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飲食店で宴会を受けた幹事に、宴会のあとのお礼と次の予約の案内を下書きし、次の宴会の時期が近い幹事を拾って店長へ知らせる

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

宴会の会計が済んだ翌朝に、幹事へのお礼と次の予約の案内のメールを店舗の受信箱に下書きします。毎週月曜には、去年の同じ時期に宴会をした幹事のうち声かけの時期が来た人を拾い、店長の Slack に知らせます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
宿泊/飲食
対象部門
営業
対象業務
台帳・マスタ管理/書類作成
主な課題
人手が足りない/営業フォローが追いつかない/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
24h/月
AI導入後
9h/月
想定削減
63%
年間削減
180h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 宴会の翌日、店長が台帳を見て、前日の宴会の幹事を確かめる
  2. 店舗の Gmail を開き、お礼のメールを一から書く。当日の様子を思い出して1行足す
  3. 次の宴会の時期の案内(忘年会の早割、歓送迎会のコースなど)を本部の資料から探して添える
  4. 送ったら、台帳にお礼を送った日を書く
  5. 月に一度、台帳を去年の同じ月で絞り込み、幹事の一覧を見る
  6. 声をかける幹事を選び、案内のメールを書くか、電話をかける
  7. 台帳に声をかけた日を書く
導入後(After)
  1. 人宴会の閉店のとき、店長が台帳の当日のメモの列に1行書き、「会計済み」の列にチェックを入れる
  2. 自動会計済みの列が変わったことで Zap が動き、翌朝10時まで待つ
  3. 自動用途と宴会日から、次の宴会の時期の案内を案内の表から選ぶ
  4. 自動AIが当日のメモと案内からお礼のメールを下書きし、店舗の Gmail に置く
  5. 人店長が下書きを読み、直して送る
  6. 自動毎週月曜の朝、別の Zap が台帳から声かけの時期が来た幹事を拾う
  7. 自動幹事ごとに声かけのメールを下書きし、店舗の Slack のチャンネルに一覧を送る
  8. 人店長が一覧を見て、メールで送るか、電話をかけるか、見送るかを決める
各工程の詳しい説明を読む
  1. 宴会の翌日、店長が台帳を見て、前日の宴会の幹事を確かめる
  2. 店舗の Gmail を開き、お礼のメールを一から書く。当日の様子を思い出して1行足す
  3. 次の宴会の時期の案内(忘年会の早割、歓送迎会のコースなど)を本部の資料から探して添える
  4. 送ったら、台帳にお礼を送った日を書く
  5. 月に一度、台帳を去年の同じ月で絞り込み、幹事の一覧を見る
  6. 声をかける幹事を選び、案内のメールを書くか、電話をかける
  7. 台帳に声をかけた日を書く

(a)お礼が抜ける。 宴会の翌日は仕込みと次の宴会の準備で手が回らず、お礼を書くのが2日後、3日後になり、そのまま書かずに終わることがあります。 12月はとくに多く、いちばん大事な忘年会の幹事にお礼が届かないまま年を越します。

(b)翌年の声かけを忘れる。 台帳を去年の同じ月で絞り込む作業は、店長が覚えていればやり、忘れればやりません。 声をかけないうちに、幹事が別の店を予約していたと、後で分かります。

(c)お礼の文面が店舗ごとにばらばら。 当日の様子に触れる店長もいれば、定型の挨拶だけの店長もいます。次の予約の案内を付けるかどうかも、店長ごとに違います。

(d)店長が替わると関係が切れる。 去年の幹事の顔と様子を覚えているのは、去年の店長です。異動のたびに、台帳の行だけが残り、どの幹事が大事かが分からなくなります。

