動画に他社の製品が映ってよい?|写り込みの線引き

「背景に他社の製品が映っていて、公開を止めている」「どこまでなら許されるのか、社内で判断がつかない」——自社で撮影を始めた企業が必ず当たる論点です。写り込みは、見つけたら撮り直すしかないものではありません。付随して入るものを認める決まりが用意されているからです。この記事では、その条件と線引きを整理します。
カメ先生写り込みはね、映っていたら駄目だと受け取られがちだが、付随して入るものについては認める決まりがあるんだ。
カメ子映っていても使える場合がある、ということですか。
カメ先生そうなる。ただし条件が三つあって、意図して置いたものは外れる。順に確かめる必要があるね。
カメ子撮り直すかどうかの前に、条件を確かめるのですね。
- 本来の対象に付随して写り込むものは、条件を満たせば利用できる
- 条件は三つ。軽微な構成部分であること、正当な範囲内であること、利益を不当に害しないこと
- 商標は別の枠組みで判断される。個別の判断は顧問の弁護士に確かめる
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動画に他社のものが入るのは避けられない
社内で動画を撮ると、必ず自社以外のものが画面に入ります。壁に貼られた案内、棚に並んだ書籍、机の上の道具、画面に出ている他社のソフト。完全に排除するには、何も置かれていない部屋で撮るしかありません。
現実には、それでは動画の目的が達せられません。作業の様子を見せたい動画で机の上を空にしてしまえば、何をしているのか分からなくなります。現場の空気を伝えたい動画も同じです。
そのため多くの会社では、撮った後に確認して悩むことになります。映っているものを一つずつ数え上げ、許諾が要るのかを判断しようとする。この作業は時間がかかり、結論も出にくいものです。
実は、この悩みを解く決まりが用意されています。付随して写り込むものについての規定です。撮影の際に本来の対象に付随して入り込む著作物は、一定の条件で利用できるとされています。
この決まりを知っているかどうかで、動画の制作の速度が変わります。知らなければ撮り直しを繰り返し、知っていれば条件を確かめて先に進める。この記事の内容は、動画を出す速さに直接効きます。
写り込みを認める決まりがある
この決まりは、著作権法の中で付随対象著作物の利用として置かれています。条文の番号では30条の2に当たります。撮影や録音、録画の際に、本来の対象に付随して入り込む著作物について、一定の条件で利用を認めるものです。
考え方は理解しやすいものです。机の上を撮ったら本の表紙が映る。街を撮ったら看板が映る。これを全部許諾なしに使えないとすると、写真も動画もほとんど撮れなくなります。その不合理を解くための規定です。
重要なのは、映っているものが「本来の対象」ではないという点です。机の上の作業を撮る動画で、たまたま本の表紙が映る。これは付随です。本の表紙を見せることが目的なら、付随ではありません。
この区別が判断の出発点になります。何を撮りたくて撮ったのか。その目的の中に、映っている他社のものが含まれているのか。ここを最初に確かめます。
目的の外にあるものであれば、次に条件を見ていきます。目的の中に入っているなら、この決まりでは扱えず、別の考え方が必要になります。順序を守ることが、判断を速くします。
この規定があることを知らないまま運用している会社は少なくありません。知らないと、必要のない撮り直しと片付けに時間を使い続けます。逆に、条件を読まずに「写り込みは何でも大丈夫」と理解してしまうと、別の失敗を招きます。認められる範囲があるという理解が正確なところです。範囲を把握しておけば、止めるべき動画と出せる動画を自分で分けられます。
2020年の改正で対象が広がった
この規定は2020年に改正され、使える範囲が広がりました。改正前は写真、録音、録画に限られていましたが、生の配信や画面の取り込みも対象に含まれるようになりました。
動画の運用にとっては大きな変更です。生配信では、映るものを事前にすべて確かめることができません。手元に置いた資料が映る、参加者の背景が映る。こうした場面が対象に含まれたことで、配信の運用が現実的になりました。
画面の取り込みが対象になったことも実務に効きます。業務の画面を見せる動画では、他社のソフトの画面が入ります。画面の中の図やアイコンが著作物である可能性を一つずつ考えるのは現実的ではありません。
もう一つの変更が、分離の困難性についてです。改正前は「分離が困難であること」が求められていました。改正後は付随性がある限り、分離の困難性は必要とされないという整理になりました。
