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ハイヤー会社が法人の契約先に毎月送る利用の報告の文と、使い方の提案の文を、運行の記録の集計表から ChatGPT で作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

ハイヤー会社の法人営業が、契約先ごとの月の運行の記録を表計算で集計し、その集計表と契約の内容を ChatGPT に渡して、契約先に送る利用の報告の文と、使い方の提案の文の下書きを作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Microsoft Copilot
対象業界
その他/物流
対象部門
営業
対象業務
書類作成/集計・分析
主な課題
営業フォローが追いつかない/属人化している/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
最小構成
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
8h/月
想定削減
73%
年間削減
264h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 月初に、配車システムから先月の運行の記録を契約先ごとに CSV で書き出す
  2. 表計算で、件数・利用時間・待機時間・距離・料金を、部署別・時間帯別・区間別に集計する
  3. 先月と先々月の報告を開き、数字を比べる
  4. 報告の文(先月の利用の概要、目立った動き、所感)を書く
  5. 提案を出すかを決め、出すときは提案の文を書く
  6. 集計表と報告の文の数字を見比べる
  7. 上長が数社分を読み、契約先に送る
導入後(After)
  1. 人月初に、配車システムから先月の運行の記録を契約先ごとに書き出す
  2. 【人/自動】 表計算の決まった集計の書式に貼り、集計表ができる(行に番号が付く)
  3. 人ChatGPT の「法人の月次報告」プロジェクトで、契約先ごとに新しいチャットを開く
  4. 人集計表(今月・先月・先々月)と、営業のメモ(先月の打ち合わせで聞いたこと)を貼る
  5. 【AI】 スキル「月次報告」に沿って、報告の文の下書きを作り、数字ごとに集計表の行の番号を付ける
  6. 【AI】 提案の型の一覧から当てはまる型を選び、提案の文の下書きを作る。当てはまらなければ「今月は提案なし」とする
  7. 人営業が、番号の付いた数字を集計表と見比べ、提案の型が契約先の事情に合うかを決める
  8. 人提案に配車の台数や時間帯が関わるときは、配車の担当に確かめる
  9. 人上長が数社分を読み、契約先に送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 月初に、配車システムから先月の運行の記録を契約先ごとに CSV で書き出す
  2. 表計算で、件数・利用時間・待機時間・距離・料金を、部署別・時間帯別・区間別に集計する
  3. 先月と先々月の報告を開き、数字を比べる
  4. 報告の文(先月の利用の概要、目立った動き、所感)を書く
  5. 提案を出すかを決め、出すときは提案の文を書く
  6. 集計表と報告の文の数字を見比べる
  7. 上長が数社分を読み、契約先に送る

(a)月初が報告で埋まる。 4番と5番を40社分書くと、営業4人の月初の数日がほぼ報告で終わります。その間、新しい契約先への営業が止まります。

(b)提案が人による。 営業Aは毎月何かを提案し、営業Bは数字の報告だけを送ります。同じような使い方の会社でも、担当が違うと提案が届きません。 提案が届かないまま、契約先が他社に乗り換えることもあります。

(c)数字の写し間違いが起きる。 集計表から報告の文に数字を書き写すときに、部署の行を取り違えたり、先月の数字を残したりします。総務の担当から「この件数は違うのでは」と言われると、報告全体が信用されなくなります。

(d)提案が現場と合わないことがある。 営業が「深夜の帰りの送りも、前日までに予約いただければ確実に配車できます」と書いた翌月、配車の担当から「その時間帯は運転者の休息の都合で台数を増やせない」と言われたことがあります。提案は、配車と運転者の労働時間の側から見ても成り立っていなければなりません。

