【2026年】AIが作った資料を出す前の確認|検収で見る4つの欄

「AIに作らせた提案資料をそのまま出したら、取引先から出典の1つが見当たらないと指摘されました」「社内で使う分は気にしていなかったのですが、外に出す資料だけ誰がどこまで見るのかが決まっていません」——社外向けの資料にAIを使い始めた会社から、この2つは続けて出てきます。総務省の「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月公表)では、自社の何らかの業務で生成AIを使っている日本企業は86.4%に達しました。使う会社が9割近くになった以上、社外に出る成果物にAIの出力が混ざっているのは前提です。事故は、AIを使ったから起きるのではありません。出す直前に、見る欄と見る人を決めていないから起きます。この記事では、検収で見る4つの欄と、その順番、記録の残し方、そしてAIに任せない範囲を整理します。
カメ先生AIが作った資料は、人が読み直せば大丈夫だと思われがちなんだ。でも、通して読むという見方では、もっともらしく書かれた誤りはそのまま通ってしまう。読みやすい文章ほど引っかからないんだよ。
カメ子文章として自然かどうかと、中身が正しいかどうかは別だ、ということですか。
カメ先生そうなんだ。だから検収では、通して読むのをやめて、見る対象のほうを決める。数字だけを抜いて見る、出典だけを抜いて見るという形に切り替えると、同じ人が見ても見つかる数が変わってくる。
カメ子読む順番ではなく、見る対象で分けるということでしょうか。
- 社外に出た後で見つかる事故は、存在しない出典・古い数値・他社の表現の混入・社内限りの情報の残りの4つに集まる。通して読むだけでは、どれも見つけにくい
- 検収は事実・出典・権利・体裁の4つの欄に分けて見る。欄ごとに見る人と順番を決めておくと、時間が足りない日でも削る場所が決まる
- AI生成物は、利用に先立って既存の著作物と類似していないかを確認することが必要(文化庁・2024年7月31日公表の資料)。生成に使った指示文を残しておくと、後から説明できる
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外に出した後で見つかる事故が増えている
日本経済新聞が2025年10月に報じたところでは、大手のコンサルティング会社が豪州の政府機関向けに作った報告書に、存在しない法的な参照や架空の引用、脚注が含まれていることが判明し、報酬の一部が返金されました。経済誌フォーブスの日本版が2026年8月13日に公開した記事によれば、報告書は約237ページ、受託額は約44万豪ドルでした。専門の会社が作り、相手が政府機関という条件でも、外に出るまで気づかれていません。
この事例が示しているのは、量と体裁が整っているほど見つかりにくいという性質です。ページ数が多く、脚注まで付いている資料は、それだけで確かめられた資料に見えます。実際には、脚注の形をした文字列が並んでいるだけということが起こります。体裁の整いは、中身が正しいことの証拠にはなりません。
この記事で扱うのは、出来上がった成果物が社外に出る直前に、社内で何を確かめるかだけです。AIに何を渡す前にどう整えるかという入力側の話は扱いません。AIを使ったことを成果物にどう書き添えるかという表示の話も、入札や提案書でAIの利用をどう申告するかも扱いません。表記や体裁の規定をどう作るかにも入らず、出す直前に目で見る側だけを扱います。
社外に出る成果物の事故は4つの型に分かれる
1つ目は存在しない出典です。実在する機関の名前と、実在しそうな報告書名と、実在しない番号が組み合わされた形で現れます。機関名が正しいので、途中まで確かめると正しいように見えます。先ほどの報告書の件も、この型です。
