必要なリード件数を逆算する4工程|目標に根拠を持つ

「リード件数の目標を前年比で決めていて、根拠を説明できない」「売上の目標から必要な件数を出してほしいと言われた」——期が入れ替わる時期に寄せられる相談です。根拠を持たせる作業は、難しい予測ではありません。売上の目標から4つの割り算をさかのぼるだけで、必要な件数は出せます。この記事では、その4工程を計算例つきで示し、率が分からないときの置き方まで整理します。
カメ先生リードの目標はね、去年より少し積むという決め方が多いのだけれど、それだと事業の目標とつながらないんだ。
カメ子前年より積んでおけば、足りないことはないのではありませんか。
カメ先生前年比は前年の実績しか見ていない。売上の目標を受注、商談、見込みの順に割り戻すと、必要な件数がまったく別の数字になることがある。
カメ子積み上げた数字と逆算した数字は別物なのですね。割り戻す順番から追います。
- 逆算は売上目標を受注件数に割り、受注件数を商談数に、商談数を有効リードに、有効リードをリード総数に戻す4工程で完成する
- 今期の売上は前期に獲得したリードで作るため、リードタイムの分だけ期をずらして計算する
- 必要件数が現状の何倍かを出せば、目標が非現実的なときに単価や受注率や予算で交渉する材料になる
目標の降り方が変わった
リードの目標が前年比で決まる運用は、長く続くほど数字の意味が薄れます。前年が450件だったから今年は500件という決め方には、事業の目標との接点がありません。増えたか減ったかしか語れなくなります。
この決め方の問題は、達成しても未達でも説明ができない点にあります。500件を達成したのに売上目標に届かなかった場合、マーケの仕事は成功だったのか失敗だったのかを答えられません。件数の目標と事業の目標が別のところにあるためです。
逆算に切り替えると、この接点ができます。売上目標に届くために何件必要か、という形で件数を出すためです。件数を達成すれば売上に届く、届かなければどの率が想定より低かったかが分かる関係になります。
必要な材料は多くありません。売上目標、平均の受注単価、受注率、商談化率、有効リードの割合の5つです。すべて社内のどこかに数字があり、新しい調査も外部のデータも必要ありません。
そして計算そのものは割り算だけです。上から下へ掛け算で並ぶ関係を、下から上へ割り算でさかのぼります。表計算のセル5つで終わる作業で、難しいのは計算ではなく、率をどこから取るかの判断になります。
逆算しないと何が起きるか
逆算を飛ばした状態で起こることを整理します。件数の目標そのものは動いていても、判断の材料が欠けている状態です。
1つ目は、足りているかどうかが分からないことです。月40件のリードを取れていても、それが目標に対して十分なのか半分なのかを判断できません。不足しているなら手を打つべきですが、不足の大きさが分からないと打つ手の規模も決まりません。
2つ目は、施策の優先順位がつけられないことです。ウェビナーを1本増やすか広告の予算を積むかという判断は、あと何件必要かが分かって初めて比較できます。必要数が分からないと、やれることを順にやる運用になります。
3つ目は、営業との会話が噛み合わないことです。件数は増えたのに商談が増えていないという指摘に対して、有効リードの割合が下がっていたのか、商談化率が落ちていたのかを分けて答えられません。
4つ目は、目標が無理筋のときに気づけないことです。逆算すると、現状の3倍のリードが必要という結果が出ることがあります。これは早い段階で分かるほど価値のある情報で、期の半分を過ぎてから判明すると打てる手がほとんど残りません。
逆算に使う4つの率と1つの単価
計算に入る前に、使う数字の定義をそろえます。同じ言葉が社内で別の意味に使われていることが多く、ここがずれると計算結果が使えません。
平均受注単価は、新規の受注1件あたりの売上です。年間の契約なら年額で揃えるのか初年度の金額で見るのか、初期費用を含めるのかを先に決めてください。サブスクリプション型の商材では、この定義だけで結果が2倍近く変わります。
受注率は、商談のうち受注に至った割合です。分母をどの時点の商談にするかで数字が動きます。初回の商談を数えるのか、見積もりを出した案件を数えるのかで、率は大きく変わります。営業の管理画面で使われている定義に合わせるのが無難です。
商談化率は、有効なリードのうち商談に至った割合です。有効リードの割合は、獲得したリード全体のうち、営業がアプローチする対象になった件数の比率です。同業他社や学生、既存顧客の担当者、連絡先が不正確なものを除いた後の件数が分母になります。
この5つの定義を1枚に書いて、営業と合意してから計算に入ってください。定義がずれたまま出した必要件数は、後から数字が違うという指摘で覆されます。合意の手間は、計算の手間よりはるかに小さい投資です。