この変更の背景として、意図的に設置する場合を含め、本来の撮影の対象に付随して写り込むものである限り、著作権者に生じる不利益は原則として軽微である、という考え方が示されています。後の節で扱う「意図的に置いた場合」に関わる重要な点です。
改正の時期を押さえておくことにも意味があります。2020年より前に作られた社内の決まりは、改正前の考え方で書かれている可能性があります。「分離が困難なものに限る」という条件が社内の手引きに残っていれば、実際より厳しい運用を続けていることになります。古い決まりを見直す機会として使えます。
三つの条件を順に確かめる
使えるかどうかは、三つの条件で決まります。軽微な構成部分であること、正当な範囲内であること、著作権者の利益を不当に害しないこと。この三つを順に確かめていく形になります。
条件は積み上げの関係です。一つ目を満たしても、二つ目で外れることがあります。三つ目は歯止めとして働き、他の条件を満たしていてもここに当たれば認められません。
| 条件 | 何を見るか | 動画での例 |
|---|---|---|
| 軽微な構成部分 | 占める割合、写っている精度など | 背景の壁に小さく映るポスター |
| 正当な範囲内 | 利益を得る目的、分離の困難さ、果たす役割 | 作業の様子を伝えるために必要な範囲 |
| 利益を不当に害しない | 著作物の種類と用途、利用の仕方 | 作品の内容が読み取れるほど大きく映さない |
表の一行目にある「精度」という言葉は、どれだけはっきり写っているかを指します。ぼやけて何が書いてあるか分からない程度なら軽微と判断されやすく、文字まで読める大きさで長く映れば軽微とは言いにくいということになります。
実務では、この三つを完全に判定できるとは限りません。個別の事案は最終的に裁判所が判断する話です。ここで整理した考え方は、社内で撮り直すかどうかを決める目安として使い、微妙な事案は顧問の弁護士に確かめるのが安全です。
三つの条件は、順に見ていくと判断が速くなります。一つ目で外れたら、そこで止めて処理を考える。三つを同時に考えようとすると、どの条件で引っかかっているのか分からなくなります。社内の確認の書式を作るなら、この三つを別の欄に分けておくと、後から見返したときに判断の理由が追えます。
軽微な構成部分とはどの程度か
一つ目の条件は、作成した動画の中でその著作物が軽微な構成部分になっていることです。判断の材料として、占める割合と写っている精度が挙げられています。
占める割合は、画面の面積で考えると分かりやすいです。背景の壁に貼られたポスターが画面の隅に小さく映る程度なら、割合は小さい。画面の半分をポスターが占めていれば、小さいとは言えません。
時間も関係します。10分の動画の中で2秒だけ映るのと、5分間映り続けるのとでは、動画の構成部分としての重みが違います。面積と時間の両方で考えるのが実務的です。
精度については、内容が読み取れるかどうかが目安になります。本の表紙が映っていても、手前の作業に焦点が合っていて背景がぼやけているなら、精度は低いと言えます。
逆に、他社の資料を画面いっぱいに鮮明に映して内容が全部読める状態なら、軽微とは言えません。この場合は写り込みの話ではなく、引用や許諾の話として考える必要があります。
実務での目安を一つ挙げるなら、その部分だけを切り出して見せても意味が通らない程度であれば軽微に近いと考えられます。背景に映るポスターを切り出しても何のポスターか分からないなら、動画の中でも軽微な構成部分でしょう。切り出したら作品として成立してしまう大きさなら、扱いを変える必要があります。
正当な範囲内という条件
二つ目の条件は、正当な範囲内での利用です。判断の材料として、利用により利益を得る目的の有無、分離の困難性の程度、果たす役割などが挙げられています。
「利益を得る目的の有無」は、その著作物が映っていることでこちらが得をしているかを見る観点です。他社の人気の作品を映すことで動画の視聴を集めようとしているなら、この観点で不利になります。
「分離の困難性の程度」は、改正で必須の要件ではなくなりましたが、正当な範囲を判断する材料としては残っています。片付けられたのに片付けなかった、という事情は考慮されることになります。
「果たす役割」は、その著作物が動画の中でどういう働きをしているかを見ます。現場の空気を伝えるための背景なのか、それ自体が見せ場になっているのか。後者なら付随とは言いにくくなります。