2つ目は古い数値です。数値そのものは実在した値なので、検索すれば見つかります。見つかるために、確かめたつもりになりやすいのが厄介なところです。年次の統計は毎年更新されるので、2年前の版の数値が最新として書かれていても、文章としては何の違和感もありません。3つ目は他社の表現の混入で、業界で広く使われている言い回しに見えて、実際には特定の会社の資料に固有の表現が混ざっている場合があります。
4つ目は社内限りの情報の残りです。社内向けに作った資料を土台にして社外版を作らせると、原価や取引先の名前、社内の呼び名がそのまま残ります。4つのうち、いちばん早く取引に影響するのがこの型です。前の3つは指摘を受けてから直せますが、社内限りの情報は出た時点で戻せません。
検収で見る4つの欄
4つの事故の型に対応させると、見る欄も4つになります。事実、出典、権利、体裁です。ここでいう検収は、外に出す直前に社内で行う受け入れの確認のことで、通して読むこととは別の作業として置きます。欄を決めることの効果は、見落としが減ることより、時間が足りない日に何を削るかが決まることにあります。
| 欄 | この欄で見るもの | 見つけ方 | 見落としたまま出ると起きること |
|---|---|---|---|
| 事実 | 数値、固有名詞、日付、肩書き | 本文から抜き出して一覧にしてから見る | 訂正の連絡が必要になり、資料を出し直す |
| 出典 | 示した先が実在するか、書いてある内容と一致するか | 参照先を1件ずつ開き、確かめた範囲を記録する | 相手が参照先にたどり着けず、資料全体の信用が落ちる |
| 権利 | 既存のものと似ていないか、使ってよい素材か | 検索で類似を確かめ、生成に使った指示文を残す | 権利者からの申し出を受け、公開の停止や差し替えが必要になる |
| 体裁 | 社内限りの表記、版と日付、空欄、見出しの飛び | 画面ではなく出す形にしてから通しで見る | 社内の情報が外に出る。戻せない |
表の右端の列に注目すると、欄によって取り返しのつきやすさが違うことが分かります。事実と出典は、指摘を受けてから直せます。権利と体裁は、出た時点で取り返しが難しくなります。時間が足りないときにどの欄から見るかは、この差で決まります。後で触れる順番は、ここから導かれます。
事実の欄は、抜き出してから見る
事実の欄で最も効くのは、本文から数値と固有名詞だけを抜き出して一覧にすることです。文章の流れの中で数値を見ると、前後の文が支えになって正しそうに見えます。一覧にすると支えが外れるので、根拠のない数値が浮き上がります。1ページあたり10個前後になることが多く、20ページの資料でも200個程度です。
抜き出す対象は4種類に決めておきます。数値、組織や人の固有名詞、日付や年度、肩書きや役職名です。このうち見落とされやすいのは肩書きで、実在する人に実在しない役職が付いている形が起こります。組織名が合っているので、途中まで確かめると正しく見えてしまいます。役職は組織の公開情報で直接確かめるのが確実です。
一覧にしたあとの見方にも順番があります。まず、その数値がどこから来たかを言えるかを見ます。言えないものに印を付け、印が付いたものだけを調べます。全部を調べ直すと時間が足りなくなり、結局どれも浅くなります。印の付いたものが全体の3割を超えるようなら、その成果物は検収ではなく作り直しの段階にあると判断したほうが早く終わります。
出典の欄は、確かめた範囲を記録に残す
出典の欄でやることは、示した先を1件ずつ開き、書いてあるとおりのことがそこに書かれているかを見ることです。リンクが開くことと、書いてあることが一致することは別です。実在するページに飛ぶけれども、そのページにはその数値が載っていない、という形が最もよく起こります。
ただし、出典が確認できないときにどうやって裏を取るかという手順そのものは、この記事の領分ではありません。検収の側でやるのは、何件のうち何件まで確かめたか、確かめられなかったものをどう扱ったかを記録に残すことです。確かめていない出典を、確かめていないと分かる形で残すのが目的で、すべてを確かめきることが目的ではありません。