工程1:売上目標を受注件数に割る
最初の工程は、金額を件数に変える作業です。ここから下はすべて件数で進みます。
計算は単純です。新規の売上目標を平均受注単価で割ります。年間の新規売上目標が1億2,000万円で平均受注単価が400万円なら、必要な受注件数は年30件になります。月に均すと2.5件です。
この工程で注意するのは、目標に既存顧客からの売上が混ざっていないかです。更新や追加の受注が目標に含まれている場合、その分はリードの獲得と無関係に立ちます。新規の獲得で作るべき金額を切り分けてから割ってください。
平均単価を使うことの限界も押さえておきます。大口の1件と小口の10件が混ざる商材では、平均が実態を表しません。単価の帯を2つか3つに分けて、帯ごとに件数を出したほうが現実に近づきます。
計算が終わったら、その受注件数を営業に見せてください。年30件という数字が営業の体制で受けられる量かどうかは、この段階で確認する必要があります。受けられない件数を前提に逆算を進めても、リードが余るだけです。
この工程を飛ばして、いきなりリード件数の話から始める場面がよくあります。件数の議論は具体的で進めやすい一方、売上との接点が最後まで現れません。金額をまず受注件数という1つの数字に落とすことが、以降の割り算すべての土台になります。順序を入れ替えないでください。
工程2:受注件数を商談数に戻す
2つ目の工程は、受注件数を受注率で割って必要な商談数を出す作業です。ここで初めて率が登場します。
受注件数30件を受注率25%で割ると、必要な商談数は年120件になります。月に均すと10件で、営業が1人あたり月3件の商談を持つ体制なら3人から4人が必要という話になります。件数が体制の話に変わる工程です。
受注率は自社の実績から取るのが原則です。参考として、あるBtoBの解説では受注率の目安が20%から30%とされ、計算例で25%が使われています。この帯は自社の実績が取れないときの仮置きに使う数字で、判断の根拠にはできません。
率を1つに絞れない場合は、幅で計算してください。受注率20%なら商談150件、30%なら100件と両方を出し、必要件数を幅で示す形です。1つの数字で出すより、幅で示したほうが後の議論が建設的になります。
商材や顧客の規模で率が違う場合も、分けて計算します。大手向けと中小向けで受注率が2倍違えば、まとめて平均を取った数字はどちらにも当てはまりません。営業の管理画面でセグメントごとの率が取れるなら、分けたほうが精度が上がります。
工程3:商談数を有効リードに戻す
3つ目の工程は、商談数を商談化率で割って必要な有効リード数を出す作業です。マーケと営業の境目にあたる数字になります。
商談120件を商談化率20%で割ると、必要な有効リードは年600件です。月に均すと50件で、月40件しか取れていない状態なら1.25倍への引き上げが必要という話になります。ここで初めて、日々の運用と目標がつながります。
この工程で最も注意すべきは、商談化率が施策とインサイドセールスの両方に依存する点です。展示会で集めた名刺と、料金ページから資料請求した相手では、同じ1件でも商談になる確率が大きく違います。全体の平均だけで割ると、実態から離れます。
初動の速さも率を左右します。問い合わせから連絡までの時間が長くなるほど商談化率は下がるため、率の改善は件数の増加と同じ効果を持ちます。件数を1.25倍にする代わりに、率を1.25倍にする選択もあります。
有効リードの定義を営業と合意しておくことも、この工程の前提です。マーケが有効と数えた件数と営業がアプローチした件数が違えば、商談化率の分母がずれます。除外の条件を文字にして、双方で持ってください。
判定を誰がいつ行うかも決めてください。獲得した直後にマーケが判定するのか、インサイドセールスが1回接触した後に判定するのかで、同じリードの扱いが変わります。判定の時点を固定しないと、商談化率の分母が月ごとに動き、率の変化が実態なのか判定のずれなのか分からなくなります。判定の担当と時点を1行で書き残すだけで、この混乱は避けられます。
工程4:有効リードをリード総数に戻す
最後の工程は、有効リードの割合で割ってリード総数を出す作業です。ここで出た数字が、日々追いかける目標になります。
| 段 | 計算 | 例(年間) |
|---|---|---|
| 新規売上目標 | 出発点 | 1億2,000万円 |
| 受注件数 | 売上目標 ÷ 平均受注単価400万円 | 30件 |
| 商談数 | 受注件数 ÷ 受注率25% | 120件 |
| 有効リード数 | 商談数 ÷ 商談化率20% | 600件 |
| リード総数 | 有効リード数 ÷ 有効リード率40% | 1,500件 |