  1. 【人】 月初に、配車システムから先月の運行の記録を契約先ごとに書き出す
  2. 【人/自動】 表計算の決まった集計の書式に貼り、集計表ができる(行に番号が付く)
  3. 【人】 ChatGPT の「法人の月次報告」プロジェクトで、契約先ごとに新しいチャットを開く
  4. 【人】 集計表(今月・先月・先々月)と、営業のメモ(先月の打ち合わせで聞いたこと)を貼る
  5. 【AI】 スキル「月次報告」に沿って、報告の文の下書きを作り、数字ごとに集計表の行の番号を付ける
  6. 【AI】 提案の型の一覧から当てはまる型を選び、提案の文の下書きを作る。当てはまらなければ「今月は提案なし」とする
  7. 【人】 営業が、番号の付いた数字を集計表と見比べ、提案の型が契約先の事情に合うかを決める
  8. 【人】 提案に配車の台数や時間帯が関わるときは、配車の担当に確かめる
  9. 【人】 上長が数社分を読み、契約先に送る

5番と6番を分けているのが、この設計の要です。 報告は数字から決まりますが、提案は営業の判断です。AIが選ぶのは型の候補までで、出すかどうかは営業が決めます。

8番の確認は、これまで抜けていたものです。 提案の型の一覧には、型ごとに「配車の担当に確かめるか」の印を付けておきます。

02今回想定するシステム構成

構成図
配車システム ── 先月の運行の記録(契約先ごとの CSV)
   ▼
表計算 ── 決まった書式で集計(行に番号。今月・先月・先々月)
   ▼【トリガー】営業が契約先ごとにチャットを開く
ChatGPT(プロジェクト「法人の月次報告」)
   │  資料:契約の内容の一覧、提案の型の一覧、報告の書き方、使わない言い方
   ├──▶ スキル「月次報告」── 報告の文(数字に行の番号)
   └──▶ スキル「提案の型」── 型の候補と提案の文、配車への確認の要否
   ▼
【営業が数字と提案を確かめ、配車に聞き、上長が読んで送る】
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(Business のプロジェクトとスキル)Claude(Team のプロジェクト)、Microsoft Copilot(Microsoft 365 Copilot Chat)
集計配車システムの月次の書き出しと、表計算のピボットの書式配車システムの帳票の機能
契約の台帳社内の契約の一覧(契約の形、料金の区分、更新の月)販売管理の仕組み
送付メール(営業が送る)契約先ごとの共有フォルダ

配車システムと表計算は、いまあるものです。 足すのは、ChatGPT のプロジェクトと2つのスキル、提案の型の一覧、そして集計の書式を全社で1つにそろえることです。最初の準備作業は、集計の書式を決め、行に番号を振ることです。

プロジェクトは、関連するチャット・ファイル・指示・資料をまとめておく場所です。 公式のページでは、資料に入れたファイルはプロジェクトのチャットのあいだで共有され、プロジェクトの指示はそのチャット全体に効くとされています。契約の内容の一覧と提案の型の一覧を資料に入れておけば、毎回貼る必要はありません。

スキルは、繰り返す仕事の手順をまとめたものです。 指示と補助の資料(テンプレート、例など)をまとめ、依頼が目的に合うと ChatGPT が選ぶほか、@ で明示して呼べます。ワークスペースの設定が許せば同僚と共有できるので、4人の営業が同じ手順で書けます。

提案の型を決めるときの前提に、運転者の労働時間の決まりがあります。 厚生労働省の自動車運転者のポータルサイトは、ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示が令和6年4月1日から改正後のものになっているとしています。ハイヤーの運転者には、タクシーの拘束時間の表は適用されませんが、時間外・休日労働の協定の延長時間は1か月45時間・1年360時間を限度とし、臨時的特別な事情がある場合でも1年960時間を超えないものとし、勤務終了後に一定の休息期間を与えるものとされています。待機の長い使い方や深夜の続けての利用を勧める提案は、この決まりと配車の担当の両方から見て成り立つかを確かめます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

月初に集計表ができたことを起点にします。 営業が契約先ごとに、プロジェクトの中で新しいチャットを開き、スキル「月次報告」を呼びます。自動で起動する仕組みは作りません。

チャットは契約先ごとに分けます。 1つのチャットで何社も続けて作ると、前の会社の部署の名前や数字が混ざることがあります。1社1チャットにしておけば、後から「この会社の先月の報告はどう書いたか」を開き直すのも簡単です。

