SNSのアカウントは譲れない|引き継ぎの正しい道筋

5年かけて1万人のフォロワーを集めたアカウントがある。事業を譲るときに、このアカウントも一緒に渡せるのか。運用を任せていた会社との契約が切れたら、アカウントは戻ってくるのか。どちらの問いも、規約を読むと答えが変わります。多くのプラットフォームは、アカウントの譲渡や売買を利用規約で禁じています。譲れないものを譲る前提で計画を立てると、凍結という形で計画ごと消えることがあります。この記事では、譲渡が難しい理由と、それでも引き継ぐための現実的な道筋を整理します。
カメ先生事業を譲る話の中で、SNSのアカウントも渡す予定になっているそうです。
カメ子フォロワーがいるアカウントなら、価値のある資産に見えますね。
カメ先生ただ、多くの場では規約でアカウントの譲渡が禁じられています。渡した後に凍結される例もあります。
カメ子資産のつもりで数えていたものが、渡せないかもしれないということですか。
- 多くのプラットフォームは利用規約でアカウントの譲渡や売買を禁じている
- 法律に禁止の規定がないことと、規約で禁じられていることは別の話
- 運用の委託では、権限の帰属と返還を契約に書いておく
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アカウントを資産として数えていないか
法人の発信が長く続くと、アカウントには数字が積み上がります。フォロワーの数、投稿の本数、反応の履歴、そして検索されたときの表示。これらは目に見える形で価値があるように思えます。
事業の売買や組織の再編の場面では、この数字が資産の一覧に並ぶことがあります。取引先の一覧、商標、ドメイン、そしてSNSのアカウント。並べて数えたくなるのは自然な発想です。
しかし、他の資産とアカウントには大きな違いがあります。商標は登録の名義を移せます。ドメインは管理の名義を移せます。アカウントは、名義を移す仕組みが用意されていないことが多いのです。
そもそもアカウントは、プラットフォームが利用者に使わせているものです。所有しているものではなく、規約に従って使う権利を得ている状態に近い。この前提を押さえると、移せない理由が理解しやすくなります。
この記事では、まず規約が何を禁じているのかを確かめ、次に法律との関係を整理します。そのうえで、事業の譲渡や運用の委託といった現実の場面でどう対処するのかを見ていきます。結論としては、アカウントそのものを動かすより、中身と権限を整えるほうが確実です。
資産の一覧に載せるかどうかという議論以前に、社内でアカウントの位置づけが曖昧なままになっている会社が多くあります。誰の担当なのか、何を目的にしているのか、止めるときは誰が決めるのか。この三つが決まっていないアカウントは、資産としても負債としても管理できません。引き継ぎの話が出たときに初めて誰も答えられないことに気づく、というのが典型的な流れです。引き継ぎの検討は、位置づけを決め直す機会にもなります。
規約はアカウントの譲渡を認めていない
主要なプラットフォームの利用規約を読むと、アカウントの譲渡や売買について禁止する条項が置かれていることが多いと説明されています。写真の共有の場、短文の投稿の場、動画の投稿の場。いずれも同様の記載が見られます。
禁じられている行為の範囲は、売ることだけではありません。貸すこと、譲ること、他人に使わせること。こうした行為が並んで書かれている場合があります。無償で渡す場合も対象に入り得ます。
違反した場合の扱いも規約に書かれています。アカウントの停止、内容の削除、利用の停止。プラットフォームの側が一方的に措置を取れる形になっています。
ここで押さえておきたいのは、違反が発覚する経路です。譲渡そのものを外から見分けるのは難しいですが、急な運用の変化や、別の場所からの操作は記録に残ります。長年同じ場所から操作されていたアカウントが突然別の場所から操作されると、確認の対象になり得ます。
つまり、譲ったこと自体がすぐに問題になるわけではないとしても、後から止まる可能性が残ります。事業の計画にアカウントを組み込むなら、この不確かさを見込んでおく必要があります。
規約は変わることも押さえておきます。数年前に読んだ内容が今も同じとは限りません。事業の譲渡の交渉のように大きな判断が絡む場面では、その時点の規約を読み直すことが必要です。社内の手引きに「譲渡は禁止」と書いてあっても、根拠となる条項の場所まで書いておかないと確かめ直せません。条項の場所を手引きに残しておくだけで、次に確かめる人の手間が大きく減ります。
法律の禁止と規約の禁止は別の話
