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設備工事の会社が排水管の詰まりの問い合わせを Make で受け、症状・場所・急ぎ度で分けて、当番と作業班に振り分ける

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

Web・電話・管理会社のメールで届く排水の詰まりの相談を Make で集め、Claude に症状・場所・使えない設備の数・依頼者の立場を区分で分けさせます。急ぎ度と担当は決めた規則で Make が出し、当番と作業班に届けます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
不動産/建設
対象部門
カスタマーサポート
対象業務
分類・仕分け/問い合わせ対応
主な課題
人手が足りない/判断に時間がかかる/問い合わせが多い
AIで行う処理
分類
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
56h/月
AI導入後
16h/月
想定削減
71%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. Web の問い合わせ、電話、管理会社のメールが届く
  2. 受付の担当が内容を読み、症状と場所を受付台帳に書く
  3. 依頼者が持ち主か入居者か管理会社かを確かめ、入居者なら管理会社の名前を聞く
  4. 急ぎかどうかを、経験で決める
  5. 急ぎなら当番に電話し、そうでなければ作業班の予定表から空いている班を探す
  6. 依頼者に、伺う時間の目安と、見積の扱いを伝える
  7. 管理会社の物件なら、管理会社に連絡して了承を取る
導入後(After)
  1. 人電話を受けた担当は、聞き取りの欄に打ち込む(夜間は当番がスマートフォンから)
  2. 自動Web の問い合わせと聞き取りの入力は Webhook で、管理会社のメールは Gmail の監視で Make に入る
  3. 自動Make が文面を Claude API に渡し、症状・場所・使えない設備の数・依頼者の立場・物件の種類を区分で分けさせる
  4. 自動Make が急ぎ度の表を引き、区分の組み合わせから急ぎ度を出す
  5. 自動Make が管理会社の表を引き、取引のある管理会社の物件なら、その条件(夜間の出動の可否、窓口)を付ける
  6. 自動ルーターで、至急・当日・予約・管理会社へ回す・要確認に分ける
  7. 自動至急は当番にメールで知らせ、それ以外は受付台帳と作業班の候補の欄に書く
  8. 自動依頼者への返信を、料金に触れない定型の文面で下書きする
  9. 人受付の担当が、至急と要確認のものを先に見て、当番に電話し、返信を送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. Web の問い合わせ、電話、管理会社のメールが届く
  2. 受付の担当が内容を読み、症状と場所を受付台帳に書く
  3. 依頼者が持ち主か入居者か管理会社かを確かめ、入居者なら管理会社の名前を聞く
  4. 急ぎかどうかを、経験で決める
  5. 急ぎなら当番に電話し、そうでなければ作業班の予定表から空いている班を探す
  6. 依頼者に、伺う時間の目安と、見積の扱いを伝える
  7. 管理会社の物件なら、管理会社に連絡して了承を取る

(a)急ぎかどうかが人で違う。 「トイレが流れない」でも、家にトイレが1つしかないのか2つあるのかで急ぎ度は違います。経験のある担当は聞き返しますが、新しい担当や夜の当番は聞き返さずに翌日に回すことがあります。

(b)共用部の相談を直接受けてしまう。 マンションの下の階で「複数の部屋で流れが悪い」という相談は、共用の排水管の詰まりのことがあります。 入居者から直接受けて作業に入ると、管理会社との取り決めに反し、費用の負担先も決まりません。

(c)料金を電話で聞かれる。 依頼者は「いくらかかるか」を最初に聞きます。詰まりの原因は現地を見ないと分からないので、電話で金額を言うと、後で食い違います。 国民生活センターも、水回りの修理などのトラブルについて、広告の表示や電話で説明された料金をうのみにしないよう消費者に呼びかけています。

(d)夜の受付が一人になる。 夜間は当番が受付を兼ね、作業中に電話を受けます。聞き取りが短く、台帳への記入が翌朝にまとめて行われ、何を聞いたかが残りません。

  1. 【人】 電話を受けた担当は、聞き取りの欄に打ち込む(夜間は当番がスマートフォンから)
  2. 【自動】 Web の問い合わせと聞き取りの入力は Webhook で、管理会社のメールは Gmail の監視で Make に入る
  3. 【自動】 Make が文面を Claude API に渡し、症状・場所・使えない設備の数・依頼者の立場・物件の種類を区分で分けさせる
  4. 【自動】 Make が急ぎ度の表を引き、区分の組み合わせから急ぎ度を出す
  5. 【自動】 Make が管理会社の表を引き、取引のある管理会社の物件なら、その条件(夜間の出動の可否、窓口)を付ける
  6. 【自動】 ルーターで、至急・当日・予約・管理会社へ回す・要確認に分ける
  7. 【自動】 至急は当番にメールで知らせ、それ以外は受付台帳と作業班の候補の欄に書く
  8. 【自動】 依頼者への返信を、料金に触れない定型の文面で下書きする
  9. 【人】 受付の担当が、至急と要確認のものを先に見て、当番に電話し、返信を送る