提案の文は、報告の文が直った後に作ります。 報告の数字を営業が確かめてから、同じチャットでスキル「提案の型」を呼びます。数字が直る前に提案を作ると、直った数字と提案の根拠が食い違います。

Step2

入力データを集める

データ中身置き場所
集計表今月・先月・先々月の件数、利用時間、待機時間、距離、料金。部署別・時間帯別・区間別。行に番号チャットに貼る
営業のメモ先月の打ち合わせで聞いたこと(来月の行事、役員の交代、拠点の移転など)チャットに貼る
契約の内容の一覧契約先ごとの契約の形(専属/都度)、料金の区分、更新の月プロジェクトの資料
提案の型の一覧型の名前、当てはまる条件、勧める内容、配車の担当に確かめるかプロジェクトの資料
報告の書き方報告の構成、文の長さ、使わない言い方、敬語の決まりプロジェクトの資料とスキル

質を決めるのは、提案の型の一覧です。 型の「当てはまる条件」が数字で書かれていないと、AIは何となく当てはまりそうな型を選びます。「同じ区間の利用が月10件以上」のように、集計表の列で判定できる条件にします。

営業のメモは、数字には出ないことを伝えるためのものです。 「来月は株主総会で役員の移動が増える」と聞いていれば、報告の所感に一言入れられます。メモに無いことを、AIに所感として作らせません。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
運行の記録配車システム月初に契約先ごとに CSV で書き出す
集計表表計算の決まった書式CSV を貼るとピボットで集計され、行に番号が付く
先月・先々月の集計表同じ書式の過去の月同じブックの別のシートから写す
営業のメモ営業の打ち合わせの記録該当する部分を写して貼る
契約の内容の一覧契約の台帳月に1回、最新の一覧をプロジェクトの資料に差し替える

集計表は、テキストの表として貼ります。 行の頭に R01、R02 のような番号を付け、列の名前を1行目に置きます。表計算のファイルそのものを渡すより、番号付きの表を貼るほうが、数字の出どころを示させやすくなります。

貼る集計表の例(一部):

番号区分件数利用時間(分)待機時間(分)料金(円)件数の前月比
R01合計14219,0804,3202,184,000+12
R05部署:営業本部486,2401,500712,000+21
R12区間:本社→羽田空港181,620240252,000+8
R20時間帯:22時以降95406098,0000

合計の行を R01 に固定しておくと、報告の概要の数字はいつも R01 から取れます。 営業が見比べるときも、まず R01 を見れば済みます。区分の行の順番も毎月同じにしておくと、先月の P05 と今月の R05 が同じ部署の行になり、読み違いが減ります。

運行の記録の明細は、ChatGPT に渡しません。 明細には、乗った人の名前や行き先が1件ずつ入っています。報告に要るのは部署別・時間帯別・区間別の集計で、明細は要りません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 集計の書式をそろえる … 全社で同じ列の並び(件数、利用時間、待機時間、距離、料金)と、同じ区分(部署、時間帯、区間)にします
  2. 行に番号を振る … 今月は R01〜、先月は P01〜、先々月は Q01〜のように、月で頭の文字を変えます
  3. 乗った人の名前を外す … 集計の区分に人の名前を使わず、部署と「役員」「来客」のような区分にします
  4. 区間の名前をそろえる … 「本社→羽田」「本社→羽田空港」を「本社→羽田空港」に、決まった名前にします
  5. 前月比を表計算で出す … 増減の数と率は表計算の式で出し、集計表の列に入れます。AIに引き算や割り算をさせません
  6. 端数の扱いを決める … 料金は円、時間は分の単位で、四捨五入の決まりを集計表の側でそろえます

5番が、この前処理でいちばん大事です。 「先月より12件増えました」という文を作るとき、AIに今月と先月の数字を渡して引き算をさせると、桁を取り違えたり、別の行の数字で計算したりすることがあります。 増減は表計算の式で出し、AIはその列を読むだけにします。

3番は、報告の受け手のためでもあります。 契約先の総務の担当は、報告を役員や部長に回します。誰がいつどこへ乗ったかを報告の本文に書くと、回す範囲が狭まります。 必要なら、明細は別の添付として配車システムの帳票から出します。