よく混同されるのが、法律と規約の関係です。日本の法律にSNSのアカウントの売買を直接禁じる規定はないと説明されています。この事実から「だから問題ない」と結論づける人がいます。
しかし、法律に禁止の規定がないことは、自由にできることを意味しません。プラットフォームとの間には利用の契約があり、規約はその契約の内容です。規約に反する行為は、契約に反する行為になります。
契約に反した結果として起きるのが、アカウントの停止です。法律で罰せられるわけではないが、使えなくなる。事業の側から見れば、この結果のほうが痛いはずです。
加えて、当事者の間でのもめ事も起きます。アカウントを渡す約束をして代金を受け取り、後で凍結された場合。渡した側が責任を問われる可能性があります。売買における取り決めが破られた場合には、別の法的な問題に発展する恐れもあると指摘されています。
この二層の理解を持っておくことが実務では重要です。法律の話をしているのか、規約の話をしているのか。社内の議論でこれが混ざると、違法ではないから大丈夫という誤った結論に着地しやすくなります。
社内で議論するときには、言葉を分けて使うことをお勧めします。「違法かどうか」と「規約に反するかどうか」と「事業として危ういかどうか」。この三つを別の問いとして立てれば、結論が混ざりません。違法ではない、規約には反する、事業としては止まる危険がある。こう整理すれば、判断すべき点がはっきりします。曖昧なまま「大丈夫だと思う」で進めるのが最も危うい状態です。
譲渡が問題になる三つの場面
実務でアカウントの引き継ぎが問題になるのは、大きく三つの場面です。それぞれで対処の方向が違うので、自社がどの場面にいるのかを先に見分けておきます。
一つ目は事業の譲渡や会社の再編です。組織の形が変わり、アカウントを運用する主体が変わる場面。二つ目は運用の委託先の交代です。外の会社に任せていた運用を自社に戻すか、別の会社に移す場面です。
| 場面 | 何が問題になるか | 現実的な対処 |
|---|---|---|
| 事業の譲渡や再編 | アカウントの名義を移す仕組みがない | 中身と運用の体制を移し、必要なら新設する |
| 運用の委託先の交代 | 委託先に権限が残ってしまう | 契約に権限の帰属と返還を書いておく |
| 担当者の退職や異動 | 個人の連絡先に紐づいて開けなくなる | 会社の連絡先で作り直し、権限を複数人にする |
三つ目が担当者の退職や異動です。これは譲渡というより引き継ぎの問題ですが、起きる困りごとは似ています。開設した人以外が開けない状態になっていると、事実上アカウントが動かせません。
三つの場面のうち、会社が自分で防げるのは二つ目と三つ目です。契約と体制の整え方で対処できます。一つ目は相手のあることなので、計画の立て方を変えるという対処になります。以下、順に見ていきます。
事業を譲る側と受ける側で見え方が違う
事業の譲渡の交渉では、譲る側はアカウントを資産として計上したくなります。受ける側は、引き継げるかどうかの不確かさを織り込みたいと考えます。この非対称が交渉の争点になります。
実際には、国内にもアカウントを事業の譲渡の対象として扱う仲介の場が存在すると報告されています。取引が行われている事実はあります。しかし、取引されていることと規約上認められていることは別です。
受ける側の立場で考えると、確かめておくべきことがあります。そのアカウントがどの連絡先で作られているか。二段階認証の管理がどこにあるか。過去に運用の委託をしていた履歴があるか。この三つは最低限の確認事項です。
譲る側の立場では、アカウントを渡せる前提で価格を提示しないほうが安全です。渡した後に凍結されれば、責任を問われる可能性が残ります。引き継げない可能性を明示したうえで交渉するのが、後のもめ事を防ぐ道です。
現実的な落とし所として、アカウントそのものではなく運用の知見と中身を移す形が使われます。投稿の素材、反応の記録、運用の手引き。これらは移せます。新しいアカウントを立てて、そこに知見を移す形なら規約とも衝突しません。
交渉の実務としては、アカウントを対価の対象から外す形も選べます。引き継げたら引き継ぐが、価格には含めないという取り決めです。譲る側は凍結の責任を負わず、受ける側は引き継げなかった場合の損を負いません。双方にとって扱いやすい形になります。不確かなものを価格に含めないという原則は、他の無形の資産にも当てはめられる考え方です。
買ったアカウントが凍結される
譲り受ける側が最も恐れるのが、引き継いだ直後の凍結です。フォロワーの数を根拠に対価を払った後に使えなくなるという事態は、実際に起きています。取り戻す手段はほとんどありません。