記録の形は簡単で構いません。出典の一覧に、確認済み、未確認、本文から削除、の3つの印を付けるだけです。未確認のまま外に出すという選択も、印が付いていれば後から追えます。印がないまま出ると、指摘を受けたときに誰がどこまで見たのかを再現できません。この再現できるかどうかが、後の戻し方の速さを決めます。
権利の欄は、出す前に似ていないかを見る
文化庁著作権課が2024年7月31日に公表した「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」には、業務でAIを利用する立場の者が取るべき方策として、AI生成物はその利用に先立って、まずは既存の著作物と類似していないかを確認することが必要と書かれています。確認の手段としては、文章の検索や画像の検索の活用が挙げられています。
同じ資料には、生成する段階と利用する段階で判断が変わりうる、という指摘もあります。生成それ自体は適法に行える場合でも、生成物をさらに利用しようとする場合には、権利を侵害しないかの確認が必要になるという整理です。社内で試した時点では問題にならなかったものが、社外に出す時点で問題になりうるということです。検収という工程を社外に出す直前に置く理由は、ここにもあります。
実務の手順としては、成果物の中から特徴的な言い回しを3つから5つ選び、そのまま検索するのが最小の形です。画像や図を含む場合は画像の検索も同様に行います。完全に一致するものが出てきた場合は、その部分だけを書き直します。この作業は1本あたり10分ほどで終わるので、社外に出るすべての成果物に対して行っても、運用は成り立ちます。
権利の欄の続き:生成の過程を残しておく
同じ文化庁の資料には、もう1つ実務に効く項目があります。生成に用いた指示文など、生成物の生成過程を確認可能な状態にしておくよう努めることが望まれるという記述です。理由も書かれていて、権利の侵害が問われる際の要件のうち、既存の作品に依拠していないことを説明できるようにしておくためです。
同じ資料は、既存の作品の題名や、登場する人物名などの固有名詞を指示文に入れた場合は、依拠が認められやすくなるとも指摘しています。つまり、指示文の中身そのものが後から意味を持ちます。残すのは、最終的に使った指示文、参照させた社内の資料の名前、生成した日付の3つで足ります。会話の全部を残す必要はありません。
もう1点、利用規約の側の確認も権利の欄に入れておきます。同じ資料は、サービスの利用規約等で他人の著作物を入力することが禁止または制限されている場合がある、と述べています。社内で使っているサービスがその制限を置いているかどうかは、成果物ごとではなく、導入時に一度確かめて共有しておく項目です。検収のたびに規約を読み直すのは現実的ではありません。
体裁の欄は、出す形にしてから通しで見る
体裁の欄は、取り返しがつかない割に、見るのに時間がかからない欄です。見るのは4か所だけで足ります。社内限りの表記が残っていないか、版と日付が正しいか、差し込みの空欄が埋まっているか、見出しの階層が飛んでいないか。ここで表記の規定を新しく作る必要はなく、出す直前に目で見るだけです。
社内限りの表記は、具体的には社内の略称、原価や仕入れに関する数字、取引先の実名、作成途中のメモの残りです。元にした社内向けの資料が長いほど、残る確率は上がります。検索で社内の略称を1つずつ当たるより、社外版を白紙から作らせて、社内版と並べて見るほうが確実に見つかります。
4か所を見るときは、編集の画面ではなく、相手が受け取る形にしてから通しで見ます。差し込みの空欄や見出しの飛びは、編集の画面では気づきにくく、出す形にすると目に入ります。この欄にかかる時間は20ページで5分程度なので、どれだけ急いでいても省かない欄として扱えます。
- 本文の外側にも社内の情報が残る(作成者の名前、社内の版数、元の資料の名前が、書類の情報欄に残ったまま出ることがある)
- 差し替え版は、前の版と並べて見る(直した箇所だけを見ると、直した拍子に崩れた見出しや表の行が残る)
- 図や表の中は本文の見直しから漏れやすい(社内限りの数字は、本文より図の中に残る)