Step5

AIに処理させる

させること中身根拠にするもの
報告の概要先月の件数・利用時間・料金の合計と、前月比集計表の合計の行と前月比の列
目立った動き増減の大きい部署・時間帯・区間を3つまで集計表の前月比の列
所感営業のメモにある行事や変化と、数字の動きを結び付ける一言営業のメモ
提案の型の選択型の一覧のうち、条件に当てはまるもの提案の型の一覧と集計表
提案の文選んだ型の「勧める内容」を、その会社の数字で書く型の一覧と集計表

文の中の数字には、すべて行の番号を付けさせます。 「先月のご利用は142件(R01)で、前月より12件(R01)増えました」のように書かせ、送る前に番号を消します。営業は番号を頼りに、集計表の行と見比べるだけで済みます。

させないこと理由
計算合計・増減・率は表計算で出す。AIは読むだけ
型の一覧に無い提案配車の都合と運転者の労働時間と合わない提案が出る
料金の値引きや新しい料金の提示料金は契約の台帳と営業部の決裁で決まる
営業のメモに無い所感「繁忙期のため」などの理由を作らない
乗った人の名前の記載集計の区分に名前を使わない
他のハイヤー会社やタクシーとの比較根拠の無い比較になる

3行目は、提案の文で起きやすい失敗です。 「時間制の契約に切り替えると、月の料金が下がる見込みです」と、根拠の無い見込みを書くことがあります。料金の比較は営業が契約の台帳で計算し、文には営業が数字を入れます。

Step6

指示内容を固定する

プロジェクトの指示:

あなたはハイヤー会社の法人営業の手伝いです。契約先に送る月次の報告の文を作ります。

【数字の決まり】
- 数字は、貼られた集計表に書いてあるものだけを使ってください
- 文の中の数字には、必ず集計表の行の番号を(R01)のように付けてください
- 足し算・引き算・割り算をしないでください。増減と率は集計表の列にあります
- 集計表に無い数字が要るときは「(集計表に無い)」と書いてください

【書き方の決まり】
- 資料の「報告の書き方」に従ってください
- 乗った方の名前は書かないでください。部署と区分(役員・来客など)で書いてください
- 他社との比較、料金の値引き、新しい料金の提示はしないでください

スキル「月次報告」:

貼られた集計表(今月 R、先月 P、先々月 Q)と営業のメモから、
{契約先名} 様への月次の報告の文を作ってください。見出しは【】で書いてください。

【構成】
【先月のご利用の概要】件数・利用時間・料金の合計と前月比
【目立った動き】前月比の大きい部署・時間帯・区間を3つまで
【所感】営業のメモにあることと数字の動きを結び付けて2〜3文。
        メモに無い理由は書かないでください
【来月に向けて】営業のメモに来月の予定があればそれに触れる。なければ省く

最後に、使った行の番号の一覧を付けてください。

スキル「提案の型」:

報告の文で使った集計表と、資料の「提案の型の一覧」を見て、
当てはまる型を最大2つ選んでください。

【選び方】
- 型の「当てはまる条件」を、集計表の列の数字で確かめてください
- 条件を満たす型が無ければ「今月は提案なし」と書いてください
- 条件を満たすか分からないときは、型の名前と「分からない理由」を書いてください

【提案の文】
- 選んだ型の「勧める内容」を、この会社の数字(行の番号付き)で書いてください
- 料金が下がる・上がるといった見込みは書かないでください
- 型の「配車に確かめる」が「要」のときは、文の最後に【配車に確認】と書いてください

「今月は提案なし」を書かせることが大事です。 何も言わなければ、AIは毎月何かを提案します。当てはまらない月に無理な提案を出すと、総務の担当に「毎月同じことを言う」と思われ、本当に効く提案が読まれなくなります。

「料金の見込みを書かない」は、営業の約束になるのを防ぐためです。 総務の担当は提案の文を上司に回します。「下がる見込み」と書いてあれば、上司はそれを前提に契約の見直しを考えます。