有効リードの割合が40%なら、必要なリード総数は年1,500件、月125件になります。売上目標1億2,000万円という金額が、月125件という日々の数字に変換された状態です。ここまでが逆算の全体像です。
この表の一番下と一番上をつなげて説明できることが、逆算の価値です。月125件という目標の根拠を問われたときに、5行の表を見せれば会話が終わります。
有効リードの割合は、獲得のチャネルによって最も大きく振れる数字です。全体で40%という平均を使うと、割り振りの段階で必ず合わなくなります。この点は後のセクションで扱います。
端数の扱いも先に決めておいてください。割り算の結果は小数になるため、受注2.5件や商談10.4件という数字が出ます。件数の目標としては切り上げるのが安全です。切り捨てると各段で少しずつ不足が積み上がり、最下段のリード総数で数十件のずれになります。
計算例を1つ通しで置く
数字を追いやすくするため、同じ例を上から下まで通します。表計算のセルに置き換えれば、そのまま使える形です。
年間1億2,000万円。既存顧客からの更新と追加は別枠として除いてあります。
1億2,000万円 ÷ 平均受注単価400万円 = 30件。月に均すと2.5件です。
30件 ÷ 受注率25% = 120件。月10件。営業の体制で受けられる量かを確認します。
120件 ÷ 商談化率20% = 600件。月50件。現状の獲得数と比べる基準になります。
600件 ÷ 有効リード率40% = 1,500件。月125件。これが日々追う目標になります。
現状が月90件なら1.39倍。倍率で書くと、必要な打ち手の規模が伝わります。
6番目の倍率が、この計算のもう1つの成果物です。1.39倍なら既存の施策の改善で届く可能性がありますが、3倍なら新しいチャネルか予算の追加が必要という判断になります。倍率が打ち手の種類を決めます。
計算の途中で率を変えて試すことも忘れないでください。有効リードの割合を40%から50%に上げられれば、必要な総数は1,500件から1,200件に下がります。件数を増やす以外の道が見えます。
この表は1回作れば毎期使えます。変わるのは売上目標と率だけなので、翌期は数字を差し替えるだけで済みます。作った表は共有の場所に置き、誰が見ても計算をたどれる状態にしてください。
表計算で作るときは、率を入れるセルを1か所にまとめて、計算式からそこを参照する形にしてください。率を計算式の中に直接書き込むと、後から変えたいときに全部の式を開くことになります。率を並べた欄が独立していれば、数字を差し替えるだけで全段が同時に更新されます。
リードタイムのずれを織り込む
逆算で最も見落とされるのが期のずれです。今期に獲得したリードが今期の売上を作るという前提は、多くのBtoBで成り立ちません。
仕組みは単純です。リードを獲得してから商談になるまでに1か月、商談から受注までに3か月かかる商材なら、4月に獲得したリードの売上が立つのは8月です。逆に言えば、4月から7月の売上を作るリードは前期に獲得済みのものになります。
この前提を入れると、今期のリード目標の意味が変わります。今期に獲得するリードのうち、期末に近い分は今期の売上に貢献しません。年1,500件のうち最後の4か月分、およそ500件は来期の売上を作る投資になります。
実務での扱い方は2つあります。1つは、今期の売上目標を作るリードは前期の獲得分だと明示して、今期の獲得目標を来期の売上に紐づける形です。もう1つは、リードタイムの分だけ計算の起点を前にずらし、来期の売上目標から今期の必要件数を出す形です。
どちらを採るにしても、リードタイムの実測が必要になります。初回接触から受注までの日数の中央値を営業の管理画面から取り出してください。平均だと長期の大口案件に引っ張られるため、中央値のほうが計画に使いやすくなります。
率が分からないときの初期値の置き方
逆算が止まる最大の理由は、率のデータがないことです。始めたばかりの事業や、記録が残っていない組織では普通に起こります。手順があります。
最初にやるのは、粗い実績を数えることです。過去12か月の受注件数と、その案件が最初にどこから来たかを1件ずつたどるだけで、受注率のおおまかな水準が出ます。件数が少なくても、桁の感覚がつかめれば十分です。
それでも出ない場合は、一般的な目安を仮置きします。あるBtoBの解説では受注率の目安として20%から30%が示されています。仮置きの数字を使うときは、表のセルに仮という印を付け、実績が出た時点で差し替える前提を明記してください。
仮置きの精度を上げる工夫もあります。率を1つの数字ではなく強気と弱気の2通りで置き、必要件数を幅で出す形です。幅で出しておけば、後から実績が出たときに想定の範囲内かどうかで評価できます。