この条件は、片付けられるものは片付けておくという単純な行動につながります。撮影の前に机の上を整えるだけで、判断の材料が有利な方向に動きます。手間としては小さく、効果は大きい対処です。
この条件は、撮影の計画にも影響します。何を撮りたいのかを先に決めておけば、正当な範囲の説明が後から作れます。逆に、とりあえず撮ってから使い方を考える進め方では、後で説明が立ちません。撮影の依頼書に「何を見せる動画か」を1行書いておくだけで、この条件への備えになります。書いておく手間は数十秒です。
利益を不当に害しないという歯止め
三つ目の条件は歯止めです。その著作物の種類と用途、利用の仕方に照らして著作権者の利益を不当に害することとなる場合は認められないとされています。
典型的に問題になるのは、その著作物を見ることで本来買うはずだったものを買わなくなる場合です。有償の資料の内容が動画で全部読めてしまえば、資料を買う理由がなくなります。
音についても同じ考え方が当てはまります。撮影の現場で流れていた音楽が入る場合、曲の一部がわずかに入るのと、1曲がまるごと聞ける状態とでは扱いが違います。後者は音楽を聴く目的が満たされてしまいます。
この条件があるため、軽微で正当な範囲内であっても安心しきることはできません。特に有償で売られているものや、見ること自体が価値になるものについては、慎重に見る必要があります。
判断に迷う場面では、映り込んでいる部分をぼかす、切る、短くするといった処理で回避できることが多いです。撮り直すより手間が小さいので、選択肢として持っておくと便利です。
判断が難しいのは、業界の資料や規格の文書です。有償で頒布されている規格の文書が机の上に開かれた状態で映ると、内容が読める場合があります。この種のものは、読める大きさで映さないという扱いを既定にしておくのが無難です。撮影の前に閉じる、裏返す、別の場所に移す。どれも数秒で済む対処です。
意図的に置いた場合はどうなるか
興味深い点として、改正の考え方の中では意図的に設置する場合を含めて整理されていることが示されています。偶然に映ったものだけが対象になるわけではありません。
たとえば、机の上に道具を置いて作業の様子を撮る。その道具の中に他社の製品が含まれている。置いたのは意図的ですが、撮りたいのは作業の様子です。この場合も付随性があると考えられます。
ただし、意図的に置いたことが何の判断にも影響しないわけではありません。先に見た「正当な範囲内」の判断では、利益を得る目的の有無や果たす役割が材料になります。
他社の有名な製品を目立つ位置に置き、それが動画の見どころになっているなら、付随とは言いにくくなります。置いた理由が説明できるかどうかが、実務上の分かれ目になります。
社内で判断するときは、「なぜそれが映っているのか」を一言で説明できるかを試してみるとよいです。説明できるなら、その説明が正当な範囲内の根拠になります。説明に詰まるなら、片付けるか処理を考えます。
この観点は、動画の企画の段階でも使えます。他社のものを置くことで動画の魅力が上がると考えているなら、それは付随ではありません。人気の道具を並べて注目を集める企画は、この規定の範囲を出ています。自社の内容で魅力を作る、という原則に立ち返るほうが安全で、動画の目的にも合っています。
商標は別の枠組みで判断される
ここまで著作権の話をしてきましたが、映っているものには商標も含まれます。他社のロゴ、製品名、サービスの名前。これらは著作権とは別の枠組みで判断されます。
商標については、商標としての使用に当たるかどうかが問われます。単に背景に映っているだけであれば、自社の商品やサービスを示すためにその標章を使っているとは言えません。
問題になるのは、他社のロゴを自社の宣伝に使っているように見える場合です。自社の製品の紹介動画で他社の有名なロゴを大きく出せば、関係があるように誤解されます。
誤解を招く形は、商標の話にとどまらず表示に関する別の決まりにも触れる可能性があります。他社と提携していると受け取られる作りは、避けておくのが安全です。
実務での目安は単純です。他社のロゴを、こちらの主張の裏付けとして使わない。背景に映るのは構いませんが、強調する、繰り返す、並べて見せるといった扱いは避けます。
自社の製品と他社の製品を並べて比べる動画は、また別の検討が必要になります。比べること自体は認められる場面がありますが、条件が細かく決まっています。この記事の写り込みの話とは枠組みが違うので、混ぜて考えないほうがよいです。比較を扱う動画は、企画の段階で法務に相談する対象として分けておきます。
推奨しているように見える作りを避ける