  1. 【人】 宴会の閉店のとき、店長が台帳の当日のメモの列に1行書き、「会計済み」の列にチェックを入れる
  2. 【自動】 会計済みの列が変わったことで Zap が動き、翌朝10時まで待つ
  3. 【自動】 用途と宴会日から、次の宴会の時期の案内を案内の表から選ぶ
  4. 【自動】 AIが当日のメモと案内からお礼のメールを下書きし、店舗の Gmail に置く
  5. 【人】 店長が下書きを読み、直して送る
  6. 【自動】 毎週月曜の朝、別の Zap が台帳から声かけの時期が来た幹事を拾う
  7. 【自動】 幹事ごとに声かけのメールを下書きし、店舗の Slack のチャンネルに一覧を送る
  8. 【人】 店長が一覧を見て、メールで送るか、電話をかけるか、見送るかを決める

1番目のメモが、この構成で人が足す唯一の情報です。 1行でかまいません。書かれていなければ、AIは当日の様子に触れずにお礼を書きます。 推測で「楽しんでいただけたようで」と書かせないための決まりです。

8番目で電話を選べるのが大事です。 長い付き合いの幹事には、メールより電話のほうが早く決まることがあります。一覧は「連絡すべき人」を知らせるもので、連絡の手段まで決めるものではありません。

02今回想定するシステム構成

構成図
宴会の台帳(Google スプレッドシート、5店舗で共有)
   │
   ├─【トリガー①】New or Updated Spreadsheet Row(会計済みの列)
   │   Zapier の Zap①
   │     ├──▶ Filter:メールあり・連絡不要でない・苦情の印なし
   │     ├──▶ Delay Until:翌朝10時
   │     ├──▶ AI by Zapier:お礼と次の案内(Claude を自前のキーで接続)
   │     ├──▶ Gmail:Create Draft(店舗の受信箱)
   │     └──▶ Update Spreadsheet Row(お礼の下書き日)
   │
   └─【トリガー②】Schedule by Zapier(毎週月曜 9:30)
       Zapier の Zap②
         ├──▶ Lookup Spreadsheet Rows (Advanced):声かけの対象の行
         ├──▶ Looping by Zapier:1件ずつ
         │     ├──▶ AI by Zapier:声かけのメール
         │     ├──▶ Gmail:Create Draft(店舗の受信箱)
         │     ├──▶ Slack:Send Channel Message(店舗のチャンネル)
         │     └──▶ Update Spreadsheet Row(声かけの下書き日)
   ▼【人】店長が下書きを読み、送るか電話するかを決める
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapierMake、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(AI by Zapier の Bring Your Own Key)OpenAI API
連携Google スプレッドシート(宴会の台帳と案内の表)Zapier Tables
連携Gmail(店舗の受信箱への下書き)Outlook
通知Slack(店舗ごとのチャンネル)Microsoft Teams、LINE WORKS

新しく足すのは、Zap 2本と、台帳の「会計済み」「お礼の下書き日」「次回の声かけ日」「声かけの対象」「連絡不要」の列だけです。 予約の受け方も台帳の作り方も変えません。

Zap①の入口は、台帳の行の更新です。 Zapier のヘルプでは、監視する列を「Any column」にすると空のセルを埋めるような小さな編集でも Zap が動くとされ、特定の列を監視すればその列が変わったときだけ動くとされています。会計済みの列だけを監視の列にします。

翌朝まで待つのは、Delay by Zapier の Delay Until です。 指定の日時まで止める機能で、最長1か月(30日)まで止められ、task の数に入らないとされています。注意は、Zap を止めているあいだに予定された動きは、Zap を戻しても動かないとされていることです。

Zap②の入口は、Schedule by Zapier の毎週の実行です。 台帳から行をまとめて取るのは Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) で、最大500行を line items として返すとされています。それを Looping by Zapier で1件ずつ回します。

店長への知らせは Slack の Send Channel Message です。 チャンネルに投稿でき、投稿の予約もできるとされています。チャンネルへの投稿はおおむね1秒に1件が目安で、続けて送ると制限がかかりうるとされているので、1件ずつ投稿するこの構成では件数の多い週に気をつけます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

