときは、管理会社への依頼の文を書かない。
- 依頼の文に出てくるほかの入居者の名前や部屋番号を、
  管理会社への文に写さない。
- 急ぎかどうかを判断しない。

【寮の一覧(名前と別名)】{dorm_list}
【フォームで選ばれた種類(ある場合)】{form_type}
【依頼の内容】{request_text}

「原因を書かない」を明記するのは、AIが親切に書き足すからです。 「エアコンが効かない」に「フィルターの清掃で改善する場合があります」と添えると、管理会社への依頼が、入居者の手入れ不足を示す文に読めてしまいます。 費用の負担の話し合いが、その一文から始まります。

「ほかの入居者の部屋番号を写さない」も同じ理由です。 「上の階の水漏れで天井が濡れた」という依頼は修繕ですが、上の階の部屋番号は、管理会社が現地で確かめれば足ります。 依頼の文に残すと、上の階の入居者が原因であるかのように伝わります。

Step7

出力形式を固定する

次の形の JSON を返させます。

{
  "request_id": "",
  "request_type": "repair",
  "form_mismatch": false,
  "dorm_as_written": "東寮",
  "dorm": "A寮",
  "room": "305",
  "part": "エアコン",
  "symptom": "冷房にしても風がぬるい",
  "since": "3日前から",
  "preferred_date": null,
  "entry_permission": "not_stated",
  "vendor_message": "A寮305号室。エアコンの冷房の風がぬるい。3日前から。"
}

1つ目の理由は、AIの分類と回す先の決定を別の層に置けることです。 JSON はAIが埋め、回す先はシナリオが対応表と規則で決めます。

回す先条件
総務(寮の担当)request_type が living/other/unclear、form_mismatch が true、dorm が null、名簿の寮・部屋と合わない
人事部と管理会社(下書き)request_type が move_in/move_out
管理会社(自動で送る)request_type が repair/equipment で、対応表のその寮の「管理会社に回す種類」に含まれる
総務(会社が手配する備品)equipment で、対応表の「管理会社に回す種類」に含まれない

2つ目は、dorm_as_written と dorm を両方持てることです。 入居者が書いた呼び方と、AIが当てた寮が並んでいれば、当て違いを受付の一覧で一目で見つけられます。

3つ目は、entry_permission で管理会社とのやり取りが1往復減ることです。 不在のときに部屋に入ってよいかが分かっていれば、管理会社は日程の連絡の前に修理に行けます。not_stated なら、入居者への受付の連絡で尋ねます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
フォームの回答のシートGoogle Sheets の Watch New Rows新しい依頼を拾う
GmailWatch emails/Send an email/Create a draft email依頼を受け、管理会社と入居者に送り、人事部あての下書きを置く
寮と管理会社の対応表・入居者の名簿Google Sheets の Search Rows寮・管理会社・入居者を引く(読むだけ)
受付の一覧Google Sheets の Search Rows/Add a Row重複を確かめ、依頼を記録する
Claude APIAnthropic Claude の Make an API Call種類の分類と項目のそろえ

ルーターのルートは、総務→入寮・退寮→修繕・備品→フォールバックの順に並べます。 公式のページでは、ルートは1本ずつ順に処理され、どの条件にも当たらないデータはフォールバックのルートが処理するとされています。総務のルートを先頭に置くのは、living や食い違いのある依頼が、管理会社への自動送信まで流れないようにするためです。 ルートの条件は互いに重ならないように書きます。

管理会社への依頼のメールは、寮・部屋・部位・症状・立会いの可否だけにします。 入居者の氏名と連絡先は、管理会社との取り決めで要ると決めたものだけを足します。社員番号と所属は送りません。

入居者への受付の連絡は、送った先と受付の番号だけを書きます。 「X社に修理を依頼しました。受付番号 D-1027」。修理の日はまだ書きません。 決まるのは管理会社の返事の後です。