Step7

出力形式を固定する

報告の文と提案の文は、メールの本文にそのまま貼れる形で返させます。 見出しは【】で、段落ごとに空行を入れます。数字の後の行の番号は、営業が確かめた後に消します。

報告の文の例:

【先月のご利用の概要】
先月のご利用は142件(R01)、ご利用時間は合計318時間(R01)でした。
前月より12件(R01)増えています。

【目立った動き】
・営業本部のご利用が21件(R05)増えました。
・本社→羽田空港の区間が18件(R12)で、前月の2倍近く(R12)です。
・22時以降のご利用は9件(R20)で、前月と同じ水準(R20)でした。

【所感】
先月お伺いした海外からのご来客の予定と、空港の区間の増加が重なっています。

提案の文の例:

【ご提案:空港のお送り迎えの事前のご予約】
本社→羽田空港の区間のご利用が18件(R12)ありました。
便の時刻が決まった段階で前日までにご予約いただくと、
ご希望の車種で配車の準備をしやすくなります。
(型:空港の事前予約/配車に確認:不要)

提案の型の一覧の例:

型当てはまる条件勧める内容配車に確かめる
空港の事前予約空港の区間が月10件以上便が決まった時点での前日までの予約不要
専属の契約の検討都度の契約で月の利用時間が一定以上が3か月続く専属の契約の説明の場を設ける要
時間の見直し専属の契約で待機時間が利用時間の半分を超える貸し切る時間帯の見直しの相談要
深夜の予約の前倒し22時以降の利用が月10件以上当日の夕方までの予約要

一覧に「配車に確かめる」の列を持たせるのは、第3章の(d)の失敗を繰り返さないためです。 専属の契約や深夜の利用は、運転者の勤務の組み方に直接関わります。営業だけで決めて送らず、配車の担当に確かめてから送ります。

Step8

システムへ連携する

システム同士はつなぎません。 集計表は営業が貼り、報告の文は営業がメールに貼って送ります。ChatGPT から契約先にメールを送る仕組みは作りません。

つなぎ先方式内容
配車システム月次の CSV の書き出し契約先ごとの運行の記録
表計算決まった書式に貼る集計表と前月比、行の番号
ChatGPT のプロジェクト集計表と営業のメモを貼る報告の文と提案の文の下書き
配車の担当社内のチャット【配車に確認】の付いた提案を確かめる
契約先営業のメール上長が読んだ報告と提案を送る

スキルを直すときは、営業部で1人が直して共有します。 4人がそれぞれ指示を書き換えると、報告の書き方がまたばらばらになります。

Step9

人が確認する

  1. 営業が数字を見比べる … 行の番号の付いた数字が、集計表のその行と合っているか。番号の付いていない数字があれば消すか、集計表から入れ直します
  2. 営業が所感を読む … 営業のメモに無いことが書かれていないか
  3. 営業が提案を出すかを決める … 型の条件が数字の上で当てはまっていても、契約先の事情(予算の時期、担当の交代)で今月は出さない、と決めることがあります
  4. 配車の担当が【配車に確認】の提案を見る … その時間帯・その台数で配車できるか、運転者の勤務の組み方と合うか
  5. 上長が数社分を読む … 毎月、営業ごとに1社以上を抜き出して読みます

1番が、この構成でいちばん大事な確認です。 報告の信用は数字で決まります。番号を頼りに見比べるので、1社あたり数分で終わります。

4番で配車の担当が「できない」と言った提案は、型の一覧の条件を見直す材料にします。 同じ型が毎月止まるなら、条件か勧める内容のほうを直します。

確認の順番も決めておきます。 1番の数字の見比べを先に終え、数字が直ってから2番と3番に進みます。数字が直る前に提案を読むと、直った後の数字で提案の条件が外れていた、ということが起きます。 4番の配車への確認は、まとめて1日1回にすると配車の担当の手を止める回数が減ります。

確認する人見るもの1社あたりの目安
営業数字の番号、所感、提案を出すか数分
配車の担当【配車に確認】の付いた提案該当する会社だけ
上長営業ごとに1社以上の報告と提案抜き出した会社だけ
Step10