トリガーは2つです。 お礼のための台帳の会計済みの列の更新と、声かけのための毎週月曜の定時実行です。

お礼は、会計済みの列にチェックが入ったことを起点にします。 宴会日の翌日に定時で拾う形も考えられますが、メモを書き終えていない行に下書きができてしまいます。 店長がメモを書いてチェックを入れる、という順番を決めておけば、チェックが「メモは書き終えた」という合図になります。

チェックが入ったらすぐ下書きを作らず、翌朝10時まで待ちます。 閉店後の夜中に下書きができても、店長が見るのは翌朝です。逆に、夜中に書かれたお礼のメールを幹事に送ってしまう事故も避けられます。 翌朝10時なら、店長が出勤して仕込みを始める前に、下書きがそろっています。

声かけは、毎週月曜の朝9時半に拾います。 声をかける時期は日付で決まるので、何かが起きるのを待つのではなく、毎週、時期が来た幹事を台帳から探します。 週の初めに一覧が届けば、店長はその週のうちに連絡できます。

Zapier のヘルプでは、行を足したり消したりするあいだは Zap を止めるよう勧められています。 台帳の行を並べ替えたり、古い行をまとめて消したりするのは月末の決まった時間にだけ行い、そのあいだは Zap を止めます。止めると Delay Until で待っているお礼が動かなくなる点は、例外処理で扱います。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
宴会の行店舗、宴会日、幹事の名前、会社・団体の名前、メールアドレス、人数、コース、用途宴会の台帳
当日のメモ店長が閉店のときに書く1行(好評だった料理、人数の増減、幹事の要望)宴会の台帳のメモの列
苦情の印当日に料理や接客で苦情があったか宴会の台帳
案内の表用途と時期ごとの、次の宴会の案内の文(「忘年会の早めのご予約」「歓送迎会のコース」など)と、案内を出す期間案内の表(別のシート、本部が更新)
声かけの時期の表用途ごとに、宴会日から何日後に声をかけるか(忘年会なら翌年の9月、歓送迎会なら翌年の1月など)案内の表
店舗の情報店舗名、Gmail の接続、Slack のチャンネル、署名、配信をやめる連絡の方法の一文店舗の表

質を決めるのは、当日のメモと案内の表です。 メモが空だと、お礼は定型の挨拶になります。案内の表が無いと、AIは「次回もお得なプランをご用意しています」のような、店が決めていない案内を書きます。案内は本部が表で決め、AIはそこから選ぶだけにします。

苦情の印のある宴会は、Zap①で止めます。 料理が遅れた、注文を間違えた、という宴会の幹事に、AIの書いたお礼と次の案内が届くのは逆効果です。この場合は、店長が自分で電話をします。

Step3

データの取得方法を決める

Zap①では、トリガーで届いた行の値をそのまま使います。 当日のメモも用途も同じ行にあるので、別の検索は要りません。案内の表は、用途と宴会日の月で Lookup Spreadsheet Row を使って1行引きます。

Zap②では、Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) で声かけの対象の行をまとめて取ります。 検索の列を「声かけの対象」にし、値を「対象」にします。この列は、台帳の式で次のように出します。

列式の考え方
次回の声かけ日用途が毎年の行事(忘年会・新年会・歓送迎会・決まった会の懇親会)なら、声かけの時期の表から日付を出す。接待の会食など毎年でないものは空
声かけの対象次回の声かけ日が今日から14日以内、声かけの下書き日が空、連絡不要が空、苦情の印が空なら「対象」

同じ幹事が今年すでに予約していたら、対象から外します。 幹事のメールアドレスと用途で、今年の宴会日の行があるかを式で数え、あれば声かけの対象にしません。 これを忘れると、もう予約してくれた幹事に「今年もいかがですか」と送ることになります。