管理会社の返事は、別のラベルで受けます。 件名に受付の番号を入れてもらう取り決めにし、返事が来たら担当が受付の一覧の状態を「日程決定」に書き換えます。 管理会社に送ってから5日たっても状態が変わらない依頼は、毎朝のシナリオが一覧から拾って寮の担当に知らせます。第3章の(b)の「まだ来ない」を、入居者より先に総務が見つけるための仕組みです。

Step9

人が確認する

寮の担当が見るのは、総務へ回った依頼と、入寮・退寮の下書きと、急ぎの印です。

  1. 急ぎの印を真っ先に見る … 知らせを開いて内容を読み、急ぎなら管理会社の緊急の番号に電話します。 急ぎでなければ印を外し、通常の流れに戻します
  2. living を見る … 騒音や共用部の困りごとは、総務の中で対応を決めます。管理会社や相手の入居者に伝えるかは、ここで決めます
  3. 食い違い・寮が決まらない依頼を見る … 入居者に聞き返すか、名簿を確かめて正しい寮に回し直します
  4. 入寮・退寮の下書きを確かめる … 人事部の手続きの状況と日付が合っているかを見て送ります
  5. 自動で送った分を流し見る … 毎夕、管理会社に送った依頼の件数と寮を一覧で見ます

修繕の費用をどちらが持つかは、この確認の中では決めません。 管理会社が現地で見た結果を受けて、総務が寮の規程に照らして決めます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
急ぎの言葉が含まれるAIの前に寮の担当へ知らせる。AIの分類はその後に続ける
フォームの選択と内容が食い違う総務へ回す
寮の呼び方が対応表に無いdorm を null にして総務へ。分かったら別名の列に足す
名簿の寮・部屋と本文が違う総務へ回す。異動で名簿が古い場合は人事部に知らせる
1通に依頼が2つある(エアコンと網戸)AIに request_type を1つに決めさせず、総務へ回して分けて登録する
同じ依頼が3日以内に重なる前の依頼に追記として結び付け、管理会社へは追記として送る
シートに空の行が入って拾われない受付の一覧とフォームの回答の行数を毎朝比べ、差があれば空の行を消す
stop_reason が refusal か max_tokensJSON を読まずに総務へ回す
Claude API が応答しない受付の一覧に「未処理」と書いて総務へ知らせる

上の4行が大半を占めます。 どれもAIの誤りではなく、フォームの作り方と対応表・名簿の持ち方の問題です。 食い違いが多いなら、フォームの選択の欄の言葉を、入居者が使う言葉に合わせて直すほうが早く効きます。

Step11

記録を残す

  • 依頼の元の項目とメールの本文(引用を落とす前のもの)
  • 急ぎの印が付いたかどうかと、付いた言葉、担当が開いた時刻
  • 返ってきた JSON の全文と stop_reason
  • 引いた対応表の行と名簿の行(そのときの値)
  • 回した先と、管理会社・入居者に送った本文
  • 担当が回し直した記録と、その理由

2つ目で担当が開いた時刻を残すのは、急ぎの網が働いているかを見るためです。 印が付いてから開くまでの時間が長い日があれば、知らせの届け方を見直します。

最後の行は、対応表とフォームを直す材料になります。 同じ理由の回し直しが続けば、別名の列か選択の欄が足りていません。

04実装レベルの3段階

最小構成:依頼の内容を手でAIの画面に貼り、種類と項目を出させる / 依頼の分類
半自動化:上記+Make でフォームとメールを受け、分類の結果と回す先の案を受付の一覧に書く / 分類・回す先の案・記録
本格構成:上記+急ぎの印、管理会社への自動送信、入寮・退寮の下書き、入居者への受付の連絡まで出す / 受付から振り分けまで