9番目で人が見るのは、至急と要確認のものと、返信の下書きです。 当日・予約に分かれたものは、受付台帳で区分を流し見て、返信を確かめて送ります。7分が2分になるのは、書き写しと返信を書く時間が無くなるからです。

4番目を Make の表にしているのは、急ぎ度の決まりを会社が持つためです。 当番が1人しかいない夜は「トイレが1つしかなく使えない」と「あふれている」だけを至急にする、といった調整を、表を直すだけで変えられます。

02今回想定するシステム構成

構成図
Web の問い合わせ ──────┐
聞き取りの入力(電話)──┼─▶【トリガー】Webhooks の Custom webhook
管理会社の依頼メール ───┘    【トリガー】Gmail の Watch emails(送信元で絞る)
   ▼
Make(シナリオ)
   ▼
Claude API(Make an API Call で Messages API)
   │   症状・場所・使えない設備の数・依頼者の立場・物件の種類・共用部の疑い
   ▼
Make ── Google スプレッドシート:急ぎ度の表、管理会社の表、作業班の表を引く
   ▼ ルーター
   ├── 至急 ─────────── 当番にメール(Send an email)+受付台帳
   ├── 当日・予約 ───── 受付台帳(作業班の候補つき)
   ├── 管理会社へ回す ── 受付台帳+管理会社への連絡の下書き
   └── フォールバック ── 要確認の一覧
   ▼
Make ── 依頼者への返信の下書き(料金に触れない定型の文面)
   ▼
【人】受付が至急と要確認を見る / 当番に電話 / 返信を送る
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Webhooks、Gmail、Google Sheets、ルーター)Zapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API、構造化出力)OpenAI API、Gemini API
保管Google スプレッドシート(受付台帳・急ぎ度の表・管理会社の表・作業班の表)Airtable
メールGmail(受付のアドレス)Microsoft Outlook

新しく作るのは、急ぎ度の表と管理会社の表です。 急ぎ度の表は、症状・使えない設備の数・場所の組み合わせごとに、至急・当日・予約のどれにするかを書いた表です。管理会社の表には、取引のある管理会社ごとに、管理している物件の名前、夜間の出動の可否、入居者から直接来た相談の扱い、連絡の窓口を書きます。

入口の1つは Make の Custom webhook です。 Custom webhook は、どんなデータでも送れる URL を作る仕組みとされています。Web の問い合わせフォームと聞き取りの入力の送り先にこの URL を設定します。 受付の側の処理は10秒あたり300件までで、超えると429が返るとされており、問い合わせの数ならまず届きません。シナリオにつないでいない Webhook は5日(120時間)で止まり、410が返るとされているので、作り直しのときは気をつけます。

AI の部品は Claude API です。 Make の Anthropic Claude アプリには Simple Text Prompt や Create a Prompt がありますが、公式のページに構造化出力の記載が無いため、Make an API Call で Messages API を呼び、output_config.format に JSON Schema を渡します。 区分は enum で決めておき、決めた値以外を返させません。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

経路は3つで、入口は2つです。 Web の問い合わせフォームと聞き取りの入力は、送信と同時に Custom webhook に届きます。受け付けたリクエストには、Webhook response のモジュールを置かなければ、ステータス200と「Accepted」という本文が返るとされています。フォームの側は、この応答を受けて「受け付けました」の画面を出します。

管理会社の依頼メールは、Gmail の Watch emails で拾います。 フィルターには、条件を選ぶ簡単なフィルターと、Gmail の検索の書き方で指定する方法があり、1回に扱う上限は500件以下とされています。取引のある管理会社の送信元だけに絞り、5分ごとに動かします。 夜にメールで来る依頼も、至急なら当番に届く必要があるからです。