取るものどこから何に使うか
会計済みになった宴会の行Zap①のトリガーお礼の下書き
次の宴会の案内案内の表を Lookup Spreadsheet Row でお礼に添える案内
声かけの対象の行Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)声かけの下書きと一覧
店舗の接続と署名店舗の表どの受信箱とチャンネルに出すか
Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 対象外を止める … Zap①では、メールアドレスが空、連絡不要の印あり、苦情の印ありの行を、最初の Filter で止めます
  2. メモの長さを見る … メモが空なら「メモなし」として渡します。AIには、メモなしのときは当日の様子に触れないよう指示します
  3. 案内を選ぶ … 用途と宴会日の月から、案内の表の行を1つ引きます。当てはまる案内が無ければ「案内なし」として渡します
  4. 渡さない列を外す … 幹事の電話番号、会計の金額、店舗の内部のメモ(「支払いが遅れがち」など)は、AIに渡しません
  5. 店舗の情報を付ける … 店舗の列から、署名、Gmail の接続、Slack のチャンネルを決めます
  6. Zap②の重複を除く … 同じ幹事が去年2回宴会をしていたら、声かけは1回にまとめます

6番目のまとめは、幹事のメールアドレスで行います。

4番目で会計の金額を外すのは、お礼のメールに金額を書く理由がないからです。 「本日は○万円のご利用」と書かれたお礼は、幹事が社内に転送しにくくなります。渡さなければ、書きようがありません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、2つの場面のメールの件名と本文を作り、何を使ったかを書くことだけです。

項目お礼(Zap①)声かけ(Zap②)
件名店舗名と、昨日のお礼であることが分かる件名店舗名と、昨年の宴会のお礼と今年の案内であることが分かる件名
書き出し昨日の来店へのお礼昨年の宴会へのお礼(宴会の月と用途を書く)
中身当日のメモに書かれたことを1つだけ取り上げる。メモなしなら触れない昨年の人数とコースを1行で振り返る
案内案内の表の文をそのまま1つ添える。案内なしなら添えない案内の表の文をそのまま1つ添える
次の一歩返信で次の相談ができること日程の候補を返信でもらえること
配信をやめる連絡の方法店舗の表の一文をそのまま入れる同じ

メモから取り上げるのは1つだけにします。 「土鍋ごはんが好評、途中で4名増えた、二次会の場所を気にしていた」と3つ書かれていても、全部を入れると店長のメモを読み上げたような文になります。 幹事が読んでうれしいものを1つ選ばせます。

させないこと理由
メモに無い当日の様子を書く推測は外れる。苦情のあった宴会に「楽しんでいただけて」と書きかねない
料金・割引・特典を書く案内の表に無い約束になる
案内の表に無い案内を作る本部が決めていない案内を店が出すことになる
会計の金額や支払いに触れるお礼のメールに書くものではない
参加者の個人に触れる幹事以外の参加者の名前や様子は、メモにあっても書かない
送信する送るのは店長

1行目がいちばん大事な禁止です。 メモが空のとき、AIは「皆さまにお楽しみいただけたようで何よりです」と書きます。読みやすく、そのまま送られやすい一文ですが、実際は料理が遅れて幹事が謝っていた宴会かもしれません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは飲食店の店長です。
宴会の幹事の方へのメールの件名と本文を作ってください。
与えられた情報だけを使ってください。

【場面】{case_type}
- thanks ... 昨日の宴会のお礼
- next_year ... 昨年の宴会のお礼と、今年の宴会のご案内

【書き方】
- thanks では、昨日のご来店へのお礼から書き始めてください。
  当日のメモに書かれたことから、幹事の方が読んでうれしいことを1つだけ選び、
  1文で触れてください。メモが「メモなし」なら、当日の様子に触れないでください。
- next_year では、昨年の宴会の月と用途、人数とコースを1行で振り返ってください。
- 案内が渡されていれば、案内の文をそのまま1つだけ添えてください。
  「案内なし」なら、案内を書かないでください。
- 店舗の表にある「今後のご案内が不要な場合」の一文を、そのまま入れてください。
- 本文は全体で250字程度、段落は3つまでにしてください。
- 署名は与えられた署名をそのまま使ってください。