実務で一番危ういのは、法律の条文の話ではなく見た人がどう受け取るかです。他社の製品が映っているだけで「あの会社はこれを使っている」と伝わります。それ自体は事実なので構いません。
問題は、その先に踏み込んだときです。他社の製品を映しながらその性能について語る。他社のロゴの前で自社の担当者が話す。こうした作りは、関係があるように受け取られます。
- 他社の製品を映しながら、その製品の性能や評価について語る
- 他社のロゴが大きく映る位置に自社の担当者を立たせて撮る
- 他社の有料の資料の中身が読める状態で長く映す
- 現場で流れていた他社の音楽を、曲として聞ける長さで入れる
- 他社の画面をそのまま映して、自社の道具の説明として使う
この一覧の最後は、画面を見せる動画で起きやすい失敗です。他社の道具の画面を映しながら自社の説明をすると、見る人はどちらの話なのか分かりません。説明の対象と映しているものを一致させます。
避け方は、映さないことだけではありません。映るものを説明の対象から外し、話す内容を自社のものに限る。この整理だけで、多くの場面は問題なく通ります。
撮影場所の決まりは著作権とは別
もう一つ、別の層の話があります。撮影する場所の管理者が定めた決まりです。著作権の条件を満たしていても、その場所で撮ってよいかは別に決まります。
展示会の会場、取引先のオフィス、商業施設、駅や空港。こうした場所には撮影に関する決まりがあります。著作権の話とは無関係に、許可が必要な場合があります。
- 他社のオフィスで撮る場合は、撮影の可否と映してよい範囲を事前に確かめる
- 展示会の会場では、主催者の決まりと各出展社の意向の両方を確かめる
- 施設内で撮る場合は、施設の撮影の決まりを先に読む
- 撮影の許可を得た記録は、日付と相手の名前を残しておく
- 個別の判断は事案によるため、迷う場合は顧問の弁護士に確かめる
この一覧の四番目は、後で効いてきます。口頭で許可を得ただけでは、担当者が代わったときに確かめられません。短い記録でよいので、誰にいつ確かめたかを残しておきます。
自社の中で撮る場合も、確かめておくことがあります。映る範囲に取引先の情報が置かれていないか。顧客の名前が書かれた資料が机に出ていないか。著作権とは別の問題ですが、撮影前の確認としては同じ場面で行えます。
人が映る場合の扱い
人が映る場合は、また別の考え方が必要になります。著作権の話ではなく、その人の肖像に関わる権利の話になります。写り込みの規定は、人については適用されません。
社内で撮る場合、通りかかった社員が映ることがあります。本人の同意を取っていないなら、その部分は処理するか撮り直すのが安全です。社内だから構わないという理解は危ういです。
公開の範囲によっても判断が変わります。社内だけで見る動画と、誰でも見られる場に出す動画では、同じ映像でも受け取られ方が違います。公開の範囲を先に決めてから撮るのが順序です。
処理の方法としては、顔をぼかす、映っている部分を切る、後ろ姿だけにするといった選択があります。撮影の段階で映らない導線を作るのが最も手間が小さい方法です。
撮影する日時を工夫するのも有効です。人の出入りが少ない時間に撮れば、後の処理が要りません。撮影の計画を立てる段階でこの点を考えておくと、編集の時間が短くなります。
編集で処理するときの選び方
撮り直さずに済ませたい場面では、編集で処理する選択があります。処理の方法は複数あり、映っているものの性質によって向き不向きがあります。手当たり次第にぼかすより、選び方を決めておくほうが仕上がりがきれいになります。
文字が読めるもの、絵柄が分かるもの、ロゴだけのもの、音。この4つに分けます。種類が違えば、適した処理も変わります。
文字をぼかすと、ぼかした部分が目立ってかえって視線を集めます。画面の寄せ方を変えて枠の外に出すほうが自然な仕上がりになります。
背景の絵柄は、手前の対象に焦点を合わせることで読み取れない状態にできます。編集で加える処理より撮影時の焦点で解けることが多い部分です。
ロゴは1回短く映る程度なら問題になりにくいものです。同じロゴが何度も映る編集を避け、つながりを疑われる形にしないようにします。
現場の音楽は、処理で残そうとせずに差し替えるか消すのが確実です。話し声だけを残して背景の音楽を落とす処理も選べます。
この5つのうち、二番目は意外に思われるかもしれません。ぼかしは視線を集める処理です。何か隠しているという印象を与え、かえって注目されます。枠の外に出せるなら、そのほうが自然です。