拾ったメールにはラベルを付けます。 「処理済み」のラベルは、受付台帳への書き込みまで通ったときだけ Update email labels で付けます。既読にする設定は使いません。

電話は、聞き取りの入力に打ち込みます。 項目は、依頼者の名前と連絡先、住所、聞いた内容をそのまま書く欄の4つだけにします。作業中の当番が項目を選ぶ余裕は無く、分けるのは AI の仕事です。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
Web の問い合わせ名前、連絡先、住所、症状の説明、物件の種類の選択、写真の有無Custom webhook
聞き取りの入力名前、連絡先、住所、聞いた内容、受けた担当Custom webhook
管理会社の依頼メール件名、送信元、本文(物件名、部屋番号、入居者、症状)Gmail の Watch emails
急ぎ度の表症状・使えない設備の数・場所の組み合わせと急ぎ度、時間帯ごとの扱いGoogle スプレッドシート
管理会社の表管理会社、物件の名前、夜間の出動の可否、入居者からの相談の扱い、窓口Google スプレッドシート
作業班の表班、得意な作業、当日の空きGoogle スプレッドシート

質を決めるのは、管理会社の表の物件の名前の列です。 入居者は物件の名前を通称で言うことがあり、管理会社の表に通称を並べておけば、住所と物件の名前から管理会社を引けます。 引けないものは要確認に回します。

写真は AI に渡しません。 Web のフォームで写真が付いていれば、受付台帳にリンクを残し、現地に向かう班が見ます。 区分に要るのは、依頼者が書いた症状の言葉です。

Step3

データの取得方法を決める

Web の問い合わせは、項目ごとに分かれたまま届きます。 症状の説明の欄と物件の種類の選択を、1つの文面にまとめて Claude に渡します。住所・名前・連絡先は渡しません。 Make が元の項目から受付台帳に写します。

取るものどこから何に使うか
症状の文面Webhook の中身、またはメールの本文Claude に渡す
急ぎ度急ぎ度の表(症状・使えない設備の数・場所で検索)至急・当日・予約を決める
管理会社の条件管理会社の表(物件の名前で検索)夜間の出動の可否と窓口
作業班の候補作業班の表(症状と場所で検索)受付台帳の候補の欄

急ぎ度は、時間帯で表を分けます。 日中の表と夜間・休日の表を持ち、受信の時刻で Make がどちらを引くかを決めます。 夜は当番が2名しかいないので、同じ「台所の流れが止まった」でも、日中は当日、夜は翌朝の予約にします。

管理会社の表を物件の名前で引くときは、Search Rows の Limit を1にしません。 同じ名前の物件を2つの管理会社が持っていることがあり、2行返ったら住所の市区町村で絞り、それでも1つにならなければ要確認に回します。

管理会社の物件で夜間の出動が不可なら、至急でも管理会社へ回すルートに入れます。 入居者には、管理会社の夜間の窓口を案内します。取引の条件を破って出動しないためです。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 送信元の確認 … メールは取引のある管理会社の送信元か確かめます
  2. 本文を文字にする … HTML を改行つきの文字にし、署名と過去のやり取りの引用を外します
  3. 個人の情報を外す … 名前・電話番号・メールアドレス・住所の番地を外し、市区町村までを残します
  4. 文面をまとめる … Web の問い合わせは、症状の説明と物件の種類の選択を1つの文面にします
  5. 同じ相談の二度目を外す … 同じ連絡先から30分以内に同じ内容が来たら、前の受付に追記します

3番目で市区町村を残すのは、作業班の担当の地域を引くためです。 番地は区分に要りません。

5番目は、急いでいる依頼者がフォームを何度も送るためです。 二度目を新しい受付にすると、当番に同じ知らせが2回届きます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、相談の文面を決めた区分に分けることだけです。

分けるもの区分分けられないとき
症状slow(流れが遅い)/stopped(止まった)/overflow(あふれた・あふれそう)/backflow(逆流)/odor(臭い)/noise(ゴボゴボという音)unknown
場所kitchen/bath/toilet/washbasin/laundry/outdoor_basin(屋外の排水ます)/multiple(複数の場所)unknown
使えない設備の数その場所の設備がほかにあるか(トイレが1つだけか、など)unknown
物件の種類house(戸建て)/apartment(集合住宅の専有部)/shared(集合住宅の共用部の疑い)/store(店舗)unknown
依頼者の立場owner(持ち主)/tenant(借りている人)/manager(管理会社)/otherunknown
物件の名前書かれた呼び方のままnull