誰が検収するかを先に決める
検収を作った本人がやると、見つかる数が落ちます。理由は注意力ではなく、作った過程を覚えているために、書かれていないことまで読めてしまうからです。数値の根拠を本人は知っているので、資料に書かれていなくても補って読みます。受け取る側は補えません。
かといって、全部を別の人が見るのは現実的ではありません。分け方はこうします。事実と出典は作った本人以外が、権利と体裁は作った本人が見る。権利と体裁は、記憶で補ってしまう性質のものではないので、本人でも見つかります。事実と出典だけを別の人に回すという分け方なら、1本あたり30分程度で回ります。
別の人に回すときは、成果物だけを渡さないようにします。一緒に渡すのは、数値の出どころを書いたメモと、出典の一覧の2つです。これがないと、受け取った人は根拠を探すところから始めることになり、30分では終わりません。逆に言えば、この2つを渡せない成果物は、まだ検収に出せる状態ではありません。依頼のしかたも決めておきます。「確認をお願いします」ではなく、「事実の欄と出典の欄を見てください」と欄の名前で頼みます。
- 別の人は、その分野に詳しい人である必要はない(詳しい人ほど、書かれていないことを補って読む)
- 見る人は固定しないほうがよい(同じ人が続けると、同じ型の見落としが積み上がる)
- 承認する立場の人と、検収する人は分けておく(承認は判断、検収は照合で、混ぜると両方が浅くなる)
全部は見られないときに、何から見るか
納期が迫っていて4つの欄をすべて見られないことは必ず起きます。そのときに毎回判断していると、見る順番が人によって変わります。順番は事前に決めて、資料の側に書いておきます。決め方の基準は、先ほどの表の右端、つまり取り返しのつきやすさです。
社内限りの情報が残っていないかを最初に見ます。出た時点で戻せない唯一の型で、かつ5分で終わるためです。
特徴的な言い回しを3つから5つ検索します。公開の停止や差し替えにつながる型なので、事実より先に置きます。
全部の数値ではなく、相手が判断に使う数値に絞ります。見積もりの前提、効果の見込み、期間がこれに当たります。
全件を確かめる時間がないときは、確かめていない出典に印を付けた状態で出す判断をします。印があれば後から追えます。
出した後に確かめた結果も同じ記録に残します。次に同じ資料を使うときの出発点になります。
この順番で進めると、時間が半分しかない日でも、取り返しのつかない2つの欄は必ず通ります。逆に、頭から通して読む方法では、時間が切れた時点で後半がまるごと未確認になります。どこまで見たかも残りません。順番を決めておくことの効果は、見落としを減らすことより、未確認の場所を特定できることにあります。
検収にかける時間を先に決めておく
検収が続かなくなる原因の多くは、時間が読めないことです。「できる範囲で見る」という決め方にすると、忙しい週に丸ごと飛ばされます。成果物の種類ごとに、かける時間の上限を先に決めておくほうが続きます。上限を決めると、その時間で見られる範囲に欄を絞る判断が自然に働きます。
目安としては、20ページ程度の提案資料で、体裁に5分、権利に10分、事実に20分、出典に件数に応じて15分から30分といった配分になります。公表された相場はないので、最初の3本を実際に計って自社の数字を作るのが確実です。計った結果、想定の倍かかるようなら、成果物の作り方の側に原因があります。
時間を決めることには、もう1つの効果があります。検収に入る前の状態が悪い成果物を、検収で吸収しなくなることです。上限を超えたら差し戻す、という運用にしておくと、作る側が出典を最初から残すようになります。検収は品質を作る工程ではなく、品質を確かめる工程なので、ここで作り直しを吸収し始めると必ず破綻します。差し戻すときは、直すべき箇所を指摘するのではなく、どの欄が見られる状態になかったかを伝えます。箇所を伝えると作る側はそこだけ直し、同じ型の不備が次の成果物にも残るためです。