例外に対処する

起きること対応
文に番号の付いていない数字があるその数字を消すか、集計表の行を探して番号を付け直す。見つからなければ消す
先月の利用が0件の契約先報告は「先月のご利用はありませんでした」の定型にし、提案は作らない
集計表の前月比の列が空表計算の式が壊れている。AIに計算させず、集計表を直してから作り直す
契約の形が月の途中で変わった変わった日を営業のメモに書き、報告は変わる前と後を分けて書かせる
提案の型が2つ以上当てはまる2つまで出させ、営業が1つに絞る
営業のメモに契約先の社内の事情(人事など)が書かれている報告の所感には使わない。メモは貼る前に、報告に使ってよい部分だけにする
契約先から明細の提出を求められた明細は配車システムの帳票で出し、ChatGPT には渡さない
集計表の行の番号が先月と違う並びになった書式の区分が増えたか減った。区分の順番を固定の一覧に戻してから作る
契約先の担当が交代した営業のメモに書き、報告の冒頭のあいさつだけ営業が書き換える。AIに新しい担当への文を作らせない

3行目は、AIに頼りたくなる場面です。 集計表の式が壊れていると、AIに「今月と先月から増減を出して」と頼みたくなります。ここで計算させると、数字の出どころが集計表でなくなります。

6行目は、営業のメモの扱いの決まりです。 打ち合わせのメモには、契約先の社内の話(役員の交代の予定など)が書かれていることがあります。報告の文に入れてよいかは営業が決め、入れないものは貼りません。

Step11

記録を残す

  • 契約先ごと・月ごとの集計表(行の番号付き)
  • ChatGPT に貼った営業のメモ(貼った部分だけ)
  • 報告の文と提案の文の下書き、営業が直した後の文、送った文
  • 選ばれた提案の型と、営業が出した/出さなかったの記録
  • 配車の担当の確認の結果
  • 契約先からの返事(提案への反応)

4つ目の記録は、提案の型を育てる材料です。 半年分を見ると、よく選ばれるのに営業が出さない型と、出すと契約先から返事が来る型が分かります。型の一覧を年に2回見直すときに使います。

チャットの履歴はプロジェクトに残りますが、送った文の正本はメールと営業の記録に置きます。 チャットを消しても、何を送ったかが分かるようにしておきます。

04実装レベルの3段階

最小構成:ChatGPT のプロジェクトに提案の型と書き方を入れ、集計表を貼って報告と提案を作る / 報告の文と提案の文の下書き
半自動化:上記+表計算の集計の書式を配車システムの書き出しと直接つなぎ、40社分の集計表を一度に作る / 集計表づくりと、報告の下書き
本格構成:上記+API で生成AIを呼び、40社分の下書きを一度に作って営業ごとの確認の一覧にする / 集計から下書きと確認の一覧までの全体

本記事の想定は最小構成です。 月40社なら、営業4人が ChatGPT の画面で1人10社ずつ回せる量です。 半自動化の価値は、集計の時間です。 この記事の工数には集計の時間を入れていませんが、実際には配車システムの書き出しと表計算への貼り付けに時間がかかっています。集計の書式を配車システムの書き出しに合わせて固定すると、ここが短くなります。 半自動化に進む前に、集計の書式を3か月動かしてください。 区分の名前や行の並びは、使っているうちに足したり削ったりしたくなります。書式が落ち着かないうちに配車システムの書き出しとつなぐと、つなぎ直しが何度も起きます。 本格構成は、契約先が100社を超えて、全社に報告を送るようになったときに考えます。 そのときは、数字の照合も機械でできるように、下書きの番号と集計表の行を突き合わせる処理を足します。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
40 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
12 分
現在  40件 × 45分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 40件 × 12分 ÷ 60 = 8 時間/月
月間削減時間
22h
削減率
73%
年間削減時間
264h
年間金額換算(時間単価3,200円)
84万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 企業の役員送迎や来客の送迎、空港の送り迎えを法人契約で受けているハイヤー会社。契約先の総務の担当に毎月、利用の件数・時間・料金の内訳と所感を報告していて、報告の文を営業が1社ずつ書いている場合。報告に添える提案(予約の仕方、時間制の契約への切り替えなど)が営業の人ごとにばらばらで、出す月と出さない月がある場合。ChatGPT の Business などの法人向けのプランをすでに使っている場合。
向いていない
  1. 法人契約が数社で、報告を請求書の明細だけで済ませている場合。配車システムから月の運行の記録を書き出せない場合。料金の計算や請求の金額そのものをAIに出させたい場合(この構成は集計表の数字を使って文を作るもので、料金の計算は配車システムと表計算で行います)。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の報告を送った契約先から5社を選ぶ(専属と都度の両方、提案を出した会社と出さなかった会社を混ぜる)
  2. 5社の集計表を、行の番号付きのテキストの表にする
  3. ChatGPT でプロジェクトを1つ作り、提案の型の一覧(まずは4つ)と報告の書き方を資料に入れる
  4. 第7章のスキルの指示で、5社分の報告の文と提案の文を作らせる
  5. 先月実際に送った報告と比べる