凍結の引き金になりやすいのは、操作の環境が急に変わることです。使う機器、接続する場所、操作する時間帯。これらが一斉に変わると、乗っ取りと区別が付きません。
投稿の内容が急に変わることも同じです。扱う話題、書き方、投稿の頻度。長年の傾向から外れた動きは、確認の対象になり得ます。アカウントを引き継いだ側は、まさにこの変化を起こします。
仮に凍結されなかったとしても、別の問題が残ります。フォロワーは前の運用者に付いていた可能性があります。運用者が変わって内容が変われば、反応は落ちます。数だけが残り、反応が消える状態です。
この二重の危うさを踏まえると、アカウントを買うという判断は慎重にならざるを得ません。同じ費用を新しいアカウントの育成に使うほうが、確実性の面では優っている場合が多いです。
数字だけを引き継いでも意味がない
引き継ぎの議論では、フォロワーの数が中心に語られます。しかし法人の発信で成果を生むのは数ではなく、誰が見ているかと何を出してきたかの積み上げです。この二つは数字に表れません。
誰が見ているかは、投稿の内容によって作られてきたものです。特定の業種の担当者が集まっているアカウントは、その業種向けの投稿を続けた結果です。内容が変われば、集まっている人との噛み合いが崩れます。
何を出してきたかの積み上げも移せません。過去の投稿は移せない場合が多く、移せたとしても文脈が失われます。「あの会社のあの連載」という記憶は、アカウントの名前だけでは引き継げません。
この観点で考えると、移すべきものは数字ではなく作り方だと分かります。どんな話題を選んできたか、どんな書き方をしてきたか、どの時間帯に出してきたか。これらは文書にすれば確実に移せます。
移す準備として、運用の手引きを作っておくことをお勧めします。アカウントを渡せなくても、手引きがあれば新しいアカウントで同じ質の運用を再現できます。こちらのほうが移転の資産として確実です。
この考え方は、社内の評価にも影響します。運用の担当者をフォロワーの増加だけで評価すると、数を増やす動きに寄り、内容の質が後回しになります。数を買うような手段に手が伸びる場合もあります。評価の物差しに「どんな相手が集まっているか」を入れておけば、運用の方向がぶれません。引き継ぎのときに価値が残るのも、こちらの方向で積み上げたアカウントです。
運用の委託先に権限が残る問題
外の会社に運用を任せている場合、別の問題が起きます。契約が終わったのにアカウントの権限が戻ってこないという状況です。これは譲渡とは違う話ですが、実務では同じくらい深刻です。
起きる経路はいくつかあります。委託先が自社の連絡先でアカウントを開設した場合。二段階認証の管理が委託先の機器にある場合。分析の道具の識別子と符号が委託先の管理下にある場合。いずれも契約の終了時に問題になります。
契約書に何も書いていないと、話し合いで解決するほかありません。関係が良好なうちに終わるなら問題は小さいですが、もめて終わる場合には行き詰まります。運用の委託先とアカウントの管理の権限の帰属が争われる例も報告されています。
この問題を防ぐ方法は明確です。契約書に権限の帰属と返還を書いておくこと。一般的には、アカウントの所有の権利は当初から委託する側に帰属し、受託する側は契約の終了時にログインの情報と二段階認証の管理の権利を返還する、と定める形が取られます。
加えて、契約の期間中に新しく開設したアカウントや分析の道具の識別子と符号についても引き渡すかどうかを具体的に書いておくと、認識のずれが防げます。書いていない部分が、後で必ず争点になります。
契約に書いておく項目
運用を委託するときに契約に入れておく項目を整理します。後から追加するのは難しいので、始めるときに書いておくのが原則です。既に始まっている契約でも、更新の機会に足すことはできます。
優先度が高いのは権限に関する項目です。アカウントの帰属、権限の返還、新規に作ったものの扱い。この三つが書かれていれば、終了時の混乱はかなり減ります。
- アカウントの所有の権利は当初から委託する側に帰属することを明記する
- 契約の終了時に、ログインの情報と二段階認証の管理の権利を返還する条項を入れる
- 契約の期間中に新しく開設したアカウントや分析の道具の扱いを具体的に書く
- 投稿した内容の著作権の帰属についても定めておく
- 個別の契約の内容は事案によるため、文面は顧問の弁護士に確かめる
四番目の著作権については見落とされがちです。委託先が撮った写真や書いた文章の権利がどちらにあるのか。契約が終わった後も使い続けたいなら、この点を書いておかないと使えなくなります。