そして、率の実測を今期の宿題として置いてください。逆算の精度は率の精度で決まるため、記録の仕組みを作ることが翌期の計算を楽にします。リードの獲得元、有効か否かの判定、商談化の日付、受注の日付の4つを残せば、翌期は仮置きが不要になります。
目標が非現実的だと分かったときの交渉材料
逆算の結果、必要件数が現状の3倍を超えることがあります。このときに使えるのは、感想ではなく計算です。5つの材料を整理します。
1つ目は単価です。平均受注単価が400万円から500万円に上がれば、必要な受注件数は30件から24件に減り、必要なリード総数も1,200件に下がります。上位のプランを作る、対象を大手に寄せるという打ち手が候補になります。
2つ目は受注率と商談化率です。件数を増やす代わりに率を上げる道です。率の改善は必要件数を掛け算で減らすため、件数の追加より効率が高い場合があります。ただし営業の体制に踏み込む話になります。
3つ目は目標の構成です。新規と既存の比率を見直せるかを確認します。既存顧客からの追加受注で一部を作れるなら、新規で必要な金額が下がります。4つ目は期間で、初年度の売上ではなく契約期間の総額で見るという整理が成り立つ場合があります。
5つ目は予算です。必要件数と1件あたりの獲得費用を掛ければ、必要な予算が出ます。月125件を獲得するのに1件2万円かかるなら月250万円という数字になり、現在の予算との差が交渉の対象になります。
この5つを並べて出すことが、逆算の実務的な価値です。無理だという主張ではなく、単価か率か構成か期間か予算のどれを動かすかという選択肢の提示になります。判断は上位の役割で、材料を出すのがマーケの役割です。
チャネル別に割り振る
必要なリード総数が出たら、獲得のチャネルに割り振ります。ここで総数をそのまま按分すると、計画が実態から離れます。
| チャネル | 有効リードの割合の傾向 | 割り振りで見る点 |
|---|---|---|
| 展示会・イベント | 低くなりやすい | 名刺の総数ではなく有効分で数える |
| ウェビナー | テーマで大きく振れる | テーマ別に実績を分けて持つ |
| 検索からの資料請求 | 高くなりやすい | 件数の上限が読みにくい |
| 広告 | 設定と予算で調整できる | 1件あたりの費用が上振れしやすい |
| 紹介・既存顧客 | 最も高い | 件数を計画に載せづらい |
割り振りは総数ではなく有効リードで行ってください。展示会で500枚の名刺を集めても、有効分が100件なら計画上は100件として扱う必要があります。総数で按分すると、有効リードの目標に届きません。
チャネルごとに上限があることも織り込みます。検索からの流入は有効リードの割合が高い一方で、増やせる件数に天井があります。足りない分をどのチャネルで埋めるかが、割り振りの実質的な作業になります。
そして割り振った数字は、施策の本数に変換してください。ウェビナーで年200件が必要なら、1本あたり25件の獲得実績があるなら8本という計算になります。件数のままでは、誰も動けません。
実績のない新しいチャネルには、大きな件数を置かないでください。1件あたりの費用も有効リードの割合も分からない状態では、置いた数字が根拠を持ちません。年間の必要件数の1割程度を試験の枠として置き、四半期の実績で本格的に載せるかを決める形が安全です。
月別に割ると季節と稼働が見える
年間の必要件数を12で割るだけでは、計画として使えません。BtoBには月による偏りがあります。
偏りの原因は3つあります。顧客側の予算のサイクル、長期休暇による稼働日の減少、そして展示会やイベントの開催時期です。8月と1月に稼働日が減る一方で、期末に向けて商談が増える動きが重なります。
月別に割るときは、稼働日で調整するのが基本です。月あたりの平均が125件でも、稼働日が少ない月は100件、多い月は140件という形になります。平均を全月に当てはめると、休暇のある月が必ず未達になり、原因の分析が濁ります。
イベントの時期も反映してください。展示会が集中する月は獲得件数が跳ね上がり、その翌月は落ちるのが普通の動きです。月次の増減をイベントの有無で説明できる形にしてください。
そして、リードタイムを考えると月別の意味も変わります。期の後半に獲得したリードは今期の売上に貢献しないため、前半に厚く置く判断が成り立ちます。均等に割るのではなく、売上への効き方で配分してください。
出した数字を週次で追う形にする
逆算は表を作った時点では機能しません。月125件という目標を週の単位まで割り、進捗を見る形にしないと、期末になってから不足に気づくことになります。運用に載せるところまでが逆算の作業です。