5社は必ずやってください。 確かめたいのは、数字に付いた番号が全部集計表の行と合うかと、提案の型の選び方が営業の判断と近いかです。

出てきた内容判断
数字の番号が全部合い、提案の型が営業の判断と近いスキルにまとめて4人で使う
番号の付いていない数字や、計算した数字がある指示の書き方で直る。構成は有効
提案の型が営業の判断とまったく合わない型の「当てはまる条件」を数字で書き直す

3行目は、型の条件が営業の頭の中にしか無かったということです。 営業に「なぜこの会社にはこの提案をしたか」を聞き、条件を数字に直してください。この作業だけでも、提案が人によって出たり出なかったりする状態は減ります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
AIが増減を計算して桁を間違える前月比は表計算の式で出し、AIには計算させない
番号の付いていない数字が文に入る指示で禁じ、営業が番号の無い数字を消す
所感に営業のメモに無い理由が入るメモに無い理由を書かないと指示し、営業が読む
毎月何かしら提案する「今月は提案なし」を選べるようにする
提案に料金の見込みが書かれる指示で禁じ、料金の比較は営業が契約の台帳で計算する
配車できない提案を送ってしまう型の一覧に「配車に確かめる」の列を持たせる
前の会社の数字が混ざる1社1チャットにする
乗った人の名前が報告に出る集計の区分に名前を使わない。明細はAIに渡さない
区間の名前がばらばらで前月比が出ない区間の名前を決まった名前にそろえてから集計する
4人の書き方がばらばらに戻るスキルは1人が直して共有する
先月の集計表を今月と取り違えて貼る月で番号の頭の文字を変え(R/P/Q)、報告の概要が R の行から取られているかを見る
提案の型の条件が古いまま残る年に2回、出した/出さなかったの記録で条件を見直す

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 報告の信用は数字で決まり、数字を間違えた報告は、提案まで読まれなくなります。 計算を表計算に寄せ、番号で見比べる、の二重で止めます。

6行目は、営業と配車の間の約束です。 提案は営業の仕事ですが、実際に車と運転者を手配するのは配車です。運転者の勤務の組み方は労働時間の決まりの中で決まるので、営業が先に約束した提案に配車が合わせることはできません。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 契約先ごとの利用の集計(部署別・時間帯別・区間別)、営業のメモ(契約先の社内の予定など)、契約の内容(料金の区分)です。運行の明細(乗った人の名前・行き先)は扱いません。