区分ごとに、根拠にした文言を写させます。 「2階のトイレは使えます」と書かれていれば、それが使えない設備の数の根拠です。受付が台帳を見たときに、なぜその区分かが一目で分かります。

shared(共用部の疑い)は、文面に手がかりがあるときだけにさせます。 「下の階の人も流れが悪いと言っている」「1階の排水ますからあふれている」のような書き方です。手がかりが無いのに共用部と決めると、管理会社へ回す相談が増えすぎます。

させないこと理由
急ぎ度を決める急ぎ度の表で Make が決める
原因を推測する現地を見ないと分からない
料金や作業の時間を答える電話や文面で金額を言うと後で食い違う
費用の負担先を決める持ち主・入居者・管理会社の取り決めで決まる
自分で直す方法を案内する薬剤や器具で悪くなることがある。案内は会社の定型の文面だけ
Step6

指示内容を固定する

あなたは給排水の修理の会社の受付で、排水の詰まりの相談を区分に分ける担当です。
渡された相談の文面だけを読み、決められた区分の値を選んでください。
文面に書かれていないことを推測しないでください。

【分けるもの】
- symptom:slow / stopped / overflow / backflow / odor / noise / unknown
  複数当てはまるときは、いちばん重いもの(overflow → backflow → stopped
  → slow → odor → noise の順)を symptom に、残りを other_symptoms に入れる
- location:kitchen / bath / toilet / washbasin / laundry / outdoor_basin /
  multiple / unknown
- other_fixture_available:同じ種類の設備がほかにあり使えると書かれていれば
  true、ほかに無い・使えないと書かれていれば false、書かれていなければ null
- property_type:house / apartment / shared / store / unknown
  shared は、ほかの部屋や下の階でも起きている、共用の排水ますからあふれている、
  など、共用の排水管を疑う手がかりが文面にあるときだけ選ぶ
- requester_role:owner / tenant / manager / other / unknown
- property_name:物件の名前が書かれていれば、書かれた呼び方のまま

【厳守事項】
- 区分ごとに、根拠にした文言をそのまま evidence に写す。
- 原因を書かない。料金・作業の時間・自分で直す方法を書かない。
- 急ぎかどうかを書かない。
- 文面が詰まりの相談でない(給湯器の故障、水漏れだけ、など)ときは
  is_drain_clog を false にし、区分は unknown にする。

【受信日時】{received_at}
【経路】{channel}
【相談の文面】{text}

「いちばん重いものを symptom に入れる」の順を書いているのは、急ぎ度の表を1つの値で引くためです。 「流れが遅くて臭う」なら slow、「止まって逆流してきた」なら backflow です。順を決めておかないと、同じ文面でも返る値が揺れます。

「詰まりの相談でないとき」を入れているのは、水漏れや給湯器の相談が同じ窓口に来るためです。 これらは別の担当に回すので、詰まりの急ぎ度の表で引きません。

Step7

出力形式を固定する

次の形の JSON で受け取ります。

{
  "is_drain_clog": true,
  "symptom": "backflow",
  "other_symptoms": ["odor"],
  "location": "toilet",
  "other_fixture_available": false,
  "property_type": "apartment",
  "requester_role": "tenant",
  "property_name": "◯◯ハイツ",
  "evidence": {
    "symptom": "流すと水が上がってきて、臭いもします",
    "location": "トイレ",
    "other_fixture_available": "トイレはここ1つだけです",
    "property_type": "アパートの2階です",
    "requester_role": "借りている部屋です"
  }
}

1つ目の理由は、急ぎ度の表を区分の組み合わせで引けることです。 区分を enum で決めておけば、表の行と一字違わずに照合できます。自由文で返させると、「逆流」「上がってくる」「戻ってくる」が別の値になります。

2つ目は、ルーターの条件に使えることです。 Make のルーターは、ルートを順に処理し、ほかのどのルートの条件にも合わないものをフォールバックのルートで処理するとされています。

順ルート条件
1要確認is_drain_clog が false、または症状・場所のどちらかが unknown
2管理会社へ回すproperty_type が shared、または管理会社の表で「入居者からの相談は管理会社を通す」
3至急急ぎ度の表で至急、かつ管理会社の条件で出動できる
4当日・予約急ぎ度の表で当日か予約
-フォールバック上のどれにも当たらない。要確認の一覧へ