【厳守事項】
- メモに書かれていない当日の様子を書かないでください。
  「お楽しみいただけたようで」「ご満足いただけたかと」も使わないでください。
- 料金、割引、特典を書かないでください。案内の文にあるものだけを使ってください。
- 案内の文を書き換えたり、新しい案内を作ったりしないでください。
- 幹事の方以外の参加者の名前や様子を書かないでください。
- 会計の金額や支払いに触れないでください。
- 情報が足りず書けない場合は、本文を書かずに missing に足りない項目を挙げてください。

【宴会の情報】{banquet}
【当日のメモ】{memo}
【案内】{offer}
【店舗の情報】{store}

「お楽しみいただけたようで」まで名指しで禁じるのは、推測を禁じるだけでは足りないからです。 飲食店のお礼のメールには決まった言い回しがあり、AIはそれを「推測」と思わずに書きます。言い回しそのものを禁じます。

本文を250字程度にするのは、幹事がスマートフォンで読むからです。 宴会の翌朝、幹事は会社でほかの参加者へのお礼や精算に追われています。長いお礼は、読まれずに残ります。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目を、次のように定義します。

項目型説明
subjectテキスト件名
bodyテキスト本文(署名まで)
case_typeテキストthanks / next_year
memo_usedテキスト取り上げたメモの文。メモなしなら空
offer_usedテキスト添えた案内の番号。添えなければ空
missingテキスト書けなかったときの足りない項目。書けたら空

項目を分けて受けるのは、検査のためです。 Zap の中で次の3つを確かめ、どれかに当たったら下書きを作らず、台帳に「要確認」と書いて店長に任せます。

  1. missing が空でない
  2. body に「円」「%」「割引」「お得」の文字があり、offer_used が空
  3. メモが「メモなし」なのに memo_used が空でない

3番目が、作られた当日の様子を止める検査です。 メモを渡していないのに「取り上げたメモ」が返ってきたら、AIが様子を作っています。

Zap②では、下書きのほかに Slack へ次の形で知らせます。

【今週の声かけ】○○店
・△△株式会社 □□様(昨年12月 忘年会 24名 季節の会席)
  声かけ日:10月14日 / 下書き:店舗の Gmail にあり
・(以下、対象の幹事ごとに1件)
メールで送るか、電話するか、見送るかを台帳の「声かけの方法」に書いてください。

Slack には、幹事のメールアドレスと当日のメモを載せません。 チャンネルにはアルバイトの社員も入っていることがあります。会社名と幹事の名前、昨年の宴会の概要だけにします。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
宴会の台帳New or Updated Spreadsheet Row会計済みの列の変化で Zap①を動かす
宴会の台帳Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)声かけの対象の行をまとめて取る
AI by ZapierBring Your Own Key(Claude)お礼と声かけのメールの下書き
GmailCreate Draft店舗の受信箱に下書きを作る
SlackSend Channel Message店舗のチャンネルに声かけの一覧を送る
宴会の台帳Update Spreadsheet Row下書き日と要確認の印を書く

Gmail の接続は店舗ごとに分けます。 幹事は、予約のときにやり取りした店舗のアドレスから返事が来ることを期待しています。本部のアドレスから届くと、誰からのメールか分からなくなります。 5店舗分の接続を作り、店舗の列で切り替えます。

下書きを自動で送る作りにはしません。 Gmail には Send Email のアクションもありますが、お礼のメールは店長の名前で出すもので、店長が読んでから送ります。

Step9

人が確認する

店長は、毎朝の仕込みの前に下書きを読みます。

  1. お礼の下書きを読む … メモの取り上げ方が幹事にとって気持ちのよいものかを確かめます。「途中で4名増えた」を「急な増員にもご対応できて」と書かれていたら、幹事が責められているように読めないかを見ます
  2. 案内を確かめる … 添えられた案内が、その幹事に合っているかを見ます。接待の会食の幹事に、忘年会の団体の案内はそぐいません
  3. 直して送る … 1行足すか、そのまま送るかを決めます
  4. 声かけの一覧を見て、方法を決める … メールか電話か見送りかを、台帳の「声かけの方法」に書きます