週の目標は、月の数字を4で割るのではなく稼働日で割ってください。月125件で稼働日が20日なら1日あたり6.25件、週5日なら約31件になります。休暇が入る週は目標を下げるのが自然で、その調整を先にしておけば未達の理由を毎回説明する必要がなくなります。
追いかける数字は件数だけにしないでください。有効リードの割合と商談化率を同じ画面に並べます。件数が目標どおりでも有効リードの割合が下がっていれば、商談は増えません。件数だけを見ていると、質の低下に気づくのが3か月遅れます。
表を更新する担当も1人に決めてください。複数人で分担すると、月末に誰も更新していない状態が生まれます。更新の作業自体は10分程度なので、週次の定例の前に必ず開くという形で予定に紐づけると続きます。
四半期ごとに、仮置きした率を実績で差し替えてください。仮の数字は最初の四半期でほぼ確実にずれます。差し替えた結果として必要件数が変わったら、その時点で営業と上位の関係者に共有します。期末に近づくほど、修正できる幅が狭くなります。
逆算の前提を確認するチェックリスト
最後に、計算の前後で確認すべき項目を並べます。ここに未確認の項目が残っている場合、出した必要件数は後から覆される可能性があります。
- 売上目標から既存顧客の更新と追加を除き、新規で作る金額を切り分けてあるか
- 平均受注単価の定義(年額か初年度か、初期費用を含むか)を営業と合意してあるか
- 受注率と商談化率の分母がどの時点の案件かを揃えてあるか
- 有効リードの除外条件(同業、学生、既存顧客、連絡先の不備)を文字にしてあるか
- 率が実績から取れているか、仮置きなら表に印を付けてあるか
- リード獲得から受注までの日数の中央値を把握し、期のずれを織り込んであるか
- 必要件数を現状の何倍かという倍率で書いてあるか
- チャネルへの割り振りを総数ではなく有効リードで行っているか
- 月別の配分を稼働日とイベントの時期で調整してあるか
上の4項目は定義の話で、ここがずれると計算全体が使えません。特に有効リードの除外条件は、マーケと営業で認識が違ったまま運用されている頻度が高い項目です。先に文字にしてください。
下の5項目は運用に関わります。倍率で書く、有効リードで割り振る、稼働日で月別に配分するという3点が揃っていれば、計画は動かせる形になります。逆にここが抜けていると、正しく計算した必要件数が誰にも使われないまま期が終わります。
- 前年比だけで件数を決める:達成しても売上に届かない理由を説明できません
- 率を1つの数字で置いて幅を出さない:実績が想定と少しずれただけで、計画全体が使えなくなります
- リード総数のまま按分する:チャネルで有効リードの割合が違うため、有効分が目標に届きません
- 期のずれを無視する:今期の獲得が今期の売上を作ると想定し、期末に打つ手がなくなります
4つ目は最も損失が大きい失敗です。期のずれを織り込まないと、未達に気づく時期が3か月から6か月遅れます。気づいた時点で、対応できる期間が残っていません。
- 率を仮置きしたセルには印を付け、実績が出た時点で差し替える。仮の数字が既定の数字として引き継がれる事故を防げる
- 逆算の表は共有の場所に1つだけ置く。担当者の手元の複製が増えると、どれが現行の計画か分からなくなる
まとめ
必要なリード件数は、売上目標を平均受注単価で割って受注件数を出し、受注率で割って商談数、商談化率で割って有効リード、有効リードの割合で割ってリード総数、という4工程で出せます。年間1億2,000万円の新規売上目標で、単価400万円、受注率25%、商談化率20%、有効リードの割合40%なら、必要なリード総数は年1,500件、月125件です。使う材料は社内にある5つの数字だけで、計算は割り算だけです。
計算より難しいのは前提の確認です。売上目標から既存顧客の更新分を切り分け、平均受注単価と各率の定義を営業と合意し、有効リードの除外条件を文字にする。そしてリード獲得から受注までの日数の中央値を把握して、期のずれを織り込んでください。今期の売上は前期に獲得したリードで作られており、今期の後半に獲得する分は来期への投資になります。率が取れない場合は一般的な目安を仮置きし、セルに印を付けて実績と差し替える前提を残してください。
逆算の成果物は件数だけではありません。必要件数が現状の何倍かという倍率が出れば、単価、受注率と商談化率、新規と既存の構成、期間の見方、予算という5つの交渉材料が使えるようになります。まずは自社の売上目標と平均受注単価だけで、必要な受注件数を出してみてください。その1つの数字を営業に見せた時点で、会話の質が変わります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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