検収の記録に何を残すか
記録は、事故が起きたときのためだけにあるのではありません。次に同じ資料を使い回すときの出発点になります。半年前に作った資料を再利用するとき、記録があればどの数値がいつ時点のものかが分かり、更新すべき箇所だけを直せます。記録がないと、全部を確かめ直すことになります。
| 残す項目 | 書く人 | 後で使う場面 |
|---|---|---|
| 見た欄と、見なかった欄 | 検収した人 | 指摘を受けたとき、どこが未確認だったかを即座に答える |
| 数値の出どころと、その時点 | 作った人 | 資料を再利用するとき、更新が要る数値だけを選ぶ |
| 確かめた出典の件数と、未確認の件数 | 検収した人 | 同じ出典を次の資料でも使うとき、確認を省ける |
| 生成に使った指示文と、参照させた社内資料 | 作った人 | 権利について説明を求められたとき、過程を示す |
| 検収にかかった時間 | 検収した人 | 成果物の作り方が悪化していないかを、後から見る |
5つのうち、4行目は文化庁の資料が求めている「生成過程を確認可能な状態にする」に対応します。残す場所は、成果物と同じ場所に1枚のメモとして置くのが最も続きます。別の管理の仕組みに入れると、忙しい週に記録だけが抜けます。記録が抜ける週があると、その週の成果物だけ後から追えなくなります。抜けにくさは、書く量より置き場所で決まります。
AIに検収させてはいけない3つ
検収の一部をAIに任せたくなりますが、任せてはいけない部分がはっきりしています。出典が実在するかの判定、権利の侵害に当たるかの判断、社内限りかどうかの判定の3つです。理由はどれも同じで、判定に必要な事実がAIの側にないためです。
出典が実在するかは、実際に開かないと分かりません。文章として整った出典名を作ったのと同じ仕組みが、その出典が実在すると答えることもできてしまいます。作った側に確かめさせているのと同じ構図になります。権利の判断は法的な評価を含むので、そもそも成果物の中だけでは決まりません。社内限りかどうかは、その会社の中にしかない情報です。
- 出典の一覧をAIに渡し、実在するかを判定させた。存在しない報告書に対して実在すると返り、そのまま出した結果、取引先から指摘を受けた
- 社外版の資料をAIに読ませ、社内限りの情報が残っていないかを聞いた。社内の略称が一般的な用語として扱われ、そのまま通った
- 検収の記録をAIに要約させ、要約だけを残した。指摘を受けたときに、どの出典が未確認だったかを特定できず、全件を確かめ直すことになった
3つに共通するのは、AIが「分からない」と答えにくい場面で使っていることです。判定を求めると何らかの答えが返り、その答えが検収を通ったという記録になってしまいます。人が確認する範囲を先に決めるというのは、この3つを人の側に固定しておく、という意味です。
AIに任せてよいのは、下ごしらえのほう
では検収でAIが役に立たないかというと、そうではありません。判定ではなく、抜き出しと並べ替えに使うと効きます。本文から数値と固有名詞を一覧にする、出典の一覧を作る、社内版と社外版の差分を並べる。どれも人がやると時間のかかる作業で、抜けが出やすい部分です。
使い方の条件は2つです。1つは、抜き出した結果に必ず元の位置を書かせること。何ページの何行目から抜いたかが分かれば、人が原文に戻って確かめられます。もう1つは、抜き出しの網羅性は人が最後に確かめること。1ページだけを目で数えて、一覧の件数と合うかを見れば足ります。
この形にすると、人の時間は判定に集中します。20ページの資料で数値の一覧を作る作業は、人がやれば30分かかりますが、抜き出しを任せれば5分で一覧が出ます。残りの25分を、根拠が言えない数値を調べる時間に回せます。同じ時間で、見つかる数が変わるのはここです。
- 本文から数値・固有名詞・日付・肩書きを抜き出して、元の位置を添えた一覧にする
- 出典として挙がっている先を一覧にして、重複しているものをまとめる