4番目の見送りは、理由を残します。 「会社が移転した」「幹事が替わった」など、選択肢から選びます。この記録が、店長が替わっても関係を引き継ぐ材料になります。

本部の宴会の担当は、週に1回、店舗ごとの数を見ます。 下書きのうち送られた数、要確認で止まった数、メモが空だった数です。メモが空の割合が高い店舗には、閉店のときのメモの書き方をもう一度伝えます。 送られない下書きが続く店舗は、文面か案内の表がその店の客層に合っていない合図です。

目標は、180件をならして1件3分です。 そのまま送れるお礼は1分ほど、声かけで電話をかけるものは5分以上かかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
メールアドレスが空Zap①の Filter で止め、台帳に「アドレスなし」と書く。声かけは電話で行う
苦情の印があるZap①で止める。店長が自分で電話する
会計済みのチェックを外して付け直したお礼の下書き日が入っていれば、Filter で止めて二重に作らない
Zap を止めていたあいだに会計済みになったDelay Until の待ちは動かない。月末の整理の後に、下書き日が空の会計済みの行を手で拾う
案内の表に当てはまる案内が無い「案内なし」で渡し、お礼だけを書く
AI が missing を返した下書きを作らず「要確認」と書く
本文に料金の言葉があり案内を使っていない下書きを作らず「要確認」と書く
声かけの対象が500行を超えるLookup の上限とされている。店舗ごとに Zap②を分ける
幹事がすでに今年の予約をしている式で対象から外す。外れていなければ店長が見送りにする

4行目は、運用を始めるとすぐに起きます。 台帳の整理で Zap を止めた夜に宴会が3件あれば、その3件のお礼は作られません。整理の後に下書き日が空の行を数える手順を、月末の作業に入れておきます。

Step11

記録を残す

  • お礼と声かけの下書きを作った日、場面、使ったメモと案内(台帳)
  • AI の出力の全項目を、別のシートに1行ずつ
  • 検査で止めた理由(missing、料金の言葉、メモの不一致)
  • 店長が送ったか、電話にしたか、見送ったかと、その理由
  • 声かけの後に予約が入ったか

ログのシートは、店長が書き換えられない権限にします。 送った文面との違いを後から見るための記録なので、本部だけが編集できるようにしておきます。

声かけの後に予約が入ったかは、用途ごとに数えます。 忘年会の声かけを9月に出すのが早いのか遅いのか。声かけの時期の表を、この数字で本部が見直します。

04実装レベルの3段階

最小構成:宴会の行とメモを手で生成AIの画面に貼り、お礼を下書きさせる / 1件ごとのお礼の下書き
半自動化:上記+会計済みの列で Zap①が動き、翌朝に店舗の受信箱へ下書きを置く。毎週 Zap②が声かけの対象を拾い、下書きと Slack の一覧を出す / お礼と声かけの下書き、声かけの対象の拾い出し
本格構成:上記+予約の仕組みから宴会の行を自動で台帳に入れ、声かけの後の予約の有無を自動で追う / 台帳への記入と、声かけの成果の追跡