三番目の点は、撮影の段階に関わります。編集で焦点を変えることはできません。撮るときに手前に焦点を合わせておけば、背景は自然に読み取れない状態になります。撮影の担当者に伝えておく価値がある一点です。
処理には時間がかかります。1本あたり数十分かかる作業を毎回発生させるより、撮影の前に整えるほうが安いという判断は多くの場合正しいです。処理は最後の手段として持っておきます。
社内で判断できる範囲を決める
ここまでの内容を、毎回担当者が一から考えるのは効率が悪いです。社内で判断できる範囲を決めておくことで、動画を出す速度が上がります。境界を決めるのがこの節の話です。
判断を分ける線は、「軽微で説明が付くもの」と「それ以外」に引くのが実用的です。前者は担当者の判断で進める。後者は法務や顧問に確かめる。この二分で多くの場面は処理できます。
前者に入る例を具体に書き出しておくと、判断がぶれません。背景の壁に小さく映る掲示、机の上の道具の一部、焦点が合っていない背景の書籍。こうした例を並べておきます。
後者に入る例も同じように書き出します。他社の資料の中身が読める状態、他社の製品が見どころになっている、音楽が曲として聞ける長さで入っている。これらは止めて相談する対象です。
この線引きを撮影の担当者に渡しておけば、確認の依頼が減ります。確認が必要な案件だけが上がってくるので、法務の側の負担も軽くなります。動画の本数が増えるほど、この整理の効果は大きくなります。
過去に出した動画をどう扱うか
線引きを決めると、次に気になるのが既に公開している動画です。線引きに照らして問題がありそうな動画が見つかることは珍しくありません。全部見直すべきか、放っておくべきか。判断の順序を決めておきます。
優先するのは、再生数が多い動画と、現在も導線に使っている動画です。見られていない古い動画に時間をかけるより、影響の大きいものから見るほうが合理的です。
見直して問題が見つかった場合の選択は三つあります。編集して差し替える、非公開にする、そのまま残す。差し替えると、その動画に付いた記録は失われることがあるため、影響を確かめてから決めます。
そのまま残すという選択も、検討の対象に入れて構いません。軽微で説明が付く範囲であれば、残すことに問題はありません。線引きに当てて「問題ない」と判断した記録を残せば、後で聞かれたときに答えられます。
見直しの作業は、一度で終わらせます。全件を1回見て判断し、結果を記録して閉じる。定期の作業にすると負担が続きます。新しく撮る動画は線引きに沿って作るので、過去分の見直しは1回で済むはずです。
撮影前に確かめる項目
最後に、撮影の前に確かめる項目を並べます。撮る前に整えるほうが、撮った後に処理するより手間が小さいという前提で並べたものです。
- 撮りたい対象は何かを言葉にする(映るものが付随かどうかの判断の起点になる)
- 画面に入る範囲で、片付けられるものは片付ける
- 他社の資料や画面が読める大きさで映らないようにする
- 他社のロゴを強調する構図になっていないか確かめる
- 現場で音楽が流れていないか確かめる(流れているなら止めるか場所を変える)
- 人が映る導線になっていないか確かめる(時間帯の工夫で避けられる)
- 他社の場所で撮る場合は、撮影の可否と範囲を事前に確かめて記録する
- 迷う要素があれば、撮る前に社内の線引きに当てて判断する
この一覧の一番目が要点です。撮りたい対象を言葉にしておくだけで、後の判断がほとんど決まります。「作業の手順を見せる」と決めていれば、背景に映るものは付随だと説明できます。
なお、ここで整理した内容は考え方の目安です。個別の事案では事情によって判断が変わります。公開後に問題になると影響が大きいので、判断に迷う案件は顧問の弁護士に確かめてから出すことをお勧めします。
まとめ
動画に他社の製品やポスターが映ることは避けられませんが、付随して写り込むものについては条件を満たせば利用できる決まりがあります。軽微な構成部分であること、正当な範囲内であること、著作権者の利益を不当に害しないこと。この三つです。
実務としては、撮りたい対象を言葉にし、片付けられるものは片付け、読める大きさで映さない。この三つを守れば大半の場面は通ります。商標や撮影場所の決まり、人が映る場合は別の枠組みになるので、社内の線引きを決めて迷う案件だけを相談に回すのが現実的です。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
SNS・動画にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