- 社内版と社外版を突き合わせて、社外版にだけ残っている語を並べる
- 資料全体から、特徴的な言い回しの候補を10個ほど挙げる(検索するのは人が選んだ3つから5つ)
反対に、下ごしらえを任せにくいものもあります。図表の中の数値と、画像の中に書かれた文字です。どちらも本文とは別に扱われるため、抜き出しから漏れます。図表が多い資料では、図表の一覧だけを人が別に作るほうが確実です。数が少ないので手間は増えません。漏れたまま検収を通すと、本文は確かめたのに図の数値が古い、という形で外に出ます。
指摘を受けたときの戻し方
取引先から指摘を受けたときに最初にやるのは、文章を書くことではありません。同じ成果物がどこまで出回っているかを数えることです。提案資料は複製されて社内で回覧されていることが多く、1社に出したつもりが複数の部署に渡っていることがあります。出回った先の数が、直し方を決めます。
次に、検収の記録から該当する欄を引きます。指摘された箇所が、未確認と印を付けていた場所なのか、確認済みとしていた場所なのかで、直す対象が変わります。未確認だったなら成果物を直せば済み、確認済みだったなら検収のやり方のほうを直す必要があります。この切り分けを記録なしでやると、毎回「気をつける」で終わります。
差し替えの手順は、出回った先の数だけ用意します。1社だけなら差し替え版を送って旧版の破棄を依頼する、社内で回覧されているなら回覧の起点に連絡する、公開していたなら公開を止めてから直す、という順です。なお、公表する文をどう書くかはこの記事では扱いません。ここで決めておくのは、止める、数える、差し替える、記録に追記するという4つの動作の順番だけです。文化庁の資料も、侵害が生じた場合に講じる対応をあらかじめ想定し検討しておくことが望まれる、としています。
検収が形だけになる兆しと、その直し方
検収は、始めるより続けるほうが難しい工程です。形だけになる兆しは3つあります。検収にかかる時間が回を追うごとに短くなっている、指摘の件数が0の回が続いている、同じ人が見続けている。どれも、悪意なく起こります。
時間が短くなるのは、慣れではなく省略が始まっている合図です。記録に時間を残しておくと、この変化は数字で見えます。指摘が0の回が続く場合は、作る側の品質が上がったのか、見る側が浅くなったのかを切り分けます。切り分け方は簡単で、過去に指摘が出た資料をもう一度検収に回し、同じ指摘が出るかを見ます。
- 社外に出る前に、体裁の欄(社内限りの表記・版と日付・空欄・見出しの飛び)を出す形で通しで見た
- 特徴的な言い回しを3つ以上そのまま検索し、完全に一致するものがないことを確かめた
- 相手が判断に使う数値について、どこから来たかを言える状態にした
- 出典は、確認済み・未確認・削除の印を全件に付けた
- 生成に使った指示文と、参照させた社内資料の名前を成果物と同じ場所に残した
- 事実と出典の欄は、作った本人以外が見た
同じ人が見続ける問題は、3か月ごとに担当を入れ替えるだけで解けます。入れ替えたときに指摘の件数が跳ね上がるなら、前の担当の見方に偏りがあったということです。これは個人の問題ではなく、同じ見方を続けると必ず起きる現象なので、入れ替えを仕組みとして持っておきます。
まとめ
AIが作った資料を外に出す工程で足りていないのは、多くの場合、注意力ではなく欄と順番です。この記事では、事故が集まる4つの型、それに対応する事実・出典・権利・体裁の4つの欄、取り返しのつきやすさで決める順番、記録に残す5項目、AIに任せてはいけない3つ、そして指摘を受けたときの4つの動作を見てきました。まず1本だけ、次に社外へ出す資料で体裁の欄を5分だけ見てみると、自社に何が残っているかが分かります。そこで出てきたものが、4つの欄のどこから手を付けるべきかを教えてくれます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
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