半自動化で、1件10分が6分程度になります。 読んで回す先を決めるところは自動になりますが、管理会社へのメールを書き直す作業が残ります。本格構成で3分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、管理会社ごとの書き方に合わせてメールを作る作業が、1件ずつの手作業だからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の受付の一覧を1か月見ると、当たらない寮の呼び方と、食い違いの多い選択の欄が先に分かります。そこを直してから自動送信に進むほうが、管理会社に誤って届く依頼が減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
300 件
1件あたり現在時間
10 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  300件 × 10分 ÷ 60 = 50 時間/月
導入後 300件 × 3分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
35h
削減率
70%
年間削減時間
420h
年間金額換算(時間単価3,000円)
126万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 工場・物流拠点・建設の現場の近くに独身寮や単身赴任者の寮を複数持ち、寮ごとに管理会社や管理人に運営を任せている会社の総務。入居者と各部署から、入寮・退寮・修繕・備品の依頼がフォームやメールで月に数百件届き、総務の担当が読んで管理会社に転送している場合。寮と管理会社の対応表と、入居者の名簿をスプレッドシートで持てる場合。
向いていない
  1. 寮が1棟で、管理人が入居者から直接依頼を受けて回せている場合。借上げ社宅だけで、修繕の依頼が家主や仲介の会社に直接行く場合。依頼の大半が電話で、フォームやメールで届くものが少ない場合。なお、修繕の費用を会社と入居者のどちらが持つか、入寮・退寮を認めるか、入居者どうしの苦情にどう対応するかの判断は総務と人事が行うもので、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月届いた依頼から30件を選ぶ(修繕・備品・入寮・退寮・困りごとが混ざるように選び、フォームの選択と内容が違うものを入れる)
  2. その30件について、当時どこへ回したかを受付の一覧から書き出す
  3. 依頼の内容を1件ずつ手元のAIサービスに貼り付け、第7章の指示文で種類と項目を出させる
  4. 出てきた寮の名前で、対応表を手で引いて回す先を決める
  5. 当時の回し先と突き合わせる

30件は必ずやってください。 シナリオを組む前に、「種類の分け方が総務の感覚と合うか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時と同じ先に回ったシナリオの作成に進む
修繕と備品の分け方が違う指示の分け方の言葉を直す。構成は有効
寮の呼び方が当たらない対応表の別名が先。 AIの問題ではない

2行目が出るのは普通です。 「電球が切れた」を修繕とするか備品とするかは、会社と管理会社の取り決めで決まります。その取り決めを指示の言葉に写すのが、この30件の目的です。

あわせて、急ぎの言葉の網も同じ30件で試します。 第7章の前処理の言葉の一覧を当て、印が付いた件数と、当時本当に急いだ件数を並べます。急いだ依頼に印が付いていれば、印の付きすぎは気にしなくて構いません。 付き漏れがあれば、その依頼の言葉を一覧に足します。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
急ぎの依頼がフォームに書かれて埋もれるフォームの冒頭で電話を案内し、決まった言葉で先に拾う
騒音の苦情が管理会社に自動で届くliving は必ず総務へ。管理会社への文を書かせない
管理会社への文に原因の推測が入る指示で禁じる。部位・症状・いつからか だけにする
寮の呼び方が当たらない対応表に別名の列を持たせる
フォームの選択と内容が食い違う総務へ回す。多いなら選択の欄の言葉を直す
回答のシートに空の行が入り、後の依頼が拾われない回答のシートを人が編集しない。毎朝、行数を比べる
1通に2つの依頼が混ざる1つに決めさせず、総務で分けて登録する
名簿が古く寮と部屋が合わない人事部の異動の連絡と名簿の更新の日を合わせる
管理会社に社員番号や所属が届く送る項目を決め、それ以外は渡さない

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも「AIが分類して自動で送る」という仕組みの外側にある依頼です。急ぎは規則と電話で、困りごとは人で受けると決めておけば、自動で送るのは修繕と備品だけになります。

下から3行目も早く効いてきます。 空の行1つで、その後の依頼がすべて止まります。しかも何のエラーも出ません。 行数の比べ合わせは、最初の週から入れてください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 入居者の社員番号・氏名・寮・部屋番号、依頼の内容、そして騒音や共用部の困りごとに出てくる、ほかの入居者の情報です。