なお、契約の文面は事業の内容によって変わります。ここに挙げた項目は考え方の整理であり、実際の条項は顧問の弁護士に確かめてください。特に権限の返還については、実行できる形で書くことが大切です。書いてあっても実行されない条項では意味がありません。
開設のときに会社の資産にしておく
引き継ぎの問題の多くは、開設の時点で決まります。誰の連絡先で作ったかが、後の全部を左右します。これから作るアカウントについては、以下の順序で進めるのが確実です。
個人の名前が入っていない、会社が管理する電子メールのアドレスを用意します。共有の受信箱にしておけば、担当が代わっても受け取れます。
担当者個人のアドレスや携帯の番号では作りません。退職や異動のときに確認の連絡を受け取れなくなります。
認証の符号を受け取る先を会社が管理する連絡先にします。個人の機器だけに置くと、その人がいないと開けません。
管理の権限を2人以上に持たせます。1人しか持っていない状態は、その人が休むだけで運用が止まります。
使った連絡先、権限を持つ人、認証の管理の方法。この記録がないと、担当が代わったときに何も分かりません。
この5工程は、開設のときであれば数十分で終わります。後から直すと、連絡先の変更、認証の再設定、権限の付け替えと、手間も止まる危険も大きくなります。
既に個人の連絡先で作られているアカウントがあるなら、直す作業を予定に入れておきます。担当者が辞めると決まってから動くのでは遅い。動いている今のうちに直すほうが、確実で安全です。
個人の連絡先で作られたアカウントの直し方
既存のアカウントを会社の資産に戻す作業は、順序を守れば危険は小さくできます。一度に全部を変えないことが要点です。同時に多くを変えると、不正な操作と区別が付かなくなります。
最初に足すのは、会社の連絡先です。既存の連絡先を消さずに、予備の連絡先として会社のアドレスを足します。この段階では、まだ何も消しません。
次に、権限を持つ人を増やします。現在の担当者に加えて、上司か別の担当者を管理の権限に加えます。ここまでで、1人しか開けない状態は解消されます。
そのうえで、二段階認証の管理を移します。会社が管理する連絡先で認証の符号を受け取れる状態にします。この作業は慎重に進める必要があるので、現在の担当者が在籍しているうちに行います。
最後に、個人の連絡先を主の連絡先から外します。この順序であれば、途中で開けなくなる危険がありません。足してから外す。この順序を守ることが、作業中の事故を防ぎます。
担当者が辞めるときの手順
退職の連絡を受けてから動くのでは、時間が足りないことがあります。最終の出社日までに権限の移し替えを終える必要があるためです。手順を決めておきます。
確かめるのは三つです。その人が管理の権限を持っているアカウントの一覧。その人の連絡先が登録されているアカウントの一覧。その人の機器で認証の符号を受け取っているアカウントの一覧。
三つ目が最も見落とされます。権限は移したのに、認証の符号がその人の携帯に届く状態が残る。退職後に機器が変わると、アカウントが開けなくなります。
移し替えの作業は、本人が在籍している間に行うほかありません。退職後に協力を求めるのは難しく、断られれば手段がなくなります。退職の連絡を受けた時点で予定に組み込むことが必要です。
運用を任せていた外の会社との契約が終わる場合も同じです。契約の終了日までに権限の返還を完了させます。契約書に返還の条項があっても、実際の作業は人が動かないと進みません。期日を決めて確かめることが要ります。
アカウントを閉じるという選択
引き継げないと分かったとき、無理に続けるより閉じるほうがよい場合があります。運用が止まったアカウントが残り続けるほうが害になることもあるからです。判断の材料を整理します。
放置されたアカウントは、見る人に「この事業は続いていない」と伝えます。最後の投稿が2年前のアカウントが検索で見つかる状態は、何もないより悪い印象を与えます。
- 引き継げるつもりで事業の計画に組み込み、渡せないことが後で分かる
- 運用の担当が代わってから、権限を持つ人がいないことに気づく
- 個人の携帯にだけ認証の符号が届く状態を放置する
- 最後の投稿が古いままのアカウントを閉じずに残す
- 委託の契約書に権限の帰属を書かず、終了時に話し合いで解決しようとする
閉じる判断をするときは、先に案内を出しておきます。「今後はこちらで発信します」と別の場所を示し、移りたい人が移れる時間を取る。黙って消すと、何かあったのかと受け取られます。