順を、要確認・管理会社・至急の並びにしているのは、共用部の相談を至急で出動させないためです。 共用部の疑いがあるものは、まず管理会社に回します。ただし、管理会社へ回すルートでも、症状が overflow なら当番にも知らせ、受付が管理会社と電話で段取りを決めます。

3つ目は、evidence で受付の確認が速くなることです。 台帳の1行に、区分と根拠の文言が並びます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Web の問い合わせ・聞き取りの入力Custom webhook相談を受け取る
GmailWatch emails、Update email labels、Send an email、Create a draft email管理会社のメールを拾う、当番に知らせる、返信の下書きを作る
Claude APIAnthropic Claude アプリの Make an API Call区分に分ける
急ぎ度の表・管理会社の表・作業班の表Google Sheets の Search Rows急ぎ度・条件・候補を引く
受付台帳Google Sheets の Add a Row受付の行を足す

当番への知らせは、メールに加えて受付が電話します。 夜間に当番がメールを見られるとは限らないので、至急のものは受付(夜は当番の相方)が電話で確かめます。 メールは記録として残す意味が大きいものです。

依頼者への返信は、定型の文面に区分の値と目安を差し込んで下書きにします。 文面には、伺う時間の目安、現地で状況を見てから作業の内容と料金を説明し、了承を得てから作業に入ること、見積の費用の扱い(会社の料金表のとおり)を書きます。国民生活センターの資料では、「見積もり無料」のはずが見積もりの費用を請求されたという相談も挙がっています。見積の扱いを最初の返信ではっきり書くのは、そのためです。

Step9

人が確認する

  1. 至急のものを先に見る … 区分と根拠を見て、当番に電話します
  2. 要確認の一覧を見る … unknown が出たもの、詰まりの相談でないもの。依頼者に電話で聞き直します
  3. 管理会社へ回すものを見る … 管理会社への連絡の下書きを確かめて送ります
  4. 当日・予約のものを流し見る … 区分と根拠が合っているかを見て、作業班の候補から班を決めます
  5. 返信の下書きを確かめて送る … 伺う時間の目安を、作業班の予定と合わせて直します

overflow の相談には、返信の下書きとは別に、受付が電話で「その場所の水を流すのをやめてもらう」案内をします。 あふれが続くと床や下の階に広がるからです。案内の言い方は会社が決めた文面にし、AI には書かせません。

4番目は、全件を詳しく見る作業ではありません。 区分と根拠が並んでいるので、根拠の文言を読んで違和感が無ければ次に進みます。 human_check を「条件付き」にしているのは、この流し見と、至急・要確認・管理会社のものだけを詳しく見る運用だからです。

目標は、480件をならして1件2分です。 当日・予約は流し見と返信で1分ほど、至急と要確認は電話をかけるので数分かかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
詰まりの相談でない(水漏れ・給湯器)要確認へ。別の担当に回す
症状か場所が unknown要確認へ。依頼者に電話で聞き直す
物件の名前が管理会社の表に無い要確認へ。入居者なら管理会社の名前を聞く
管理会社の物件で夜間の出動が不可管理会社へ回すルートへ。入居者には管理会社の夜間の窓口を案内
同じ連絡先から何度も送られる30分以内なら前の受付に追記
当番が2件の至急を抱えている受付が依頼者に待ちの時間を伝え、翌朝の一番に回すかを当番と決める
AI の応答が形に合わない1回だけ送り直し、だめなら要確認へ
「料金はいくら」とだけ書かれた相談区分は unknown。受付が電話で症状を聞く

上の3行が大半を占めます。 どれも区分の問題というより、聞き取りの短さの問題です。 聞き取りの入力の欄の上に「場所、流れの具合、ほかに使えるか、持ち主か借りているか」と書いておくと、夜の当番の聞き取りでも区分がそろいます。

Step11

記録を残す

  • 相談の原文(Webhook の中身、メールの ID と本文)と受信の日時
  • Claude が返した JSON の全文
  • 引いた急ぎ度の表・管理会社の表の行と、出した急ぎ度とルート
  • 当番に知らせた日時と、受付が電話で確かめた結果
  • 返信を送った日時と、下書きから直した点
  • 現地で分かった原因と、区分が合っていたか