本記事の想定は半自動化です。 1件8分のうち、幹事を確かめ、メールを一から書き、案内を探す時間が無くなります。本格構成は、予約の仕組みからデータを取り出す方法が要るので、予約の仕組みの会社との相談になります。 最小構成では、翌年の声かけが回りません。 お礼は試せますが、(b)の「翌年の声かけを忘れる」は、台帳の式と Zap②があって初めて解決します。 段階を飛ばさないでください。 Zap①だけを1か月回すと、メモが書かれる割合と、お礼がそのまま送られる割合が分かります。メモが書かれないうちに Zap②を足しても、声かけの文面が薄くなるだけです。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
5 名
月間件数
180 件
1件あたり現在時間
8 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  180件 × 8分 ÷ 60 = 24 時間/月
導入後 180件 × 3分 ÷ 60 = 9 時間/月
月間削減時間
15h
削減率
63%
年間削減時間
180h
年間金額換算(時間単価2,000円)
36万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 会社の歓送迎会や忘年会、接待の会食など、幹事から宴会の予約を受けることの多い飲食店やホテルの宴会場。数店舗を持ち、宴会の予約を店舗ごとの台帳かスプレッドシートで管理しているが、宴会のあとのお礼や翌年の声かけが店長の記憶に頼っている場合。Google Workspace と Slack を使っている場合。
向いていない
  1. 宴会がほとんどなく、個人の来店が中心の店。宴会の予約を予約サイト経由だけで受け、幹事のメールアドレスを店が持たない場合。幹事が毎回変わる一回限りの宴会が中心の場合。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の宴会から15件を選ぶ(うち数件は、当日のメモが空のものと、苦情のあったものを入れる)
  2. 案内の表を、本部がいま出している案内から5つほど作る
  3. 社内で使える生成AIの画面に、1件分ずつ宴会の情報、メモ、案内を貼り、第7章の指示を渡す
  4. 出てきた下書きを、店長がふだん書いているお礼と比べる
  5. メモが空のものに、当日の様子を作って書いていないかを見る

15件は必ずやってください。 Zap を組む前に、1行のメモでお礼がどこまで変わるかを店長に見てもらいます。

出てきた内容判断
店長が少し直せば送れるお礼が出たZap①に進む
メモが空なのに当日の様子を書いた指示で直る。禁じる言い回しを足す
案内の文を書き換えた案内の表を短い文にし、そのまま使うよう指示を強める

この段階で、メモの書き方の見本を作ります。 「好評だった料理」「人数の増減」「幹事の要望」のどれか1つを1行で、と決めておくと、閉店のときの店長の負担が増えません。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
メモが空なのに当日の様子を書く決まった言い回しまで名指しで禁じ、memo_used で検査する
料金や特典を書く案内の表の文だけを使わせ、料金の言葉を検査で止める
案内の文を書き換える案内の文を短くし、そのまま使うよう指示する
台帳の編集のたびに Zap が動く監視の列を「会計済み」だけにする
夜中に下書きができて送られるDelay Until で翌朝10時まで待つ
Zap を止めた夜のお礼が作られない月末の整理の後に、下書き日が空の行を手で拾う
苦情のあった宴会にお礼と案内が届く苦情の印で Zap①を止め、店長が電話する
今年もう予約した幹事に声かけする式で今年の予約の有無を数え、対象から外す
Slack に個人の情報が流れる一覧は会社名と幹事の名前、昨年の概要だけにする
本部のアドレスから届くGmail の接続を店舗ごとに作り、店舗の列で切り替える
AI の task が12月に跳ねる階層を確かめ、Bring Your Own Key にする

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、AIが「お礼らしい」文を書こうとして起きます。メモに無いことは書かない、案内の表に無いことは書かない。 指示と検査の両方で守ります。

苦情と予約済みの2行も、早く効いてきます。 どちらも一通で幹事の印象を悪くします。式と Filter で、AIに渡す前に止めます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 幹事の名前とメールアドレス、会社・団体の名前、宴会の人数とコース、店長のメモです。

  1. AIに渡す範囲を絞る … 幹事の電話番号、会計の金額、店舗の内部のメモは渡しません。店長のメモに参加者の名前を書かない、という決まりも作ります
  2. 広告や宣伝のメールの決まりを確かめる … 次の宴会の案内は、店の営業の広告や宣伝に当たりえます。特定電子メール法は、あらかじめ同意した者、自分のメールアドレスを通知した者、取引関係にある者などを除いて、特定電子メールの送信を制限しています。予約のときにメールで案内を送ってよいかを幹事に確かめ、台帳に残しておきます
  3. 配信をやめる連絡の方法を入れる … 同法は、送信者の名称と、送信をしないよう求める通知を受けるためのメールアドレスなどの表示を求めています。店舗の表の一文として固定し、AIに書き換えさせません。 「不要」と返ってきたら連絡不要の列に印を付け、以後は拾いません
  4. 送信は店長が行う … 下書きを自動で送る作りにしません。宴会の当日の空気を知っているのは店長です
  5. Slack のチャンネルの参加者を確かめる … 声かけの一覧は店長と社員だけが見られるチャンネルに送ります。アルバイトも入る全体のチャンネルには送りません
  6. Claude のアカウントの扱いを確かめる … Bring Your Own Key では、自社の Claude のアカウントにデータが送られます。自社の契約で、入力がどう扱われるかを確かめてから使います