  1. 法人向けのプランで使う … 公式のページは、OpenAI は既定ではビジネスのデータをモデルの学習に使わないとしています。個人のアカウントで契約先の数字を扱わないでください
  2. 個人情報を含むプロンプトを入れるときは、利用目的の範囲かを確かめる … 個人情報保護委員会の注意喚起は、個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認するよう求めています。この構成では集計の区分に名前を使わず、明細を渡さないことで、個人情報を入れない形にしています
  3. 機械学習に使われないことを確かめる … 同じ注意喚起は、個人データを含むプロンプトを入れる場合、サービスの提供者がそれを機械学習に利用しないこと等を十分に確認するよう求めています。使うプランの設定を、導入の前に情報システムの担当と確かめます
  4. 役員の移動の傾向も機密として扱う … 名前が無くても、「役員」区分の時間帯や区間の動きは、契約先にとって外に出したくない情報です。報告は契約先の担当だけに送り、社内でも営業と配車の担当に限ります
  5. 営業のメモは貼る部分を選ぶ … 契約先の社内の事情は、報告に使う部分だけを貼ります
  6. 提案を運転者の労働時間の決まりと合わせる … 待機の長い使い方や深夜の続けての利用を勧める提案は、配車の担当が運転者の勤務の組み方と合わせて確かめます

提案の型の一覧そのものも、社外に出さない資料として扱います。 一覧には、どの使い方の会社にどの契約を勧めるかという営業の考え方がまとまっています。プロジェクトの資料に入れるのは法人向けのプランの中だけにし、共有の範囲は営業部と配車の担当に限ります。 営業が退職したり異動したりしたときは、プロジェクトの共有から外す手順も決めておきます。

誤りが起きた場合のリスクは、数字を間違えた報告を送ることと、配車できない提案を約束することの2つです。 前者は計算を表計算に寄せることと行の番号で、後者は型の一覧の「配車に確かめる」で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:集計の書式をそろえる

配車システムの書き出しから、件数・利用時間・待機時間・距離・料金を部署別・時間帯別・区間別に集計する書式を1つ決めます。前月比は表計算の式で出し、行に番号を振ります。 区間の名前の決まりもここで作ります。

2週目:提案の型の一覧を作る

営業4人で、これまで出してきた提案を持ち寄り、型にまとめます。型ごとに「当てはまる条件」を集計表の列の数字で書き、「配車に確かめる」の要否を配車の担当と決めます。 まずは4つで十分です。

3週目:5社で試す

ChatGPT のプロジェクトを作り、先月の5社分の報告と提案を作らせます。数字の番号が全部合うかと、提案の型の選び方が営業の判断と近いかを、最優先で見ます。

4週目:スキルにまとめる

報告と提案の指示をスキルにし、4人で共有します。翌月の月初に、40社分をこの手順で作ります。

2か月目: 1社あたりの時間を測り、営業ごとに1社以上を上長が読みます。3か月目以降: 提案の型ごとに、出した/出さなかった、契約先からの返事を数え、型の一覧を見直します。40社すべてに提案が検討され、配車の担当が止める提案が減っていけば、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示が令和6年4月1日から改正後のものになっていること。ハイヤーの運転者にはタクシーの拘束時間の表が適用されないこと。ハイヤー運転者の時間外・休日労働の協定の延長時間が1か月45時間・1年360時間を限度とし、臨時的特別な事情がある場合でも1年960時間を超えないものとし、勤務終了後に一定の休息期間を与えるものとされていること厚生労働省: ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示2026-10-29
個人情報保護委員会が生成AIサービスの利用に関する注意喚起を行ったこと個人情報保護委員会: 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について2026-10-29
個人情報取扱事業者が個人情報を含むプロンプトを入力する場合は利用目的の範囲内かを十分に確認すること。個人データを含むプロンプトを入れる場合はサービスの提供者が機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること個人情報保護委員会: 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(別添1)2026-10-29
プロジェクトが関連するチャット・ファイル・指示・資料をまとめ、資料がチャットのあいだで共有され、プロジェクトの指示がチャット全体に効くことChatGPT: Projects2026-10-29
スキルが特定の作業の指示と補助の資料をまとめたもので、依頼に合うと選ばれるか @ で呼べ、ワークスペースの設定が許せば共有できることChatGPT: Skills and plugins2026-10-29
OpenAI が既定ではビジネスのデータをモデルの学習に使わないことChatGPT: Work Cloud security2026-10-29

どの提案を出すか、配車できるかは、営業と配車の担当が決めてください。 本記事は上の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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