最後の行が、急ぎ度の表の見直しの材料になります。 「slow で予約に回したが、現地では管の奥で止まりかけていた」が続くなら、slow に臭いや音が重なる組み合わせを当日に上げる、といった直し方ができます。

04実装レベルの3段階

最小構成:相談の文面を Claude の画面に貼り、区分に分けさせて受付台帳に写す / 1件ごとの区分
半自動化:上記+Webhook と Gmail で相談を集め、急ぎ度の表と管理会社の表で振り分け、当番への知らせと返信の下書きまで作る / 区分・急ぎ度・振り分け・返信の下書き
本格構成:上記+作業班の予定表とつなぎ、空いている班と伺う時間の案まで出す / 受付から段取りの案まで

本記事の想定は半自動化です。 書き写しと返信を書く作業が無くなり、受付は至急と要確認に時間を使えます。半自動化で区分と現地の原因の記録が3か月たまると、急ぎ度の表のどの行が実態とずれているかが見えます。 表を直してから本格構成に進みます。 本格構成の伺う時間の案は、作業班の現場の進み具合で変わります。 詰まりの作業は、管の奥の状態で時間が大きく変わるので、案は受付が当番と班に確かめてから依頼者に伝えます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
480 件
1件あたり現在時間
7 分
1件あたり導入後時間
2 分
現在  480件 × 7分 ÷ 60 = 56 時間/月
導入後 480件 × 2分 ÷ 60 = 16 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
71%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価2,800円)
134万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 給排水の設備工事と修理を受け持ち、戸建ての個人、賃貸住宅の入居者、マンションの管理会社から詰まりの相談を毎月数百件受けている会社。夜間と休日の当番があり、急ぎかどうかの見極めを受付の担当の経験に頼っている場合。集合住宅の共用の排水管の相談を、管理会社を通さずに受けてしまうことがある場合。
向いていない
  1. 詰まりの相談が月に数十件で、社長か職長が電話を直接受けて段取りまで決めている会社。管理会社との契約で、受付の窓口が管理会社のコールセンターに一本化されている場合。なお、現地を見ない段階での原因の特定と料金の提示は、この構成では行いません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の詰まりの相談から40件を選ぶ(Web・電話・管理会社のメールを混ぜ、夜の相談と共用部だったものを入れる)
  2. その40件について、当時の急ぎ度、振った班、現地で分かった原因を並べておく
  3. 名前・連絡先・番地を消し、Claude の画面に相談の文面を1件ずつ貼り、第7章の指示文を渡す
  4. 出てきた区分を、2番の内容と見比べる。急ぎ度は、区分から手で急ぎ度の表の案を引いて出す

急ぎ度の表は、この段階で案を作ります。 40件の区分と当時の急ぎ度を並べれば、どの組み合わせを至急にしていたかが見えます。

出てきた内容判断
区分が当時の判断と合うWebhook と Gmail のつなぎに進む
shared が多すぎる手がかりの書き方を指示に足す。構成は有効
unknown が多い聞き取りが短い。聞き取りの入力の欄を直すのが先

3行目が出ても、AI の問題ではありません。 夜の相談は「トイレ詰まった、すぐ来て」だけのことがあり、どの AI でも分けられません。 聞き取りの欄の書き方を変えて、もう一度試します。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
同じ文面でも症状の値が揺れる重さの順を指示に書き、いちばん重いものを返させる
shared が多すぎる手がかりがあるときだけ選ばせる
原因や料金を書いてしまう指示で禁じ、スキーマに原因と料金の項目を持たせない
自分で直す方法を案内してしまう案内は会社の定型の文面だけにする
夜の聞き取りが短く unknown が多い聞き取りの入力の欄の上に、聞くことを4つ書く
管理会社の物件で取り決めに反して出動するルーターの順を、要確認・管理会社・至急にする
当番がメールに気づかない至急は電話で確かめる
同じ相談が何度も届く30分以内の同じ連絡先は追記にする
Webhook が止まるシナリオにつないでいない Webhook は5日で止まる
水漏れ・給湯器の相談が混ざるis_drain_clog で分けて別の担当へ

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、AI に「親切に」答えさせると起きます。区分は enum で縛り、原因と料金の項目はスキーマに置かない、と決めておけば防げます。

下から5行目は、表の作り方では防げません。 取引の条件は管理会社ごとに違い、変わることもあります。管理会社の表を、契約を見直したときに必ず直す決まりにします。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 依頼者の名前、連絡先、住所、物件の名前と部屋番号、症状の説明、写真。住まいの場所と、家に一人でいるかなどが分かる情報です。