誤りが起きた場合のリスクは、事実でない当日の様子を幹事に送ることと、案内を断った幹事に案内が届くことの2つです。 前者はメモの検査と店長の確認で、後者は連絡不要の列と配信をやめる一文で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:台帳に列を足し、メモの書き方を決める

台帳に「会計済み」「お礼の下書き日」「連絡不要」「苦情の印」の列を足します。閉店のときに書くメモの見本(好評だった料理、人数の増減、幹事の要望のどれか1つを1行で)を、5店舗の店長に配ります。

2週目:15件で試す

先月の宴会から15件を選び、社内で使える生成AIの画面でお礼を下書きさせます。メモが空の宴会に当日の様子を作って書いていないかを最優先で見ます。

3週目:案内の表を作る

本部が、用途と時期ごとの案内の文と、声かけの時期の表を作ります。 案内の文は1〜2文の短いものにします。配信をやめる連絡の方法の一文も、この週に決めます。

4週目:Zap①を作る

会計済みの列の更新、Filter、Delay Until、AI by Zapier、Create Draft、Update の順につなぎます。最初の2週間は、全店舗の下書きを本部の宴会の担当の受信箱に置き、文面を見てから店舗の受信箱に切り替えます。

2か月目: Zap②を足し、声かけの対象の式と Slack の一覧を回します。3か月目以降: 1件8分が何分になったかを実測し、用途ごとに声かけの後の予約の数を数えます。声かけの時期の表を、その数字で一度見直した時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-12/最終更新:2026-10-13
確認した内容情報源確認日
監視の列を Any column にすると空のセルを埋めるような小さな編集でも Zap が動くこと。特定の列を監視の列にするとその列が変わったときだけ動くこと。行を足す・消すあいだは Zap を止めること。空の行を Filter で止めることZapier Help: Google Sheets triggers unexpectedly or too soon2026-10-12
Delay For・Delay Until・Delay After Queue があること。最長1か月(30日)、最短1分であること。task の数に入らないこと。Zap を止めているあいだに予定された動きは戻しても動かないこと。Professional 以上で使えることZapier Help: Add delays to Zaps2026-10-12
Schedule by Zapier で毎週の曜日と時刻を指定できること。アカウントの時間帯に従い、指定の分ちょうどに動く保証は無いことZapier Help: Schedule Zap workflows to run at specific intervals2026-10-12
Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) が、列と値で最大500行を line items として返すことZapier Help: How to get started with Google Sheets on Zapier2026-10-12
AI by Zapier で出力の項目を定義できること。Premium(5倍)が新しいステップの既定で、Bring Your Own Key(Anthropic など)は1倍であること。Professional 以上に含まれることZapier Help: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-12
Slack の Send Channel Message でチャンネルに投稿でき、投稿の予約もできること。チャンネルへの投稿はおおむね1秒に1件が目安で、続けて送ると制限がかかりうることZapier Help: How to get started with Slack on Zapier2026-10-12
特定電子メールの定義(第2条)。あらかじめ同意した者、メールアドレスを通知した者、取引関係にある者などを除いて送信してはならないこと(第3条)。送信者の名称と、送信をしないよう求める通知を受けるためのメールアドレスなどの表示が要ること(第4条)e-Gov 法令API: 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律2026-10-12

案内の内容と配信の同意の扱いは、本部と、必要に応じて法務の担当と決めてください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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