  1. 管理会社に渡す項目を決める … 個人情報保護法は、個人データの取扱いを委託する場合に、委託先に対する必要かつ適切な監督を求めています。管理会社との契約で、寮の運営に要る項目と扱い方を決め、この構成が送るのはその項目だけにします
  2. 困りごとを自動で外に出さない … living の依頼には、ほかの入居者の部屋番号や行動が書かれます。総務が読んでから、誰に何を伝えるかを決めます
  3. AIに名前を渡さない … 分類に要るのは内容だけです。社員番号・氏名・所属は、名簿の照合と宛名にだけ使い、Claude API には渡しません
  4. 急ぎの判断をAIに任せない … 水・ガス・火・閉じ込めは、電話の案内と決まった言葉の規則で受けます。AIの分類が遅れても、誤っても、急ぎの網は働きます
  5. 費用の負担を自動で決めない … 修繕の費用を入居者が持つかどうかは、寮の規程と管理会社の現地の確認で総務が決めます。依頼の文に原因の推測を書かせないのは、この判断を先取りしないためです
  6. 受付の一覧を見られる人を絞る … 一覧には部屋番号と依頼の内容が並び、困りごとの依頼も入ります。閲覧は寮の担当と人事部の手続きの担当に限り、管理会社には一覧を共有しません

誤りが起きた場合のリスクは、急ぎの依頼が遅れることと、入居者の情報が要らない相手に届くことの2つです。 前者は急ぎの網をAIの後ろに置くと起き、後者は困りごとを修繕と同じ流れに乗せると起きます。どちらも、AIの手前と横に規則を置くことで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:寮と管理会社の対応表を作る

寮ごとに、管理会社、依頼の窓口のアドレス、緊急の番号、管理会社に回す種類を1行にまとめます。入居者が使う寮の呼び方を集め、別名の列に入れます。

2週目:30件で試す

先月の依頼から30件を選び、手元のAIサービスで種類と項目を出させます。当時の回し先と突き合わせ、修繕と備品の分け方が総務と管理会社の取り決めに合うかを最優先で見ます。

3週目:フォームと管理会社との取り決めを直す

フォームの冒頭に急ぎの電話の案内を入れ、選択の欄の言葉を見直します。管理会社2社と、依頼のメールの形と受け取るアドレスを取り決めます。

4週目:受付の一覧までをつなぐ

Make で Watch New Rows と Watch emails を作り、急ぎの印、Claude API の分類、対応表の照合を受付の一覧に書くところまで作ります。この時点では管理会社へ自動で送らず、担当が一覧を見て手で送ります。

2か月目: 修繕・備品の管理会社への自動送信と、入居者への受付の連絡を足します。総務へ回った件数と理由を毎週数えます。3か月目以降: 入寮・退寮の下書きを足し、1件10分が何分になったかを実測します。4月か10月の繁忙期を一度通り、修繕の依頼が止まらずに管理会社へ届いた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-28/最終更新:2026-10-28
確認した内容情報源確認日
Google Sheets の Watch New Rows・Search Rows・Add a Row などのモジュールがあること。Watch New Rows で、シートに空の行があるとその後の行を処理しないこと。見出しの行の範囲を指定することMake Apps: Google Sheets2026-10-28
Gmail のモジュールに Watch emails・Send an email・Create a draft email などがあることMake Apps: Gmail2026-10-28
ルーターのルートが1本ずつ順に処理されること。フォールバックのルートが他のルートの条件に当たらないデータを処理することMake Help Center: Router2026-10-28
Anthropic Claude のアプリに Create a Prompt・Make an API Call などのモジュールがあり、API キーで接続すること。ページに構造化出力の記載が無いことMake Apps: Anthropic Claude2026-10-28
構造化出力を output_config.format で指定すること。enum の大文字・小文字を保証しないこと。refusal・max_tokens で出力がスキーマに合わない場合があることClaude Docs: Structured outputs2026-10-28
個人情報保護法第25条が、個人データの取扱いを委託する場合に委託先に対する必要かつ適切な監督を求めていること。第27条第5項第1号が、利用目的の達成に必要な範囲内の委託に伴う提供を第三者への提供に当たらないとしていることe-Gov 法令API: 個人情報の保護に関する法律2026-10-28

管理会社に渡す項目と、修繕の費用の負担は、寮の規程と管理会社との契約で決めてください。 本記事は公式のページと法令で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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