  1. AI に渡すのは症状の文面と市区町村までにする … 名前・連絡先・番地は前処理で外し、Make が元の項目から台帳に写します
  2. 料金と原因を、現地を見ないうちに伝えない … 返信は定型の文面にし、作業の前に内容と料金を説明して了承を得ることを書きます
  3. 自分で直す方法を AI に案内させない … 薬剤や器具の使い方の案内は、会社が決めた文面だけにします
  4. 管理会社との取り決めを守る … 共用部の疑いと、入居者からの直接の相談は、管理会社の表の条件で回します
  5. 写真の扱いを決める … 写真は作業班だけが見られる場所に置き、作業が終わって決めた期間が過ぎたら消します
  6. 費用の負担先を AI に決めさせない … 下水道法では、排水設備の改築・修繕は設置すべき者、清掃その他の維持は土地の占有者が行うとされています。誰が費用を持つかは、持ち主・入居者・管理会社の取り決めで決まるので、受付が確かめます

誤りが起きた場合のリスクは、至急のものを予約に回すことと、共用部の相談に直接出動することの2つです。 前者は区分の unknown を要確認に落とすことで、後者はルーターの順で防ぎます。どちらも、AI の区分ではなく会社の表と順で守る設計にしています。

10まず何から始めるか

1週目:急ぎ度の表の案を作る

先月の相談40件の区分と当時の急ぎ度を並べ、日中と夜間・休日の2つの表の案を作ります。 受付・当番・作業班の職長で合意します。

2週目:40件で試す

先月の相談40件で、区分が当時の判断と合うかを見ます。shared と unknown の多さを最優先で見ます。

3週目:管理会社の表と聞き取りの入力を作る

取引のある管理会社ごとに、物件の名前、夜間の出動の可否、入居者からの相談の扱い、窓口を確かめて書きます。聞き取りの入力は、聞くこと4つを欄の上に書いた形にします。

4週目:Webhook と Gmail から受付台帳までをつなぐ

Make で2つの入口から Claude を呼び、急ぎ度の表を引いて受付台帳に書くところまで作ります。この時点では、当番への知らせと返信は従来どおり人が行い、台帳の急ぎ度と見比べます。

2か月目: 当番への知らせと返信の下書きを足します。要確認の理由を毎週数えます。3か月目以降: 現地で分かった原因と区分を突き合わせて急ぎ度の表を直し、1件7分が何分になったかを実測します。夜の当番が一人で受けても、日中と同じ急ぎ度で振り分けられるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
Custom webhook が任意のデータを送れる URL を作ること。Webhook response が無いとき200と「Accepted」を返すこと。受信が10秒あたり300件までで超えると429。シナリオにつないでいない Webhook が5日(120時間)で止まり410を返すことMake: Webhooks2026-10-29
Watch emails のフィルターが簡単なフィルターと Gmail の検索の書き方の2つで、1回の上限が500件以下であること。既読にする設定。Update email labels、Send an email、Create a draft email のモジュールMake: Gmail modules2026-10-29
Anthropic Claude アプリのモジュール(Simple Text Prompt、Create a Prompt、Make an API Call など)。構造化出力の記載が無いことMake: Anthropic Claude2026-10-29
ルーターがルートを順に処理し、フォールバックのルートがほかの条件に合わないものを処理することMake: Router2026-10-29
Google Sheets の Search Rows・Add a Row のモジュールMake: Google Sheets modules2026-10-29
構造化出力が output_config.format で使えることClaude: Structured outputs2026-10-29
下水道法第10条:排水設備の設置の義務者、改築・修繕は設置すべき者、清掃その他の維持は土地の占有者が行うこと(2026-08-17 施行の版)e-Gov 法令API: 下水道法2026-10-29
水回りの修理などの「暮らしのレスキューサービス」で料金のトラブルの相談があること。見積もり無料のはずが見積もりの費用を請求された例。広告や電話で説明された料金をうのみにしないよう呼びかけていること国民生活センター: 水漏れ修理、解錠など「暮らしのレスキューサービス」でのトラブルにご注意2026-10-29

費用の負担先と、共用部の扱いは、持ち主・管理会社との取り決めで確かめてください。 本記事は公開仕様と法令で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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