閉じずに残す選択もあります。その場合は、運用を終えたことを固定の投稿で示しておきます。更新がない理由が分かれば、古い情報だという誤解も避けられます。判断より、状態を伝えることのほうが大切です。
移行するなら中身を運ぶ
アカウントそのものを移せない前提で、何を運べるのかを整理します。運べるものは思っているより多いです。数字は運べませんが、運用を再現するための材料は運べます。
運べるものの一つ目は、投稿した内容です。文章と画像を自社の側に書き出しておけば、新しいアカウントで作り直せます。同じ内容をそのまま出すのではなく、素材として使う形です。
二つ目は、反応の記録です。どの投稿がよく読まれたか、どの話題に反応が集まったか。この記録があれば、新しいアカウントで試行の回数を減らせます。
三つ目は、運用の手引きです。投稿の頻度、使う言葉の決まり、確認の流れ、対応してはいけないこと。文書になっていれば、誰が担当しても同じ質を保てます。
四つ目は、つながっていた人への案内の手段です。電子メールで連絡できる相手がいれば、新しい場所を知らせられます。アカウントの外に連絡の手段を持っておくことが、移行のときに効いてきます。普段から意識しておく価値があります。
複数の場を運用しているときの整理
法人の発信では、複数のプラットフォームを並行して運用していることが多いものです。短文の場、写真の場、動画の場、仕事向けの場。それぞれで開設の経緯も権限の持ち方も違う状態になっているのが普通です。引き継ぎの整理をするなら、まず一覧を作ることから始めます。どの場に何のアカウントがあるのかを誰も把握していない会社は少なくありません。
一覧に入れる項目は、この記事で挙げてきたものと同じです。開設に使った連絡先、権限を持つ人、認証の符号の届く先、運用を委託しているかどうか。この4項目を場ごとに並べれば、危ういアカウントが浮かび上がります。
一覧を作ると、使われていないアカウントが見つかることもあります。数年前に試して放置されたもの、キャンペーンのために作って閉じ忘れたもの。使っていないアカウントは、乗っ取られても気づけません。閉じるか、運用を終えた旨を示して残すかを決めます。
同じ社名で複数のアカウントが並んでいる場合も整理の対象です。見る側からは、どれが公式なのか分かりません。なりすましと区別が付かない状態は、信用の面で損をします。一つを主として、他は閉じるか役割を明示します。
整理の作業は1回で終わります。一覧を作り、危ういものを直し、不要なものを閉じる。その後は、新しいアカウントを作るときに一覧に足すだけです。年に一度見直す予定を入れておけば、同じ混乱は繰り返しません。
引き継ぎの前に確かめる項目
最後に、引き継ぎや譲渡の話が出たときに確かめておく項目を並べます。答えられない項目があれば、そこが後で問題になります。先に潰しておくほうが安全です。
- そのアカウントはどの連絡先で開設されているか(会社か個人か)
- 管理の権限を持っている人は誰か、何人いるか
- 二段階認証の符号はどこに届く設定になっているか
- 過去に運用を外部に委託した履歴があるか
- 委託の契約書に権限の帰属と返還が書かれているか
- 投稿した内容の著作権の帰属が決まっているか
- そのプラットフォームの規約が譲渡について何と書いているか
- アカウントの外に、つながっている人への連絡の手段があるか
- 運用の手引きが文書になっているか
この一覧の七番目は、自分で読んで確かめる必要があります。規約は変わりますし、プラットフォームによって書き方も違います。「一般に禁止されている」という理解で止めず、対象の場の規約を実際に読むことが大切です。
八番目と九番目は、引き継ぎの話が出ていなくても整えておく価値があります。アカウントが止まる事態は譲渡以外の理由でも起きます。外に連絡の手段があり、手引きが文書になっていれば、どの理由で止まっても立て直せます。
まとめ
フォロワーを抱えたアカウントは資産に見えますが、多くのプラットフォームは規約で譲渡や売買を禁じています。法律に禁止の規定がないことと、規約で禁じられていることは別の話です。譲れる前提で計画を立てると、凍結という形で計画が消える危険があります。
実務の答えは、アカウントを動かすのではなく権限と中身を整えることです。会社の連絡先で開設し、権限を複数人で持ち、委託の契約に返還を書き、運用の手引きを文書にしておく。この整えができていれば、どんな引き継ぎの場面でも立て直せます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
SNS・動画にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
